国民生活・経済に関する調査会

参議院 2026-05-20 質疑

概要

衆議院(委員会名不明)の参考人質疑において、諸富徹氏および小塩隆士氏が参考人として出席し、社会保障財源と税制について議論が行われました。諸富氏は、ミニマム税の税収拡大策や目的税の実効性、金融所得課税導入時の反発への対応、および社会保険における公費負担の役割について答弁しました。また小塩氏は、消費税増税の必要性と条件、逆進性対策としてのベーシックサービスの有効性、外国人労働者の社会保険への影響、高齢者の就業実態について見解を述べました。最後に、GPIF積立金を活用した現役世代の負担軽減策についても質疑が交わされました。

発言タイムライン

政府委員長・議長
0分10分20分30分40分50分1:00小塩隆諸富徹

発言者(3名)

質疑応答(9件)

ミニマム税の税収拡大策
▶ 動画
質問
釜谷智 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)

- 現状、規模が小さすぎるミニマム税の税収を増やすための工夫や手立ては何か

答弁
諸富徹 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)
  • 税率(現状22.5%)を引き上げること
  • 特別控除額(現状3.3億円)を低く設定し、課税対象範囲を広げること
全文
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それでは次に、諸富先生にお伺いを申し上げます。

今日の指摘の中で、今後、社会保険料に、特に社会保障の中で、特に医療介護はそうでありますけれども、社会保険料にあまり過度に依存しない形で税収を新たに確保するということはぜひ必要だろうと思って、今日のお示しいただいた一つの例も非常に参考になるなと思いながら拝見をしたのですけれども、一方、現状においては非常に先ほど先生がおっしゃった規模感があまりにも小さすぎるんですけれども、これを今後、ある程度のボリュームに増やしていくためには、どういう工夫や手立てが必要だというふうにお考えでしょうか。

スライドの、もう一度そちらで言いますとですね、28万円、もう出ないですね、28万円、お手元を見ていただければと思いますが、一つはこの22.5%というこの税率を引き上げるという方法がございます。

これ、かなりえいやと決めたような感じでして、45%の半分という根拠であまりそれ以上の根拠がないですね。

あと特別控除額、なぜ3.3億円かも問題でして、これを3.3億円でなくてもう少し左の方へ寄せていくというような形でやればですね、この差分面積が広がりますので、そういう形で税収増を図っていくことはできるのかなというふうに思います。

目的税の目的限定の実効性
▶ 動画
質問
亀田敏 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)

- 社会保障目的の税を設ける際、諸外国において目的の限定は適切に達成されているか

答弁
諸富徹 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)

- フランスやアメリカのケースでも、負担増に対する国民の反発があるため、還元を約束する仕組みとして議論が進んでいる

全文
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亀田敏君。

それで、今お示しいただいたところと、それから、諸外国の様子も比較して、社会保障に目的を限った形で、税を定めるということは、大変理にかなっているとは思うんですけれども、私どもは消費税が福祉目的税と言われていながら、ちっともそうなっていないという経験があるので、ちょっとそのあたりは抵抗があるんですけれども、しっかり目的を限定するということは、諸外国においてはきちっと達成されていることと認識してよろしいのでしょうか。

そうですね。

フランスのケースにおいても、アメリカのケースにおいても、もうこれは税。

やはり現在の増税に対する、負担増に対する国民の非常に大きな反発を考慮しますと、これをこういう形で国民に還元するという約束をしないことには、なかなか負担増の話は難しいのかなというふうに思いまして、こういう議論に対しては少し傾いているところでございます。

金融所得課税導入の懸念点
▶ 動画
質問
川内里 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)

- フランスのような金融所得への課税を日本に導入する場合、懸念すべき事項や注意点は何か

答弁
諸富徹 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)
  • 金融所得を得ている層からの強い反発が予想されること
  • その層をどのように説得し、納得させるかがクリティカルなポイントとなること
全文
質問・答弁の全文を表示

川内里君。

医療、介護、また福祉は、国民が生きていくためにもうなくてはならない社会基盤だと思いますので、何とかそれを維持継続していかなければいけないと強く思うんですけれども、一方で財源がなくなってくるとほころびが出てくるし、また我が国においては人口構成が今後ますます大きく変わりますから、地域によってはなかなかそれぞれの地域全てに医療・介護・福祉を十分にみんなの手当てするというのは難しいだろうなというふうにずっと日々考えているんですけれども、その中で何とか持続可能性を担保する意味で、この24ページでお示しいただいた、これはフランスの例だと思いますが、これまでの実績で社会保険料がこんなに下がったんだというのを私自身はこれを初めて知りまして、非常に驚いた次第です。

ですからこのような形での取り組みをすれば、幅広い会派の皆さんもきっと賛同していただけるんだろうなと思いながら、この表を見たんですけれども、さらにこれを我が国において導入する上において、何か懸念すべき事項とか、あるいは注意しなければならないことというのがありましたら、ご教示いただきたいと思います。

一番問題は負担増となる金融所得を得ている人の反発ではないかなと。

なので企業の国際競争力を引き上げるという意味でも、企業さんにとってもプラスだったんですが、唯一マイナスになるのは、金融所得を得ている人たちが負担増になるということですね。

そこをどういうふうに説得していくかというところがクリティカルなポイントかなというふうに思います。

消費税増税の可能性と条件
▶ 動画
質問
小島智子 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)

- 消費税への反発が強い中、社会保障財源としての消費税率引き上げは今後も難しいと考えているか

答弁
小塩隆士 (参考人 一橋大学社会科学高等研究院特任教授)
  • 2040年に向けて5%程度の引き上げが必要な試算であり、消費税なしで賄うのは困難である
  • ただし、実質賃金が持続的にプラスとなる経済運営が達成されることが、増税を受け入れる条件となる
全文
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二者択一ではということで、諸富さん、やっぱり第三の何か方法がいるんじゃないかっていうことでの、フランスのCSGだったのかなというふうに捉えさせていただいたんです。

お二方にお伺いをしたいんですけれども、やっぱり消費税は反発が大変あるので、社会保障等の財源としても引き上げるのは、これから先も非常に難しいというふうにお思いですか。

あれを見ますと、私は大まかな計算ですけど、2040年に向けて社会保障財源としては、消費税率5%ポイントぐらいの引上げが必要かと思っています。

それを消費税なしで賄うということは、かなりきついんじゃないかなというのは正直なところです。

なので消費税を上げられる、私は消費税否定論者ではなくて、消費税を使う必要はあると思っているんですけれども、その条件があって、それは実質賃金がプラスに持続的に、そういう経済運営を行うことではないかなというふうに思っています。

それが達成されない限り、実際には難しいだろうな。

ベーシックサービスの考え方
▶ 動画
質問
小島智子 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)

- 消費税の逆進性対策として、特定のサービスを無償提供する「ベーシックサービス」についてどう考えるか

答弁
小塩隆士 (参考人 一橋大学社会科学高等研究院特任教授)
  • 生活形態に関わらず一定のサービスが得られるため、逆進性問題を軽減する有効なアイデアである
  • 低所得者層に手厚い支出を行うことで、所得階層ごとのネットの負担を累進的にし、国民の確信を得ることが重要である
全文
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ただ、あの時にベーシックインカムの話が少し出てきて、そしてそれはあまりにも規模が大きすぎて実質的ではないということで、ベーシックサービスの考え方が出てきたというふうに思っています。

先生方、ベーシックサービスについてはいかがお考えでしょうか。

私もそれは非常に重要なお考え方ではないかなと思います。

どのような生活形態をしていても一定のサービスが得られるということは、消費税の逆進性などの問題を軽減する大きな一つの方法ではないかなと思います。

現状でもですね、社会保障の支出の受け手がどれだけ給付やサービスを受けているかということと、それからどれだけ税金や社会保険料で払っているかということのプラスマイナスをですね、ネット、つまり差し引きで計算したら、受け取り、あるいはその出の方が多い人もいるんですけども、それをその所得階層ごとに見たときに、ちゃんと累進的といいますか。

先生のお話に伺っていると、ベーシックサービスというのはそれをもっと拡充して、消費税の負担は仮に逆進的かもしれないけれども、同様に支出の方もきちっと、むしろ低所得者層に手厚くいくはずだから、プラマイでやってみるとむしろ低所得者の方にとってはプラスになるよというお話だというふうに伺いました。

自分のところに確実にそのサービスが充実して生活が下支えされるという確信を持てればですね、イエスと言えるんじゃないかなと思うんですね。

外国人労働者の社会保険への影響
▶ 動画
質問
鹿児島昭雄 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)

- 外国人労働者の増加が日本の社会保険制度にどのような影響を与えているか

答弁
小塩隆士 (参考人 一橋大学社会科学高等研究院特任教授)
  • 具体的なインパクトの数値は把握していないが、国籍に関わらず平等に提供する国民皆保険が原則である
  • 今後、彼らにどう対応していくかが重要な政策課題となる
全文
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社会的扶養力だったかな、ちょっと細かい文言を忘れたんですが、そういった形で日本全体として見てみたときに、高齢者の方々も働きやすくなっている、働きたい人も増えている中において、必ずしも危機感に駆られていただけではないというところで一点光明を見たなという気もしているんですが、そんな中で2点お伺いしたいことが、まず1点として、高齢者の影響もあると思うんですが、やはり今、外国人労働者の方々も増えていると思います。

この外国人労働者の方々が日本の社会保険制度に与えている影響について、まずお伺いをしてもよろしいでしょうか。

私も具体的にどれぐらいのインパクトがあるかというのは承知しておりません。

ただ、日本の制度は国籍に関係なく平等に、国民皆保険を提供されるというのが原則ですので。

ただ、これからその人たちをどういうふうに対応していくのかというのが重要な政策課題になるというのは承知していますけれども。

高齢者の就業実態と社会保障への寄与
▶ 動画
質問
鹿児島昭雄 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)

- 高齢者の就業率が上がっても、一人ひとりの労働時間が短ければ社会保障の厚みにならないのではないか。実態はどうなっているか

答弁
小塩隆士 (参考人 一橋大学社会科学高等研究院特任教授)
  • 実際にはパートタイムが多く、若年層のフルタイムに比べると寄与度は低い
  • 経済的視点では不足しているが、ウェルビーイングや多様な生活スタイルの観点からは肯定的に捉えるべきという議論がある
全文
質問・答弁の全文を表示

もう一つですね、この就業率についてなんですが、全体的な就業者数ってあると思うんですけれども、この就業者数ってある意味、私の中で横軸みたいなイメージだろうなというふうに思っておりまして、その一人一人がどれくらい働くかによって、当然社会保障の厚みって変わってくると思うんですね。

そうした中、この高齢者の方々が、例えば一人一人一日一時間しか働いていませんでは、やっぱり社会保障の厚みのプラスにはならないわけでありますから、このあたり高齢者の方々で、先生把握の中でですね、どういったこの働き方の実態といいますか、具体的にこの人数は人数でいるけれども本当に厚みになっているのか、という部分についてご見解があればお伺いできればと思います。

先生ご指摘のところは非常に重要でして、実は今日お見せしたグラフは働いている、働いていないの二分法でしかお見せしていないんですけど、実際には高齢者の人たちが働くようになったといっても、かなりの部分はフルタイムじゃなくてパートタイムということですので、先ほどの先生のご言葉です。

縦の部分、垂直の部分の働き方という点については、やはり若くてフルタイムで働いている人に比べると薄いなというふうなところがあります。

一つは、いや、高齢者は働いてるって言っても、若い人に比べるとそんなに働いていないんじゃないかっていう見方ができます。

例えば週の3日ぐらいは働いて、残りは地元で町内会に活用する、あるいはもうお孫さんの世話を見るとかいう組み合わせもあっていいじゃないか。

もう少し広い立場から言うと、多様な生活スタイルがあっていいんじゃないかなっていうふうになります。

社会保険と公費負担の比率変化の背景
▶ 動画
質問
鹿児島昭雄 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)

- 社会保険料と税(公費)の割合が近づいているが、社会保険の「保険」としての本質はどうなっているのか

答弁
諸富徹 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)
  • 保険に入れない人を回避し、多くの人に恩恵を届ける「普遍的な仕組み」を目指した結果、公費投入が増えた
  • 保険料のみの仕組みでは避けられない課題を、公費による補完や調整交付金で解決しており、よくできた仕組みであると理解している
全文
質問・答弁の全文を表示

ちょっといくつかあるので時間の許す限りお伺いをしていきたいと思うんですけれども、まずこの税と社会保障について、先生の資料の中でも15ページの部分で、一番左端の1979年と比べて今は社会保障財源の中における社会保険料と公費負担、つまり税金の割合というものが近づいてきていると思います。

そうした中で、ただこうやって税金との割合が狭まってきてしまうと、そもそも社会保険の保険たる所以は何だったかと、いうようなことを私はこのグラフを見て感じてしまったんですが、先生、どのようにお感じになられますか。

そうですね、一つは、社会保険と税が近づいてきたことの一つの原因は、社会保障制度のこの間の改革があって、純然たる社会保険システム、ビスマルクモデルとも言われるですね、保険料と保険だけで仕組みを動かしてきたところから、だんだんと、なんていうんですかね、広井先生、私のかつての同僚であって、かつての厚生官僚でもいらっしゃったんですね。

つまり保険に入った人だけじゃなくて、保険に入れない人をなるべく回避する、なるべく多くの人を保険の中に入れるために、公費を入れることによって社会保険料の負担を抑えたり、例えば年金の場合、基礎年金は半分は消費税、かつて3分の1だったのを2分の1まで引き上げてきたりとか。

半分公費を入れることによって、保険料の弊害と言ったら、ちょっと言い過ぎなんですけれども、ギリギリ50%は保険料で収入を保つことによって、かろうじて保険システムとしての形を取りながら、でも保険だけで一挙した場合の様々な課題を避けるために半分公費を入れると。

しかも、保険者といった市町村間で財政力の格差があるので、それを慣らすための調整交付金まで入れているという、非常に便利な作用があった。

こういった国民皆保険、あるいはできる限り多くの人に恩恵が行き渡るような普遍的な仕組みを目指したゆえに、税金が補完的に入れられざるを得なかったというふうに私は理解をしております。

GPIF積立金の現役世代負担軽減への活用
▶ 動画
質問
鹿児島昭雄 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)

- 少子高齢化で支え手が急減する今のしんどい時期に、GPIFの積立金を使って現役世代の社会保険料を下げるべきではないか

答弁
諸富徹 (参考人 京都大学公共政策大学院院長)

- GPIFの資産収入が重要な支え手になっていることは間違いない(※答弁途中で終了)

全文
質問・答弁の全文を表示

そうした中で、もう1個あるだろうなと思っているのは、これまでの方々が積み立ててこられた積立金です。

高齢者の方々が増えていく割に支え手の数が増えていかないと。

そうした中で、こういう時こそGPIFの積み立て金なりを使って、現役世代の社会保険料を下げていくべきなのかどうか、というところについて、先生へのご見解があれば、お伺いしたいなと思います。

ご指摘のとおりで、これはGPIFの収入を、大体この、今ご指摘いただいたページ15枚目のところでいうと、グレーのラインで、この資産収入というのは、まさにそこからの収入を意味していまして、重要な支え手になっていることは間違いないというふうに思います。

発言全文

野上浩太郎 (国民生活・経済に関する調査会長) 1発言 ▶ 動画
その他 野上浩太郎

ただいまから、国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。

委員の異動についてご報告いたします。

昨日までに、インドー周作君が委員を辞任され、その補欠として、長谷川秀春君が選任されました。

国民生活・経済に関する調査を議題といたします。

本日は、情勢の変化に対応した未来志向の社会の構築のうち、社会・経済情勢の現状に関し、社会保障・税・財政等の展望について、2名の参考人からご意見をお伺いした後、質疑を行います。

ご出席いただいております参考人は、一橋大学社会科学高等研究院特任教授、小塩隆士君、及び京都大学公共政策大学院院長、諸富徹君でございます。

この際、参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。

本日はご多忙のところ、ご出席をいただきまして誠にありがとうございます。

皆様から忌憚のないご意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしてまいりたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。

次に、議事の進め方について申し上げます。

まず、小塩参考人、諸富参考人の順にお一人20分程度でご意見をお述べいただき、その後、午後2時50分頃までを目途に質疑を行いますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

また、ご発言の際は挙手をしていただき、その都度会長の許可を取ることとなっておりますので、ご承知おきください。

なお、ご発言は着席のままで結構でございます。

それではまず、小塩参考人からお願いいたします。

小塩隆士 (参考人 一橋大学社会科学高等研究院特任教授) 3発言 ▶ 動画
その他 小塩隆士

小塩隆士(参考人 一橋大学社会科学高等研究院特任教授)一橋大学の小塩と申します。

こういう貴重な報告の機会を与えていただきまして、どうもありがとうございました。

私の方からは社会保障の展望ということで、簡単にご説明したいと思います。

1ページ目をご覧いただきまして、本日お話しする内容を紹介しております。

早速一番目のテーマについてお話をいたします。

要するに、政府におかれましては、社会保障の将来展望をできるだけ早めに出していただきたいということでございます。

現在、政府から公式に出ている見通しは、実は8年前のものでして、2018年のものです。

2018年から2040年にかけて、社会保障の給付がどういうふうに変化するかというのを、四省庁が合同で出したもの。

これが最新なんですね。

その後、コロナの問題等々ありまして、なかなか新しい数字を出すのが大変だったというふうに思うんですけれども、これだけ社会保障の問題というのが深刻になって、将来見通しがはっきりしないということですので、ぜひ出していただきたいなと思います。

ご存知のように社会保障国民会議というのが開設されていますけど、中身は消費減税の話とか、あるいは給付付き税額控除の話ですよね。

それはそれぞれ重要だと思うんですけど、社会保障国民会議というぐらいですから、ぜひ社会保障についても議論を進めていただきたいなと思っています。

次のページに、今ある見通しと、それから足元の実績がどうなっているかというのを簡単に見せさせていただいたのがこれなんですけど、実績というのが青い曲線、それから見通しに書いてある計画が赤い線なんですね。

2018年が計画のスタートラインなんですけど、これを見ていただくと分かりますように、今走っている計画は2000年に入ってからやや落ち着いた動きをそのまま外挿しているということだと思うんですね。

その後、コロナ関連の社会保障給付費がバーンと膨らんだんですけど、その後落ち着いてきております。

2023年が一番新しい数字なんですけど、昔の計画で想定していたものに戻るのかどうかというのが非常に重要なポイントだと思うんですね。

私の感じでは、かなりのところまで昔の計画に戻るんじゃないかなと思います。

そうすると、それほど高齢化で社会保障給付が雪だるま式に拡大して、どうしようもない、手がつけられないということではないかと思うんですけれども、それでも将来の見通しがはっきりしないと、足元の消費減税の話をどうするかとか、給付付き税額控除の話をどうするかという話を長期的な観点からできないので、ぜひこれは政府に出していただきたいなと思っています。

そこで具体的にどういう問題が今あるのかということなんですけど、社会保障の問題は大体暗い話が中心になって、気が滅いてしまうんですけど、明るい話からお話し始めさせていただきたいと思います。

少子高齢化といいますと、普通私たちはどういうふうに考えるかというと、社会を支える手がだんだん減ってくるということですね。

それを示すのが生産年齢人口の数字なんですけど、15歳から64歳までですね。

その人たちの総人口に占める比率というのは確かに低下しています。

それを示したのが、この上の方の曲線なんですけど、でも世の中の支え手っていうのを考えると、生産年齢人口の上限は64歳なんですけど、65歳を超えても働いてらっしゃる方もいますしね。

それから15歳が下限なんですけど、高校生は働いてないわけですから、働き支え手かと言われるとそうでもないところもいますね。

支え手をどうやって計算したらいいのかなと思うんですけど、一番単純な方法は、就業者の比率を、人口に対する比率を見ればいいということなんですけど、これを見ていただきますと、2010年ぐらいをボトムにして、上昇傾向にあります。

だから少子高齢化が進んだとしても、世の中の支え手はむしろ上昇に転じているということです。

この上昇に転じている主役はどなたかと言いますと、高齢者なんですよ。

60歳後半、前半もそうですけど、後半の人たちの労働市場に入ってくる機会が増えてくるということですね。

これが非常に新しい、しかも明るいニュースかなと思っております。

この動きを着実なものにしていただきたいなと私は強く思います。

そうすることによって、いろんな改革が進みやすくなるんじゃないかなと思いますね。

高齢者の人が働けばそれだけ経済の供給能力も高まりますし、それから税や保険料の収入も増えますからね、政府から見て。

そうすると改革が非常にやりやすいなというふうに思いますので、これをぜひ進めていただきたいなと思います。

じゃあどれだけ高齢者の人に、追加的に働いていただけるのかという試算の結果をお見せいたします。

これは健康だけが人々の働き方を決めるということであれば、年金とか定年とかそういうのを除いて、健康だけが働くか働かないかという決定要因であるというふうに想定すると、潜在的にどれだけ高齢者の就業率が高まるのかということを計算したんですね。

男女別にしたんですけど、60歳後半が一番政策的に重要なんですけど、だいたい男性の場合3割、女性の場合2割ぐらい引き上げることができます。

なぜこの人たちは就業していないかというと、年金をもらっているというか、あるいは定年を迎えて引退しているということなんですけど、健康面から見るとまだまだ働けるというふうな人が多いので、もったいないわけですよね。

これだけ支え手が少なくなっているんじゃないかというような危惧が高まっているのですから、ぜひこういう人たちに働いていただければなというふうに思っています。

ただ、そのためにいろんな改革が必要だと思います。

一番手っ取り早く手をつけないといけないのは、在職老齢年金という仕組みなんですね。

これは働いたらそれだけ賃金がもらえますから、あなたの年金はいらないでしょうということで削減される仕組みなんですね。

それは公平な仕組みなんですけど、一人一人から見れば働くことに対してブレーキをかけるという面があります。

ですから、これは私は改めるべきではないかなと思います。

ただそうするとですね、高賃金で年金も高い人を優遇するっていう、そういう金持ち優遇の仕組みじゃないかというふうに言われるんですけど、そういう面はあるかもしれないけれども、それは税で見たらいいんじゃないかなと思います。

年金でもどんな所得でもいいんですけど、たくさん所得をもらっていますね、じゃあ税金もたくさん納めていただきましょうっていうのは、それこそ現役世代との公平性というのを見ればいいんじゃないかなと思います。

具体的に言うと、公的年金等控除という仕組みがあります。

これ自体は年金だけで頼っている人たちを支援するという仕組みであるんですけれども、たくさんお金をもらっている人からは現役と同じような税金の負担の仕方をお願いしますということは、ある程度言っていいんじゃないかなと思いますね。

それからもう一つはですね、定年を迎えて第二の人生を歩むときにですね、サラリーマンとして元の会社あるいは違う会社で働くか、あるいは自営業で働くかで、全然社会保障の仕組みが違ってまいります。

保険料の納め方も違ってくるわけですね。

これはやっぱり改めていくべきじゃないかなと思います。

ちょっと超越的な話になるかもしれないですけど、賃金だけじゃなくてですね、どんな所得でも得られた所得に応じて社会保障の負担をするという仕組みが高齢者の人も働き続けるためには重要な改革ではないかなというふうに思っております。

これがもう少し高齢者の方々に働いてくださいよということですけど、ここで注意していただきたいのは、全ての人に働けよというようなことを言っているわけでは決してありません。

無理のない形で働いて、それで世の中に貢献するというのがいいんじゃないかなと、そういうことを申し上げているということです。

2番目は、そういう高齢者の所得保障がどれだけしっかりとしたものになっているのかということなんですけども、先生方は年金の2000万円問題っていうのをお聞きになったと思うんですね。

月々だいたい5万円ぐらい赤字が出て、30年ぐらい生きるとですね、年間で2000万円ぐらい足りないよということで、政府はちゃんと高齢者の所得保障をしているのかということなんですけど、あれはよく考えると、金融資産、預貯金をカウントしてないんですよ。

それからあくまでも平均的な姿ですので、どういう人がどのような形で生活しているのかという点については何も言っていないんですね。

そこで私は他の研究者と一緒に、預貯金も含めて、それから生涯亡くなるまでどれだけ年金がもらえるのかどういうのを計算して、亡くなるまで生活費がどれだけ賄えるのかっていうのを計算してみたんですね。

そうすると、8割ぐらいの人は何とか生きていけるだろうということなんですけど、残りの2割ぐらいはですね、働かないと食べていけない、生活していけないということがありますので、そこはちゃんと注意しておく必要があるだろうと思います。

なぜそういうことを言いますかと言いますと、高齢者の貧困問題というのは、これから深刻になる可能性があるんですね。

生活保護を受ける人が将来どれぐらい増えるかという話を考えているんですけど、いわゆる就職氷河期世代の人たちが年金を迎える頃になりますとね、今も親御さんに扶養してもらっている人たちが、親御さんがいなくなると自分たちで老後の世話をしないといけない、自分の世話をしないといけないということになります。

そうすると、今私たちが直面している貧困の問題が予想以上の深刻さで姿を見せるんじゃないかなと思います。

その生活を保持するために生活保護という仕組みがあるんですけれども、果たして今の仕組みでうまく高齢の貧困化に対応できるのかなというふうに気がいたします。

政府もそういう問題を無視しているわけじゃなくて、今回の年金制度改革で基礎年金の底上げというのを行いました。

これは非常に素晴らしい取り組みで、これで老後の生活保障に対して大きな成果を上げられると思うんですけれども、ただ、実際にこの底上げをしましょうかというのは、もうちょっと時間経ってから判断させてくださいというのは厚労省のスタンスなんですね。

それから財源を増やすのかという点についても、もう少し様子を見ましょうということがあります。

さらに言うと、基礎年金の拠出期間、今まで40年だったんですけど、45年にしたら、そういう高齢の貧困の問題、貧困の高齢化の問題に、大臣もある程度対応できるんじゃないかと私は思うんですけど、「いやいや、その年金財政は40から45に拠出期間を延長しなくても持つから大丈夫です」ということで、今回は改革に含まれなかったんですけど、これはやっていいんじゃないかなと思うんですね。

それで貧困の高齢化に対応することが簡単になるんじゃないかなというふうに私は思っています。

時間がないのでどんどん言いますけど、次は医療の話です。

医療についてはですね、高齢化の要因が重要じゃないかと皆さん思われると思います。

それはその通りなんですけど、その他という高齢化以外の要因が結構重要になっています。

それが何かというと、高額医薬品等々、医療の高度化が大きな原因になっているんですね。

これが今後の医療費を大きく増大させますので、これへの対応というのが必要なのかなというふうに思っています。

高齢化そのものは思ったほど医療費の増大に悪さをしません。

これ見ていただくと、赤いところが高齢化要因なんですけど、だんだんと高さが低くなってますよね。

それに比べると黄色い部分、これはその他ですけど、コロナ対応で出入りがありますけど、それを除くと結構大きなウェイトを占めています。

最近お薬を買っても高いものがたくさん出てくるようになりましたので、これが医療費増大の大きな不確実要因として、これから重要になるのかと思います。

そこで足元で医療費についていろいろ議論がありますので、3点ほど申し上げます。

一つ目は、高齢者の窓口負担を引き上げろという議論があります。

私はそれは非常によくわかるんですよ。

大の原理で所得の高い人からたくさんもらうというのがいいんですけど、高齢者になると疾病リスクが高まりますから、同じ窓口負担の3割でも3割の重みが違うんですよね。

それを一緒に現役相当平等でやりましょうというふうな考え方で進めていいのか、ちょっとそれは問題だろうなというふうに思っています。

二番目はOTC類似薬の扱いですけど、これは私は手をつけるところとすればつけやすいというか、つけていいんじゃないかなというふうに思っています。

次に出てくる高額療養費とか、あるいは高額療養費等の高齢者の窓口を単に引き上げると、OTCに対する支援というのは軽減していいんじゃないかと思います。

ただし、それでも所得の低い人たちに負担があまりにかかるような仕組みはよくないですし、それから疾病リスクによって過度な負担がかかることは避けるべきだと思います。

それから高額療養費なんですけど、これは私は今まで中央社会保険医療協議会の会長をしておりましたので、これはここで言わないといけないなと思っているんですけど、これはできるだけ維持していただきたいなと思っています。

国民皆保険の岩盤みたいな仕組みですので、しかもそんなに大きなウェイトを占めていませんから。

本当にお金がたくさんかかって困っている方がたくさんいる。

それほど多くないんだけど、困っている人はいらっしゃるんで、そこに負担がかかるような仕組みというのは私は避けていただきたいなと思います。

この仕組みは国民皆保険の岩盤ですので、慎重に見直しが必要であるとしても、慎重にしていただきたいと思います。

そこで最後のグラフですけど、あまり耳に慣れない言葉なんですけど、破滅的医療支出というのがあります。

4割以上占めていると、これが大変だと、破滅的医療支出だと言うんですけど、それがですね、これもまだ分析はさらに必要だと思うんですけど、徐々に高まっているんですよ。

上限が高まっているんですね。

高齢者だけじゃなくて現役の人たちも高まっている。

それはいろんな高額のお金が必要な医療が増えていますので。

破滅的医療支出のリスクに直面することはこれから増えてくると思うんですね。

そうすると、できるだけメリハリの効いた改革が必要になるんじゃないかなと思います。

それで最後の砦みたいな国民皆保険を守るというスタンスが必要になってくるのかなと思います。

時間が来ましたので、このページで要約させていただきます。

まず働く人、支える人を増やすということが一番重要なことだと思います。

これによっていろんな改革がしやすくなると思います。

私はあまり子育て支援、政府が行っている子育て支援はあまり効果ないんじゃないかなと思うんですので、それよりは高齢者の就業支援というのが必要だと思います。

それから困っている人を今まで以上に支援する仕組みというのが必要になると思います。

その問題はこれから貧困の高齢化というのが現実問題になりますので、これまで以上に慎重に考える必要があると思います。

以上です。

ご清聴ありがとうございました。

その他 野上浩太郎

野上浩太郎(国民生活・経済に関する調査会長)はい、ありがとうございました。

それでは次に諸富参考人にお願いいたします。

諸富参考人。

その他 諸富徹

諸富徹(参考人 京都大学公共政策大学院院長)はい、よろしくお願いいたします。

諸富徹 (参考人 京都大学公共政策大学院院長) 78発言 ▶ 動画
その他 諸富徹

京都大学公共政策大学院の諸富と申します。

今から20分で、税財政についてということで、お話をさせていただきたいと思います。

まず、財政についてということですけれども、最初はスライドの3ページ目、危機管理成長投資。

これは高市首相が地政方針演説で表明された内容をまとめたものでありますが、特徴的なのは財政の投資的な側面をすごく強調されたということだと思います。

財政支出といいますと、どっちかというと成長にとってむしろ寄与しない、あるいは逆に言うとマイナスであると、経済学で伝統的に財政大学の観点からは、公共支出というのは民間こそが成長に寄与すると考えられてきたわけですけれども、ここは大胆に成長投資という考え方と打ち出されたと。

柔軟な分野についてもよく言及されていますが、財政政策と産業政策が融合している側面をすごく表していると思います。

これは何も高市政権だけではなくて、この次のスライドですけれども、国際的にもそういう潮流に実はなってきているということなんですね。

これはやはり経済安全保障の単位と、この経済安全保障という考え方が強調されるにつれて、自国の産業で非常にクリティカルな部分を伸ばしていく、あるいはそのサプライチェーンを自国内で完全に完結させるということは、このグローバリゼーション自体は難しいですけれども、それでもなるべくクリティカルなサプライチェーンについては、自国、あるいは友好国、同盟国といったところで、なるべく完結する。

そういう意味では政府の役割というのを大転換をしてきたと思います。

どちらかというと産業に対して、これまでの新自由主義的な産業政策を過去40年ぐらいはそうだったというふうに思いますけれども、どちらかというと規制緩和、企業の活断、しかせにならない政府が、また法人減税をして負担減をして投資を自国へ誘致をする競争といったものを行ってまいりましたし、また産業が立地しやすいような条件整備をする。

これが政府の役割であると。

全額でなくても手伝っていって、リスクの高いところを政府が手当てすることで民間の投資を誘導していくというようなスタイルに変わってまいりました。

そういう意味では財政というのがですね、産業政策上極めて不可欠なパートを成すようになってきているということであります。

これで成長することによって、成長の上がりを今度再び国家がいわばリターンとして取ることによって、短期ではなく年度ごとではなくて、長期で収支金額を取っていこうという考え方が出てきているわけですね。

ただ一方で、こういう形で財政拡張の懸念、あえて懸念点というのを申し上げますと2つあって、課題1、課題2とこのスライドに書かせていただいている点ですね。

それから今まさに長期でというふうに申し上げましたけれども、一方で国会では短年度ごとにですね、予算というのは計上されて、それをまさに妥当性を審議する、すみません、国会の使命なんですけれども、例えばそれが10年単位で見ていくとなりますと、どういう形で国会が年々の予算をチェックするのかという問題が根源的に生じてくる、財政民主主義との関係が生じてくるということになります。

次のスライドを6枚目に行きますが、首相は多年度で別枠で管理する仕組みを構築するというふうに言及をされています。

具体的に言いますと、アメリカで実際にCBO、Congressional Budget Officeで研究部門を持っていまして、そこで使われている手法がダイナミックスコアリングと呼ばれるもので、これは同学モデルなんですけれども、例えば、柔軟な分野に対する戦略投資をやったことによってどれだけ成長が高まり、それによってどれだけ税収が上がってくるかというのを同学モデルを使って試算をする。

その中で必要な財政支出と上がりとなる法人税収の増収分というのを比較考慮して、後者が前者を上回るようであれば、支出が増収よりも少ないということであれば、あるいはイコールであれば予算を出せるというようなことをやるわけですね。

ただこれでもいろいろ問題がありまして、同学モデルというのは設定次第で結果が大きく実は変わり得るということはよく知られているところですし、また例えば10年間コミットするということになりますと、その間財政は拡張する一方で、果たして上がりとしての税収がしっかり入ってくるかどうかわからないわけですよね、本当のところ。

こういったリスクを国の側が抱え込むことになってしまいます。

次のところへ行きますね。

この点をもう少し展開しますと、産業政策的観点から言うと、民間から見ますと、10年間政府がしっかりコミットしてくれる、逃げないということが、やはり民間が投資をする際に、予見性という点で、確かに首相が強調されるように望ましいわけなんですね。

しかし一方で失敗に終われば、投資コストは回収できないということで、国家がいわば損失を、税収を失うという意味で、損失を被るということになります。

こういった投資国家と言うんですけれども、こういった投資国家としての国家の側面をどう見たらいいのかということですけれども、やはりどうやって10年間こういった予算枠を取る場合に、効果検証をしながら、仮にうまくいかない場合にチェックしていくかということは、一つ仕組みづくりとして重要ですね。

その意味では、定期的に財政支出とその効果検証、進捗度というものを国会の場で情報を開示して、まさに先生方に議論していただくという場を作っていくことが必要かなというふうに思っております。

また柔軟な分野というのは、相場なすぎると批判もあるんですが、他方でリスク分散と捉えることもできるんですね。

ベンチャーキャピタルのお金の出し方が、10案件を出して1成功するか否かという世界でやってるわけですね。

その代わり、その成功する1がドカーンと収益を、リターンをもたらしてくるわけですね。

他が損失しても、遥かにそこが回る収益を、数少ない成功事例がもたらしてくる。

今回はそういうギャンブルをしていいかという問題があるんですけれども、なるべくリスク分散して広く投資をするという考え方も、この点線のブルーのようになってしまい兼ねない部分もあります。

また1%程度金利が上昇しただけでどれだけ財政負担が高まるかは、この財務省の資料、左が昨年の資料で、右が今年の資料で、10兆円も財政負担が、金利が1%上昇しただけで増えているという資料でございます。

さて、それを受けまして、今度は税制について、じゃあこの負担をどうするのかということですね。

もちろん成長で100%上がればいいんですけれども、その投資の財源を普通は手当てしなきゃいけないというふうに考えなければいけないと思います。

小塩先生が既に社会保障の支出面について述べられたところですけれども、こちらなどは日本の社会保障支出の特徴です。

一番左が日本の特徴で、ブルーと紫のライン、これはほとんど高齢者向けなんですけれども、医療、介護、年金ですね。

日本の特徴はこの高齢者向けの3つの支出で8割ぐらいを占めているということで。

欧州などはこれに対して現役世代、家族手当だとか子育て支援とか、勤労者に対する職業教育訓練とか、こういったものを社会保障に含めて、あと住宅手当ですね。

こういったものが含まれているという点に大きな違いがあるかというふうに思います。

それからこちらをご覧いただきますと、社会保険料、日本は社会保険システムが基本ですので、保険料収入ももちろん大きいんですけれども、公費の比率が年々高まっているというのが趨勢としてございます。

その社会保険料ですけれども、次の13枚目に行きます。

報酬比例という言葉がございますように、賃金ベースで×%という形で保険料収入が入ってくる仕組みですけれども、これは頭打ちがありまして、賃金に対して一定の金額に達するとそこで上限がございますので、トータルで賃金収入に対する保険料負担比率ということで見ますと、高所得者に行けば行くほど負担率が低下するという意味で逆進性を持っているということがよく指摘をされます。

とはいえ、社会保険料の伸びがなければ、おそらく日本の社会保障のファイナンスはもっと困難に陥っていたであろうというふうに思います。

こちら14枚目にご覧いただいてますけれども、ちょっとブルー同士で見にくくて申し訳ないんですけれども、薄い方のブルーが社会保険料収入です。

バブル崩壊で一旦右肩下がりになってしまっていて、リーマンショックを超えて再び右肩上がりになっているのが濃い紺色が税収ですね。

税収がバブル崩壊以降、右肩下がりで減少していった時期も、社会保険料は引き続き増収をずっと記録していたという点で、非常に大きな財源調達効果を持っていたということになります。

ただし、ちょっとこのスライドはスキップさせていただきまして、こちらの6ページ目になりますけれども、結果として社会保険の負担率、社会保険料率とここで呼んでますが、これは上昇の軌道をたどってきたということになります。

また、人口の構成等が若い人ほど減っていますので、逆三角形になっているため、現役世代のより少ない人がより多くの負担を負うというような形で、どうしてもならざるを得ないので、社会保険料の負担をかつての若者、現役世代に比べて非常に高い比率で保険料を負担しているのが、この負担感につながっているということだと思います。

そこで考えられないかという議論が起きていて、それが全世代型社会保障構築会議というものの役割だったわけです。

そこで窓口負担を金融所得あるいは金融資産との関係で、窓口負担を引き上げられないかという議論が起きてきたわけでございます。

実際この資料に出ていますけれども、こちらの18枚目のスライドは、いわゆる純資産、資産から負債を引いた純資産で見ると、確かに高齢者の方が純資産が高いと。

現役世代は家を買ったり車を買ったり、子育てをしたとかで支出が多いし、どうしても負債が多くなってしまうということで、高齢者が余裕があるんじゃないかという資料が出たり、またそれは同時に高所得者の方が資産が大きいという示唆が行われたりして、応能的な負担にも合致するんじゃないか、こういう議論が行われてきたところでございます。

ただ私もですね、窓口負担を引き上げることに対して、若干慎重に考えるべきではないかなというふうに思っています。

じゃあどうするのかということなんですが、ここからがご提案というふうになりますけれども、福祉国家の財源を調達するには、これまでは社会保険料を引き上げるか、あるいはもう消費税を引き上げるか、二者択一というふうに考えられてきたわけですけれども、社会保険料は逆進性、あと現役世代に負担を課すと。

それから消費税もまた逆進的影響を持つのはよく知られている通りでして、そういう意味では国民の反発が非常に強いというのもまた事実でございます。

その中で海外を見ますと、今からご紹介いたしますように、新たな税、しかも社会保障目的の、いわば第二所得税とも言うべき税金を導入している事例が出てきております。

それがフランスのCSGということで、これは22ページに出てきているとおりでございまして、例えば社会保険料というのは、実質賃金税なんですね。

賃金ベースのみに課税をする報酬比例という形で課税をする税金と見ることもできます。

これに対してフランスのCSGは、実は金融所得や、ここに書いてますね、このスライドの下の方に書いてますが、くじやカジノなどの獲得金、それからキャピタルゲインですね、投資益というふうに書いてます。

こういったものに対しても課税をしていく。

大体所得というのは年金ですけれども、かなり広い。

これに対してどう対処するかという点でもですね、課税ベースをもう少し広げることによって、賃金だけにかけるのではなくて、こういったCSGのように金融所得に対してもかけていくタイプの応能的な社会保障目的税。

一方、社会保険の収入比率は引き下げられる一方、真ん中ちょっと上にあるCSGと書いてあります。

今ご紹介したものが4割近くを占めるようになってきていると。

こちらは要するに負担構造としてはより応能的になったということでございます。

またアメリカはオバマ大統領がオバマ政権の時にオバマケアを導入する一方で、その財源の調達に投資純利益税というものを導入いたしました。

同様に課税ベースは今申し上げたような金融所得や、それからキャピタルゲインにも課税をするというスタイルをとっております。

日本がと申しますと、日本は1億円の壁が問題になってきたぐらいでございますから、やはり金融所得とか分離で20%(※注:文脈により修正)1本で課税というふうになってきているわけですが、さすがにこれ問題だねと、岸田首相の頃からですね、これ問題提起をして、石破首相の時もこれ問題提起して、でもいずれの株価がボーンと下落したりしてですね、ちょっと断念、先送りというようになってきたのに対して、ようやく対処したのが、通称ミニマム税というもので、これは非常に私は大事な一歩が入ったというふうに思っております。

具体的に言いますと、図示するとこういうふうになるんですけれども、3.3億円控除されますけれども、3.3億円から、国税所得税の最高税率である45%の半分の税率、22.5%のラインが点線で右の方に引かれています。

ここに全金線がずっと点線で引かれてきまして、意味はこれ以下の税負担というのは、いくらなんでも高所得者であればですね、以下になるというのはいくらなんでもおかしいですよねと。

最低これぐらいは払ってくださいねというラインが引かれているわけなんですね。

現実の税負担は黒実線で一旦1億円で山に達して下がっていますので、これを下回っているところがちょうど斜線で引かれている面積の部分。

ここが全金線よりも現実の税負担が下回っているエリアということになります。

この斜線部分に対して課税をし税収を得ているのがこのミニマム税ということで、あまりにも税金が負担が軽くなってしまうのを是正する措置として導入されました。

こちら、しかし規模感をちょっと見ていただきますと、これは本当にまだ子どものような税金でして、左日本ですけど、納税者は300人、日本全体でたったの300人、税収5.5億円。

左、右側を見ていただくと、投資純利益税の方は、なんと納税者543万人、日本円にして3.7兆円の税収ということですから、国の規模の違いを考慮しても非常に大きな違いが。

日本はもう少しこの間接税を拡張できるんじゃないかな、そして社会保障財源に充てられるんじゃないかなと思っております。

これが最後のスライドです。

こういった税金を入れていく上でも、やはり税収基盤として所得をどういうふうにつかんでいくか、金融所得にしっかり課税をしようとします。

どうしてもマイナンバー制度の活用、銀行口座の紐付けといったことが必要になってきます。

こういった税制のデジタル基盤というものの整備も、ぜひ先生方に進めていただきたいなと考えております。

以上でございます。

ありがとうございました。

その他 野上浩太郎

ありがとうございました。

以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。

これより参考人に対する質疑を行います。

本日の質疑は、あらかじめ質疑者を定めずに行うこととし、各会派1名ずつ指名するよう整理してまいりたいと存じます。

発言は着席のままで結構でございます。

また質疑者にはその都度答弁者を明示していただくとともに、答弁を含めた時間がお一人12分以内となるようにご協力をお願いいたします。

質疑のある方は挙手をお願いします。

それでは釜谷智君。

質疑者 釜谷智

釜谷智と申します。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

お二人の参考人におかれましては、大変お忙しいところ、今日は大変貴重なお話を伺わせていただくことができました。

まず、小塩参考人にお尋ねを申し上げますが、我が国の公的医療保険制度においては、新たな治療法を公的医療保険に取り込むかどうかについては、有効性と安全性がしっかり確認できたものについては、基本的に公的な医療保険の中に取り込んでいくという、そういう方向で今運用されておるわけですが、先生がご指摘のように、高額の薬剤費がないと、とても手に入らない薬を徐々に入れてくることによって、非常にさらに医療費が上がってしまうということに対して、先ほど懸念も示しておられました。

この今の運用である有効で安全性も確認できたものについては、取り込んでいくという方針については、いずれそうはいかなくなるんだろうなということは漠然と思っておりますけれども、そのあたりについて、現時点での先生のご判断と、今後の見通しについてまずお伺いできればと思います。

その他 小塩隆士

はい、小塩参考人。

釜谷先生、どうもありがとうございます。

私も先ほど申しましたけど、中医協の仕事をしておりまして、その時にも高額の医薬品の保険収載がよく議論されました。

現行制度でもですね、市場で非常に薬が出回るようになると、薬価を引き下げましょうとか、あるいはその前に費用対効果のスクリーニングをかけるとかですね、いろんな仕組みがあります。

あるんだけれども、私の感じではやはり特例扱いのような感じがして、先生方ご存知のように先週もiPS細胞を使った高額の医療薬が保険収載されたんですけれども、ここまで頻繁に保険収載されるか、当時の厚生労働大臣は想定されていないんじゃないかなというふうに思うんですね。

ですからこれはぜひどういうふうな扱いをするかというのを改めて議論しないといけないと思うんですけれども、とりあえずですね、メリハリをつけるということは必要じゃないかなと思います。

実際に例えば、後発品が出回っている、いわゆる長期収載品って言うんですね。

それについてはもう保険の対象から外しましょうとかですね、そういうふうな取り組みもありますし。

それから私もその流れでOTC類似薬の扱いも検討せざるを得ないんじゃないかなというふうに思います。

そういうことで、高額医薬品はそれを待ってらっしゃる方たくさん、たくさんじゃないけど、本当に。

医療保険と別立ての保険を特別なものに対しては新たに構築するということを考える。

その場合の大事なことは、保険料をどういうふうにそれを払うかというところが非常に難しいので、現時点ではちょっと実現不可能かなと思っていますが、そのあたりについて先生の何かお考えがあれば。

はい、小塩参考人。

ありがとうございます。

現行制度でも先端医療については保険の枠組みの外で試験的に適応して効果を見ましょうというような仕組みがあると思うんですけど、これから医療技術がどんどん進むということになりますと、そういう基本になる医療保険の仕組みとは別に、若干試験的な形になるかと思いますけれども、医療技術の進展というのも必要ですので、それをサポートするような仕組みというのは別途用意する必要があるのではないかと私も思います。

以上です。

質疑者 釜谷智

はい、釜谷智君。

どうもありがとうございます。

なかなか難しい問題だなというふうにずっと考えておるところですけれども、いずれ国民の皆さんのきちんとした理解と協力をいただいて、そういうことも考えなきゃならないのかなというふうにも思っております。

それでは次に、諸富先生にお伺いを申し上げます。

今日の指摘の中で、今後、社会保険料に、特に社会保障の中で、特に医療介護はそうでありますけれども、社会保険料にあまり過度に依存しない形で税収を新たに確保するということはぜひ必要だろうと思って、今日のお示しいただいた一つの例も非常に参考になるなと思いながら拝見をしたのですけれども、一方、現状においては非常に先ほど先生がおっしゃった規模感があまりにも小さすぎるんですけれども、これを今後、ある程度のボリュームに増やしていくためには、どういう工夫や手立てが必要だというふうにお考えでしょうか。

ご教授賜れれば幸いです。

その他 諸富徹

諸富参考人。

ありがとうございます。

スライドの、もう一度そちらで言いますとですね、28万円、もう出ないですね、28万円、お手元を見ていただければと思いますが、一つはこの22.5%というこの税率を引き上げるという方法がございます。

これ、かなりえいやと決めたような感じでして、45%の半分という根拠であまりそれ以上の根拠がないですね。

あと特別控除額、なぜ3.3億円かも問題でして、これを3.3億円でなくてもう少し左の方へ寄せていくというような形でやればですね、この差分面積が広がりますので、そういう形で税収増を図っていくことはできるのかなというふうに思います。

質疑者 亀田敏

亀田敏君。

ありがとうございます。

それで、今お示しいただいたところと、それから、諸外国の様子も比較して、社会保障に目的を限った形で、税を定めるということは、大変理にかなっているとは思うんですけれども、私どもは消費税が福祉目的税と言われていながら、ちっともそうなっていないという経験があるので、ちょっとそのあたりは抵抗があるんですけれども、しっかり目的を限定するということは、諸外国においてはきちっと達成されていることと認識してよろしいのでしょうか。

その他 諸富徹

諸富参考人。

そうですね。

フランスのケースにおいても、アメリカのケースにおいても、もうこれは税。

やはり現在の増税に対する、負担増に対する国民の非常に大きな反発を考慮しますと、これをこういう形で国民に還元するという約束をしないことには、なかなか負担増の話は難しいのかなというふうに思いまして、こういう議論に対しては少し傾いているところでございます。

質疑者 川内里

川内里君。

ありがとうございます。

医療、介護、また福祉は、国民が生きていくためにもうなくてはならない社会基盤だと思いますので、何とかそれを維持継続していかなければいけないと強く思うんですけれども、一方で財源がなくなってくるとほころびが出てくるし、また我が国においては人口構成が今後ますます大きく変わりますから、地域によってはなかなかそれぞれの地域全てに医療・介護・福祉を十分にみんなの手当てするというのは難しいだろうなというふうにずっと日々考えているんですけれども、その中で何とか持続可能性を担保する意味で、この24ページでお示しいただいた、これはフランスの例だと思いますが、これまでの実績で社会保険料がこんなに下がったんだというのを私自身はこれを初めて知りまして、非常に驚いた次第です。

ですからこのような形での取り組みをすれば、幅広い会派の皆さんもきっと賛同していただけるんだろうなと思いながら、この表を見たんですけれども、さらにこれを我が国において導入する上において、何か懸念すべき事項とか、あるいは注意しなければならないことというのがありましたら、ご教示いただきたいと思います。

その他 諸富徹

諸富参考人。

一番問題は負担増となる金融所得を得ている人の反発ではないかなと。

これは税に置き換えることによって、例えばこの給付を受けている人は、それまで保険に入ることができない、あるいは保険料の支払いが滞ってしまって、給付を受けられなくなってしまったような人も、補完するために税財源に依拠していきましょうという話で始まりましたので、その点でプラスですし、それから社会保険料を引き下げる上で、企業の特に保険料負担を下げたんですね。

なので企業の国際競争力を引き上げるという意味でも、企業さんにとってもプラスだったんですが、唯一マイナスになるのは、金融所得を得ている人たちが負担増になるということですね。

そこをどういうふうに説得していくかというところがクリティカルなポイントかなというふうに思います。

どうもありがとうございました。

大変勉強になりまして感謝申し上げます。

今日はありがとうございました。

その他 野上浩太郎

終わります。

それでは小島智子君。

質疑者 小島智子

立憲民主党、無所属の小島智子と申します。

よろしくお願いいたします。

今日2人の先生方、どうもありがとうございました。

お配りいただいた資料も見せていただきながら、非常に興味深いというか、課題いっぱいあるなと思いながら、今日も聞かせていただきました。

まず、小塩参考人にお伺いをいたします。

高齢の方々が労働市場に参入することで働き手が増えている。

これは喜ばしいことだ。

健康もある。

それからメンタルが少し大変だなというようなお話もあったかなと書いてあったものに、そんなふうに思うんですけれども。

ただ、やっぱりある程度の年齢になった時に働かないということを選択できる自由みたいなのを手にすることができないというふうに逆に考えることもできるかなと思うんですが、そのあたりについてはいかがお考えでしょう。

その他 小塩隆士

はい、小塩参考人。

働かないという選択をできないという場合も確かにあると思うんですね。

それが私のお話の後半で申し上げた貧困の高齢化というものだと。

そういう深刻な状況に置かれる人が今後増えるんじゃないかなというふうに思っています。

そのために私、先ほど申し上げましたけど、社会保障ではちょっと対応しきれないので、年金をより充実したものにしていく必要があるんじゃないかなというふうに申し上げました。

質疑者 小島智子

ありがとうございます。

社会保障をどうやって担うかって難しいと思うんですね。

消費税をなかなか上げにくいですとか、社会保険料も負担が非常に多いとか。

二者択一ではということで、諸富さん、やっぱり第三の何か方法がいるんじゃないかっていうことでの、フランスのCSGだったのかなというふうに捉えさせていただいたんです。

調べさせていただいたときに、医療保険の一部だとか年金だとか家族手当だとか、いろんなものにフランスは使われているということでした。

非常に興味深いです。

お二方にお伺いをしたいんですけれども、やっぱり消費税は反発が大変あるので、社会保障等の財源としても引き上げるのは、これから先も非常に難しいというふうにお思いですか。

その他 小塩隆士

それではまず、小塩さん。

これは、私は最初に政府の給付の見通しをお見せしました。

あれを見ますと、私は大まかな計算ですけど、2040年に向けて社会保障財源としては、消費税率5%ポイントぐらいの引上げが必要かと思っています。

それぐらいの影響がこれからの少子高齢化に予想されるわけですね。

それを消費税なしで賄うということは、かなりきついんじゃないかなというのは正直なところです。

それをできるだけ軽減するにはどうしたらいいかということですけど、話戻りますけれども、やっぱり働ける人はできるだけ働くということが重要じゃないかなと思っているんです。

前回の年金財政もですね、皆さんが予想していたようにうまくいったところがあると思うんですね。

それほど負担をかけないで改革も切った。

それは何かというと、予想していた以上に、その対策の対策を。

1990年から名目賃金でも各国は上がっているのに、日本だけずっと横ばいできているわけでして、それに物価上昇が始まってきたわけですよね。

そうするとますますむしろ下がってきているので、最近ようやく大企業を中心に物価を上回る賃上げが可能になってきたので、ようやくそういう兆しが見えてきたなというふうにはなっているんですけれども。

要は実質賃金が下がっている中で消費税が食い込んでくると、非常に苦しくなる負担感というものが従来に増して食い込んでくる。

これが多分日本の有権者の方々の消費税に対する危機感ではないかなというふうに思うんですね。

なので消費税を上げられる、私は消費税否定論者ではなくて、消費税を使う必要はあると思っているんですけれども、その条件があって、それは実質賃金がプラスに持続的に、そういう経済運営を行うことではないかなというふうに思っています。

それが達成されない限り、実際には難しいだろうな。

なので、こういう往々的な議論を出しているような、そういう概念がございます。

質疑者 小島智子

小塩さん、ありがとうございます。

コロナの時に一律10万円給付というのがあって、あれ多分全額で13兆円ぐらい使われたというふうに言われていたけれども、例えば日豪のその調査なんかによると、7割ぐらいが貯蓄されたんじゃないかって、結局商品に回らなかったんじゃないかっていう、そういう研究結果が出ていると思うので、あの時の給付の意味は何だったんだろうっていうのが出されていると思うんですが。

ただ、あの時にベーシックインカムの話が少し出てきて、そしてそれはあまりにも規模が大きすぎて実質的ではないということで、ベーシックサービスの考え方が出てきたというふうに思っています。

消費税をどうやって使うかということにやっぱり主軸を置いて、その時はみんな同じ税率で逆進性もありますから大変だけれども、それをいろんなサービスでもってゼロで済む人がある程度の層、いかと言いますか、人たちに回るんだったら、それは考え方としてはなかなか難しいけれども、考え方としてはあるんじゃないかという話だったというふうに思うんですね。

先生方、ベーシックサービスについてはいかがお考えでしょうか。

お二人でよろしいですか。

その他 小塩隆士

それでは、小塩参考人。

ありがとうございます。

私もそれは非常に重要なお考え方ではないかなと思います。

どのような生活形態をしていても一定のサービスが得られるということは、消費税の逆進性などの問題を軽減する大きな一つの方法ではないかなと思います。

どこまでそれが国民の皆さんの納得を得られるかというのは別の問題だと思うんですけど、アイデアとしては非常に興味深いなというふうに拝聴いたしました。

その他 野上浩太郎

ありがとうございます。

野上浩太郎君。

その他 諸富徹

諸富参考人。

現状でもですね、社会保障の支出の受け手がどれだけ給付やサービスを受けているかということと、それからどれだけ税金や社会保険料で払っているかということのプラスマイナスをですね、ネット、つまり差し引きで計算したら、受け取り、あるいはその出の方が多い人もいるんですけども、それをその所得階層ごとに見たときに、ちゃんと累進的といいますか。

高所得者層になっている、ある一定程度の所得、高所得者層は払う方が大きくて、もらう方がそんなに大きくない。

低所得者になればなるほど払う方が小さくなって、給付はそれなりなので、プラマイでやるともらっている方が大きいというふうに明瞭に出てくる。

これは内閣府の試算でそういうのが行われているんですけれども。

先生のお話に伺っていると、ベーシックサービスというのはそれをもっと拡充して、消費税の負担は仮に逆進的かもしれないけれども、同様に支出の方もきちっと、むしろ低所得者層に手厚くいくはずだから、プラマイでやってみるとむしろ低所得者の方にとってはプラスになるよというお話だというふうに伺いました。

なので、あとはイメージですかね。

自分のところに確実にそのサービスが充実して生活が下支えされるという確信を持てればですね、イエスと言えるんじゃないかなと思うんですね。

その他 小塩隆士

小塩隆士君。

ありがとうございます。

質疑者 小島智子

いろんなことを調べていたら、今、給付とベーシックサービスの組み合わせというのが新しい考え方で出てきているよというふうなのがあって、ベーシックアセットというふうに書いてありましたけれども、それを組み合わせながら、国民の皆さんに本当に理解を得られるのであれば、例えば誰もスティグマを感じずに、その最後まで生きられるのではないかなというふうにも思ったところなので、なんかそういうことも今、小塩参考人がやっぱり国民会議の中でそういう全体像をしっかりと描いてお話しいただきたいというふうにおっしゃっていましたけれども、まさしくその方法論だけではなくて、仕組みそのものを論じるということは非常に大事だなというふうに思いました。

いっぱい細かいことは聞きたいんですけど、きっともう時間ですので。

ありがとうございました。

質疑者 鹿児島昭雄

はい、国民民主党新緑風会の鹿児島昭雄と申します。

本日は貴重なお話を賜りまして誠にありがとうございました。

まず冒頭、小塩先生にですね、2問ほどお伺いをさせていただきたいと思います。

その少子高齢化で支え手が不足をしているということはですね、どこに行っても言われる中においてですね、この就業率というもので見るんだというところについてはですね、私もなるほどなと思ったところであります。

社会的扶養力だったかな、ちょっと細かい文言を忘れたんですが、そういった形で日本全体として見てみたときに、高齢者の方々も働きやすくなっている、働きたい人も増えている中において、必ずしも危機感に駆られていただけではないというところで一点光明を見たなという気もしているんですが、そんな中で2点お伺いしたいことが、まず1点として、高齢者の影響もあると思うんですが、やはり今、外国人労働者の方々も増えていると思います。

この外国人労働者の方々が日本の社会保険制度に与えている影響について、まずお伺いをしてもよろしいでしょうか。

その他 小塩隆士

はい、小塩参考人。

私も具体的にどれぐらいのインパクトがあるかというのは承知しておりません。

ただ、日本の制度は国籍に関係なく平等に、国民皆保険を提供されるというのが原則ですので。

すみません。

具体的にどういうふうな影響を及ぼすかというのは分かりません。

ただ、これからその人たちをどういうふうに対応していくのかというのが重要な政策課題になるというのは承知していますけれども。

質疑者 鹿児島昭雄

はい、鹿児島昭雄君。

すみません、ちょっと急な質問で失礼をいたしました。

外国人労働者が増えているのでですね、先生おっしゃったようにやっぱり国民皆保険で、基本的に日本で働く人はみんな入ってくれという制度ですから、やっぱりこうした人たちにもちゃんと入ってもらう。

ちゃんと日本で働く上では働いてもらうということで、そうした中でこの一定程度社会保障制度の下支えとなり得るのであれば、そういった制度を考えていかなければならないと個人的には思っております。

もう一つですね、この就業率についてなんですが、全体的な就業者数ってあると思うんですけれども、この就業者数ってある意味、私の中で横軸みたいなイメージだろうなというふうに思っておりまして、その一人一人がどれくらい働くかによって、当然社会保障の厚みって変わってくると思うんですね。

なので、この一人一人がどれくらい働くかが縦軸なんだろうというふうに理解をしています。

そうした中、この高齢者の方々が、例えば一人一人一日一時間しか働いていませんでは、やっぱり社会保障の厚みのプラスにはならないわけでありますから、このあたり高齢者の方々で、先生把握の中でですね、どういったこの働き方の実態といいますか、具体的にこの人数は人数でいるけれども本当に厚みになっているのか、という部分についてご見解があればお伺いできればと思います。

その他 小塩隆士

はい、小塩参考人。

先生ご指摘のところは非常に重要でして、実は今日お見せしたグラフは働いている、働いていないの二分法でしかお見せしていないんですけど、実際には高齢者の人たちが働くようになったといっても、かなりの部分はフルタイムじゃなくてパートタイムということですので、先ほどの先生のご言葉です。

縦の部分、垂直の部分の働き方という点については、やはり若くてフルタイムで働いている人に比べると薄いなというふうなところがあります。

それについて二つの評価がありましてね。

一つは、いや、高齢者は働いてるって言っても、若い人に比べるとそんなに働いていないんじゃないかっていう見方ができます。

もうちょっと働くようにっていう見方もできると思うんですね。

もう一つの見方は、いやいやそうじゃなくて、高齢者になったらいろんな生活の過ごし方があるんじゃないか。

例えば週の3日ぐらいは働いて、残りは地元で町内会に活用する、あるいはもうお孫さんの世話を見るとかいう組み合わせもあっていいじゃないか。

だからパートタイムでいいじゃないかっていうふうな議論があると思うんですね。

ですから働き方の評価っていうのは、ちょっと高齢者になってくると若い人と違ってくると思います。

経済から見るとフルタイムで働いてもらった方がいいんだけど、最近の流行りの言葉で言うとウェルビーイングって言うんですかね。

もう少し広い立場から言うと、多様な生活スタイルがあっていいんじゃないかなっていうふうになります。

ちょっとこの見極めは難しいなというふうに思います。

その他 野上浩太郎

ありがとうございます。

はい、野上君。

質疑者 鹿児島昭雄

失礼しました。

ありがとうございます。

おっしゃる通りだなというふうに思っております。

やっぱりこのウェルビーイング、高齢の方々、定年退職をされた後の方々のこのウェルビーイングというものを、じゃあ果たして誰が支えるのかというところの納得感が、今なかなか若い人たちから得られてないんだろうなというところで、これを若い人たちも納得感を得られるようなものであれば、じゃあ60を超えて半分プライベート、半分仕事で過ごしていきたいというその要望にも応えられるのかもしれないななんていうことを考えながら拝聴しておりました。

ありがとうございました。

質疑者 鹿児島昭雄

続いて諸富先生にお伺いをさせてください。

ちょっといくつかあるので時間の許す限りお伺いをしていきたいと思うんですけれども、まずこの税と社会保障について、先生の資料の中でも15ページの部分で、一番左端の1979年と比べて今は社会保障財源の中における社会保険料と公費負担、つまり税金の割合というものが近づいてきていると思います。

こうした中で代替財源、税としての代替財源といったようなお話もあったんですけれども、例えば社会保険料の収入を増やそうと思ったらですね、先ほど質疑の中でもありましたが、例えばこの社会保険の料率を上げるだけじゃなくて、今標準報酬月額のアッパーが高所得の方々から比べるとそれなりに低い値に抑えられているとも思っています。

例えばこれを引き上げるであったりですとか、ただ中間層の負担が苦しいということであれば、累進課税化するであったりですとか、いろんな議論があると思いつつも、そうしたことがなされていないのは、やはり社会保険が保険だからだと思っています。

そうした中で、ただこうやって税金との割合が狭まってきてしまうと、そもそも社会保険の保険たる所以は何だったかと、いうようなことを私はこのグラフを見て感じてしまったんですが、先生、どのようにお感じになられますか。

その他 諸富徹

はい、諸富参考人。

そうですね、一つは、社会保険と税が近づいてきたことの一つの原因は、社会保障制度のこの間の改革があって、純然たる社会保険システム、ビスマルクモデルとも言われるですね、保険料と保険だけで仕組みを動かしてきたところから、だんだんと、なんていうんですかね、広井先生、私のかつての同僚であって、かつての厚生官僚でもいらっしゃったんですね。

広井由紀さんが議論されていると、だんだん日本の社会保障として普遍的なものに変わってきた。

つまり保険に入った人だけじゃなくて、保険に入れない人をなるべく回避する、なるべく多くの人を保険の中に入れるために、公費を入れることによって社会保険料の負担を抑えたり、例えば年金の場合、基礎年金は半分は消費税、かつて3分の1だったのを2分の1まで引き上げてきたりとか。

それから医療保険においても、例えば協会けんぽとか国保に対しては公費をやっぱり投入していたりとかいうことによって、保険間の格差をなるべく抑えていこうというですね。

日本のこの社会保険システムは、実は純然たる社会保険モデルではなくて、介護保険もそうですね、半々ですよね。

半分公費を入れることによって、保険料の弊害と言ったら、ちょっと言い過ぎなんですけれども、ギリギリ50%は保険料で収入を保つことによって、かろうじて保険システムとしての形を取りながら、でも保険だけで一挙した場合の様々な課題を避けるために半分公費を入れると。

しかも、保険者といった市町村間で財政力の格差があるので、それを慣らすための調整交付金まで入れているという、非常に便利な作用があった。

よくできた仕組みだというふうには思っています。

こういった国民皆保険、あるいはできる限り多くの人に恩恵が行き渡るような普遍的な仕組みを目指したゆえに、税金が補完的に入れられざるを得なかったというふうに私は理解をしております。

質疑者 鹿児島昭雄

野上浩太郎君。

ありがとうございました。

税金をどれだけ入れるのかというところで、いろんな議論があると思います。

社会保険料が増えていく見込みの中で、とはいえ現役世代もいっぱいいっぱいだというところで、社会保険料の収入というものをなかなか増やせない中では、それをどうやって税金でカバーをしていくのかという議論をしていかないといけないんだろうなと思っています。

そうした中で、もう1個あるだろうなと思っているのは、これまでの方々が積み立ててこられた積立金です。

それはGPIFの積立金が最たるものでありますけれども、私の中で一つ葛藤があってですね、やっぱりこの積立金額が多ければ多いほど運用益は増していきますので、可能な限り取っておいた方が運用益は出るという一方で、今この少子高齢化のグググッと絞り込まれている時期なわけですね。

この絞り込まれる傾きがあればあるほどやっぱりしんどいと。

反対に言えば傾きが一定になると負担の重さは変わらないわけですよね。

なので今がやっぱりしんどい時期なんだろうなというふうに思っています。

高齢者の方々が増えていく割に支え手の数が増えていかないと。

この傾きがですね。

そうした中で、こういう時こそGPIFの積み立て金なりを使って、現役世代の社会保険料を下げていくべきなのかどうか、というところについて、先生へのご見解があれば、お伺いしたいなと思います。

その他 諸富徹

諸富参考人。

ご指摘のとおりで、これはGPIFの収入を、大体この、今ご指摘いただいたページ15枚目のところでいうと、グレーのラインで、この資産収入というのは、まさにそこからの収入を意味していまして、重要な支え手になっていることは間違いないというふうに思います。

ただ一方で運用収入というフローの点を見ますと、このようにマーケットの運用になるので、きちっと毎年収益を上げているし、赤字になったり元本を毀損していない点はお見事だなと思いつつ、結構年によって収入がやっぱりマーケットの動向によってですね、振れているというのもまた事実でございまして、このあたりがですね、私もこれを活用する方法についてもっと積極的になってもいいんじゃないか。

その一つの方向は社会保険料を下げる、あるいは上げない代わりに、こういった資産運用によるファンドを作って、その資産運用にする収入を活用する方法というのがもしあれば、これはもちろん一考に値すると思います。

それだけの人材も日本には育ってきているんじゃないか。

金融資産はきっちり運用して収益を出していくんですね。

これは十分検討されるべきことかなというふうに、もちろん思いますが、一方でリスクもあるということは、抑えていかないといけないかなと思っております。

質疑者 鹿児島昭雄

野上浩太郎君。

はい、大変勉強になりました。

ありがとうございました。

質問を終わります。

質疑者 宮崎雅

宮崎雅君。

はい。

公明党の宮崎雅です。

どうも。

2人の参考人の先生方、本当に今日は貴重なご意見ありがとうございました。

まず、小塩参考人にお伺いしたいと思います。

高額療養費制度の見直しということが、今、国会の中でも議論をされているわけですけれども、先生が国民皆保険制度の岩盤となる仕組みであり、見直しには慎重であるべきだという、全く同感ではあるんですけれども、今後、やっぱり今は議論はされているわけですけれども、あるべき見直しの姿というのも改めてちょっとお伺いできればと思うんですけれども。

その他 小塩隆士

小塩参考人。

ありがとうございます。

高額療養費の見直しにつきましては、政府でいろいろ法案に向けてですね、慎重な検討がされてきて、数回にわたって医療費を受ける場合は、もう少し見直しとかですね、いろんな工夫がされていて、それ自体は肯定的に評価していいのではないかなというふうに私は思っています。

ただ、ちょっと危惧していますのはですね、高齢者じゃなくて現役の人たちが結構これから高額の医療を受ける機会というのが高まってきているんじゃないかなというふうに思うんですね。

それが私たちが今統計を見て確認している傾向でもあるんです。

そういうこれからの高額の医療の高まりに対応できている。

大臣ができているかと言われると、ちょっと危ないな、それこそ破滅的医療支出に直面する人たちが増えるんじゃないかなと思います。

ですから、できるだけそういう人たちが大きな負担にならないような見直しというのは、やはり考えていかないといけないのではないかなというふうに思っています。

質疑者 宮崎雅

宮崎君。

ありがとうございます。

それから事前に先生からいただいた資料の中で、健康と所得格差には連動性があると。

健康格差が拡大傾向にあるという、こういうご指摘はあったんですけれども、非常に高齢者が働き続けるという点でも健康ということが大事なことではあると思うんですけれども、健康と所得格差の連動性というようなところについて、ちょっともう少し御説明をいただければと思いますが。

その他 諸富徹

はい、諸富参考人。

所得格差が広がるとですね、所得の低い層がそれだけ医療サービスを受けられなくなるという形で、あるいは所得が低いと、いろんなメンタルな面も含めてですね、いろんな疾病率が高まるというようなことで、所得格差と健康格差は連動する傾向があります。

それは統計的にも確認できるんですけど、日本の場合幸いなことに、ニーズもちゃんと考慮した上で、健康な人は別に医療サービスを受けなくていいわけですからね。

そういうのを考えると、それほどお医者さんに実際にかかる今の仕組みは結構、そういう面での公平性というのが確保されているということは、一方で言えると思うんですね。

両輪で改革を考えていかないといけないなというふうに私は思います。

質疑者 宮崎雅

宮崎君。

ありがとうございます。

諸富先生、参考人にお伺いしたいと思います。

先ほどミニマム税というのは、いわゆる富裕層に対する課税ということですけれども、先ほど先生もおっしゃったとおり非常に規模感が今のところはそんなに大きくはないということで、金融所得課税というのがこれから非常にやる方向になってくるのではないかとは思うんですけれども、これまでも岸田政権も石破政権もですね、提案はしたけれども、実際は貯蓄から投資へという、そういう流れの中で実現はできなかったということがあるわけですけれども、これを導入することは不可避であると先生はお考えであるか、またその場合、どうやって導入していくべきだとかお考えか、ちょっとお聞かせいただければと思いますが。

その他 諸富徹

はい、諸富参考人。

岸田政権、石破政権の思いはあるにせよ、うまくいかなかった原因は、やっぱりなかなか金融所得に狙い撃ちをして課税することへの投資家さんの反発は非常に大きいし、それはマーケットに現れてしまいますし、特にその投資家の基盤、これは本当にそういうふうにやってきたからそうなった結果を生み出したとも言えるんですけれども、貯蓄から投資へという流れをずっと日本政府としても推進してきて、年配の方もそうですけども、若い人も含めて、以前は企業が年金を運用してくれていたけども、今は自分が会社に入ったら、確定拠出で、自分の自己責任で運用しなきゃいけなくなっていますので、極めて株式市場の動きに対して、若い人も含めて敏感になっているんだと思いますね。

そうしますと、これに課税。

ミニマム税のブレイクスルーは、ダイレクトに金融所得に課税することを避けたという、ちょっとネガティブな言い方をしますけれども、避けたという点だと思います。

これは実は申告納税でして、他の給与所得とも含めて合算した上で、一定以上の所得になる人に対して、差額課税、しかも本来納めるべき税金を下回っている場合の差額課税ですので、マイルドになっているんですね。

それから狙い撃ち課税としての側面を排除していますし、あとそもそも税金、金融所得税で狙い撃ちにしますと、根っこから20%かかるんです。

控除なしでですね。

だけど、これは申告で他の合算をした形になりますと、ちゃんと控除制度とかそういうのも提供されていきますので、この辺りが多分結果的にうまく導入できた。

しかし極めて限定的にしたことももちろん寄与しているんですね。

これは小さく産んで大きく育てるじゃないですけれども、これを大きくしていくことが日本的な道、一つの道かなというふうに思っております。

ダイレクトに先生が今、金融所得課税をダイレクトにやることの可能性ということで問われたのでしたらですね、なかなかこの先も正直言うと厳しいのではないかと思っています。

なのでこういうミニマム税の形がまあまあいい道ではないかなと思っております。

質疑者 宮崎雅

宮崎君。

ありがとうございました。

それでは、小塩先生にちょっとお伺いしたいんですけれども、いわゆる子育て政策で、先ほどご参考人からもお話がありましたけれども、今、ネット等で、こども家庭庁に対する解体論といったものも出ておりますし、また、子育て支援策を賄うための子ども・子育て支援金制度に対しては、独身税と、こういった批判が。

その他 小塩隆士

小泉防衛大臣。

上がってないし、またその成果を客観的に評価して、「ここがまずいね、じゃあここを改めましょう」というふうな、そういうEBPMという証拠に基づいて政策展開する、それが普通の今の政策立案のあり方なんですけど、その仕組みがそろっていないんですね。

そうなると、やっぱり解体論というふうな、非常に極端な議論が出てくるのはやむを得ないんじゃないかなというふうに思います。

じゃあどうしたらいいのかということなんですけども、私はこれ大変難しいと思うんですけど、ある程度の目標を具体的に設定すべきじゃないかなと思うんですね。

合計特殊出生率は直近で確か1.15ぐらいまで落ちていると思うんですけども、こういうふうな、私たちの政策パッケージを展開したら、例えばそれが1.2になりますよ、1.3になりますよというような。

これを出すと「女性にプレッシャーがかかってダメですよ」という反論があるんですけど、女性にプレッシャーをかけるんじゃなくて、こども家庭庁にプレッシャーをかけたいんですけど、そういう具体的な目標というのを設定していただかないと、「子ども支援金をこれだけ出したら、どれだけ効果があるんですか」に対して、「いやいや、皆さんにお渡ししているから、これは素晴らしいですよ」ということだけでは、ちょっと政策として完結しないんじゃないかなと思います。

目標をちゃんと設定して、それがどういうふうに達成されたかというのを評価する仕組みというのは、私は必要だろうと思っています。

その他 野上浩太郎

野上浩太郎君

その他 野上浩太郎

私は基本的に子育て支援政策に賛成しているということを前提なんですけれども、やっぱり見ていますと、大企業に勤めていらっしゃって、きちっと保険制度に入った中で出産する場合、それからその後子育てする場合に、きちんと充実した支援を政府からも、それから企業自身からも受け入れることができて、ちゃんと出生率もどうも回復しているらしいんですけども、課題はそういう大企業などの良い条件に就職しておらず、ご自身は非正規として働いている場合にはですね、なかなかそういう支援の網からこぼれてしまって、しかもこれとわけで、はっきり出ていますけど、結婚することができないですね。

特に男性の所得が低い場合、非正規の方の結婚率は非常に低いですね。

もうそこの所得と相関関係あるので、どうしてもこれでその子育て支援が、要は恵まれた人への支援に見えているのだと思うんですね。

結婚もできないし、子どもを持つ予定も恐らく希望もない中で、支援がどっちかというと恵まれた人にむしろ行っている。

子どももいて、家族もいて、支援もあると。

この格差感が「独身税」という名称になって、悲嘆の気持ちを呼び起こしているんだと思うんですね。

だから究極はやっぱり、そういった非正規の方々の就職だとか、できれば正社員化といったことをどうやって後押しするか、それから先ほどの委員会のベーシックサービスみたいな話もありましたが、そういったことを含めて、苦しい状況に置かれた現役世代の人たちをどうやって支援するか、見ることができるようにするか、それが一応根本課題じゃないかなというふうに考えています。

以上でございます。

ありがとうございました。

その他 野上浩太郎

野上浩太郎君ありがとうございます。

日本維新の会の野上浩太郎と申します。

本日はお二人の参考人の先生に大変貴重なお話をいただきました。

本当にありがとうございました。

その上で、まず最初に小塩参考人の方にお伺いしたいんですけれども、少し事前に用意していた内容が他の議員の方ともちょっと重なるところもありましたので、すごくピンポイントな質問になってしまいまして申し訳ないんですけれども、先生の事前にいただいた資料の中と、それから本日配布いただいた8ページの方で、高齢者の方が働かれる際に健康面だけであればあまり問題はないんですけれども、事前の配布資料の中ですと、どちらかというと精神的なところにフルタイムで働かれると影響があるというふうに記載されています。

どちらかというとストレスとかの軽減がされて、心身ともに健康に過ごされる方が増えるのかなと思っていたので、大変驚きを隠せないといいますか。

なので、この調査をされた上で先生のご知見をお伺いしたいんですけれども、柔軟な働き方ではなくて、フルタイムでストレスが増えてしまったという要因と、もし柔軟な働き方以外で何かできる対応策といいますか、施策みたいなのを教えていただければと思います。

お願いいたします。

その他 小塩隆士

小塩隆士(参考人)ありがとうございます。

事前に先生方にお配りした資料の中で、働いたら健康面でどういう影響があるかという説明をさせていただきました。

その中で先生がご指摘のように、プラスの面もあるんですけど、マイナスの面もあります。

やっぱりフルタイムで働くと、確かに健康面で全体的にはプラスなんですけど、やっぱりメンタル面でちょっと問題があるというところがあります。

部下だったものに使われるとか、若い人に指示されるといういろんな面があって、メンタル面でいろいろ問題があるというのがその通りなんですね。

それを軽減するためには、やっぱり柔軟な働き方というのがあっていいんじゃないかなという、そういうお話をさせていただいたところです。

実際に私は別の調査で、

その他 野上浩太郎

野上浩太郎君。

ありがとうございました。

本当に必ず働いてくださいという話ではもちろんないんですけれども、やはりせっかく働いていただいたり社会活動していただくなら、ご健康に活動される方が、ぜひご本人にとっても、そして社会にとってもより良いのかなというふうに思っております。

もう一点を参考人にお伺いしたいんですけれども、我が党はOTC類似薬の見直しを積極的に推進しているところではあるんですけれども、やはり支出の見直しといいますか、これだけ負担が増えていっている中で、ある意味支出の見直しを図っていくというのも本当に重要なことだというふうに思っております。

ただ一方で、やはりどうしてもこの医薬品に対しての保険算定に対してあまり積極的ではないご意見もいただくんですけれども、これをすることによるメリットを先生からの何かご知見で教えていただければと思います。

その他 諸富徹

諸富参考人。

はい、ありがとうございます。

私も中医協の議論を見ていてですね、OTC類似薬の議論どこまで出るのかって非常に興味があったんですけど、一応現行制度を維持しつつ、追加的に負担をしていただくというような仕組みに落ち着いたわけなんですね。

それをどう考えるかということなんですけど、これから議論が出てくると、私はもう議論者ができないんですけど、私はOTC類似薬は、保険から外していいんじゃないかなと思ってます。

というのは先ほどの議論もありましたけど、ちょっと高額療養費を使うようなリスクがこれから高まってくると思うんですね。

そういうことに備えるためには、相対的な話ですけど、相対的に重要でないものは保険の仕組みから外してもいいんじゃないかなと思っています。

ただ、先ほど言いましたように非常に慎重にしないといけません。

所得の低い層に負担が追加的にかかったり、あるいは私は専門家じゃないので具体的なことを申し上げられないんですけど、疾病リスクによってはですね、やっぱりOTC類似薬に頼らざるを得ないという人がいらっしゃるので、そういう方に対するケアはしっかりとしないといけないと思うんですけど、これからどんどん高まっていくような医療費というのを考えると、ある程度メリハリはあっていいのかなというふうに思います。

その他 野上浩太郎

野上浩太郎君。

小塩さん、本当にありがとうございました。

本当にいろいろ多岐にわたって社会保険料は負担が増えていくということで、先ほど、実質賃金が上がらない中で、やはりどうしても現役世代の負担が増えているということ、私どもも懸念をしているところでございまして、逆に言うと、現役世代の方、今だけではなく、本当に70歳、もしかしたら80歳ぐらいまで働かれるかもしれないと言われている中で、どうやったら負担の平等性を担保できつつ、なおかつ、疾病をお持ちの方とか、実際にご利用される方にとっても、メリットを残していけるのか、その方たちが安心して使えるのかということを、これからも追及できたらなというふうに思っております。

すみません。

時間が来てしまいまして大変恐縮なんですけれども、諸富参考人にもお聞きしたいんですけれども、先ほどお配りいただきました資料の中にもありましたとおり、諸外国に比べますと、日本はやはり社会保険料で使っていくところに、若年層への支出が少ない傾向にあると思うんですけれども、先ほど先生も別の議員のお答えの中にありましたとおり、その就労支援であったりとか、ということが必要かと思うんですけれども、改めてそのあたり、若年層へ必要な支援策として、先生がお考えの内容をお聞かせいただけたらと思います。

その他 諸富徹

諸富参考人。

一つはですね、失業したときの給付ですね。

おそらく日本はこれから、長期の一社に就職したら一生そこにいるっていうスタイルから、転職をしていくっていうのが普通になっていく。

日本は民間に任せていますけれども、それを担って、なんとメンターまでつけるらしい、精神的不安定になるのですね。

そういう形で次の職場に移っていくための支援を国がやるんですね。

ですから日本社会もかなり企業にいろんな意味で社会保障の機能を代替してもらっていたんですけども、だんだん企業はそういう意味では頼れなくなっていって、そうすると個人に対象に、現役世代に対して国が代わりに支援をしていくような形に変わっていかざるを得ないんじゃないかなと思っています。

その他 野上浩太郎

野上浩太郎君。

ありがとうございます。

本当に企業がある程度、余力がある時代であれば、企業がそのものの社員教育等もできたとは思うんですけれども、おそらく今の現状としてはなかなかそういったことができる企業も少なくなってきているのかなというふうには思います。

もう少し若い世代の方にとって、そういった転職であったりとか、学ぶ機会の確保っていうのがこれから先より一層重要になってくるのかなと思うんですけれども、先ほどおっしゃっておられました、失業の時以外にも国としても進めてはいるんですけれども、諸富先生から見て、今の政策の中でも少しこういうものがあったらなということがあればお聞かせいただけますか。

その他 諸富徹

諸富君。

はい。

スキルを上げるっていうことを考えなきゃいけないんですけれども、ちょっと気になってますのは、今後可能性としてあるのはAIの進展で新入社員を取るのを控える動きっていうのが兆候というか出てきてるんですよね。

これがどれくらい広がるのかがちょっとわからないんですけど、日本は企業はみんな新人が好きで若者をどんどん取りたがってたんですね。

我が大学もどんどん人を捉えまして、大学院なかなか入ってくれなくて困ってるぐらい。

政府がある程度教育訓練を担うというようなことも考えるのかなというふうに今考えております。

その他 野上浩太郎

はい。

ありがとうございました。

本当に時代の流れもそうなんですけれども、またしっかりとそうした世代間の格差がないように取り組んでまいります。

ありがとうございました。

質疑者 宮出千里

宮出千里君。

はい、参政党の宮出千里でございます。

本日は忙しい中、お二人の参考人におかれましては貴重なお話をいただきましてありがとうございました。

まず、小塩参考人にお伺いをさせていただきます。

先ほどの子ども家庭庁の目標値を設定すべきだというお話、本当に私ども参政党もいつもそういう主張をしておりまして、大変共感するところでございました。

今日お聞きしたいのは、就職氷河期世代のことなんですけれども、この層っていうのは本当に結婚を一度もしたことがないであったり、子どもがいなかったり、本当に助けてくれる家族がいない中で、単身の高齢者がどんどん増えていくということで、社会の居場所がないとか、生きがいがなくなってしまうと、介護のお世話になるのも早くなってしまうんじゃないかなというところがありまして、生活保護が高齢者におけるかなり助ける仕組みとして、かなり重たいものになっていくということは承知をしているんですけれども、そのために先手を打つ必要があるといったことで、先ほど少し年金を充実させるなどというお話もあったんですけれども、他にも何かこういったことをするべきだということがあれば教えていただきたいと思います。

その他 小塩隆士

小塩参考人。

ありがとうございます。

就職氷河期の人たちは、他の世代と比べて、就労状況、あるいは所得状況、比較的劣悪な状況に置かれている。

そのようにどうしていいかということなんですけど、先ほどは生活保護じゃなくて、年金で対応すべきだという話をしましたけど、もう一つアイデアがございまして、それはですね、最近、給付付き税額控除の議論が出てますよね。

あれ、最近では給付金ばかりを議論してるんですけど、あれ、オランダであるんですけども、社会保険料と給付付き税額控除をミックスするような仕組みができないかっていうふうに、そういうふうに思ってるんですね。

どういうことかというと、税額控除で税金を戻す代わりに、社会保険料を拠出したというふうに読み換えるんですね。

そうすることによって、実際には保険料払ってないんだけど、保険料払ったという拠出実績が残ります。

そうすると、就職氷河期の人たちが年金をもらうようになったとしても、社会保障のセーフティーネットから排除されるリスクは低下するんですよね。

あなたはちゃんと保険料払いましたよね。

ですから、ちゃんとサポートしますよというような仕組みがあるんですね。

そういうのを考えると、せっかく給付付き税額控除の話をするんだったら、社会保障とミックスした仕組みというのがあっていいんじゃないかなと思うんですね。

年金の場合でいうと厚生年金じゃなくて国民年金ですよね。

定額です。

定額っていうのは結構、所得の低い層にとってみては重いんですよね。

ですからなかなか入らないというふうなこともあります。

ということを考えるとですね、低所得の人たちをサポートするっていうときに、税の仕組みと社会保障の仕組みをミックスして、そのセーフティネットをより強固にするっていうふうな工夫はあってもいいんじゃないかなと思うんですけど、新聞なんか拝見してもそういう議論は国民会議ではないので、ちょっと残念に思っているところです。

質疑者 宮出千里

宮出千里君。

私も今その話を初めてお聞きをしまして、すごく画期的だなと思いましたので、また勉強させていただきたいと思います。

ありがとうございます。

あと、住宅政策についてもお伺いしたいんですけれども、先ほど諸富先生のお話の中でも出てしまったんですけれども、国立社会保障・人口問題研究所によりますと、将来推計で単身高齢者世帯が2050年に全世帯の10.6%、1084万世帯になるということで、厚生労働省が住宅と福祉を連携させた住まい支援の強化を進めているみたいなんですけれども、こういった高齢者の困窮がお金がないというだけじゃなくて、お家を借りられない、住み続けられないという問題が出てくるかと思いますので、その住宅政策を社会保障の一部として取り扱うことについて、小泉先生がどのようにお考えになっているかお聞かせいただければと思います。

その他 小塩隆士

はい。

住宅というのは、非常に今までの社会保障の仕組みには十分に入っていなかった政策だと思うんですね。

住宅というのは一番生活するための基盤になるインフラですので、それを社会保障の仕組みとして位置づけるということは重要じゃないかと思うんですね。

これは現金給付じゃなくて、現物給付の形を取るということになると思うんですけども、老後の生活を所得面じゃなくて、そういう住居面でもサポートする仕組みというのは、特に貧困の高齢化というのが深刻な問題になるということになると予想されますので、今から準備していくべき政策だろうなと私は思います。

その他 野上浩太郎

野上浩太郎君。

ありがとうございました。

質疑者 宮出千里

次に諸富参考人にお伺いをいたします。

先生がですね、これからの成長戦略として、設備投資よりも人の知識であったり、技能であったり、創造性というところに重点を置いて投資をしていくべきであるという考えに大変感銘を受けました。

その上でなんですけれども、先生、今の社会や経済の仕組みが、今のままでは長続きしないんじゃないかなと思います。

ありがとうございます。

資本という考え方を使って説明するんですけれども、社会の基盤と言ってもいいと思うんですけれども、資本というと生産のために使う資本のことはパッと思い浮かぶんですけど、私たちの社会を持続的に移行させるために、基盤となるものがすごく大事になってくると思います。

資本として最初に注目されたのはハードなインフラで、社会資本というふうに呼ばれるんですけれども、でもだんだんとその後の時代になってくると自然資本という考えも出てきて、自然資本、自然資源の豊かさが非常に大事だという認識が高まってきて、それは現在気候変動とかいろんな問題でも明らかになってきているんですね。

加えてコミュニティの重要性という点から人と人間関係ですね。

人のことは経済学では人的資本と呼ばれるように、日本でも最近、人への投資という言葉がすごく言われるようになってきたのは、人間というものが資本と呼んでいいかどうかはいろいろ議論もあるところですけれども、人にお金をかけて人の力を伸ばすことが社会のプラスになることは間違いないと思います。

注目されてこなかったのは人間関係の厚みという意味で、英語ではソーシャルキャピタルと呼ばれてきたんですけれども、パットナムというハーバード大学の先生が最初にそれを概念化してイタリアで実証したことで有名になったんですけども、さまざまな社会的な団体、集団、グループ、NGO、NPO、こういった社会のさまざまな活動が重層的に織り重なっている地域では、社会をお互いに支え合う力が強くて、そうでない場合よりも社会的に発展する、あるいは持続的であるという結果をパットナム先生が出されたんですね。

それで有名になったんですけれども、これはなかなか測れないので定量的には難しいんですけれども、社会的なネットワークの厚みと定義してもいいんですけども、それをやっぱり活発にしていかれ、支えていく。

高齢者同士のネットワークでもいいですし、地域住民同士のネットワークでもいいですし、そういうものが途切れないように支えていく。

孤立化していくことを防ぐということが、ソーシャルキャピタル、社会関係資本の厚みを支えることにつながるので、そういったことができないかなというふうに思っています。

野上浩太郎君。

はい、ありがとうございます。

今やっぱりインターネットだったり、スマホ一台でいろんなことができたり、AIとお話ができるような時代になってしまったりする中で、そういった人間関係がすごく希薄になっていると思うんですけれども、それをもう一回取り戻していくことで、日本はしっかりと支えていけるふうに作っていけるんだなということで、またこのソーシャルキャピタル、日本でもしっかりとやっていけたらいいなというふうに思います。

ちょっとお話はガラッと変わるんですけれども、格差と再分配というところの観点から少しお伺いをしたいんですけれども、これまで消費税が上がっていく中で法人税がどんどん下がってきて、結構大企業優遇だというふうに私は考えているんですけれども、こういった形で格差が拡大してきたのではないかなと思うんですが、この消費税と所得税と法人税のバランスなんですけれども、この少子高齢化と格差拡大という文脈で、これをどういったふうに再設計すべきだとお考えでしょうか。

その他 諸富徹

はい、諸富の参考人。

なかなか革新的なご質問で、根本問題だと思うんですけれども、ちょっと安倍政権の時ですね、法人税を下げて、私も政府の税制調査会で議論いたしましたけれども、同時に安倍政権の後、2回も消費税率を上げられたんですよね。

今からもっと本当に政治的に、今となったら困難ですけれども、2回上げられたということですね。

なので、こう、代替しているように見える。

中小企業さんが仮に利潤がゼロでも、税金は地域でいろいろ自治体だとかいろんなところからそれなりに便益サービスを受けているから、それの対価をちゃんと払ってもらいましょうということで、実質的に増税されたんですね。

そういうことで、どっちかというとそれまで税金を払っていなかった中小企業さんが負担増になって、その分大企業さんの税が軽減されたというのが実情です。

これをどう捉えるかですね。

経済がやはり当時の議論ではグローバル化していく中で、稼いでいる企業の後押しをしなきゃいけないと。

国際競争力を強めるために彼らの負担を下げて、今負担していない人にきちっと政府から受けている恩恵の対価をもっとちゃんと負担してもらうということで、中小企業さんに外形標準という形で課税したのが実情だったと思います。

今再設定するとどうするか。

今やっぱり問題が10年経ってみて、じゃあそれが本当に後押しになったのかと、必要な減税だったのかと問われていると思います。

つまり投資は増えていない。

むしろ海外にどんどん投資をしていく。

内部留保が増えている。

こういった状況から法人税に対して、もう一回増税すべきではないかという議論も出てきていますし、その代わり、例えば人的資本投資に熱心、賃上げ熱心、国内に設備投資にしっかりやってくれる、こういったところに対してしっかり手当をする。

つまり減税する。

上げながら片方で減税するというふうに切り替えていくべきじゃないかという議論になってきているんですね。

消費税に関しては先ほど申し上げました。

なかなか今ちょっと政治的には上げる議論にはなりにくい。

でも経済を成長の軌道に乗せることができて、賃金が持続的に伸びる状況になってくればですね、消費増税の可能性は出てこないわけではないというふうに考えています。

それまではやはりちょっと格差を縮小するために、先ほどプレゼンで申し上げました累進的な負担というものを実現していくのが、まず先決かなと思っております。

以上でございます。

その他 野上浩太郎

野上浩太郎(国民生活・経済に関する調査会長)お時間が過ぎておりますので、発言をお待ちください。

すみません、時間が参りましたので終わります。

ありがとうございました。

野上浩太郎(国民生活・経済に関する調査会長)

質疑者 白川陽子

白川陽子君。

白川陽子はい、今日はお二人の参考人の方、本当にありがとうございます。

いつもより長めにお話もいただきましたんで、本当に勉強になりました。

ありがとうございました。

それでですね、まず諸富参考人にお伺いをしたいと思うんですけれども、この資料の18ページのグラフなんですけれども、私は年金というのは、日本の年金とか老後の資産とかいうのは、とても日本の経済にとって大切なものだというふうに思っているんです。

それで、特にこの金融の残高のところなんですけれども、このグラフを見てみますと、若い世代は家のローンがあったり、奨学金の返済があったりということで、負債残高というのが多い。

しかし金融の資産としては低いというようなところというのはよくわかるんです。

今、先ほども少しお話ありましたが、老後2000万円問題ですとか、そういうふうなことで、皆さん本当に真面目だなと思うんですけれども、それにふさわしいだけの老後資産を蓄えられているということだと思うんですけれども、ここに金融資産に対して税金がかかってくるということになりますと、日本経済に与える影響というのはどのようになってくるのかということを、ぜひ、諸富先生、お話を伺いたいと思います。

その他 諸富徹

諸富徹(参考人 京都大学公共政策大学院院長)資産課税はいろいろ経済的な議論がありまして、相対的に生活に必ず必要な意味で取り崩していくわけですよね、高齢者の方がですね。

ですので、その部分の資産に課税してしまいますと、生活力の低下に直結しますので、そこは考えなければいけないと思います。

一方で、現在非常に株価が上昇していますように、ストックでかなりそういう、株式とか国債とかいろんな債券金融商品で富をお持ちの方もいます。

こういう富に対しては一定程度課税しても、その生産生活に対して食い込むわけではないので、その成長に対してそれほど大きな影響を与えないはずだ。

これはもう経済学でかなり古くから、財産課税なぜいいのかという議論のときに、直接そこから生産に出すための資産に対して課税すると資本蓄積を阻害するけど、そうでない、それ以上の資産に対しては課税しても、経済成長プラスマイナスゼロになるという議論がずっとあります。

ただそこでどこを線引くかって常に問題です。

それから先ほどのミニマムタックスの議論をしたときに、政府内の中で議論になったのは、いや、そう言っても、資産の中から今度はベンチャーキャピタルなんかが代表ですけども、スタートアップなんかに対してきちっと出資をしたりとかしてリスクを取って出資をしている。

これが成長に回っていく。

失敗も多いわけで、それをあえてリスクを取って出していく原資にもなっているので、ここに課税されるとやはり困るという議論も一方でございます。

なので、一般論としては私は先ほど言ったとおり、一定以上の資産に対しては課税しても成長の影響はなしという見解なんですけれども、ただ細かく議論していくと、今言ったようなベンチャーキャピタル投資とか、そういうことに対しては若干議論の余地は残っているということでお答えをいたします。

質疑者 白川陽子

はい、白川陽子君。

ありがとうございます。

申し遅れました。

日本共産党の白川陽子です。

よろしくお願いいたします。

それでですね、もう一つ、次のページの19ページのグラフなんですが、これで階層別に分かれていますよね。

この18ページと19ページとのはリンクしていると思うんですが、この第5階層というところが、こちらにも反映、18ページの方にも反映をされて、全体的には金融資産が多いような、そういう面にも見られるんですが、これってパーセンテージ的、割合的に言うと、この第1階層が一番所得の低い方ですよね。

こういう方がどれぐらいいらっしゃるのか、第5階層というのはどれぐらいの割合でいらっしゃるのかというのは、分かりますでしょうか。

その他 諸富徹

諸富参考人。

どうやってこれ、階層を分けたのか、所得基準で分けたのであれば、先生おっしゃるとおり、人数にばらつきがあるはずで、多分、第5階層は少ないんでしょうけれども、人数で等分したのであれば、人数的な均等配分になっているはずなんですけど、この統計の作り方をちょっと存じ上げていないので、総務省にちょっと聞かないとわからないところです。

すみません。

質疑者 白川陽子

はい、白川陽子君。

はい、ありがとうございます。

それとですね、もう一つ諸富参考人にお聞きをしたいんですけれども、この1億円の壁問題です。

26ページのグラフのとおりですけれども、先生もおっしゃっていただいたように、所得、2025年度から大体300人ぐらいの方を対象に、3.3億円を超える以下という、3.3億円に引き下げられた、対象が引き下げられたわけですけれども、私たちもこれずっとこれを主張しておりまして、それで去年ですかね、税制大綱で閣議決定された税制大綱で、これを1億6500万円ぐらいまで引き下げるということで、大体約2000人ぐらいが対象になるということで、税率も22.5%のものを30%に引き上げると。

この1億円の壁をもう本当に崩してしまうという意味で行っていけば、かなりの税収変わってくるというふうに思うんですけれども、この辺、先生、もう少し拡張できているのかというのは、先ほどの、先のご答弁にも少しありましたけれども、もっと左へ寄せるとかいうことでしたけれども、もう少し具体的にお話をお聞かせいただけますでしょうか。

その他 諸富徹

諸富参考人。

そうですね。

先生、御指摘のとおりでして、この直線のところでこう、まず頂点に来て、下がっていること自体が、そこから先、右へ行けば下がること自体が問題ですよね。

本当はフラット、せめてフラットに頂点から下がらないように線を引いて、そこを維持するような風をするとすると、この特別控除額を相当左へ持っていくというような形で、頂点のところを越えたところで下がりだしたら、そこの差額に対して課税ということをやってもいいと思うんですよね。

本当ならもうちょっと上がっていく線を引いて、その差額をやればもっといいわけですけれども、少なくともフラットにすべきだという意見は言えるんじゃないかなと思います。

そうするともっと税収も上がるし、格差是正もできると思いますね。

質疑者 白川陽子

はい、白川陽子君。

ありがとうございました。

もう一つ、法人税について聞きたかったんですけれども、先ほどもご質問ありまして、とりわけ先生も事前にいただいた資料の中でも、著書の中ですかね、にも書かれてありますけれども、この法人税においてということで、やっぱり私は、超大企業のところについて法人税もきちんと儲けに応じて納めていただくという方向に変えていくということがすごく大事だと思うんですね。

それでやっぱりいろんな開発研究なんとかで法人税がマイナスになったりというような、先生もお書きになっているように政策手段としてこういうふうにこちらへ引っ張ってくるみたいな感じで使われているわけですけれども、この法人税についてももっとこう具体的に先生お考えになっている法人税のあり方というところはございますでしょうか。

ちょっと先ほどと重なるんですが。

その他 諸富徹

諸富参考人。

そうですね。

法人税下げたら企業が原資を厚くして、それをもっと競争力投資に突っ込んでもらって、日本の企業が競争力を増して富を増やしてくると思っていたんですが、話はそう単純じゃなかったと。

法人税についてもう1回反省期に入っている。

反省というのは、かつて2010年代から続けてきた法人税減税と、それから政策的な優遇措置をもう1回見直す時期に来ているんじゃないかなというふうに思います。

そういう意味では常に法人税見直しが必要で、税率については下げる一方の議論だったのが、しっかりした課税をちゃんとやるというふうな方向に私は行ってもいいのではないかなと思います。

質疑者 白川陽子

はい、白川陽子君。

ありがとうございます。

すみません。

小塩先生、時間がなくなったんですが、ひとつだけお聞きをしたいんです。

先ほども少しご質問あったんですけれども、この貧困の高齢化についてなんですけれども、これに対する懸念を先生も事前の資料の中でもかなりお書きになられていて、それで、この貧困の高齢化、特に就職氷河期世代の皆さんとかが、こういう高齢者になる。

そういう時に、具体的にどういう社会になっていく懸念があるのか、それからそれを防ぐためには、今どういう対策を打てるのかということを、最後にお聞きしたいと思います。

その他 野上浩太郎

野上浩太郎会長。

参考人、時間が参っておりますが、簡潔にお答えいただければと思います。

その他 諸富徹

諸富徹参考人。

あまり明るい絵が描けなくて、一人住まいで年金もそんなにたくさんもらっていない生活に困るという人が増えるんじゃないかなというふうに思うんですよ。

そういう人たちのために生活保護があるじゃないかということなんですけど、私、生活保護は高齢者がどんどん困窮する。

もうちょっと国民年金の拠出期間を長めにするとか、あるいは場合によっては、これも反対あるのを承知していますけれども、余裕のある厚生年金から国民年金、基礎年金の方に資金を動かすとか、そういうふうな仕組みというのが必要になるんじゃないかなと思います。

やはり私は生活保護じゃなくて、年金で高齢者の生活保障というのはするべきだというふうに思っております。

ありがとうございました。

その他 野上浩太郎

終わります。

質疑者 お続き智美

お続き、智美君。

先生方、今日はそれぞれ20分という短い持ち時間の中で、社会保障をと言いますと、私の父も一生懸命取り組んで参ったんですけれども、もう三日三晩あたってそんな語り尽くせるか今の問題って。

ずっと言ってきたことを大変短い時間で非常に分かりやすくご説明いただいてありがとうございました。

今日は大変国会に行ってタイトでございまして、私ラストバッターでございますので試合時間が延長しないように、かつ申し合わせの時間を大切に質問させていただきたいと思います。

今日のお話をお聞きして、まず最初に小塩先生に感想です。

子育て支援策が少子化対策と混同されているという、これは本当に私もずっと大問題だと思ってきております。

子育て支援で少子化には歯止めはかからない。

そこはもう見つめないといけないことだと思っています。

自分たちの世代への投資が圧倒的に少ないという若者たちの不満。

これに対する政府から一つのアンサーなのかなというふうにもちょっと子育て支援について私は一部理解をしながらそういう形で納得をしているというところで、先生のご指摘その通りだなと思いながら拝聴しておりました。

質問はちょっと鹿児島議員のご指摘と重複するんですけれども、先生の支えられる側から支える側へ、分母から分子へという考え方、特に高齢者の就業については、支えられる側の重さを減らして、支える側の持ち上げる力を増やすという意味で、言ってこいでプラス2という意味合いがあって、非常にご本人方が働きたい、そして働けるという状況においては、政策で強く後押しをしなければならないことだなと思っていますと聞いておりました。

同時に、支える、持ち上げる方の力という意味で言うと、人数を増やすということと、やはり一人一人の支える力をどう後押ししてあげられるか、増やしてあげられるかということもあるんじゃないかなと思うんです。

特に女性が妊娠・出産に際して今まで正規雇用から非正規雇用に転じると、生涯年収が桁が変わってくるというような調査もありまして、やはり一人一人が輝くとか活躍するとかっていう表現を使いますけれども、それが実は社会全体の全体幸福にもかなうということかなと思うんですけど、その支える側の皆さんの支える力を助けるという意味で、何か先生、お考えがあれば教えていただければと思います。

その他 野上浩太郎

野上浩太郎会長。

その他 諸富徹

諸富参考人。

諸富徹参考人。

はい。

私は支える側の話を、簡単に言ってしまうと、頭数でしかお話をしておりませんでした。

でも先生がご指摘のように、支える側一人一人の力を強めるということが重要だと思います。

二つ重要な点があると思います。

一つは、教育投資を高めるということですね。

人的資本を強くして、それぞれ一人一人が生産性を高めるということになれば、頭数が少なくなっても、それだけ支える力が増えるということです。

もう一つは、先生ご指摘のように、特に女性の場合、出産子育てで中断するような仕組みというのはまずいんじゃないかなというふうに思います。

その分析も私たち実はやっていまして、これはアメリカで男女差別の研究のその成果、出産子育てもあるんですけども、キャリアが出産子育てで中断すると、昇進も悪くなるし、それから賃金も良くないというのは、アメリカでも起こっているということなんですね。

そういうのを考えると、キャリアが途中で中断しても、その後しっかりと活躍できるという場が必要であると思います。

出産子育てというふうな中断があっても、一人一人支える力があるということが必要だと思うんです。

そのためにやっているのは、私はその点でいうと、こども家庭庁が展開されているような子育て支援というのは、その意味では重要だというふうに思っています。

質疑者 お続き智美

野上浩太郎君。

ありがとうございます。

私もそういう視点からもう一度、子育て支援政策を見つめ直してみたいなと思います。

で、諸富先生、すいません。

まさに先ほど言及しました事前資料の資料3で、先生が「不満募る若者たち、割に合わぬ感覚と、持てぬ主権者意識」ということで、インタビューを答えてらっしゃるんですけれども、他の先生のご著書の後書きでも「政治家は本当に必要な負担だったらきちんと国民を信じて説明をすべきだ。

それに納得は必ずしてもらえる」というふうに書いてらっしゃって、勇気をもらうところなんですが、やっぱり若い世代に、私はこれ常々昔から思っているんですが、もっと税金とそれによって負担することについて、子どもたちの教育をきちんと重ねて、国民側も正しく批判する力というのを醸成していくべきなんじゃないかと思っているんです。

先生、研究者でありつつ、やはり指導する立場で学生さんたちとも普段接しておられると思うんですけど、この点について何かお気持ちとかお考えがあれば少し教えていただけますか。

その他 諸富徹

諸富徹さん。

もう大変私が言いたいところの一部をご指摘いただきありがとうございます。

おっしゃるとおりでして、税金は、私も実は中学校、高校の社会科教科書を指摘しておりまして、必ず掛けと言われるのが、税金は義務であるということですね。

なので、その対価と、つまりそれでどういうふうに国民生活が豊かになるかということとは別に切り離して、「とにかくこれ納めなきゃいけないんだから、税を納めなさい」というこのトートロジーで終わっちゃうんですよね。

だからそれだと負担感しかないんですよね。

だから主権者であるという教育はすごく文科省をやろうとしてまして、大事だと思います。

主権者としてより良い社会を選び取っていく中で、でもそのより良い社会を実現するにはお金が必要。

そのお金をなるべくフェアな形でみんなで分かち合って負担していくっていうことを統合的に教育していくことで、子どもたちが「あ、だから税金払わなきゃいけないのか」って納得する教育を本当はしないといけないなと思ってます。

そうでないと江戸時代の年貢みたいなイメージで終わっちゃうので、先生のご指摘のとおりだと思います。

質疑者 お続き智美

野上浩太郎君。

失礼しました。

ありがとうございます。

本当に私もそう思っていて、税金って払わなきゃいけないだけだということではなくて、やっぱり救急車も消防車も無料で駆けつけてくれますよねという、そういう基礎的なところからやっぱりちょっと一度話をしないといけないんじゃないかなと思っておりましたので、ご意見をありがとうございました。

私の質問はこれで終わります。

その他 野上浩太郎

他にご発言もなければ、参考人に対する質疑はこの程度といたします。

参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。

皆様には長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。

調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。

それでは本日はこれにて散会いたします。