牧野俊一(参政党)牧野君。
参政党の牧野俊一です。
本日もこちらで質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
先日こちらの方で、ネットの資金需要という観点からお話をさせていただきましたけれども、先ほどから大臣のご発言にもありますように、これまでの日本の財政運営のあり方というものが、民間も含めて圧倒的な国内の投資不足があったといった状況の中にあって、唯一政府という存在が一歩前に出て積極的に投資を行っていくことによって、そして初めて民間の投資も呼ばれていくという側面がございます。
このたび、高市政権における責任ある積極財政という考え方のもとで、単年度のみの収支をずっと見ていくのではなくて、複数年度の中でバランスを見て、そして積極的に国内投資を喚起していこうという姿勢は非常に評価しております。
そうした中で、今回それをやっていくために必要なものの一つとして、特例国債法というものの改正が期日が来ているという状況でございますが、この度、この特例国債法の第5条というものが新設されまして、行財政改革を徹底していくという旨の記載がございます。
いわゆる、いろんなところにある無駄の削減というものは、当然行っていくべきところ多々あるというふうに、先ほどおっしゃっていただいた3万を超える民間からのいろいろな意見、そうしたものをこれから政府の方で精査していただいて、具体的な方針に落とし込んでいかれることと思います。
けれども、そうしたところもある一方で、短期的には税収の増加につながらないからといって、決してそれを無駄だと考えてはいけないという分野も必ずあると思います。
特に日本は災害が非常に多い国土でございますので、中には「平時に財政余力をしっかり確保しておいて、災害などの有事に支出できるように備えるべきである」というふうな議論もございますけれども、私の話は全く逆だというふうに思っています。
通貨というものですね。
今皆さんが使っている1万円札がございますが、現代の貨幣というのは金太換紙幣ではなくて不換紙幣でございますから、この価値を支えているものの本質は何かということを考えますと、よく貨幣に対する信用とか政府の信任とかというふうな表現がなされますけれども、この通貨の価値を支えている本質というのは、「それを使って大体1万円あればこれぐらいの買い物ができて、1週間どうにかやっていける」という想像がつくからです。
なぜその想像がつくかというと、それだけ私たちの生活に必要なものとかサービスが潤沢に、どこかで誰かが作ってくれて、流通してくれて、売ってくれている。
この供給能力というものが社会全体できちんと確保されているからこそ、この1万円とかの通貨がきちんと価値を持つようになるんだと思います。
実際、私が以前北海道に住んでいたときに、北海道東日本大地震で全土ブラックアウトというのが3日間ございました。
あの3日間、どこの電気も一切つかなくなりましたので、公共交通はすべて止まっています。
信号機も一切ついていないし、お店は全部閉まっていて、そして蛇口をひねっても水も出てこないというふうな状況にあって、そのときだいたい財布に3万円ぐらい入っていましたけれども、その電気が復旧するまでの間の約3日間、ほとんどその3万円は何の価値も持ちませんでした。
あのときほど、本当にお金の価値というものを支えているものの実態、その本質というものがエリア全体、国全体における供給能力なんだということを痛感したことはありませんでした。
この供給能力というものは、これの非常に恐ろしいところは、それをつくって育てていく過程においては非常に手間と時間がかかる一方、災害とかによって、あるいは廃業とかそうしたことで供給能力が破壊されるのは一瞬であるということに、ちゃんと注意を払わなきゃいけないということです。
今回、この特例国債は将来世代に対して負担を先送りすることになるから、できるだけ発行しない方がいいという考え方もあるというのは理解しておりますが、実際には、そうした緊縮的な施行によって、必要なインフラ、あるいは防災投資をやらなかったということの結果、昨年、八代市で道路の陥没が起きて、人が落ちて亡くなったりとか、あるいは2020年に九州の人吉市というところで洪水被害がございました。
あの洪水も、だいたいその被害総額550億円、そして死者20名でした。
対して、その上流にできるはずだった川辺川ダムというダムがございました。
その予算額、計画当初で3300億円で川辺川ダムの計画がございましたけれども、これが2008年当時、民主党の事業仕分けという政策によって、その建設がストップされてしまったんですね。
もしこの川辺川ダムが完成していれば、あのときの人吉市の水害は、およそ6割ほどは軽減できたんじゃないかというふうな国交省の調査結果もございます。
したがって、特例公債とか国債を発行することによって、未来の世代につけを回すなという議論があるのは承知していますけれども、本当の未来の世代に対するつけというのは、こうやって必要な投資を行ったということによって、まさにこの野潮の陰没もそうだし、あるいは人吉の事例もそうですけれども、未来への投資を行ったことによって、今の時代を生きている方が命をもってその代償を支払っている。
もうこれはお金の額面の話ではなくて、本当に人の命がかかった。
命をもってその代償を支払う。
これこそがまさに本当の意味での未来の世代に対するつけではないかというふうに考えています。
ですから、そうしたことを前提に、平時からしっかりと予算措置をして国土強靱化の投資を行っていくべきですし、また今後人口が減っていくということを前提として、道路などのインフラの一部を放棄せざるを得ないところが出てくるといった考え方もあると伺っていますが、こうした災害が多い国土においては、全国のいたるところに交通とか通信もそういったものをはじめとしたインフラをきちんと整備して、そしてどこに住んでもきちんと豊かな生活が、安全な生活ができますよということを担保することによって、意図的に国民の皆さんに分散して住んでいただく。
このことが極めて重要だというふうに考えています。
そうやって分散して住んでいただいて初めて、いざというときにどこかがやられたときに助けに行ける人がいるという状況になってくれますから、「選択と集中」だといってそれを究極まで突き詰めれば、とにかく首都圏ばかりどんどんインフラを投資してということになっていきますけど、そういったときに首都直下型地震とかが起きたら、今度助けに行ける人がいないという、そういう日本になっては絶対に行けないと思います。
ですので、今言ったようなインフラの投資の話は、特例公債ではなくてもちろん建設国債から出てくるようなそういった予算になりますけれども、政府の目標としまして債務残高対GDP比率を安定して引き下げていくという目標がございますので、その目標がある中で特例公債が増えざるを得ないという状況が起きたときに、反対側でこの建設国債といったものを使ってやるべき、命とか豊かさを守るインフラ投資とか防災投資、国土強靭化の投資、こうしたものがワイズスペンディングという考え方のもとで、切り捨てられてしまうことがないかということを非常に危惧しております。
このワイズスペンディングという考え方のもとにおいて、この地方のインフラとか防災対策を財政面で切り捨てることはないということをお約束いただけるかどうか、財務大臣の立場からお答え願いたいと思います。