農林水産委員会

参議院 2026-05-19 質疑

概要

農林水産委員会において、食育基本法の改正および食育推進基本計画を巡る質疑が行われました。山下農林水産副大臣や文部科学省、厚生労働省の担当者が答弁し、第4次計画の目標達成状況や農林漁業体験の減少への対策、米飯給食の推進について議論されました。また、職場における「大人の食育」の推進や、生産者視点の醸成による食料安全保障の確保、超加工食品の健康リスクへの対応といった多角的なテーマについて、政府の考え方が示されました。

発言タイムライン

無所属国民公明参政共産政府委員長・議長
0分15分30分45分1:001:15石垣の舟山康高橋光杉本純岩渕友

発言者(7名)

質疑応答(16件)

第4次食育推進基本計画の目標達成状況
▶ 動画
質問
石垣のりこ (立憲民主・無所属)

- 第4次食育推進基本計画の目標のうち、令和6年度時点で達成したものが2項目にとどまっている理由を問う

答弁
農林水産省消費・安全局長
  • 行政主導の目標は上昇傾向にあるが、国民の意識・行動に関わる目標は横ばいまたは減少している
  • 新型コロナウイルス感染拡大や物価高騰の影響を大きく受けていると分析している
全文
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それでは質疑に移ってまいりますが、まずは令和3年3月に策定されました第4次食育推進基本計画には、令和7年度までの具体的な目標値16目標24項目が設定されています。

これは令和6年度時点において、目標を達成したものは2項目にとどまっていることについて、その理由をどのように分析しているか、農林水産省からご紹介をお願いいたします。

現行の第4次の食育推進基本計画で定められている目標につきましては、行政が主導して実施する目標に関しましては、上昇しているものが多い一方で、国民の意識や行動に関係が大きい目標に関しましては、横ばいまたは減少しているものが多くなっているというふうに分析しております。

過去5年間の第4次食育推進基本計画の計画期間内には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や食料品等の物価高騰といった事態が生じておりまして、これらの影響を大きく受けているというふうに考えております。

食育の定義
▶ 動画
質問
石垣のりこ (立憲民主・無所属)

- 食育の定義について改めて伺いたい

答弁
藤木眞也 (農林水産委員長)
  • 法案に定義規定はないが、前文に基本考え方を記載している
  • 食育とは、生きる上の基本であり知育・徳育・体育の基礎となるものであり、経験を通じて知識と選択力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てることである
全文
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もともとこの食育の概念というのは多岐にわたっていると思いますが、あらゆることが食育に通じるとすら考えられる内容になっていると私自身も考えるんですが、食育の定義について改めて伺いたいと思います。

確かにこの法案では定義の規定は置いてございません。

特に前文の第2段落において、その内容について規定をしておりますけれども、すなわち、食育は生きるうえでの基本であって、知育、徳育、および体育の基礎となるべきものであるとともに、さまざまな経験を通じて、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てていくことであるとしているところでございます。

食育における感謝の念のあり方
▶ 動画
質問
石垣のりこ (立憲民主・無所属)

- 感謝は学びや経験の結果として自然に沸き起こるものであるべきだが、目標として掲げることについてどう考えるか

答弁
藤木眞也 (農林水産委員長)
  • 農林漁業への理解醸成は食育の根幹であり、基本法制定時から前文や第3条に配慮事項として記載されている
  • 学校給食法や道徳科の学習指導要領においても、食に関わる人々への理解や感謝の念を養うことが目標として位置づけられている
全文
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この前文にはですね、そのほかにも、食に関わる人々のさまざまな活動への感謝の念や理解を深めつつと、感謝を深めるということが目標として掲げられているんですね。

感謝そのものは非常に重要なものであると私も思うんですが、本来、感謝というのは、食についてのあらゆる学びを通して、経験を通して、その結果、自然に沸き起こり、深まるものではないかと考えますが、このあたりのお考えについてお聞かせください。

広く国民の農林漁業の現場への理解を醸成すると。

食育基本法においてまさに肝の部分、食育が目指す根幹の部分なのだろうと考えておりまして、食育基本法の制定時から前文に記載があるとともに、第3条において、食育の推進に当たっては感謝の念や理解が深まるよう配慮されなければならないとされています。

実際に学校現場においても、教育はこのことを明確に意識して行われているわけでありまして、例えば、学校給食法においては、第2条で、学校給食を実施するにあたっては、次に掲げる目標が達成されるよう努めなければならないとして、目標の一つに、食生活が食に関わる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこととされています。

また、道徳科の科目においても、目標の一つに感謝というものがありまして、学習指導要領において、身近な人々から見えないところで日々の生活を支えてくれる人々まで、成長とともに尊敬と感謝の念が広がっていくよう指導することが大切になるという記載がなされているところであります。

農林漁業体験の減少と改善策
▶ 動画
質問
舟山康江 (国民民主党・新緑風会)
  • 食育推進基本計画において農林漁業体験の目標が未達であり、数値が大きく減少している現状がある
  • 今回の法改正によって、農林水産省としてこの状況を改善し、さらに力を入れていく考えがあるか
答弁
食料安全保障局長
  • 農林漁業体験の割合は目標の70%以上に対し、現状57.1%と下回っている
  • コロナ禍による接触制限が大きく影響したと考えている
  • モデル的な取組の構築を支援し、目標値の底上げに努めたい
全文
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その上で、本法について少し確認していきたいと思いますけれども、まず先ほど石垣議員から質問がありましたとおり、食育推進基本計画の目標が多くの項目で未達となっているというのは大変残念だと思っております。

その中で農林漁業体験の促進に関しては相当大きく下落しておりますよね。

この農林漁業体験は、食や農林水産業についての意義や理解を深めてもらうことに寄与すると農林水産省としては分析している中で、この意識調査を見ても、体験に参加したことで多くの人が自然の恩恵や生産者への感謝を感じられるようになった。

まさに石垣さんが指摘したように、やはり体験の中で自然にいろんな感謝の思いとか重要性が感じられるようになっていると思います。

この数値が大きく減少していることに対して、今回法改正で農林水産省としては改善できると、こういったことをさらに力を入れていきたいということがあるんでしょうか。

農林漁業体験を経験した国民の割合、これにつきましては、第4次基本計画の目標の1つとなっておりまして、基本計画作成時に65.7%であった割合を目標値として70%以上に引き上げることを目標としておりました。

残念ながら現状におきましては、その目標、さらには基本計画作成時の値を下回る57.1%という状況になっているところでございます。

これにつきましては、この計画期間中に人との接触が制限されるようなコロナのような事態があったということも大きく影響しているかというふうに思っております。

このような事態に対応するために農林水産省といたしましても、まさにその農林漁業の体験について、ぜひモデル的な取組が構築できるようなそういったものについて支援をしてまいりたいというふうに考えておりまして、このような取組に通じまして、目標値の底上げに努めてまいりたいというふうに考えております。

学校における農林漁業教育の推進と学校側の協力
▶ 動画
質問
舟山康江 (国民民主党・新緑風会)
  • 学校における直接体験活動は非常に重要であり、法改正でも農林漁業教育の推進が盛り込まれている
  • 学校側の理解と協力が不可欠であるため、文部科学省としてどのように推進しようとしているか
答弁
学習基盤審議官
  • 体験活動は人間性や社会性を育む上で重要と考えている
  • 実施率は上昇傾向にある一方、受入先との調整や教員の負担が課題となっている
  • コーディネーター経費の支援などを継続し、関係機関と連携して学校側の理解と協力を得ながら体験活動の充実に努める
全文
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その中でやはり学校における直接体験活動、こういった農林水産の活動等は非常に重要だと思います。

法改正でも農林漁業教育の推進が盛り込まれていますけれども、学校側のさらなる理解と協力、これ不可欠だと思っております。

健全な育成に重要、教育効果も高いという中で、学校側としてこの農林漁業教育、農林漁業体験をどのように推進しようとしているのか、理解と協力に関してお答えください。

議員ご指摘のとおり、自然体験活動等の体験活動は、豊かな人間性や社会性、主体性等を育む上で大変重要なものと考えております。

令和6年度に内閣官房と文部科学省が合同で実施した調査によれば、いずれかの学年で農林漁村体験活動を実施した学校は、小学校47.2%、中学校31.3%となっておりまして、3年前の調査時点と比べて、全ての校種で実施率が上昇したという一方で、受入先との事前調整や宿泊を伴うことによる教員の負担が大きいなどの課題も確認ができたところでございます。

文部科学省におきましては、従前より小中高等学校における体験活動の取組を推進するために、農山漁村体験などの学校が行う宿泊体験活動に対して、こういった調整を行うコーディネーターの経費も含めた支援を行っておりまして、この中で漁業、農業、林業などの各種活動が行われております。

文部科学省としては、今回の法律改正案の趣旨も踏まえまして、関係機関とも連携しながら、こうした取組の周知等を通じまして、学校側のさらなる理解と協力を得ながら、子どもたちの健全な育成に欠かせない体験活動の充実に努めてまいります。

学校給食会の現在の役割と地産地消への貢献
質問
舟山康江 (国民民主党・新緑風会)
  • 学校給食における地場産物の活用は重要である
  • 現代における学校給食会の役割は何であり、地産地消に貢献する組織になり得るのか、文科省の見解を問う
答弁
上山文部科学戦略官
  • 現在は主食原料の安定供給や食育推進、衛生管理研修などを主に行っている
  • 設立当初のような国調達物資の流通役割はなく、多様な主体が食材納入に参画している
  • 生産者団体と協力し地産地消を推進している事例もあり、地域の実情に応じて貢献できるよう自治体に適切に助言したい
全文
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最後となりますけれども、学校での食育に当たって学校給食、特に地場産物を生きた教材として指導に活用することは大変重要だと考えております。

そういった観点から学校給食会、これは食料不足下では相当大きな食材調達、提供、大きな役割があったと思いますけれども、現在における学校給食会の役割は一体何なのか。

逆に今、地場産の供給のネックになっているんじゃないかという指摘も耳にすることがあります。

現在的な学校給食会の役割は何なのか。

地産地消に対する貢献する組織になり得るのか。

各都道府県の学校給食会は、昭和29年から昭和34年頃にかけ、国が調達した学校給食用物資を都道府県内において適正かつ円滑に流通させること等を目的に設立され、現在は公益財団法人として、主に米、小麦などの主食原料の安定供給に加え、食育推進や衛生管理の充実に関する研修などを行っていると承知しております。

一方、現在の学校給食会に設立当初のような国が調達した物資の円滑な流通という役割はございませんで、給食用の食材の納入には農業協同組合や地域の卸事業者など多様な主体が参画をしている状況でございます。

学校給食会の中には、生産者団体との直接的な協力関係により、地域の実情等に応じた地産地消の推進や、食育の充実につなげている事例もあると承知をしてございます。

文部科学省といたしましても、地域の実情に応じ、学校給食会が地産地消の推進や、食育のさらなる発展に貢献する組織として機能するよう、各自治体に対し、適切に助言等を行っていきたいと考えております。

米飯給食の現状と推進
▶ 動画
質問
舟山康江 (国民民主党・新緑風会)

- 米価上昇の中での米飯給食の現状について問う

答弁
山下農林水産副大臣
  • 米飯給食の回数は増加傾向にあり、令和5年には週3.6回まで増加している
  • 関係省庁と連携し、日本型食生活の魅力発信と米飯給食の推進定着に努める
全文
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また、米価上昇の中で給食の要である米飯給食。

また、委員御指摘の米飯給食におきましては、実施改正について申し上げますと、昭和61年以降、昭和61年というのは提案者の柳内委員と私が小学校に入ったところなんですけれども、その頃以降は週2回台でありました。

平成20年以降というのは週3回台で推移しております。

令和5年には週3.6回まで増加しているところであります。

今後とも米飯を中心とした日本型食生活の魅力や各地域の多様な取組事例を小中学校の関係者にとどまらず幅広く発信するとともに関係省庁とも連携し米飯給食の推進定着に努めてまいりたいというふうに思っております。

職場における食育の場としての位置づけと狙い
▶ 動画
質問
高橋光男 (公明党)
  • 職場を食育の場として法律に明記した狙いについて
  • 健康づくり以外に、労働効率向上やコミュニケーション活性化などの考えが含まれているか
答弁
柳内委員長代理
  • 食への関心低下や栄養バランスの乱れ、消費者と生産者の関係希薄化などの課題に対応し、大人の食育を推進するため
  • 民間企業を巻き込んだ食環境づくりを実現し、消費行動の変容につなげる趣旨である
  • 官民連携職域プラットフォームを通じて、企業の取組発信や連携促進、食生活改善の活性化を図る
全文
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今回の改正では食育の場として職場が法律に明記されました。

まず提出者に、今回職場を食育の場として位置づけた狙いはどこにあるのか。

健康づくりだけではなく、労働効率の向上、コミュニケーションの活発化なども含め、どのような考えで規定を設けたのでしょうか。

昨今、食に対する関心の低下、食の簡便化、栄養バランスの乱れが顕著になっていること。

また、農の現場の実情に触れる機会の減少等に起因して、消費者と生産者の関係が希薄化しているなど、食を取り巻く様々な課題が生じているため、子どもだけでなく、大人の食育に関する取組をより一層推進していく必要があるとの認識に立ち、大人の食育を新たな運動として掲げ、民間企業を巻き込んで、消費行動の変容につながる食環境づくりを実現していこうと、こういった趣旨によりまして、食育の場として、職場の文言を明記したところであります。

具体的な取組としましては、先に上谷議員の方から先ほどご紹介申し上げましたけれども、既に官民の幅広い関係者が連携する場として、官民連携職域プラットフォームが立ち上げられておりまして、会員企業の様々な食育活動を全国に発信していく。

また、会員交流会や勉強会などを通じて、食育活動の高度化や様々な主体による新たな連携を促進していく。

そして、課題を決めて連携をして、新たな食育に挑戦するプロジェクトを実施していくなどの取組が行われています。

こうした活動を通じて、食生活の改善に資する企業の取組を奨励することで、職場内での食生活改善の取組の活性化が図られたり、あるいは有用な取組の横展開を通じて、より多くの企業が従業員等の健康に配慮した食生活の実践に取り組むようになることなどが期待をされています。

中小企業の共同食堂や地域飲食店連携への支援
▶ 動画
質問
高橋光男 (公明党)
  • 中小企業が共同利用できる食堂や地域飲食店との連携を支援してほしい
  • こうした事例を横展開してほしい
答弁
山下農林水産副大臣
  • 食育実践優良法人認定制度を創設し、300名以下の小規模企業でも置き型社食などの取組が行われている
  • 経産省、厚労省、民間企業等と連携し、職場における食の環境整備を通じて大人の食育推進に積極的に取り組む
全文
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一方で社食は中小企業では単独で設置することが難しいです。

また、物価高や人件費上昇で既存の社食を維持することも厳しいというお声もあります。

そうした中で同じオフィスビルに入る複数企業が共同で食堂を設置するような事例も出てきております。

食事補助の引き上げや今回の法改正を機に、中小企業が共同で利用できる食堂や地域飲食店との連携をぜひ支援していただきたいと思います。

同時に、こうした事例を横展開しながら。

今、柳内委員がお触れになられました官民連携食育プラットフォームにおきましては、経済産業省の健康経営優良法人認定制度と連携し、従業員に対して食生活の改善に資する取組を行う企業を認定いたします。

食育実践優良法人認定制度を昨年度創設したところであります。

そのうち約4割は従業員の数が300名以下の企業でありまして、健康的なお弁当の提供でありますとか、置き型社食サービスの導入などの取組が行われているというふうに承知しております。

今後とも経済産業省でありますとか、厚生労働省や民間企業などとの連携の上、職場における食の環境整備等を通じて、大人の食育の推進に積極的に農林水産省としても取り組んでまいりたいと思います。

食育基本法における「食についての意識」の定義
▶ 動画
質問
杉本純子 (参政党)

- 食育基本法の前文にある「食についての意識」には、単なる消費者視点だけでなく、生産者側の視点も含まれているか

答弁
藤木眞也 (農林水産委員長)

- 現行法においても、生産者と消費者との信頼関係構築や生産に関わる人々の活動への理解を深める取組を進めており、生産の視点が含まれている

全文
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最初に、食育基本法の現行条文の前文には、「国民一人ひとりが食について改めて意識を高め」とあり、この考え方は改正後にも変わることなく受け継がれております。

この食についての意識、これは単に消費者側としてお腹を満たすとか、健康のための栄養だけではなく、例えば誰がどのように作ったのか、日本には四季もあり、地域ごとに食文化もあります。

旬を味わうとか、地産地消で地元の農産物を大切にすることなど、食を単なる消費ではなく、国を支えるものと考えます。

こうした生産者側という意識も含まれていると考えますが、いかがでしょうか。

お聞かせください。

現行法においても、この前文に、食に関する生産者と消費者との信頼関係の構築など、農林漁業者等の食の生産に関わる人々の様々な活動に対し、理解を深めることができるよう取組を進めてきたところでありまして、食についての意識には、この生産の視点というものも、現行からも含まれているところであります。

将来の農業生産者を育成するための食育の取組
▶ 動画
質問
杉本純子 (参政党)

- 将来の農業生産者を育てるため、国民が「つくる側」の意識を持つためのこれまでの取組と今後の考え方について

答弁
森英介
  • 第4次食育推進基本計画に基づき、地域での農林漁業体験の提供や学校給食での地場産物活用を推進してきた
  • 第5次計画では、学校での学びの充実、大人の食育推進、生産現場との距離を縮める取組を盛り込み、行動変容につなげたい
全文
質問・答弁の全文を表示

次に農林水産省にお聞きします。

食育基本法に基づく現在までの取組において、将来の農業生産者を育てるため、国民が食料生産というつくる側についてもっと意識を持つためにどのような取組がなされてきたのか、また今後どのように考えていくのか、併せてお聞かせください。

委員御指摘のとおり、国民の中で食に関する関心そのものの低下、また、食と農との現場との距離の広がり、こういった状況から生産現場の実態を知らない国民の方々が増えているということが伺えます。

このような中で、食育の取組といたしまして、食や農林水産業への理解を一層国民の皆様に深めていただくような、そういった政策が重要であるというふうに捉えております。

農林水産省におきましては、現行の第4次食育推進基本計画に基づきまして、関係省庁と連携の上で地域での農林漁業体験の提供、学校給食における地場産物の活用などの取組について推進してきたところでございます。

このような取組は、国民の皆様がより身近に実感を持って農業の生産現場の実態や地域の食や食文化に関する理解や関心を深め、ひいては将来の農業を担う人材育成につながるような重要な取組であるというふうに捉えております。

このため、現在検討中の第5次食育推進基本計画におきましても、現在御審議いただいております食育基本法の一部を改正する法律案の趣旨も踏まえまして、学校などでの食や農に関する学びの充実、健全な食生活の実践に向けた大人の食育の推進、国民の食卓と生産現場の距離を縮める取組の拡大などの施策を盛り込み推進していくことによりまして、食や農への理解増進と行動変容につながるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。

日本の食の未来における食育のあるべき姿
▶ 動画
質問
杉本純子 (参政党)

- 効率や時短が優先され食が商品としてのみ見られがちな現状において、日本の食の未来を守るための食育はどうあるべきか

答弁
藤木眞也 (農林水産委員長)
  • 国民が生産現場を理解し、行動変容に結びつけることが法改正の重要点である
  • 体験活動を通じて生産現場の現状への理解と関心を高め、消費を通じて生産現場を支える意識を醸成し、担い手の育成や食料安全保障の確保につなげたい
全文
質問・答弁の全文を表示

最後に、現代は共稼ぎの家庭が多く、女性が働きながら子育てをするという大変な時代です。

よって便利さや時短、効率が求められ、優先されすぎてはいないでしょうか。

確かに非常に便利ですごくありがたいとは思うんですけれども、そうすると食べ物が商品としてだけ見られているように感じます。

生産者の方々が土を耕し、汗を流して作ってくれたという、そういう人たちがいるという存在を感じることで、感謝の心が生まれると思います。

そんな食育を考えたときに、食のあるべき姿、日本の食の未来を守るために、どうあるべきだとお考えでしょうか。

お聞かせください。

今回の法改正の大きな柱として、消費者が、国民がやはり生産現場をしっかりと理解をして、そして行動変容にまで結びつけること、ここがこの法改正の最も重要なところであると思います。

具体的には、例えば学校等における食育の推進において、農林漁業教育を規定し、体験活動を通じて農林漁業者と交流を図ることにより、農林漁業の生産現場の現状などについて理解と関心が高まり、農林漁業に従事されている方々を、食料消費などの日々の生活を通じて支えていこうという意識が醸成されることが期待をされます。

そして、生産現場に関心を持って理解する消費者が増えていく。

食料消費を通じて生産現場を支えていく。

食料の生産に従事される方々の苦労や尊さを理解して、感謝や尊敬の念を抱くといったことは、農林水産業を志す人々を新たに生み出して、担い手の育成や確保にもつながるなど、農林漁業の現場を後押しすることとなり、良質で安定的な農林水産物の生産、それによる食料安全保障の確保、国民一人一人の健全な食生活の実施。

食糧難の歴史を教える食育の重要性
▶ 動画
質問
杉本純子 (参政党)

- 食料安全保障の観点から、日本と世界が経験した食糧難の歴史を教科書で教えることが重要ではないか

答弁
鈴木憲和
  • 学習指導要領に基づき、戦中戦後の食料難や世界の食料問題について教科書で具体的に取り上げられている
  • 基本計画に特定の指導内容を位置づけることは想定していないが、改正法案の「食料安全保障に資する食育の推進」を踏まえ、効果的な推進に努める
全文
質問・答弁の全文を表示

20年余り、この間に食をめぐる環境は大きく変化をしてきました。

その一つが、世界的な干ばつ、日本でも災害が相次いで、ウクライナ戦争やイラン戦争など、食料危機のリスクが高まっているということです。

こうした状況を受けて、超党派の会議の中では、ヨーロッパでは、幾度の戦争を経て、食糧難に苦労した経験から、食糧難の歴史について、教科書に詳細に記載をして、授業で教えていることが、食糧や農業、農村への理解を促しているということを紹介しました。

併せて、食糧自給率の向上、食糧安全保障の観点からも、日本と世界で経験をした食糧難の歴史を教えることが重要だということ。

学校での食育において、児童生徒が日々の食事や自らが食べる食料に関心を持ち、我が国の食料自給率の現状や食料生産の重要性について学ぶことは重要であると考えてございます。

これらについては現在でも、例えば小学校学習指導要領で生産物の種類や分布、生産量の変化、輸入など外国との関わりなどに着目して、食料生産が国民生活に果たす役割を考えること等について指導することとしておりまして、これを踏まえた教科書でも、かつての戦中戦後の食料難の歴史や世界の食料問題、食料安全保障の重要性について、写真やデータを交えて具体的に取り上げられているところでございます。

食育推進基本計画は、食育の推進に関する施策についての基本的な方針等について定めるものであるため、特定の指導内容を位置づけることは想定しておりませんが、ご審議いただいている改正法案では、食料安全保障に資する食育の推進が規定されており、各学校においてその趣旨を踏まえた食育が効果的に推進されるよう、必要な取組を進めてまいります。

超加工食品の健康リスクに関する評価
▶ 動画
質問
岩渕友 (日本共産党)

- 超加工食品の摂取増加が慢性疾患や死亡リスクを高めているとするランセットの論文内容をどう評価しているか

答弁
坂木原
  • 厚生労働省はリスク評価機関ではなく、政府としての正式な見解を出すのは難しい立場である
  • バランスの良い食事の重要性を認識し、普及啓発に努めている
  • 国際的な動向について引き続き注視したい
全文
質問・答弁の全文を表示

そしてもう一つ、超加工食品について聞いていきます。

超加工食品は加工食品より加工度が高く、すぐに食べることができるようになっている製品のことで、大量生産された菓子パンやインスタント食品など、私たちの周りにあふれています。

先日質問をした人工甘味料もここに含まれているんですね。

超加工食品について世界各国で研究が進められてきました。

フランスでは独自に行った調査結果を受けて、政府が2021年までに超加工食品の消費量を20%削減する目標を掲げました。

昨年12月、世界有数の医学雑誌であるランセットに超加工食品に関する3つの論文が掲載をされました。

第1論文では、大量の広報と研究などを統合して、超加工食品の摂取増加が、慢性疾患や死亡リスクを高めているという事実を示しています。

この内容をどう評価しているでしょうか。

岩渕友議員、国際的にも様々な意見があると承知しております。

厚生労働省は、食品の安全に関するリスク評価機関ではなく、超加工食品の肥満や非感染性疾患等への影響について、政府としての正式な見解を出すのは難しい立場にございます。

厚生労働省としましては、まずはバランスの良い食事が重要と認識しておりまして、その普及啓発に努めております。

超加工食品に関する国際的な動向についても、関係省庁等と連携して、引き続き注視してまいりたいと考えております。

超加工食品の食育推進基本計画への位置づけ
▶ 動画
質問
岩渕友 (日本共産党)

- 海外で超加工食品の指針やガイドラインが策定されている現状を踏まえ、日本でも評価を行い、食育推進基本計画に位置づけるべきではないか

答弁
坂本哲志
  • 定義が定まっていないため、国際的な動向を注視すべき状況である
  • 最新の科学知見に基づく客観的な情報の提供が不可欠である
  • 情報提供の取り組みを次期第5次食育推進基本計画に適切に位置づけ、関係省庁と連携して取り組みたい
全文
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ベルギーとかブラジルとかカナダなどでは各国で超加工食品に対する指針が発表されているんですね。

WHOでも超加工食品の摂取に関するガイドライン策定のために専門家を集めて2年後の策定を目指しています。

アメリカでも昨年政府が定める食生活指針に初めて超加工食品を位置づけました。

ところが日本では食生活指針にも前回の食育推進基本計画にも採用をされていません。

超加工食品について評価をして、その問題について、食育推進基本計画に位置づけるべきだと思うんですけど、いかがですか。

お答え申し上げます。

超加工食品に関する検討につきましては、先ほど厚生労働省からの御答弁があったとおり、まだ定義も定まっておらず、国際的な動向について引き続き注視していくべき状況であるというふうに理解をしております。

その上で、健全な食生活を実践していくためには、国民一人一人の皆様が、食生活や健康に関する正しい知識を持っていただいて、自ら食を選択していくというような形を作っていくことが必要であると考えております。

このため、国際的な研究を含めた最新の科学知見に基づく客観的な情報の提供が不可欠であると考えております。

関係団体などとの連携を深めながら、国内外の調査研究情報の提供等がなされるよう取り組んでいるところでございます。

このような情報提供の取り組みを、現在検討中の次期第5次の食育推進基本計画にも適切に位置づけた上で、厚生労働省をはじめとする関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。

経済的事情による超加工食品への依存と基本計画への反映
▶ 動画
質問
岩渕友 (日本共産党)
  • 経済的事情や貧困により超加工食品を選択せざるを得ない構造がある
  • 食育推進基本計画に、超加工食品と食をめぐる現状をしっかり位置づける必要があるのではないか
答弁
鈴木憲和
  • 指摘の論文の概要を拝見した
  • 国民の健康保護が最も重要であるとの基本的認識の下、悪影響を未然に防ぐことが重要である
全文
質問・答弁の全文を表示

この超加工食品の概念は掲載されていないんですけれども、この概念を掲載して、その危険性について具体的に警告することが必要だというふうに思います。

ランセットの第3論文は、超加工食品の普及をもたらしている商業的決定要因について言及をしています。

企業の行うロビー活動などによって、人々の健康に影響を与えるという問題よりも、企業による利益の追求が優先をされて、規制が妨害をされているということなんですよね。

だから、超加工食品がこんなに広がっているということです。

九州大学の磯田博史名誉教授が、私たちの食生活での選択は、個々人の自律的な選択のように見えてそうではないと書いているものを読みました。

これがどういうことなのか。

1人親のお母さんから聞いた話がまさにこれだというふうに思ったのでちょっと紹介をしたいんですが、ギリギリ働いても生活は楽にならず、超加工食品に頼らざるを得ないという声なんですよね。

そういう話なんです。

超加工食品を選択せざるを得ないというのが実態だということです。

しかも超加工食品は遠くから運ばれてきた生鮮品よりも安い価格で売っている。

手軽に手の届くものとなっています。

超党派の会議の中で食育の議論をする前提として、経済的事情や貧困などによってそもそも食べることがままならない人たちがいるという問題について考える必要があるんじゃないかという問題提起がされました。

私もそうだというふうに思います。

そこで大臣に伺うんですけれども、食育推進基本計画に、超加工食品と食をめぐるこの現状について、しっかり位置づける必要があるんじゃないでしょうか。

はい、お答え申し上げます。

先生から御指摘の論文については、私も概要などを、今、拝見をさせていただいたところであります。

この超加工食品も見てみると、炭酸飲料とか。

国民の健康保護が最も重要であるとの基本的認識の下で、国民の健康への悪影響が未然に。

発言全文

藤木眞也 (農林水産委員長) 1発言 ▶ 動画
委員長 藤木眞也

ただいまから農林水産委員会を開会いたします。

委員の異動についてご報告いたします。

昨日までに竹内慎二君が委員を辞任され、その補欠として竹谷敏子さんが選任されました。

政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

食育基本法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、文部科学省大臣官房学習基盤審議官、堀野昌造君ほか3名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することにご異議ございませんか。

ご異議ないと認め、採択決定いたします。

食育基本法の一部を改正する法律案を議題といたします。

提出者、衆議院農林水産委員長、藤井比早之君から趣旨説明を聴取いたします。

藤井比早之 (衆議院農林水産委員長) 1発言 ▶ 動画
委員長 藤井比早之

ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。

食育基本法は、食育に関する基本的事項を定め、施策を総合的かつ計画的に推進することによって、現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力ある社会の実現に寄与することを目的として、平成17年に議員立法により制定されました。

本案は、我が国における食や農林漁業を取り巻く状況の変化及び、食料・農業・農村基本法の改正に対応し、消費者が農林水産物の生産に係るコストを理解して負担したり、地場産、国産を選ぶようになるための食育に中長期でしっかり取り組む必要があるため、農林漁業に関する教育の促進、大人向けの食環境改善を含む新たな施策。

第2に、基本理念に関し、文化、観光、環境、スポーツ等の関連分野との共同、子どもの食育における教育基本法等による施策との連携、大人も含めた食に関する理解増進及び行動変容の促進などに係る規定、及び食育の推進のための国の関係行政機関等の相互連携や官民連携の強化に係る規定を追加することとしております。

第三に、食育推進基本法に関し、少なくとも毎年1回目標の達成状況を調査公表するとともに、おおむね5年ごとに見直すものとするとの規定、及び地方公共団体の取組状況の見える化のための支援に係る規定を追加することとしております。

第4に、基本的施策に関し、生産者と消費者との交流の促進の強化、学校等における農林漁業教育等を通じた食育の強化、民間企業を巻き込んだ大人の食育運動の促進、関連分野との共同による食育推進運動の展開、人材の育成及び確保をはじめとする食育推進体制の充実等に係る規定を追加することとしております。

なお、この法律は交付の日から施行することとしております。

以上が本案の趣旨及び主な内容であります。

何卒御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

以上で趣旨説明の聴取は終わりました。

これより質疑に入ります。

質疑のある方は順次ご発言願います。

石垣のりこ (立憲民主・無所属) 8発言 ▶ 動画
質疑者 石垣のりこ

立憲民主・無所属の石垣のりこです。

本日は20年ぶりに改正されます議員立法、食育基本法の質疑を、本参議院農林水産委員会で行いますことに、委員の皆様、そして提出者の衆議院のお三方もお越しいただきました。

ご協力に感謝を申し上げたいと思います。

国会は唯一の立法府でありながら、国会で審議される法律のほとんどは閣法でございます。

議員立法は数が少ないだけではなく、国会での審議がほとんどなされないまま成立しているのが実態です。

超党派などの議論を経て、大きく賛否が分かれる内容でなかったにしても、その法律の立法事実、また議論の過程を一定の質疑を行うことで、国会の議事録として残し、後世の検証に足りうるものにしていくことは、特に良識の府、熟議の参議院として重要であると私は考えます。

それでは質疑に移ってまいりますが、まずは令和3年3月に策定されました第4次食育推進基本計画には、令和7年度までの具体的な目標値16目標24項目が設定されています。

これは令和6年度時点において、目標を達成したものは2項目にとどまっていることについて、その理由をどのように分析しているか、農林水産省からご紹介をお願いいたします。

農林水産省消費・安全局長。

政府参考人 農林水産省消費・安全局長

お答え申し上げます。

現行の第4次の食育推進基本計画で定められている目標につきましては、行政が主導して実施する目標に関しましては、上昇しているものが多い一方で、国民の意識や行動に関係が大きい目標に関しましては、横ばいまたは減少しているものが多くなっているというふうに分析しております。

過去5年間の第4次食育推進基本計画の計画期間内には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や食料品等の物価高騰といった事態が生じておりまして、これらの影響を大きく受けているというふうに考えております。

現在、立案中の次期第5次の食育推進基本計画におきましては、食育基本法の一部を改正する法律案の趣旨も踏まえまして、食育に関する具体的な施策を位置づけた上で、毎年度、PDCAサイクルによる施策の見直し、改善を図ることで、食育を着実に推進してまいりたいと考えております。

質疑者 石垣のりこ

コロナに関しては、今、緊急事態が出されているような状況ではないにせよ、物価高はさらに国民生活を非常に圧迫しているという状況にありますので、これを推進がなかなか進まなかったという理由にしてしまいますと、今後もかなり厳しいのではないかというふうに予想されてしまいますし、PDCAサイクルを回すにしても、これまでの政策に関しても基本的にはそういう検証がなされて回していこうという意思のもとに行われてきたというふうに了解しております。

もともとこの食育の概念というのは多岐にわたっていると思いますが、あらゆることが食育に通じるとすら考えられる内容になっていると私自身も考えるんですが、食育の定義について改めて伺いたいと思います。

藤木眞也委員長。

委員長 藤木眞也

ありがとうございます。

石垣先生、ご質問誠にありがとうございます。

またこの法案作成においては先生にもたくさんご知見をいただきました。

この場を借りて厚く御礼を申し上げたいと思います。

先ほど先生から食育の定義についてお問い合わせをいただきました。

確かにこの法案では定義の規定は置いてございません。

しかしながらこの前文においてですね、様々この食育についての基本考え方というか、そういったことは提起をさせていただいているところだと考えているところでございます。

特に前文の第2段落において、その内容について規定をしておりますけれども、すなわち、食育は生きるうえでの基本であって、知育、徳育、および体育の基礎となるべきものであるとともに、さまざまな経験を通じて、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てていくことであるとしているところでございます。

以上でございます。

質疑者 石垣のりこ

ありがとうございます。

その前文に込められているということで、生きる上の基本と食べることはなくして、私たちの命を継続させることはできない。

まさしくそうだと思います。

この前文にはですね、そのほかにも、食に関わる人々のさまざまな活動への感謝の念や理解を深めつつと、感謝を深めるということが目標として掲げられているんですね。

感謝そのものは非常に重要なものであると私も思うんですが、本来、感謝というのは、食についてのあらゆる学びを通して、経験を通して、その結果、自然に沸き起こり、深まるものではないかと考えますが、このあたりのお考えについてお聞かせください。

藤木眞也委員長。

委員長 藤木眞也

はい、お答えいたします。

広く国民の農林漁業の現場への理解を醸成すると。

食育基本法においてまさに肝の部分、食育が目指す根幹の部分なのだろうと考えておりまして、食育基本法の制定時から前文に記載があるとともに、第3条において、食育の推進に当たっては感謝の念や理解が深まるよう配慮されなければならないとされています。

実際に学校現場においても、教育はこのことを明確に意識して行われているわけでありまして、例えば、学校給食法においては、第2条で、学校給食を実施するにあたっては、次に掲げる目標が達成されるよう努めなければならないとして、目標の一つに、食生活が食に関わる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこととされています。

また、道徳科の科目においても、目標の一つに感謝というものがありまして、学習指導要領において、身近な人々から見えないところで日々の生活を支えてくれる人々まで、成長とともに尊敬と感謝の念が広がっていくよう指導することが大切になるという記載がなされているところであります。

石垣のりこ君。

質疑者 石垣のりこ

ありがとうございます。

感謝そのものの気持ち、感謝することの大切さというのは重々承知をしております。

ただ、先ほど申し上げましたように、他者からの働きかけ、忖度が働いてしまいますと、感謝することの本質というのを見失ってしまうのではないかと、内面に踏み込むことにもなると思います。

食べ物を作ってくださっている方々のご苦労を知ることによって、また命をいただくということがどういうことかを知ることによって、結果的に生まれてくるからこそ、意味があるものではないかと私は。

藤井比早之委員長代理。

委員長 藤井比早之

大人の食育についてのご質問をいただきました。

昨今、大人世代では野菜類、果物類の摂取の減少や、肉類、油脂類の消費増加など、大人の栄養バランスに乱れが生じているところでございます。

バランスの良い食生活こそが、健康寿命の延伸や、医療費の軽減につながると考え、大人の食育に力を入れることといたしました。

今回の改正により、官民連携食育プラットフォームを通じて、民間企業を巻き込んだ大人の食育運動の促進を図るとともに、大人の食育の取り組みの成果の見える化を推進するといった施策が、農林水産省を中心として行われることが想定されています。

このほか、経済産業省の健康経営優良法人認定制度との連携を図りつつ、食育は非常に幅広い概念でありますけれども、価値や規範を学びつつ、その前提を問い直す力を育むことが、生きる力として大事なことであると考えます。

舟山康江君。

舟山康江 (国民民主党・新緑風会) 13発言 ▶ 動画
質疑者 舟山康江

国民民主党・新緑風会の舟山康江でございます。

今般の食育基本法改正の背景と理由につきましては、先ほど法案提出者、藤井衆議院農林水産委員長からご説明がございましたけれども、この改正に関するプロセスにつきまして、まず与党内で議論が行われ、大枠の方向性が確認された後に、昨年11月以降、3月まで4回にわたって超党派の議論が行われてまいりました。

私も議論に加わってきましたけれども、合意形成を大切にしながら、丁寧に進めていただいたことに心から感謝を申し上げます。

各党からたくさんの意見が寄せられ、それを踏まえた柔軟な改正案となりました。

今後、野党からの提案の議員立法案も、柔軟に積極的に与党の皆様にもご協力いただきたい。

このことを冒頭まずお願いを申し上げます。

その上で、本法について少し確認していきたいと思いますけれども、まず先ほど石垣議員から質問がありましたとおり、食育推進基本計画の目標が多くの項目で未達となっているというのは大変残念だと思っております。

その中で農林漁業体験の促進に関しては相当大きく下落しておりますよね。

この農林漁業体験は、食や農林水産業についての意義や理解を深めてもらうことに寄与すると農林水産省としては分析している中で、この意識調査を見ても、体験に参加したことで多くの人が自然の恩恵や生産者への感謝を感じられるようになった。

まさに石垣さんが指摘したように、やはり体験の中で自然にいろんな感謝の思いとか重要性が感じられるようになっていると思います。

この数値が大きく減少していることに対して、今回法改正で農林水産省としては改善できると、こういったことをさらに力を入れていきたいということがあるんでしょうか。

よろしくお願いします。

食料安全保障局長。

政府参考人 食料安全保障局長

お答え申し上げます。

農林漁業体験を経験した国民の割合、これにつきましては、第4次基本計画の目標の1つとなっておりまして、基本計画作成時に65.7%であった割合を目標値として70%以上に引き上げることを目標としておりました。

残念ながら現状におきましては、その目標、さらには基本計画作成時の値を下回る57.1%という状況になっているところでございます。

これにつきましては、この計画期間中に人との接触が制限されるようなコロナのような事態があったということも大きく影響しているかというふうに思っております。

このような事態に対応するために農林水産省といたしましても、まさにその農林漁業の体験について、ぜひモデル的な取組が構築できるようなそういったものについて支援をしてまいりたいというふうに考えておりまして、このような取組に通じまして、目標値の底上げに努めてまいりたいというふうに考えております。

質疑者 舟山康江

舟山康江。

コロナの影響がないとは言えないと思いますけれども、コロナ直後の数年よりも一昨年、2024年度の方がどんどん大きく下がっているということを考えると、やはり原因をそこだけに帰結させると、本質的なその向上に向けての取組ができないんじゃないのかなと思いますので、ぜひしっかりと前に進めるための積極的な、せっかくこれ20年ぶりの改正ですから、改正を踏まえた積極的な取組をお願いしたいと思います。

その中でやはり学校における直接体験活動、こういった農林水産の活動等は非常に重要だと思います。

法改正でも農林漁業教育の推進が盛り込まれていますけれども、学校側のさらなる理解と協力、これ不可欠だと思っております。

健全な育成に重要、教育効果も高いという中で、学校側としてこの農林漁業教育、農林漁業体験をどのように推進しようとしているのか、理解と協力に関してお答えください。

文部科学省、学習基盤審議官。

政府参考人 学習基盤審議官

お答え申し上げます。

議員ご指摘のとおり、自然体験活動等の体験活動は、豊かな人間性や社会性、主体性等を育む上で大変重要なものと考えております。

令和6年度に内閣官房と文部科学省が合同で実施した調査によれば、いずれかの学年で農林漁村体験活動を実施した学校は、小学校47.2%、中学校31.3%となっておりまして、3年前の調査時点と比べて、全ての校種で実施率が上昇したという一方で、受入先との事前調整や宿泊を伴うことによる教員の負担が大きいなどの課題も確認ができたところでございます。

文部科学省におきましては、従前より小中高等学校における体験活動の取組を推進するために、農山漁村体験などの学校が行う宿泊体験活動に対して、こういった調整を行うコーディネーターの経費も含めた支援を行っておりまして、この中で漁業、農業、林業などの各種活動が行われております。

文部科学省としては、今回の法律改正案の趣旨も踏まえまして、関係機関とも連携しながら、こうした取組の周知等を通じまして、学校側のさらなる理解と協力を得ながら、子どもたちの健全な育成に欠かせない体験活動の充実に努めてまいります。

質疑者 舟山康江

舟山康江さん。

ありがとうございます。

取り組む学校数が増えている中で、先ほど指摘させていただきましたとおり、全体としての農林漁業体験は減っているということ、これは本当に深刻だと思うんですね。

ぜひ農林水産省として、文科省とも協力をしながら、いろいろと問題点を取り除く、そういった取り組みもしていただきながら、前に進めていただきたいと思います。

文科省では今、学習指導要領の改定の議論が行われているとき、山本大臣。

委員長 藤井比早之

藤井比早之委員長代理。

今回の改正では、前文において、食に関する体験活動を通じて、自然の恩恵や農林漁業者をはじめとする、食に関わる人々の様々な活動への感謝の念や理解を深め、食育の推進に自ら進んで取り組んでいく旨を盛り込みました。

特に第20条においては、今、先生が御指摘のようにですね、学校における食育として農林漁業教育を明記をしており、ここで行われる農林漁業に関する、農林漁業に携わっている方々との対話等を通じて、食に関する深い学びを得ることが期待されます。

ご指摘のですね、学習指導要領で掲げられている主体的対話的で深い学びを実践する形で、食育が実施されることは、食育の効果を高める上で極めて有用であるといえ、今回の改正により、教育現場において、このことが十分に意識された食育が一層展開されるよう、文部科学省において、各種施策を適切に講じていただきたいと、そのように考えております。

質疑者 舟山康江

舟山康江さん。

はい。

私、やはり今回の法改正の意義の一つは、どうしても法律って、その所管省庁が中心となって、多省庁とは、いわゆる縦割りという、よく言われる、一般的に言われますけれども、そういった形で何か分断されているようなところがありますけれども、そこをしっかりと横串を刺して、一緒に取り組んでいくという、こういった機運を高めることも、非常に今回、法改正の意義の一つではないかと思っております。

ぜひ学校現場の御理解、そして文科省の御協力いただきながら、こういった体験を通じた理解の促進、努めていただきたいと思います。

最後となりますけれども、学校での食育に当たって学校給食、特に地場産物を生きた教材として指導に活用することは大変重要だと考えております。

そういった観点から学校給食会、これは食料不足下では相当大きな食材調達、提供、大きな役割があったと思いますけれども、現在における学校給食会の役割は一体何なのか。

逆に今、地場産の供給のネックになっているんじゃないかという指摘も耳にすることがあります。

現在的な学校給食会の役割は何なのか。

地産地消に対する貢献する組織になり得るのか。

文科省の御見解をお願いいたします。

文部科学省大臣官房上山文部科学戦略官。

政府参考人 上山文部科学戦略官

お答え申し上げます。

各都道府県の学校給食会は、昭和29年から昭和34年頃にかけ、国が調達した学校給食用物資を都道府県内において適正かつ円滑に流通させること等を目的に設立され、現在は公益財団法人として、主に米、小麦などの主食原料の安定供給に加え、食育推進や衛生管理の充実に関する研修などを行っていると承知しております。

一方、現在の学校給食会に設立当初のような国が調達した物資の円滑な流通という役割はございませんで、給食用の食材の納入には農業協同組合や地域の卸事業者など多様な主体が参画をしている状況でございます。

学校給食会の中には、生産者団体との直接的な協力関係により、地域の実情等に応じた地産地消の推進や、食育の充実につなげている事例もあると承知をしてございます。

文部科学省といたしましても、地域の実情に応じ、学校給食会が地産地消の推進や、食育のさらなる発展に貢献する組織として機能するよう、各自治体に対し、適切に助言等を行っていきたいと考えております。

質疑者 舟山康江

舟山康江さん。

ぜひ今御答弁いただいたような取組を進めていただきたいと思います。

ともすれば本来直接取引ができるのに学校給食会を通さなければならないというような弊害が指摘されていないわけでもないので、そういったところ、そういったことがないように、まさに給食会のおかげで円滑にいいものが供給できるんだ、提供できるんだというふうな組織になるようなご指導、そしてその好事例の横展開、お願いしたいと思います。

以上で質問を終わります。

ありがとうございました。

委員長 藤木眞也

高橋光男君。

質疑者 高橋光男

おはようございます。

公明党の高橋光男でございます。

本日は20年ぶりとなる食育基本法の改正に当たり、審議、そして質問を

質疑者 舟山康江

質問の機会をいただきありがとうございます。

まず冒頭ですね、これまで超党派で議論を進めてこられました。

私も参加をさせていただきましたが、議論をリードされました柳田先生、また参議院においては新藤金彦先生、そして各党各会の議員の方々、そして内閣法制局や農水省をはじめとする役者の皆様に敬意を表したいと思います。

私の方からは、今後の具体的な取組に関してお伺いしたいと思っております。

まず第一に、今回の改正では、学校等における食育の強化としまして、農林漁業教育の充実や、農林漁業者などの外部人材の活用が新たに位置づけられました。

私は非常に重要な改正事項だと思っております。

子どもたちがただ食べるだけではなくて、その食を誰が支えているのか。

生産現場や担い手への理解、また感謝。

急な欠品に対応しないといけない。

こうしたことを農家側が負担を負っている現実がございます。

また、米価上昇の中で給食の要である米飯給食。

答弁者 山下農林水産副大臣

山下農林水産副大臣。

高橋委員御指摘のように、学校給食におきまして、地場産物を活用して地産地消を進めるということについては、子どもたちが生産者の努力でありますとか、生産現場の実態をきちんと理解し、そしてその理解を深めていくという食育の推進でありますとか、また地域の農業、また漁業、水産とか、もしくは小さな小工業の振興を図る観点からでも重要だというふうに考えております。

このため農林水産省では農林漁業者の教育の場への参画も含めた給食現場と生産現場の間の課題解決に向けた取組でありますとか、学校給食に地場産物を供給活用するための連携体制づくり、給食現場における地場産物の利用拡大に向けた指導助言、生産現場等のニーズ課題の調整等を行う地産地消コーディネーターの派遣などを支援しているところであります。

また、地域の生産者等の連携した地域における農林漁業体験機会を提供するとともに、例えば学校の授業での食育もそうですし、また農林漁業の体験、そしてそれがまた作ったものが給食で提供されているというような3つがバラバラに行われるだけではなくて、授業で習い、そして体験し、それがまた給食に出るというような連携していくような取り組みというのも非常に必要だというふうに思っております。

農林水産省として地域農業教育連携モデルの創出などに取り組んでいるところであります。

また、委員御指摘の米飯給食におきましては、実施改正について申し上げますと、昭和61年以降、昭和61年というのは提案者の柳内委員と私が小学校に入ったところなんですけれども、その頃以降は週2回台でありました。

平成20年以降というのは週3回台で推移しております。

令和5年には週3.6回まで増加しているところであります。

今後とも米飯を中心とした日本型食生活の魅力や各地域の多様な取組事例を小中学校の関係者にとどまらず幅広く発信するとともに関係省庁とも連携し米飯給食の推進定着に努めてまいりたいというふうに思っております。

高橋光男 (公明党) 6発言 ▶ 動画
委員長 藤木眞也

高橋光男君。

質疑者 高橋光男

ありがとうございました。

今おっしゃられたことをしっかり進めていただきたいと思います。

続きまして大人の食育と職場の食環境整備についてお伺いします。

今回の改正では食育の場として職場が法律に明記されました。

一方で社食は中小企業では単独で設置することが難しいです。

また、物価高や人件費上昇で既存の社食を維持することも厳しいというお声もあります。

そうした中で同じオフィスビルに入る複数企業が共同で食堂を設置するような事例も出てきております。

そこで提出者と農水省にそれぞれお伺いをいたします。

まず提出者に、今回職場を食育の場として位置づけた狙いはどこにあるのか。

健康づくりだけではなく、労働効率の向上、コミュニケーションの活発化なども含め、どのような考えで規定を設けたのでしょうか。

次に農水省にもお伺いいたします。

食事補助の引き上げや今回の法改正を機に、中小企業が共同で利用できる食堂や地域飲食店との連携をぜひ支援していただきたいと思います。

同時に、こうした事例を横展開しながら。

答弁者 柳内委員長代理

柳原委員長代理。

昨今、食に対する関心の低下、食の簡便化、栄養バランスの乱れが顕著になっていること。

また、農の現場の実情に触れる機会の減少等に起因して、消費者と生産者の関係が希薄化しているなど、食を取り巻く様々な課題が生じているため、子どもだけでなく、大人の食育に関する取組をより一層推進していく必要があるとの認識に立ち、大人の食育を新たな運動として掲げ、民間企業を巻き込んで、消費行動の変容につながる食環境づくりを実現していこうと、こういった趣旨によりまして、食育の場として、職場の文言を明記したところであります。

具体的な取組としましては、先に上谷議員の方から先ほどご紹介申し上げましたけれども、既に官民の幅広い関係者が連携する場として、官民連携職域プラットフォームが立ち上げられておりまして、会員企業の様々な食育活動を全国に発信していく。

また、会員交流会や勉強会などを通じて、食育活動の高度化や様々な主体による新たな連携を促進していく。

そして、課題を決めて連携をして、新たな食育に挑戦するプロジェクトを実施していくなどの取組が行われています。

こうした活動を通じて、食生活の改善に資する企業の取組を奨励することで、職場内での食生活改善の取組の活性化が図られたり、あるいは有用な取組の横展開を通じて、より多くの企業が従業員等の健康に配慮した食生活の実践に取り組むようになることなどが期待をされています。

そしてこのような形で職場における食育が推進をされ、従業員の食生活を

答弁者 山下農林水産副大臣

山下副大臣、お答えいたします。

今、柳内委員がお触れになられました官民連携食育プラットフォームにおきましては、経済産業省の健康経営優良法人認定制度と連携し、従業員に対して食生活の改善に資する取組を行う企業を認定いたします。

食育実践優良法人認定制度を昨年度創設したところであります。

現時点では334法人が認定されております。

そのうち約4割は従業員の数が300名以下の企業でありまして、健康的なお弁当の提供でありますとか、置き型社食サービスの導入などの取組が行われているというふうに承知しております。

今後とも経済産業省でありますとか、厚生労働省や民間企業などとの連携の上、職場における食の環境整備等を通じて、大人の食育の推進に積極的に農林水産省としても取り組んでまいりたいと思います。

委員長 藤木眞也

藤木眞也君。

以上で終わります。

ありがとうございました。

質疑者 杉本純子

杉本純子君。

はい。

参政党、杉本純子です。

本日は、食育基本法改正の審査にあたり、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

杉本純子 (参政党) 10発言 ▶ 動画
質疑者 杉本純子

食育とは、ただ栄養指導をすることではなく、自然や命をいただくことへの感謝、生産者への敬意、家族や地域のつながりを大切にすることなど、日本人が大切にしてきた精神文化にもつながります。

また、日本の食を支える農業に、自分も将来携わりたいと思える、そんな次世代の人材育成にもつながるものでなくてはならないと考えます。

日本の農業は今、危機的状況にあり、すでに海外に依存している部分も非常に多いです。

食は健康のためはもちろんのこと、農業、教育、経済、安全保障、すべてにつながっているもの。

そんな思いを込めて質問させていただきます。

最初に、食育基本法の現行条文の前文には、「国民一人ひとりが食について改めて意識を高め」とあり、この考え方は改正後にも変わることなく受け継がれております。

この食についての意識、これは単に消費者側としてお腹を満たすとか、健康のための栄養だけではなく、例えば誰がどのように作ったのか、日本には四季もあり、地域ごとに食文化もあります。

旬を味わうとか、地産地消で地元の農産物を大切にすることなど、食を単なる消費ではなく、国を支えるものと考えます。

こうした生産者側という意識も含まれていると考えますが、いかがでしょうか。

お聞かせください。

委員長代理。

委員長 藤木眞也

現行法においても、この前文に、食に関する生産者と消費者との信頼関係の構築など、農林漁業者等の食の生産に関わる人々の様々な活動に対し、理解を深めることができるよう取組を進めてきたところでありまして、食についての意識には、この生産の視点というものも、現行からも含まれているところであります。

杉本純子君。

質疑者 杉本純子

ありがとうございます。

日本人が長年育んできた価値観をこれからも大切に、農業を守ることの大切さを子どもたちに教えることで、一人一人の食への意識を高めていってほしいと願います。

食の意識といえば、先日テレビ番組で会社員の方々へのインタビューが紹介されていて、少し前までは最近の物価高で家計が苦しいということで、昼は外食から弁当を持参する、またはコンビニで済ませる方が多いという話だったんですが、今ではついにお金を節約するために昼は食べないという選択肢が増えているそうです。

健康やダイエットではなく節約のためとなると、食育までの余裕がないことも理解できます。

とはいえ、食を大切にできるようどうするべきか努力されている企業もたくさんあり、ランチ補助、食事手当、フードデリバリー補助、電子食事券など、福利厚生として、または人材確保、健康経営の観点から取り入れている企業も増えているそうです。

そうした取組の中で、国の課題として、国民みんなが毎日の食卓が当たり前にあるものではないんだと、多くの生産者によって支えられているんだということを改めて理解した上で、感謝と意識が育まれることが重要だと考えます。

次に農林水産省にお聞きします。

食育基本法に基づく現在までの取組において、将来の農業生産者を育てるため、国民が食料生産というつくる側についてもっと意識を持つためにどのような取組がなされてきたのか、また今後どのように考えていくのか、併せてお聞かせください。

消費安全局長。

政府参考人 森英介

お答え申し上げます。

委員御指摘のとおり、国民の中で食に関する関心そのものの低下、また、食と農との現場との距離の広がり、こういった状況から生産現場の実態を知らない国民の方々が増えているということが伺えます。

このような中で、食育の取組といたしまして、食や農林水産業への理解を一層国民の皆様に深めていただくような、そういった政策が重要であるというふうに捉えております。

農林水産省におきましては、現行の第4次食育推進基本計画に基づきまして、関係省庁と連携の上で地域での農林漁業体験の提供、学校給食における地場産物の活用などの取組について推進してきたところでございます。

このような取組は、国民の皆様がより身近に実感を持って農業の生産現場の実態や地域の食や食文化に関する理解や関心を深め、ひいては将来の農業を担う人材育成につながるような重要な取組であるというふうに捉えております。

このため、現在検討中の第5次食育推進基本計画におきましても、現在御審議いただいております食育基本法の一部を改正する法律案の趣旨も踏まえまして、学校などでの食や農に関する学びの充実、健全な食生活の実践に向けた大人の食育の推進、国民の食卓と生産現場の距離を縮める取組の拡大などの施策を盛り込み推進していくことによりまして、食や農への理解増進と行動変容につながるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。

杉本純子君。

質疑者 杉本純子

ありがとうございます。

ぜひ知識だけを教えるのではなく、子供のころから誰がどうやって作っているのかなどを学んで、日本の農業を自分たちが支えていかなくてはいけないんだという、国民意識を育てることが今の日本に必要であると考えます。

みんなで日本の食料自給率を上げていこうという強い流れを作っていただきたいと思います。

最後に、現代は共稼ぎの家庭が多く、女性が働きながら子育てをするという大変な時代です。

よって便利さや時短、効率が求められ、優先されすぎてはいないでしょうか。

確かに非常に便利ですごくありがたいとは思うんですけれども、そうすると食べ物が商品としてだけ見られているように感じます。

生産者の方々が土を耕し、汗を流して作ってくれたという、そういう人たちがいるという存在を感じることで、感謝の心が生まれると思います。

そんな食育を考えたときに、食のあるべき姿、日本の食の未来を守るために、どうあるべきだとお考えでしょうか。

お聞かせください。

委員長代理。

委員長 藤木眞也

今回の法改正の大きな柱として、消費者が、国民がやはり生産現場をしっかりと理解をして、そして行動変容にまで結びつけること、ここがこの法改正の最も重要なところであると思います。

その中で、今本質的な根源的なお話をいただきましたので、今回の法改正に当たっての経緯というか、趣旨的なものを改めてご説明いたしますと、まず一昨年に食料・農業・農村基本法に合理的な価格の形成の考え方が明記をされたということも大きな論点であります。

具体的には、関係者によりその持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるようにしなければならないといった条文や、国は食料の価格の形成にあたり、食料の持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるよう必要な施策を講ずるものとする、こういった条文があります。

そして昨年、コスト指標を見える化してコスト割れのない取引を実現していくための仕組みが制定された。

具体的には、例えば学校等における食育の推進において、農林漁業教育を規定し、体験活動を通じて農林漁業者と交流を図ることにより、農林漁業の生産現場の現状などについて理解と関心が高まり、農林漁業に従事されている方々を、食料消費などの日々の生活を通じて支えていこうという意識が醸成されることが期待をされます。

これまで食料安全保障というと、生産面に政策が注力されがちでありましたが、真に食料安全保障を確立していきたい。

ご協力ありがとうございました。

そして、生産現場に関心を持って理解する消費者が増えていく。

食料消費を通じて生産現場を支えていく。

食料の生産に従事される方々の苦労や尊さを理解して、感謝や尊敬の念を抱くといったことは、農林水産業を志す人々を新たに生み出して、担い手の育成や確保にもつながるなど、農林漁業の現場を後押しすることとなり、良質で安定的な農林水産物の生産、それによる食料安全保障の確保、国民一人一人の健全な食生活の実施。

杉本純子君。

質疑者 杉本純子

ありがとうございます。

ぜひ子どもたちに農業体験をもっともっとやっていただきたいと思います。

子どもたちの経験はその後の価値観につながると思いますし、また農業体験を楽しかったで終わるのではなくて、ぜひ地元で農業をやりたいと思える、そしてそれを私たちがしっかりサポートする仕組みが大切だと思っております。

これからどんどん子どもたちが農家になりたいという憧れの職業としていける、より素晴らしいこととなるように、この食育を踏まえて食料安全保障などにもつながるよう考えていただきたいと思います。

本日の質問を終わります。

ありがとうございました。

岩渕友君。

質疑者 岩渕友

はい。

日本共産党の岩渕友です。

食育基本法の改正に当たって行われてきた超党派の会議に私も参加をしてきました。

今日は基本計画の策定に当たっていくつか要望をしたいと思います。

食育基本法が成立してから

質疑者 杉本純子

20年余り、この間に食をめぐる環境は大きく変化をしてきました。

その一つが、世界的な干ばつ、日本でも災害が相次いで、ウクライナ戦争やイラン戦争など、食料危機のリスクが高まっているということです。

こうした状況を受けて、超党派の会議の中では、ヨーロッパでは、幾度の戦争を経て、食糧難に苦労した経験から、食糧難の歴史について、教科書に詳細に記載をして、授業で教えていることが、食糧や農業、農村への理解を促しているということを紹介しました。

併せて、食糧自給率の向上、食糧安全保障の観点からも、日本と世界で経験をした食糧難の歴史を教えることが重要だということ。

答弁者 鈴木憲和

お答え申し上げます。

学校での食育において、児童生徒が日々の食事や自らが食べる食料に関心を持ち、我が国の食料自給率の現状や食料生産の重要性について学ぶことは重要であると考えてございます。

これらについては現在でも、例えば小学校学習指導要領で生産物の種類や分布、生産量の変化、輸入など外国との関わりなどに着目して、食料生産が国民生活に果たす役割を考えること等について指導することとしておりまして、これを踏まえた教科書でも、かつての戦中戦後の食料難の歴史や世界の食料問題、食料安全保障の重要性について、写真やデータを交えて具体的に取り上げられているところでございます。

食育推進基本計画は、食育の推進に関する施策についての基本的な方針等について定めるものであるため、特定の指導内容を位置づけることは想定しておりませんが、ご審議いただいている改正法案では、食料安全保障に資する食育の推進が規定されており、各学校においてその趣旨を踏まえた食育が効果的に推進されるよう、必要な取組を進めてまいります。

岩渕友 (日本共産党) 10発言 ▶ 動画
委員長 藤木眞也

岩渕友君。

質疑者 岩渕友

食糧難の経験をやはり次の世代に引き継いでいくということは、今本当に大事になっているということだと思います。

そしてもう一つ、超加工食品について聞いていきます。

超加工食品は加工食品より加工度が高く、すぐに食べることができるようになっている製品のことで、大量生産された菓子パンやインスタント食品など、私たちの周りにあふれています。

先日質問をした人工甘味料もここに含まれているんですね。

超加工食品について世界各国で研究が進められてきました。

フランスでは独自に行った調査結果を受けて、政府が2021年までに超加工食品の消費量を20%削減する目標を掲げました。

昨年12月、世界有数の医学雑誌であるランセットに超加工食品に関する3つの論文が掲載をされました。

第1論文では、大量の広報と研究などを統合して、超加工食品の摂取増加が、慢性疾患や死亡リスクを高めているという事実を示しています。

この内容をどう評価しているでしょうか。

厚生労働省大臣官房、坂木原審議官。

政府参考人 坂木原

岩渕友議員、国際的にも様々な意見があると承知しております。

厚生労働省は、食品の安全に関するリスク評価機関ではなく、超加工食品の肥満や非感染性疾患等への影響について、政府としての正式な見解を出すのは難しい立場にございます。

厚生労働省としましては、まずはバランスの良い食事が重要と認識しておりまして、その普及啓発に努めております。

超加工食品に関する国際的な動向についても、関係省庁等と連携して、引き続き注視してまいりたいと考えております。

質疑者 岩渕友

ベルギーとかブラジルとかカナダなどでは各国で超加工食品に対する指針が発表されているんですね。

WHOでも超加工食品の摂取に関するガイドライン策定のために専門家を集めて2年後の策定を目指しています。

アメリカでも昨年政府が定める食生活指針に初めて超加工食品を位置づけました。

ところが日本では食生活指針にも前回の食育推進基本計画にも採用をされていません。

超加工食品について評価をして、その問題について、食育推進基本計画に位置づけるべきだと思うんですけど、いかがですか。

坂局長。

政府参考人 坂本哲志

お答え申し上げます。

超加工食品に関する検討につきましては、先ほど厚生労働省からの御答弁があったとおり、まだ定義も定まっておらず、国際的な動向について引き続き注視していくべき状況であるというふうに理解をしております。

その上で、健全な食生活を実践していくためには、国民一人一人の皆様が、食生活や健康に関する正しい知識を持っていただいて、自ら食を選択していくというような形を作っていくことが必要であると考えております。

このため、国際的な研究を含めた最新の科学知見に基づく客観的な情報の提供が不可欠であると考えております。

関係団体などとの連携を深めながら、国内外の調査研究情報の提供等がなされるよう取り組んでいるところでございます。

このような情報提供の取り組みを、現在検討中の次期第5次の食育推進基本計画にも適切に位置づけた上で、厚生労働省をはじめとする関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。

委員長 藤木眞也

岩渕友君。

質疑者 岩渕友

この超加工食品の概念は掲載されていないんですけれども、この概念を掲載して、その危険性について具体的に警告することが必要だというふうに思います。

ランセットの第3論文は、超加工食品の普及をもたらしている商業的決定要因について言及をしています。

企業の行うロビー活動などによって、人々の健康に影響を与えるという問題よりも、企業による利益の追求が優先をされて、規制が妨害をされているということなんですよね。

だから、超加工食品がこんなに広がっているということです。

九州大学の磯田博史名誉教授が、私たちの食生活での選択は、個々人の自律的な選択のように見えてそうではないと書いているものを読みました。

これがどういうことなのか。

1人親のお母さんから聞いた話がまさにこれだというふうに思ったのでちょっと紹介をしたいんですが、ギリギリ働いても生活は楽にならず、超加工食品に頼らざるを得ないという声なんですよね。

そういう話なんです。

超加工食品を選択せざるを得ないというのが実態だということです。

しかも超加工食品は遠くから運ばれてきた生鮮品よりも安い価格で売っている。

手軽に手の届くものとなっています。

超党派の会議の中で食育の議論をする前提として、経済的事情や貧困などによってそもそも食べることがままならない人たちがいるという問題について考える必要があるんじゃないかという問題提起がされました。

私もそうだというふうに思います。

そこで大臣に伺うんですけれども、食育推進基本計画に、超加工食品と食をめぐるこの現状について、しっかり位置づける必要があるんじゃないでしょうか。

鈴木憲和農林水産大臣。

答弁者 鈴木憲和

はい、お答え申し上げます。

先生から御指摘の論文については、私も概要などを、今、拝見をさせていただいたところであります。

この超加工食品も見てみると、炭酸飲料とか。

国民の健康保護が最も重要であるとの基本的認識の下で、国民の健康への悪影響が未然に。

質疑者 岩渕友

選択せざるを得ないという構造そのものに目を向けないと、基本計画のKPIがいつまでも達成できないということになりかねません。

それなしに食生活の改善はなし得ないということを指摘して質問を終わります。

委員長 藤木眞也

藤木眞也委員長。

他に御発言もないようですから質疑は終局したものと認めます。

これより討論に入ります。

別にご意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。

食育基本法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

全会一致と認めます。

よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。

なお審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

御異議ないと認め、採択を決定いたします。

本日はこれにて散会いたします。