本会議
概要
参議院において国家情報会議設置法案に関する質疑が行われ、高市早苗内閣総理大臣および木原稔内閣官房長官が答弁しました。本法案は、インテリジェンスの司令塔として国家情報会議を設置し、内閣情報調査室を国家情報局へ格上げすることで、政府全体の情報収集・分析能力を強化することを目的としています。質疑では、情報分析の中立性やプライバシー保護などの人権保障、外国による影響工作への対処、および将来的な対外情報庁の設置やスパイ防止法制の検討状況について議論されました。政府側は、本法案をインテリジェンス改革の第一歩と位置づけ、専門人材の確保や同盟国との連携強化、国民のリテラシー向上に努める方針を示しました。
発言タイムライン
発言者(8名)
- (参議院議長)
- (内閣官房長官、沖縄基地負担軽減担当、拉致問題担当)
- (自由民主党・無所属の会)
- (立憲民主・無所属)
- (国民民主党・新緑風会)
- (公明党)
- (日本維新の会)
- (参政党)
質疑応答(0件)
質疑応答は行われませんでした(所信表明・趣旨説明等のセッション)。
議事内容
これより会議を開きます。
日程第一、国家情報会議設置法案。
説明本案について、提出者の説明を求めます。
木原稔国務大臣。
国家情報会議設置法案の趣旨について御説明申し上げます。
この法律案は、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する重要事項を調査審議する機関として、内閣に国家情報会議を設置することとし、その所掌事務等に関する事項を定めるものであります。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、国家情報会議は、重要情報活動に関する基本的な方針、外国情報活動への対処に関する基本的な方針等を調査審議することとしております。
第二に、国家情報会議は、議長及び議員で組織することとし、議長は内閣総理大臣を、議員は内閣法第9条の規定により、あらかじめ指定された国務大臣、内閣官房長官、内閣府設置法第11条の特命担当大臣、国家公安委員会委員長、法務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、防衛大臣をもって充てることとしております。
また、議長は特定の事案に関し、特に集中して調査審議する必要があると認める場合には、議長、内閣官房長官及び当該事案に関係する者として、議長が指定する議員によって、当該事案についての調査審議を行うことができるほか、必要があると認めるときは、議員以外の国務大臣を議案を限って臨時に会議に参加させることができることとしております。
第三に、内閣官房長官及び関係行政機関の長は、国家情報会議に対し、同会議の調査審議に資する重要情報活動または外国情報活動への対処に関する資料または情報を適時に提供するとともに、議長の求めに応じて必要な協力等を行うこととしております。
国家情報会議に関する事務等を司ることとしております。
そのほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、この法律の施行日は、交付の日から起算して、6月を超えない範囲内において、政令で定める日としております。
以上がこの法律案の趣旨であります。
ただいまの説明に対し、質疑の通告がございます。
順次発言を許します。
松川るい君。
自由民主党の松川るいです。
会派を代表し、国家情報会議設置法案について質問させていただきます。
敵を知り、己を知れば百戦あようからず。
孫子の格言は、まさにインテリジェンスの真髄をついています。
敵を知るとは、外部からの情報により、相手の能力と意図を把握すること。
己を知るとは、自己の脆弱性分析とカウンターインテリジェンスに該当します。
百戦危うからずとは、勝つというより、戦略的奇襲を避けることにあります。
平和国家である日本こそ、危機を未然に防ぐために、インテリジェンスの充実が不可欠であります。
しかるに、我が国には、諸外国では当然存在する対外情報庁が未だ存在しません。
さらに関係省庁の一部門としての情報部門はありますが、その活動は組織ごとの縦割りとなりがちであり、活動全体を俯瞰して分析し、政府として意思決定を行い、指揮する司令塔機能も存在しません。
今回の法案では、国家としての情報分析能力を高め、インテリジェンスの司令塔の強化のために、総理をトップとする国家情報会議を設置するとともに、現在の内閣情報調査室を発展的に解消して、国家情報局を設けることとしています。
ただ、これらが機能するためには、器の中に魂を入れ、トップの指示が、横串となって貫かれるような法的な担保が大切だと考えます。
本法案により具体的にはどのような改善が期待できるでしょうか。
例えば情報関係省庁から官邸への情報集約が義務的になり、その結果オールソースアナリシスがより従前にできるようになると理解すればよいのでしょうか。
また、器の中の人材の情報収集、分析能力を強化していくことも欠かせませんが、そのための人材育成は極めて重要です。
これらについて高市総理のご所見をお聞かせください。
実は、私自身、国会議員になる前、外務省の国際情報統括官組織というインテリジェンス部門で働いておりました。
その際にも、米国のCIA、英国のSIS、通称MI6、豪州のASISのような対外情報庁が日本に存在しないことには、じくじたる思いをしてまいりました。
もしも、日本に対外情報庁があったなら、きっと拉致問題はずっと前に解決していたのではないかと思うからです。
当時あるCIAの方から、日本はいつになったら対外情報庁を作るつもりなのかと聞かれ、「10年後を見ていてほしい」と答えたことを思い出します。
その時から10年以上が経っています。
私にとって、対外情報庁設置は長らくの悲願です。
今回の国家情報局設置は、日本が対外情報庁を設立する上での重要な第一歩だと考えています。
総理のご所見をお伺いします。
また、情報分析業務については、分析結果への信頼確保等のために、政策部門から一定の中立性・独立性が求められますが、この点をどのように確保していくお考えでしょうか。
さらに、情報活動の特性上、秘密裏に推進することが求められますが、一方で、国民の理解を深め、国民によるそのあり方に対する意見について検討することも不可欠です。
これらをどのようにバランスを取りながら、国家情報戦略の対外公表を進めていくお考えでしょうか。
いずれも、木原長官にお伺いします。
最後に、近年、海外発信と思われる偽情報により、世論形成や政策決定を歪め、我が国を不利に、あるいは海外の特定国を有利にする動きが見られます。
米英豪などの諸外国も法的対策を行っていますが、いわゆるカウンターインテリジェンスの強化として、日本国内で影響工作を行う個人・法人の登録義務化を含め、どのように対処していくお考えでしょうか。
この点を木原長官にお伺いして、私の質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。
高市早苗内閣総理大臣。
松川るい議員のご質問にお答えいたします。
本法案によって期待される改善点や組織的な人材育成についてお尋ねがありました。
複雑で厳しい国際環境において、的確な意思決定を行っていくためには国家としての情報力を高めなければなりませんが、現行の体制では政府全体の情報活動を俯瞰してハイレベルな方向づけを行ったり、それに向けて各省庁の活動を調整したりするインテリジェンスの司令塔機能が十分とは言えませんでした。
本法案はこうした課題に対処すべく、関係閣僚で構成される国家情報会議が情報活動の基本方針を示すこととするとともに、同会議を支える国家情報局が基本方針の下で行われる各省庁の活動を総合調整することを定めるものであり、これにより政府全体の情報活動がより効果的かつ効率的に行われるようになると考えております。
また、本法案により各省庁が収集した情報が国家情報会議、国家情報局に集約されることを制度的に担保することで、より多くの情報による総合分析、つまりオールソースアナリシスが可能となり、政策部門に対する質の高い、時期にかなった情報の提供が実現するものと考えています。
また、議員ご指摘の情報分野における人材育成につきましても、大変重要な課題であると認識しています。
国家情報会議が調査審議する基本方針の中で、人事配置、人事交流の在り方や高度な研修の実施などについても、省庁横断的かつ中長期的な目線に立った施策を検討し、実施してまいります。
対外情報機能の充実についてお尋ねがありました。
国民の皆様の安全安心や国益を守り抜いていくため、我が国の情報力を高めるインテリジェンス改革を一つ一つ着実に前に進めていくことが重要であると考えています。
対外情報機能の強化については、本法案には含まれていませんが、さまざまな方々から御意見を賜りながら、丁寧かつ着実に検討を進めてまいります。
また、本法案は、我が国が直面する困難な課題に、的確に対処していくために必要なインテリジェンスの基盤整備を行うものであり、議員御指摘のとおり、対外情報機能の充実を含めたインテリジェンス改革のための第一歩でもあると考えています。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。
木原稔松川るい議員より、まず、情報分析の中立性確保についてお尋ねがありました。
情報部門と政策部門の分離と、それによる情報分析の中立性、独立性の確保は重要な課題であります。
これまで内閣における安全保障分野の政策部門である国家安全保障会議が閣僚級であるのに対し、情報部門は事務次官級の内閣情報会議であり、ランクに差がございました。
また、支える事務局についても、国家安全保障局は企画立案や総合調整権が付与されているのに対し、内庁はそうした機能が付与されていない。
国家情報局における情報分析業務においても本法案の趣旨が損なわれることがないよう、国家安全保障局等政策部門と連携しつつも、一定の分離が保たれるよう十分配慮してまいります。
次に、政府の取組方針に関する対外公表についてお尋ねがございました。
名称を国家情報戦略とするかどうかは未定ですが、本法案により、国家情報会議が設置された場合には、政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書を作成、公表することを検討しています。
その構成や中身については、本法案成立後、具体的な検討を進めてまいりますが、その際には、秘密類に推進されることの多い情報活動の意義や重要性について、国民の皆様の御理解を深めていただけるものとなっているか、政府の取組の方向性を適切に指し示しているか、今後の情報活動への影響が生じないか、といった点のバランスに十分配慮してまいります。
次に、カウンターインテリジェンスの強化についてお尋ねがありました。
偽情報の拡散を含む外国による影響工作については、我が国にとっても安全保障上の脅威であり、民主主義の根幹を脅かすもので、その対策は急務と考えております。
これに対応するため、政府においては、内閣官房副長官の調整の下で、関係省庁が協力し、情報収集分析の充実、情報流通プラットフォーム対処法の運用の徹底、正確な情報発信の強化、各種リテラシー施策の向上等の対策に一体となって取り組んでおります。
本法案により、内閣情報調査室の後継組織の国家情報局に、情報活動の企画立案、総合調整に関する事務が新しく加わることで、こうした取組をさらに強化してまいります。
また、議員御指摘の、日本国内で影響工作を行う個人・法人の登録義務を含めたインテリジェンス関連施策は、さまざまな方々から広くご意見を伺いつつ、検討を進めてまいります。
小島とも子君。
小島とも子立憲民主・無所属の小島と、
小島とも子です。
会派を代表し、ただいま議題となりました国家情報会議設置法案について質問いたします。
本法律案は、形式的に本則14条、不則5条と比較的短く、中身については、内閣官房にある内閣情報会議を国家情報会議として内閣に置く、また、内閣情報調査室を国家情報局に格上げするという、一見シンプルな内容です。
しかしながら、昨年10月、高市政権発足時の自由民主党、日本維新の会、連立政権合意書によると、本法律案の後ろには、いわゆるスパイ防止法や、対外情報庁といった、我が国の戦後安全保障のあり方を変容させ得る、極めて重要な政策テーマが続きます。
その皮切りとなる本法律案について、果たして広く国民の間で、共通の理解や納得が得られるのか。
人権保障の観点からどこまで安心感を持てるのか、こうした点が真の意味で賛否の分かれ目になると考え、以下、全ての質問を高市総理に伺います。
まず、法律案の必要性と効果についてお尋ねします。
冷戦終結後の我が国を取り巻く国際安全保障の環境は、北朝鮮による核弾道ミサイルの開発、米国における同時多発テロ、隣国・中国の経済力、軍事力の著しい増強、また、昨今のロシアによるウクライナ侵攻、イランを中心に緊迫する中東情勢など、極めて厳しくなる一方です。
そうした中、日本のインテリジェンス能力、すなわち国家としての情報収集や分析能力の強化は、常に重要な政策課題であり続けてきました。
とはいえ、今回の国家情報会議、国家情報局の設置案は、高市政権の誕生により、急遽浮上したように見え、唐突感を拭えません。
政府として、どのような背景の中、いかなる必要性から、そしてなぜ今、本法律案を提出したのでしょうか。
また、本法律案が成立すると、具体的にどのような効果が期待できるとお考えでしょうか。
丁寧かつ具体的な説明を求めます。
次に、高市政権の目指すインテリジェンス体制の理念について伺います。
政府のインテリジェンス機能とは、国の進む先にリスクの目があればそれを摘み取り、落とし穴があればそれを回避する。
また、相互不信や利益衝突による対立の深刻化を避け、対話による外交努力を下支えするための道具であるべきです。
総理も御存じのように、日本国憲法の三大原則とは、国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義であります。
本法律案で設置される国家情報会議とは、日本国憲法の三大原則の一つ、平和主義の精神に則った我が国がこれまで貫いてきた専守防衛の基本方針と整合性のある安全保障政策を支える組織と考えてよいのでしょうか。
明確な答弁を求めます。
続きまして、本法律案によって国の情報機関に新たな調査権限や捜査権限などが与えられるかについて質問します。
本法律案は、内閣に閣僚級の司令塔組織を置くことによって、政府内部の情報の集約や総合的な分析及び評価、また内閣の立場から行う企画立案、総合調整のための体制を整備するものと伺っております。
つまり、インテリジェンスの領域にも存在する縦割り行政の弊害を是正し、情報の一元化、集約化を通して誤差の少ない情報を効果的につなぐことで、より有益な分析、いわば解像度の高いビッグピクチャーを捉えようとするものと私なりに解釈をしています。
今回はそれが狙いであり、調査や捜査の権限は新たに付与しない。
内閣情報調査室の後継として新設予定の国家情報局には、現在与えられている情報収集の権限に追加拡大されるものは何もない、そのように考えてよろしいでしょうか。
また仮に、新しい調査権限や捜査権限が付与されなくても、政府がインテリジェンス全般を活発化させようとしていることに違いはなく、そうである以上は、既有だ、心配する必要のないことを心配しているだけと切り捨てるのではなく、政府の秘密の活動によって人権が侵害されるかもしれない、侵害されても気づくことすらできないのではという国民の深刻な懸念や不安に政府はしっかりと応える責務があります。
本法律案の運用に当たっては、個人情報やプライバシーの保護などの人権保障について、政府として原理原則の明確化、情報機関に対する監査監督の枠組み構築、また記録保存など、自己検証を可能とする仕組みの設置などを検討するお考えはあるのでしょうか。
衆議院内閣委員会において、木原官房長官は、「プライバシーの権利は不当に侵害してはならない。
これは憲法に規定されている大前提」と答弁しています。
官房長官の答弁同様、総理もそれが大前提と本気で考えるのならば、個人情報やプライバシーの保護など人権保障の仕組みや政府の説明責任として、例えば定期的な国会報告、情報監視審査会の権限強化など、本法律案に追加修正を行うべきではないでしょうか。
少なくとも情報活動の中長期方針を記載する文書、いわゆる国家情報戦略の中に、人権保障の仕組みや政府の説明責任を盛り込むことは最低限必要と考えますが、総理はどのようにお考えか、その理由も併せてご説明ください。
続いて、本法律案の条文から読み取れるある懸念についてお尋ねします。
本法律案第2条のテロリズムは、同条重要情報活動に関連する重要な国勢の例示であるとの位置づけであり、もう1つの調査審議事項である外国情報活動への対処には、外国の利益を図る目的で行われるものという限定が付されています。
これらのことから、テロリズムには他国のテロ組織によるものだけでなく、日本人テロリストや日本のテロ組織によるものも含まれると読み取れます。
したがってテロを行う疑いのある日本人や日本人により構成される団体は、国家情報会議や国家情報局に関心を寄せられ、監視対象とされる可能性があるとの理解で間違いないでしょうか。
また総理は衆議院において、外国勢力によるものでない我が国の市民団体等の活動については調査審議事項にはなりませんと答弁する一方、別の答弁で、デモが過激化して一般の方々への危害が及ぶ事態に発展するかどうか、また、ある主張をするデモ隊と、その反対の主張をするデモ隊が衝突して危険な状態が生じる可能性があるかどうか、といった観点から関心を寄せることはあり得るとしています。
先ほどの質問のテロとこのデモとでは、音声こそ似ていますが、内容は全く別物です。
しかし、総理の答弁も併せて考えると、結論としてテロでもデモでも、政府当局が懸念や疑念を抱けば、それを行う日本人に関心を寄せ、監視対象とすることはあり得るとの理解で正しいでしょうか。
さらに当局が関心を寄せる監視対象とする判断基準や、そうした行動を起こすための手順や手続きは一体どのようになっているのでしょうか。
例えば任意捜査を除き、警察や検察の捜査では、捜査機関から令状請求を裁判官が受け、審査の上、相当な理由があると認めれば許可し、令状を発付してから捜査機関の捜査が始まります。
これは憲法の基本原理である基本的人権の尊重に則って不当な人権侵害を防ぐために、事前に裁判官のチェックを受ける令状主義に基づくものです。
これと比べると、インテリジェンス活動の判断基準や、その活動の手順手続きについては、当局が恣意的に行っている疑いが拭えません。
その合理性や適法性、客観性などはどう担保されているのでしょうか。
具体的かつ論理的な答弁を求めます。
世界では今、SNSやAIを悪用した世論操作などの影響工作は、単なるフェイク情報の拡散にとどまらず、民主主義の中核的プロセス、すなわち意思の形成や国内の選挙など、統治の正当性そのものを侵食する、安全保障上、最も深刻なリスクの一つと言われています。
この10年、主だった事例を振り返るだけでも、2016年のアメリカ大統領選挙におけるロシア系組織の介入、2020年、2024年の台湾総統選挙における中国系とされる工作活動など、枚挙にいとまがありません。
我が国もこれまで、他国同様、外国からの影響工作、例えばSNSなどを通じた選挙への介入や、社会の分断を狙った工作などを受けたことがあるのでしょうか。
また政府として、国外からの世論操作など影響工作について、どの程度深刻な安全保障上の脅威として認識しているのでしょうか。
さらにこうした影響工作を実際に受けた場合、本法律案の外国情報活動への対処としてどのような対処を行う考えなのか、基本的概略的な説明を求めます。
ここまでは影響工作を受けた場合についてお尋ねしましたが、今度は影響工作を行うことについてお尋ねします。
こうした影響工作は、何も外国からに限っているわけではありません。
昨今の国内の選挙においても、特定の勢力を勝たせようとしたり、あるいは対抗する勢力を不利な状況に導くために、SNSやAIなどを悪用して世論を誘導する行為が行われている疑いが指摘されています。
このような、SNSなどを使って政治に影響力を与えるとか、選挙結果を歪めようとする行為は、本法案に明記されている重要情報活動と言えるのでしょうか。
また、国内で行われているこうした行為は、国家情報会議、あるいは国家情報局での調査・審議の対象となるのでしょうか。
そうした中で、高市総理周辺が関わったとされるある重大な疑惑が浮上しています。
一部メディアの報道によると、先の自民党総裁選や衆議院議員総選挙において、高市総理陣営が総裁選の他の候補や総選挙の野党候補を誹謗中傷する動画を大量に作成し、SNSに大量に投稿を拡散していたのではないかとの疑いです。
事実だとすれば選挙の正当性が疑われ、民主主義の根幹をも揺るがしかねない重大な問題と考えますが、本件で関与が指摘される地元の公設第一秘書ら関係者に確認した上で、こうした事実があったのか否か、正確なところをしっかりと御答弁ください。
また、高市総理は衆議院の審議において、「現役の総理大臣を勝たせる目的として、情勢等を調査するようなことは、これまでも行っていないと聞いていますし、今後も行うことはありません」とか、「スキャンダルについて、もっぱらマスコミや野党の追及をかわすといった目的だけで情報活動を行うということは、現在も想定されませんし、今後も行われることはない。
それはあってはならないと考えております」など、選挙や政治一般について、立派で潔癖な、あるべき姿勢を貫く答弁を繰り返されてきました。
政権の維持や党派的利益のために情報機関を利用すること、例えば選挙で与党側を勝たせる目的で情勢を調査するとか、政権内に発生したスキャンダルの追及に関して野党やマスコミの動向を探るなど、いわば時の政権によるインテリジェンスの政治化は許されないのではないですか。
この点についても明確な答弁を求めます。
最後になりますが、本法律案のテーマはインテリジェンス機能の強化です。
そしてその上位にあるテーマが平和です。
平和と対になる言葉は戦争。
命を理不尽に奪う戦争は疑いもなく究極の人権侵害です。
しかし、究極の人権侵害を防ぐために個人情報やプライバシー保護の人権保障を犠牲にしてよい、という立場に私は立ちません。
命が大切にされると同時に、一人一人の人権がしっかりと守られる社会の実現。
ここにいらっしゃる全ての方々と、この目標を共有することができると信じ、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
高市早苗内閣総理大臣、小島とも子議員のご質問にお答えいたします。
本法案の必要性及び具体的な効果についてお尋ねがございました。
昨今の国際環境は複雑で厳しいものとなっており、サイバー攻撃、偽情報の拡散、影響工作、国際テロといった様々な脅威に加え、経済安全保障や先端技術をめぐる国家間競争も深刻な情勢にあります。
そのような中、政府は深刻な脅威が顕在化するまで待つのではなく、能動的にその兆候を把握していくことで、危機を未然に防ぎ、国民の皆様の安全と国益の確保を図る必要があります。
本法案は、こうした政府のインテリジェンス機能を強化するために、総合分析力が強化され、政策部門に対してより多く質の高いインテリジェンスを提供することが可能になると考えます。
国家情報会議と専守防衛についてお尋ねがありました。
本法案により政府において閣僚級の国家情報会議を内閣に設置し、情報活動の基本方針を示すこととしています。
これは御指摘の安全保障分野を含め、政策部門の的確な意思決定を情報面で支援することとしたものでございます。
我が国は平和主義の理念を掲げる日本国憲法の下、専守防衛を我が国防衛の基本的な方針としていますが、国家情報会議は当然ながら、こうした基本的な方針の下に行われる政策部門の的確な意思決定を情報面で支えるものです。
情報収集の権限についてお尋ねがありました。
本法案は、インテリジェンスの司令塔機能を強化するため、政府の情報活動に関する基本方針を調査審議する国家情報会議と、各省庁が行う情報活動の総合調整を担う国家情報局を設置することを内容とするものです。
よって本法案は、議員御指摘のとおり、国民の皆様から情報を法的に取得することを容易にするような新たな調査権限を、国家情報会議、国家情報局、あるいは各インテリジェンス関係機関に新設したり拡充したりするものではありません。
個人情報やプライバシーの保護についてお尋ねがありました。
政府が行政事務を遂行するにあたって、憲法に保障された国民の権利利益を尊重し、また個人情報保護法、公文書管理法、情報公開法などの関係法令に定められたルールに従うことは当然のことです。
各省庁の情報活動もこうした原理原則に則りながら、これまでと変わらない権限の範囲内で、所管大臣の監督の下、適正に行われるものであることから、議員御指摘のような仕組みを本法案に設けることとはしていませんが、政府としてはこの点についても、国会からお求めがあれば、適切に御説明してまいります。
また、作成、公表を検討している、政府の情報活動の中長期的な推進方策の内容については、本法案を成立いただいた後、国家情報会議において議論をしてまいりますが、例えば個人情報やプライバシーの保護を無用に侵害するような情報収集提供を行わないための方策などについても検討することとなると考えております。
テロを行う疑いのある日本人や日本の組織についてお尋ねがありました。
本法案において重要な国政の運営の例示として明記されているように、テロリズムを未然に防止することは、国家として極めて重要です。
我が国において発生を防止すべきテロリズムは、外国人が起すものに限られるわけではなく、議員御指摘のとおり、仮に日本人、または日本の組織団体がテロリズムを企て、国民の生命財産を脅かそうとしているのであれば、情報部門においてその実態解明を進めることは当然であり、各省庁によるこうした活動を国家情報会議で調査審議することもあり得ると考えております。
政府による情報活動の合理性、適法性、客観性の担保についてお尋ねがありました。
まず、議員御指摘の私の答弁についてですが、国家情報会議、国家情報局や各インテリジェンス関係機関の所掌事務を踏まえれば、デモが過激化して国民に危害が及ぶような事態については関心を寄せることがあり得ると、当然のことを申し上げたものです。
よって、何の事情も認められない中で、情報機関が漫然と監視を行うことを答弁したものではございません。
もとより政府が行う情報活動一般と、議員ご指摘の裁判官の令状を得て行う刑事訴訟法上の強制捜査等を比較すると、その手続きのみならず、目的や手段、強制力といった点に関して大きく異なるため、両者を一概に比較することは困難ですが、いずれにしても情報活動に限らず、政府が行政事務を遂行する際は、憲法を遵守し、関係法令に即して合理的かつ適正に行うべきことは当然であると考えております。
外国からの影響工作についてお尋ねがありました。
外国による影響工作は我が国にとっても安全保障上の脅威であり、選挙の公正や自由な報道といった民主主義の根幹をも脅かすものであると認識しています。
これに適切に対処すべく、政府においては内閣官房副長官を長として関係省庁が協力し、情報収集、分析の充実、情報流通プラットフォーム対処法の運用の徹底、正確な情報発信の強化、各種リテラシー施策の向上などの対策に取り組んでいます。
選挙について申し上げれば、先般の衆院選に際し、外国の者と疑われる不審アカウントが選挙に関する不審な内容を投稿している動向を一定数把握し、プラットフォーム事業者に情報提供を行うなどの対応を取りました。
国家情報会議が設置された後は、関係省庁間の連携をさらに強化し、政府として影響工作への対応を一層進めてまいります。
SNSやAIを悪用した影響工作についてお尋ねがありました。
選挙において外国勢力が政策や世論を自国に有利に誘導しようと、偽情報を拡散するなどの影響工作を行うことは、民主主義の根幹をなす選挙の公正を揺るがすもので、国益を害する重大な挑戦であると捉えています。
その手口や実態を解明することは、本法案に定める外国情報活動への対処に該当し得るものであり、また本法案に定める重要情報活動としての側面を持ち、国家情報会議の調査審議事項になると考えています。
他方、外国勢力によるものでない我が国の市民団体等の活動については調査審議事項にはなりません。
私の陣営によるSNS投稿に関する週刊誌記事についてお尋ねがありました。
報じられた内容について事務所の職員に確認をしましたが、高市事務所及び高市陣営においては、昨年の自由民主党総裁選及び本年の衆議院選挙において高市事務所が運営するアカウントでのSNS発信は行いましたが、それ以外のアカウントでの発信は行っておらず、また他の候補に関するネガティブな情報を発信する、あるいはそのような動画を作成して発信するといったことは、一切行っていないという報告を受けております。
インテリジェンスの政治家についてお尋ねがありました。
まず政治的中立性に関して申し上げれば、各インテリジェンス機関において特定の党や候補者を利するような目的で情報活動を行うことはしていませんし、今後も行うことはありません。
またそのような目的で情報活動を行うことを内閣総理大臣や、あるいは官房長官を含めた政策部門が、各インテリジェンス機関に対して指示するということは当然ありません。
堂込麻紀子君。
堂込麻紀子です。
国民民主党、新緑風会の堂込麻紀子です。
ただいま、議題となりました。
国家情報会議設置法案について、会派を代表し質問いたします。
国民民主党は、昨年11月、そして本年3月に、外国による不当な影響力の行使の脅威に備える議員立法、インテリジェンスに係る体制の整備の推進に関する法律案を衆議院に提出いたしました。
同法案は、4月22日の衆議院内閣委員会で趣旨説明が行われ、政府案と並行して審議されるに至りました。
残念ながら賛成少数で否決をされましたが、従前から国民民主党がインテリジェンス政策を国力を左右する重要政策の一つと位置づけてきたことを明確に示すことができ、国会論議の場において大きな足跡を残すことができたと考えます。
本日はインテリジェンス政策に関する諸課題などについて、総理の率直なお考えをお聞きしていきたいと考えます。
まず第一に、透明性や政治的中立、民主的統制と本法案の関係についてお伺いします。
国民民主党の議員立法では、インテリジェンスに係る体制の整備の推進は、一つに透明性を図ることが重要、二つに政治的中立及び民主的統制が確保されるようにする、三つに国家の存立に関わる重要な課題であるとの認識の下に行わなければならない、四つに日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならない、とそれぞれ基本理念が規定されております。
本法案で政治的中立の確保などが条文に盛り込まれていない理由として、衆議院内閣委員会において木原内閣官房長官は、国家情報会議設置法案は会議体を設置するいわゆる組織法であり、他の組織法では規定されていないようなことを本法案のみで規定するということは、法体系全体の中で特別な意味合いを付与してしまう恐れがある旨の答弁を行っております。
インテリジェンス政策の推進においては、本法案の条文にはなくとも、こうした点を重視していくべきだと考えます。
透明性、政治的中立及び民主的統制の確保などをはじめとした前述の4つの点の重要性について、それぞれどのように考えておられるのか、総理の率直な見解を伺います。
第二に、少し時間軸を先に進め、1点目と同様の点について伺います。
今回の国家情報会議設置法が第1弾の位置づけだとすると、第2弾とされる対外情報庁の設置、インテリジェンス・スパイ防止関連法制、こちらは自由民主党と日本維新の会の連立政権合意書によりますと、基本法や外国代理人登録法、そしてロビー活動公開法などを指すようですが、第2弾の法案には、政治的中立及び民主的統制の確保、国民の自由と権利の尊重などの基本理念のようなものが規定される見通しがあるのでしょうか。
この点について総理に伺います。
第三に、国民の理解の増進及び信頼の向上について伺います。
衆議院内閣委員会で総理は、名称を国家情報戦略とするかどうかは未定であるけれども、新設される国家情報会議において、政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書を作成し、公表できる範囲内でこれを公表するということを検討してまいりますとお答えをしております。
また、この取りまとめ文書は数年単位でしか見直しをしないと固定的に考えているわけではないという答弁もされております。
これに関連し、衆議院内閣委員会に参考人として出席した小林佳樹教授は、国民からの理解の不足は、中長期的にはインテリジェンス組織あるいは活動の正当性、いわゆるレジティマシーにネガティブな影響を与え、その機能の低下につながる可能性も否定できませんと述べられております。
インテリジェンスに対する国民の理解の増進及び信頼の向上の重要性について、どのように考え、具体的にどのようなことを実施していくのか。
国家情報戦略的なものを国会に報告し、公表するのみならず、さらに一歩進めて、インテリジェンス白書のような年次レポートを出すことはできないのでしょうか。
総理の見解を伺います。
第四に、インテリジェンスに係る人材の確保、適切な処遇について伺います。
衆議院内閣委員会で総理は、中途採用も含めて優れた人材を獲得する、能力主義で採用する、インテリジェンス関係機関にもAIなどに関する専門的な知見を備えた人材を確保するということが必要であるといった答弁をなされています。
昨今の厳しいだけではなく、展開が大変早い国際情勢を的確に把握し、速やかな意思決定につなげていくことを実現させていくためにも、インテリジェンスに係る総合調整機能を持つことになる国家情報会議には、AIやサイバーセキュリティ、そして経済安全保障などに関する専門的知見を有する人材を確保していくことが極めて重要であると考えます。
こうした有用な人材の確保に向けて、処遇面も含めてどのようなことをお考えなのか、総理の展望を伺います。
第五に、情報業務に従事する者及びその家族の安全の確保について伺います。
衆議院本会議で総理は、対外情報機能の充実を図るにあたっては、その最前線で情報業務に従事する職員やそのご家族の安全を確保することや必要な支援を行うことについても多角的な検討を進めてまいりますと答弁をされております。
この点について具体的に踏み込むとすれば、例えば任務の性質上、本来の身分を明かせないインテリジェンス担当者などが本人に紐付かない身分、つまり仮想身分を使用することを法的に可能とし、それに基づいたパスポートなどの公的書類の発行を行うこと、さらには情報業務に従事するものや、その家族の身の安全を守るために国内外に政府ハウスを整備することなども将来的には検討の射程に入ってくるのでしょうか。
総理の見解を伺います。
第6に、内閣情報分析官に期待する役割について伺います。
特定の地域または分野に関する特に高度な分析を担当している内閣情報分析官は現在8名いると承知をしております。
現在の内閣情報調査室の体制と比べ質量ともに充実した情報が国家情報局に集まってくることが期待される中で、内閣情報分析官の役割はますます重要になるというふうに考えます。
国家情報局創設後の内閣情報分析官にどのような役割を期待されているのでしょうか。
その増員などは検討されているのでしょうか。
総理の見解を伺います。
第7に、国際的な情報連携の重要性について伺います。
国家情報会議、国家情報局が創設された後は、今般の中東情勢のような危機的な事態に直面する際、質量ともに充実した情報収集が行われ、政策に活用することが本当にできるのでしょうか。
そのためには、同盟国、同志国との情報連携を深めることが不可欠だと考えます。
総理の決意を伺います。
第8に情報保全の強化の必要性について伺います。
本法案で現状よりもインテリジェンス能力が強化をされ、重要な情報が国家情報局や国家情報会議に集約されることが想定される中で、それらに関与する議員や、職員などの人的側面のほか、施設や設備も含めた情報保全の強化を図る必要性が高まると考えます。
こうした点について、制度面や予算面も含め、どのように考えていくのでしょうか。
総理の見解を伺います。
最後、第9に、インテリジェンススパイ防止関連法制の策定スケジュールについて伺います。
国家情報会議、国家情報局を創設する本法案だけでは、いわば器を作ったに過ぎず、外国からの情報の摂取を防ぐことにはなりません。
課題を安易に先送りすることはなく、速やかに有識者会議を立ち上げ、まとまった法案を秋の臨時会にも提出すべきだと考えますが、総理の意気込みを伺います。
今回の法案はインテリジェンスの司令塔機能を強化することにより、政策部門の的確な意思決定を支え、危機を未然に防ぎ、国民の安全や国益を戦略的に守る取組を強化しようとするものと理解しております。
ただし、個人情報やプライバシーが無用に侵害されることのないように十分な配慮を行うこと、政治的中立を損なう情報収集は行わないことがその運用においてしっかりと担保されることが極めて重要であることを指摘し、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
高市早苗内閣総理大臣。
堂込麻紀子議員の御質問にお答えいたします。
インテリジェンス策推進上の基本理念についてお尋ねがございました。
まず透明性についてですが、情報活動には一定の秘匿性が求められる一方で、記録や資料は適切に法令の定めに従い、公文書として保管し、事後の歴史的検証に備えることで、透明性を確保すべきと考えます。
次に政治的中立についてですが、公務員が全体の奉仕者として職務を遂行することは憲法上の要請であり、インテリジェンス施策の推進に当たってこれを逸脱することがあってはなりません。
本法律案以外のインテリジェンス施策を課題とするに当たりましては、国民の権利義務に直接関わる制度を検討することも考えられることを踏まえ、民主的統制の観点が一層重要になると考えています。
国家の存立に関わる重要な課題であるとの認識についてでございますが、複雑で厳しい国際環境において、国家としての情報力を高めることは、国民の皆様の安全や国益の確保のため、必要不可欠であると、かねてより申し上げてきました。
最後に、国民の自由と権利の尊重についてですが、本法案が内容とする国家情報会議や国家情報局の運用に限らず、インテリジェンス施策を検討し、実施していくにあたって、憲法に保障された国民の自由と権利を尊重することは当然のことと考えています。
以上申し上げましたとおり、お尋ねのいずれの点についても、御党と認識や基本理念を共有できていると考えております。
今後立案される法案に政治的中立などの基本理念が規定されるのかということについてお尋ねがありました。
本法案以外のインテリジェンス策については現在論点整理を行っている段階であり、確定的なことは述べられませんが、御指摘の政治的中立及び民主的統制の確保、国民の自由と権利の尊重といった基本理念を御党と共有できていることは先ほど申し上げましたとおりであり、必要に応じて新規制度に反映させていくことは重要だと考えております。
情報活動に関する国民の皆様の理解増進や信頼の向上についてお尋ねがありました。
政府が行う情報活動について、国民の皆様の理解を深めるとともに、その信頼を向上させていくことは重要なことと認識しております。
そのため、政府が行う情報活動の実施状況や、その成果としての脅威評価に関しては、業務上の支障が生じる恐れがあるものを除き、国会からのお求めに対するものも含め、適切に御説明をするとともに、公表可能なものがあれば公表してまいりたいと考えております。
一方で、情報部門の活動結果を一部反映させた形で、様々な白書等の文書が関係当局によりそれぞれに作成公表されています。
よって、重ねて内閣官房の新組織において同様の取組をすることについて、現時点では具体的な検討は行っておりません。
なお、政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書については、戦略という性質上、毎年更新するものではないものの、国民の皆様の御理解を深めていただくためにも、作成、公表することを検討してまいります。
専門人材の確保についてお尋ねがありました。
昨今のインテリジェンス業務の高度化の状況を踏まえますと、ご指摘のとおり、AIやサイバーなどに関する専門人材の確保は重要な課題です。
現在、特定任用職員として、指定職相当の俸給などにより、民間出身の高度専門人材を登用したり、民間企業の優れた技術者の方々に、キャリアステップとして有用だとご本人や企業に思っていただける形で政府への出向を募ったりしています。
こうした官民交流による専門人材の確保も進めてまいります。
また、プロパー職員の採用についても、インテリジェンス業務の魅力を訴えつつ、中途採用を積極的に行い、即戦力の確保に努めてまいります。
仮想身分での活動及び職員等の安全確保措置についてお尋ねがありました。
外国の情報機関の職員が別の身分によって職務に当たることが許されていたり、情報機関の職員による行為について、一定の場合に違法性が阻却されたりする例があることは承知しております。
また我が国においても、警察において一定の犯罪を捜査するにあたって、公民文による捜査が導入され、昨年1月に実施要領が定められました。
我が国の情報活動において、こうした方法を取ることの適否につき、まだ定まった方針はありませんが、有効性や危険性などを踏まえた導入可能性については、研究すべき課題の1つだと考えています。
また、対象国の機関や対象組織が、情報活動に従事するものに危険を及ぼす可能性も視野に入れれば、十分な安全対策を講ずることは重要です。
いわゆるセーフハウスと呼ばれる安全な拠点や住まいの確保も、また研究課題の一つだと考えております。
内閣情報分析官に期待する役割と増員についてお尋ねがありました。
内閣情報分析官は内閣情報調査室において、官邸や国家安全保障局をはじめとする政策部門の情報ニーズに応えるべく、中長期的な国際情勢などの展望や評価について、オールソースアナリシスの手法も活用した高度な分析を行っています。
本法案により内閣情報調査室の後継組織である国家情報局に総合調整に関する事務が新たに加わることで、より高い水準の情報が国家情報局に集約され、分析レベルのさらなる向上が期待されます。
また、組織の体制整備を進める上で、ご指摘の内閣情報分析官を含む専門人材の確保は重要な課題と認識しており、中途採用も含めて人材の登用・確保を着実に進めていく考えです。
情報収集と政策への活用や、同盟国・同志国との情報連携についてお尋ねがありました。
外国における軍事紛争の勃発のような危機発生時には、法人の保護、重要物資の安定供給を含む経済の安定化、国際協調の下での外交的取組など、様々な対応をとることが求められます。
それを的確に行うためには、正確な情報の把握が鍵となります。
本法案により整備される司令塔機能は、まさにこのような局面において力を発揮することが期待されるものであり、政府一体となった情報収集活動や相互分析を円滑かつ強力に行っていく考えです。
このようなケースにおいては、我が国独自の情報収集分析とともに、ご指摘の同盟国、同志国との情報協力が極めて重要です。
国家情報局の総合調整のもとに、緊密な連携を図る所存であり、またそのために平素から深い信頼関係を醸成するよう努めてまいります。
情報保全の強化についてお尋ねがありました。
国家としての情報力を高めるためには、国家情報会議や国家情報局に集約される情報の保全を確保することも重要です。
人的側面については、国家情報会議に出席した者には、本法案により守秘義務がかかるほか、国家情報局で勤務する職員は、取り扱う情報の機密度を踏まえ、適正評価の実施や、それまでの経歴も考慮した人事配置などを適切に行ってまいります。
施設設備につきましては、国家情報局では、現在の内閣情報調査室で行っている、執務室における生体認証による入退室の管理、共有フォルダへのアクセス権の職員ごとの設定、執務室への許可を得ない電子機器等の持ち込みの禁止といった保全措置を引き続き講じていく考えです。
国家情報会議が調査審議する基本方針の中でも、省庁横断的かつ中長期的な目線に立った。
法保全の一層の強化策を検討推進してまいります。
有識者会議の立ち上げや関連法案の早期提出についてお尋ねがありました。
本法案は複雑で厳しい国際環境において国民の皆様の安全や国益を守るために進めなければならない改革の第一歩であります。
議員御指摘のとおり器、すなわち政府の情報活動の基盤整備を図るものであります。
そして当然のことながら検討を進めなければならないインテリジェンス施策は本法案だけではありません。
本法案を成立させていただいた後、その他の様々なインテリジェンス施策を検討していく際には、国民の権利義務に直接関わるような法制度を検討することも考えられることを踏まえれば、政府として様々な御意見を賜る必要があることから、御指摘のような有識者会議で多角的に御議論いただくことも重要だと考えております。
現時点では関連法案の立案に向けた検討状況やスケジュールをお示しできる段階ではありませんが、各インテリジェンス施策の検討を丁寧かつ着実に進め、実行に移せるものから実行してまいります。
窪田哲也君。
公明党の窪田哲也です。
会派を代表して政府提出の国家情報会議設置法案について、高市総理と木原官房長官に質疑を行います。
現下の国際情勢から政策決定に資する
インテリジェンス機能の強化は必要です。
しかし、戦前の教訓や情報機関による過去の人権侵害事案などから、プライバシーの保護や政治的中立性を担保すべきとの声があるのも事実です。
高市総理自らが強調されるように、国論を二分する政策だけに、議論の深化と国民への丁寧な説明が求められます。
はじめに情報戦の重要性について伺います。
諸外国に比べて我が国のインテリジェンス機能は脆弱だと言われますが、その背景や要因についてどのように認識されていますか。
仮に脆弱とするなら、どのような不都合が生じていると考えますか。
総理の認識を伺います。
元米国家安全保障会議東アジア担当部長、クリストファー・ジョンストン氏は、先月29日の日経新聞インタビューで、我が国のインテリジェンス機能強化について、米国は日本の情報機関の機能強化を歓迎するとしています。
我が国は米国に対し、安全保障面で過度に依存してきましたが、同様にインテリジェンス面でも過度に依存してきたのではないかとの指摘があります。
政府の認識はいかがでしょうか。
また、そのことによって、例えばイラクの大量破壊兵器の問題など、我が国の政策判断に影響はなかったと考えますが、総理に伺います。
情報機能の強化に対し、国民が懸念を抱くのは、活動の内容が明らかにされないため理解されにくいのに加え、公的記録が少なく、かつ歴史的にプライバシー権や思想良心の自由の問題と結びつきやすいことにあると思われます。
木原官房長官に伺います。
外務省が発行する外交百年史のように、我が国になぜインテリジェンス史が存在しないのでしょうか。
政府が設置を目指す国家情報会議については、その議事録を作成し、配付文書、資料とともに公文書として適正な期間保存すべきと考えますが、政府の認識はいかがでしょうか。
我が国インテリジェンス機関の活動によって、過去、プライバシー権や思想良心の自由、表現の自由、信教の自由など、人権が侵害された事案があります。
日弁連の意見書によると、公安調査庁による元公安調査庁職員へのプライバシー侵害(平成16年2月25日、東京高裁判決)、愛知県警によるプライバシー侵害(令和6年9月13日、名古屋高裁判決)などです。
政府はそれらに対し、どのような認識を持っていますか。
反省と対策はどうなっているのでしょうか。
高市総理の見解をお尋ねします。
活動の範囲と政治的中立性、国民の権利保護について4点、高市総理に伺います。
国家情報会議が調査審議の対象とする重要情報活動については、過度に広範になることなく、政策部門における対応のために必要と認められる範囲の情報に限ることが必要です。
その旨、衆院内閣委員会の付帯決議にも盛り込まれています。
国家情報会議が調査審議の対象とする重要情報活動の範囲を教えてください。
また、運用がその趣旨に沿ったものであることを、誰がどのように判断評価するのでしょうか。
衆院内閣委員会の付帯決議には、個人情報やプライバシーの保護への十分な配慮、目的外利用を厳に慎むことが盛り込まれました。
趣旨に沿った運用であることを、誰がどのように判断、評価するのでしょうか。
重要情報活動及び外国情報活動への対処に当たって、政治的中立性を損なう情報収集を行わないことも、衆院内閣委員会の付帯決議に盛り込まれました。
どう政治的中立性を確保するのでしょうか。
例えば日弁連は意見書で、独立した第三者機関による監督を制度化すべきと求めています。
これに対する総理の見解はいかがでしょうか。
プライバシー保護や政治的中立性について、本法案が適正に運用されていることを示し、国民の懸念を払拭するため、活動内容を適時適切に国会に報告し、説明すべきと考えます。
さらに国家情報基本戦略には、プライバシー保護や政治的中立性の確保について、その具体的方策を盛り込むべきと考えますが、総理のお考えを伺います。
与党の連立政権合意書に盛り込まれた内容について尋ねます。
与党の連立政権合意書には、スパイ防止関連法の速やかな法案策定と、令和9年度までの対外情報庁創設が盛り込まれています。
それぞれの法制化に向けた議論の現状、法案提出の見通しについて、総理教えてください。
同合意書には、情報要員を組織的に養成するための機関として、令和9年度までに省庁横断的な情報要員養成機関の創設が盛り込まれています。
どのような組織を想定しているのでしょうか。
木原官房長官に伺います。
インテリジェンス機能の強化に当たっては、我が国同様に議院内閣制を取り、国家規模も似通っている英国をモデルとするのが相応しいとの指摘があります。
しかし、英国のインテリジェンスが強いのは、ファイブアイズの一員として膨大な全ファイブアイズインテリジェンスシステムからデータと情報を引き出すことができるからだともされます。
だからといって米国のような資金人員規模を簡単に真似することもできません。
我が国はいずれのインテリジェンス先進国をモデルに機能強化を図るのがふさわしいと考えますか。
木原官房長官に伺います。
情報収集の分野において独自衛星を持つ我が国は一定の能力を保持しているものと理解しています。
しかし、内閣衛星情報センターは人的規模が限られていることや、24時間体制でないことなど課題があります。
政治的、地理的制約にとらわれない人工衛星による情報収集がますます重要となる中、同センターの体制強化に向けた考えについて木原官房長官に伺います。
情報戦や認知戦が安全保障上の重要な領域となる中、偽情報に対する国民の耐性を強化する必要があると考えます。
近年、教育現場で情報リテラシー教育が進む一方、中高年がアルゴリズムなどの影響被害を受けやすいという問題や、災害時に偽情報が拡散され、混乱を起こす問題も指摘されます。
情報リテラシーの向上が急がれる中、例えばフィンランドでは、隣国ロシアによる情報工作への対抗策としてメディアリテラシー教育が一定の成果を上げているそうです。
そうした取り組みを参考にするなど、我が国も全ての世代を対象とした情報リテラシー教育に一層力を入れるべきと考えますが、総理のご所見を伺います。
世界秩序が大きく揺れ動き、我が国もまた他国の影響力工作等によって平和と安全を脅かされかねません。
そうした中で公明党は、あくまでも国民合意を第一とする謙虚な姿勢で、慎重に国の根幹に関わる政策を進めることを誓い、質疑といたします。
ご清聴ありがとうございました。
高市早苗内閣総理大臣。
窪田哲也議員のご質問にお答えいたします。
我が国のインテリジェンス機能に関する評価や米国への依存についてお尋ねがありました。
複雑で厳しい国際環境において、政府としては質の高い、事義にかなった情報をできるだけ多く収集し、総合的に分析しなければならないと考えています。
現在のインテリジェンスの体制を見ますと、それぞれの情報機関はしっかり活動してくれているものの、政府全体を俯瞰してハイレベルな方向づけを行ったり、それに向けて各省庁の活動を調整したりする中枢機能が十分とは言えないと考えております。
本法案が内容とするインテリジェンスの司令塔機能の強化は、こうした課題に対応することにより、政府全体での情報活動をより高度で効率的なものにしていくためにも必要なものと考えています。
また、インテリジェンス面における米国への依存についての御指摘ですが、もとより米国を含め諸外国の政府機関と良好かつ緊密な協力関係を構築し、それによりタイムリーな情報を収集・分析した上で、我が国の国益を踏まえ主体的に判断してきたものと思いますが、一連のインテリジェンス改革を経て、政策判断はより正確性を増していくものと考えております。
インテリジェンス機関によるプライバシー侵害への認識についてお尋ねがありました。
日弁連の意見書にお尋ねの事案などが記載されていることは承知しております。
各機関において判決を重く受け止めて、それぞれの所掌事務、任務の範囲内で、関係法令に従って適切な方法で情報収集などに努めるよう、改めて徹底してきていると承知しております。
重要情報活動の範囲や国家情報会議の運用についてお尋ねがありました。
本法案における重要情報活動とは、重要な国政の運営に資する情報の収集調査に係る活動を言います。
そして国政とは一般に、対外政策や安全保障政策、行政全般や財政政策などを指し示す言葉ですが、その中でも重要なもの、すなわち安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急の事態への対処という3つの事柄を例示として指し示すものが重要国政運営です。
このような国政の中でも重要なものに資する情報の収集調査に係る活動が重要情報活動です。
これについての調査審議事項は、議長である内閣総理大臣が、衆議院内閣委員会の付帯決議の趣旨に十分反映しつつ、今後の情勢変化、その時々の具体の事情等に応じ、適切に判断することとなります。
個人情報やプライバシーの保護、政治的中立性の確保、第三者機関による監督についてお尋ねがございました。
政府が行う情報活動は、これを実施する各省庁においてそれぞれ担当する大臣の監督の下、引き続き個人情報保護法などのルールに則って適切に運用されるものであり、このことは今後も変わるものではありません。
次に政治的中立性の確保について申し上げれば、本法案により設置する国家情報会議は、もとより特定の党派の利益または不利益を図ることを目的とするものではありませんが、加えて、同会議を支える事務局である国家情報局で働く職員については、国家公務員法の規定や各種服務規定により、政治的中立性の確保を担保する仕組みが整備されています。
これらのことについては、衆議院内閣委員会における付帯決議について、その趣旨を十分配慮してまいります。
御指摘の第三者機関について申し上げれば、本法案は行政機関相互の関係における権限規定を設けるものではなく、本法案において御指摘のような独立した第三者機関を設けることとはしておりません。
国会報告や戦略文書の内容についてお尋ねがありました。
情報活動を推進するにあたって、国民の基本的人権や政治的中立性に配慮することは当然です。
その上で、議員御指摘のとおり、国家情報会議及び国家情報政治的中立性を損なうような情報の収集、提供などを行わないための方策についても検討することになると考えています。
連立政権合意書にあるスパイ防止関連法制及び対外情報庁の法制化に向けた議論の現状及び今後の見通しについてお尋ねがありました。
昨今の国際情勢に鑑みれば、外国勢力が我が国の意思決定に不当に干渉するリスクが生じており、そうした活動を阻止するための仕組みを設けることは重要と考えています。
政府の対外情報機能についても充実させていくことが必要であると考えています。
これらの施策については関連する課題や論点を整理しているところであり、現時点でその検討状況などをお示しできる段階ではありませんが、様々な方から御意見を伺いながら丁寧に検討を進めてまいります。
偽情報に関するリテラシー教育についてお尋ねがありました。
議員御指摘の偽情報の拡散などを含む様々なリスクが生じており、世代を問わず国民の皆様のリテラシー向上が大変重要であると考えております。
このため政府としては、情報には誤ったものや危険なものがあることを考えさせる動画教材の提供など、学校における情報モラル教育の充実、ネット、SNS広告において注意喚起動画を展開するなど、様々な企業、団体と連携協力した意識啓発、外国による偽情報等に関するポータルサイトの公開などの取り組みを行っております。
国際的な動向も踏まえつつ、情報やICTを適切に理解・活用するためのリテラシーの向上に取り組んでまいります。
残りの質問については、関係大臣から答弁します。
お願いいたします。
木原稔内閣官房長官。
窪田哲也議員より、まず、情報活動の記録や公開、及び国家情報会議の議事録等についてお尋ねがございました。
各省庁が作成公表する白書等の文書において、情報活動のあらましやその成果の一部の記載はありますが、政府全体の情報活動の歩みを取りまとめた公表用文書は作成されておりません。
これは政府全体の情報活動を一体のものとして捉える発想が弱かったことも影響していると考えています。
今後、新設される国家情報会議においては、政府一体となった情報活動の基本方針を定めるとともに、新たに政府全体の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた何らかの文書を作成し公表することを考えています。
また国家情報会議の運営に当たっては、事後の検証に資する形で議事の記録を作成し、配付文書とともに公文書の管理に係る制度に基づき公文書として適正な期間保存してまいります。
情報要員の養成期間についてお尋ねがありました。
国家のインテリジェンスの水準は従事する人材の知識や技能に大きく左右されます。
分野をまたがる安全保障上の課題が増大していることも踏まえますと、内閣官房のリードにより省庁横断的な人材育成の取組を推進することが必要だと認識しています。
共同の研修、訓練、研究を行うことは有益と考えます。
具体的にどのようなカリキュラムが有効で、その推進体制をどう構築すべきかは、まだ検討段階であり、定まったことは申し上げられませんが、最終形の完成を待たず、できることから順に実行してまいります。
次に、インテリジェンス機能の強化にあたり、どの国をモデルとするべきか、とのお尋ねがありました。
諸外国には様々な機能権限を有する情報機関と、それらによって構成される情報コミュニティが存在します。
こうした諸外国の仕組みは、各国が置かれている安全保障環境や固有の事情が様々である中で、時間をかけて形成されてきたものと認識をしております。
我が国の統治機構や情報機関を含めた行政組織のありようは必ずしも諸外国と同じではないため、他国の仕組みをそのまま我が国に当てはめることは適当ではありません。
いずれにせよ他国の仕組みは一定程度参考にしつつも、我が国の行政組織や制度との整合性を十分に踏まえながら、一つ一つのインテリジェンス施策の検討を丁寧かつ着実に進め、実行に移せるものから移していくことが重要と考えています。
内閣衛星情報センターの体制についてお尋ねがありました。
自主開発を基本とする同センターは設置後25年を経て、情報収集衛星の性能の向上や機数の増加だけでなく分析力の強化も進めることで、今や非常に高い水準の画像情報を得られる機関へと成長いたしました。
危機管理体制等を含め、今なお不足する点は認められるところであり、また今後、宇宙基本計画等に沿った機数の増加も予定されていることを踏まえ、必要な体制整備を着実に推進してまいります。
柴田巧君。
日本維新の会の柴田巧です。
私は会派を代表して、ただいま議題となりました国家情報会議設置法案について、すべて高市総理に質問をいたします。
本法律案は、インテリジェンスの司令塔として総理を議長とする国家情報会議と、実務を担う国家情報局を置くものであり、自由民主党、日本維新の会、連立政策合意書に令和8年国会において創設するものと明記されています。
本会議長。
現在及び今後の国際情勢に対する認識を含めて説明を求めます。
また、総理の我が国インテリジェンス機能強化政策全体の中で、この法案はどういう位置を占めるのかお伺いをします。
次に、重要情報活動等の基本的方針についてお尋ねをします。
本法案によれば、重要国政運営に資する情報の収集調査に係る活動である重要情報活動等の基本的方針については、国家情報会議において調査審議されることになっています。
政府は基本的な方針として、具体的にどのような事項を盛り込むことを想定をしているのか。
また、情報活動を公表する旨答弁をしていますが、インテリジェンスに関する方針を公にすることは、我が国の安全保障に与える影響もあることから、どのように公開する予定なのか、併せてお伺いいたします。
続いて、インテリジェンス人材についてお尋ねをします。
インテリジェンスが本当の意味で強化されるか否かは、まさに人材にかかっています。
それゆえ、優秀かつ適正を有する職員を十分に確保するとともに、インテリジェンス人材の待遇に関しては一定の配慮が必要です。
職務の特殊性等を踏まえると、一般の公務員と同じであってはならないと考えます。
インテリジェンス人材の待遇面はどのようにされるのか、ご見解をお伺いします。
また、インテリジェンス人材の職務評価も大切です。
誰がどう評価するのか、公正な評価をどのように担保するのかなどが重要になりますが、お考えを伺います。
次に、明確な情報要求の必要性についてお尋ねをします。
当然とおのずと明瞭となります。
すなわち、国家情報会議、国家情報局の設置により、情報部門の司令塔機能を強化しても、政策決定者からの情報要求が明確でないと、インテリジェンスサイクルは機能しないと考えられます。
政策決定者による明確な情報要求の重要性について、どのように考え、実際の運用においては、どのような点に留意していくお考えか、お伺いをいたします。
スパイ防止関連法制に関してお尋ねをします。
同法制については、本年の秋の法案提出は見送りとの報道がありました。
連立政権合意書では、スパイ防止関連法制について、令和7年に検討を開始し、速やかに法案を策定し、成立させるとなっています。
そこで、これまでの検討状況をお伺いするとともに、合意書に沿って速やかな成立を実現させることで間違いないか確認をさせてください。
同志国との連携についてお伺いをいたします。
厳しい安全保障環境に直面する中、同志国との連携は我が国のインテリジェンス機能の向上に資するほか、外国からの影響工作に対処する観点からもより重要になってくるものと考えます。
総理が先日訪問されたオーストラリアを含むファイブアイズとの連携など、今後の我が国のインテリジェンス機能の強化と合わせ、同志国との連携も強化していくべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
最後に一言申し上げます。
昨今の国際安全保障環境の悪化は、インテリジェンスの軽視をもはや許しません。
総理は、令和3年の自民党総裁選に初出馬以来、インテリジェンス機能の強化を公約にされてこられました。
また、先の衆議院選挙、衆議院の解散を表明した1月19日の記者会見でも、その重要性を強調しておられます。
我が国の根幹に関わる重要政策であるにもかかわらず、戦後80年にわたり、劣位に置かれてきたインテリジェンス政策を、自民・維新の連立政権合意の内容の実現を通して、大転換をともに成し遂げようではありませんか。
このことを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
高市早苗内閣総理大臣。
柴田巧議員の御質問にお答えいたします。
インテリジェンス機能強化の必要性や本法案の位置づけについてお尋ねがありました。
昨今の国際環境は複雑で厳しいものとなっており、サイバー攻撃、偽情報の拡散、影響工作、国際テロといった様々な脅威に加え、経済安全保障や先端技術をめぐる国家間競争も深刻な情勢にあります。
そのような中、深刻な脅威が顕在化するまで待つのではなく、能動的にその兆候を把握し、危機を未然に防いでいくためには、政府の情報部門において質の高い情報をできるだけ多く収集し、これを集約分析した上で意思決定に資する形で政策部門に提供するというインテリジェンス機能が極めて重要です。
その司令塔を強化しようとする本法案は、我が国が直面する困難な課題に対処し、国民の安全や国益を守るために進めなければいけない改革の第一歩と考えております。
国家情報会議が調査審議する基本的な方針についてお尋ねがありました。
その内容については本法案を成立いただいた後、国家情報会議で議論してまいりますが、例えば政府全体の情報活動の重点、関係省庁間の連携要領といった情報活動の具体的な指針のほか、秘密保全、人材育成など幅広い事項が対象となり得るものと考えます。
なお、作成公表を検討している中長期的な情報活動の推進方策を示した文書の取りまとめに当たりましては、情報活動の意義や重要性について理解を深めていただけるものとなっているかという点と合わせて、手の内を晒すことなどにより今後の情報活動への影響が生じないかといった点におけるバランスにも十分配慮してまいります。
インテリジェンス人材の待遇及び職務評価についてお尋ねがありました。
中間的な目標や評価尺度を設けるなど、地道な努力に光を当てる配慮が必要不可欠です。
今後のインテリジェンス改革を推進する中で、任務の特性に合わせた待遇や評価を的確に手当てし、人材確保と職務遂行に努めてまいります。
政策部門からの情報要求の明確性についてお尋ねがありました。
ご指摘のとおり、インテリジェンスサイクルが真に機能するためには、政策部門の情報要求のあり方にも十分留意しなければなりません。
そのため、政策部門と情報部門が適度な距離を保ちつつも、緊密に連携し、十分に意思疎通できることが重要です。
仮に政策部門からの情報要求が不明。
スパイ防止関連法制についてお尋ねがありました。
我が国をターゲットとした外国情報機関による諸工作は活発に行われており、そうした不正な干渉を防止する仕組みの整備は急務です。
こうした仕組みは国民の権利利益に関わる制度となり得るため、様々な方々の御意見を伺いながら丁寧に検討を進めていく必要があると考えています。
現在、関連する論点や課題を整理しており、具体的なスケジュールをお示しできる段階にはありませんが、できる限り速やかに作業を進めていく考えです。
同志国との連携強化についてお尋ねがありました。
この度の司令塔機能の整備に伴い、米国、英国及びご指摘のオーストラリアをはじめ、同盟国、同志国との情報協力を含む連携も、一層の強化を図る必要があると考えています。
個別の事案に関する情報交換のほか、外国が行う影響工作の実態や手口、それに対する有効な対処方策、さらには各国が取り組んできたインテリジェンス機能の強化策など。
大津力君。
大津力(参政党)参政党の大津力です。
参政党を代表し、国家情報会議設置法案について、高市総理並びに関係閣僚に質問いたします。
本法案は、政府の情報機能を束ね、国家として必要な情報を集約、分析し、政策判断に生かすための司令塔を設けるものであります。
私はこの方向性を否定しません。
むしろ厳しさを増す国際情勢の中で、我が国にも情報を国家戦略の中核に据える体制が必要であると考えます。
しかし本法案だけで本当に足りるでしょうか。
会議体をつくること、司令塔を置くことだけで、国と国民を守ることができるでしょうか。
今、世界では軍事力だけではなく、世論。
選挙、経済、技術、さらには企業活動、地方自治、そして国民一人一人の認識そのものが国家間の競争と工作の対象となっております。
武力によらず相手国の意思決定を歪める。
目に見えない形で社会の分断を深める。
秘密を盗み、制度を利用し、人を取り込み、世論を誘導する。
これが現代の情報戦の実装であります。
これらを背景に、以下、政府の認識と具体策を伺います。
はじめに、過去の教訓についてお尋ねいたします。
さきの大戦において、日本も敵型の情報収集に努力をし、一定の成果を上げていたことは事実であります。
しかし一方で、例えば日本側の暗号が米国に解読されたことが、ミッドウェイ海戦における敗北、山本五十六連合艦隊司令長官の搭乗機撃墜につながったことも指摘されております。
また、ゾルゲ事件に見られるように、当時のソ連の情報機関による情報活動も、世界大戦の帰趨に重大な影響を及ぼすものでありました。
政府は、こうした歴史を、単なる過去のこととしてではなく、現代日本への教訓として、どのように受け止めているでしょうか。
情報力や技術力の不足により、重要な情報を奪われることが、国家の命運を左右するという認識を政府はどこまで共有しているのか、総理のご所見を伺います。
2つ目に、現代の情報戦における防諜面の課題についてお尋ねいたします。
我が国は、米国との同盟を安全保障の基軸としております。
しかし、同盟国であっても、武力行使への対処はともかく、情報や世論の保護までを頼るものではありません。
サイバー攻撃、偽情報の流布、影響力工作、経済安全保障上の技術の流出、研究機関や先端企業への接近、政治家や公務員への働きかけ、こうした活動への対処は、もはや一部の専門機関だけが扱う特殊な問題ではありません。
総理に伺います。
現代の情報戦において、日本は狙われる側であるという認識を政府はどの程度持っているのでしょうか。
また、日本の弱点は、情報収集力なのか、分析力なのか、摘発力なのか、あるいは国民全体の情報リテラシーなのか、政府としての課題認識を伺います。
3つ目に、国会議員が外国の工作対象となる場合への対応についてお尋ねいたします。
外国情報機関の活動は、映画の中だけの話ではありません。
政治家、秘書、公務員やOB、研究者、企業人、メディア関係者など、政策や世論に影響を与え得る者に巧みに接近し、情報や便宜、名誉、資金、人間関係を通じて、時間をかけて取り込んでいく。
こうした活動は表に出にくく、立証も困難であります。
仮に外国の情報工作により、日本の国会議員が攻略され、その議員が意図的に、または結果的に、我が国の国益を損ね、外国の利益に沿う活動を行った場合、現代の我が国の法制度はどこまで対応できるのか。
官房長官にお伺いいたします。
現行法上、外国政府または外国情報機関の指示、資金提供、便宜供与、働きかけを受けて、我が国の政治過程に影響を及ぼす活動を行う者に対し、どのような規制、処罰、届け出、公開の仕組みが存在するのでしょうか。
特に国会議員、秘書、政党関係者が外国の影響工作の対象となる場合について、現行制度で十分と考えるのかお伺いをいたします。
4つ目に、外国影響工作を透明化する制度についてお尋ねいたします。
米国にはFARA、外国代理人登録法があります。
外国主体のために一定の政治活動等を行うものに、登録と情報開示を求め、政府と国民がその活動の背景を評価できるようにする制度であります。
英国、フランス、オーストラリアでも最近同様の制度が整備をされました。
これらは外国人の排斥や言論を禁止する制度ではありません。
外国政府等の利益のために誰がどのような立場で政治や世論に働きかけているのかを透明化する制度であります。
総理に伺います。
我が国においても外国の政府や政党、情報機関等からの依頼や指示、資金提供を受けて政策決定、選挙、世論形成に影響を及ぼす活動を行うものについて、登録または届出を求める制度を検討すべきではないでしょうか。
外国代理人登録制度について、政府の検討状況と今後の方針を伺います。
5つ目に、包括的・網羅的なスパイ防止法制についてお尋ねをいたします。
司令塔を設けるだけでは、現場の情報収集、防諜、摘発の能力は高まりません。
秘密の不正取得、外国情報機関への協力、重要インフラや先端技術に関する情報流出、外国政府のための秘密活動、こうした行為に対し、実効的な取締りを担保する法制度を持つことが不可欠です。
我が参政党は、こうした課題を解決すべく、既に先進国並みの包括的かつ網羅的なスパイ防止法案を国会に提出しております。
総理に伺います。
政府は外国情報機関等による秘密の不正取得、協力者の獲得、重要情報の国外流出を抑止するため、我が党が提案するような抜本的なスパイ防止法制を検討する考えがあるでしょうか。
また、あるのであれば、いつまでにその方向性を示すのかお伺いをいたします。
6つ目に、防諜に関する国民の理解と啓発についてお尋ねをいたします。
情報戦への備えは、政府、官房長官に伺います。
偽情報対策、外国からの影響力工作への備えについて、義務教育から企業研修、政府広報に至るまで、国民の理解と関心を高める取組を進める考えはあるでしょうか。
また、情報機関が有する知見を適切に秘匿性を落とした形で、社会へ還元する仕組みをどう構築するのかお伺いをいたします。
次に、防諜施策の適正性を担保するチェック体制についてお尋ねをいたします。
情報機能の強化には、その活動が適正であることを確認する仕組みが不可欠でございます。
しかし、情報活動の特殊性に鑑みれば、専門知識を持たない国会が直接、詳細な実務までを監視することには、実効性の面で限界があるとの指摘もあります。
今後、政府が防諜に関する施策を強化し、具体的な取組を講じていくのであれば、高度な秘匿性を維持しつつ、その活動状況や情報保全のあり方を、専門的見地から厳格にチェックをする、独立した第三者機関を設けるべきではないでしょうか。
併せて国家の秘密を保護しつつも、国会の適切な場にその状況を報告し、チェックを受ける仕組みについても、同時に検討を進めるべきだと考えますが、総理のご見解をお伺いします。
最後に申し上げます。
情報戦は見えない戦いであります。
国家情報会議を設けることは出発点に過ぎません。
情報を集める力、分析する力、秘密を守る力、偽情報を見抜く力、人材を育てる力、そして外国からの影響を透明化する制度。
これらを総合的に整えなければ、日本を生き抜かせることはできません。
高市総理や関係閣僚には国家の独立と民主主義、そして国民の安全を守るため、より力強い取組を進める決意をお示しいただきたい。
以上、政府の明快な答弁を求め、私の質問を終わります。
高市早苗内閣総理大臣。
大津力議員のご質問にお答えいたします。
過去の情報戦をめぐる教訓についてお尋ねがありました。
過去の個別具体の事柄について評価を加えることは控えますが、議員御指摘のような暗号を含め、我が国の安全保障に係る重要な秘密が保全されるかどうかが、国民の皆様の安全や国益の確保に深刻な影響を及ぼし、国家の命運を左右し得るものであると強く認識しています。
そうであるからこそ、本法案では、我が国の重要な秘密を取得しようとする外国情報活動への対処を、国家情報会議の調査審議事項として明確に規定しました。
我が国に対して行われる外国情報機関による非公然の活動の状況を的確に把握するとともに、官民の秘密保全対策の水準を一層高めることなどにより、万が一にも国民の皆様が重大な不利益を被るような事態が生じることはないよう、万全を尽くしてまいります。
外国による工作に関する認識や、我が国の課題についてお尋ねがありました。
我が国に対する外国情報機関などによる不正な情報活動については、我が国の公的部門の職員に対する対面での工作といった伝統的手法によるものに加え、サイバー攻撃による秘密情報の摂取や一定の政策誘導等を狙ったSNS上の偽情報の拡散といった行為も後を絶たないようになっており、大きな課題であると認識しております。
情報収集力、分析力、摘発力、国民全体の情報リテラシーについて御指摘がありましたが、それらはいずれも重要な課題であり、不断に強化を図っていくべきものと考えます。
本法案成立の暁には、国家情報会議の下、政府による情報収集、分析の強化はもちろんのこと、議員御指摘のとおり、外国政府による諸工作の実態把握、公的部門、民間部門における情報保全などについて総合的に取り組んでまいります。
外国代理人の登録制度についてお尋ねがありました。
我が国の政策決定が外国勢力によって不当に歪められることがあってはならず、そのようなリスクに対応することは重要な課題です。
外国代理人の登録制度につきましては、御指摘の外国事例も研究しつつ、現在課題や論点を整理しているところであり、丁寧に検討を進めていく考えです。
いわゆるスパイ防止法の制定についてお尋ねがありました。
御党の御提案は拝見をしています。
スパイ防止法という言葉は多義的で、取締り方針や権限放棄も含み得るものと考えますが、議員御指摘のとおり、我が国を取り巻く国際情勢が厳しさを増す中、外国による不当な干渉のさらなる防止の方策については、検討を進めていかなければならない重要な課題と考えております。
対外情報機能の充実や、外国による不当な干渉のさらなる防止策などについても検討を進めていく考えですが、その中において、仮に国民の皆様の権利義務を制約するような法制度を検討する場合には、議員御指摘のような第三者機関や国会によるチェックのあり方についても丁寧に検討していく必要があると考えております。
本法案は今後も続くインテリジェンス改革の第一歩であり、複雑で厳しい国際環境においても、国民の皆様の安全と大切な国益をお守りするため、必要な取組を一つ一つ着実に推進をしてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
木原稔国務大臣。
大津力議員より、まず、国会議員等が外国の影響工作の対象となることを防止する制度などについてお尋ねがありました。
個々の国会議員の活動に関し、政府の立場でお答えすることには慎重でなければなりませんが、国権の最高機関たる国会を構成する国会議員は、重要な政策立案プロセスに関与し、さまざまな情報に触れることとなるため、外国情報機関にとって工作のターゲットとなり得る存在です。
国会議員を狙った外国情報活動に関連する規制や処罰の制度としては、例えば、外国勢力による我が国の政治活動への干渉を防止する観点からは、政治資金規制法に、職務に対する働きかけと不正な利益供与を防止する観点からは、刑法の収賄罪などに、職務上知り得た重要な秘密の漏洩を防止する観点からは、特定秘密保護法及び重要経済安保情報保護活用法に、それぞれ関係する規定がございます。
一方で、届出、公開といった透明性確保という視点からは、理解増進や情報機関の知見の活用についてお尋ねがありました。
秘密保全対策にせよ、偽情報に惑わされないための対策にせよ、公的機関が情報活動や取締りを強化するだけでは不十分であり、ご指摘のとおり、企業や研究機関を含む国民の皆様の理解を高めることが重要であって、そのための啓発や教育を積極的に推進していく必要があります。
その際には、例えば、情報活動や取締りを通じて把握をした外国情報機関の動向や手口を政府が分かりやすい形でお伝えし、企業や研究機関等の方々による対策に役立てていただくことが有効と考えています。
また、学校教育においても、SNS上の情報には誤ったものや危険なものがあることを。
これにて質疑は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。