国際問題に関する調査会

参議院 2026-05-13 質疑

概要

参議院国際問題に関する調査会において、宮本雄二氏や和田春樹氏ら参考人が、日中関係および東北アジアの安全保障について答弁しました。宮本氏は、中国の台湾への武力行使の可能性や日中関係のデッドロック打開策について、国民レベルの交流や共通利益の追求、高レベル交流の重要性を説きました。また、和田氏は東北アジア諸国連合(ONEAN)構想の実現に向けた日朝国交正常化の必要性と、抑止力以上に外交的努力を払うべきであるとの見解を示しました。全体として、安全保障上の不信感がある中でも、対話と信頼構築を通じて戦略的互恵関係を再構築する方向性が議論されました。

発言タイムライン

政府委員長・議長
0分10分20分30分40分50分1:00宮本雄和田春

発言者(3名)

質疑応答(7件)

中国の台湾への武力行使の意図
▶ 動画
質問
原田英和 (参考人 東京大学名誉教授)
  • 中国指導部は状況が許せば武力による現状変更を選択する意思があるのか
  • 台湾が独立に向かわなければ武力行使の意図は乏しいと見てよいか
答弁
宮本雄二 (参考人 元駐中国特命全権大使 公益財団法人日中友好会館会長)
  • 台湾問題は中国の内政問題であり、軍事力のみで決まる性質ではない
  • 国民が納得する大義名分がない限り、経済的打撃や国民の反発を招くため、武力出動には至らないと判断する
全文
質問・答弁の全文を表示

まず、宮本参考人は、中国が武力行使に踏み切るのは、台湾が独立へ動く時であるという見解を示されていると理解しております。

しかし、習近平政権が掲げる「中華民族の偉大なる復興」という文言、あるいは報じられる中国国内の政治力学などを踏まえ、台湾の出方にかかわらず、自らのタイムスケジュールに基づいて武力行使を選択するのではないかとの見方も増えているように思います。

現在の中国指導部は、状況が許せば、武力による現状変更を選択する意思があるのか、あるいは現状が維持され、台湾が独立に向かわなければ、積極的に武力行使をする意図は乏しいと見てよいのか、参考人の最新の分析をお聞かせください。

台湾問題は、技術に関わって中国の内政問題です。

すなわち台湾問題は、軍事力がここまで来たから行く、ここまで下がったから落ちるというそういう性質の問題ではないということです。

その時は中国の中で通る大義名分、中国の当局と国民との間で通る大義名分がないと、私は中国の内政としてはそこで決着をしないだろうというふうに思っております。

そうすると中国の今国内の経済状況ですし、したがって国民にどういう影響を及ぼすかということを考えていきますと、その時には国民が、自分は台湾の解放なんて望んでもいなかった、あなた自分の都合でそういうことをやってた結果、我々はこういうことですかということになると、不満が溜まってくるということなんです。

そうすると国民の反応というのは非常に気になられる状況になっていて、国民が納得する大義名分がない限り、台湾に対する出動ということについては納得しないであろうと。

やっぱり内政のロジックが大きいのかなというのが、私の現時点の判断であります。

日中戦略的互恵関係の再構築プロセス
▶ 動画
質問
原田英和 (参考人 東京大学名誉教授)

- 日中が戦略的互恵関係を再構築し、友好的な関係に進化させるためにはどのようなプロセスが必要か

答弁
宮本雄二 (参考人 元駐中国特命全権大使 公益財団法人日中友好会館会長)
  • 長期的視野から、地域の平和安定と経済発展という共通の国益を最終目標に据えるべき
  • 2008年の日中共同声明にある「戦略的互恵関係」の理念を思い出し、国際秩序を守るための協力を充実させるべき
全文
質問・答弁の全文を表示

日中の対峙を前提として、軍事バランスの破綻を防ぐことも大事ですが、東アジアの安定のためには、日中が友好的な関係を深めていくことこそが究極的には双方の国益にかなうと私は考えています。

我が国の安全保障は引き続き日米同盟を基軸でなければならないとは思いますが、単純に米国の関与が弱まる部分を日本が肩代わりして中国と対峙すべきかといえば、それは少し違うのではないかと考えております。

しかし、台湾問題を別としても、先ほどお話いただきましたように、尖閣問題をはじめ、日中は東シナ海で対立を抱えています。

第一列島線、第二列島線などという言葉がありますように、中国が海洋進出を進める中で、地政学的に日中は対立を生じやすい立ち位置にもあります。

こうした中で、日中が戦略的互恵関係を再構築して、さらに進んで友好的な関係に進化させていくためには、どのようなプロセスが必要だとお考えでしょうか。

第一線で日中関係を支えてこられました参考人のお考えをお聞かせください。

中国との関係構築というのが非常に必要になってくると思います。

そうすると日本にとっても中国にとっても、この地域に平和と安定を確保して、経済の自律的発展を実現して、もって国民の幸せ追求を可能にすると。

そうすると両国の政府は、これを最終目標として、それを実現するためにどうしたらいいかということを考えていく。

私は、2008年福田総理と胡錦濤主席の間で署名もされました日中共同声明。

ぜひ今日もそれをもう一回思い出して、両国政府に戦略的互恵関係に言い続けておりますので、その中身をそれに合ったものに充実させていただきたいと強く思います。

東北アジア諸国連合(ONEAN)構想における日本の役割
▶ 動画
質問
和田春樹 (参考人 東京大学名誉教授)

- 和田参考人が提案した東北アジア諸国連合(6カ国枠組み)の実現に向け、日本はどのような役割を果たすべきか

答弁
和田春樹 (参考人 東京大学名誉教授)
  • 日本が中心となって枠組みを進める意欲を持つことが不可欠である
  • その前提として、日朝国交正常化を実現し、北朝鮮の孤立を緩めて6カ国が集まれる土台を作ることが必要である
全文
質問・答弁の全文を表示

先ほどのお話の中で和田参考人からは、ASEANに倣った東北アジア、これ6カ国、中国、ロシア、北朝鮮、韓国、日本、そしてアメリカの枠組みをご提案をいただいたわけでございますけれども、これ地理的にもアメリカを東北アジアに入れるというところがポイントになるのかなと思っておりますが、この新しい対話の場のご提案について宮本参考人はどのようにお考えなのか。

また和田参考人には、ご提案いただきました東北アジア諸国連合の構想の実現を目指す際に、この6カ国の枠組みの中で日本はどのような役割を果たしていくべきとお考えなのか、その点についてそれぞれお伺いをさせていただきます。

ですから日本がこのことを中心になって進めていくというそういう気持ちにならないと、これはできないのじゃないかと思われます。

で、日本がそれを進めていくのには、まず日朝国交正常化を何とかして実現して、北朝鮮が非常に孤立した状態で現在はロシアと一緒になっていますから、もっとしてるというようなことになってますけど、非常に北朝鮮の孤立緊張が続いていますので、ここをとにかく緩めていって、6カ国が集まれるような土台を作っていくということが必要じゃないかと思われます。

日中関係向上に向けた具体的アプローチ
▶ 動画
質問
三上恵理 (参考人 東京大学名誉教授)

- 日中間や日米間の関係を向上させるために、具体的にどうすればよいか

答弁
宮本雄二 (参考人 元駐中国特命全権大使 公益財団法人日中友好会館会長)
  • 訪日観光客の増加が対日理解を飛躍的に進めたように、国民同士の交流が関係を変える力を持つ
  • 独仏の相互ホームステイのような教育レベルでの交流を努力し、相手への温かい気持ちを植え付けることが最後の砦となる
全文
質問・答弁の全文を表示

宮本参考人は日中間には台湾問題、尖閣問題、安全保障問題など、構造的な課題がある一方で、いろいろ著書でも一定の枠組み了解があることもご指摘をされております。

今お話の中で、国民同士の交流が大切だと強くおっしゃっておりました。

この日中間、日米間、いろいろな関係の向上に向けて、今一度深く、そのお考え、どう向上させていくにはどうしたらいいかというお考えをお伺いできますでしょうか。

みんな自分の撮った写真撮ってこうだこうだってコメントして、それで日本のことがどんどんどんどん中国社会に入っていって、あっという間に想像を超えた割合で、中国の人の対日理解というのが進んだんですね。

ですから直接交流というか、観光客でさえこれだけ大きな役割を果たすことができたということで、私は国民同士の交流で両国関係を変える力を持ち得るとその時感じたんです。

そしてついに今回もう永久に和解をしようということで、いろんな合意がドイツとフランスの間に出来上がって、その中の一つが中学生とか高校生の中のですね、相互ホームステイなんですね。

必ずまた開く時が来るとというふうに思っておりますので、だってそういうときに、国民同士の交流も含めて、もっともっと我々努力すればですね、国民同士の中の相手に対する温かい気持ちは植え付けることができるというふうに強く思っておりますし、これが最後、最後の砦といいますか、国民同士がそういうふうに思えばですね、国同士の動きも止めることができるというふうに最近は思っております。

対話と抑止のバランス
▶ 動画
質問
鈴木宗男 (国際問題に関する調査会長)

- 中国や北朝鮮の軍事活動拡大に対し、対話と抑止のバランスをどのように考えるべきか

答弁
和田春樹 (参考人 東京大学名誉教授)
  • 自衛のための兵力増強などの安全保障上の措置は必要である
  • しかし、核保有国が隣接する現状では兵力のみで悲劇は避けられないため、それ以上に倍の外交的努力(国交正常化など)を払うべきである
全文
質問・答弁の全文を表示

鈴木宗男(国際問題に関する調査会長)和田参考人は東アジアで戦争を起こさないための最大限の努力の必要性、また、他国間の対話の重要性について述べていらっしゃいます。

一方で、中国ですとか北朝鮮による軍事活動の拡大、そして現状変更への懸念が広がっているということも事実です。

しかし、この対話と同時に一定の抑止力も必要だという考えもございます。

和田参考人は、この対話と抑止のバランスをどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

そして自衛隊が存在して日本の自衛のための兵力を備えておりますが、この面においてぬかりがあるならばですね、これに対してしかるべく増強を図るということは恐らく必要でしょう。

しかし東北アジアのこの状況で向かい側に中国、ロシア、北朝鮮という核保有している国があってですね、それで日本には核武装している米軍の基地があるという状況ですから、ここで戦争が起きてしまえば、どれだけ兵力を日本が自前の兵力を用意したところで悲劇は避けられない状況だと思います。

ですからその意味で言えば一定の安全保障上の措置というものを取ることは必要だと思いますが、それよりもさらにそれに倍するようなくらいの、やっぱり外交的な努力というものをしなければこの地域では危ないというふうに私は思っております。

ですからそういう意味で、まず隣の国とは国交をもってですね、話し合いができるという状態を作るということがまず必要じゃないかというふうに思っております。

安全保障上の不信感の中での日本外交のあり方
▶ 動画
質問
鈴木宗男 (国際問題に関する調査会長)

- 安全保障上の不信感が高まる中で、日本外交に求められるものは何か

答弁
宮本雄二 (参考人 元駐中国特命全権大使 公益財団法人日中友好会館会長)
  • 抑止力は否定しないが、それだけで終わらせず、相手と話し合える関係を構築することが重要
  • 共通の利益を冷静に見極めて協力分野を拡大し、現場レベルでの信頼関係を積み上げることが必要である
全文
質問・答弁の全文を表示

その辺り、宮本参考人もどのようなお考えか。

こうした今お話があった難しい状況が続いている中で、安全保障上の不信感も高まっていて、その中で日本外交に今、求められているものというのは、どんなことがあるとお考えでしょうか。

ですから安全保障の観点から抑止が必要だということ、そのこと自体は私は否定するつもりはありません。

それだけで物語が終わらなくてですね、そして相手との関係にどういう関係を作るのか、どこまで話し合える関係を作るのか。

何よりもどれだけ多くの共通の利益を作り上げるのかということですね。

そして協力をする分野を作る。

現場で手を結んで一生懸命やったから何か一つ実現すると、その現場で信頼関係が生まれているんですね。

日中関係のデッドロック打開の可能性
▶ 動画
質問
久保田哲也 (参考人 東京大学名誉教授)

- 現在の日中関係のデッドロック状態を打開するための「光」となるような兆しはあるか

答弁
宮本雄二 (参考人 元駐中国特命全権大使 公益財団法人日中友好会館会長)
  • 交流窓口の担当者は「停止」ではなく「延期」としており、現場レベルでは交流を続けたい意向がある
  • 中国側でも現状を打開したい動きが出始めており、高レベルでの交流を実現させることが突破口となる
全文
質問・答弁の全文を表示

そういう中で、先ほどセカンドトラックというお話もされておりましたけれども、この今のデッドロック状態にある日中関係、この打開に向けて何らかの光がないのかなということを私も今探しているほどのこともないですけれども、強く望んでいるんですけれども、そうしたなんらかの、今、国内で少しでも光になるようなもの、そうしたものは先生は今、見ていらっしゃいますか。

今回、交流を止めるというか、彼らは、交流の窓口にいる中国の人たちは、止めるとは言ってないんです。

だから現場の人は止めたくないんです。

したがって、今やっぱり今の状況の中ではいけない、何かしなきゃいけないという動きは最近私も感じ始めております。

中国側にそういう動きが出始めたということであります。

やっぱり高いレベルでの交流を実現しませんと、物事が動かないというのが今の仕掛け上そういうふうになっておりますので、ぜひご尽力賜りたいと思います。

発言全文

鈴木宗男 (国際問題に関する調査会長) 1発言 ▶ 動画
その他 鈴木宗男

ただいまから、国際問題に関する調査会を開会いたします。

委員の異動について、ご報告いたします。

昨日までに、脇正明君が委員を辞任され、その後任として、上谷正幸君が選任されました。

国際問題に関する調査を議題といたします。

本日は、世界の平和と安定に向けた日本の役割のうち、現下の国際情勢と世界の安定に向けた日本外交に関し、東アジアの安定に向けた課題について、2人の参考人からご意見をお伺いした後、質疑を行います。

ご出席をいただいております参考人は、元駐中国特命全権大使、公益財団法人日中友好会館会長、宮本雄二さん。

東京大学名誉教授、和田春樹様でございます。

この際、参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。

本日はご多忙のところ、ご出席いただき誠にありがとうございます。

お二人から忌憚のないご意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうかよろしくお願いいたします。

次に、議事の進め方について申し上げます。

まず、宮本参考人、和田参考人の順に、お一人20分程度でご意見をお述べいただき、その後、2時間程度質疑を行いますので、ご協力をよろしくお願いします。

また、ご発言の際は挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、ご承知おきをお願いします。

なお、ご発言は着席のままで結構でございます。

それではまず、宮本参考人からお願いいたします。

宮本雄二 (参考人 元駐中国特命全権大使 公益財団法人日中友好会館会長) 2発言 ▶ 動画
その他 宮本雄二

宮本でございます。

20数年ぶりに国会の場で発言する機会を与えられて、また緊張しますね。

昔を思い出して、また緊張いたしておりますが。

私は1946年の生まれでございまして、戦争に負けた後生まれたと。

物心ついて、どうして日本は負けると分かっていた戦争をしたのだろう。

これは私、どうしても大人に聞いても分からない。

どうしても分からない私の課題でございまして。

折に触れて本を手にし、自分で考え、今日までそれは続いてきております。

私は戦前の日本は、大きな間違いをしたというふうに思っております。

その一つが、中国に対する認識を間違ったということであります。

中国は1911年、五四運動が始まりますが、それからナショナリズム、愛国主義、そういうのがようやく国民に根付き始めます。

それを踏まえて中国国民党は力をつけ、そのど真ん中から中国共産党は生まれたわけでありますが、このナショナリズムこれに対する理解が十分でないまま日本は中国に足を踏み入れ、あの泥沼に陥ってしまったということであります。

したがいまして、この中国に対する認識の間違いというのがあったと思っております。

その次はですね、実は日米の唯一の本質的な対立点は中国問題だけだったんです。

中国の市場を開けというアメリカの要求、中国から撤退しろというアメリカの要求、それを日本が飲まなかったということであります。

したがって太平洋戦争に導いていくその出発点は中国問題だったということです。

その意味で我々はアメリカの理解が不十分であったということであります。

米中、今日もまだ想像されますが、似たような構図が戦前もあってですね、日本は判断をミスをしたということであります。

これは重く受け止めて、我々はやっていかなきゃいけないと思います。

とりわけ、昨年トランプ大統領が再選をされて、そして世界は再び激動の中に放り込まれまして、私は必然的に1929年、ウォール街の株の大暴落に始まる世界大恐慌、それが結局第二次大戦に導いていくわけでありますが、1929年を思い出し、そしてこの戦前の日本の間違いを思い出しました。

やはり我々はしっかりと世界を見なければいけない。

とりわけアメリカと中国をしっかり見なければいけない。

そうしないと国を誤るということを改めて思いました。

中国が台頭をした結果ですね、米中関係が世界の大きなところを決めるようになりました。

戦後我々が今直面しております様々な動き、その根源にですね、中国の台頭があるのは間違いありません。

中国が台頭したことによって世界は動揺しております。

しかしこれは中国からすると、大きくなったのになんだということででしょうが、客観的に見て中国の台頭が世界を動揺させているということであります。

そしてその中国とアメリカが今こういう関係になっておりまして、米中関係をどう見るかというのが再び我々にとっての喫緊の課題になってまいりました。

その米中関係を見るときにですね、いろんな前提を申し上げますと、アメリカと中国は長期的な競争関係に入ります。

これはもう一朝一夕に簡単に動きません。

その間本当に激しい戦いになるのか、そうじゃなくて手を結ぶのかと。

これはアメリカ、中国の選択によっております。

しかしこの両者が競争関係に入るというのは間違いないと思います。

従って私は今回、まさに今日今晩から始まるトランプ大統領の訪中という極めて重要な出来事を見る一つの視点としてですね、いろんな問題がどういうふうに解決された、どういうふうに扱われたというそういう局面だけではなくて、アメリカと中国がですね、どういうふうな国と国との関係を作ろうとしているのかと、ここをしっかりと眺めなければいけないというふうに思います。

なぜならば、不安定で折に触れてぶつかり合う二国間関係は、アメリカにとっても中国にとっても都合が悪いわけです。

国を運営し外交をやっていこうとするときには予見可能性というのは極めて大事なわけです。

予見可能性がなければ全ての国にとってマイナスなわけですね。

したがって中国もアメリカも彼らとしてはこの競争関係を管理したい。

したがって私は今回の米中首脳会談の最大の関心はですね、よく今言われております貿易委員会、投資委員会という、すなわち両国の協議の場ができるかどうか、これが非常に大きな意味を持っていると思います。

この協議の場ができますと、これは向上的に閣僚レベル、あるいはそのレベルでの意思疎通が始まります。

それはやっぱり関係を安定させるんですね。

バイデン政権の時にですね、私が非常に注目しておりました、そういう米中の対話の場がありました。

これは両国の首脳が合意してできたものです。

名前はですね、米中関係の指導原則を議論するチーム。

これを作って議論、その米中関係の指導原則を議論させるということ。

これは間違いなく中国が言い出したと思います。

こういう指導原則とかこういうのは中国風ですから。

しかしアメリカが同意して、その議論に入った。

すなわちアメリカと中国というこの二国間関係をどうするか。

これを両国が話し始めていたんです。

バイデン政権のときには。

流れとしてはですね、そういうふうになるんですね。

ですから一方で米中がぶつかり合うその余波を我々は受けますんで大変ですけども。

しかし同時に米中がそういう方向で両国関係を安定させるこの動きもあるんだと。

これも同時に捉えていきませんと。

我々米中関係を正しく見ることにならないだろうというふうに思っております。

そういう大きな情勢の中でですね、東アジアを見ますとね、これはもう運が良かったんですよ。

すなわちもうベトナム戦争でですね、戦争が終わって、その後一回中国が教訓を与えると言ってベトナムに入りましたけれども、基本的には平和が続いて。

なおかつ東アジアの経済のリーダーになったのが日本でよかったですよ。

何ならば日本はですね、他の国が発展するのを助けましたね。

ですから日本がまず発展して、韓国、台湾、香港、シンガポール、こういうところが後でくっつき、いわゆる雁行型、あれの経済発展という東アジアの経済発展モデル。

おかげでASEANも含めた全体の経済発展ができましたでしょう。

そしてついに今やアジア、特に東アジアが世界経済のエンジンだと言われるぐらいになったんですね。

これはやっぱり平和で安定した国際環境があったからなんですね。

ここはもうしっかりと我々を抑えてもらわなきゃいけない。

平和で安定した国際関係が経済発展の前提なんですね。

これがあったから東アジアはここまで発展できたと。

いかにしてそれを担保するかと。

日本外交の重要な柱だというふうに思っています。

それから安全保障の専門家の方、今日はいらっしゃらないのであまり深くしてはいけませんが、安全保障の専門方はもちろん専門家として自分の視点からおっしゃっていて、それはそれで正しいんです。

ただ、いくつかのところで我々は見落としていけないのは、戦前は軍事力を使っていろんな行動をしましたでしょう。

あれは経済権益を取るためだったんです。

軍事力を使って中国という領土を自分の勢力下に置くということは、経済を日本のものにできたわけです。

アフリカの植民地、いろんな植民地、軍事力でいって、軍事力の結果、経済的な利益を得るというのが戦前のいわゆる帝国主義と、植民地主義と呼ばれた時代の軍事力の在り方だったんですね。

今、軍事力で経済的な利益取れますか?よく中国が軍事的に強くなれば南シナ海をすぐ取ると。

軍事力を使って南シナ海を取ってどれだけ経済的利益になりますか?そうじゃなくてASEANにもっと投資をしてASEANの経済を発展させた方が経済の利益になるんですね。

だから軍事力の役割が戦後変わっていると。

そういうことも東アジアを考えるときに見ていかなきゃいけないと思います。

日中関係に入ります。

日中関係は政治外交の柱があり、軍事安全保障の柱があり、経済の柱があり、文化民間交流の柱があるんです。

この全部を踏まえて日中関係なんです。

安全保障は大事です。

しかし安全保障で日中関係全体を牛耳ってはならないというのを私は強く言っているわけです。

トータルな日中関係をいかにして日本にとって一番いい形にするかということは私の願いであります。

軍事安全保障も大事です。

とりわけ中国がこれだけの期間にわたり急速に軍事力を増強させ。

そして私は基本は台湾の関係で軍事力を増やしたのだと思っていますが。

しかし何のために増やしたのか、これからそれを使ってどうするのか、そこについて中国は一切説明しない。

したがって我々は疑心暗鬼になってしまうということ、これは事実です。

したがってそれに対して日本が軍事安全保障の対応をすること自体には、私は一度も反対したことはありません。

それは軍事専門家の方がお考えになって、必要なことをおやりになればいいんですが。

だからといって政治外交の関係、経済の関係、それ以外の関係は依然として大事ですし、先ほど申し上げましたように政治外交は頑張らないと東アジアで平和で安定した国際関係は作れない。

それが作れなければ我々の経済発展はできないと、こういう構図になっているときに軍事安全保障だけでやるわけにいかないということをご理解いただけると思います。

そういう包括的に対中関係を進めていくと。

それでその対中関係ですが、ここに書きましたように4つの問題を書いております。

一番最初に台湾問題です。

日中国交正常化後、最大の問題が台湾問題でした。

それから2番目に出てきたのが歴史、歴史認識問題です。

これは教科書問題で出てきました。

3番目に尖閣を巡る問題になってきていて。

これはもう後の方になってから中国が自分の領土だと言い出したものですから、日中の問題になってしまったわけですね。

そして2012年の、いわゆる日本の尖閣の国有化の時に、中国は実力による現状変更。

これは現在の国際法違反だというふうに認定されておりますが、その実力による現状変更をやりました。

ないならば、それまで尖閣は圧倒的に日本が実効支配をしていたわけです。

その実効支配体制を少なくとも同じにすると。

中国と日本が同じような実効支配をしているんだという形を作るということのための方針転換をして、今日、何日ですか、中国船があの辺りを徘徊してるし、領海もしょっちゅう来てると、こういう状況を作り上げました。

あの時にですね、世界は日本と中国は戦争するかもしれないと思ったんですね。

我々は鈍感で、そういう感覚が弱かったんですが、欧米の専門家の議論を聞くと、これ日中は戦争するんじゃないかと、いうふうに彼らは本当に心配してたんですね。

客観で見てそういう状況だったわけです。

すなわち戦後初めてですね、日本の自衛隊と人民解放軍が直接対峙するという局面が出来上がったわけです。

それまで日中の安全保障対話というのをやっておりましたが、それは何をやってたかというと、日米安保条約があってですね。

日米安保条約でもし台湾に何かあったときに日本はどういう協力をアメリカにするんだと。

これが日米安全保障台湾だったんですよ。

ところが尖閣以来、日本と中国の軍事的な対峙がもう直接なものになってしまって、その傾向はますます強くなってきているということで、安全保障の柱がどんどん立ちました。

これが今日、中関係を大きく左右する、そういう大きな柱になってしまったわけですね。

そして、現在、去年の高市首相の国会における台湾絡みのご発言によって、日中関係は止まりました。

これはですね、本当に止まったんですよ。

1949年に中華人民共和国が成立して以来ですね、政府同士は厳しい関係にあるし、もちろん最初は我々は中華民国台湾を承認しておりましたんで、大陸の中華人民共和国政府とは外交関係ありませんでしたから、政府同士の付き合いはなかったんですが。

しかしそれにしたがって向こうは日本の政府を断るごとに非難し、攻撃してたわけですね、中国政府は。

しかし同時に、いわゆる民間の交流というのは意識的に彼らはやってた。

ですから民間交流が途絶えたことは一回もないんですが、今日、民間交流止まりました。

本当に純粋に個人の、個人と個人の関係の交流、これはまだ続いてます。

しかし民間というのは中国にいわゆる民間組織というのがあるんですが、日本でいう民間とは意味が違いますけれども、そういう民間組織が中国にあって、それと日本の民間組織が交流していたので、今全部止まりました。

対話の窓口が止まっているんですね。

ですからこれは日中関係上、極めて異常な状態が今、出現しているということであります。

よく2012年のこの尖閣の問題があってですね、それから2014年の安倍首相の習近平首相との会談が再開されたと。

あれが一つの前例という形で皆さんよくお考えになるんですが、客観的に見てあの時と今日とで、日中の力関係はまた変わってきてるんです。

この10年で中国はまた経済が倍になっているんですよ。

日本はそのまま、向こうは倍になっている。

軍事力もさらに強化している。

そして習近平外交は積極的にやりましたから、その結果、国際的な影響力というのも中国はつけてきていると。

そういう中国と今我々は対峙しなきゃいけないという、そういう局面にあるということなんです。

極めて現実を反映します。

希望的観測は受け入れてくれません。

現実があって、その現実を踏まえたものしか外交はできません。

そうすると、そういう中国と、こういう日本というのを外交するときにはっきり認識して、だからといって卑屈になる必要は全くありません。

全くありませんが、客観的に実はそうであるということは、しっかりと踏まえた外交をしないとうまくいかないだろうというふうに思っております。

そうしますとですね、もう最後にあと2分ぐらいですので、最後に日中で、それじゃ戦う側面ばかりだということはそうではございません。

日中の協力できる範囲というのは結構あります。

一つは中国はですね、皆さん方の想像と違って、と言っちゃ言い過ぎと思いますが、今我々が言っている現行国際秩序、法に基づく国際秩序、これを支持しているんですよ、中国は。

いや本当かということをおっしゃると思いますが、彼らは彼らのロジックで支持しているんですね。

ですから今アメリカがそれに対して背を向けている時に、いかにしてこれを維持・補強していくかと、これは日中共通の課題です。

東アジアの平和と発展。

これも当然共通の課題です。

それから世界のいわゆる環境問題、感染症の問題とあります。

当然これもやらなきゃいけません。

そして経済です。

経済は経済安全保障が大事ですから、当然経済に制限を受けますが、しかしボリューム、量という形をすると、経済安全保障の影響を受けない分野が山ほどあるわけです。

これをお互いに利用しないという手はないと思います。

最後に、国民同士の交流、これはもう最後はここに私は来ると思っておりますので、どんな状況でもこの国民同士の交流というのは強めたい。

それゆえに、現在中国がそういう国民同士の交流というのを止めているということは、私は容認できない。

早急に是正されるべきであるというふうに考えております。

以上であります。

ありがとうございました。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男君和田参考人にお願いいたします。

和田春樹 (参考人 東京大学名誉教授) 51発言 ▶ 動画
その他 和田春樹

今日のウクライナは明日の東アジアかもしれないという岸田文雄首相の言葉は、広く各方面に影響を与えたようです。

しかし、私はこれは日本国の首相の言葉としては適切ではないと思いました。

ソ連という大国を構成していたロシアとウクライナの間で始まった兄弟殺しの戦争ですから、戦争をその地域に封じ込め、速やかに停止させ、戦果がよその地域へ、私たちの地域へ拡大するのを防ぐことが必要です。

1941年6月、ドイツがソ連に侵攻したとき、ソ連の極東地方は、直前に結ばれた日ソ中立条約で平和が保障されていました。

あの時、日本がヒトラーを助けるつもりでソ連を攻めなかったことは、戦前唯一賢明な選択であったと思います。

歴史はこのように続いているのです。

第2点に参ります。

日本が位置する東アジアは平和な地域で、最近になって戦争の気配が感じられるようになったと考える人がいるとしたら、大きな間違いです。

日清戦争から大東亜戦争まで、この地域では絶え間なく戦争が続いていました。

この50年続いた戦争の主役は日本でした。

この時代は1945年8月15日に日本の降伏で終わりました。

だがそれからわずか5年後、日本から独立した朝鮮に生まれた2つの国家が、国土統一を目指して戦争を開始しました。

この戦争は米ソ冷戦最前線の戦争、朝鮮における米中戦争に転化しました。

敗戦国日本は米軍の単独占領下にある従属国でしたので、米軍の命令で米軍、国連軍に全面的に協力させられました。

米軍は日本から絶え間なく出撃し、共産軍と北朝鮮を爆撃しました。

他方で米国は、台湾を中国共産党軍より防衛するとして、第7艦隊を台湾海峡に派遣しました。

台湾の国民党軍は朝鮮戦争に参戦しませんでしたが、国連軍に各種の兵站支援を行いました。

1951年、サンフランシスコ平和条約によって日本は独立したことになったのですが、同時に日米安保条約とアチソン・吉田構文、口文を結び、占領当時と変わりなく、米軍、国連軍の戦争の基地であり続けました。

1953年7月、朝鮮戦争は停戦協定の調印により、打ち方やめの両軍対峙状況に入りました。

停戦協定は日本と高い水準の政治会議を開催し、朝鮮問題の平和的解決を図ることを予定していましたが、開かれたジュネーブ会議は解決をもたらさず、朝鮮半島は停戦協定のまま、両軍対峙の状態のまま、70年を過ごしました。

今から振り返れば、この間、問題の軍事的解決に戻ることなく、停戦状態を守り続けたのは、南北北朝鮮民族の英知と勇気であったと称賛に値すると思います。

しかし、軍事境界線を挟んだ韓国軍、米軍、国連軍対朝鮮人民軍の対立は残り、東北アジアの変わらぬ軍事的緊張の原点です。

台湾に生き延びた中華民国政府は、台湾海峡を挟んで大陸中国と対立しています。

中国は1972年に米国と和解し、目覚ましい経済成長を遂げ、世界第二の超大国になりました。

台湾の経済成長も目覚ましいものであります。

最近では、大陸中国は米国の台湾保護、台湾の独立志向に強く反発し、軍事的威嚇を加えています。

両岸問題は、今日東北アジアの緊張の第二の焦点となっています。

その上に、東北アジア地域は、中、ロ、米の核大国が顔を突き合わせ、新たに北朝鮮が核保有国として加わり、米軍の基地を抱え、米国の核の傘の下にある韓国と日本が核保有4国の間にあるという、まさに人類核危機の中心です。

この地域で戦争が起これば世界核戦争になってしまいます。

ですから、この地域でどういう理由であっても戦争を起こさないということが、そのために最大限の努力を払うことが必要です。

第3点ですが、もっかのところ、この地域の最大の問題は、日本と朝鮮民主主義人民共和国との敵対関係です。

すべての国は、隣国と正常な国交を持たなければ平和に生きられません。

それなのに日本は、隣国5カ国のうち、唯一北朝鮮とだけ国交を持っていません。

この国を36年間植民地にしてきた歴史を、80年経っても清算していないのです。

日朝国交正常化交渉は1991年に開始されましたが、92年に決裂します。

そして2000年に再開され、2002年9月の小泉・金正日会談で合意に至り、平壌宣言が出されました。

拉致問題の交渉も大きく進み、生存拉致被害者5人が帰国しました。

だが2004年、矢部中局長が横田恵さんの遺骨として持ち帰ったものから、横田さんとは別人のDNAが検出されたという報告が出され、細田官房長官はこの骨は他人のものだと断定し、北朝鮮に強く抗議したわけです。

これによって日朝交渉は決裂してしまいます。

他方で2005年9月には、日本が推進した6者協議は画期的な合意に到達しました。

日朝国交正常化、朝米国交正常化の約束と、北朝鮮核兵器計画の放棄を同時実現するという内容でした。

だがこの合意は直ちに潰されてしまいます。

2006年6月、小泉内閣は拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律、いわゆる北朝鮮人権法を制定し、北朝鮮と対決する法を北朝鮮が最初の核実験を行うと、北朝鮮船舶の入港禁止、北朝鮮からの輸入の全面禁止、北朝鮮国籍者の入国禁止を決定しました。

やがて制裁は貿易と交流の全面遮断に行き着くのです。

その後、2014年、ストックホルム合意により交渉再開への希望が生まれましたが、田中実氏の生存を明らかにした調査結果は不満だとして、安倍第二次政権は報告書の受け取りを拒否しました。

これによって、対立交渉は決裂してしまいます。

核ミサイル開発を進める北朝鮮と米国の対立が激化する中で、2017年3月6日、北朝鮮は、秋田沖300キロの日本の排他的経済水域内に中距離ミサイル3発を打ち込み、翌日、この発射は不測の事態が起きた場合、日本に駐留する米軍の基地を攻撃する任務を持つ工兵部隊によって実施されたと発表しました。

この状況に至っても、安倍首相から石破首相まで歴代の首相は、拉致問題が自分の政権の最重要課題であるとし、被害者全員の帰国を要求して、金正恩委員長との会談を希望すると繰り返すばかりでした。

さらに日朝平安宣言に基づき、拉致、核ミサイルといった諸懸案を解決し、国交正常化を目指しますと施政方針演説で繰り返してはおります。

しかし日本政府はこの間、ブルーリボンのバッジを大臣の胸につけて米国大統領に拉致問題の支援をお願いするという以上のことはできていないのです。

拉致問題は日本国家の最重要課題だというわけですから、何としても交渉を最後まで北朝鮮人権法による制裁と攻撃の姿勢を改められなければなりませんが、少なくとも朝鮮学校を高校教育無償化措置の対象から除外している政策の修正がなされなければならないということは、誰もが了解している点だと思います。

北朝鮮側は、拉致を認め、謝罪し、5人とその家族を日本に帰国と途日させ、さらに3回も白紙に戻して、被害者生死の調査をしているのです。

その3回目の調査報告の受け取りすら拒否しているのは日本です。

その報告書の受け取りを拒否しておいて、金正恩委員長との交渉を求めるというのは、外交的にはあまりに無礼な態度ではないかと私は思います。

拉致問題でいわば最後の交渉に進めるには、北朝鮮側の報告を受け取ってどのように判断するかということを考えておかなければなりません。

帰国した拉致被害者5人から聞き取りをした拉致対策本部の記録があります。

その記録は隠されておりますが、この記録を公開してもらい、両院の拉致問題特別委員会等でこれを検証して、北朝鮮側の5名生存、8名死亡、2名不明、さらに1名不明、1名生存という報告を受け入れるかどうかについて、最終的な結論を出すことができると思います。

いずれにしても日本としては、生存している可能性のあるものについては帰国させよう、あるいは帰国を待つ。

死亡したと考えるほかないものについては、その死の責任は北朝鮮側にあるとして、正当な賠償金を支払えと主張するほかはありません。

拉致問題の解決に至れば、国交正常化交渉をまとめ、経済協力の交渉が終わらなくても、国交正常化を断行すべきであると思います。

日朝間の敵対対立を解いていくためには、核ミサイル問題の交渉を行うためには、日朝国交正常化が必要です。

第4点。

さらに日本は東北アジア地域の戦争の引き金になり得る領土問題を国論とするのをやめるべきだと思います。

サンフランシスコ平和条約において、日本は朝鮮、台湾、千島、南からのふと南洋諸島に対するすべての権利、請求権を放棄しました。

しかしその後、日本は領有の結果を失った南千島は固有の領土であるとして、その回復要求をソ連・ロシアに対して提起するようになりました。

大変なご努力があったわけですが、併せて色丹と歯舞諸島の返還も要求しております。

韓国に対しては、韓国が日本から独立するにあたって独島までを自国の領土として主張しているのを認めずに、平和条約で放棄した朝鮮の付属島嶼には独島は入っていないとして、固有領土たる竹島を返せと主張してきました。

日本は憲法9条で国際紛争を解決する手段として、武力を行使することを永久にしないと誓約しておる国家ですから、これまでは無事に済みました。

しかし今や憲法9条を改正して、日本の領土を守る軍隊の存在を憲法に書き込もうという動きがあるようですが、そうなれば領土要求は戦争の原因になりかねません。

個別に申せば、ロシアとの関係で放棄した千島列島に、エトロフ・クナシリ島は含まれていないと主張することは、地理学上、歴史学上の常識に反しており、成り立ちません。

日本はロシアとの間に平和条約を結ぶとすれば、これらの島のソ連領有を確認するほかありません。

だが、そうすれば、そこで平和条約を結べば、1956年の日ソ共同宣言第9項により、ソ連の継承国家が平和条約締結後に、日本国の要望に応え、かつ日本国の利益を考慮して、羽色群島及び色丹島を日本国に引き渡すとの旧ソ連政府の約束を履行すると期待できます。

今となっては、これが最後の希望です。

竹島については、日本に国土全体を奪われていた朝鮮が独立に当たって、奪われていた領土の中には独島が含まれていると宣言している以上、日本としてはそれを認めるほかはないでしょう。

ただし、経済水域は独島と沖之島の中間線に決めるように主張しなければなりません。

また、中国が領土主張をしている尖閣諸島については、日中間で直ちに交渉を開始するべきだと思います。

この方面の国境線については、日本国日中国交正常化の際の合意が作られていなかったのは明らかなのですから。

第5点です。

北東アジアは、ロシア、中国、朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国、日本、米国、6国よりなると考えられます。

日本がこの地域について国家的な文書で言及した最初は、2002年の日朝平壌宣言でした。

その第4項は次のとおりです。

「双方は北東アジア地域の平和と安定を維持・強化するため、互いに協力していくことを確認した」。

この合意が中国、米国を動かし、2003年から日朝、中米韓露の六者協議が始まったのです。

この六者協議の経験は、私たちの地域の歴史の中の最高の光であり、ここに立ち返るべき出発点があります。

今日、東南アジアではASEANの働きがよく知られております。

ASEANは1967年にできましたが、1995年にはベトナムを加えて、そしてASEAN地域フォーラム、ASEANプラス3、そしてASEAN東アジアサミットを補完させるような立派な活動をしております。

そうすれば、私たちの地域でもASEANに倣って、北東アジア諸国の向上的な連絡、協議の形を作ることが可能でもあり、必要でもあると考えられます。

最初は単なるオーガナイゼーションから出発すべきでしょう。

私たちの地域には緊急時の連絡組織、ホットラインを持つことが最小限の必要だからです。

ですからまず、オーガナイゼーション、ノースイースト・エーシャン・ネーションズ、ONEANを作りまして、会議を開くことにすべきだと思います。

で、この6国でこれを構成した会議ですが、この会議の下に分科会として、第一に北東アジア諸島会議を持つ必要があります。

海南島、台湾、沖縄、済州島、サハリン、北海道、エトロフ島、ハワイの8島がメンバー候補です。

それから、第二は北東アジア都市会議です。

台北、北京、慶陽、ソウル、ウラジオストク、ハバロフスク、東京、アンカレッジ、ホノルルの9都市の代表です。

さらには、ONEANのプラス4の会議も開催すべきだと思います。

プラス4は、モンゴル、ベトナム、フィリピン、カナダです。

すべての会議が動けば、ONEANの6カ国は、この組織の基本原則について討議し、確認していく必要があります。

まず6カ国は朝鮮戦争の停戦協定を尊重することを確認し、日米中露4カ国は、朝鮮民族が朝鮮の平和的統一を願うなら、その意思を尊重するということを確認する。

さらに6カ国は台湾が中国の一部であると認め、日米韓露5カ国は、両岸の平和的な融合を妨げないことを確認すると。

これらの原則が確認されれば、ONEANはASEANとなることができます。

オーガナイゼーション・オブ・ノースイースト・エーシャン・ネーションズ、北東アジア諸国連合です。

この団体がASEANと協力して、東アジア太平洋全域の平和協力、共生のために努力していきます。

調査しまして失礼しました。

どうも。

以上です。

ありがとうございました。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男(国際問題に関する調査会長)これより参考人に対する質疑を行います。

質疑は答弁時間を含め、お一人10分以内となるようにご協力をお願いいたします。

なお、質疑及び答弁は着席のもので結構でございます。

質疑を承ります。

原田英和君。

質疑者 原田英和

原田英和はい。

国民民主党新緑風会の原田英和です。

参考人の先生方、本日は貴重なお話をいただきまして誠にありがとうございます。

まず、宮本参考人にお伺いさせていただきます。

東アジアにおいて、日米中の軍事バランスが構造的に変化し、かつ、米国の関与の予見可能性が低下しています。

また、台湾有事に関する高市総理の発言が、中国に誤ったメッセージを与えています。

こうした中で、我が国は現状をどう捉え、どのような行動指針を持つべきかについて、質問をさせていただきます。

まず、宮本参考人は、中国が武力行使に踏み切るのは、台湾が独立へ動く時であるという見解を示されていると理解しております。

しかし、習近平政権が掲げる「中華民族の偉大なる復興」という文言、あるいは報じられる中国国内の政治力学などを踏まえ、台湾の出方にかかわらず、自らのタイムスケジュールに基づいて武力行使を選択するのではないかとの見方も増えているように思います。

現在の中国指導部は、状況が許せば、武力による現状変更を選択する意思があるのか、あるいは現状が維持され、台湾が独立に向かわなければ、積極的に武力行使をする意図は乏しいと見てよいのか、参考人の最新の分析をお聞かせください。

その他 宮本雄二

台湾問題は、技術に関わって中国の内政問題です。

私は1990年代の終わり頃、江沢民さんの時代に北京に勤務しておりました。

あの時に李登輝さんの相当再選の問題があって、江沢民の中国は、ミサイルの演習等をやって、台湾に対して圧力をかけました。

それに対して、クリントン大統領は空母2隻を台湾海峡を通して、そういうことを許さないぞという実力を誇示したわけですね。

それ以来、中国はアメリカを寄せないという軍事力の増強に邁進するわけですが、あの段階でも、もし台湾が独立を宣言して、私どもは中国でみんなと議論してましたけれども、江沢民さんに、あの時には明々白白に中国は負けるんですよ。

しかしながら江沢民さんに、台湾に武力攻撃を仕掛けないという選択肢はないと、みんなの結論なんです。

台湾が独立をやろうとしている時に、何もせずにじっと見ている中国の人たちとして歴史に記載されるのか。

アメリカに負けても、攻撃をした指導者として残されるのかといったときに、みんな後者を選ぶだろうと。

すなわち台湾問題は、軍事力がここまで来たから行く、ここまで下がったから落ちるというそういう性質の問題ではないということです。

したがって台湾の人も、大陸からすると中国の人なんですね。

したがって同じ人たちに武力攻撃をして、そこで大きな損害が生じるわけですから。

その時は中国の中で通る大義名分、中国の当局と国民との間で通る大義名分がないと、私は中国の内政としてはそこで決着をしないだろうというふうに思っております。

すなわち指導者の都合、指導者が自分は歴史に名を残す、そのために今台湾を攻めるのだというふうに思ったとしても、一般の国民の人たちがそう思ってなければ、それに対しては反対、反発が生じ得るということです。

いやいや、習近平さんはそれだけの力を持っているから、それだけ押し切ってやれるだろうということですが、しかし、民の声というのは、私は想像以上に中国では聞いているというふうに思っていますし、それからその結果、経済に響いてくるんですね。

台湾を侵攻して、それはもういろんなシナリオがありますから。

ほとんど中国が傷つかずに台湾を屈服させることができるというシナリオもあるように聞いておりますけれども、しかし普通の想定は、お互いにその経済に対しては大変な打撃を与えるわけです。

そうすると中国の今国内の経済状況ですし、したがって国民にどういう影響を及ぼすかということを考えていきますと、その時には国民が、自分は台湾の解放なんて望んでもいなかった、あなた自分の都合でそういうことをやってた結果、我々はこういうことですかということになると、不満が溜まってくるということなんです。

ですから今の中国の社会は、習近平政権が完全に隅々まで抑え込んで自分の思う通りに牛耳られるようなそういう社会の体制ではないというのは私の認識です。

そうすると国民の反応というのは非常に気になられる状況になっていて、国民が納得する大義名分がない限り、台湾に対する出動ということについては納得しないであろうと。

やっぱり内政のロジックが大きいのかなというのが、私の現時点の判断であります。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男君

質疑者 原田英和

ありがとうございます。

続きましても、宮本参考人にお伺いします。

日中の対峙を前提として、軍事バランスの破綻を防ぐことも大事ですが、東アジアの安定のためには、日中が友好的な関係を深めていくことこそが究極的には双方の国益にかなうと私は考えています。

我が国の安全保障は引き続き日米同盟を基軸でなければならないとは思いますが、単純に米国の関与が弱まる部分を日本が肩代わりして中国と対峙すべきかといえば、それは少し違うのではないかと考えております。

しかし、台湾問題を別としても、先ほどお話いただきましたように、尖閣問題をはじめ、日中は東シナ海で対立を抱えています。

第一列島線、第二列島線などという言葉がありますように、中国が海洋進出を進める中で、地政学的に日中は対立を生じやすい立ち位置にもあります。

こうした中で、日中が戦略的互恵関係を再構築して、さらに進んで友好的な関係に進化させていくためには、どのようなプロセスが必要だとお考えでしょうか。

第一線で日中関係を支えてこられました参考人のお考えをお聞かせください。

宮本さん。

その他 宮本雄二

鈴木議長とも懐かしく思い出されると思うんですが、米ソ冷戦の頃ですね、我々はソ連は日本にとっての軍事的脅威かどうかということを議論いたしました。

その時の日本政府の公式の答弁は、脅威は能力と意思が合致して現実化すると。

ソ連に能力はあるが意思はないのでソ連は脅威ではないと。

中国との関係構築というのが非常に必要になってくると思います。

日本も中国も中長期的、とりわけ長期的な広い視野から、何が自分たちにとっての一番の国益なのかということを考えてもらいたいと私は思っているわけです。

そうすると日本にとっても中国にとっても、この地域に平和と安定を確保して、経済の自律的発展を実現して、もって国民の幸せ追求を可能にすると。

これが中国にとっても日本にとってもベストじゃないでしょうか。

そうすると両国の政府は、これを最終目標として、それを実現するためにどうしたらいいかということを考えていく。

今、軍事力の問題が対峙しているんだったら、それをそういう目標のためにどういうふうにして、その対立の環境を弱くすることができるかと考えていくということだと思うんです。

私は、2008年福田総理と胡錦濤主席の間で署名もされました日中共同声明。

そこにおいて戦略的互恵関係というのが明白に両国政府の約束として書き込まれたんですね。

その時に北京におりましたけれども、それはまさに、そういう中長期的な両国の互恵利益、それを実現していく。

そのためには国際条理で協力しなきゃいけない。

すなわち国際関係も含めたそういう環境を作らない限り戦略的互恵関係が実現しない。

両国のために、世界のためにも踏み出していって、世界のためにそういう関係を作るんだと。

いわゆる国際秩序をいかにして守っていくかということも含めた、そういう日中関係にしようという理念の表れだったわけです。

ぜひ今日もそれをもう一回思い出して、両国政府に戦略的互恵関係に言い続けておりますので、その中身をそれに合ったものに充実させていただきたいと強く思います。

ありがとうございました。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男(国際問題に関する調査会長)時間もありましたので終了させていただきます。

和田敦子君。

その他 和田春樹

和田敦子(自由民主党)自由民主党の和田敦子でございます。

本日は宮本参考人と和田参考人から御知見に富んだお話をいただき、誠にありがとうございました。

私も不勉強ゆえに大変興味深く拝聴させていただきました。

いよいよ今夜、トランプ大統領が北京に到着され、明日からは対イラン軍事作戦のためこの延期になっていた習近平国家主席との米中首脳会談が始まるわけでございます。

そこではイラン情勢についての協議や貿易摩擦の緩和、また中東、台湾情勢の安定化に向けた具体的な合意がなされるのではないかと期待するところではありますが、しかしもしこの米中間で重要な合意がなされたとするならば、この東アジアの安定に向けて大きな前進となる可能性がある一方で、日本を含む東アジア地域の秩序を米中が主導してしまうことというのは、我々日本にとっても望ましくないのではないかという懸念もあるわけでございます。

先ほどお話の中では、この東アジアの平和と安定に向けて日本外交が果たしていくべき役割をお話をいただき、またこの東アジアには安全保障対話というもの、また危機管理の枠組みが不足しているということで、2国間の関係だけではなくて多国間の安全保障のメカニズムが必要だとのご指摘も今いただいたところでございます。

そこで宮本参考人と和田参考人に1問ずつご質問をさせていただきたいと思います。

これまでのアジア太平洋地域の安全保障協力の枠組みというのは米国とのハブ&スポーク型が基本でしたが、現在のこの情勢変化に伴っては多層で、そして多重的な枠組みに発展しつつあると私も認識をしているところでございます。

我が国においては日米同盟の強化に加え、2国間および多国間の安全保障協力を重層的に組み合わせることで、地域における安全保障環境を日本にとって望ましくしていく取組を今進めていただいているところでございますが、さらに安全保障政策の発信や意見交換の場所として、政府間協議のみならず政府関係者と民間有識者の双方が出席をする枠組みも活用して、日本の安全保障政策に対する各国の理解促進を図るとともに、地域における協力促進や信頼醸成に取り組みを進めているところであります。

先ほどのお話の中で和田参考人からは、ASEANに倣った東北アジア、これ6カ国、中国、ロシア、北朝鮮、韓国、日本、そしてアメリカの枠組みをご提案をいただいたわけでございますけれども、これ地理的にもアメリカを東北アジアに入れるというところがポイントになるのかなと思っておりますが、この新しい対話の場のご提案について宮本参考人はどのようにお考えなのか。

宮本参考人の資料も拝見させていただきましたけれども、その中に非政府間の対話の場と相通ずるところがあるのかということも含めて、この東北アジア諸国連合の構想についてご感想をお伺いさせていただきたいと思います。

また和田参考人には、ご提案いただきました東北アジア諸国連合の構想の実現を目指す際に、この6カ国の枠組みの中で日本はどのような役割を果たしていくべきとお考えなのか、その点についてそれぞれお伺いをさせていただきます。

その他 和田春樹

和田春樹(参考人 東京大学名誉教授)私は東アジアにおける議論があまりにも少ない。

先ほどハブアンドスポークという形で、結局アメリカを中心で、基本はアメリカに考えてそれで他の国が連携をしていくというそういう形に慣らされてきた。

そういう中で我々は安全保障の問題を自国、自分の問題として、単に日本だけじゃなくて韓国もそうですし、ASEAN諸国もそうだと思いますが、そういうふうに考えてなかったというのが非常に大きな問題として浮上しているというふうに思います。

これからは、同盟でそういうグループごとじゃなくて、そういう利害関係が錯綜している中で国としての集まりを、国の集まりが安全保障を考えていくという、新しい時代に入ったというふうに思います。

そうしますと大前提は、これに参加した国々の安全は平等に保障されるというものじゃないと、誰も参加しませんね。

したがって、いかにして参加した国の安全はこのメカニズムに入ることによって保障されるということを担保するかという、極めて難しい問題に直面するわけです。

これはもう本当に専門家集団が知恵に知恵を絞って考え出さないと。

ヨーロッパでもそれは実現しておりません。

NATOとワルシャワ条約軍というような間で冷戦状態が続きましたので、それを緩和するためにヘルシンキープロセスとか色々なものがあって、ヨーロッパで安全保障をするための努力をなされましたけれども、それは参加した国の安全を保障するところまで至っていないんです。

ですから、衝突するのをいかにして止めるか、不測の事態をいかにして回避するかという次元にとどまるわけですね。

それを超えた国と国同士の安全保障ということになってくると、非常に大変な新しい知恵を要求されますので、私は何がともあれ、いわゆるセカンドトラックで専門家と言われている人たちが本当に知恵を出してということで、まず今日からでも明日からでもこういう人たちに考えさせ始める。

ということで、その次に政府としてどういうふうな手を打ったらいいかという次の段階が見えてくるのではないかというふうに思います。

非常に難しい作業になると思いますが、しかしこれをやらないとこの地域の本当の安定はできませんし、やっぱりブロックごとの力の関係という昔のものに戻ってしまう。

これは脆弱性を持っているのは皆さんご存じのとおりであります。

以上です。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男(国際問題に関する調査会長)和田参考人。

その他 和田春樹

和田春樹(参考人 東京大学名誉教授)この地域ではASEANのことを申しましたが、ASEANが中心になりました。

ASEANプラス3というものが提案されました。

それは中国、韓国、日本でございます。

金大中さんも関わった構想ですが、これによって東アジア共同体をつくるという考え方が広まりまして、小泉首相も国会で東アジア共同体を目指していくということを述べられたことがありました。

しかし、その東アジア共同体というものにアメリカを入れるかどうかということになって、アメリカは自分を入れろと言い出してきましたので、中国は猛然とこれに反発しました。

それで日本としてはどうしてもいいか分からない状況になって、間に立って日本は非常に困ったわけでございますけど、それで結局東アジア共同体は流れてしまいました。

東北アジアという結びつきを考えた場合に、これは六者協議があったものですから、アメリカが入らないで東北アジアの安全保障を考えることができない状態ですから、当然ながら東北アジアということを考えればアメリカが必ず入らなきゃならん。

問題は中国がそれを認めるかどうかですけど、しかし中国も六者協議でアメリカを入れて六者協議をやったんですから、もう経験があります。

で、中国が推進して最後は六者協議を進めていきましたから。

だからアメリカを入れてこの地域の安全保障を考えるという枠組みがそこにあると。

東北アジアという枠を設定することによってアメリカ、ロシア、中国がみんな入って、そして日本、韓国、北朝鮮も入ったそういう枠組みが検討し得る土台がありますので、これを生かしていくと。

で、これの土台をそもそも提案したのは日本なのですから、日朝平安宣言でそれを提案しておるわけですから、事実上。

ですから日本がこのことを中心になって進めていくというそういう気持ちにならないと、これはできないのじゃないかと思われます。

で、日本がそれを進めていくのには、まず日朝国交正常化を何とかして実現して、北朝鮮が非常に孤立した状態で現在はロシアと一緒になっていますから、もっとしてるというようなことになってますけど、非常に北朝鮮の孤立緊張が続いていますので、ここをとにかく緩めていって、6カ国が集まれるような土台を作っていくということが必要じゃないかと思われます。

ありがとうございました。

質疑者 三上恵理

三上恵理(立憲民主党)立憲民主党の三上です。

本日は宮本参考人、そして和田参考人、貴重なご意見を本当にありがとうございます。

今日お話をお聞きして、ますます東アジア情勢は今大きな転換期にあるなと感じました。

はじめに宮本参考人にお伺いいたします。

宮本参考人は日中間には台湾問題、尖閣問題、安全保障問題など、構造的な課題がある一方で、いろいろ著書でも一定の枠組み了解があることもご指摘をされております。

今お話の中で、国民同士の交流が大切だと強くおっしゃっておりました。

この日中間、日米間、いろいろな関係の向上に向けて、今一度深く、そのお考え、どう向上させていくにはどうしたらいいかというお考えをお伺いできますでしょうか。

その他 宮本雄二

宮本雄二(参考人 元駐中国特命全権大使 公益財団法人日中友好会館会長)私は中国は、中国国民に対する色々なアプローチといいますか、我々の声を中国の国民に届けようと思っても、その中間は全部向こうの人たちが牛耳っていますんで、大使館で一生懸命に努力しても届かないんです。

したがって、もう私はほぼ諦めかけて、中国国民に影響を及ぼすことはもうできないなと。

いくら声を出しても届かないんですから。

諦めかけたところに、訪日観光客の問題が起こったわけです。

これあっという間に1000万という数の人が超えて、中国の人はみんな浮いちゃってやってますので、だいたい1人50人ぐらい持ってますよ。

1000万人の人が超えたら、5億人ですよ。

5億人につながるんですね。

みんな自分の撮った写真撮ってこうだこうだってコメントして、それで日本のことがどんどんどんどん中国社会に入っていって、あっという間に想像を超えた割合で、中国の人の対日理解というのが進んだんですね。

ですから直接交流というか、観光客でさえこれだけ大きな役割を果たすことができたということで、私は国民同士の交流で両国関係を変える力を持ち得るとその時感じたんです。

ですから今、我々が考えるべきは、いかにして国民同士の交流を考えるか。

これはもう昔から言われておりますけども、ドイツとフランスはあれだけ長いこと何回も何回も戦争しましたでしょう。

本当に嫌になるくらい戦争してますよ。

もう日中なんかじゃないくらいの、何回も何回もドイツとフランスは戦争して。

そしてついに今回もう永久に和解をしようということで、いろんな合意がドイツとフランスの間に出来上がって、その中の一つが中学生とか高校生の中のですね、相互ホームステイなんですね。

だからフランスの子はドイツに行き、ドイツの子はフランスに来てですね、そしてもう本当に学校の教育の中に入ってて、それがドイツとフランスのいわゆる国民同士の和解に大きな役割を果たしたということを聞いております。

先ほどの話にちょっと戻りますとですね、今はそういうふうに閉めてますが、しかし私は未来永劫中国が社会を閉めたままだとは思っておりません。

必ずまた開く時が来るとというふうに思っておりますので、だってそういうときに、国民同士の交流も含めて、もっともっと我々努力すればですね、国民同士の中の相手に対する温かい気持ちは植え付けることができるというふうに強く思っておりますし、これが最後、最後の砦といいますか、国民同士がそういうふうに思えばですね、国同士の動きも止めることができるというふうに最近は思っております。

以上です。

私の身近な交流から祈念される国家間の関係向上に向けて努めてまいりたいと思っております。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男(国際問題に関する調査会長)和田参考人は東アジアで戦争を起こさないための最大限の努力の必要性、また、他国間の対話の重要性について述べていらっしゃいます。

私も対話の努力、今、宮本参考人から交流の話もありましたけれども、対話も大切だと非常に思っております。

一方で、中国ですとか北朝鮮による軍事活動の拡大、そして現状変更への懸念が広がっているということも事実です。

今、拉致問題の解決に向けても詳しくご意見を述べていただきました。

大変参考になりました。

しかし、この対話と同時に一定の抑止力も必要だという考えもございます。

和田参考人は、この対話と抑止のバランスをどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

その他 和田春樹

和田春樹(参考人 東京大学名誉教授)現状において日本では日米安保条約を結んでおりますね。

そして米軍も日本に基地を持っております。

そして自衛隊が存在して日本の自衛のための兵力を備えておりますが、この面においてぬかりがあるならばですね、これに対してしかるべく増強を図るということは恐らく必要でしょう。

しかし東北アジアのこの状況で向かい側に中国、ロシア、北朝鮮という核保有している国があってですね、それで日本には核武装している米軍の基地があるという状況ですから、ここで戦争が起きてしまえば、どれだけ兵力を日本が自前の兵力を用意したところで悲劇は避けられない状況だと思います。

ですからその意味で言えば一定の安全保障上の措置というものを取ることは必要だと思いますが、それよりもさらにそれに倍するようなくらいの、やっぱり外交的な努力というものをしなければこの地域では危ないというふうに私は思っております。

ですからそういう意味で、まず隣の国とは国交をもってですね、話し合いができるという状態を作るということがまず必要じゃないかというふうに思っております。

以上です。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男(国際問題に関する調査会長)ありがとうございます。

その辺り、宮本参考人もどのようなお考えか。

こうした今お話があった難しい状況が続いている中で、安全保障上の不信感も高まっていて、その中で日本外交に今、求められているものというのは、どんなことがあるとお考えでしょうか。

宮本参考人。

その他 宮本雄二

宮本雄二(参考人 元駐中国特命全権大使 公益財団法人日中友好会館会長)トータルに考えていかないと物事が動いていかない。

ですから安全保障の観点から抑止が必要だということ、そのこと自体は私は否定するつもりはありません。

丸腰で何もなくて向かっていくわけにはいきませんので。

それだけで物語が終わらなくてですね、そして相手との関係にどういう関係を作るのか、どこまで話し合える関係を作るのか。

何よりもどれだけ多くの共通の利益を作り上げるのかということですね。

共通の利益を作り上げれば作り上げるほど手を結ぶ分野が増えてくるわけです。

それを冷静に見極めて、この人はもう敵だ、もう敵とは付き合わない、喧嘩ばっかりだ、こういうふうに思わずに、最後の最後、もうギリギリそういうことにならないことを強く願ってますけど、必ず共通の利益はあるんです、見つければ。

それを相手側に納得させて、そしてそれを拡大していく。

そして協力をする分野を作る。

協力をし合えば、信頼感が現場に生まれるんです。

日中も関係がいいときは、いろんな分野で協力が始まりますでしょ。

現場で手を結んで一生懸命やったから何か一つ実現すると、その現場で信頼関係が生まれているんですね。

したがって、それが可能になってくるというふうに思います。

本当にお二人から前向きなご意見ありがとうございました。

米中対立の長期化で日本がどのような外交を行うべきか、明日から米中の首脳会談も始まりますので、その会議の行方をまた注視していきたいと思います。

本日はありがとうございました。

質疑者 久保田哲也

久保田哲也君。

宮本参考人、和田参考人、今日はどうもありがとうございます。

公明党の久保田でございます。

今日は大変に貴重なご意見を賜りました。

心から感謝を申し上げたいと思います。

今、宮本参考人の方からお伺いしたいと思います。

その他 宮本雄二

今も言われました。

日本と中国が一つでも多くの共通の利益、これを見出していって、アメリカの存在を大前提として、その上で共通の利益を一つでも多く作っていく、そのことを見出していくというのが大事なんだという話だったと思います。

昨年の総理の台湾有事発言で、先生のお言葉を借りればデッドロックの状態、民間交流さえもない、そういう極めて異常な状態が今日の日中関係に横たわっているというふうに思います。

2012年の安倍政権ですけれども、民主党政権か、尖閣問題、そしてその後の安倍総理の訪中、これもかなり時間がかかりましたけれども、今この楽観的なことは、先ほどご説明しましたように、中国にとって日本の相対的な重要性というのは落ちております。

2012年、13年、あのころはやっぱり日本経済、それは中国より進んだ部分もたくさんございましたから。

したがって、日本との経済関係が切れていることが、中国にとっても負担になるという側面はありました。

したがって日中関係を戻さなきゃいけないというそういう力は中国にも働いたんですね。

我々が冷静に認識しなきゃいけないのは、それが中国の方で弱くなっているということです。

ですから、放っておけば中国が来るだろうということは、これは非常に希望的観測になってしまったなと思います。

中国にも客観的に日本は必要ですし、私は中国の友人にも言うんですけれども、「日本と関係がうまくいかなくて世界に対して人類運命共同体をつくりますから皆さんいかがですか」と言っても、「ちょっと隣とまず上手におやりになったらどうですか」と言われますよ。

ということは、もう中国の友人にも言っているんですけれども、しかしながら客観的に言って、中国から乗り出してくるというのが弱くなっています。

したがって、日本側が働きかける必要があるというふうに強く思います。

進めませんと。

ところが不幸なことに、前は非公式のチャンネルが結構あったんです。

ですから、そこで動かそうという動きが作れたんですが、今はほとんどなくなってしまっているんですね。

誰がそれを動かすのかということになってくると、そこも見当たらないという状況なんですね。

そうすると、再び政府が動かないと。

そういう局面に今なってしまっているということなんで、下手するとそれより長く時間がかかるかもしれないということで非常に心配しています。

だからどういう形でその局面を打開させるのか、私も考えさせられている難問なんですけれども、しかしこれはどうにかして動かさなきゃいけないし、早く中国の友人たちも同じようなことで心配し始めていますので、突破口を開ける日が近いのを望んでいますが、客観的に言って前回よりは難しくなっているということであります。

質疑者 久保田哲也

久保田哲也君。

ありがとうございます。

相対的に中国の力がパワーアップしているというのが一つと、それから我が国にチャンネルが当時と比べてもないという、この2つの課題があるというふうに受け止めました。

そういう中で、先ほどセカンドトラックというお話もされておりましたけれども、この今のデッドロック状態にある日中関係、この打開に向けて何らかの光がないのかなということを私も今探しているほどのこともないですけれども、強く望んでいるんですけれども、そうしたなんらかの、今、国内で少しでも光になるようなもの、そうしたものは先生は今、見ていらっしゃいますか。

その他 宮本雄二

今回、交流を止めるというか、彼らは、交流の窓口にいる中国の人たちは、止めるとは言ってないんです。

「延期します」と言っているんです。

だから現場の人は止めたくないんです。

現場で続けたいと思っているんです。

したがって、今やっぱり今の状況の中ではいけない、何かしなきゃいけないという動きは最近私も感じ始めております。

中国側にそういう動きが出始めたということであります。

特に公明党は、中国との関係も深くございますし、ぜひこういう時に積極的な役割を果たしていただければというふうに思います。

やっぱり高いレベルでの交流を実現しませんと、物事が動かないというのが今の仕掛け上そういうふうになっておりますので、ぜひご尽力賜りたいと思います。

質疑者 久保田哲也

久保田哲也君。

過分なご期待を賜りましてありがとうございます。

最大限できることは、これは党派を超えて、立場を超えて、与党を超えて、これをやっていかなきゃならないことだと思っておりますし、やはり両国の利益を最大化していくことが、東アジアの安定、経済、平和につながっていくと思いますので、しっかり頑張ってまいりたいと思っています。

ありがとうございます。

ありがとうございました。

その他 鈴木宗男

和田さん、考にもうあまり時間がたぶんないとは思いますけれども、先ほどのご説明の中でも、この東アジアで核の問題ですけれども、戦争が起これば核戦争になりかねないというそういう危惧も示しておられました。

国内では非核三原則を持ち込ませずという問題についても議論が、これまではやはり国策としてこれは守っていくというのは大前提だったわけですけれども、それがなし崩し的に議論が始まりかねない。

東北アジアの六カ国のうち4カ国は核を持っているという状況ですね。

それでこういう状況になりましたので、韓国でも核武装という話が出ておりますけど、日本の中にもそういうことを言う人もいると。

非核三原則というものを修正しようとする動きも出ていると。

こういうことであろうと思いますが。

じゃあそれでみんな、すべての人が核兵器を持って、ここで何か救いがあるのかという問題です。

その他 和田春樹

要するに日本は、先ほど申しましたが、北朝鮮は2017年にすでに不足の時代、つまり米朝戦争になった場合には日本にある米軍基地をミサイルで攻撃するというそういう部隊がもうすでに存在していると言ってますが。

そういう状況になってきた場合、日本はもう仮にこれで日本が核武装をした場合ですが、何か新しく安心の材料が増えるのかっていったら、全く増えない状況ですよね。

日本海のほとりにはずっと稼働中でも稼働中でない原子力発電所がずらっと並んでいますから、普通のミサイルで通常弾頭のミサイルでも当たれば、それで核爆弾が爆発したと同じ効果を持つような状況ですよ。

そういうわけですから、そういう極限的にこの近接している状況で、そこでこういう兵器が存在して対立がつかまれば、もう防ぎようがない状態になっているという感じがいたしますから、やっぱりこのことに対して本当に平和が来るような方向に努力をするということを中心的に考えていかなきゃならないものと私は思います。

我が国の安全保障、平和外交の姿勢が極めて厳しく問われている時だと思います。

大変ありがとうございます。

質疑者 関平

関平君。

日本維新の会の関平と申します。

まず宮本参考人に、宮本先生にちょっと伺いたいと思いますけれども、今、宮本参考人のお話の中、非常に重要なキーワードが出ていまして、要するに日中関係の間に一定の枠組みの了解があり、それを超えてしまうと関係が悪くなる。

確かに事実そうなっているんですけれども、しかし問題は、じゃあこの一定の枠組み自体が、それを果たしてそれで日本の国益にかなうものかどうかということでございまして。

例えば宮本参考人が枠組みの中に入れている第3項、歴史問題という枠組みがあるんですけれども、しかし考えでみれば歴史問題、歴史認識というのは、そもそも最初からそれぞれの国に別々の歴史認識がありまして、要するに中国の歴史認識と日本の歴史認識が変わらずしも一致しておるわけでもなく、むしろ対立を内包しているということでございます。

私の理解では、今までむしろ歴史問題に関する日中間の枠組みが、どちらかといえば中国が自分たちの歴史認識を一方的に日本に押しつけて、それを日本はそれを受け入れて、何度か日中関係を維持してきたというわけですけれども、しかしね、それがね、どう考えても長期的な安定した関係にはならない。

いずれこの対立矛盾が必ず露呈してしまう。

ですから、別にそうすると、例えば発想そのものを変えまして、今までのこのような日中間の枠組みというものを一度修正して、あれは極端に言えば壊してしまって、新しい枠組みの中でもっと健全な日中関係を築く可能性があるかどうか、そこを宮本参考人のご意見をお聞きしたいと思います。

宮本さん。

その他 宮本雄二

これを壊して新しいものを作る?全く自信がありませんね。

壊すのはできます。

新しいものを作れますかね。

赤平君の家を拝借したいと思いますが、私は非常に難しいんじゃないかというふうに思います。

歴史認識問題はですね、これはまさに非常に日本の中でも歴史認識問題はある意味でイデオロギー対立に巻き込まれました。

戦後の日本の歴史問題というのは右と左のイデオロギーがぶつかり合う場としての歴史認識問題だったんですね。

しかしこの状況は日本ではもうなくなりました。

したがって残っているのは、いかに客観的に見るかということなんですが、私は安倍元首相がですね、最後に発表された歴史認識に関する談話、安倍談話。

あれが最終版でいいと思います。

あれをもって日本の政府の最終的な歴史認識ということにして、それで中国側は何か言ってますけれども、だからといって日中関係を破棄するとかそういうことになってないわけです。

それからあの時に、学者の先生方も入っていろいろ検討されまして、その結果、戦前の歴史についてどういうふうに日本として考えるべきかということについての基本ラインというのが打ち出されました。

私もその先生方のご発言を聞いて感動いたしましたが、それがある意味で日本の歴史認識ということで私は定まったというふうに思っておりますので、この問題をあえて中国側と提起している必要は私はないというふうに思います。

質疑者 関平

鈴木宗男君。

たとしますと、要するに例えば歴史認識問題はもう二国間の枠組みの了解事項にはもうならなくてもいいというふうに理解していいです。

日本自身が日本の歴史観があって、中国は中国の歴史観があって、それでいいというふうに私は理解しています。

宮本参考人。

その他 宮本雄二

歴史認識は一致しません。

それは私と鈴木さんの歴史認識が一致しないのと同じで、歴史認識というのは、ましてや国家の歴史認識は一致しませんので、したがってそこはそれであって、しかしそこで一定の了解があるものが日本首相の談話として出されて、4回ですか、出されてきて、それで日中関係が持てているという側面があるということです。

わかりました。

質疑者 関平

鈴木宗男君。

いや、ですから私も同じような考え方でありまして、要するに、そもそも歴史問題が一致することはありませんから、それを一種の枠組みの了解にすることもないだろうと私は思っております。

で、もう一つ、宮本参考人にお聞きしたいことはありまして、去年の11月に高市早苗首相の正論時代発言がありまして、それで日中関係が悪化したことは事実ですけれども、しかしどう考えても高市首相らの発言は日本政府の従来の立場から逸脱したものでもなく、私が特に問題のある発言とは思いませんし、しかしそれに対して中国側がすっごく猛反発して、今この発言を日中間の関係悪化の最大の理由にしている。

あるいは日本側はこの発言を撤回しない限りにおいては、もう関係の改善なしというような態度で、じゃあそういう状況の中では、果たして日中関係は改善すると思われますか。

宮本参考人と思われますか。

その他 宮本雄二

宮本参考人。

高市発言の中身に関して、あれは日米安全保障条約絡みの話なんです。

したがって、その中身そのものが間違っているということにはならないというご指摘はその通りです。

しかし日中共同声明の時に、「一つの中国」の原則を我々はギリギリまで頑張りましたが、しかしギリギリまで認めさせられている面もあるわけです。

それが「十分理解し尊重する」ポツダム宣言云々の共同声明の言い方になっているわけです。

同時に、当時日本政府の共同声明に対する基本姿勢は、日米安保条約に一切影響を及ぼさない、日中の国交正常化は日米安保体制に影響を及ぼさないという大前提で交渉しました。

その時にアメリカは台湾と相互防衛条約を持っていて、台湾を防衛する義務があって、台湾を防衛するために日米安保条約上日本の基地を使うということで、1972年の時点で、すでに日米安保条約と日中共同声明というのはぶつかるんです。

ですから台湾は一つの中国ですから、中国からすると国内問題なんです。

それをアメリカが助けに行くと。

日本からすると台湾を国内問題に認めてしまうと、国連憲章で国内問題は内政不干渉ですから、干渉しちゃいけないことになるんで、だから中国の立場を全部飲まなかったわけです。

で、一方アメリカの方は、かなりのところを飲んだと。

そういうことは日米安保条約を表に出せば全部ぶつかるんです。

1972年から。

だから表に出さない曖昧戦略にしたんです。

表に出した1972年の国交政策は実現しませんでした。

だからあそこを曖昧戦略にして、その曖昧戦略を取っ払ったという意味において高市発言が問題があったんです。

その中身のことではありません。

しかし中国側はずっと安倍元首相の台湾に関する発言、「台湾有事は日本有事」。

安倍元首相は日米安保の有事であるとおっしゃってますが、しかし中国の中で議論される時には、台湾有事は日本有事でストップなんだ、すなわち日米安保と関係なく日本は台湾有事の時に軍事力を使って台湾を助けに行くと、そういう了解があるんです、理解が。

その理解に基づいて中国側は今怒っているわけですね。

ここは誤解なんです。

日本国政府の中で日米安保条約を離れて台湾をうんぬんと議論は一回もされたはずはないはずです。

そういうことからしますと、中国側の誤解を解くためには直接話さないと駄目なんですね。

そのためにも対話が必要だと思っています。

わかりました。

いずれにしても先生おっしゃったこの曖昧戦略で、そろそろそれは限界があるんじゃないかなと言いまして、いやそもそもね、もし中国政府が台湾に対して武力行使しないという姿勢であれば、そういう問題は一切起きてこない。

むしろ中国政府がいつまでも武力行使するよということになれば、じゃあこの曖昧戦略はいつまで続くかということが私たちがすごく限界を感じまして、だからそういう意味では、むしろ高市首相の発言が明確にしたことで、日本従来の立場を明確にしたことで、むしろ抑止力になるのではないかと思います。

時間も経過してしまいましたので、ありがとうございました。

質疑者 大津つとも

大津つとも君。

参政党の大津つともと申します。

両参考人の皆様、どうもありがとうございました。

私からは、まずは和田参考人に日露の関係について、お尋ねしたいと思います。

まず、平和の維持に関しましては、やはり外交と防衛、これが両方大事だと思っております。

その上で、今回は外交という意味で、日露の関係で言いますと、北方領土の問題があると思います。

鈴木会長の方が詳しいかもしれませんけれども、この北方領土に関しまして、日露平和条約というのができればというところもあります。

しかし、現在はロシア・ウクライナ戦争によりまして、日本がウクライナの支援ということで、またロシアには逆に経済制裁ということで、これが止まってしまっているという状況だと思っております。

しかし、このロシア・ウクライナ戦争もいつまでも続くというわけではないと思いますので、その終結を機に、また外交が再開できるんじゃないかと思ってはいるんですけども、その辺の現実的な見立てと、もしこれ再開できるとなりましたら、それをどのようにこの北方領土を。

その他 和田春樹

和田春樹(参考人)それでこれが止まれば、もちろん日本とロシアの関係もまた開けてくるということにはなるかもしれませんが、しかしこれを止めるためにも、むしろ日本がロシアに働きかけて、この戦争を止めるように、終わらせるように助けるということが重要じゃないかと私は思います。

ですから日本はウクライナを応援していると言っても、もちろん軍事的な形ではありませんが、しかしこの外交からウクライナを応援するというような姿勢を日本がとっている限り、やはりウクライナとしては頑張り続けなきゃならんということになりますので、完全にこの今の戦争は行き詰まってしまっていますから、このまま続けばロシア人、ウクライナ人がどんどん死んでしまうということになってしまうのです。

ですからその意味で、むしろ日本もロシアとの関係を改善しなきゃならないわけですから、むしろロシアが戦争をやめられるように日本が働きかけていくということが、むしろ将来的に見て日本とロシアの関係を良くするのに役立つだろうと思います。

日本はとにかくロシアと近代において4回重要な戦争をしておりますから、もうロシアと戦争することはあってはならないわけでして、ですからその意味で、ロシアが日本の領土を自分のものにしているのがけしからんと、その領土を返せと言い続けるということに私は非常に不安を感じるわけですが、今の状況ではロシアが返すような状況ではありませんから、その上で先ほど私の話の中で述べましたような、憲法改正の問題になってきて自衛隊の位置が変わりますと、やっぱり余計心配する。

つまり日本はそんなつもりは全然なくても、ロシアの方では、日本は領土をよく返せと言っている、それは最終的には軍事的なそういう工作も講じるつもりではないかというふうに感じるということになりかねない。

そういう問題だと思います。

そうしてロシアが日露戦争で負けたということは、ロシア人の中に非常に大きな精神的な傷を残しておりまして、そのことがロシア・ソ連の歴史に大きな影響を与えたということを最近ますます私は痛感しております。

ですからその意味で言うと、日本とロシアの戦争の歴史を断つという意味で言うと、領土問題の考え方をちょっと変える必要があるのではないかと私は思っております。

質疑者 大津つとも

大津つとも君はい、ありがとうございます。

ちょっと時間がありませんので、じゃあ次に宮本参考人にお伺いいたします。

今度は中国、日中関係に関しまして、愛国教育ということで、いわゆる反日教育みたいなことが中国では1994年以降、主に江沢民さんの頃から進められておりまして、現在の習近平になりましたらさらに強化されているというところでございまして、1994年から大体もう30年経つということは、だいぶそういった教育を受けた方がいろんな社会の中枢になってくる年代だと思っておりまして、反日教育と言われている状況、中国と言っても広いですから、都市部では行われているけど、地方では行われていないですとか、そういった現状と、また実際に国民の日本に対して、本当にどういうふうに感情を日本に対して思っている、現場の感覚ですね。

そういった感覚。

そしてまた、今後そういった教育が、この日本との友好関係にどのように影響してきそうなのか。

もしこれが本当に懸念になるのであれば、何とかそれを改めてもらいたいなとは思うんですが、もちろん内政不干渉でございますから、こちら側から言うことはできないのかもしれませんが、そこに対してどうしたらいいのかというお考えあれば、教えていただきたいと思います。

宮本さん、お願いします。

その他 宮本雄二

宮本雄二(参考人)私はですね、1990年代の中間にアトランタで総領事してましてですね、あれは南北戦争で言いますと南部なんですね。

そうするとね、南部の人はね、南北戦争のことをまだ覚えてるんですよ。

北部の人は忘れてるんですね。

もう100年以上経ってました、南北戦争から。

南部の人は覚えてて感情的になって反発するということを何度か経験いたしましたが、やっぱり戦争における加害者と被害者の関係はどうしてもそうなってですね、被害者の方は100年経ってもまだ覚えてると。

すなわち教育だけではなくて、中国社会の中に社会の記憶として歴史問題が残っているというのを、我々は自覚しておく必要があると思います。

なぜ94年頃、江沢民さんが愛国主義教育を強めたかというと、私が聞いている話は、1989年の天安門事件です。

あれで若者が共産党反対を言い出したんですよ。

それに鄧小平さんがびっくりして、これだけ総書記のために尽くしている我々を若者が批判するとは何事だ、教育がなっていないのではないかと。

これが愛国主義教育の始まりだったと。

実施したのは江沢民さんですが、鄧小平さんが天安門事件を振り返って、若者教育をしろということで始まったのが出発点だというふうに聞いております。

その結果、歴史教育をしますと、もう反日の材料が多くなってしまうわけです。

もちろんアヘン戦争からやってますし、一応そういうところも入っているんですが、数からすると圧倒的に日本が多くなってしまうということで、反日感情はどうしても厳しいままになってくるということです。

先ほど申し上げましたように、直接交流によって変わってくると。

だから今どういう構図になってくるか、私なりに大胆に予測しますと、外国人と会ったこともない、外国に行ったこともないそういう多数の中国の人が、内陸部を中心に私は7割ぐらいいるんじゃないかと思うんです。

あと沿海部を中心に、海外に行ったことがある、外国人と接触したことがあるこういう中国の人がいると思うんです。

この人たちは、反日教育云々と関係なく、実際に日本を知っていますし、だからもう少し解明的というか、バランスの取れた対日観を持ってくれているんじゃないだろうと思います。

しかし7割はそういうのがありませんから、党の教育とか、要するに外交は完全に党が牛耳っていますんで、党の内輪の宣伝が行くんですね。

それを比較してそうじゃないという材料を持たないんですね。

そう言われたものを「なるほどそうか」ということで、日本に対する感情というものが、もしそういう形で宣伝のラインを日本に厳しいものにしていけば、国民もそういうふうになるということなんですね。

ですから今、WeChat、これはちょっと聞いた話でこういう場でご説明するのが適当かは分かりませんが、ある中国の若いご両親のところの子供が小学生なんだ。

で、もう両親は日本に非常に好感を持っておられるんですね。

だから家庭の中では日本に対する歴史なんか全くないわけですよ。

そしたら5年生ですかね、それぐらいの時になったら、途端に反日的なことを言い出した。

そしたらお母さん心配になって学校の教科書を全部見てみたと言うんです。

前と変わっていないと言うんですね。

スマートフォンを与えた。

スマートフォンの中が反日で満ち溢れているんですね。

ですから今はその教育もありますけども、より大きなネット空間、ここでの反日がさらに強いというふうに思っております。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男君はい、どうもありがとうございました。

質疑者 石崎健次

石崎健次君国際法上の概念、これはまた僕の専門なんですけど、コンドミニアムという概念がありまして、これは特定の領域、例えば領土ですよね、領海でもお話ですけど、これに対して領域を分かつのではなくて、福田政権の時に、ご案内のように東シナ海の平和協力、友好の海にするという合意ありましたよね。

2008年ですか、東シナ海のガス田の共同開発ですよね。

これが国際法上の概念、今ご紹介したコンドミニアムという概念に非常に近い、一つの好例だと思うんですけども。

その他 宮本雄二

宮本参考人。

あの合意ができた後、日本国内の報道で、日本が勝利した、要するにその合意で日本に有利な合意だという解説なり、そういうものが流れてしまい、出ていって。

それで当時、武大さんが外交部の副部長をしてましたけれども、たちどころに記者会見をして、それは違っているということで、合意の中での日中の領海事項と違うことを武大さんは記者会見で言って、そこで壊れたんですね。

それはそうしないと彼らは国内から大変な突き上げを受けるという。

あれをじっと黙ってて、日本側も黙ってて、表に出さずにどんどん10年たってみたらそういうもんだったということだったら、もう認められたと思うんですね。

最初にそういうことだったものですから、まさにおっしゃるとおり、今、先ほどの概念に我々も意識しながらやったものなんですけど、それが潰れてしまったということで、本当に残念です。

あれは福田総理が渾身の力で中国側と交渉されて、中国側が日本の立場まで十分理解をして、そして歩み寄ってくれて合意できたものなんで、本当に残念だというふうに思います。

これからどうするかという問題は、やっぱりチャンスは我々で作っていくべきだと思います。

それはやっぱり両国の指導トップがそういうことでやろうというふうに了解をつけない限り動きませんので、もう一回両国首脳が会って、そういうことができるような環境整備。

これをやらなきゃいけないと。

これが何年かかるか分かりませんが、できるだけ早くそれをやることによって、あれを復活させるというようなことになって持っていける可能性があるんですね。

したがって、あれは本当に貴重なチャンスで、これからもうこれで終わったと思わずに、引き続き、我々としては努力していくべきだと思います。

他方、ちなみに中間線のこっちの開発、あれ難しいんですよね。

開発してもどちらに持っていくか、中国に持っていくしかないという地理的な理由で、中国ばっかりやってて、なんで日本はやってないのかと。

中間線のこっちでやればいいわけですから。

だけどやれてないのは別の理由があるということです。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男君引き続き僕は弱小政党ですけれども、研究者から転身したというのはまさにこういうことをやるためになったので、ご協力ください。

すみません。

和田先生、どうも。

お話の中に出てきたアプローチですけれども、特に僕は実務家ですから、一体何から始めるかということをちょっと議論したいと思うんですけれども、僕にとっては多分日韓がまず協力して北朝鮮に向かい合うということを始めなきゃいけないと思うんですよね。

その時、ご案内のとおり韓国政府というのは政権によってこれ違いますけれども、対北朝鮮政策に揺れ幅がありますよね。

でも一貫して北朝鮮の核を問題にしてきた。

これは変わらないと思うんですよね。

一方、これもご存じのとおり北朝鮮は核を国家存続の根拠とみなしている。

これが現実であります。

ですから北朝鮮にアプローチするときに非核化を入り口に据えるということは、まず対話が始まらない可能性があるわけですね。

そうすると段階的なアプローチしかないだろうということなんですけれども、この段階的なアプローチ、つまり入り口に非核化を持ってこずに他のものを持ってくる。

出口に過去の問題は棚上げしてと言いませんけれども、入り口にしないというこのメッセージ性ですよね。

これは日本国民にとってどう理解をお願いすればいいのか。

唯一の被爆国として、この辺の戦略をもしいただければ嬉しいと思います。

その他 和田春樹

和田春樹(参考人)北朝鮮に対して働きかけていくということが、おそらく東北アジアの地域的な安定平和のために何かの仕組みを考えるにしても出発点になるだろうと思いますね。

その時に日本と韓国が一緒になって北朝鮮に対して核の問題を出すということは、今ご指摘のとおり無理がある。

北朝鮮は韓国と対立していて、そして核兵器で武装している自主的防衛の国だというふうに胸を張っていますから。

ですからそういう意味でいうと、やはりこの場合は韓国の支持を得て日本が北朝鮮と国交正常化するということが、やっぱり最初の出発点ではないかと思います。

それによって日本と北朝鮮の関係が開けてくれば、これはその先の話をすることができるように思われます。

要するに核の問題で言えば、この地域で核兵器を使わないということですね。

このことを約束してもらうということが重要ですけど、しないというふうに言っている大国はまあいいとして、北朝鮮の場合そういうふうに言うかどうかは分からないんですから。

ですからこれは相当先になる課題ではないかと思われます。

それで、その意味で言えば、しかし北朝鮮と韓国が戦争した朝鮮戦争というものの経験というものが、この地域にとって全体として大きいわけですから、朝鮮戦争の停戦状態を存続させ、どういう形にしてこの状態を補強していくかということについて話し合いをするということは良いことだと思います。

いきなりこれを平和条約に変えるということは、すぐどうか分かりません。

しかし、停戦状態を補強するというような形で、それには近隣諸国はどうしたらいいのかというようなことで話し合いをするということは意味があるんじゃないかと思います。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男君今おっしゃった続きで、ぜひ朝鮮国連軍の話をしたかったんですけど、ここに届けますね。

引き続きご指導ください。

ありがとうございました。

質疑者 高良幸

はい、沖縄の風、高良幸です。

本日は宮本先生、和田先生の非常に重要なお話を聞かせていただいて、学びが大きいと感じています。

大変興味のある分野で、特に私は沖縄選挙区の、安倍内閣総理大臣をしていきたいと思うんですが、まず宮本参考人にお聞きしたいのは、先ほど出ているんですが、台湾有事は、存立危機事態になりうるという発言以降、先ほどのお話では様々なチャンネルでのその対話というものが今できていない状況なのではないかということがあったかと思います。

しかしもうすでに何ヶ月も経過をしていて、すでに経済的な影響も出ているのではないかというふうに思います。

中国の経済規模から考えればあまり大きな影響ではないかもしれませんが、ただ日本の対中国貿易あるいは観光客が入ってくるとか、そういったことから考えれば経済的な影響もだんだんと本当に大きくなっていくのではないかと心配をしています。

そこでお聞きしたいのは、この状況を打開していく、国際問題に関するために、修復していくために、日本から取るべき方策というものをお聞きしたい。

宮本参考人にお聞きしたいと思います。

私は、やはりですね、日中平和友好条約のような4つの政治文書をもとにして、これまでの姿勢に基づく、日本の姿勢に基づいて、明確な立場表明というか、修復の意思表示を日本側からなされるべきだというふうに考えているのですが、今、いろんなチャンネルが失われていると、止まっているという中で、打開策としてどのような方策があるのかというのを、ぜひ教えていただきたいです。

お願いいたします。

その他 宮本雄二

宮本参考人。

本当に今、難しい状況になっていてですね。

意思疎通が難しくなっているんですね。

ですから我々が行って何かやろうとしても、中国側がそういうことだったら受け入れられないと、そういうことだったらまだ不十分だという、一番最初のどう対応を始めるかというところで今は止まっているわけです。

ですからこれはもう本当に中国側がいかにしてその姿勢を変えるかということになってくると、本件は間違いなく中国の最高指導部と直接関係している事案ですので、最高指導部がそういう気にならなきゃいけないということなんで、最高指導部をそういう気持ちにさせるためには、日本の最高指導部からの働きかけというのが一番大事になってくるというふうに思っております。

ここを日中関係の再修復ということが国家として非常に重要な事案であるという決意を固めて動き始めるという必要があると思います。

中国ももう二重、いわゆるダブルユース、すなわち軍事民生両用のものについて日本企業を監視リストに載せたり対象リストに載せたりしていますが、それからレアアースの問題についても動きがありますが、これはですね、顕在化すると日本の多くの企業が直接影響を受けます。

現に今、観光客で困っていらっしゃる地方自治体も増えてきていると思いますが、経済の現場では、今はギリギリ頑張っていますけれども、いずれ遠くない将来、表面化してくると、そういう局面だというふうに私も聞いておりますので、やはりそこの日本側の基地として意識して、これが非常に大事だなというふうに思っています。

その改善の気持ちを伝えるということでいいと思います。

気持ちを伝えた結果どういうふうな形でまとめるか、これはまた別の次元の話で、日本も日本の立場がありますので、中国にも中国の立場があって、その双方の立場を踏まえた外交的な解決しかないと思いますが、外交的な解決を立ち上げる、今その段階にあって、そのためには日本の強い決意の表明が必要だというふうに思っております。

質疑者 高良幸

ありがとうございます。

強い決意を支えるような、日本の世論形成みたいなことも必要なのかなというふうにも思いました。

先ほど出ているように、文化民間交流がずっと長くやはりなされてきた中で、このような今の冷え切った状態にあっても、中国で対日本の暴動なども起きていないというのが現状かなと思います。

これは日本に対する理解が深まってきていたからではないかというふうにも評価を聞いていますので、日本が動き出すためには日本の世論も温まっていくようなことが必要ではないかなというふうに思いました。

続きまして和田参考人にお聞きしたいと思います。

時期が、その影響で例えば沖縄で軍備が増強されるというようなことが起こった時期がありました。

今は少し落ち着いているように見えるんですが、現状のその朝鮮と日本との関係が今あまりこうフォーカスされていないように見えるんですが、どうなっているのかということと、あとやはり緊張を緩和していくということのためには、きちん。

その他 和田春樹

和田参考人。

日本と北朝鮮の間、外交省ですので、最近はですね、よく見えないところがありますが、しかし、ちょっと前は岸田首相の時代です。

岸田首相は国連総会で、新しい時代を開くつもりで、金正恩委員長と、会いたいと、国連総会の舞台から呼びかけました。

そうしましたらですね、北朝鮮側では最初は外務次官、その後では指導者の妹であって指導者を支えている金与正副部長ですね、が二度にわたって談話を出してですね。

つまり、北朝鮮は日本の政府が話し合いをしようと言ったらば3回も談話を出して、そしてこういうふうにしてくれれば話し合いができるとこういうふうに言ったということはですね、私はやはり北朝鮮としては相当に日本との関係について意識しているとも考えられます。

ですからその意味で、本当に日本が拉致問題の解決を図りたいと、そして日朝関係を正常化したいということであれば、やっぱりそれなりの覚悟で交渉を進める、真剣に交渉を進めるという努力をしなければならないと。

質疑者 石井美津子

石井美津子君。

日本維新の会の石井美津子です。

両参考人の示唆のあるご講義ありがとうございました。

まず宮本先生の、平和と判定が国際関係の条件であると言って、軍事力を行使して南シナ海を取って中国が経済発展につながるんでしょうかというご発言がございまして。

私、昨日チベットの代表の方とお話を聞いてきたばかりで、中国という国がチベットに何をしているかというのを散々聞かされておりましたので、なかなか中国という国を理解するというのが難しいんですけれども。

結局和田先生のこの論文の、論文といいますか、このご発言のですね、2ページ、3ページ、4ページなんですけれども、特に2ページの3のところがですね、拉致問題だと思うんです。

ここにブルーリボンのバッジをつけて、アメリカの大統領に頭下げて支援をお願いする以外、何もやってないと、こういうことだと、もうあなた方がやってることは、予見可能性が全然解決に向けてないんだというような漢字に読まれてですね。

その後やっぱり4番は拉致の問題を国論とするのはやめるべきだとおっしゃってらっしゃるんです。

となるとですね、私ども現役の国会議員はですね、日本はこれまで北朝鮮の拉致問題も尖閣諸島の領土問題も合理性を持って、合理的な主張をしてきているんだと思っているわけなんです。

少なくとも。

よってどのようにしたらいいかということを、将来の予見可能性というものを求めてやっているわけなんですが、両参考人の方にですね、こうしたこと、重要性というのを念頭に置きますと、これからの、これまではいいんですが、これからの日本外交の努力というのは、現時点で何を評価されてくださっているのか、何を評価していらっしゃるのか。

いいという意味ですね。

これからはどうしていくべきかということなんです。

国論として議論をするのをやめろと言われてしまったら、本当に励ましの一つもないような気がしてしまうんですね。

なので、拉致問題、それから領土問題、欧州各国もどのような印象を持っているのかというのも興味があるんですが。

我々が合理的な主張をしてきたというこの認識でもって、外交の努力というのを評価とこれからをお二人の参考人にお聞きしたいと思います。

その他 宮本雄二

宮本参考人。

それぞれといいますか、私どもなんか外交をずっとやってきて、何が日本にとって。

しかしだからといって、それ以外の考え方を排除することは全くありません。

じゃあなぜ、ヨーロッパでグリーンの党が環境だけ重視してね、環境だけ重視してくると、そろそろエネルギーのコストが逆に高くなるんじゃないかとか、いろんな議論があるわけです。

しかし地球をきれいにしなきゃいけないということで、その地球をきれいにすることは自分にとって一番の利益だといや利益じゃなくて価値だと、思う人はそれにお勧めになったらいかがですか。

私は全然それに反対するつもりはありません。

人権問題、何にも関して人権問題がもう世の中にとって一番大事だと、人権問題を中心の外交をやりなよろしいんじゃないでしょうか。

それは私の立場とは違いますよ。

しかし、そういう人の方がそれをやられることに、私は異議を挟むつもりもありませんし、それもそれで立派な外交だと思います。

その他 和田春樹

和田参考人。

今、石井先生の方からちょっとお叱りをいただきましたが、私は拉致問題につきましても、長年日本の中で運動を続けてこられたことの、やっぱりご努力というものに対しては敬意をしております。

しかしながらですね、交渉の仕方というものがあるはずだと私は思います。

ですから交渉にあたっては、要するに北朝鮮が拉致を認めて、そして生存している人を返して、そして死亡したという人については謝罪をして賠償を払うということが目標だと思いますが、ところがある時期からこの拉致問題の主張は、とにかく北朝鮮が5人生存8人死亡その他は不明というようなことを言った段階で、北朝鮮の出している資料が曖昧だから、要するに全員生きていると考えて全員即時返せというような主張になっていって、それではもう答えを出さないのであれば、事実上制裁を加えて、そして対決するというような方向にいったように私に思われます。

政府がそれでは交渉にならないということですね。

北朝鮮の回答は、死亡した8人について言うと、北朝鮮は8人を殺害したのかもしれないし、あるいはそれは何か自然死で、事故死であるのかも、病死であるかもしれませんが、しかしいずれにしても、北朝鮮が拉致を認めたというところが非常に大きな前進であって、どうしたかということについて全部を本当にありのままに日本に対して言うかどうかということはわからないわけですね。

ですから、しかしそれを言わないからといって、じゃあ北朝鮮とは断交したままにして生きていくということはできないわけです。

北朝鮮が謝罪をして、それなりの努力をしたということであれば、北朝鮮の回答が不十分であっても、あるところが来たらそれを認めた上で解決を図らなきゃならない、そういうものだと思います。

外交交渉っていうものは。

北朝鮮は日本が敵として対決するというだけでは困るわけですから、日本は北朝鮮とも平和的に生きなきゃならないわけですから。

だからそういう意味で言うと、進め方についてこの際よく考えて、拉致問題をどういうふうにして解決に持っていくかということは、これまでの過去の経験を踏まえた上で考えなきゃならない。

私は少し私の話の中で提案をいたしました。

以上でございます。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男君ありがとうございます。

予定の時間が参りましたので、本日は。

あ、関先生もやられる。

はい、わかりました。

じゃあ関さん。

さっき日本維新の会の石井議員の話ともつながるんですけども、ちょっと和田先生に確認したいことがありまして。

和田先生のペーパーの4ページ目には竹島についての研究がありまして、「竹島については日本に国土全体を奪われていた朝鮮が独立にあたって、奪われていた国土の中に独島が含まれていると宣言している以上、日本としてはそれを認めるほかないでしょう」というふうに書いてありますけれども。

じゃあその意味するところが、要するに日本は、韓国が竹島が自分たちの領土であると宣言している以上、日本は認めざるを得ないというふうに理解されてしまうんですけど、和田先生の真意はどこにあるか、ちょっとお聞きしたいです。

和田先生。

その他 和田春樹

和田春樹日本は朝鮮を36年間、植民地で支配しましたね。

朝鮮全土を奪っていたわけです。

それで朝鮮が独立しました。

日本が降伏したので朝鮮が独立することになりました。

それでそれにあたって、特に大韓民国の方では何を言ったかというと、竹島を返上しろと。

そして、竹島から独島までは自分たちの領土であると、こういう要求を出したわけですね。

これについて日本は、竹島というのはもともと日本のもんなんし、朝鮮に関係もあったけど日本のもんだから、これを取られては困るということは、日本が文書も作って宣伝しまして、これはもう取らなかったわけでございますが。

しかし、独島、竹島の問題については議論がいろいろあります。

確かにいろいろあります。

日本には日本の議論もあるかもしれませんが。

しかし私が思うには、朝鮮全土を日本に奪われていたところが独立にあたって、独島までは自分たちの領土として自分たちは独立したいとこういうふうに言ったときですね。

それは認めないということを日本が言えるものなのかということですね。

日本が朝鮮を支配していたことについて、賠償は何も払っていません。

理論的にはですね、賠償は払っていない。

経済協力がしまして、大韓民国に。

だけどそういうことでありますから、向こう側が独島は自分たちの領土だということにしますと、それに対して異を唱えてこちらの論拠を重ねて自分たちのものだと、それだけは駄目だというようなことを言うことは、私はそもそも日本という国の立場からしてそんなこと言えるのかなというふうに私は思っております。

以上です。

その他 鈴木宗男

鈴木宗男君和田先生の考え方がこれで分かりましたんですけれども、しかし私はやっぱり日本の議員としては、韓国の竹島に対する領有権の主張は、私は認めるわけにはいきません。

やっぱり竹島は日本の領土であると主張しておきたいと思います。

ありがとうございました。

予定の時間が参りましたので、本日はこの程度といたします。

宮本参考人、和田参考人に一言お礼申し上げます。

本日は貴重な御意見、御指摘をお述べいただき誠にありがとうございました。

調査会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。

ありがとうございました。

本日はこれにて散会いたします。