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JICT、いわば通称ジクトはICT分野に特化した日本で唯一の官民ファンドとして2015年に設立されました。
もともと20年の期限でございましたが、ちょうど折り返しの時期に来ているということで、さらに10年延長する法案が今回提出されたということであります。
私は今回のジクト法改正は、これまでの成果や課題をしっかりと総括をした上で、ジクトがその求められる役割を一層発揮できるよう発展させていく絶好の機会であると考えております。
さて、これまでジクトは成長著しいICT分野において、いわば民間投資を呼び込む呼び水として一定の役割を果たしてきたと評価いたしております。
また、地政学リスクの高まりや経済安全保障の重要性が増す中で、官民ファンドであるJICTがICT分野に長期のリスクマネーを供給する意義はこれまで以上に高まっており、日本の産業競争力の強化にとっても極めて重要であると考えております。
一方、官民ファンドの在り方、このことをめぐっては、国の出資比率が高いこと、あるいは投資先が大企業中心になっていること、さらには投資分野にも一定の偏りがあることなど、いくつか課題があるとも認識いたしております。
また、2年連続で単年度黒字を形成するなど、損益は改善傾向にあるとは言うものの、令和6年度末時点で累積損失約122億円に達しております。
投資の性質上、短期的な損失は一定程度やむを得ない面があるとも承知しておりますが、国民の皆様からの理解を得るという点においては、やはり引き続き丁寧な説明が求められると思います。
設立から約10年が経過する中で、海外展開の支援やデジタルインフラ分野への関与など、一定の取り組みが積み重ねられてきたものと承知しております。
一方で、今申し上げましたように、成果の一方においては課題について様々な指摘があるところでございます。
今まさに次の段階に向けた評価と見直しが求められているのではないでしょうか。
こうした点も踏まえまして、これまでの10年間の取り組みについて、どのように総括をされているのか。
また、今回の延長を踏まえ、今後10年、さらにその先を見据えて、ジクトにどのような機能と成果を期待されているのか。
林総務大臣のご見解をお伺いいたします。
この10年間のJICTの実績は、海底ケーブルですとかデータセンターなどのデジタルインフラを中心に28件の支援を決定いたしまして、2024年度末までの累積投資額は約1159億円、また誘発された民間投資額は約7167億円となっております。
日本企業による海外需要の獲得に着実に貢献するとともに、民間投資の呼び水としても十分に機能しているものと考えております。
またJICTでは、設立後最初の3年間で投資した4つの案件におきまして事業が計画どおり進まず損失を計上したことから、2024年度末の累積損益は122億円のマイナスとなっております。
委員からもご指摘があったところでありますが、その教訓を生かして、この投資のリスク管理に取り組みまして、2023年度からは日本経済財政政策会議の方針の下で、強い経済の実現に向けて、官民投資を重点的に支援すべき戦略分野の1つになっております。
JICTには、今後取りまとめる官民投資ロードマップの実行に当たりまして、我が国の企業の戦略投資の呼び水として、情報通信分野の海外市場の開拓において、一層重要な役割を果たしていくということを期待しておるところでございます。