予算委員会

衆議院 2026-03-10 質疑

概要

令和8年度予算案に関する公聴会が行われ、社会保障、財政政策、エネルギー安全保障、労働環境の4つの主要分野について専門家による意見陳述と質疑が行われました。社会保障では国民皆保険の持続可能性と高額療養費制度の見直しに伴う患者負担増への懸念が議論され、財政面では統合政府の視点による健全性評価や社会的割引率の見直しによる公共投資促進が提案されました。エネルギー分野では、中東情勢の緊迫化によるホルムズ海峡封鎖のリスクと、それに対する原子力発電の再稼働や次世代炉導入の重要性が強調されました。また、労働分野ではエッセンシャルワーカーの処遇改善や裁量労働制の適正運用、ハラスメント防止策の実効性確保について議論が交わされました。

発言タイムライン

自民中道改革維新国民参政チームみらい共産政府委員長・議長
0分55分1:502:453:404:355:306:25塩川鉄

発言者(24名)

質疑応答(117件)

国民皆保険制度の持続可能性と構造的課題
質問
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 国民皆保険成立時の社会経済構造(若年層が少数の高齢者を支える仕組み)が現状でも成立するかという問題提起
  • 医療費の構造的な増加要因(テクノロジー、高齢化)と抑制プレッシャーの対立について
  • 制度改革が局所的な対応に留まり、全体像を俯瞰した構造的改革が困難である現状への指摘
答弁
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 2025年問題に向けた一体改革は概ね実施されたが、パンデミック等の影響で課題が残っている
  • 2040年以降、さらに世代が高齢期に入るため、従来制度の延長線ではないレジリエンスのある制度設計が必要
  • 国際的に見て給付に対する負担が低い「給付先行型」であり、受益感の向上と給付・負担のあり方の見直しが不可欠である
全文
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ここから国民皆保険の持続可能性について少しお話をさせていただきたいと思います。

国民皆保険は1961年に成立しております。

先ほどもお話しましたが、高度経済成長期、平均寿命は男性66歳、女性が70.9歳の時代に成立しております。

その当時の社会経済構造に対応するように、国民皆保険というのは成立しました。

非常に素晴らしい制度であると思いますが、その当時の国民皆保険成立時の暗黙の前提として、多数の若年層、主に地方から都市に移動してきた方たちを含めますが、少数の社会的弱者ともいわれる高齢者あるいは地方にいらっしゃる方とかを支えるような仕組みとして成立したと。

正規労働者が、正規雇用の人が扶養家族を支えることを前提というふうな形でもあったと思いますし、現在は主流になっておりますが、当時は主流ではなかったと。

何が言いたいかと言いますと、高度経済成長期以降の大きな日本の社会経済構造の転換に合わせるように成立した国民皆保険の前提が、今現在も成立するかというと、非常に難しいところがあるかと思います。

とは言いましても、医療保険の持続可能性というのが懸念されるようになったのが、今に始まったことではございません。

先ほど申しました国民皆保険が成立する前においても、医療保険の財政的な問題とは非常に大きな課題となっておりました。

そして高齢化、医療の高度化により医療費が増えていくということも、これも今に始まったことではありませんが、構造的に増加していく状態があります。

本来はそもそも医療費が増えることそのものが悪でも善でもどちらでもないと、それは需要として増えるということかと思うんですが、その医療における給付と負担の対応関係がうまくいかなくなってくると、当然ならば、当然なことですが、財政的に構造的に悪化していきます。

医療費を増加させるプレッシャーとしましては、テクノロジーの増加、医療への患者の期待、後期高齢者の増加ということもありますし、そして医療費を抑制するプレッシャーとしましては、人口減少であるとか、現役世代の負担をどうやって抑えなければいけないか、あるいは財政悪化をどうするかというようなことがあるかと思います。

これは実はもう今に始まったことではなくて、非常にもう数十年と言ってもいいくらい構造課題として言われていることです。

これまでにも制度改革は、そして、必ずたくさんされてきたと思います。

しかし、構造的な改革はもちろんありますが、非常に少なく局所的な対応が多かったかと思います。

特に医療・介護は現物給付ということの部分がありますので、供給体制とセットで議論しなければなりません。

ステークホルダー間の利害調整もありますし、利害構造もありますし、ほかの社会保障制度以上に、なかなか構造的な改革というのは難しいというところがあります。

特定の利害関係者に関心があっても、構造的な問題が解決対象、構造的な問題がどちらかというと解決対象になり、それはそれで全く問題はないんですが、非常に一般の方たちはなかなかわかりにくいというところがあります。

ただ、そうなってくると全体像をなかなか俯瞰して、何が問題なのかを見るのが難しい状態になっているところがあるのではないかと思います。

そうした中、近年の改革の方向性としまして、社会保障・税の一体改革、団塊世代が後期高齢者となる2025年を念頭に、消費税を含む一体改革が行われたことは記憶にあるかと思います。

その後、2040年を展望した社会保障、働き方改革、全世代型社会保障改革というふうに行われていきました。

徐々に改革というのは行われてはいるわけですが、2025年問題、今年すでに2026年になっております。

団塊世代がすでに後期高齢者にすべてなっていますが、その当時の社会保障と税の一体改革のターゲットとなる年でありましたし、改革工程表に沿った改革がほぼ実施されたかと思います。

ただ残念ながら、すべてが改革の進捗通りになっているかどうかというと、まだまだ予測不可能な事態、災害が起きたりとか、新型コロナパンデミックがあったりなどといったこともありまして、完全にその2025年問題そのものをすべてクリアしているかというと、まだそうとは言えないところもある、課題もあるかと思います。

何が言いたいかと言いますと、社会保障そのもののレジリエンスが非常に重要になってくると。

それは2025年問題がターゲットになっていた時代よりも、より一層難しい。

2025年問題というのを、社会保障あるいは公共政策や医療経済等の研究者の中でも、その時代をどう乗り越えるのかということが非常に問題になっておりましたが、その問題がまだある状態で、さらに2035年、2040年、2045年、段階的に世代が今後高齢期に入ってきますので、これまでの20年とは全く異なる時代になると思います。

従来制度の延長線での持続可能性を検討することは当然重要ですが、それだけでは難しいところがあるのではないかと思います。

日本はマクロレベルで見ると、国際的には給付に対して負担が低い国というところがあります。

給付先行型で、負担が低くなっているところもあります。

しかしミクロレベルで見たときには、受益感が乏しく、国民が当事者として給付と負担のあり方に向き合うような機運になっているとは思えません。

これは経済情勢の変化、人口動態が大きく変わる中で、非常に大きな問題となってくると思います。

当然ですが、給付も必要だけれど負担がなかなかできないというふうになってきますと、給付のあり方を見直していく必要が出てきますし、そこのところをこれから令和の構造的課題に対してどういうふうに考えていくのかが、これから非常に重要になってくる大きな歴史的な転換点なんではないかと思います。

令和8年度予算における社会保障費の配分と制度見直し
質問
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 令和8年度予算における社会保障関係費の増額と診療報酬改定の評価について
  • 高額療養費制度およびOTC類似薬の自己負担見直しの方向性についての分析
答弁
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 予算配分において、物価動向や人件費への配慮が丁寧に行われていると評価
  • 高額療養費制度の見直しでは、低所得者への配慮や応能負担の検討など、昨年度より詳細なデータに基づいた丁寧な議論がなされている
  • OTC類似薬の負担見直しについても、医療保険制度全体の中での給付と負担のあり方として一歩進んだ検討がなされている
全文
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ここから令和8年度予算と社会保障というところについて、いくつか焦点になりそうなところだけ抜粋させていただきました。

歳出関係で見ますと、社会保障関係費が39兆600億円だったかと思いますが、過去最大の値となっております。

前年度比でプラス7621億円です。

診療報酬改定が、これも大きくメディアで取り上げられましたが、3.09%の増になりました。

これは規模というよりは、高齢化による増加分に物価動向と賃金の上昇も含めて、それを反映した金額となっているかと思います。

あと持続可能性に向けた見直しということで、保険料負担を軽減するというところから、高額療養費制度の見直し、OTC類似薬を含む薬剤費自己負担の見直しなども図られました。

今回は私自身が内容を見て感じるところは、非常にメリハリといいますか、予算の金額の高低というよりは、その予算の配分のあり方というところに非常に着目するところがあるかなというふうに思っております。

物価動向等に対する反映も非常に丁寧に、施設の種類別ごと、あるいは人件費に反映されるように見配りができているかなというところはあるかと思います。

高額療養費制度の見直しにつきましては、この議論となって仕切り直しという形で、「高額療養費制度のあり方に関する専門委員会」が設置されたかと思います。

こちらの医療保険部会の中に設置されているこの専門委員会の議論を拝見いたしますと、昨年度との違いは、医療保険制度全体の見直しを踏まえ、高額療養費のセーフティネット機能に鑑みというところが強調されているところかと思います。

非常に昨年度の段階以上に丁寧な議論はされていると思いますが、多数該当の長期療養者や低所得者の経済的負担のあり方に配慮した見直しや、また年齢に関わらない応能負担に基づく制度のあり方が検討されているかと思います。

さらに、見直し後の負担変化、外来特例の見直しのところ、それから外来特例の月額上限に該当する者の患者割合のところの資料は、高額療養費制度のあり方に関する専門委員会で、昨年度に比べますと非常に細かなデータが出ているというふうな印象を受けております。

さらにOTC類似薬を含む薬剤費自己負担の見直しについても、こちらもOTC類似薬だけを取り上げるというよりは、医療保険制度全体の中での議論というところの中で検討されているのかと思いますが、保険外負担を求める新たな仕組みの創設、そして選定療養の対象となる医薬品の範囲、選定療養の設定、そしてOTC類似薬の保険給付の見直しなどが図られていたかと思います。

この内容につきましては、基本的には社会的リスクは何かというところの話にもつながりますが、給付と負担のあり方をどういうふうに考えるのかという意味では、一歩進んだ検討がされているのではないかというふうには思います。

ポスト2025年における安定的な財源確保と構造改革
質問
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 医療供給体制(デリバリー)とファイナンスをセットで考える必要性について
  • 長期的な構造課題を解決するための検討の場の必要性について
答弁
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 安定的な財源確保は安心した医療提供体制に不可欠であり、国民的合意を得るための検討が必要
  • 予算会議とは別の枠組みで、より長期的な構造課題に取り組む検討を行うべきである
全文
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引き続き検討は今回の予算だけではなく今後のことかと思いますが、まだ検討が必要な構造課題も当然たくさんあります。

医療保険は医療供給とセットで考えなければいけないところですし、ファイナンスだけではなくデリバリーも含めてセットで考えなければならない課題かと思います。

そういう意味では、今後の人口動態、医療の高度化といった環境変化も含めて、さらに給付の適正化というものも必要ですが、同時に安定的な財源確保というのは、安心した医療提供体制の構築のためには必要不可欠かと思います。

過去の社会保障と税の一体改革では、安定財源確保のところが検討されておりましたが、前回の社会保障と税の一体改革が2025年を目処としたものでしたので、ポスト2025年、その2025年問題以上に非常に複雑で大変な課題かと思いますが、これまで以上に安定的な財源確保も必要だと思いますし、国民的な合意を得られるような検討が、この予算会議ではなく、予算会議とまた別の形で、より長期的な構造課題のための検討というのが必要かというふうに思っております。

医療提供体制の効率化と患者のヘルスリテラシー向上
質問
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 地域格差、医療資源の分散、高い外来受診回数(コンビニ受診)という構造的課題について
  • 医療福祉業の労働生産性の低さという課題について
答弁
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 単に受診を制限するのではなく、患者自身のヘルスリテラシーを上げる教育的なアプローチが重要
  • ポスト2025年に向け、プライマリーケアの重視、タスクシフト、DX、人への投資によるサービス提供のあり方の転換が必要
全文
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それから構造的な課題、もうこれ、10年、20年ではなくて30年、40年近く続いている課題かと思いますが、固定化する地域格差の課題、それから医療資源が分散型になっている課題、そして患者の受診行動、ヘルスリテラシーに不安があるということもあるのかもしれませんが、国際的に見て非常に高い外来受診回数というのがあります。

「コンビニ受診」ということも各種報道等でもされているかもしれませんが、これをやめろというのは簡単なんですが、やめろという前にヘルスリテラシーを上げていく、どういうふうに患者自身が自分の健康課題に向き合っていくかということにも課題があるので、そこの教育的なものは重要かと思います。

それから、これは厚生労働省の令和7年度の「労働経済の分析」、労働力供給制約下での持続的な経済成長に向けてで掲載されている資料ですが、医療福祉業の労働生産性が相対的に低いということがあります。

これは制度との関係もありますが、そこをどういうふうにしていくのかというところを考えていく必要があるかと思います。

「コンビニ受診」ということも各種報道等でもされているかもしれませんが、これをやめろというのは簡単なんですが、やめろという前にヘルスリテラシーを上げていく、どういうふうに患者自身が自分の健康課題に向き合っていくかということにも課題があるので、そこの教育的なものは重要かと思います。

最後に新しいサービスの提供のあり方、要はもうポスト2025年を踏まえますと、これまでとは本当に時代の環境が変わっていきますので、プライマリーケアを重視するとか、タスクシフト、タスクシェア、デジタル化、DXなど、あるいは人への投資というのが一層重要になるのではないかと思います。

財政政策の重要指標と中身について
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- 財政政策における重要指標についての見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 財政収支や債務残高GDP比は直接的な重要指標ではない
  • 支出額や気合ではなく、「何をやるか」という支出の中身が最も重要である
全文
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財政政策ということでお願いします。

1枚めくっていただくと、財政収支は一番重要なことではないんですね。

3番目ぐらいに重要ですが、別の軸として重要だと。

2枚目が債務残高GDP比。

これもあまり重要じゃないですね。

これはもっと重要じゃないかもしれません。

関係はもちろんあるんですけれども、直接的な話ではない。

しかも現在日本にとってはあまり関係ないということです。

もう1枚めくっていただくと、じゃあ一体何が重要なんだというと、当たり前のことですが、要は財政政策で何をするかと、その中身が重要なわけですね。

だから支出額とか、支出する気合とかじゃなくて、何をやるかが重要だということです。

1枚めくっていただくと、財政収支は一番重要なことではないんですね。

3番目ぐらいに重要ですが、別の軸として重要だと。

2枚目が債務残高GDP比。

これもあまり重要じゃないですね。

これはもっと重要じゃないかもしれません。

関係はもちろんあるんですけれども、直接的な話ではない。

しかも現在日本にとってはあまり関係ないということです。

もう1枚めくっていただくと、じゃあ一体何が重要なんだというと、当たり前のことですが、要は財政政策で何をするかと、その中身が重要なわけですね。

だから支出額とか、支出する気合とかじゃなくて、何をやるかが重要だということです。

成熟経済における政府による経済成長への財政支出
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- 成熟経済において経済成長を目指した財政支出が有効かについての見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 成熟経済における経済成長目的の財政支出はほぼ無駄に終わっている
  • 政府には民間の目利き能力がなく、支出の選別が困難であるため
全文
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1枚めくっていただくと、これはちょっとあれなんですが、要は良い財政支出と。

あまり私は見たことないです。

少なくとも21世紀になってから、経済成長を目指した財政支出を日本に限らず、これは日本が悪いと言っているのではなくて、成熟経済において経済成長を目指した財政支出はほぼ無駄に終わっている。

1枚めくっていただくと、なぜかというと、高度成長期というのはやはり発展途上だったので効いたということ。

今は全然違うんだと、成熟経済においてはですね。

1枚めくっていただくと、要は民間にできないことは政府にはもっとできない。

その中で支出の目利きをするのは非常に難しい。

これは誰がやるんだというと、誰もできないというふうに思います。

少なくとも21世紀になってから、経済成長を目指した財政支出を日本に限らず、これは日本が悪いと言っているのではなくて、成熟経済において経済成長を目指した財政支出はほぼ無駄に終わっている。

1枚めくっていただくと、要は民間にできないことは政府にはもっとできない。

その中で支出の目利きをするのは非常に難しい。

これは誰がやるんだというと、誰もできないというふうに思います。

政府による「勝ち馬」の育成と支援戦略
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- 日本政府が産業育成において米中のような成功を収められるかについての見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 米中は既存の「勝ち馬」にレバレッジをかける戦略で成功している
  • 日本は「勝ち馬を作る」政策をとりがちだが、政府がゼロから企業を生み出すのは無理である
  • 公平主義で衰退企業を支援する傾向があるため、勝ち馬に乗る戦略に切り替えるべきである
全文
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1枚めくっていただくと、「いやいや、何を言ってるんだと、海外でやってるんだと、日本は負けてられない」と言うんですが、これはですね、特にアメリカ、中国は成功しているものもあります。

ところが日本の場合は、米中にだいぶ遅れを取ったと。

「勝ち馬を作れ」という政策なんですね。

その場合は難しい。

勝ち馬がいなくては金は乗せられない。

日本にはできない。

公平主義ですし、どっちかというと弱い衰退した企業を何とか支援するという方針ですから。

あまり「ゼロ・ツー・ワン」という言葉は個人的には好きではないんですけど、ゼロからすごい企業を生み出すということは政府には無理なんですね。

それはなぜかというと、勝ち馬にさらに金を乗せるっていう、そういう勝ち馬にレバレッジを効かせる、ブーストするっていう戦略なんですね。

つまりアメリカの世界での勝ち組、中国での世界での勝ち馬、主に中国マーケットですけれども、これが世界覇権を争っているときに、「よし、中国の企業に負けんな」と言って、アメリカが一番勝っている企業に金を入れる。

勝ち馬をさらに勝たせる。

「勝ち馬を作れ」という政策なんですね。

日本にはできない。

公平主義ですし、どっちかというと弱い衰退した企業を何とか支援するという方針ですから。

あまり「ゼロ・ツー・ワン」という言葉は個人的には好きではないんですけど、ゼロからすごい企業を生み出すということは政府には無理なんですね。

ですから勝ち馬がいる、勝ち馬に乗せる。

だから今勝っているところに乗せる。

勝ち馬がいない分野は悔しいですけれども諦める。

政府による投資誘導と目利き能力
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- 政府による投資誘導の可能性と、有望分野の目利きについて見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 政府に有望分野を目利きする能力はなく、民間の方が知見がある
  • 政府の号令で民間が動くのは、実態としては「お付き合い」や「優遇措置」目的である
全文
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1枚めくっていただくと、政府による投資誘導はありえないということですが、どの分野が有望で、どのような投資が有望かって、やっぱり政府に目利きできないと申し上げました。

少なくとも民間の方が知っていると。

一番申し上げたいのは、実は民間にも全く分からないですね。

政府が号令をかけたから乗るっていうのは、大変申し上げにくいですが、要はお付き合いということです。

あるいは優遇がおいしいと、もらえるものはもらおうと、そういうことです。

1枚めくっていただくと、政府による投資誘導はありえないということですが、どの分野が有望で、どのような投資が有望かって、やっぱり政府に目利きできないと申し上げました。

少なくとも民間の方が知っていると。

一番申し上げたいのは、実は民間にも全く分からないですね。

政府が号令をかけたから乗るっていうのは、大変申し上げにくいですが、要はお付き合いということです。

あるいは優遇がおいしいと、もらえるものはもらおうと、そういうことです。

政府予算の意思決定と撤退の困難さ
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- リスクの高い分野への政府支出における意思決定の問題点について見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 日本政府は良心的かつ慎重すぎるため、一度支出を始めたプロジェクトから撤退(引くこと)ができない
  • 撤退すれば責任を問われるため、結果的にリスクの高い分野での意思決定は政府にとって不利に働く
全文
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一枚めくっていただくと、私は今日一番強調したいところの一つですが、やはり日本政府は良心的すぎるので、引けないんですよね。

だからただ日本というか、日本だけじゃないですけど、政府予算の場合は非常に慎重に議論して国民の税金を使って責任を持って支出しますから、「ちょっとやってみたものの、ちょっとイマイチじゃないか」という時点では引けないですよ。

引いたら怒られるし、「なんでこんなの出したんだ」と。

続ければ続けた、「なんで続けたんだ」って後で怒られる。

これはだからリスクの高い分野で成長する未来のことに関して、政府が意思決定するのが一番不利なんですよ。

複数年度の投資というのは、財務省が神経臭いんで、それよりはマシだという可能性は、可能性としてはないんですけども、これは引く機会を失うという問題があって。

単年度は一応形式的にチェックが厳しく入るんで、そうすると継続性、持続性が危ぶまれてっていう問題がある一方で、やっぱり引きにくくない、引けないっていう一番の問題点をさらに助長するんじゃないかというふうに思っています。

一枚めくっていただくと、私は今日一番強調したいところの一つですが、やはり日本政府は良心的すぎるので、引けないんですよね。

だからただ日本というか、日本だけじゃないですけど、政府予算の場合は非常に慎重に議論して国民の税金を使って責任を持って支出しますから、「ちょっとやってみたものの、ちょっとイマイチじゃないか」という時点では引けないですよ。

引いたら怒られるし、「なんでこんなの出したんだ」と。

続ければ続けた、「なんで続けたんだ」って後で怒られる。

これはだからリスクの高い分野で成長する未来のことに関して、政府が意思決定するのが一番不利なんですよ。

単年度は一応形式的にチェックが厳しく入るんで、そうすると継続性、持続性が危ぶまれてっていう問題がある一方で、やっぱり引きにくくない、引けないっていう一番の問題点をさらに助長するんじゃないかというふうに思っています。

需要主導の成長戦略(高圧経済)の有効性
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- 需要主導で経済成長を目指す戦略が現在の日本に有効かについての見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 現在の日本において需要主導の戦略は不適切である
  • 30年停滞しているのは景気ではなく「実力(供給力)」の問題であり、量より質(どの需要にリソースを割くか)が重要である
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次は高圧経済というスライドですが、需要主導でそれで成長経済に乗せるという戦略ですが、これは今はやはり得ないと思うんですね。

1930年代の大恐慌というか、世界が凍りついているときに、これはケインズが主張したことですけれども、世界を溶かすためにガツンと行くと。

引っ張り上げるというのはあるんですけれども、これは今は21世紀あり得ない。

とりわけ日本はあり得ない。

こういう状況で、機能的な需要関係はマイナスなんです。

だから闇雲に量で、高圧でっていうのは、今はもう180度逆だと思います。

次は高圧経済というスライドですが、需要主導でそれで成長経済に乗せるという戦略ですが、これは今はやはり得ないと思うんですね。

引っ張り上げるというのはあるんですけれども、これは今は21世紀あり得ない。

とりわけ日本はあり得ない。

30年だめということは、景気の問題じゃなくて実力なんですね。

ところが、今みたいに供給力不足で、人あるいは部品とか流通とか、そういうリソースが不足しているときは、どの需要に金を回すか、人をつけるかということが一番重要なんですね。

だから闇雲に量を入れるんじゃなくて、量より圧倒的に質が必要なんです。

だから闇雲に量で、高圧でっていうのは、今はもう180度逆だと思います。

経済安全保障と経済成長の関係
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- 経済安全保障政策が経済成長に与える影響について見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 経済合理性の観点からは、経済安全保障は経済成長にマイナスである
  • 市場競争で負けたものを国内で作ることは、割高で劣った製品を使うことになり、結果的にメーカーをさらに弱体化させる
全文
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一枚めくっていただくと、供給力強化はどうやるかというと、経済安全保障。

大変恐縮ながら、これは経済にはマイナスなんですね。

一枚めくっていただくと、経済安全保障は経済成長にはマイナス。

これは社会構造支援というか、社会政策としてはあり得ると思うんですよ。

あるいは防衛の観点から、もちろんあり得ると思います。

ところが経済合理性から言うと、要は負け組支援なので、その負けた部品を使わされるメーカーはさらに負けるということなんですね。

大変恐縮ながら、これは経済にはマイナスなんですね。

それをじゃあ自分で作るということは、明らかに劣ったもの、あるいは割高なもので我慢するということですね。

ということは、作れない、作るプレイヤーがいない、あるいはコストが合わないんだから、それはやればできるかもしれませんけれども、劣ったもの、遅れたもの、あるいは割高なものを使わされるということになります。

一枚めくっていただくと、経済安全保障は経済成長にはマイナス。

ところが経済合理性から言うと、要は負け組支援なので、その負けた部品を使わされるメーカーはさらに負けるということなんですね。

物価対策(ガソリン暫定税率廃止)の性質
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- ガソリン暫定税率の廃止などの物価対策が経済政策として有効かについての見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 現状での暫定税率廃止は「経済政策」ではなく「政治政策」である
  • 経済的な物価対策として根本的に必要なのは円安への対処である
全文
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一枚めくっていただくと、物価対策は、ちょっとこれはここで言うのは大変勇気が要りますが、要はガソリンの暫定税率廃止はある経済政策ではなくて、政治政策なんですね。

つまり、今やるんだったら、イランが起きて今やるんだったら、もちろんこれは経済を平準化させるため、経済政策としての意味はありますが、1バレル60ドルで、ほぼ理由が円安で、他の世界的にはガソリンの値段が下がっているときにやるのは、これは政治政策だと思います。

だから政治政策に関しては、我々は全く判断できませんから、皆さんというか国会で判断されると思うんですけども、ただそれは経済政策としては関係ないということなんですね。

根本から立たないと、経済的には物価対策にはならない。

一枚めくっていただくと、物価対策は、ちょっとこれはここで言うのは大変勇気が要りますが、要はガソリンの暫定税率廃止はある経済政策ではなくて、政治政策なんですね。

つまり、今やるんだったら、イランが起きて今やるんだったら、もちろんこれは経済を平準化させるため、経済政策としての意味はありますが、1バレル60ドルで、ほぼ理由が円安で、他の世界的にはガソリンの値段が下がっているときにやるのは、これは政治政策だと思います。

だから政治政策に関しては、我々は全く判断できませんから、皆さんというか国会で判断されると思うんですけども、ただそれは経済政策としては関係ないということなんですね。

要は円安ですねということです。

軍事支出の経済的影響
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- 軍事支出が経済に与える影響について見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 国防上の必要性は認めるが、経済政策としてはマイナスである
  • クラウディングアウトにより、民生分野に必要なリソースが奪われるため
全文
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一枚めくっていただくと、軍事支出は、これは高圧経済で、需要は別に関係ないですね。

むしろそっちに取られて、クラウディングアウトで、国民が他に必要な民事のものが作れなくなるということです。

もしGDPが仮に一緒としても、日本国内に残ったものが、民事のものと、要は国防。

これは国防政策上必要なものは絶対必要なんで、これは経済を犠牲にしても、国民の生活を犠牲にしても防衛は必要です。

むしろそっちに取られて、クラウディングアウトで、国民が他に必要な民事のものが作れなくなるということです。

ただ、それは経済政策にとってはマイナスだということなんですね。

国家的な教育投資の方向性
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- 長期的な経済発展のためにどのような投資を行うべきかについての見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 国家100年の計として、初等教育に集中的に投資すべきである
  • 私立大学への支援よりも、公立小学校などの基礎教育を強化し「強い日本人」を作ることが最優先である
全文
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では何をやればと、スライドに行っていただくと、これは客観的というよりは私の意見ですが、国家100年の計で教育投資だと。

社会経済の基盤は社会で、社会の基盤は人である。

いい人が育てばいい社会になり、いい社会は長期的な経済発展をする。

昨日、吉川理那議員が公立学校のご質問されていて、私はもう全面的に賛成なんですけれども、やっぱり公立学校。

大学、慶應義塾大学に一銭もやる必要ありません。

私立大学は割高です。

だからそれよりも初等教育に金を全部突っ込んだ方が、国家100年の計としては絶対正しい。

慶應がなくなっても日本は困らないけれど、公立小学校が悪くなったら日本は困るんです。

では何をやればと、スライドに行っていただくと、これは客観的というよりは私の意見ですが、国家100年の計で教育投資だと。

いい人が育てばいい社会になり、いい社会は長期的な経済発展をする。

だからそれよりも初等教育に金を全部突っ込んだ方が、国家100年の計としては絶対正しい。

慶應がなくなっても日本は困らないけれど、公立小学校が悪くなったら日本は困るんです。

結局、これはちょっとあれなんですけど、「強い日本列島」ではなく、「強い日本人」を作ろうよということです。

株価と実体経済の関係
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- 株価の変動をどのように解釈すべきかについての見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 株価は短期的には実体経済とは無関係であり、投資家の心理や状況(強気・弱気)を表す指標である
  • 政策発表後に株価が上がったからといって、直ちにその政策が正しいと判断するのは間違いである
全文
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たまたま株が乱高下しているときなんで、一番の専門である株価でやりますと。

「よく株価市場に聞け」とか「株価が今日下がったということはこうだ」と解説するんですけど、株価は実体経済とは短期的には基本的には無関係です。

政策の文脈で言うと、何か政策を打ち出してバーっと上がった時に、「じゃあこの政策はいいんだ、株価が評価している」というのは、これは実は間違いで。

「よく株価市場に聞け」とか「株価が今日下がったということはこうだ」と解説するんですけど、株価は実体経済とは短期的には基本的には無関係です。

何かというと、投資家の今の気分、状況を表していく。

投資家の気持ちです。

だから株価というのはなかなか面白いんですけれども、これは投資家の状況を表すにはすごい良い指標なんですけど、短期的には実体経済とはだいぶ乖離します。

政策の文脈で言うと、何か政策を打ち出してバーっと上がった時に、「じゃあこの政策はいいんだ、株価が評価している」というのは、これは実は間違いで。

インフレが国債市場および財政に与える影響
質問
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- インフレが財政の持続性にどのような影響を与えるかについての見解を提示

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • インフレは名目金利を上昇させ、利払い費を増加させる
  • また、円安・インフレは国債の価値下落を意味するため、投資家の売りを呼び、国債市場に決定的なマイナス影響を与える
全文
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最初、財政収支と債務のGDP比は関係ないと言いましたが、これは財政の持続性にとっては極めて重要です。

ちょっと時間もなくなってきましたが、インフレが一番やばいです。

インフレになれば名目金利は上がります。

このときに一枚めくっていただいて、日銀の政策金利の短期をいくら抑えても、長期金利はインフレ予想に連動して上がりますから、そうすると長期国債を発行するときに利回りが高くなってまずくなる。

ですから、円安・インフレは国債市場に決定的にマイナスで、「財政破綻懸念」という噂が出ているときに出るというのは最悪で、しかも健全性に問題がなくても買い手がいなくなる可能性があります。

インフレになれば名目金利は上がります。

ということは、利払い費が増えるということです。

このときに一枚めくっていただいて、日銀の政策金利の短期をいくら抑えても、長期金利はインフレ予想に連動して上がりますから、そうすると長期国債を発行するときに利回りが高くなってまずくなる。

インフレになると、一枚めくっていただくと、インフレは投資家の売りを呼ぶ。

これは円安も一緒なんですが、円安になる、インフレになるということは、アメリカにいる投資家で日本の国債を買っている人にとっては値下がりを意味するんです。

ですから、円安・インフレは国債市場に決定的にマイナスで、「財政破綻懸念」という噂が出ているときに出るというのは最悪で、しかも健全性に問題がなくても買い手がいなくなる可能性があります。

日本の低成長と公的資本形成の関係
質問
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 過去30年間の日本の名目GDPが他国に比べ停滞している現状について
  • 低成長の原因としての公的資本形成(公共投資)の不足について
答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 公的資本形成の低さが30年間の低成長の大部分を説明できる
  • 公的資本形成は政府が決定できる事項であり、これを怠っていたことが問題である
全文
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私は、過去30年間でひどかったことは何個かあると考えておりますが、それを国際比較という観点でグラフにしております。

一つは各国の名目GDPの推移です。

このグラフを見ると、ちょっと愕然としますね。

他の国はみんな上がっているのに、日本は全然上がっていなかったという話であります。

これがいわゆるデフレという話でして。

ちょっとこれを分解しますと、2ページ目ですけれど、「過去30年間でひどかったこと2」ということで、デフレーターについてです。

ですから、こういうところをどうやって直していったらいいのか。

過去30年間できなかったのに、今さらできるのかというふうに言われるかもしれませんけれど、原因は私なりには分かっているつもりなので、そこを直していくかどうかということで、まさしく政治の意思が問われているんじゃないかなということだと思います。

次の3ページ目、それをさらにいろいろと見ていきますと、これもG7の中で見ると同じようなグラフになるんですけどね。

各国の公的資本形成の推移です。

公的資本形成というのは、いわゆる政府の公共投資であります。

それがどうなっているかを見たものなんですけど、これを統計分析しますと、こういうふうな公的資本形成で、かなりの部分が30年間の低成長を説明できてしまうということであります。

ここに資料は書かなかったのですが、公的資本形成が低い国というのは、実は民間投資も結構低いです。

だから民間投資でグラフを書いても似たようなグラフになるんですけどね。

でもそういうのを見てみますと、いくらなんでも公的資本形成というのは政府が決められるだろうと。

だから、これを怠っていたというのが、私にとっては非常に驚きであります。

それがどうなっているかを見たものなんですけど、これを統計分析しますと、こういうふうな公的資本形成で、かなりの部分が30年間の低成長を説明できてしまうということであります。

でもそういうのを見てみますと、いくらなんでも公的資本形成というのは政府が決められるだろうと。

だから、これを怠っていたというのが、私にとっては非常に驚きであります。

財政状況の評価手法(統合政府・バランスシート)
質問
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • プライマリーバランス(PB)の計算範囲の問題点について
  • 財政状況を判断する際の適切な視点について
答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 本体だけでなく関連会社(統合政府)を含めたバランスシートで資産・負債を総合的に見るべきである
  • 統合政府の視点で見れば、日本の財政状況はそれほど悪くない
全文
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一つはプライマリーバランスです。

今のプライマリーバランスでどうやって計算するか。

これは私、総務省にもいて、こういうふうな細かい計算をするのは結構得意だったのですが、どうもプライマリーバランスの計算というのが、政府の範囲が狭かったり、地方政府を入れたりして、ちょっと普通の国とは違っていたということでありまして。

一般的に財政状況がどのように見られるかというのは、これは株式なんかと全く一緒なんですけれど、本体のバランスシートだけではなく、関連会社を含めたバランスシートで大体見ておけば、大きな間違いはないと思います。

もちろんそれだけに限られることはなくて、色々と多面的に見る必要があるのですが、でも関連会社を含めた資産・負債ともに見ていくというのが普通ということだと思います。

もちろん負債だけで見ても、そんなに間違いじゃないときもあります。

一般的に財政状況がどのように見られるかというのは、これは株式なんかと全く一緒なんですけれど、本体のバランスシートだけではなく、関連会社を含めたバランスシートで大体見ておけば、大きな間違いはないと思います。

もちろんそれだけに限られることはなくて、色々と多面的に見る必要があるのですが、でも関連会社を含めた資産・負債ともに見ていくというのが普通ということだと思います。

財政事情を見るときに、さっき言ったように統合政府というのを見るんですけれど、それは別に私の専売特許でもなんでもなくて、これはちょっとIMFのデータを取ってきたわけであります。

これを見てますと、日本というのはそんなに悪い数字になっているわけじゃないです。

もちろんこれはちょっと新しくやったりすると、ちょっとずつ数字が違うところもあるんですけれど、すごく悪くはないですね。

だからすごく悪くないということは、あんまり当面心配することもない。

金利上昇が財政に与える影響
質問
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)

- 「金利が上がると利払い費が増えて財政が大変になる」という通説について

答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 利払い費が増えるのは事実だが、同時に政府が保有する金融資産からの金利収入(税外収入)も同程度に増える
  • 全体のバランスシートで見れば、金利上昇は財政にほとんど影響しない
全文
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それとあと、しばしばよく間違う話としては、「金利が上がると財政が大変になる」とみんな言いますよね。

私の出身の財務省もいつも言ってます。

これはだから、いわゆるバランスシートって左側に資産があって右側に負債があるんですけどね、負債の大半は国債ですから、当然金利が上がれば負債の利払い費は増えます。

そこの一部分だけを捉えた議論でありまして、だから私はバランスシートで実は見るということを言うんですけれど、実は金利が上がって利払い費が増えるというところは事実です。

それを見ますとですね、ここで広い意味での政府の資産というのが効いてくるんです。

そこの広い意味での政府の資産というのは、大半が実は金融資産です。

そうするとそちらの方は金利収入が上がります。

そういうのを込み込みで見ると、実は金利が上がっても利払い費が増えるのはその通りなんですけれど、実は税外収入の方が本来はほとんど同じくらい増えます。

ということはどういうことかというと、金利が上がってもほとんど関係ない。

財政には関係ないという答えになってしまうわけです。

社会的割引率の見直しによる公共投資の促進
質問
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 公共投資の抑制要因となっている社会的割引率の設定について
  • 現行の4%という設定の妥当性と影響について
答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 社会的割引率を国債金利に連動させて見直すべき(現在は2%〜2.5%程度が妥当)
  • これを適正化するだけで、公共投資は現在の2倍以上に増える可能性がある
全文
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あともう1個、これは私が国交省にいたときの話なんで、自分の恥をさらけ出すようですけれど、非常に世界の国と違っているというのが、2番目に書いてあります社会的割引率であります。

これは今は4%となっているんですけど。

そうしますと、この社会的割引率が4%といって、いわば市場の金利より高いままというのは、恐ろしく公共投資の抑制要因になります。

社会的割引率というのをあえて言うと、社内金利に相当すると思います。

だから4%の社会的収益がなければ投資しちゃいけないっていうそういうことになるわけなんですけれど、じゃあ他の国はどうやってるのかっていうと、大体どこの国も国債金利に合わせて毎年とか2年とかそういうので見直しております。

だから4%の社会的収益がなければ投資しちゃいけないっていうそういうことになるわけなんですけれど、じゃあ他の国はどうやってるのかっていうと、大体どこの国も国債金利に合わせて毎年とか2年とかそういうので見直しております。

これだから今普通に見直すと2%か2.5%くらいになるんですけどね。

普通の国の波に毎年国際連動をするって直すだけで、これだいぶ違います。

だいぶっていうかですね、おそらく公共投資は今の水準の2倍以上になるんじゃないかなという気がしております。

税務と社会保険料の徴収一元化
質問
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 日本の社会保障制度における徴収体制の効率化について
  • 先進国と比較した日本の現状について
答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 税務と社会保険料の徴収を一元化すべきである
  • マイナンバー基盤を活用することで、大きな効率化と大幅な増収効果(年間10兆円規模の可能性)が見込める
全文
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最後にちょっと社会保障改革だけ述べたいと思います。

社会保障の話でいくと、いろいろな国で最近導入されていて、日本に導入すべきというのは「再入庁」ではなく「徴収一元化」であると思います。

これは税務と社会保険料の徴収一元化です。

こういう制度を見るときに、いろいろな各国の資料を見ているとですね、日本だけないのは、先進国の中でかなりいびつですね。

先進国で昔の経緯がないのはちょっとありますけれど、でも、これは真剣にやったほうがいいんじゃないかなという気がしております。

社会保障の話でいくと、いろいろな国で最近導入されていて、日本に導入すべきというのは「再入庁」ではなく「徴収一元化」であると思います。

これは税務と社会保険料の徴収一元化です。

この徴収一元化をやりますとですね、今の日本年金機構の徴収部門の人と国税庁は一緒になるわけなので、そうすると大きな効率化になります。

それとともに、社会保険料の増収効果はかなりあります。

国会の中で出てきた資料を見ていると、ある国会議員の方が「10兆円近く増収がある」と。

でも、この増収効果がすごくあるんで、これは放っておく手はないんじゃないかなと私は思っております。

中東情勢の現状と危機の要因
質問
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • ペルシャ湾情勢の緊迫化とホルムズ海峡封鎖の現実化について
  • 現在の危機におけるイスラエルおよびアメリカの軍事攻撃の違法性と責任について
  • 「イスラエル例外主義」が地域不安定化に与えている影響について
答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • イスラエルとアメリカによる先制攻撃が端緒となり、ホルムズ海峡の封鎖が現実のものとなっている
  • イスラエルの国際法違反やジェノサイド疑惑、および責任追及のない軍事攻撃が危機を拡大させている
  • イラン一国ではなく、イスラエルの行動が地域不安定化の根源である側面がある
全文
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私の方の資料は非常に簡便なものになっておりますが、今日はそちらをベースにしてお話をさせていただきたいと思っておりまして、簡単に言いますと、危機管理をどうやっていくのかということ、それから安全保障上の観点から今何が必要なのかということを申し上げたいと思っております。

ページをめくっていただきますと、2ページ目に論点として述べてありますが、なぜこういうことを書いたのかといいますと、今改めてペルシャ湾情勢が非常に緊迫しております。

長い間、「ホルムズ海峡を封鎖されたらどうしよう」なんて話をですね、いろんなシミュレーションでもやって、ウォーゲームでもやって、いろんなところでやってきたのが、計らずも今現実に起きているという状態でもあります。

この端緒になったのがですね、イスラエルとアメリカによるある種違法な対イラン軍事攻撃、先制軍事攻撃でございましたが、イスラエルに至ってはこれは2度目のことであります。

今中東で生じている紛争、これを通じて見えてきたのが、我が国の安全保障上の課題についてということであります。

現在の危機を作り出しているのは、まずイランだけではないということに、やはり中東においては目を向けるべきではないかと思っております。

ガザの住民に対して行われている無差別な攻撃、それからパレスチナ人の権利蹂躙を常態化しているこのイスラエルの行動。

日常化しているシリア、それからレバノンに対しての断続的な軍事攻撃、それからヨルダン川西岸の違法入植地の拡大、さらには併合など、明らかな国際法違反が続いているわけですが、世界はイスラエルが国際法を超越したかのような存在であるように例外として扱い、「イスラエル例外主義」で対応してきました。

そのイスラエル例外主義が中東地域における不安定を拡大させており、決してイラン一国における問題がこの地域のあらゆる問題を作り出している根源であるということが言えるはずもないわけであります。

そして最近では、改めてイスラエル、それからアメリカによる先制軍事攻撃、その違法性も問題として取り上げなければいけないわけでありますが、去年6月のいわゆる「12日間戦争」と言われましたこの先制攻撃において、この攻撃の主体となったのがイスラエルであるにもかかわらず、その責任追及がないままに見逃されてきたことこそが、今改めてペルシャ湾全域を危機に落とし入れるそういう状況を作り出しているということも忘れてはならないと見ております。

ページをめくっていただきますと、2ページ目に論点として述べてありますが、なぜこういうことを書いたのかといいますと、今改めてペルシャ湾情勢が非常に緊迫しております。

長い間、「ホルムズ海峡を封鎖されたらどうしよう」なんて話をですね、いろんなシミュレーションでもやって、ウォーゲームでもやって、いろんなところでやってきたのが、計らずも今現実に起きているという状態でもあります。

この端緒になったのがですね、イスラエルとアメリカによるある種違法な対イラン軍事攻撃、先制軍事攻撃でございましたが、イスラエルに至ってはこれは2度目のことであります。

現在の危機を作り出しているのは、まずイランだけではないということに、やはり中東においては目を向けるべきではないかと思っております。

ガザでは7万5千人を優に超えるパレスチナ人が殺害されておりまして、民族浄化あるいはジェノサイドの疑惑も出てきております。

イスラエルの首相に至っては、ICC(国際刑事裁判所)からジェノサイドに関しての刑事被告人としての、戦争犯罪としての訴追を受けるような逮捕状を発付されているような状態にもございます。

日常化しているシリア、それからレバノンに対しての断続的な軍事攻撃、それからヨルダン川西岸の違法入植地の拡大、さらには併合など、明らかな国際法違反が続いているわけですが、世界はイスラエルが国際法を超越したかのような存在であるように例外として扱い、「イスラエル例外主義」で対応してきました。

そのイスラエル例外主義が中東地域における不安定を拡大させており、決してイラン一国における問題がこの地域のあらゆる問題を作り出している根源であるということが言えるはずもないわけであります。

そして最近では、改めてイスラエル、それからアメリカによる先制軍事攻撃、その違法性も問題として取り上げなければいけないわけでありますが、去年6月のいわゆる「12日間戦争」と言われましたこの先制攻撃において、この攻撃の主体となったのがイスラエルであるにもかかわらず、その責任追及がないままに見逃されてきたことこそが、今改めてペルシャ湾全域を危機に落とし入れるそういう状況を作り出しているということも忘れてはならないと見ております。

イランの軍事能力とドローン攻撃の脅威
質問
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • イランによる報復攻撃の手法と、自爆型ドローンの脅威について
  • 民間インフラ施設への攻撃リスクと、防空システムの限界(スウォーム攻撃)について
答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • 自前で開発した自爆型ドローンや弾道ミサイルが主要な対抗手段となっており、破壊力は侮れない
  • 安価な汎用品で作られたドローンが民間施設を脅かしており、数で攻めるスウォーム攻撃により防空網を突破されるリスクがある
全文
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このイランによる報復攻撃で注目されているのが、やはり自爆型ドローンの活用、それから弾道ミサイルの威力でもあります。

また、自爆型ドローンが軍事ターゲットだけでなく民間インフラ施設に対しても脅威となることは、ウクライナでも中東でも全く同じであります。

手作りの兵器の能力を疑うものではないんですけれども、家内制手工業の延長にあるような設備で、比較的安価な汎用品を集めて作られていると考えられる現在の「シャヘド136」が、ペルシャ湾の対岸からアラビア半島側に飛来し、標的とおぼしき建造物に突撃する様には、まさに戦慄を覚えるところです。

以前から警戒され用いられてきた、いわゆる「スウォーム攻撃」であります。

このイランによる報復攻撃で注目されているのが、やはり自爆型ドローンの活用、それから弾道ミサイルの威力でもあります。

長年武器禁輸のもとに置かれてきたイランにとりまして、これはどちらも自前で揃えた数少ない対抗手段であります。

絶えず改良が加えられてきた結果、特にドローンの攻撃力と破壊力は侮れないこと、これは2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻でも実証されているところでもあります。

また、自爆型ドローンが軍事ターゲットだけでなく民間インフラ施設に対しても脅威となることは、ウクライナでも中東でも全く同じであります。

手作りの兵器の能力を疑うものではないんですけれども、家内制手工業の延長にあるような設備で、比較的安価な汎用品を集めて作られていると考えられる現在の「シャヘド136」が、ペルシャ湾の対岸からアラビア半島側に飛来し、標的とおぼしき建造物に突撃する様には、まさに戦慄を覚えるところです。

イスラエル以外では、特にUAE(アラブ首長国連邦)の2つの首長国、アブダビとドバイに対するドローン攻撃が約1500件と際立って多く、そのほとんどが上空で撃墜されているとは言っても、数パーセントの一部は着弾して被害をもたらしております。

以前から警戒され用いられてきた、いわゆる「スウォーム攻撃」であります。

防衛システムを飽和させることで打ち損じ、打ち漏れが生じ、一部が防空網を掻い潜るごとに成功するということになるわけですが、現地で今回留め置かれていた法人たちが経験した恐怖というものも相当であります。

ホルムズ海峡封鎖によるエネルギー安全保障への影響
質問
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • ホルムズ海峡の実質的封鎖がもたらす原油・天然ガスの供給への影響について
  • 日本の原油備蓄およびLNG調達構造(スポット市場依存)のリスクについて
答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • 海峡封鎖によりペルシャ湾産の原油・ガスが国際市場に供給されない事態となっており、世界経済に影響が及ぶ
  • 原油備蓄は十分で当座の供給不足はないが、LNGはスポット調達比率が高いため、市場急騰による電気料金への影響や量的な買い負けのリスクがある
全文
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従来の地域紛争と異なりまして、現在の危機が「危機」と称するにふさわしいのは、ホルムズ海峡の実質的な封鎖が成立したからにほかなりません。

その意味するところは、ペルシャ湾と外海が遮断されたということでありまして、今でもなくペルシャ湾の中で産出される原油及び天然ガス、あるいはそれらの派生商品、派生製品も含めてですね、国際市場には供給されない、そういう状態が今生まれております。

また、ホルムズ海峡の封鎖状態、これは我が国だけでなく世界的な問題であります。

一方、LNGにつきましては、ペルシャ湾内への依存度が日本の場合6%から7%程度で低い、広く言えば多様化ができているということで、これは悪いことではないんですが、影響は軽微であると見ている組みが多いわけです。

なので、暗論としては実はいられないということがLNG市場においてもあるということを申し上げたいと思います。

従来の地域紛争と異なりまして、現在の危機が「危機」と称するにふさわしいのは、ホルムズ海峡の実質的な封鎖が成立したからにほかなりません。

2月28日の開戦後、イランのイスラム革命防衛隊はVHF無線を通じまして、周辺を航行する船舶に対して海峡が閉鎖されていることを通告したことから始まりましたが、やがてこの警告に従わない船舶への攻撃を脅すようになり、さらには飛翔体による船舶への攻撃も発生しております。

これまでにタンカーを含む約10隻の船舶が攻撃を受けて被災しておりまして、その結果、3月2日までにはホルムズ海峡の通行はほぼ止まった状態にあります。

その意味するところは、ペルシャ湾と外海が遮断されたということでありまして、今でもなくペルシャ湾の中で産出される原油及び天然ガス、あるいはそれらの派生商品、派生製品も含めてですね、国際市場には供給されない、そういう状態が今生まれております。

併せて原油生産及びエネルギー生産が減産、ないしは停止に追い込まれる、そういう事態も発生しておりまして、これも非常に稀というかですね、普通は起きない状態でございます。

そしてその影響ですが、これは日本を含む東アジアにとどまることなく、世界経済にまで及ぶことになると見ております。

原油の備蓄が十分にある、このことは我々はだいぶ誇ってはいいとは思います。

1973年の第一次オイルショックの時の教訓を現在に至るまで生かしているということでございますが、こちらは当座のところ、価格の高騰は招かない。

しかし、供給不足に陥る心配がないということは安堵していいことだというわけです。

一方、LNGにつきましては、ペルシャ湾内への依存度が日本の場合6%から7%程度で低い、広く言えば多様化ができているということで、これは悪いことではないんですが、影響は軽微であると見ている組みが多いわけです。

しかしながら、我が国が調達しているLNGのうち、約4割はスポットでの対応です。

スポット市場の供給の影響を免れることはできないということでありまして、原油の高騰に伴ってフォーミュラに従って長期契約のLNG価格が上がるには一定の時間を要します。

しかしスポットは瞬時に上がります。

となりますと、スポット市場に殺到するこういった追加需要を果たして今の……LNG供給国が他で賄うことができるのかという重大な問題があるわけでございまして、原油価格にリンクしていく、そのタイミングはもちろんこの先であるとしても、スポット市場の急騰による電気料金への影響はもう少し早いところで起きる可能性もあるわけですし、それ以上にスポット市場で買い負けをするというようなことが起きると、量的な問題が生じます。

なので、暗論としては実はいられないということがLNG市場においてもあるということを申し上げたいと思います。

危機管理における盲点と今後の課題
質問
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • 人命に関わる基礎インフラ(増水プラント等)の防御の重要性について
  • イランの体制崩壊や内部混乱がもたらす地政学的リスクについて
答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • 乾燥地帯における増水プラントへの攻撃は住民の生死に関わるため、防御と機能保全を最優先すべきである
  • イランという巨大国家が外部介入や内部崩壊で統制を失った場合、広大な海岸線を含め甚大な混乱が生じる懸念がある
全文
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5ページ目、最後のところに移りたいと思いますが、このような危機を前にしまして、我が国は想定外の事態が生じないように、多角的、また多元的に泣きどころや盲点を追求して、そこに光を当てていかなければなりません。

まず、民間インフラとはいえ、人命に関わる基礎インフラは多々存在するわけでありまして、その防御と機能保全は高い優先順位を与えられるべきであると考えます。

最後になりますけれども、イランに対してのイスラエル及びアメリカの軍事攻撃が体制転換を基としておりまして、その途上で軍事力の徹底的な破壊を狙っていることは周知の事実でございますが、イランという人口9,000万人の多民族国家が、外部からの力の介入あるいは内部崩壊であれ、統制の取れた政府あるいは軍組織がいなくなった場合に、どのような混乱が生じ得るのかということを考える必要が大いにあると思います。

この海岸線が不安定になった際、それから海岸のアラビア半島にこれが及んだようなときには、一体どれほどの混乱が待ち受けているのかということを改めて問いたいと思います。

まず、民間インフラとはいえ、人命に関わる基礎インフラは多々存在するわけでありまして、その防御と機能保全は高い優先順位を与えられるべきであると考えます。

しかし、飲料水をはじめほぼあらゆる用途の水を海水から増水、すなわち水を作るというような乾燥地帯においては、増水プラントへの影響、攻撃というもの、あるいは破壊というものは道義的にも重大な問題をはらんでおります。

すでに米軍がペルシャ湾周辺の島嶼部に対してこうした攻撃を行っていることを、これを緩和することは、たとえ作戦上の効果が見込まれるとしても、一般島民の生死に関わる問題となるだけに慎重さが求められるところであります。

最後になりますけれども、イランに対してのイスラエル及びアメリカの軍事攻撃が体制転換を基としておりまして、その途上で軍事力の徹底的な破壊を狙っていることは周知の事実でございますが、イランという人口9,000万人の多民族国家が、外部からの力の介入あるいは内部崩壊であれ、統制の取れた政府あるいは軍組織がいなくなった場合に、どのような混乱が生じ得るのかということを考える必要が大いにあると思います。

イランはペルシャ湾とオマーン海に対して2,500キロの海岸線を有しております。

この海岸線が不安定になった際、それから海岸のアラビア半島にこれが及んだようなときには、一体どれほどの混乱が待ち受けているのかということを改めて問いたいと思います。

国民会議における社会保障の財源確保と給付のあり方
質問
神田潤一 (自由民主党・無所属の会)
  • 少子高齢化に伴う社会保障の構造改革が必要な中、給付付き税額控除や安定的な財源確保についてどう考えるか
  • 国民会議にどのような期待を寄せるか
答弁
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 給付付き税額控除や消費税減税後の財源議論は非常に重要である
  • 制度ありきではなく、そもそもどのような給付や再分配のあり方を望むのかという根本的な議論をセットで行うべきである
  • 国民的な意見を反映させる仕組みを国民会議に設けることを期待する
全文
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社会保障は日本が世界に冠たる国民皆保険をずっと堅持してきたわけですが、一方で少子高齢化の進展などで構造的な改革が求められているという大きなお話だったと思います。

そうした中において、今回給付付き税額控除、あるいは安定的な財源確保の話も議論されていくものと思われますが、この国民会議に対する期待、あるいは安定的な財源をどういうところに求めていけばいいのか、堀先生の御意見を伺わせていただければと思います。

先ほどからもお話しさせていただきましたけど、構造課題って本当にすぐに解決できる、非常に重要だとすぐにできるということではないだけに重要なことだと思うんですけど、国民会議の中で給付付き税額控除の話であるとか、あるいは消費税を減税した後の財源をどうするかという議論されるということですので、そこは非常に重要なことだと思います。

ですが、その制度ありきではなくて、そもそもその給付のあり方をどうするのか、あるいは再分配のあり方はどうするのかというところをセットで国民会議の中で議論していただけると、いろいろな手段があり得ると思うんですよね。

当然今出ている案も非常に重要な案だと思いますが、最初からそれありきではなくて、そもそもどういう給付のあり方を望むのかということも踏まえて考えていただけると、いろいろなソリューションが出てくるのではないかなと思っていますし、あと国民的な意見を入れるような、何かそういう仕組みが国民会議の中であるといいなというふうに思っております。

政府主導の投資プロジェクトと複数年度予算の有効性
質問
神田潤一 (自由民主党・無所属の会)
  • 民間が賄えないコストやインフラ整備、市場の失敗を是正するための政府介入はあり得るのではないか
  • 長期プロジェクトにおいて予見可能性を持たせるため、複数年度の予算措置を講じることの効果についてどう考えるか
答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 理論的には正しいが、現実には政府主導で成功する案件は少ない
  • 過去の基金やファンドの事例を見ても、事後の運用がうまくいっていないことが多い
  • 担い手が育っていない現状では、政府が主導して複数年度で進める力や目利き力はなく、悲観的である
全文
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大変要望を交えた御説明でありましたが、内容としては、現在高市政権が目指す財政政策による成長戦略については、やや厳しめの御意見をいただいたのではないかなと思っております。

ただ成長戦略としては厳しい御意見なのかもしれませんが、社会政策あるいは産業政策として、民間がなかなか賄うことができないコストですとか、あるいはインフラの整備ですとか、税制の優遇ですとか、そういったところで支援をしていくというような考え方はあり得るのではないか。

あるいは市場の失敗を政府の介入によって是正していくという考え方はあり得るのではないかというふうに私自身は思いながら聞いておりました。

それを踏まえた上で、複数年度の投資や予算については、やや政府がプロジェクトから撤退するのが遅れるのではないかという御意見もいただきましたが、一方で長くかかるプロジェクトに対して予見可能性を持たせた上でプロジェクトを推進していくという効果もあるのではないかというふうに思われます。

一つ目のご質問に関しては、理論的には全くその通りなんですけど、現実的にやっぱりないんじゃないかなと思うんですよ。

基金とかファンドとかは、言い方悪く言えば補正のときに、金額合わせで膨らませてやって後でいいもん入れようということだと思うんですけれども、結局ファンドや基金の事後の議論を見ると、うまくいってないか全く支出されてないと。

つまり、いい案件があれば今までの枠組みでもできたはずなんで、ということは政府主導でできる案件はやっぱりあまりないんじゃないかと。

それはなぜかというと、先ほど申し上げたと同じなんですけれども、やっぱり担い手が自ら育ってこないと、そこに載せるということはできないということで、結局やっぱり複数年度は現実的、理論上はもちろんその通りなんですが、現在の日本でそれをやる力はないし、目撃力ということに関して言えばもっとないので、私はかなり相当悲観的で言います。

地方への工場誘致(TSMC方式)と地方創生のあり方
質問
神田潤一 (自由民主党・無所属の会)

- TSMCのような工場を地方に配置し、適正な国土形成や活用を図る政府政策には意義があるのではないか

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 地方の社会基盤整備に予算を投じるべきであり、単なる工場誘致(TSMC化)には懸念がある
  • 産業のライフサイクルにより、数年で工場が撤退し地域が打撃を受けるリスクがある
  • トップダウンではなく、地元のプレイヤーが主導し、自治体が支援するボトムアップの手間暇かける手法が重要である
全文
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この点についてもう少し伺いたいのと、もう一つ、中央と地方という意味で、なかなかこの日本の地方が活用できていない。

その地方に対して、例えばTSMCのような工場を配置して、適正なこの国土の形成を図っていく、活用を図っていくという考え方も、これはやはり政府として大きな政策としてやっていく意義があるものではないかというふうにも思われるんですが、この2点についてご意見をいただければと思います。

2つ目の話は全く逆で、全くその通りなんですけれども、だからTSMC化という問題がちょっとあって、やっぱり地方創生という響きはいいんですけれども、実際には地方の止血をしなきゃいけないという、もう地域社会が壊れている中で、やはり東京とかTSMCもそうですけれども、高度な産業や都市部での経済発展というのは、やっぱり各地域の基盤の上に成り立ってて、いいとこどりというか、クリームスキーム、上積みだけを華やかな大都市という舞台で経済的な効率性で成長を謳歌するということになっていますので、日本の多様性というのも地方の多様性、地方出身者が都市部に集まることで発展している、いろんなアイデアが出るということがあると思いますので、地方の社会基盤の整備に一番お金は使っていただきたいと思います。

その時に、ただ国としてTSMCをやることに対しては、一点問題がありまして、かつてどこの工場というのは語弊がありますが、東北地方にエレクトロニクス系の工場を、パソコンでもいろんな半導体でも作った場合に、5年ぐらいでやっぱり時代遅れになるんですね。

5年後もその工場が勝ち続けるかどうかっていうのは何とも言えないので、一旦そこに工場を作ってみんなが地域はもうそこに地域の面を預けても、例えばそこのメーカーサイドとしては、5年になったら山形撤退しますとか、仙台撤退しますとか、そういうことになってしまうので、やっぱり地域からボトムアップで、地域から出てきた自ら地元の人、地元の意見、地元のプレイヤーが「お金が足りない、助けてほしい」というものを各地方自治体が支援する、そういうような手間暇かけることが重要だと思うんです。

日本の政策で一番重要なのは、政策はお金を突っ込めば自動的にできるような錯覚が落ちていますけれども、効率性を重視しますから、やっぱり手間暇かけるということが重要だと思うんです。

パレスチナ問題における二国家解決アプローチの継続性
質問
神田潤一 (自由民主党・無所属の会)

- ペルシャ湾情勢の不安定化やイランの孤立化が進む中、日本がこれまで取ってきた「二国家解決」という外交アプローチに修正は求められるか

答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • イランの第三国攻撃などの行動は厳しく問うべきである
  • 二国家解決のスタンスは堅持すべきである
  • 現実的にイスラエルの否定的な言論やパレスチナ代表機関の機能不全により実現は困難な状況にあるが、政策としては両国の共存なしに解決はないと考える
全文
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ペルシャ湾情勢について、地域の不安定化が一番の懸念材料だということ。

現在のイランの対応などを見ていますと、ホルムズ海峡の閉鎖あるいは周辺諸国への攻撃など、ややイランが孤立していくような方向に進んでいるようにも見えます。

アメリカとイスラエルによる攻撃が国際法違反かどうかはこの質問では問いませんが、ただこうした状況の中で、これまで日本がパレスチナ問題で取ってきた二国家解決、つまりイスラエルも国としては承認、存立していくし、一方でパレスチナも国として承認していくというような、これまでの日本の外交アプローチは今後修正が求められるのでしょうか。

まずペルシャ湾界隈の情勢に関しましては、イランの行動に大いなる問題があることはご指摘のとおりでございまして、いかなる自由であれ第三国を攻撃しているということに関しての対応を、日本としても厳しく問うというその姿勢には私も異論はございません。

一方、トゥーステートソリューション、いわゆる二国家解決の実現などに向けての我が国のスタンスは堅持すべきだと私も考えておりますが、一方でもう長きに渡りまして両者の間の交渉がない。

またイスラエルでは現在、このトゥーステートソリューションをむしろ否定する言論調、それから政策が優先的に取られているということ。

またパレスチナ側の方で、パレスチナを代表する機関というものが機能していないということなどから、実現が極めて客観的に見て難しい状態にあると思いますが、政策として両国、すなわちパレスチナとイスラエルが両立するということなしに問題の解決はないと思っております。

ですので、堅持すべきだと考えております。

歳入庁設置による徴収効率化と財政運営への影響
質問
神田潤一 (自由民主党・無所属の会)
  • 税務と社会保険料の徴収を一体化する歳入庁を設置することで、収入増が見込めるか
  • 財務省が歳入と歳出を一体管理してきた歴史的な知恵に対し、これらを分離することによる弊害はないか
答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 歳入庁を設置している国は世界的に多く、政府全体としては引き続き歳入・歳出の両方を把握しているため問題ない
  • むしろ一つの役所(財務省)に任せるよりも、国会でチェックする仕組みの方が健全である
  • 社会保険料の徴収は源泉徴収とほぼ同様であり、デジタル化の進展により導入のメリットは大きい
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また小幡先生と高橋先生が統合政府の考え方に対してやや反対のお考えをお持ちで、ご登壇されていらっしゃるのを少し突っ込みたい気はするんですが、時間も限られておりますので、高橋先生に伺いたいのは、歳入庁をつくってはどうかと。

歳入庁をつくることによって、税務と社会保険料の徴収を一体化して、特に社会保険料の徴収が伸びるのではないか、収入が増えるのではないかというご指摘がありました。

一方で、現在は歳入と歳出を財務省が一体で管理をする、両側のバランスをとりながら見ていくということで、日本の財政をずっと運営してきたという歴史であり、知恵があったと思うんですけれども、この歳入庁と、あるいは歳出、財政の支出の部分を分けることによる弊害などについては、どのようにお考えでしょうか。

歳入庁ってやってる国、ものすごく多いんですよね。

ですから政府の中で考えると、財務省が両方を見ないってだけなんです。

政府としては絶対に両方を見るわけです。

ですから、全然どこもチェックしないで財務省の一つの役所に任せるというか、そっちの方がちょっと歪だと思いますよ。

ですからそういう意味では、国会でですね、両方集めてやって見た方がよろしいんじゃないかなというふうに思います。

社会保険での徴収って、源泉徴収とほぼ一緒です。

今はもう、この壁でデジタル化がすごく進展しているんで、すごく気が軸しているんじゃないかなと思って申し上げた次第であります。

アメリカ・イスラエルの軍事行動の国際法上の評価
質問
近藤和也 (中道改革連合・無所属)

- アメリカおよびイスラエルによる先制軍事行動が国際法違反に当たるかという見解を問う

答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)

- 自衛権行使を主張するための材料や手続きが適切に踏まれているかが議論の焦点となる

全文
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現状のこのイラン情勢について、先ほど神田君からの問いにもありましたように、イランにも課題があるということもおっしゃられました。

一方で、先制の軍事行動、また違法ということを、このアメリカとイスラエルの行動に対して、そのような御発言もありましたが、先制の御見地から、このアメリカ、そしてイスラエルの行動というのは、この国際法違反に当たるという見方なのかどうか、よろしくお願いいたします。

私どものある種の常識というのも変なんですが、議論の中で常にあるのは、そもそも手続きをとっているのかということもありますし、自衛権の行使というものを主張するだけの材料を、口頭では……。

イラン情勢における日本の望ましい外交姿勢
質問
近藤和也 (中道改革連合・無所属)

- 米国への配慮と国際的な法の支配の維持というジレンマがある中で、短期・中長期的に日本が取るべき望ましい姿を問う

答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • 昨年6月のイスラエル攻撃時には毅然と非難したが、今回は正当性を後押ししているように見え、不整合がある
  • この不整合は日本の信用を損なうため、今回も非難すべきであったと考える
全文
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実際には日本政府も苦しい立場にはあるんだろうなというふうには思います。

この予算委員会でも法的評価はどうなのかといったことをいつするのかといったことも、たびたび総理や外務大臣に対しての質問はされているわけですけれども、アメリカに配慮しすぎていれば、日本人の安全ですとか日本の経済ですとか、国際的な全体的な信用といったことですとか、特に対中国に対して、ロシアに対しても法の支配ということや力による現状変更は認めないということ、アメリカに配慮しすぎるとこういった点が非常に苦しいのかなというふうに思います。

一方で、イランに配慮をしすぎれば、この日米同盟に対して亀裂にも入りかねないと。

経済的な米国からの動きもあるかもしれません。

このジレンマに今日本はあるのかなというふうに思いますが、望ましい日本の在り方ですね。

少なくとも中長期的な在り方と短期的な見方があると思いますが、来週、高市総理がトランプ大統領と会談をされますが、それまでの間の日本の望ましいその姿の見せ方というのはいかがでしょうか。

私が考えるところには、少なくとも去年6月にイスラエル単独による先制軍事攻撃が始まった際には、岩屋外務大臣の方からかなり厳しく毅然とイスラエルを非難する声明が出ています。

今回は同じような手続きだと思う。

攻撃をした側は同じような手続きだと思われるんですが、その法的なというんでしょうか、その攻撃自体に対する非難が一切ないまま、イランの核問題ということを捉えて、攻撃の正当性の方をむしろ後押ししているように見えますので、そこら辺は明らかに、この去年の6月と今年の2月の声明との間に、だいぶ大きなズレがあると思います。

この不整合がやはり、より大きく日本の信用を損なうことになると思いますので、やはりきちんと前回はっきりと違法だということ、あるいは非難をしたということで、今回も非難をすべき対象であったのではないかと見ております。

イランの体制転換の可能性と今後の推察
質問
近藤和也 (中道改革連合・無所属)

- モジャタバ・ハメネイ氏が後継者となったことで体制転換は起きないと考えられるか、世界経済への影響を含めた今後の推察を問う

答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • 体制は存続するが、米国・イスラエルが納得せず軍事攻撃を継続し、体制崩壊まで追い込むシナリオがある
  • 国内向けにさらに強権的な統治を行うシナリオがある
  • 民主的な国家への移行は現実的な結着点として見えない
全文
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大変厳しい状況なのかなと思いますが、加えてですが、昨年6月にアメリカ、イスラエルが特にイランへ攻撃をしたときですね。

そのときでも先生は、その当時で「イスラエルはイランの体制転換まで視野に入れているので、ここで止めたくないのが本音です」といったことを発言されていらっしゃいました。

そしてまたイスラエル側はこの体制転換ですね、こちらを考えている。

そしてトランプ大統領もそのようなことを言う中で、今回はハメネイ氏の息子さんのモジャタバ氏が後継者ということになりました。

体制転換にはならないとおそらくは、この世界経済に与える影響も含めて、先生の現状の今後の推察というのはいかがでしょうか。

将来を予見するのは非常に難しい状況ではあるんですが、私が考えているのは2つのシナリオであります。

一つは、今回、モジャタバ・ハメネイ氏という、殺されたハメネイ氏の次男が後継者に選ばれましたが、とりあえずそれをもって体制が存続するという形での内部的な処理が行われております。

しかし外的に見れば、外を見れば、アメリカ、おそらく、そして間違いなくイスラエルはこれには納得をしておりませんので、引き続きその軍事攻撃を続ける事態になると見ています。

これはイラン側が反撃する能力をほぼ失ったような状態であったとしても、体制が潰れるまであらゆる形で空爆を行い、最終的にはひょっとしたら特殊部隊などの力も借りる、あるいはもっと大々的に地上部隊ということにもなるのかもしれません。

もう一点は、イラン側で後継者が出たということで、体制固めをもう一度しまして、それをもとにより強権的な国内向けです。

国内向けにはより強権を振りかざすような体制で、一切の反論を許さないほどの統治を行うという、そういった思考も考えられるところであります。

いずれにしましても、私は想定しているところで、民主的な国家になるということ、それから親密になるということは、全く視野の中にあるいはシミュレーションをしている中に、なかなか結着点としては見えてこないところでもあります。

途中経過で民主的、あるいは民主化するということはあっても、それはやはり多民族国家で分離独立主義の動きなどを見ておりますと、安定しないことに最終的にはなると思っております。

イラン情勢に伴う経済対策と財政政策
質問
近藤和也 (中道改革連合・無所属)

- 緊張状態の継続が日本経済に与える影響を踏まえ、財政政策を講じるべきか、また財政への影響について見解を問う

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • (小幡氏) エネルギー価格上昇や金融市場のショックが懸念される。必要な時にまとめて打ち出せるよう、財政的な余力を貯めておくべき
  • (高橋氏) 総供給ショックへの対応は困難だが、原発再稼働等のエネルギー対策が有効。総需要の低下が見極められた場合はコロナ時のような大規模対策も有効
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近藤和也:このままでは厳しいのかなという、そういった受け取り方をいたしましたけれども、そこで経済についてちょっとお伺いしたいと思います。

小幡先生、高橋先生にお伺いしたいと思いますが、今このまま緊張状態がしばらく続くとすれば、そして一旦収まったとしてもまた再燃する可能性を考えてみれば、日本経済に与える影響というのは非常に大きいのかなと。

現状でももう大きくなりつつありますが、日本国としてこの経済対策ですね、特にこの財政政策に対しては、小幡先生と高橋先生はこの幅というのがあると思いますが、すべきかどうか、そして日本の財政に与える影響も含めて、その点ご見解をお願いいたしたいと思います。

小幡績:難しいんですけれども、私はもちろん直接的には、やはりエネルギー価格の上昇ということが実体経済には大きなダメージを与え、先ほど田中先生からも教わったところでありますが、イランが弱くてもホルムズ海峡をなかなか継続するということであれば、スポットの、さっきLNGの話もありましたとおり、影響はやっぱり大きいと思うので、これはかなり大きいと思います。

一方で、やっぱり金融市場がバブルかどうかという議論はあるんですけれども、株価だけじゃなくてすべてのリスク資産が、金融をはじめとしてありとあらゆるものが高い現状では、ここはやっぱり金融ショックとして、昨日下がって今日上がってみたいな乱高下が続くと思うんですけれども、このショックがすべての金融市場に影響を与えますので、これは為替にも国際市場にも影響を与え、日本は非常に債務残高が大きい中で、また国債の資金調達に苦労している中で起きる場合には、やっぱり金融市場初の財政に対するショックが大きいと思うので、その実際のショックが来るまで非常に貯めているというか、必要なときにまとめて打ち出すために、できる限り貯めておくべきだというふうに考えております。

経済のショックを考えるときに、経済学者ですからね、需要と供給という、総供給、総需要で考えるんですけれど、一般的にこういう風なオイルショックみたいな総供給ショックと言われるものなんですね。

総供給ショックがあった時の対策っていうのは、正直言って結構難しいところもあって、総需要でなかなか対応はできにくいんですね。

ですから当面は一時的なしのぎとして、総需要の対策はすると思います。

した方がいいと思いますけれど、その次には、例えばエネルギーの問題であったらですね、エネルギーであると今日本ですと余地があると思うのは原発ですよね。

何かを再稼働して、なるべくそういう風なエネルギーショックに対する対応するというのが一つの手段だと思います。

それとあと総供給ショックなんですけれど、実は世界経済全体が落ちますと、コロナのようにひょっとしたら総需要も落ちる可能性があるんですよね。

そこがだからちょっと見極めないとわからないんで、これ総需要が落ちてくれると、これはこれで対策が結構簡単になりまして、総需要対策という形になって、それでコロナの時にやった100兆円。

100兆円、あれ実は増税なしでやりましたんでね、そういうのが有効になるかと思います。

ただし総供給の話ですと、価格が落ちないで価格が上がるんですよね。

上がった時にはちょっとその手は使えないか、ちょっと違う手を使わざるを得なくなると思いますんで、そうするとなかなか対策が結構難しくなる。

ですから、それは今後どういう状態がどういうふうに続くのか、総供給なのか、総需要なのかと見極めながら対策を練っていくという話だと思います。

円安対策と政府の金融政策(アコードの見直し)
質問
近藤和也 (中道改革連合・無所属)

- 物価高と原油高で国民生活が厳しい中、政府が取るべき金融政策やアコードの見直しについて考えを問う

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 異次元緩和の副作用がひどく、現状の円安は大きな問題である
  • 政府がデフレ脱却を明確にし、「強い円は日本の国益である」と毅然とビジョンを打ち出すことが重要
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近藤和也:小幡先生にお伺いいたしたいと思いますが、ここ数日だけで見れば有事のドル買い、場面によっては有事の円買いが起きることもありますけれども、そもそもの現状は厳しい円安であると、このまま放置するのはよろしくないというご意見かなというふうに思いますけれども、今この物価高も含めて、原油価格もまた上がっているということも含めて、日本の国民の生活が厳しくなるということも含めて、今、日本政府の取るべき金融政策、例えばアコードの見直し、これは私たちもずっと求めてきている、旧立憲民主党のときから求めてきていることなんですけれども、アコードに対してどのような思いがあるのか、そのようなことを教えていただきたいと思います。

日銀との関係というよりも、やはり政府として毅然と新しいビジョンを打ち出すということが重要だと思います。

なぜかと言いますと、ここ数日で数円安になったとはいえ、そもそも今150円台というのは大問題でありまして、これはやはり長期の、要は異次元な金融緩和、良かったことと悪かったことあると思うんですけれども、その副作用がひどく残っていますから、ここで政府として何としても、世界で自国通貨が弱くて喜ぶというか、弱い方がいいと思っている気配のある政府というのはなかなかないので、ここで政府でデフレ脱却宣言を明確にして、「強い通貨は、強い円はですね、日本の国益である」と高らかに宣言をすることが、何よりも重要だというふうに思います。

社会的割引率が見直されない理由
質問
うるま譲司 (日本維新の会)

- 社会的割引率が何十年も見直されていない理由について見解を求める

答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 投資を縮小させたいグループの意向や政治的な事情があったと考えられる
  • 国交省の検討会でも最終的に「今のままでいい」という結論になった
  • その結果、過小投資につながったと考えている
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先ほど社会的割引率のお話がありましたけれども、これがもう何十年も見直されていないということでおっしゃっていただきました。

この何十年も見直されていないその理由について、何かご見解ありましたらおっしゃっていただければと思います。

高橋君。

これやったのが私ですから。

それで私というと、たまたまその時財務省から出向してたんで、「どうか」と聞かれたから言っただけなんですよね。

それで、「こういうのは国際金利と同じようなんで、どこの国もだいたいそうですから、毎年見直すものだ」というふうな形で言っておきました。

そしたら毎年見直さなかったわけですよね。

おそらく、この見直さないことのメリットっていうのがあったんでしょうね。

あったっていうのは、要するに投資の縮小ですよ。

それはだから陰謀論になっちゃうかもしれませんけどね。

投資をあまりさせたくないグループ。

それとあと、これが結構政治的にやりにくかったのは、正直言うと国交大臣の政党が間だったですね。

だからなかなか、そこはどこまではっきり言えるかよくわかりませんけどね。

私、事務方で話したり、あと学者で話すと、「それはそうだろうね」と。

いくらなんでも毎年見直せるような話をね、「今も高いまま、ひどいね」ってみんな言うんですよ。

みんな言うんですけど、なんとなく最後の決定になると、「いや、今のままでいいんじゃないの?」っていう答えになって。

実はちょっと資料に書きましたけどね、国交省の中で検討会を作ってやりました。

それでも最終的には「今のままでいいんじゃないの」と、ちょっと理解不能な結論にはなっております。

ですから、それは国交省としてそれで高いままでよかった。

高いままでよかったので、かなりの過小投資になっていたと私は思っております。

以上です。

統治機構改革による成長投資への影響
質問
うるま譲司 (日本維新の会)

- 統治機構改革(大阪都構想等)が成長投資につながるかについて意見を求める

答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 適切な場所への投資は成長に不可欠であり、大阪・近畿圏での投資は間違いなく効果がある
  • インフラ整備や都市機能強化により、地域の発展と生産力供給につながる
  • 大阪が全国平均を上回る成長を遂げる可能性がある
全文
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投資という意味で言いますと、私自身、今、国会の中で、統治機構改革の法案議論されているんですけれども、統治機構改革というのは、結構な投資につながるんじゃないかと思っております。

かつては、大阪府と大阪市の統治機構改革ということで、大阪都構想のこの経済効果の算出に関しては、高橋先生にも本当にお世話になったところであります。

実際、高橋先生の所属する嘉悦大学の真部さんに算出していただいたところでありますけれども、この統治機構改革ですね、大阪府と大阪市が協力することで、さまざまに今、大阪では万博もそうですし、IRもそうですし、投資が行われているところなんですけれども、この統治機構改革が投資につながるか、成長投資につながるかということについて、高橋先生からぜひご意見いただきたいと思います。

高橋君。

計算したのは私ではなくて、本当に同じ大学の同僚がやっただけなんですけれど。

私自身は国交省にいたときに、実は首都機能移転という仕事をやってたんです。

首都機能移転というのはどういうのかというと、今の首都機能をどこかに移すってやつ。

言ってみると、カット&ペーストなんですよ。

今の機能をなくして新しく移す。

これはものすごく大規模投資になります。

その当時の、今から25年ぐらい前の試算ですけれど、もう10兆円規模の。

今まで大阪の方が一番沈下してたっていうのをこれ分析すると、やっぱりこれも過小投資なんですよ。

過小投資で駄目だったんですけど、ここ数年はなんと大阪のGDPの日本に占める地位が上がってるんですけどね。

これ、やっぱり投資してるからです。

大阪のみならず近畿圏でやれば、これは間違いなく上がるんじゃないでしょうかというふうに思います。

ですから、投資というのはやっぱり投資すべきところにしないと、多分ちょっと成長しないというレベルだと思います。

ですから、これはインフラ作ってやると周りにりにたくさん人が集まってきたりするし、大阪でもですね、淀川左岸の話とか、あと地下鉄なんかもやりましたよね。

だからそういうのをもうちょっと真剣にやって、それで今ですと南海トラックスの関係でやるべき投資は山ほどあるのかなと私は思います。

ですから、それをやって非常に強い都市を作るということは、とりもず、大阪の地域の発展にもつながる。

投資はさっきも言いましたけど、需要にもなり、将来は生産力供給にもなるんですよね。

ですから、これは非常にいい話なんですけれど、それを大阪が全国平均を下回るっていうのは、ちょっと私には考えられないということであります。

せめて全国平均を上回ってまいり、全国平均を上回れば、それなりに成長すると思います。

教育への投資と政府の役割
質問
うるま譲司 (日本維新の会)
  • 政府投資は失敗しやすいとされる中で、教育への投資は失敗しないのか
  • 大阪の教育無償化のように、競争を促す仕組みは「勝ち馬に乗る」考え方に沿うか
答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 強いものをより強くする(勝ち馬に乗る)のは民間に任せるべきであり、公教育は弱いものを助けるべきである
  • 単に金を投入しても大学改革などがなされていなければ機能せず、失敗する
  • 分業体制の構築など、小さく丁寧な投資と試行錯誤を地方自治体主導で行うべき
全文
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この投資についてなんですけれども、政府の投資はあまり成功しないよといったようなことをおっしゃっていただきました。

最後にですね、それでも大切なのは教育への投資だということでもおっしゃっていただきました。

これらのお話を総合しますと、教育への投資は政府は失敗しないのか、というところを私ちょっと疑問に思ったんですけれども。

大阪では15年前から教育の無償化というものをさせていただいているんですけれども、これはある意味民間家庭にお金を渡すことで、家庭に選ばれる学校教育を競争してもらって教育の方向性を決めるという側面があって、これは小幡先生の言う「勝ち馬に乗る」という考え方にも沿うのかなと思っております。

私の地元の野球の先生に、「なんでそんなに強いんですか?」と聞いたら、「大阪の無償化のおかげです」と。

「無償化によって、今まで行けなかったうちで野球をやりたかった子どもたちが野球で来れるようになって、そのおかげでうちの野球部のレベルが上がっている」ということをおっしゃっておったんですけれども、これってまさに「勝ち馬に乗る」という話なのかなと思っております。

このことに関して、ちょっと御所見をお伺いしたいと思います。

小幡君。

ちょっとどう答えていいか迷いますけど、まず最後のお話でいえば、それは私の考えと正反対です。

つまり、強いものをより強くするというのは、民間に任せておけばいい。

公立学校、あるいは公教育の重要性というのは、弱いものを自分の力で生きていけるように助けるということですから。

そういう選択に任せると強いものがより強くなるわけなので、教育は全く正反対で、全ての公立学校、とりわけ義務教育、とりわけ小学校に、とことん支援するということをするべきだと思います。

それで失敗しますね、間違いなく。

今の、よく言われるのは、今の文部科学省体制の悪口を言うとまた怒られますけど、今の体制で、例えば大学ならいいですね。

今の大学に金を入れても、やっぱり機能しないですよ。

アメリカの大学みたいにすごい良い雰囲気があるわけじゃないので、金を入れても形式的な業績争いになりますから。

大学改革せずに大学に金をつっこんでも無駄です。

小学校もおそらくそういう面はあると思います。

私は小学校の教員じゃないからわかりませんけど、ただやるべきところはそこであると。

私の思案で言えば、やっぱりもっと小さく丁寧にやるべきだと思うんですね。

つまり、例えば会社って広報がいるじゃないですか。

小学校も広報をやって、いわゆるモンスターペアレンスの対応は、担任が全部責任を持つわけじゃなくて、担任の先生は子供を見て授業に専念すると。

広報は広報担当がやる。

教員は不足していますけど、一般的な人はいますから。

部活はもっと部活の先生にお金を払ってやる。

分業体制、例えばそういう丁寧な投資をすべきだと思います。

必ず失敗すると思います。

だから試行錯誤が重要だと思います。

それは地方自治体の独自にやるべきことで、国でやるべきことではないような気もします。

国民の意見を聴取する仕組みの具体策
質問
うるま譲司 (日本維新の会)

- 国民会議において、民間の意見をより効果的に聞くための具体的な仕組みを求める

答弁
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 単なる公募ではなく、異なる立場を擬似的に体験する「模擬審議会」のような参加型形式を提案
  • 立場を変えて考えることで、未来に向けた新しい発想が生まれる可能性がある
全文
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先ほど神田委員の質問の中で、国民会議においてもっと民間の、国民の皆さんの意見を聞く仕組みがあればいいということをおっしゃっていただきましたけれども、どういった仕組みがあればいいと思われますか。

具体的にお願いいたします。

堀君。

はい、ありがとうございます。

いろいろな形のものがあると思うんですけど、まずステークホルダーを超えたところの利害が固定している中で議論をすると、なかなかうまくいかないというところがありますので。

国民の人たちも、自分たちが何て言うんですかね、国民模擬審議会じゃないですけど、いろんな立場になったときにどうなるのかというのを何回かやってみるというのがいいのかなと思ってまして。

私はかつて慶應義塾大学で非常勤をしていたときに、模擬審議会というのを授業の中でやったことがあります。

それぞれの立場を変えていろんな形でやったときに、「物の見方が随分変わった」という声が聞こえたんですね。

何を言いたいかというと、多分今の自分の状況に対してどうなのかということではなくて、「自分が未来の立場だったらどうなのか」「自分が医療従事者だったらどうなのか」と、立場をいろんな形で変える中でどうなるのかという発見のようなものの機会を。

国民の方たちにもあれば、通常の意見をただ単に公募するだけではなくて、そういう参加型のものがあると、少し未来に向けて新しい発想が生まれてくるのではないかなというふうに思っています。

ただ、これはあくまで一例ですので、他にもいろんな形のやり方はあるかなというふうに思っていますが、ただ単に普通に形式的に「国民の声を聞きました」ではなく、ちょっと違うアクションでやっていくのがいいのではないかなというふうに思います。

以上です。

インテリジェンス改革への見解
質問
うるま譲司 (日本維新の会)

- 外務省への部署設置やインテリジェンス機関の強化という改革に対する期待や所見を求める

答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • 機関の再編自体は良いことだが、単一機関に集約すると独断的になるリスクがある
  • 複数の機関が独自に情報を集め、照らし合わせる体制を維持する必要がある
全文
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国で3月に、和平頂点に関わる部署というのが外務省に設置されるところであります。

併せてインテリジェンス改革ということで、日本にもそういう情報活動だったり、そういったインテリジェンス機関を強化するという改革が行われているんですけれども、こういったことに対する期待みたいなもの、もしくは御所見、こういったものはいらないんだと言うのだったら、そういうので構わないんですけれども、御所見をちょっとお伺いしたいと思います。

田中君。

ご質問ありがとうございます。

ちょっと古い話なんですけれども、2015年でしたかね、ISが活動しているときにもいろいろなことが起きまして、それに合わせていろいろな情報を集めてそれを精査するということから、いろいろな仕組みが新たに作られたことも記憶しておりますし、それが今機能しているというのも私は理解しております。

なので、それらを総合的にもう一回再編し直して、一つの機関をぼんと作るということ自体は私はいいことだと思うんですが、インテリジェンス機関って一つのところだけでやっていると多骨盆になるので、やっぱり複数あってそれぞれが独自にやったものを照らし合わせるような、アメリカ型が全部正しいとは思いませんけれども、それでもいくつかは分けておいたり、分けておく必要があるところもあるということは申し上げておきたいと思います。

歳入庁の設置について
質問
うるま譲司 (日本維新の会)

- 歳入庁の設置について見解を求める

答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 世界的な傾向であり、効率化のためにも早期に設置すべきである
  • 役人の抵抗が予想されるため、政治が主導して法律を先に作るのが正攻法である
全文
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歳入庁について。

高橋君。

役人は嫌ですなければね。

これはね、でもどこの国でもみんなやってますからね。

普通はあれですよね、内閣かなんかに作って、吸収して、一緒の組織作って、これでだんだん吸収して、それで人数を絞っていくって、そういうのが普通のやり方だと思いますけどね。

まあでも、当面は一緒になっても、大きいのは国税庁。

国税庁は5万人近くいますけれど、年金機構のほうは、他の保険料徴収機関も入れても1万人程度だと思いますけどね。

それで合わせて、あとは徐々に定年退職の人がいたりも補充しないとか、そういう形になるんだと思います。

要は決めでありましてね。

でもバラバラにやる必要は全くないって、多分世界の中でバラバラの国っていうのは、すごい昔からやってる数カ国の国しかないと思いますよ。

ですから、それは早くやった方がいいと思うし、効率化できるし。

まさしくこれは政治がやって、先に法律を作っちゃえば、そこに役人は動かざるを得ないと私は思いますけれど。

ですから、法律を作らないで「どうしたらいいか、どうしたらいいか」と言うんですけれど、実は法律を作るというのが、やっぱり政治家の一番の役割だと思うし、そこを法律で押していくというのが、正攻法だと思います。

財政支出の評価について
質問
長友慎治 (国民民主党・無所属クラブ)

- 小幡参考人が述べた「素晴らしい財政支出は見たことがない」という見解について、高橋参考人の考えを問う

答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 観点や分析範囲(部門別か全体か、ストックを含めるか等)によって見え方は全く異なる
  • 一部分だけの収支で全体を判断することはできず、価値判断に属する
全文
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先ほどの小幡先生から「素晴らしい財政支出は見たことがない」とご説明をいただいておりますが、これは大蔵省のご出身の高橋洋一先生もそのようにお考えかどうか、伺ってもよろしいでしょうか。

どうかと思います。

動向をどういうふうに見るか、なんじゃないですか。

例えば狭い部門の財政収支だけ見ていれば、悪く見せることはできますね。

もうちょっと広くとってみれば全然悪くないし、それとあとストックも含めて見れば全然悪くないということはグラフで示したと思います。

すごくいいかどうかというのは価値判断に属すると思いますけれど、どういう観点で見るかによって見え方が全く違うし、私がずっと言っているのは、一部分だけ見て言ってみると、会社の中で一部分だけの収支を見て全部がわかるか、という話に近いんですよ。

だから、もし会社の中で見ても、会社の単体だけで見るか、それとあとグループで見るか。

いろんな観点で見ているといろんな見え方がすると思います。

成熟経済における財政支出の有効性
質問
長友慎治 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 成熟経済において経済成長目的の財政支出は無駄ではないかという指摘への見解を問う
  • 「民間にできないことは政府にはもっとできない」という考えについて意見を求める
答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • ある意味で同意するが、提示した資料は他国と同レベルの公共投資を求めているに過ぎない
  • G7などの他国レベルでやれることをやるべきであり、過大な要求ではない
全文
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小幡先生は併せて、「21世紀の成熟経済においては、経済成長を目的とした財政支出は無駄ではないか」というご指摘もいただいております。

また、「民間にできないことは政府にはもっとできない」。

こういうことに関して、また高橋さんのご意見を伺いたいと思います。

ある意味でそうなんですけれど、私が示した資料というのは、他の国でやっているようなレベルの話をしているだけです。

他の国でも実はなかなか大変ですけれど、でも他の国でも公共投資はやってますよね。

やってますから、せめて他の国のレベルぐらいのことをやったらどうかという意味で、そんなに過大な要求もしてないわけです。

せめて他の国レベル、G7の他の国レベルでやれることはやったらどうか、と。

ホルムズ海峡封鎖による原油高への対策
質問
長友慎治 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 原油価格高騰によりガソリン価格がリッター200円を超える懸念がある
  • 第三次オイルショックのような状況に対し、日本政府が打つべき手について示唆を求める
答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 【小幡氏】価格よりも数量確保を最優先し、産業上のボトルネックとなるナフサ等を優先すべき。ガソリン価格調整は後回しでよい
  • 【高橋氏】短期的にはガソリン税の本則の一時停止などの政策論があり得る。また、石炭や原子力などの国内資源をフル活用すべき
  • 【田中氏】(発言途中で遮られたため回答なし)
全文
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ホルムズ海峡封鎖による経済の影響というのが、今国民の皆さん大変心配をしているところなんですが、これは今から小幡先生、高橋先生、田中先生にちょっと質問を伺いさせていただきたいと思います。

今、原油の価格が上がっていることはご承知のとおりでございまして、これはガソリンの暫定税率を廃止したわけですが、このまま行くとリッター当たり200円前後になるんじゃないかというような試算が日清基礎研究所の分析等で出ております。

1バレル110ドルということを試算すると、3週間か4週間後にはガソリンの店頭価格がリッターあたり200円を超える。

そういう状況の中で、これは第三次オイルショックのような様相も呈してきているわけですが、こういう状況に対して日本政府としてどのような手を打つべきなのかということを、それぞれのお三方のお立場でご示唆いただきたいと思いますが、まずは小幡先生から、高橋先生、田中先生とお願いしたいと思います。

昨日も予算委員会の議論あったと思うんですけど、例えばガソリンよりも、例えばナフサとかそういう産業のボトルネックというか不可欠なもの、やっぱりそういうものを優先する。

こういう危機のときは価格よりもとにかく数量を確保しなくてはなりませんから、価格は二の次で数量確保、それを最優先すべきであって、まあ言い方悪いですけど、ガソリンは必需品の方もいらっしゃるが、節約できる方もいらっしゃるということであれば、ガソリンに対する価格の調整というのは一番後回しだと思います。

先ほど述べたのとちょっと重複しているんですけれど、短期的にある程度一時的な対策は、国民生活に必要だったらやむを得ないと思います。

だからガソリンの暫定税率をなくしてまだ良かったなと。

今のですと、なくした範囲で収まってますからね。

でも、それは多分超える可能性もあると思いますので、そうするとガソリン税の本則の話についても、一時停止というのは政策論としてあり得るんじゃないかなというふうに思います。

ただ一方で、やっぱりエネルギーの話ですからね。

エネルギーで日本が何を持っているかというのを抑制させて、それで対応できるものはフル活動するということも必要かなというふうに思います。

具体的には石炭と原子力です。

エネルギー源としての石炭・原子力の活用
質問
長友慎治 (国民民主党・無所属クラブ)

- 前問で触れた「石炭と原子力」の活用について、具体的な考え方を詳しく問う

答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • CO2抑制のスタンスはあるが、危機の際は石炭火力で対応する余地がある
  • 原子力は純国産の資源であり、世界最高水準の安全基準をクリアした上で再稼働させる手がある
全文
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高橋先生、先ほど具体的に言うと石炭と原子力という話がありました。

そこの部分、もう少し詳しく先生の考えを伺ってもよろしいでしょうか。

日本の電源構成を見ますと、石炭が20ちょっと、それであと原子力が7ぐらい。

今はそれとあと石油が9ぐらいですからね。

そのエネルギーは大きい、33ぐらいですけど、大きいんですけどね。

そうすると、今まで石炭について言うと、CO2を出すからという話で結構抑制的に、エネルギー基本計画についてもかなり抑制的なスタンスだったと思いますけどね。

こういう時には背に腹は代えられないと正直思います。

それで日本の石炭火力の技術で出そうとするCO2なんて、本当に微々たるものですからね。

そういうのをちょっと止めて、そこは石炭火力で対応する余地がまだまだある。

あと原子力もそうですよね。

東日本の方ではまだ動かしていないというのが多いですよね。

ですから、これはもちろん安全が第一条件なわけなんですけれど、これは持てる資源だし、原子力というのはいわば純国産ですからね。

動かそうと思って安全基準をクリアして、世界で最高水準の安全基準ですからね、それをクリアして動かしていくという手はあるんじゃないかなというふうに思います。

社会保障のあり方と国民会議への期待
質問
長友慎治 (国民民主党・無所属クラブ)

- 給付と負担のバランス、受益感の乏しさという現状を踏まえ、国民会議での議論に期待することを問う

答弁
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 構造的な変化に対し、政党の枠を超えてゼロベースで議論することを期待する
  • 団塊ジュニア世代が高齢者になる前に、目先の負担ではなく哲学的なレベルまで議論すべき
  • 複雑な社会保障制度の「見える化」を行い、国民との対話を深めるべき
全文
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それでは堀先生に社会保障について伺いたいと思います。

ご発言の中で給付と負担のバランスというお話をいただきました。

日本はマクロレベルで見ると、国際的に見ても給付に対して負担が低い国であるという事実と、給付先行型の低負担・低負担になっている。

もう一つ、今度はミクロレベルで見ると、受益感が乏しくて、国民が当事者として給付と負担のあり方に向き合うような気分になっていないということを述べていただきましたけれども、この給付のあり方、まさに今問われて国民会議で話をしていくわけですが、国民会議での議論に期待することということをお伺いできればと思います。

国民会議に期待することということでありますが、先ほどの模擬審議会を一つの例としてお話をしましたけど、こういう、おそらく政治家の方に対してお話をしたりとか、あるいは一般の市民の方に話したりとか、学生に対して話をするときにでも、皆さん漠然となんとなくは、社会保障って身近な、生まれてから死ぬまでの間、何らかの形で関わるので、スポット的に自分のこととしては語れると思うんですね。

だけど、日本全体の社会保障というか、そのあり方について、多分、皆さん何となく分かっていても、考えたくない、あるいは考えられないというようなことが多いと思います。

それはそれで確かに重要なことなんですけど、それに解決をしている間にじわじわと進んでいる構造的な変化に対する対応ができない。

そうなると、その目の前の問題に対応している間にさらに構造的な問題が深くなっていく、非常に深刻になっていくという中で、最終的にどうすればいいか分からないという状態になっていると。

ただ、この構造変化になかなか変えられないうちに、環境が大きく変わってしまって、このままでは、せっかくいいものだったものが、そもそもの前提が崩れるというところに、皆さん至っていない。

だから、今までと同じように空気のようにあるのが当たり前と思っているものが、ある日突然あることがないかもしれないという意識を共有したところで、どういう給付のあり方がいいのかっていうのを改めて、それこそ高度経済成長期に国民皆保険ができたときのおそらく議会の皆さんたちの議論というのは非常に白熱したものだったと思うんです。

新しい社会経済にどうやって合わせていくか。

先ほどから皆様、海外の情勢の話とかありますけれども、本当にこれまでと全く違う令和のこれからの時代にどうしていくのかっていうのを、すいません、政治家の政党の理解とも全く関係のないところで、本当にゼロベースで考えていかないと。

本当に団塊世代の方たちが今現在75歳を超え、そして2番目に人口構成の多い団塊ジュニアの層が、そろそろあと十数年もすれば高齢者になります。

その時にこのままで本当にいいのかというところを、今目先の負担が多いとか給付が抑制されるとか、そういうことではない、もっと大きい哲学的なところもあるかもしれませんけど、そこも含めて皆さんで議論する機会、そしてそれを政治家の方々こそが、国民に正直に今どうなっているのかというのを伝えていただくような機会になるといいのではないかなということで。

あともう一つは見える化です。

デジタル化も進んでますけど、なかなか社会保障の問題、データもそうですけど複雑すぎて分かりにくいというところがありますので、ぜひ状況をもう少し見える化できるようにして、国民の方たちとも対話をしながら、そして皆さん自身のこれからの未来のためにも、検討していただければと思います。

社会保障の財源確保策
質問
長友慎治 (国民民主党・無所属クラブ)

- 社会保障における財源確保についての考えを問う

答弁
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 構造的改革のための長期的な財源として、消費税は非常に重要な手段である
  • 給付付き税額控除も含め、何が公平な負担かを全世代で検討し、保険料とセットで議論すべき
全文
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社会保障について考えるときに、今、財源の論点というのが非常に難しくなっているんですが、最後に堀先生の考える財源の確保についての、何かしらのお考えをお聞かせいただければと思います。

堀真奈美この財源の確保というときに、今回限りの短期的な話なのか長期的な話とは全く違うと思うんですね。

要は構造的な改革を変えていくとなるならば、それこそ消費税というのは、私自身は非常に重要な財源確保の手段であると思います。

もちろん今、国民会議で議論される給付付き税額控除も非常に重要なものだと思いますが、要は何を言いたいかというと、何がダメ、何がいいということではなくて、これまで過去に議論されてきたことも踏まえて、本当に何が公平な負担なのかというのを、若い世代の人たちもそうですし、高齢の方たちもそうですし、いろいろな方たちも踏まえて、全ての可能性を否定せずに検討していく必要があるのではないかと思います。

視点としては、暫定的な減税はともかく、保険料も含めてですが、セットで議論していく必要があるかなというふうに思います。

中東情勢における紛争停止の要因と日本の役割
質問
豊田真由子 (参政党)
  • 米国やイスラエルが攻撃を抑制・停止する要因(世論や経済的影響など)は何か
  • 日本がイランとの友好関係を活かし、第三者として事態沈静化に寄与できるのではないか
答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • イスラエルはレジームチェンジを公言しており、体制崩壊まで攻撃を止めない可能性が高く悲観的である
  • トランプ大統領は自身の利益や見栄えで判断する傾向があるが、ネタニヤフ首相に引き戻される構造にある
  • 日本の役割については、近年のイランとの関係悪化や政府の偏った対応により、自ら役割を狭めてしまっている
全文
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今後のこと、それに対してどう対応することが国際的にできるのかという点なんですが、イランの側は保有する軍事能力を全力でシステムでやってくると。

各国に持っているテロのネットワークとかもあると思いますし、あるいはトランプ大統領はもう全部破壊したと言っておりますけれども、核も残っているんじゃないかという状況の中で、システムでやってくると。

アメリカもイスラエルも、イランの体制を「絶対悪」として転換をするんだということがあれば、もう行くとこまで行っちゃうんじゃないかという状況の中で、さっき先生もおっしゃったように、決して経済的な問題だけではなくて、もう本当にこの地域の不安定化が世界に大きな影響を及ぼすという中で、どうすればいいのかというところなんですが。

例えばアメリカなりイスラエルなりはどういった要因があれば、「ちょっと抑えようかな」「やめようかな」みたいなことになるのかなというときに、例えば世論の方で「人命が失われることは許しがたい」とか、あるいはこの1週間でアメリカの原油価格が16%ほど上がっておりますので、やはり経済的な影響がトランプ政権の支持率を下げるとか、いろんな外的・内政的要因があると思いますが、これはどうやったら止まるのかと。

それに対しては、今実は日本はですね、あまりこういうときにやれることが少ないケースが多いんですが、私は今回は結構あると思っておりまして。

というのは皆様ご承知のとおり、西側諸国の中で日本は本当にイランと長年友好関係を保っているという非常に稀な、そして特殊な状況にありまして。

やはりこれは高橋さんもおっしゃるように、早期の事態沈静化ということで、イスラエル、米国、またイラン両方にとって有効的な第三者という立場でできることがあるのではないかと私は思っておりまして、その点いかがかということ。

まず、アメリカ、イスラエルがどのような環境でここを収めるのかということなんです。

私、実はかなり悲観的に見ておりまして、とりわけイスラエルは明白に去年の6月以降、「レジームチェンジ」というものを出しております。

公言、ネタニヤフ首相が「次の指導者を選んだらそれも標的にする」ということも公言しておりますし、おそらくその言葉に嘘はないんだと思うんですね。

ということでありますと、それを達成した、すなわちまた改めてイランが新たな最高指導者を選出しなければいけなくなるような事態にまで至ると思っております。

一方、アメリカのトランプ大統領の方は発言がぶれていますので、どこかで自分が考える「おいしいもの」と、それから「見栄えのいいもの」、この2つが揃ったときに手を打てるのではないかと、彼自身も考えていると思うんですね。

あのような形での収め方は、トランプ大統領に関してはあるんだと思うんですけど、そちらの方になびくと、どうもネタニヤフ首相が電話をしたりして、また自分の方に引き戻すということをやっております。

昨日のやりとりでも、再びトランプ大統領が「一緒に最後決めるんだ」というようなことで、ネタニヤフ首相との共同歩調を強調しているというのは、まさにそのことではないかと思います。

ということで言いますと、この戦いというか、紛争の行き末はかなりひどいものになると私は思っておりまして、少なくともイランの側に抗戦能力が完全に失われたような状態になったとしても、イスラエル、アメリカは多分攻撃をやめないと。

もちろん大義名分として、濃縮ウランを確保するとか、核施設を破壊するとか、ミサイルを破壊するとか、いろんなことが付随してはありますけれども、究極の目的は体制を潰すことにありますので、そこはあまり楽観しておりません。

日本の役割については、確かに私も期待したいところなんですけれども、近年とりわけイランとの関係は非常に低レベルになっているということをちょっと認めざるを得ないと思います。

これは言うまでもなく、イラン側の方から見れば、日本はもはや石油も買っていない、原油も買っていない。

2019年3月に買ったやつが最後になりまして、もう都合6年間、石油での関係、石油取引での関係でも切れた状態になっています。

安倍内閣総理大臣の発言などに関しては、やはりかなり一方的、しかもアメリカの側にしか、あるいはアメリカ・イスラエルの側の方にしか見ていないということで、日本の役割を自ら狭めてしまっているなという感じはいたします。

せめて攻撃の合法性か違法性を問うことはなかったとしても、少なくとも先制攻撃を外交交渉が続いている間に行ったということに関して、しかも同盟国であるアメリカですらそれをやったということに関しては、やはり批判をすべきだったと私は思っております。

医療提供体制の適正化と構造改革
質問
豊田真由子 (参政党)
  • 日本の医療の「薄利多売」な構造を変え、診療・介護報酬の引き上げとサービスの適正化を行うべき
  • 過剰な医療提供を適正化し、現場の負荷軽減と経営健全化を実現するためのブレイクスルーをどう図るべきか
答弁
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 適正化とは単なる抑制ではなく、重点的に投資すべき分野への資源配分の最適化である
  • 日本の医療体制はガラパゴス化しており、質的な適正化(無理・無駄の排除)の余地がある
  • 実現にはデータの拡充、制度の簡素化、および国民の参画意識の向上が必要である
全文
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次にですね、堀先生にお伺いをしたいんですが、時間がなくなってきましてですね、抜本的な構造改革ということで、私はやっぱり厚労省の出身でございまして、やっぱり日本の医療のこの薄利多売、いろんなことに寛容すぎることを、国民の側も従事者の側も制度の側も全部変えなきゃいけないと思っております。

なので、診療報酬なり介護報酬なりを抜本的に引き上げて、でも過剰、いわゆる生命健康は絶対に守らなきゃいけません。

だけれども、いろいろなデータから見ると、やっぱり日本は医療サービス提供が過剰でございます。

それを適正化していく。

そのことによって現場の従事者も負荷が減り、医療機関も経営が健全化され、国民は健康でハッピーということに対してですね、やっぱりいろんなステークホルダーがあったり、いろんな状況の中でなかなか難しいというところを、どうやってブレイクスルーをしていったらいいかというのを1分程度お願いできましたらと思います。

適正化は非常に重要だと思っていて、適正化という言葉の意味は、すべて何も給付の伸びを抑制するということだけではなくて、具体的に何により重点的にお金を使うか、人を使うかというところも含めて、そういう、例えば何か新しい本当にその必要な治療とかで入れたいけれども入れないというものがあったときに、それをどうしても入れたいとなったら、それを入れるためにはお金がないとなったら、どこからお金を捻出しなきゃいけないということもあるでしょうし。

何が言いたいかと言いますと、給付の適正化という言葉の意味も、「抑制」というのではなくて、より自分たち国民的に投資したいというか、使いたいものに使えるように。

おそらくそれは、日本が若干ガラパゴス化した日本の医療提供体制が原因にあるのではないかと思うんですが、日本の医療従事者の方たちも医療提供体制も非常に頑張っているという見た目はいるんですけれども、先ほどおっしゃったように内容的に、質的に見たときでは、まだまだ適正化するところ、無理・無駄を少しなくしてもっと自分たちにとってもより良い環境にすることもできるでしょうし。

それをするために、先ほどから繰り返してますけど、データがもう少しあった方がいいとか、あるいは制度ももう少しシンプルにした方がいいとか、あるいは国民そのものにもう少し市民としての参画意識を持っていただきたいということはあるかなというふうには思っております。

円安が日本経済に与える影響と評価
質問
豊田真由子 (参政党)

- 日本政府の経済政策や予算、特に現在の経済状況(通貨安など)について、専門的な視点から見直すべき点はあるか

答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 国家破綻を招くレベルでなければ、円安はGDPを押し上げ、税収を増やすため基本的には肯定的に捉えている
  • 外貨準備高による含み益(税外収入)が増えるため、財源としての活用が可能になる
  • 円安で苦しむ人への対策は容易であり、現状の円安は日本にとってラッキーな状況である
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すみません、最後、小幡先生と高橋先生にですね、私も本当に知識が本当に勉強不足の中で、先生方のご著書とか資料を拝見いたしますと、いろいろな説というのが世の中にはあるんだなと思いまして。

一言で今の日本政府、あるいは今回の予算も含めて、いわゆる経済を強く豊かにいったときに、「いやいや今ここはそれは間違って」……。

通過安っていうのは悪くない。

近隣窮乏化っていうのは、自分の国だけ通貨安になったときに、自分の国はいいけど他の国が都合が悪いという。

日本の経済成長率は0.4から1.2くらい上がるんですね。

度を越えて国家破綻になるような、国家破綻が反映するような円安でなければ、まあ普通は他の国が、相手国が文句言うレベルなんですね。

文句言わない限りやってた方がいいっていうのが私の立場であります。

円安になったときに、ですよね、はっきり言ってGDP上がるから税収も増えるんですよ。

さらに言うとですね、円安になると日本は外貨準備高を持っているんで、ここでウハウハです。

その益が増えたときに、この益をどのように取り出すかというのは財務省がよく知ってますから、いつも税外収入がすごく増えます。

ですから、これを使ってやるっていうのは、何も財源がないよりかあった方が楽なんですよね。

いろんなところで確かに円安になって苦しい人もいるんですよ。

いるんですけど、その対策はすごく簡単です。

でもこれみんなうまいことをよく使ってて、それで国難をしのいだりしておりますんで、その意味では円安になって非常に日本は今ラッキーかなという気がします。

社会保障の給付と負担の全体像に関する議論のあり方
質問
高山聡史 (チームみらい)
  • 個別の制度(高額療養費制度やOTC類似薬)の持続可能性と、社会保障全体の給付・負担のバランスをどう両立させるべきか
  • 国民が納得感を持って負担し、給付を受けられる社会にするために、現状の議論で不足している視点や提供すべき情報についての見解を問う
答弁
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 個別の見直し(高額療養費等)は、給付の中身をより丁寧に精査するというメッセージであり、医療保険のあり方を考える重要なテーマである
  • 今後は医療単体ではなく、介護保険や生活保護の医療扶助など、制度間の重なりや整合性を踏まえた社会保障全体の視点からの検討が必要である
全文
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先ほど、医療保険制度の持続可能性について、これまでの制度改革の経緯にも触れられた上で、特に高額療養費制度の見直しであるとか、OTC類似薬の自己負担のあり方についてお話がありました。

いずれも国民の負担に直結する問題で、慎重かつ丁寧な議論が必要な論点であると思います。

しかし、先生がおっしゃるとおり、社会保障の問題というのは、どうしても構造的な改革よりも局所的な対応になりがちである、あるいは国民が当事者として給付と負担のバランス、この全体像に向き合うということがなかなか難しいテーマであって、この妥当性について冷静な検証が必要であると思います。

例えば、高額療養費制度については、先日、辰巳委員の質疑にもあったとおり、保険料の負担の軽減がどれほどであるかと言ってみれば、月額120円ほどであるという中で、自己負担額は最大38%上がるということになります。

年金、医療、福祉など、さまざまな社会保障の給付金が増加をしていく中で、なぜここを今優先するのかといった、そういった側面もあるのかなと思います。

以前から先生におかれましては、エビデンスに基づく議論であったりとか、国民的な議論を通じて国民自身が選択をしていくということの重要性について述べられておりまして、私もそういった考え方には強く共感するところでございます。

ここで堀先生に伺いたいのですが、個別の各制度の持続可能性といった問題と、社会保障の給付と負担の全体像の議論、このバランスをとりながら、国民が納得感を持って税や社会保険料を支払い、必要な給付を受けられる社会をつくっていくために、今、議論のあり方として足りていないものであるとか、あるいはより国民に伝わっていくべきだと思われるような情報ですね、こういったものがあれば率直な御見解を伺えないでしょうか。

高額療養費の見直しについても、OTC類似薬についても、もちろん個別のことではあるんですけれども、私はそれ自身は実は保険給付のあり方を考えるものでもあるかなというふうに評価しています。

例えば、高額療養費は、今までですと病気の種類であるとか重症度であるとか、あるいは頻度であるとか、そういうものとは中身はなく、経済的な負担の上限を決めていました。

でも今回は多数回に関しては除外するとか、今までよりきめ細やかになっている。

メッセージとしては、給付の中身をより丁寧に見ていくというメッセージというふうに受け取れることもできるというふうには思います。

その大きなリスクについては守ると言っているようにも、私には取れるところがあると思います。

ただ、今回のこれだけで十分かどうかというのは、これから先のことにもつながると思うので、また検討が必要かもしれませんが。

また、OTC類似薬についても、例えば当然ですけれども、皆さん、患者の自己負担は少ない方がいいかどうかと聞いたら、おそらく普通は少ない方がいいとなると思うんです。

でも、全体の状態を見たときに、日本の国民皆保険としてあるべき姿としてどうかといったときには、「それならば、少しそちらのOTC類似薬があるものの方は、少し負担を多くしてもいいかな」と。

それによって他の制度、他の部分が持続できるなら、というふうに思うかもしれないですよね。

そういう意味では、今回のは個別の制度ではあるんですけれども、医療保険のあり方を考える上では非常に大きいテーマですし、かなり丁寧にできているのではないかというふうに思います。

ただ、社会保障というふうに広げると、実は今回診療報酬もありましたけど、医療だけではなくて、例えば後期高齢者を考えると、医療を受けている人はおそらく介護も受けている可能性があると思うんですよね。

そうすると、医療と介護を合わせた時の合算の療養費制度ってあるんですけど、今回そこは全く多分見られていないと思うので、これは今後、医療だけで見るのではなくて、医療と介護を見た時どうなのかとか、あるいは生活保護の医療扶助もそうですけど、生活保護の医療扶助の医療の部分と、医療保険における医療の部分がどうなのかとか。

要は、それぞれの制度ごとの単体の制度の中でも複雑にあるんですけど、それぞれを今までは本当に精緻に持続可能なようにやってきたと思うんですけど、それはそれでいいと思うんですが、それとは別に社会保障全体を見たときに重なりであるとか。

例えば、40歳以上が介護保険に入ることになってますけど、それは介護保険を作った当時はともかく、今現在なぜ40歳以上なのかといったときに、おそらくなかなか理由付けが難しくなってきていると思うんですよね。

それは過去からだからだということがあるかもしれないんですけど、障害者自立支援法という法律もありますけど、それも。

介護を受けている方たちも両方重なるというか、そこの部分の制度間の整合性をどういうふうにとるかとか、そういうところを見た上で新しい制度設計というのができるのではないかと思いますし、それはもうすぐにできることではないので、本当にじっくりと検討した方がいいと思うんですけど。

個別のところとは別という意味ではそういうことです。

エビデンスに基づく政策形成のためのデータ活用とデジタル化
質問
坂本哲志 (予算委員長)

- 複雑な社会保障問題においてエビデンスに基づいた議論を行うためには、前提となるデータの収集と国民への開示環境が必須であるとの認識を示す

答弁
高山聡史 (チームみらい)
  • 現状はデジタル化の過渡期にあり、医療機関ごとの格差や情報の分断(デフラグ状態)があるため、連携が不十分である
  • 海外の事例のように、データ提供が国民自身の恩恵(治療やイノベーション)に繋がる形でのデジタル化と見える化を進めることが、エビデンスベースの政策形成に寄与する
全文
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もう一点ちょっと関連してお伺いしたいのが、そういった非常に複雑な問題がある中で、エビデンスに基づいた議論を進めていくためには、そもそも前提となるデータがきちんと取られて、かつそれが国民に開かれた形で開示されて議論ができるという環境が必須であるかなというふうに思います。

このデータの関連でいくと、医療の領域では全国医療情報プラットフォームの整備、これは電子カルテ情報の標準化であったりとか。

ご指摘のとおりかと思うんですが、なかなか国際的に比較できるようなデータが揃っているところと揃っていないところがあるというのはあるかと思いますし、例えばデジタル化を進めようといったときも、今ずいぶんマイナンバーカードとかの整備によって変わりつつあると、状況はかなり変わってますし、デジタル庁が中心にさまざまなデジタル化を進めて変わってきている、まさに変わっている過渡期ではあると思うんですけど。

そもそもそれぞれの、例えば医療機関の中だけでデジタル化が進んでいるところもあれば、紙のところもあったりとか。

情報連携することによって初めていろいろな活用があるところが、それがなかなかできていないのでうまくいってないと思います。

例えば、これ今後改善されると思うんですけど、がんのスクリーニングに関してのデータに関しても、ある私デジタル先進国と言われている国にいたことがあるんですけど、そちらでは全国民にデジタルポストで、例えば対象者に対して「あなたはがんのスクリーニングの対象です」というふうに一斉にメールを送って、それでデータをちゃんと取って、その後医療データとも含めて研究者が研究をして、それが治療の方にもつながるし、あるいは新しいイノベーションにもつながるような。

データそのものが国民にとっても取られることが、個人情報保護の云々ではなくて、自分たちにとってもプラスの恩恵になるんだということが分かるような形でデジタル化が進んでいるので、多分デジタル化を進めることがすごくいいとなると思うんですけど。

なかなかそういうふうになっていなくて、そもそもデフラグな状態になっていると、つなげるといってもなかなかつなぐこと自身がうまくいかなかったりするので、なので手作業でデータを見なきゃいけなかったりということになったりもします。

ですので、医療機関に関するデータを本当に集めることによって、医療経営上の把握ということだけではなくて、診療の質であるとか、あるいはサービスの生産性を上げるために自分たちにとってもどう使えるかという意味でプラスになる可能性もあると思うので、そこはうまく良い事例とかも踏まえて、デジタル化とデータの見える化を進めていく必要があるのではないかなというふうに思っています。

それがひいてはエビデンスベースの政策形成につながるのではないかなと。

今ですと多分、特定の省庁が一生懸命頑張って一時的にデータを集めるという形になったりしているところも一部あると思いますので、そこは将来的に改善していく方がいいと思いますが、今過渡期なのかなというふうには思っております。

民間インフラ(海水淡水化プラント)への攻撃に対する外交的対応
質問
高山聡史 (チームみらい)
  • バーレーンの淡水化プラントへの攻撃など、民間人の命に直結するインフラへの攻撃は人道的・国際法的に容認できない
  • これに対し、国際社会や日本が取り得る現実的な外交的オプションは何かを問う
答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • ダブルスタンダードを避けるため、攻撃を行った双方(イラン・米国側)を等しく非難することが必須である
  • 病院等の攻撃を禁じる戦時国際法などの人道的な枠組みに基づき、毅然とした対応を取るべきである
全文
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直近の事態で、先ほどのお話にもありました海水淡水化プラントへの攻撃に関するところです。

イランの無人機攻撃によってバーレーンの淡水化プラントが損傷を受けたという話に関連して、まさに先生もおっしゃっていた通りですね。

この淡水化プラントというのは湾岸諸国の民間の方々にとって命に直結するインフラであるということ。

この水というインフラに対して攻撃が行われるということは、非常にこの紛争の性質が一段階フェーズが変わったという意味合いを持つかなと思います。

かつ、これに関してイラン側は米国側が前例を作ったのであるというような話もしており、これ非常に深刻な状況かなと思います。

この民間人の命に直結するインフラの攻撃というのは、人道的にもあるいは国際法的にも重要な問題で、これ以上エスカレートすることは容認できないものであるというふうに思います。

そこで、こういったことに対して国際社会として、あるいは日本として取り得る外交的な現実的なオプションというものがどういうものがありますか。

事実関係では確かに両方とも破壊をしているので、結局、喧嘩両成敗みたいな形にしかならないんですが、まず共に破壊それぞれに関して非難をすることはまず必須だと言えます。

片側だけ非難しても片側を非難しないという状態だと、やはりこれはダブルスタンダードだということになってしまいますので。

あとは、もちろんこれ、交戦規定でいろいろなのありますけれども、人道に関わるところに、例えば病院を攻撃してはならないとか、そういった戦時国際法などがありますので、それに従っていれば本来は十分に対象に入る、カバーされているところです。

ですから片側だけの非難だけで終わらせているともう片側がそれを超えてしまうこともありますので、そこらへんはきっちりと非難するときはきちんと等しく非難するという対応からまず入るべきだと思っております。

イスラエル・米国のイラン攻撃に対する日本政府の対応
質問
塩川鉄也 (日本共産党)

- 昨年6月のイスラエル攻撃時は非難したが、今回の対応に違いがあるのはなぜか

答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • 昨年はイスラエル単独の攻撃に非難があったが、米国参戦後の攻撃には非難がなかった
  • 今回はイスラエルと米軍がほぼ同時に攻撃しており、米国の関与が法的な評価や非難を差し控える要因になっていると理解している
全文
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先ほどの冒頭の意見陳述や、また質疑の中で、このアメリカ、イスラエルのイランに対する武力攻撃について、国際法違反であり、その際の日本政府の対応について、昨年6月のイスラエルによるイラン攻撃について岩屋大臣が強く非難したということも紹介をされて、今回も非難をすべきだった。

また今回の場合について、外交の途上だったにもかかわらず武力攻撃を行ったことについても、そういった点についての批判もすべきだったということをおっしゃっておられました。

そうしますと、昨年6月と今回の対応したときの違い、この日本政府の対応の違いというのは何があるのかということについてお話しいただけないでしょうか。

あくまでも外形的な相違ということをベースにお話を申し上げますと、去年の6月の段階で最初にイスラエルが攻撃をした際には非難がありました。

しかし、その10日後に米国も参戦して攻撃したことに関しての非難はなかった。

今回はイスラエルと米軍がほぼ同時に入っている、若干イスラエルが早いんですけれども、ほぼ同時に起きているということで、去年の6月のときの2度目の攻撃、すなわちアメリカの攻撃が加わっているということが、今回の法的な評価を差し控える、あるいは非難をしないというところにつながっているものだと私は理解しています。

米国が関与する場合に法的な評価を避ける理由
質問
塩川鉄也 (日本共産党)

- 米国が関わると法的な評価をしない理由とその問題点について

答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • 日米同盟を最重要視しており、同盟を危うくする環境を作りたくないためと推測される
  • 特にトランプ大統領のような人物に対し、不快感を与える言動を避けたい意図があるのではないか
全文
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塩川鉄也:アメリカが関わると法的な評価をしないというのはなぜなのかと、その問題点も含めてご説明いただけないでしょうか。

田中浩一郎:これもあくまでも私の憶測ではありますけれども、日米同盟が最重要であるという、そこの一極にやはり集中しているがゆえに、少しでもそれを危うくするような環境を作りたくないということだろうと思います。

また現状においては、トランプ大統領がちょっとでも何かしらか気に入らないような言動をどこからかされると、これは国内でも国外でも、国際関係においてもあると、とてつもないしっぺが……。

米国同盟国間での対米対応の差異(スペインとの比較)
質問
塩川鉄也 (日本共産党)

- スペインのように国際法違反を批判する同盟国がある中で、日本の対応の違いはどこから来るのか

答弁
田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
  • スペインはNATOという集団安全保障体制にあり、米国が強行に排除できない強い立場にある
  • 日本は専務的な日米同盟のみに依存しており、米国への「借り」がある立場であるため対応が異なる
全文
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このスペイン政府としては、やはりこのアメリカの国内の基地の使用を米軍機には認めないとかいうことを含めて、この国際法違反を厳しく批判をして、アメリカのような攻撃に反対をしております。

アメリカの同盟国でも立場の違いがあるわけですけれども、こういったアメリカの同盟国においてでも立場の違いがある、その対応の違いというのはどこにあるのか、どこから来るのか。

その点についてはいかがでしょうか。

田中浩一郎:スペインの場合にはNATOという集団安全保障体制のもとにあるので、スペイン国がどう対応するかということで、NATO全体を壊すことが、おそらくアメリカとしてはできないという対応も……スペインを強行と、変ですね。

スペインが強い立場で発言することを可能にしているんだろうと思いますが、一方日本の場合には、専務的な日米同盟しかないということで、そこに大きな貸しがやっぱりある、あるいは、あ、ごめんなさい、借りがあるという立場からの対応になっているんだろうと思っています。

責任ある積極財政と社会保障政策の関係
質問
塩川鉄也 (日本共産党)

- 高市首相が掲げる「責任ある積極財政」と社会保障政策の関係についてどう考えるか

答弁
堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)
  • 経済成長による所得増で給付を改善する好循環という意味では積極財政もあり得る
  • 短期的な予算対応ではなく、長期的な構造的課題には新たな財源確保が重要である
全文
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高市首相の社会保障演説を見てみますと、社会保障政策についてのまとまった部分というのはないのではないかと思いましたけれども、一方で「責任ある積極財政」ということも強調されておられて、これまでの政策のあり方を根本的に転換する本丸として「責任ある積極財政」と述べているんですが、この責任ある積極財政と、この社会保障政策の関係についてお考えのところをお示しいただけないでしょうか。

堀真奈美:積極財政というのは、経済成長を進めなければ社会保障……経済成長をすることで所得が増えて、そしてそれによって負担することもできる、そして給付を良くするという、その好循環を進めるという意味では、積極財政という考え方もあり得るとは思っています。

ただ、具体的に実際どうなるかは正直まだ分からないところもありますので、この先を見ていきたいなというふうに思っておりますが、今回社会保障に関してだけ見る限りは、かなり内容を見て精査して、丁寧に、良い意味で適正化も図っているところもあるのではないかというふうに思っております。

ですので、そういう意味では「責任ある」というところが全うされようとしているところは見られるのではないかというふうには思いますが、ただ先ほどもお話ししましたように構造的な……。

要はその一政権の問題ではなくて、より長期的に続く構造的な課題に関しては、おそらく今回の予算であるとか、あるいは短期的に対応するようなことではないと思いますので、そちらについて考えたときには、やはり新たな財源確保というのは、非常に重要な課題になってくるというふうに認識をしております。

責任ある積極財政の評価
質問
塩川鉄也 (日本共産党)

- 「責任ある積極財政」とはいかなるものであり、どう評価するか

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)

- 単に気合を示した言葉であり、評価のしようがない

全文
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この高橋総理の「責任ある積極財政」なんですけれども、この責任ある積極財政とはいかなるものかについてのお考えを聞かせていただきたいのと、どう評価するのかという点についてであります。

小幡績積極財政という言葉自体は、気合を示したものだけですので、全く評価どうしていいかわかりません。

特例国債法案(期間延長)の評価
質問
塩川鉄也 (日本共産党)

- 5年などのまとまった期間で対応する特例国債法案をどう評価するか

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 必要な時に出すこと自体は問題ないが、何に使うかが重要である
  • 消費のために使い後世に何も残らない赤字国債を出す場合、期間をまとめて法律を緩めることはガバナンスを緩めることになり望ましくない
全文
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塩川鉄也そういった一連の施策の中で、複数年度の投資の話もありました。

小幡公述人自身も、「一旦始めたら引けない悪い癖を助長する」とか、「形式的でも毎年チェックしていれば、引くきっかけが存在し、1年の損失を食い止められる」という話をされておりました。

今回、関連の法案として、特例国債法案が出ております。

期間延長を目指すものですけれども、こういった5年とかまとまった格好での対応となるこの特例国債法案については、どのように評価しておられるでしょうか。

小幡績冒頭のお話でも申し上げたとおり、私はこう見えても財務省出身ではあるんですが、特例国債かどうかということは、関係ないというふうに思います。

つまり、特例国債、必要なときは出す。

それで何をやるかということなんですね。

ところが特例国債がなぜ問題かというと、その消費のために使ってしまって、後世には何も残らない。

ただこっちの負債は残ります。

だから問題だということで、特に厳しい、基本的には禁止で、毎年の法律が必要だということだったので、それを緩めるというのは、やはり基本的にはガバナンスを緩めるということになりますので、望ましくはないというふうには考えます。

経済安全保障分野への投資支援の有効性
質問
塩川鉄也 (日本共産党)

- 17の成長分野への柔軟な投資支援は意味がないと考えているか

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 中身次第であり、良い案件があればあり得る
  • ただし、ラピダスの例のように制約条件が多いとグローバル競争に勝つのは難しい
  • 分野を広げすぎている点については賛成できない
全文
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塩川鉄也機械利投資、成長投資ということで高橋政権が取り組んでいる一つに経済安全保障の分野があって、冒頭の陳述でも「経済安全保障は経済成長にマイナス」という話もされました。

実際、その17の成長分野への投資支援ということを掲げている高橋政権ですけれども、そういった柔軟な分野の成長分野への支援というのは意味がないというふうに受け止めてよろしいでしょうか。

小幡績それも中身によるんで、これからいい玉が出てくればいいのもあると。

例えば17分野で関係ありませんが、前政権かもしれませんけどラピダスがありますけれども、これは賛否両論です。

私はラピダスはうまくいかないと思っています。

それはなぜかというと、「日本国産」とか「北海道」とか、いろんな制約条件をベタベタにつけてオールジャパンで頑張るっていう、やっぱり思いが含まれてしまっているので。

完全に制約条件なしのグローバル競争に、相当なハンデを背負っているので、勝つ可能性はもちろんゼロじゃないんですけれども、どうしても財政で国でやるとなると、そういうものが入ってくるので難しいと。

柔軟な分野に関して言えば、今、何となく話題になっているのを並べたら、全部ということなんで、絞った方がいいと思いますけれども、現時点では。

もう何がこれから始まるのやらという感じなので中身次第ですし、分野を広げすぎているという意味ではあまり賛成できません。

軍事支出が経済に与える影響
質問
塩川鉄也 (日本共産党)

- 「軍事支出は経済にマイナス」「兵器輸出は国民を不幸にする」という主張の意味について

答弁
小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授)
  • 軍需で需要を出してGDPを維持しても、その資源を生活インフラに投じた方が圧倒的に国民の生活は向上する
  • 経済および生活には明らかにマイナスである
全文
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塩川鉄也冒頭の陳述のところにも書かれておりました。

「軍事支出は経済にはマイナス」「軍備、兵器輸出は国民を不幸にすること」について、もう一回意味するところをご説明いただけないでしょうか。

ただ、あたかも軍需にやると需要が出て経済にプラスだみたいな話があるんですが、それは絶対にありません。

需要がないときに軍需で需要を出してGDPの数字が同じになったとしても、手元に残っているのは、軍事に100兆円作って他のものを100兆円作らなかったわけですから、もし軍事がなければ他のものを100兆円作ってGDPなんだから、その100兆円が生活インフラになっていれば、そっちの方が圧倒的にいいわけですよね。

だから第二次大戦、太平洋戦争の例を出すまでもなく、国民が生活を徹底的に我慢した上で同じGDPで戦争を戦うと。

ただ、経済には明らかにマイナスで、生活には明らかにマイナスだと。

そういうことでございます。

経済状況に応じた消費税減税の必要性
質問
塩川鉄也 (日本共産党)

- 経済状況に応じて消費税を減税することの必要性について

答弁
高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授)
  • 消費税は経済政策であり、状況に応じて調整するのは当たり前である
  • 「上げるのは良いが下げるのはいけない」という硬直的な考えを持つべきではない
全文
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塩川鉄也メディアというのは発言で拝見したんですけれども、消費減税のことですが、日本も他の先進国と同様に、消費減税を経済状況に応じて行えばよいのではないのかと述べておられます。

同様の消費税減税を経済状況に応じて下げるような場合、こういったことの必要性についてご説明いただけないでしょうか。

高橋洋一消費税といえば経済政策ですからね。

経済状況に応じてやるというのは、ごく当たり前だと思うんですけれど、「上げは絶対にOKだけど下げはいけない」とかね、硬直的に考えることはないんじゃないかなというぐらいの趣旨であります。

イラン情勢によるエネルギー市場への影響
質問
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)

- イラン情勢(ホルムズ海峡の状況)がエネルギー供給および価格に与える影響についての分析

答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • 石油生産の減少や輸送リスクにより価格が乱高下しており、特に米国大統領の発言等の政治的要因に左右されやすい状況にある
  • LNG市場においてもホルムズ海峡通過比率が高く、スポット運賃の上昇や出荷停止宣言などの報道で価格が不安定になっている
  • 日本は円安の影響を受けるが、ガソリン価格は補助金等で一定のカバーがなされてきた
全文
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まず、今起こっているイラン戦争の実証につきましてなんですが、これをエネルギーへの影響度を少し私の方からお話申し上げたいと思います。

ホルムズ海峡というのは、世界の石油消費量の20%に相当する日量2000万バレル、世界のLNG貿易の約20%が通る最大のチョークポイントです。

その封鎖が実際に起こるなんてことは、イスラエルの空爆が始まった去年の6月とか、今年の2月になっても、我々エネルギーの研究者であるとか、実務家であるとか、全く想定をしておりませんでした。

それはやはり合理的な結論を導こうとすると、それがいかにもナンセンスだったからです。

80年代のイラン・イラク戦争においても完全封鎖されたとは言えません。

今回もイランの方は、封鎖したこともなく、封鎖するということもないというふうにイラン軍の報道官が説明をしています。

ただ、現実的に起きていることを申し上げますと、確定的に起きている途絶がありまして、ロイターの報道などによると、現在のイランの石油生産が約8割減少しています。

ざっくり計算すると、世界の原油供給量の約3%が生産ベースで消滅したことになります。

途絶し得る供給としては、仮に2000万バレルが供給途絶となった場合、世界の原油供給の19%が消滅することになります。

これは輸送による途絶のベースです。

そういう状況の中で、スポット価格が今どうなっているのかを見ますと、お手元の資料をご覧になっていただきたいのですが、今、私が作ったデータは3月6日までだったんですが、その後、もう26から30%の上昇しまして、WTIは118ドルに達しました。

これは長期戦にもつれ込むということを市場が織り込み始めたんですが、ここにG7が協調備蓄の放出を検討しているという報道がありました。

それで104ドルに下落する。

しかも今度トランプ大統領が「戦争ほぼ終了だ」という発言を行いました。

そうすると81ドル台にまた下がるという乱高下をしているということです。

しかもそれは、一米国の大統領と申しますか、その方の発言によって市場が乱高下するので、今後も確定的なことが申し上げられない、非常に注視せざるを得ないマーケットの環境になっているということが言えるかと存じます。

一方、LNGのマーケットについても、最大の輸出国であるカタールのLNGの9割超はホルムズ海峡を通過します。

LNG船のスポット運賃が40%跳ねたとか、カタールの生産の2割を担うラスラファンというところがあるんですが、そこがドローン攻撃を受けたとかですね。

「フォースマジュール」という、契約上の出荷を免責、一時停止を主張するための宣言というのがあるんですが、それを行ったとかですね。

そういった報道がスポット先物価格を引き上げたり引き下げたり、そういう報道によってとにかく乱高下しているということが言えると思います。

過去を振り返ってみますとですね、ロシアによるウクライナ侵攻のとき以降、初めてこれほどの高価格になっているということが言えると思います。

もちろんリーマンショックの直前が最も高かったときなんですけれども、そこから非常に低位で流動していた価格が、今回久しぶりに跳ね上がることになったということです。

もちろん日本は輸入をしています。

為替の影響を大きく受けますので、円安に振れる場合はその輸入のインパクトが大きくなるということが言えると思います。

ただ、足元なんですけれども、ガソリンの価格は円安の影響を補助金でカバーしてきました。

ガソリンの補助というのは去年の末で終了したんですけれども、3月頭までの全国平均だと158円ということで下がっております。

今後上昇が見込まれるために注視が必要ですけれども、先ほど申し上げたように、非常に一国の大統領の発言で揺れるような市場だということが言えると思います。

ただ、現実的に起きていることを申し上げますと、確定的に起きている途絶がありまして、ロイターの報道などによると、現在のイランの石油生産が約8割減少しています。

ざっくり計算すると、世界の原油供給量の約3%が生産ベースで消滅したことになります。

そういう状況の中で、スポット価格が今どうなっているのかを見ますと、お手元の資料をご覧になっていただきたいのですが、今、私が作ったデータは3月6日までだったんですが、その後、もう26から30%の上昇しまして、WTIは118ドルに達しました。

これは長期戦にもつれ込むということを市場が織り込み始めたんですが、ここにG7が協調備蓄の放出を検討しているという報道がありました。

それで104ドルに下落する。

しかも今度トランプ大統領が「戦争ほぼ終了だ」という発言を行いました。

そうすると81ドル台にまた下がるという乱高下をしているということです。

しかもそれは、一米国の大統領と申しますか、その方の発言によって市場が乱高下するので、今後も確定的なことが申し上げられない、非常に注視せざるを得ないマーケットの環境になっているということが言えるかと存じます。

一方、LNGのマーケットについても、最大の輸出国であるカタールのLNGの9割超はホルムズ海峡を通過します。

LNG船のスポット運賃が40%跳ねたとか、カタールの生産の2割を担うラスラファンというところがあるんですが、そこがドローン攻撃を受けたとかですね。

「フォースマジュール」という、契約上の出荷を免責、一時停止を主張するための宣言というのがあるんですが、それを行ったとかですね。

そういった報道がスポット先物価格を引き上げたり引き下げたり、そういう報道によってとにかく乱高下しているということが言えると思います。

為替の影響を大きく受けますので、円安に振れる場合はその輸入のインパクトが大きくなるということが言えると思います。

ただ、足元なんですけれども、ガソリンの価格は円安の影響を補助金でカバーしてきました。

ガソリンの補助というのは去年の末で終了したんですけれども、3月頭までの全国平均だと158円ということで下がっております。

今後上昇が見込まれるために注視が必要ですけれども、先ほど申し上げたように、非常に一国の大統領の発言で揺れるような市場だということが言えると思います。

日本のエネルギー備蓄と供給リスク
質問
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)

- 日本の石油・LNGの備蓄状況および供給途絶時のリスクについて

答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • 石油備蓄は世界トップレベル(254日分)であり、LNGについても約3週間分の在庫と1年分の備蓄がある
  • ウクライナ戦争の経験から長期契約の締結が進み、価格安定化に寄与している
  • 石油化学製品(ナフサ)の中東依存度は高いが、企業は代替手段の確保に着手している
全文
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足元の石油の備蓄については世界トップレベルで254日ございます。

石油火力は沖縄電力とか一部まだあるところはあるんですが、廃止が進んでいまして、むしろ石油の影響を受けるのは電力だけではなくて、石化製品の価格上昇が見られるかもしれないということです。

例えばエチレンなどの原料になるナフサなんですけれども、日本で使うナフサは国際生産分もあるので、国内消費全体で見ると中東依存度は約4割。

輸入分だけで見ると約7割。

ただし、日本の企業は代替手段の確保に既に着手をしているというふうに聞いております。

LNGについては、大体約3週間分、400万トン弱の在庫が電力・ガス会社にございます。

ホルムズ海峡を経由するLNGの輸入量の約1年分が備蓄できているということです。

しかも、ウクライナ戦争のときの経験が生きていまして、電力会社等においては長期契約の締結が進んでいます。

これは価格の安定化に大きく寄与するものでございます。

もちろん、電力会社の規模によってはその準備の差があることは否めません。

ウクライナ戦争との違いなんですけれども、ウクライナ戦争で起きたことはガスフローの再構築なんですね。

ロシアは供給先として中国を求めたし、ヨーロッパは調達先として米国を求めました。

その別の均衡に落ち着いたわけです。

ネットとして不足しているわけでもなくて、現在と違うのは、その生産が20%近く落ちるかもしれないというリスクがあるということが、今回の危機とは違うということです。

現在は暖かい時期なのでいいだろうという状況でもあるんですが、欧州の在庫って今少ないんですね。

春から夏に明けて安定的な、比較的安価な時期に買えますのが通例なので、アジアとの奪い合いになる可能性もあります。

石炭価格もじわじわと上昇しています。

現状は古い石炭火力の稼働は抑えられているため、日本にとっては抑えたものの炊き増しで、これも一つのカードになり得ます。

足元の石油の備蓄については世界トップレベルで254日ございます。

例えばエチレンなどの原料になるナフサなんですけれども、日本で使うナフサは国際生産分もあるので、国内消費全体で見ると中東依存度は約4割。

輸入分だけで見ると約7割。

ただし、日本の企業は代替手段の確保に既に着手をしているというふうに聞いております。

LNGについては、大体約3週間分、400万トン弱の在庫が電力・ガス会社にございます。

ホルムズ海峡を経由するLNGの輸入量の約1年分が備蓄できているということです。

しかも、ウクライナ戦争のときの経験が生きていまして、電力会社等においては長期契約の締結が進んでいます。

これは価格の安定化に大きく寄与するものでございます。

アジア諸国(特に台湾)へのエネルギー影響
質問
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)

- ホルムズ海峡の情勢がアジア諸国、特に台湾の経済・安全保障に与える影響について

答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • ホルムズ海峡通過LNGの80%がアジア向けであり、特に台湾は依存度が高く代替性が低いため深刻な影響を受ける
  • 台湾は世界的な半導体拠点であるため、その経済的影響は国家安全保障および世界経済の問題に直結する
全文
質問・答弁の全文を表示

その前に、ちょっと1つ、アジア諸国への影響について触れておきたいと思います。

ホルムズ海峡を通過するLNGというのは80%アジア向けなんですね。

日本のLNG輸入の中東依存度は10%程度、ホルムズ海峡への依存度は6.3%と多様化ができているんですが、深刻なのはアジアの中で台湾です。

ホルムズ依存度が高くて、かつ発電量における天然ガス火力の割合が高いわけです。

しかも、原発政策への慎重というか、進めていませんので、代替性が低いです。

台湾は世界的な半導体の拠点であります。

台湾経済の影響を通じた国家安全保障の問題、世界経済への影響にも非常に注視が必要だと思っています。

こちらの図が、日本としては台湾との関係で注視しなくてはならない状況として顕在化してきたなというふうに思っています。

ホルムズ海峡を通過するLNGというのは80%アジア向けなんですね。

日本のLNG輸入の中東依存度は10%程度、ホルムズ海峡への依存度は6.3%と多様化ができているんですが、深刻なのはアジアの中で台湾です。

ホルムズ依存度が高くて、かつ発電量における天然ガス火力の割合が高いわけです。

しかも、原発政策への慎重というか、進めていませんので、代替性が低いです。

台湾は世界的な半導体の拠点であります。

台湾経済の影響を通じた国家安全保障の問題、世界経済への影響にも非常に注視が必要だと思っています。

日本のエネルギー構造と原子力の重要性
質問
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)

- 化石燃料依存からの脱却と、エネルギー安全保障における原子力の役割について

答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • 化石燃料輸入による国富流出が激しく、中東依存の軽減が急務である
  • 原子力は発電効率が高く、燃料調達の脱ロシアが進んでいるため「純国産電源」として位置づけられ、産業競争力を左右する電力供給の鍵となる
  • 原子力を中長期的に見直すことが日本の極めて重要な課題である
全文
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日本のエネルギー構造に参りたいと思います。

こちらの鉱物性燃料の輸入という表を見ていただければ分かると思いますが、古くからもう言われていることなんですけれども、資源に乏しく化石燃料の輸入に依存している我が国でございます。

貿易収支の赤字の大きな要因であり、大体30兆円前後の国富が海外に流出している、稼いだ外貨を吐き出しているというふうな状況です。

次に日本の電源構成は、次のページの電力量の出水位というところで表していますが、石油ショック以降、中東依存度の軽減を輸入元の多様化及び電源構成における脱石油で図ってきました。

石油の割合を減らし、石油火力を減らし、あと中東依存度を減らすということです。

輸入元は中国とかインドネシアに分散して67.9%まで落ちたんですけれども、またコロナ禍以降高止まりして、中東依存が高いということです。

民主党の菅内閣のときには、第3次エネルギー基本計画を立てました。

このときは5割を原子力で賄うということを掲げています。

福島事故の結果、化石燃料比率が一気に高まってきましたが、ここで申し上げたいのは原子力の重要性です。

つい3月3日のことでございますが、東京電力の柏崎刈羽原発の6号機、設備容量が136万キロワットなんですが、ようやく100%の出力に到達しました。

試算すると、この6号機たった1機で年間110万トン相当のLNGの節約が可能になります。

これはホルムズで賄える分の3分の1です。

原子力発電は皆様もご存じのとおり極めて発電効率が高くて、その原料であるウランの7割はカナダ、オーストラリアから輸入していますし、転換、濃縮プロセスも脱ロシアが進んでいます。

国内にももちろん濃縮の設備があります。

そういう意味では純国産電源に位置づけられているわけです。

格納容器など発電用のシステムのサプライチェーンは日本製でまだ完結できています。

同じ脱炭素でも電源でも、中国の依存度が高い太陽光や風力とは異なります。

また、これは風が吹いたとき、太陽が照ったときということになりますので、今、AI、データセンターを中心とするそういう産業が急挙を呈して、このボトルネックは電力であるということが世界中に言われています。

つまり、産業競争力を電力が決めるという時代になっているわけです。

ここで原子力をしっかりと中長期的に見直していく必要が、極めて重要な日本の課題だというふうに考えております。

貿易収支の赤字の大きな要因であり、大体30兆円前後の国富が海外に流出している、稼いだ外貨を吐き出しているというふうな状況です。

福島事故の結果、化石燃料比率が一気に高まってきましたが、ここで申し上げたいのは原子力の重要性です。

試算すると、この6号機たった1機で年間110万トン相当のLNGの節約が可能になります。

これはホルムズで賄える分の3分の1です。

原子力発電は皆様もご存じのとおり極めて発電効率が高くて、その原料であるウランの7割はカナダ、オーストラリアから輸入していますし、転換、濃縮プロセスも脱ロシアが進んでいます。

そういう意味では純国産電源に位置づけられているわけです。

つまり、産業競争力を電力が決めるという時代になっているわけです。

ここで原子力をしっかりと中長期的に見直していく必要が、極めて重要な日本の課題だというふうに考えております。

原子力発電所の再稼働に向けた制度改善案
質問
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)

- 原子力発電所の再稼働を阻む特従施設の設置期限問題と、その解決策について

答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • 特従施設の設置期限(工事計画認可後5年)が人手不足や資材高騰で超過し、安全が確認されても停止せざるを得ない状況にある
  • 解決策として、起算日を「使用前検査(営業運転開始)」から5年以内に変更する措置を国に提案する
全文
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今、よく計算書が作っております日本の稼働の状況を見ていただければわかると思いますけれども、まだ変更許可が出た3基、規制基準の審査中が8基ある状況で、なかなか再稼働に時間を要している状況であります。

また、地元同意も非常に難度を極めています。

やはり安全が確認された炉の再稼働が急速に進められるということが、日本のエネルギー、経済、産業の安全保障の喫緊の課題だというふうに考えます。

具体的に何をすればいいのかということなんですけれども、まず特定重大事故等対処施設、いわゆる特従施設というものがございます。

これは意図的な航空機が衝突するテロみたいな重大事故に対処するバックアップ施設でして、信頼性を向上させるという営みの中で位置づけられています。

現行制度は、特従施設の設置期限というのは本体の工事計画の認可後5年以内とされているんです。

その建設には大規模工事が必要ですし、大体今の人手不足、資材の高騰を考えると、非常に時間がかかっているという状況です。

今、特従施設を設置することを義務づけられていますけれども、ほとんどの電力会社の発電所が設置期限を超過してしまっていて、運転を安全だと認められたのに停止しなくてはならない状況になっています。

例えば東北電力の女川原子力発電所、こちらの特従施設の設置期限が、今年の12月22日に迫っています。

到底今の段階でいきますと、間に合いそうもない状況です。

現行制度では、先ほど申し上げましたような工事認可後などが起算日になっているんですけれども、それよりも使用前検査、つまり営業運転の開始から5年以内というような起算日に変更していただくというような措置が、今、原子力について国が対応し得る一つの状況だと思っております。

現行制度は、特従施設の設置期限というのは本体の工事計画の認可後5年以内とされているんです。

その建設には大規模工事が必要ですし、大体今の人手不足、資材の高騰を考えると、非常に時間がかかっているという状況です。

今、特従施設を設置することを義務づけられていますけれども、ほとんどの電力会社の発電所が設置期限を超過してしまっていて、運転を安全だと認められたのに停止しなくてはならない状況になっています。

現行制度では、先ほど申し上げましたような工事認可後などが起算日になっているんですけれども、それよりも使用前検査、つまり営業運転の開始から5年以内というような起算日に変更していただくというような措置が、今、原子力について国が対応し得る一つの状況だと思っております。

エネルギー危機への総合的な対応
質問
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)

- 脱炭素への移行速度と、エネルギー危機における石炭火力の活用について

答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • 急速な脱炭素移行は現実的ではなく、石炭火力をバックアップ電源として活用するなど、あらゆる手段を講じる必要がある
  • 国会においても、エネルギー危機の状態にある日本の存亡に関わる議論を総力結集して進めるべきである
全文
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4月から日本でも排出権取引制度が開始されるんですけれども、急速な脱炭素への移行は現実的ではないと私は考えます。

先ほど申し上げました石炭火力についても、第7次エネルギー基本計画、こちらの策定は私も関わりましたが、石炭はバックアップ電源として位置づけられています。

もちろん環境規制もありますし、脱炭素の大きな目標もありますが、今、この日本の存亡の危機にあるようなエネルギー危機の状態においては、あらゆる手段を講じるということがとても必要になるかと思っております。

そのために総力を結集していくということをあらゆる議論の場で進めてまいりたいと思いますし、国会におきましても、そういった議論をぜひ進めていただきたいというふうに思っております。

4月から日本でも排出権取引制度が開始されるんですけれども、急速な脱炭素への移行は現実的ではないと私は考えます。

先ほど申し上げました石炭火力についても、第7次エネルギー基本計画、こちらの策定は私も関わりましたが、石炭はバックアップ電源として位置づけられています。

もちろん環境規制もありますし、脱炭素の大きな目標もありますが、今、この日本の存亡の危機にあるようなエネルギー危機の状態においては、あらゆる手段を講じるということがとても必要になるかと思っております。

そのために総力を結集していくということをあらゆる議論の場で進めてまいりたいと思いますし、国会におきましても、そういった議論をぜひ進めていただきたいというふうに思っております。

賃上げの裾野拡大と価格転嫁の推進
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 中小企業の賃上げ率が4%台にとどまっており、生活向上を実感しにくい現状がある
  • 賃上げの裾野を広げるため、中小企業における適切な価格転嫁と適正取引の徹底が必要である
  • 取適法や労務費転嫁指針の周知徹底により、サプライチェーン全体での好循環を実現すべきである
答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

全文
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まずはじめにでございますけれども、ただいま2026春季生活闘争の真っ只中でございます。

連合は人への投資を起点に経済の好循環を力強く回すことを目指す「未来づくり春闘」と称して、これらを推進しているところでございます。

今年の春闘は、日本の実質賃金を1%の上昇軌道に乗せ、賃金が持続的に上昇するという賃上げノルムを確立させるべく、正念場であるとこのように考えているところでございます。

全体では2年連続で5%台の賃上げが実現したものの、中小組合、中小企業ですけれども、その賃上げ率が4%台にとどまっております。

物価高を背景に、生活向上を実感している人が少ないのではないかと、このように捉えているところでございます。

その集計結果では、中小組合の要求水準が全体を上回っているということになっております。

この勢いをしっかりと回答につなげて、日本全体に賃上げの裾野を広げていく必要があると考えているところでございます。

これは中小企業庁が価格転嫁の状況を調査した結果でございます。

賃上げの裾野を広げていくためには、労働者の約7割が働く中小企業における適切な価格転嫁、そして適正取引の徹底が必要となってまいりますが、価格転嫁率は未だに5割強にとどまっているのが実態でございます。

全く価格転嫁できなかったという企業も約17%ほど存在しております。

本年1月施行の中小企業適正取引促進法、いわゆる取適法及び労務費転嫁指針の周知徹底などにより、公共調達部門も含めた価格転嫁を円滑化し、サプライチェーン全体での付加価値の適正配分により、人的投資、設備投資、研究開発投資を行うことで、さらなる付加価値を創出していく、このような好循環を実現していかなくてはならないと考えております。

給付付き税額控除の早期構築と消費税対策
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 消費税の逆進性対策として、給付付き税額控除の仕組みを早期に構築することを求める
  • つなぎとしての消費税減税は現場の混乱や物価上昇の懸念があるため、真に支援が必要な層への給付が相応しい
答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

全文
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次に、公平・連帯・納得の税制改正の実現について、2点ほど申し上げさせていただきます。

1点目は、給付付き税額控除についてでございます。

政府は国民会議を立ち上げ、給付付き税額控除の仕組みの実現に向けた検討を開始したと承知しております。

連合は消費税の逆進性対策、税による再分配機能の強化を求めてきております。

その中で給付付き税額控除は就労支援にも資するものとして、仕組みの構築を求めてきたところでございます。

有識者の中には、制度設計次第で時間をかけずに構築が可能という意見もございます。

国民会議においては、そうした有識者の意見も踏まえながら、給付付き税額控除の仕組みの早期構築に向けた検討をお願いいたします。

なお、給付付き税額控除の仕組み構築までのつなぎとして、2年間に限り、飲食料品を消費税の対象から外すという案があることは承知しておりますが、期間を限定した消費税減税は、現場が混乱するだけではなく、減税期間終了後に消費税率を元に戻す際の物価が上昇する懸念であったり、あるいは、飲食料品を消費税の対象から外すことは、高所得者ほど恩恵が大きいとの指摘もございます。

給付付き税額控除の仕組み構築までのつなぎとしては、消費税減税よりも、真に支援を必要とする層への給付のほうが相応しいのではないかと考えております。

国民会議での慎重な検討を求めるところでございます。

燃料課税の当分の間税率廃止への対応
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)

- 燃料課税の当分の間税率廃止に関し、年度内に税制改正関連法が成立しない場合、国民生活に影響が出ないよう対応を求める

答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

全文
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2点目でございますけれども、燃料課税の当分の関税廃止についてでございます。

昨年11月28日施行の改正法によって、半世紀以上も維持されてきた燃料課税の当分の間税率廃止が実現いたしました。

しかし、年度内に税制改正関連法が成立に至らない場合は、軽油引取税の当分の間税率廃止が先送りになるなど、国民生活への影響が懸念されるところでございます。

仮に年度内成立に至らない場合には、国民生活に影響が生じないような対応を求めるところでございます。

2026年度予算案と財政運営のあり方
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 過去最大の税収見込みながら多額の新規国債発行を予定している点に懸念がある
  • 2025年度補正予算と一体的に考え、基金の積み増し等の内容を精査・修正すべきである
  • 財政規律強化のため、独立財政機関の設置を検討すべきである
答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

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次に、2026年度予算案についてでございます。

予算案は、燃料課税の当分の間税率廃止により地方の財政運営に支障を生じないための財政措置や、医療従事者の処遇改善のための診療報酬引上げなど、必要な歳出が盛り込まれていると承知しているところでございます。

一方、過去最大の税収を見込むにもかかわらず、29.6兆円もの新規国債発行を予定するなど、政府が予算策定時に掲げた歳出構造の平準化に配慮した予算編成となっているのか、こういう懸念がございます。

また、12月に2025年度補正予算を編成したばかりであることや、会計検査院から執行内容を十分考慮せず積み増されていた基金があるなどと指摘をされたことを踏まえ、2026年度予算は2025年度補正予算と一体して考え、基金の積み増しをはじめその内容を精査し、修正を行う必要があるものと考えておるところでございます。

同時に、利払費の膨張が政策経費を圧迫しつつあることを踏まえ、財政運営を中長期的な視点から評価・監視する独立財政機関を設置し、財政規律の強化と歳出構造を見直しに取り組む必要があるのではないかと考えているところでございます。

経済見通しにおける実質賃金指標の適正化
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 政府の経済見通しで用いられている実質賃金の指標が、生活者の実感や政府自身の本文記載と乖離している
  • 国民生活の実態に合う指標を用いるよう求める
答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

全文
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予算の参考資料である令和8年度の経済見通しと経済財政運営の基本的方針、ここについても意見を申し上げたいと思います。

昨年度に閣議了解され公開されている資料において、実質賃金は昨年度実績がプラス、今年度もプラス見込みと記載されていると承知しているところでございます。

これは、賃金を実質化する際の消費者物価指数として、毎月勤労統計調査が用いている「持ち家の帰属家賃を除く総合」ではなくて、上昇が緩やかな「総合」を用いたことが大きな要因だと思っております。

しかし、昨年度も今年度も実質賃金プラスというのは、私たち働く者、生活者の実感とは全く異なりますし、そもそも政府経済見通し本文の記載とも異なると考えております。

予算審議の前提となる重要な資料と考えておりますので、国民生活の実態と合う指標を用いていただくようお願いを申し上げるところでございます。

社会保障サービス従事者の処遇改善
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 医療・介護・保育分野の賃上げ率が他産業に比して低く、魅力ある職場となっていない
  • 他産業との賃金格差解消に向けたさらなる処遇改善を求める
答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

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次に、医療・介護・保育など社会保障サービスを担う人材の処遇改善について申し上げます。

資料5ページの左のグラフをご覧になってください。

これは厚生労働省の2025年の賃上げ実態調査では、賃上げの改定額、率ともに医療・福祉が最も低い結果となっております。

さらに2024年と比較しても下がっている状況にございます。

2025年度補正予算による処遇改善策を着実に進めるとともに、今年度予算においては、医療・介護・保育などの分野が魅力ある職場となるよう、他産業との賃金格差の解消を目指し、さらなる処遇改善を求めるものでございます。

労働時間規制の強化と裁量労働制の適正運用
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 労災請求件数が過去最多である現状を踏まえ、規制緩和ではなく時間外労働上限規制の強化が必要である
  • 裁量労働制の安易な拡充や要件緩和は長時間労働を助長するため、適正運用の徹底を求める
答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

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1点目は、働き方改革の見直しについてでございます。

労政史において見直し議論が続けられている中、政府は裁量労働制の見直しを含めた労働時間規制の緩和検討を掲げました。

働き方改革の出発点である2017年の労使合意、それを基にした働き方改革関連法の目的は、過労死・過労自死ゼロの実現、多様な人材が活躍できる社会の構築だったはずです。

この間、長時間労働の是正は一定程度進展したものの、残念ながら法施行後6年が経過しても、過労死などを含む過重労働などによる脳・心臓疾患や精神障害を理由とした労災請求件数は過去最多を記録しているところでございます。

働き方改革の実現には程遠い状況にあるのが実態と考えております。

このように、いまだに長時間労働や過労死などがなくなっていないことを踏まえれば、働き方改革に逆行する緩和ではなくて、時間外労働の上限規制の強化を含め、労働時間規制の実効性を高めていくことが急務の課題であるとこのように認識しているところでございます。

また、総理の指針方針演説や一部の経済団体から拡充の声が上がっている裁量労働制についてでございますが、厚生労働省の調査でも長時間労働につながりがちな実態が明らかになるなどの課題があることから、安易に拡充や要件緩和を行えば、長時間労働を助長しかねないと考えております。

2024年改正を踏まえた本人の同意、撤回手続き、モニタリングの強化など、適正運用の徹底こそが必要であって、対象業務の拡充や要件緩和を行うべきではないということを申し上げておきます。

ワークルール教育の推進と法整備
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 労働条件の明示不足など労使トラブルの背景に知識不足がある
  • ワークルール教育の充実・支援とともに、「ワークルール教育推進法」の策定を求める
答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

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2点目でございますけれども、ワークルール教育の推進についてでございます。

近年、働き方改革が多様化していく中、労働条件が事前に明示されない。

あるいは就労実態と異なる事案や、テレワーク等の柔軟な働き方をめぐる問題などの労使間でのトラブルが生じている。

こんなようなことが言われております。

背景には働くことに関する知識不足の問題も大きいとこのように考えております。

労働基準法をはじめとする法規制の整備に加え、労使双方がワークルールを理解することが重要であろうと、このように考えております。

政府においては、企業や働く者に対し、さまざまな機会におけるワークルール教育の充実や支援をお願いするとともに、今こそワークルール教育推進法の策定が必要だとこのように考えております。

ハラスメント防止策の実効性確保と条約批准
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • カスタマーハラスメント等の措置義務化にあたり、啓発活動や中小企業支援により実効性を確保することを求める
  • ILO第190号条約(暴力及びハラスメントの撤廃)の批准に向けた検討を求める
答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

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3点目でございますけれども、あらゆるハラスメントの防止についてでございます。

昨年の通常国会で成立した改正労働施策総合推進法などにより、本年10月からカスタマーハラスメント対策、求職者などに対するセクシャルハラスメント対策が雇用管理上の措置義務となります。

政府にはハラスメント禁止の積極的な啓発活動とともに関係省庁と連携した各業界の取組の推進、中小企業の支援などにより法の実効性確保を求めます。

併せてハラスメント根絶に向けて一定の法整備が整備されたことから、ILO第190号条約、これは仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約でございますけれども、この批准に向けた検討も求めているところでございます。

教職員の働き方改革と義務教育標準法の改正
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 35人学級の実現などを盛り込んだ義務教育標準法改正案の年度内成立を求める
  • 教員勤務実態調査を速やかに行い、給特法のさらなる見直しを検討することを求める
答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

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次に教育についてでございます。

教員が子どもと向き合う時間を確保し、きめ細かな教育を行うには、教職員の配置増と処遇改善、部活動の地域展開、外部人材の活用を含めた負担軽減など、改正給特法を踏まえた取組を行い、学校の働き方改革を進める必要があるとこのように考えております。

現在、中学校35人学級の実現などを盛り込んだ義務教育標準法(義務標準法)の改正法案が衆議院に提出されていることを承知しております。

学校現場が混乱したり子どもたちが困ったりすることがないよう、年度内の成立を強く求めるところでございます。

また、学校の働き方改革の進捗状況把握も不可欠です。

政府は教育委員会を通じて時間外在校等時間を把握するとしていますが、この調査は持ち帰った業務の時間が含まれていないなどの問題が指摘されております。

実態をより正確に把握できる教員勤務実態調査を速やかに行い、給特法をさらに見直す必要がないか検討をお願いするところでございます。

男女共同参画の推進と選択的夫婦別姓制度の導入
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 指導的地位に占める女性割合30%の早期達成に向けた取組加速を求める
  • 旧姓使用の拡大では不十分であり、人権尊重の観点から選択的夫婦別姓制度を直ちに導入すべきである
答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

全文
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次に第6次男女共同参画基本計画についてでございます。

第5次計画で掲げられた数値目標の多くが達成できていない状況にあります。

指導的地位に占める女性の割合が30%程度の早期達成に向けて取組の加速をお願いいたします。

なお、昨年12月に男女共同参画会議において、連合をはじめ複数の委員から反対の声があったことから、議長一任となっていた第6次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方、これが3月6日に原案通り答申をされたところでございます。

私ども連合としては、旧姓使用の法制化に反対の立場には変わりございません。

日本は夫婦同姓を強制されている唯一の国であり、国連の女性差別撤廃委員会から繰り返し勧告が出ているところでございます。

金融機関では戸籍姓での手続きが求められたり、若年男性からは同姓共有が婚姻のハードルになるという声も聞こえてくるところでございます。

連合が実施している世論調査でもそういった点が明らかになっているところでございます。

こういったことから、仕事や生活の面で影響を及ぼしており、旧姓使用の拡大では問題の解決にはいたらない点もあり、人権尊重という要請にも応えるものではございません。

連合が求める選択的夫婦別姓制度は、夫婦が結婚する際に同じ姓にするか、自分の姓を名乗り続けるかを選べるものであり、夫婦同姓を否定するものではございません。

選択的夫婦別姓制度を直ちに導入すべきと、このように考えます。

防災体制の強化と防災庁の設置
質問
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 自治体の物資備蓄や被災者援護団体の登録制度への支援を求める
  • 防災庁について、人権が守られた復旧復興を推進する司令塔機能を持たせ、役割分担の再検討を行うことを求める
答弁

- (本セグメントは公述人による意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

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最後に防災についてでございます。

先般の災害対策基本法などの改正を踏まえた対応が各自治体でなされるようとするには、政府の支援が不可欠だろうとこのように考えています。

特に自治体などが公表する物資の備蓄は広域災害にも対応できるものとなるよう、また被災者援護救助団体の登録制度は適切な団体が登録され、人権意識に基づいた被災者援護を行う団体が育成されるよう支援をお願いするところでございます。

今年中に設置が計画されている防災庁については、事前防災の強化を図り、発災時には被災者の人権が守られた形で復旧復興が進められるよう、司令塔機能を担い得る万全の体制で設置いただきたいと存じます。

また、防災庁の設置後には国、都道府県、市町村、事業者、NPOなどが効果的かつ効率的に協働できるよう、災害対策基本法や災害援助法で定められている役割分担の再検討を行っていただくことも併せてお願いいたします。

イラン情勢とホルムズ海峡封鎖の原因と影響
質問
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)

- イラン情勢および国際エネルギー情勢に関する報告の提示

答弁
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)
  • トランプ大統領のレジームチェンジ示唆により、イランが捨て身の報復攻撃を行い、ホルムズ海峡の実質的封鎖を招いた
  • インフラ損傷による供給低下は、単なる通行停止よりも回復に時間がかかるため深刻である
  • 米国にとってのコスト(特にガソリン価格上昇)を増大させることがイランの狙いである
全文
質問・答弁の全文を表示

私はこれからイランの問題と、それから国際エネルギー情勢について、お手元の資料をもとにお話をさせていただきたいと思います。

2ページ目を今ご覧いただきたいんですけれども、2月28日のアメリカ・イスラエルによる攻撃開始以来ですね、トランプ大統領は直近で「戦争は終わりに近づいた」というような趣旨の発言をされていますけれども、ここに至るまで見たことのない未曾有の激しい攻撃が続いてきています。

そして今回、何よりも私が重要というふうに考えたのが、攻撃の初日にトランプ大統領がいわゆるイランの体制の転換、レジームチェンジを視野に入れるといったような趣旨の発言をされ、そこから攻撃が行われた。

それが故に、イランはもう捨て身の報復攻撃をしないといけなくなったということであります。

そしてこの捨て身の報復攻撃こそが、ホルムズ海峡の通行の実質的な遮断・封鎖を生み出した最大の原因ということでございます。

この通行の要衝であるホルムズ海峡の実質的封鎖に加えて、この周辺の湾岸産油国などにイスラエルの反撃が及び、その結果として主要なエネルギーのインフラにも被害が発生、あるいは生産を停止するという事態が起きています。

この遮断インフラの損傷による供給の低下というのは、通行の停止とはまた違った意味を持つという点にも留意が必要です。

一言で言うと、仮に通行が明日にでももし安全が確保されて動くということになれば、通行の部分は回復する。

しかし、もしインフラが損傷して本当に大きな被害を受けていれば、それは簡単に戻らない。

つまり、この2つには違った意味があるという点は押さえておく必要があると思います。

これらのイランによる捨て身の攻撃は、一体何が重要なポイントなのかというと、これはまさにアメリカにとって、そしてこれから秋に中間選挙を迎えるトランプ大統領にとってのコストを上昇させるというイランの攻撃ということになります。

このアメリカ・トランプ大統領にとってのコストにはいろんな要素が含まれますが、その中の一つがエネルギー価格の上昇であることは多分間違いないでしょう。

とりわけアメリカにとっては、ガソリン価格の上昇は大変大きな政治的な意味を持ちます。

そうした中でトランプ大統領としては、できるだけ早くこの決着をつける。

その意味においてもさらなる大規模な攻撃は十分あり得る。

そしてそれにイランがどう反撃するのか、今のところ正直言ってまだ全く先は分からないということかと思います。

3ページ目をご覧いただきたいんですけれども、これまでこのホルムズ海峡という要衝については、もう長い間この封鎖の問題がずっと取り沙汰されてきました。

しかし、これは実質的には一度も止まったことがなかったわけです。

なぜかといえば、先ほど申し上げたとおり、これを特にイラン側が封鎖すれば、まさにアメリカの強力な軍事介入を招いて、その結果として体制転覆につながるという意識をイラン側が持っていたからです。

しかし、先ほど申し上げたとおり、戦争の開始の段階でレジームチェンジという話になった以上、もうこれはもうイランにとっては失うものがない捨て身の攻撃ということになりました。

また、湾岸産油国のエネルギー施設も、先ほど申し上げたとおり、攻撃対象になっているということであります。

2ページ目を今ご覧いただきたいんですけれども、2月28日のアメリカ・イスラエルによる攻撃開始以来ですね、トランプ大統領は直近で「戦争は終わりに近づいた」というような趣旨の発言をされていますけれども、ここに至るまで見たことのない未曾有の激しい攻撃が続いてきています。

そして今回、何よりも私が重要というふうに考えたのが、攻撃の初日にトランプ大統領がいわゆるイランの体制の転換、レジームチェンジを視野に入れるといったような趣旨の発言をされ、そこから攻撃が行われた。

それが故に、イランはもう捨て身の報復攻撃をしないといけなくなったということであります。

そしてこの捨て身の報復攻撃こそが、ホルムズ海峡の通行の実質的な遮断・封鎖を生み出した最大の原因ということでございます。

この通行の要衝であるホルムズ海峡の実質的封鎖に加えて、この周辺の湾岸産油国などにイスラエルの反撃が及び、その結果として主要なエネルギーのインフラにも被害が発生、あるいは生産を停止するという事態が起きています。

この遮断インフラの損傷による供給の低下というのは、通行の停止とはまた違った意味を持つという点にも留意が必要です。

一言で言うと、仮に通行が明日にでももし安全が確保されて動くということになれば、通行の部分は回復する。

しかし、もしインフラが損傷して本当に大きな被害を受けていれば、それは簡単に戻らない。

つまり、この2つには違った意味があるという点は押さえておく必要があると思います。

これらのイランによる捨て身の攻撃は、一体何が重要なポイントなのかというと、これはまさにアメリカにとって、そしてこれから秋に中間選挙を迎えるトランプ大統領にとってのコストを上昇させるというイランの攻撃ということになります。

このアメリカ・トランプ大統領にとってのコストにはいろんな要素が含まれますが、その中の一つがエネルギー価格の上昇であることは多分間違いないでしょう。

とりわけアメリカにとっては、ガソリン価格の上昇は大変大きな政治的な意味を持ちます。

そうした中でトランプ大統領としては、できるだけ早くこの決着をつける。

その意味においてもさらなる大規模な攻撃は十分あり得る。

そしてそれにイランがどう反撃するのか、今のところ正直言ってまだ全く先は分からないということかと思います。

なぜかといえば、先ほど申し上げたとおり、これを特にイラン側が封鎖すれば、まさにアメリカの強力な軍事介入を招いて、その結果として体制転覆につながるという意識をイラン側が持っていたからです。

しかし、先ほど申し上げたとおり、戦争の開始の段階でレジームチェンジという話になった以上、もうこれはもうイランにとっては失うものがない捨て身の攻撃ということになりました。

エネルギー供給の代替可能性と価格高騰のメカニズム
質問
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)

- ホルムズ海峡を通過するエネルギー量の規模と、他ルートでの代替可能性についての分析

答弁
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)
  • 原油2,000万バレル/日、LNG年間8,000万トンの巨大な供給量を他で代替することは不可能である
  • サウジアラビアやUAEの迂回パイプラインがあるが、供給量は限定的(400-500万バレル程度)であり不十分である
  • 代替不能であるため市場で価格高騰が起き、長期化すれば輸入国間での争奪戦になる恐れがある
全文
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このホルムズ海峡を経過して通行しているエネルギーの量というのは、まさに巨大なものがあります。

石油、これは原油と石油製品合わせてなんですけれども、2,000万バレルパーデイ。

そして年間LNGの輸送量は8,000万トンで、世界の供給量の2割という数字です。

これだけの巨大な数量を、どこかほかの国、ほかの供給者が代替できるのかといえば、これは全く不可能です。

この代替が不可能だということを、エネルギーの関係者あるいは先物取引をしてエネルギーを売買している人たちはみんなわかっているがゆえに、今回のような価格高騰が起きるということになります。

詳細に見ますと、まず原油については、実はこのホルムズ海峡を迂回するパイプラインがあります。

サウジアラビアの紅海側、レッドシー側にパイプラインがつながっていて、そこから輸送できる。

あるいはアラブ首長国連邦(UAE)にもホルムズ海峡を迂回する原油のパイプラインがあって、これでおおむね400あるいは500万バレル、1日当たりの大体の迂回が可能ではないかと言われていますが、先ほど申し上げたとおり、1日当たり2,000万というのには到底及びません。

その結果として、今実際にはまだ通行はほぼ遮断されている状況なんですけれども、この期間が長引けば長引くほど、実際の需給逼迫懸念は強まります。

石油2,000万バレルのうち、仮に500万バレル迂回の原油パイプラインで出したとすると、1日当たりのロスが1,500万バレル。

10日間で1億5,000万バレル、20日間で3億バレルという石油の供給が実際にあともう一つ。

価格高騰の問題に加えて、このスライドの最後に書きましたけれども、もしこの需給逼迫が本当に長期化していくと、どうしても必要だというふうに思う輸入国・消費国の間で、いわゆる取り合い、争奪戦的なものが発生する恐れもなしではありません。

これがある意味でいくと最悪の問題になるということかというふうに思います。

このホルムズ海峡を経過して通行しているエネルギーの量というのは、まさに巨大なものがあります。

石油、これは原油と石油製品合わせてなんですけれども、2,000万バレルパーデイ。

そして年間LNGの輸送量は8,000万トンで、世界の供給量の2割という数字です。

これだけの巨大な数量を、どこかほかの国、ほかの供給者が代替できるのかといえば、これは全く不可能です。

この代替が不可能だということを、エネルギーの関係者あるいは先物取引をしてエネルギーを売買している人たちはみんなわかっているがゆえに、今回のような価格高騰が起きるということになります。

詳細に見ますと、まず原油については、実はこのホルムズ海峡を迂回するパイプラインがあります。

サウジアラビアの紅海側、レッドシー側にパイプラインがつながっていて、そこから輸送できる。

あるいはアラブ首長国連邦(UAE)にもホルムズ海峡を迂回する原油のパイプラインがあって、これでおおむね400あるいは500万バレル、1日当たりの大体の迂回が可能ではないかと言われていますが、先ほど申し上げたとおり、1日当たり2,000万というのには到底及びません。

その結果として、今実際にはまだ通行はほぼ遮断されている状況なんですけれども、この期間が長引けば長引くほど、実際の需給逼迫懸念は強まります。

石油2,000万バレルのうち、仮に500万バレル迂回の原油パイプラインで出したとすると、1日当たりのロスが1,500万バレル。

10日間で1億5,000万バレル、20日間で3億バレルという石油の供給が実際にあともう一つ。

価格高騰の問題に加えて、このスライドの最後に書きましたけれども、もしこの需給逼迫が本当に長期化していくと、どうしても必要だというふうに思う輸入国・消費国の間で、いわゆる取り合い、争奪戦的なものが発生する恐れもなしではありません。

これがある意味でいくと最悪の問題になるということかというふうに思います。

石油・LNG市場の不安定化と製品価格への影響
質問
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)

- 石油・LNG市場の現状と、原油・石油製品・LNGそれぞれの価格変動の特徴について

答弁
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)
  • 先行きの不安から原油価格が一時119ドルまで急騰したが、終戦期待で乱高下している
  • 石油製品(LPG、ナフサ、軽油等)は迂回パイプラインがなく、特に欧州で原油以上の価格高騰が起きている
  • LNGはスポット市場で激しい価格高騰が起きているが、日本は原油連動型でタイムラグがあるため直ちに影響は出にくい
全文
質問・答弁の全文を表示

4ページをご覧いただきたいんですけれども、その結果として起きているのが、石油・LNG市場の著しい不安定化ということになります。

先物市場というのは常に先を読んで売ったり買ったりしますから、先が不安だということになれば、それだけで買いが進み価格が上昇する。

それがまさにこの一両日の間に起きた、瞬間風速でいうと1バレル当たり119ドルというところまで付けた。

これはもう、ここから先どうなるかわからないという不安が買いを呼んだということであります。

ただし、先ほどお話があった遠藤さんの方からお話があったとおり、もう戦争が終わりに近いというようなトランプ大統領の発言を見ると、「戦争が終わるんだったら供給支障が回復するんじゃないか」ということでいきなり売られて80ドル台まで下がる。

終値は90ドル台ということになっているんですけれども、この90ドルという値段は決して安い価格ではない。

そしてあともう一つは、未だにこの供給の実質的な支障は改善されていないというところは、これは見逃すことができない大事なポイントになります。

先ほどから申し上げているとおり、この巨大な供給量・通行量を代替することはほかの人にはできないということを考えますと、これが長引けばまた価格が上昇していく可能性は否定できないというふうに思います。

あともう一つ、この中東の産油国は原油輸出国として有名ではありますが、実は石油製品の輸出も非常に大量に行っています。

1日当たりの2000万バレルの通行量のうち、おそらく400から500万バレルぐらいは石油製品であろうというふうに言われてまして、その大多数はLPG(液化石油ガス)、ナフサなどですが、あるいはディーゼルオイル、軽油とかジェット燃料のような中間留分もかなりあります。

これらが実は、原油の場合には大体パイプラインがあると申し上げたんですが、石油製品には全くない。

それが全部止まるということで、実は石油製品市場の方が大きく価格が上がっているというようなことがあります。

例えばヨーロッパ市場では、ウクライナ戦争以降、それまではロシアから大量に買っていた石油製品を買えなくなって中東から買っていた。

これが止まっています。

その結果として欧州では、石油製品価格の高騰の方が原油よりもより厳しいというようなことが起きている。

あともう一つはLNGについては、これは後ほど日本の場合との対照を比較で申し上げますけれども、全体としての8000万トンに相当する供給が止まっているということになった結果、例えばスポット市場あるいはヨーロッパ市場のように、天然ガスの需要と供給でガスの値段が決まるそういう市場において、価格高騰が極めて著しくなっています。

ガスの需要と供給それのみで価格が決まるとなったときには、この失われた供給の大きさに加えて、ガスの場合の備蓄の低さということも強く意識された。

その結果として価格が高騰している。

いずれも一言で価格高騰というふうにくくられますけれども、原油、石油製品、LNGでそれぞれに特徴と違いがあるということもあります。

4ページをご覧いただきたいんですけれども、その結果として起きているのが、石油・LNG市場の著しい不安定化ということになります。

先物市場というのは常に先を読んで売ったり買ったりしますから、先が不安だということになれば、それだけで買いが進み価格が上昇する。

それがまさにこの一両日の間に起きた、瞬間風速でいうと1バレル当たり119ドルというところまで付けた。

これはもう、ここから先どうなるかわからないという不安が買いを呼んだということであります。

ただし、先ほどお話があった遠藤さんの方からお話があったとおり、もう戦争が終わりに近いというようなトランプ大統領の発言を見ると、「戦争が終わるんだったら供給支障が回復するんじゃないか」ということでいきなり売られて80ドル台まで下がる。

終値は90ドル台ということになっているんですけれども、この90ドルという値段は決して安い価格ではない。

そしてあともう一つは、未だにこの供給の実質的な支障は改善されていないというところは、これは見逃すことができない大事なポイントになります。

先ほどから申し上げているとおり、この巨大な供給量・通行量を代替することはほかの人にはできないということを考えますと、これが長引けばまた価格が上昇していく可能性は否定できないというふうに思います。

あともう一つ、この中東の産油国は原油輸出国として有名ではありますが、実は石油製品の輸出も非常に大量に行っています。

1日当たりの2000万バレルの通行量のうち、おそらく400から500万バレルぐらいは石油製品であろうというふうに言われてまして、その大多数はLPG(液化石油ガス)、ナフサなどですが、あるいはディーゼルオイル、軽油とかジェット燃料のような中間留分もかなりあります。

これらが実は、原油の場合には大体パイプラインがあると申し上げたんですが、石油製品には全くない。

それが全部止まるということで、実は石油製品市場の方が大きく価格が上がっているというようなことがあります。

例えばヨーロッパ市場では、ウクライナ戦争以降、それまではロシアから大量に買っていた石油製品を買えなくなって中東から買っていた。

これが止まっています。

その結果として欧州では、石油製品価格の高騰の方が原油よりもより厳しいというようなことが起きている。

あともう一つはLNGについては、これは後ほど日本の場合との対照を比較で申し上げますけれども、全体としての8000万トンに相当する供給が止まっているということになった結果、例えばスポット市場あるいはヨーロッパ市場のように、天然ガスの需要と供給でガスの値段が決まるそういう市場において、価格高騰が極めて著しくなっています。

ガスの需要と供給それのみで価格が決まるとなったときには、この失われた供給の大きさに加えて、ガスの場合の備蓄の低さということも強く意識された。

その結果として価格が高騰している。

いずれも一言で価格高騰というふうにくくられますけれども、原油、石油製品、LNGでそれぞれに特徴と違いがあるということもあります。

実は日本はLNGはこの需要と供給のバランスで価格が決まるというよりは、大体は原油価格の値段に連動してLNGの値段が決まる方式をとっています。

その結果として、しかもこの値段の決まる方式にはタイムラグ、おおむね3か月から4か月遅れて価格が決まってくるという仕組みを持っていますので、今の時点では日本の場合、LNGの値段はそれほど上がらない。

ここから上がるにしても、ヨーロッパやスポットのLNGに頼る人たちほど上がらないということにはなるでしょう。

原油価格の推移と地政学リスクの相関
質問
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)

- 2025年以降の原油価格の傾向と、地政学リスクが市場に与えた影響について

答弁
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)
  • 2025年前半は供給過剰で価格低下傾向にあったが、1月のベネズエラ攻撃を機に地政学リスクへの反応が強まり反転した
  • イラン攻撃により一時119ドルまで上昇し、通行支障が解消されない限り不安定な状況が続く
全文
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5ページは原油価格の推移を簡単に示したもので、申し上げたい点はごくごくシンプルで簡単でございます。

これ、最初は2025年の最初から最近まで、直近までを取っているんですが、実は2025年はずっと傾向として原油価格が下がってきているんですね。

昨年の6月のイスラエル・アメリカによるイラン核施設への攻撃、「12日間戦争」といいますけれども、このときに一瞬ワッと盛り上がったんですけれども、こういう例外を除くと基本的に価格が下がってきていました。

これはなぜかというと、世界の石油市場に十分な供給が存在し続けて、その十分な供給が価格を圧迫して下げてきた。

しかし、実は今年の1月ぐらいからそれが反転して上がり始めています。

これは年初にベネズエラへの軍事攻撃が行われて、トランプ大統領がまさにベネズエラという世界で有数の産油国を攻撃したところから、潮目が変わってきた。

一言で言うと、地政学リスクに市場が反応するそういう状況が強まったということなわけです。

そして、それの今の段階で言うと最も極端な例が今般のイランに対する攻撃であり、それが瞬間風速で言うと119ドルというところまで行ったということであります。

終値では90ドル台の半ばというところですが、先ほど申し上げたとおり、この通行支障が本当に解除される、そしてタンカーの通行が通常の方に戻っていって、この大量の供給に回復するという目処が立たない間は、市場は非常に不安定で、価格を押し上げる要因が残り続ける。

その点は決して安心できないということかと思います。

これ、最初は2025年の最初から最近まで、直近までを取っているんですが、実は2025年はずっと傾向として原油価格が下がってきているんですね。

昨年の6月のイスラエル・アメリカによるイラン核施設への攻撃、「12日間戦争」といいますけれども、このときに一瞬ワッと盛り上がったんですけれども、こういう例外を除くと基本的に価格が下がってきていました。

これはなぜかというと、世界の石油市場に十分な供給が存在し続けて、その十分な供給が価格を圧迫して下げてきた。

しかし、実は今年の1月ぐらいからそれが反転して上がり始めています。

これは年初にベネズエラへの軍事攻撃が行われて、トランプ大統領がまさにベネズエラという世界で有数の産油国を攻撃したところから、潮目が変わってきた。

一言で言うと、地政学リスクに市場が反応するそういう状況が強まったということなわけです。

そして、それの今の段階で言うと最も極端な例が今般のイランに対する攻撃であり、それが瞬間風速で言うと119ドルというところまで行ったということであります。

終値では90ドル台の半ばというところですが、先ほど申し上げたとおり、この通行支障が本当に解除される、そしてタンカーの通行が通常の方に戻っていって、この大量の供給に回復するという目処が立たない間は、市場は非常に不安定で、価格を押し上げる要因が残り続ける。

その点は決して安心できないということかと思います。

日本への影響と今後の対応策
質問
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)

- 日本のエネルギー依存構造(中東・ホルムズ依存度)と、供給危機への具体的対応策について

答弁
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)
  • 原油の中東依存度は95%と極めて高く、価格上昇は日本のエネルギーコスト全体を押し上げる
  • LNGはホルムズ依存度は低いが国内在庫が少ないため、長期契約の柔軟な活用やスポット調達が必要である
  • 長期化する場合、徹底的なエネルギー節減、原子力・石炭火力への代替、備蓄活用などの包括的対策が不可欠である
全文
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最後の時間を使わせていただいて、日本の問題を7ページでまずお話ししたいと思います。

ここは皆様のご案内のとおり、石油はもう相当依存度をこの半世紀以降の取組によって下げてきました。

50年前の石油危機(オイルショック)のときには7割あった依存度は、今は4割を切る。

しかし、未だに石油は最大のエネルギー源であることには変わりません。

しかもその石油について、原油の中東依存度は95%ということで、非常に高いホルムズ依存度という状況になっています。

もちろん国内には250日を超える備蓄があり、そして国際エネルギー機関(IEA)等との国際協力の体制というのも、石油危機の教訓を踏まえて整備されてきました。

他方、LNGは発電用の燃料として、これは今でも最も主要な発電用の燃料の一つでありますし、大手の都市ガス事業者にとっても主要な都市ガス原料として極めて重要な役割を果たしています。

しかし中東原油の場合と考えて、LNGはアジア太平洋からの長期契約による原油価格連動型の輸入が主体であって、ホルムズへの依存度は6%とかなり低い。

しかし逆に国内の在庫は非常に低い。

これはひとえにマイナス162度という超低温で保存する必要があるということによる経済的なコストの大きさ、あるいは物的なそういう特徴から、在庫、備蓄というのを大量に持つのは難しいということになります。

その結果として、一番下に書いたとおり、日本の企業が持っている長期契約、つまりホルムズ海峡経由でないところの長期契約での追加的な供給確保や、柔軟性の高いLNGを市場から活用していくというのが重要になるということです。

最後、8ページに今後の影響と対応ということで、繰り返しになりますけれども、今後今の90ドル台からさらにこの原油価格が上がっていくということは、本当に深刻な影響をもたらすということになります。

あともう一つ、原油価格が上昇するとガソリン等の石油製品がまず価格が上がりますけれども、先ほど申し上げたとおりタイムラグを伴ってLNGの値段も上がります。

そしてLNGの値段が上がれば、電力の値段も上がっていく。

ということになりまして、原油の価格高騰は日本のエネルギーコスト全体を押し上げていってしまうという問題になります。

あともう一つ、これは本当にあまり考えたくもない状況でありますけれども、本当にこの問題が長期化して通行支障が長く続くというようなことがあると、この量は日本にとっては非常に巨大なものになりますので、それを全て代替してどこかから持ってくるというのはおそらく難しい。

このような場合には、極めて強力な総合的包括的対策、つまり思い切ったエネルギーの節減、原子力あるいは石炭火力等も含めた可能な分野での代替、あるいは備蓄の活用と国際協力、これはもう必要不可欠になるというふうに思います。

LNGの方は、これはホルムズ経由の代替を代替するためには、先ほど申し上げたとおり、それ以外の、例えばオーストラリア、マレーシア、その他諸々の国と持っている長期契約の中に、柔軟性を持って供給を増やす条項がある場合が結構あります。

これをまず徹底的に行い、かつそれに加えてスポット価格での調達は、価格高騰を招くという副作用がありますが、必要に応じてそれをやっていく。

先ほどから申し上げているとおり、在庫に限界がある以上、特に発電用のLNGについては、発電事業者は自分の手のうちに、例えば石炭火力のような代替電源を持っているということになりますから、徹底的なLNGの代替と、そして同じく節電、省エネといったことによって危機を乗り切っていくということが必要不可欠になるというふうに思います。

しかもその石油について、原油の中東依存度は95%ということで、非常に高いホルムズ依存度という状況になっています。

しかし中東原油の場合と考えて、LNGはアジア太平洋からの長期契約による原油価格連動型の輸入が主体であって、ホルムズへの依存度は6%とかなり低い。

しかし逆に国内の在庫は非常に低い。

これはひとえにマイナス162度という超低温で保存する必要があるということによる経済的なコストの大きさ、あるいは物的なそういう特徴から、在庫、備蓄というのを大量に持つのは難しいということになります。

その結果として、一番下に書いたとおり、日本の企業が持っている長期契約、つまりホルムズ海峡経由でないところの長期契約での追加的な供給確保や、柔軟性の高いLNGを市場から活用していくというのが重要になるということです。

最後、8ページに今後の影響と対応ということで、繰り返しになりますけれども、今後今の90ドル台からさらにこの原油価格が上がっていくということは、本当に深刻な影響をもたらすということになります。

あともう一つ、原油価格が上昇するとガソリン等の石油製品がまず価格が上がりますけれども、先ほど申し上げたとおりタイムラグを伴ってLNGの値段も上がります。

そしてLNGの値段が上がれば、電力の値段も上がっていく。

ということになりまして、原油の価格高騰は日本のエネルギーコスト全体を押し上げていってしまうという問題になります。

あともう一つ、これは本当にあまり考えたくもない状況でありますけれども、本当にこの問題が長期化して通行支障が長く続くというようなことがあると、この量は日本にとっては非常に巨大なものになりますので、それを全て代替してどこかから持ってくるというのはおそらく難しい。

このような場合には、極めて強力な総合的包括的対策、つまり思い切ったエネルギーの節減、原子力あるいは石炭火力等も含めた可能な分野での代替、あるいは備蓄の活用と国際協力、これはもう必要不可欠になるというふうに思います。

LNGの方は、これはホルムズ経由の代替を代替するためには、先ほど申し上げたとおり、それ以外の、例えばオーストラリア、マレーシア、その他諸々の国と持っている長期契約の中に、柔軟性を持って供給を増やす条項がある場合が結構あります。

これをまず徹底的に行い、かつそれに加えてスポット価格での調達は、価格高騰を招くという副作用がありますが、必要に応じてそれをやっていく。

先ほどから申し上げているとおり、在庫に限界がある以上、特に発電用のLNGについては、発電事業者は自分の手のうちに、例えば石炭火力のような代替電源を持っているということになりますから、徹底的なLNGの代替と、そして同じく節電、省エネといったことによって危機を乗り切っていくということが必要不可欠になるというふうに思います。

高額療養費制度の見直し案に対する要望(月額限度額の抑制)
質問
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 月ごとの限度額引き上げが治療断念や生活破綻につながる懸念がある
  • 特に70歳未満の現役世代への負担増に特段の配慮を求める
  • 医療費節減のための他の代替手段を優先的に検討することを要望する
答弁

- (本セグメントは公述人の意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

全文
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共同声明では3点の要望をいたしました。

1点目、多数回該当の据え置きと年間上限の新設により、長期にわたり継続して治療を受ける患者の年間での負担軽減を着実に実行する一方で、月ごとの限度額については、まだ十分に抑制されていないため、仮に月ごとの限度額を引き上げる場合でも、治療断念や生活破綻につながることはないように、さらなる抑制を検討すること。

2点目、特に70歳未満の月ごとの限度額について、いわゆる現役世代が既に高い社会保険料を負担しているにもかかわらず、応能負担に基づいて引き上げ金額が大きくなっているため、特段の配慮を行うこと。

3点目、高額療養費制度は、わが国の公的保険医療制度の根幹をなし、大きなリスクに備える重要なセーフティーネットであることから、医療費節減に資する他の代替手段について優先かつ十分な検討を引き続き行うこと。

治療断念や生活破綻につながることはないように、私たち患者団体としましては、月額の限度額の引上げについては、さらなる抑制を検討するよう重ねて要望いたします。

高額療養費制度における「2万1千円の壁」の見直し
質問
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 70歳未満の場合、自己負担額が2万1千円未満だと合算できない仕組みがある
  • 高齢者との不公正な取扱いであり、現役世代の負担軽減のため直ちに見直すべきである
答弁

- (本セグメントは公述人の意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

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例えばですが、まず1点目、高額療養費の合算についてです。

高額療養費の申請では、同一の医療機関の自己負担額が上限額を超えない場合であっても、他の医療機関の医療費であるとか、あるいは同じ世帯の同じ公的医療保険に加入している方の医療費については合算が可能です。

ただし、70歳未満の場合はそれぞれの自己負担額が21,000円以上であることが必要であるのに対して、71歳以上は21,000円に満たなくても合算が可能です。

具体例で見ますと、右側の表で佐藤さんという患者さんを想定していますが、この方はA病院とB病院を受診しています。

それぞれの診療科で6万円、10万円、5万円と医療費が生じていますが、一番右側の2万円は2万1千円に満たないので、70歳未満の場合は合算ができません。

高齢者は合算ができるのに対して、現役世代だけは合算できないのか。

その理由は承知しておりませんが、現役世代だけに負担を強いる不公正な取扱いではないかと考えますので、現役世代の負担軽減のためにも、70歳未満であっても合算ができるよう、このいわゆる「2万1千円の壁」を直ちに見直していただきたいと考えています。

年間上限の運用方法の改善
質問
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 新設される年間上限が「償還払いかつ患者申告制」となる見込みである
  • 患者の負担が大きくなる可能性があるため、早期に運用を見直してほしい
答弁

- (本セグメントは公述人の意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

全文
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2点目は、今回の見直しで新設していただいている年間上限の取扱いです。

年間上限の当面の間は、償還払いかつ患者申告制となる見込みと伺っております。

これはシステム改修が間に合わないためと聞いておりますが、償還払いかつ患者申告制では患者の負担が大きくなってしまう可能性がありますので、これも早期に運用を見直していただければと考えています。

多数回該当カウントのリセット問題
質問
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 退職や転職、転居で保険者が変わると多数回該当のカウントがリセットされる
  • カウントが引き継がれる仕組みの検討を早急に進めてほしい
答弁

- (本セグメントは公述人の意見陳述であり、政府側からの回答は含まれていない)

全文
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3点目、多数回該当のリセット問題です。

現行の高額療養費制度では、退職や転職、あるいは転居などによって加入する保険者が変わる際に、多数回該当のカウントがリセットされてしまう仕組みになります。

これについても、カウントが引き継がれる仕組みの検討を早急に進めていただければと考えております。

中東情勢に伴うエネルギー外交と地政学的リスクへの対応
質問
塩崎彰久 (自由民主党・無所属の会)
  • 中東情勢の混乱による一時的な原油高が解消した後も残る地政学的リスクをどう考えるべきか
  • 備蓄の協調放出、国際枠組みのあり方、供給の多角化など、エネルギー外交の観点から日本が検討すべき点は何か
答弁
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)
  • 中東へのエネルギー依存は大きな課題であり、経済原理(低コスト)と国家安全保障のジレンマがある
  • 日本の精製システムが中東原油に最適化されている歴史的経緯があり、市場原理だけでは解決が困難
  • ウクライナ危機でロシア産を排除した結果、中東依存度が95%まで上昇した
  • 国家を挙げた包括的対策が必要であり、一次エネルギー全体での石油依存度を下げる取り組みを継続すべきである
全文
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エネルギー外交の観点でございます。

今日お話をいただいた、このイラン戦争に端を発するこの原油価格の上昇でございますが、日本のようにエネルギーを海外に多く依存する国にとっては死活問題でございます。

ただ、このホルムズ海峡の封鎖というのは、かねてより先生をはじめ我々も含めて検討してきた、そして想定をしていたワーストケースシナリオ、その一つがまさに顕在化したということだと考えております。

このホルムズ海峡の影響、先ほど先生の分析の中でも、今目の前のこの通行の支障による影響と、今後の地政学的なリスクの高まりによる影響、この2つがあるという、そういう分析をしていただいていたと思います。

そこで先生にお伺いしたいんですが、今回の中東情勢の混乱に伴う一時的な原油高、エネルギー高ですけれども、今後、この一時的なものは解消されたとしても、残っていくこの地政学的なリスクプレミアム、これから報復があったり不安定化するかもしれないそうしたことを含めたリスクというのはどの程度あると考えるべきなのか。

そして、そういう今後の中長期的な影響を考えたときに、エネルギー外交という観点からは、例えば備蓄の協調的な放出とか、またはさまざまな国際的な枠組みのあり方とか、供給の多角化とか、こうした観点から日本はどういった点を考えていくべきか、ぜひお考えをお聞かせいただきたいと思います。

ご質問、ご指摘いただいた点は大変重要な点で、仮に今回の事象がある程度落ち着いたとしても、中東というこの地政学リスクがずっと存続し続けてきたところに多くのエネルギー供給を依存するということは、やはり問題というか大きな課題である。

これはもう率直に言ってそのとおりになっているというふうに思います。

ただ、実は半世紀前からその問題は分かっていたはずではないか。

にもかかわらず、なぜここまで依存をしているのかという点についての答えが、実は非常に複雑な問題を提起しております。

これは中東のエネルギー、例えばサウジアラビアの石油とかカタールのLNGというのは、世界の中でも最も競争力のあるエネルギーだからです。

要するに経済原則、市場原理の中で我々みんな生きていますので、競争に打ち勝つためにはできるだけコストの安いそういう供給源にアクセスしないといけない。

通常時のこのビジネスや暮らしの中でいうと、競争力のあるエネルギー源を無視することはできない。

逆にそれを無視というか、意図的にそこから離れようとすれば、我々は常に追加的なコストを支払わなきゃいけない。

この覚悟と決意をどれだけ持ち続けるのかというところに問題は行き着きます。

あともう一つ、日本の場合、特に石油ですけれども、これは歴史的な経緯があります。

日本は第二次大戦に負けて、そのとき、すべての精製システムを失いましたけれども、そのとき、精製業の再建というのは、いわゆる石油メジャーの技術と資本と原油の供給というふうに大きく依存しました。

ちょうど当時は、彼らが中東で石油の大開発をやっていた時期で、要するに中東で大開発した石油が日本の精製システムにぴったりと合うという形で再構築された。

つまり日本の精製という観点からすると、中東の原油は最も最適でフィットする原油になるということであります。

その点において、これはいわゆる経済原則、市場原理に本当に委ねておいたのでは、なかなか解が見つからないということになるかと思います。

今、中東原油の依存度は95%になりました。

この理由にはいろいろあります。

一番直近ではウクライナ危機があって、ロシアからの原油を買うのをやめた。

西側の一員としてやめた。

その結果として、頼るのは中東しかなかったということです。

この競争力のある供給源から、離れようとするとならば、まさに日本の国家を挙げて、本当に包括的総合的な対策をしないといけないと思います。

実際、これ日本は第一次石油危機以降やってきました。

ですから、石油依存度、中東依存度、原油輸入における中東依存度は95%と高いんですが、一次エネルギーにおける石油依存度を大きく下げてきた結果として、トータルエネルギー、トータル経済の中での中東原油のウェイトは大きく下がってきています。

このような取り組みが必要だと思います。

あと最後に1つだけ、エネルギーの外交という点でいうと、この問題はこれから先、他の点でも考えないといけない。

例えばレアアースのようなものは、最も競争力のある供給源、ここは中国になると思います。

自然体で置いておけば、これは必ずそこに依存が高まる。

これは総合的包括的な国家戦略が必要な重要な部分だと思います。

エネルギー自給率の向上と再生可能エネルギーへの転換の両立
質問
塩崎彰久 (自由民主党・無所属の会)
  • 安定的なエネルギー供給のため、日本のエネルギー自給率の向上と再生可能エネルギーへの転換をどう両立させるべきか
  • リスクガバナンスの観点から、日本が今考えるべきことは何か
答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • エネルギー政策の優先順位において、現在は「安定供給」が最優先されるべき局面にある
  • 短期的には脱炭素に関わらず、国民生活を脅かさない低廉な価格での安定供給を総動員で確保すべき
  • 長期的には、脱炭素電源を中心として自給率を高める方式を模索すべきである
全文
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そこで遠藤先生にお伺いしたいんですが、遠藤先生、まさに原発についても、この原発賠償の受賞もされた御著書もあったりして、まさに専門家でいただいていますけれども、このエネルギーの自給率、今小山先生からもありましたが、これをこれからしっかりと見直していくということを考えていかなければならない、一つのきっかけを今回与えていただいていると思っております。

そうした中で、その遠藤先生のこれまで研究してきたエネルギー政策、リスクガバナンスの、安定的なエネルギーを供給していくために、日本のエネルギー自給率の向上と、そして再生可能エネルギーへの転換、この両立をどう図っていくのか、これが大変重要になってくると思います。

ここについて、先生の御知見、日本として何を今考えていかなければならないか、ぜひお聞かせください。

第7次エネルギー基本計画を立てました際に、そもそもエネルギー政策を考えるときによくSプラス3Eということで、安全を前提とした経済性と環境適合性と安定供給、その4つを両立するという形でエネルギーの政策はあるべきだということだったんですけれども。

7次では安定供給がまずは第一番手に来るんだという、少しSプラス3Eのバランスが変わったように思います。

やはり安定的に供給をされないと、日本のエネルギーは先ほど先生もおっしゃられましたように経済の基盤であり産業の基盤であり、国家安全保障そのものでありますので、安定供給が第一番に優先されるべきだということだと思っております。

今回の事象はその安定供給のところに、非常に極めてリスクを検知させたというか、リスクを顕在化し、我々のその認識が高まったところなんですけれども。

一つ重要なのは、当然その長期的に自給率を上げていくという長期戦略の部分と、短期的なある種の安定供給を現実的に解決していこうというリアリスティックな回答、その両方が必要になるかと思っております。

前段階のところの現実的な回答については、今の状態がどのぐらい長引くかにもよるのですが、この危機に対応するためには総動員でいかなくてはならない。

これは脱炭素であるとかそういうことは関係なく、安定供給を確保していかなくてはいけない。

しかも低廉な価格で、国民生活を脅かさないような価格で確保していく。

もう一方、長期のところでは先ほども申し上げましたように、脱炭素電源を中心としたような自給率を高めていく方式を日本は模索していかなくてはならない。

再エネだけではなくて、それで原子力が……。

高額療養費制度の見直しにおける患者団体の参画
質問
塩崎彰久 (自由民主党・無所属の会)

- 高額療養費制度の見直しに向け、政府と患者団体との間で意見交換が行われてきたことについて、どのような受け止めか

答弁
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 約半年間にわたる専門委員会を通じて、長期治療患者や低所得者への配慮などの要望を丁寧に聞いてもらえたことに感謝している
  • 今後も審議会などへの当事者の参画をさらに進めてほしい
全文
質問・答弁の全文を表示

また、このエネルギーの価格高騰につきましては、さまざまな生活への影響が非常に大きいということで、特に患者団体、天野理事長、今日来ていただいておりますけれども、非常に大きな影響を感じられている皆様ではないかと思っております。

先ほど高額療養費のお話ありました。

奇妙なご縁で、昨年の予算委員会、まさにこの場所で私は上野厚労大臣に、高額療養費の見直しについて患者の皆さんのご意見をもっと聞いていただいてはどうかと、そういうお話をさせていただきまして、その後、患者団体の皆様も加わるような形で政策論議がここまで進んできていると思っております。

天野理事長ご自身、これまで増大する高額療養費を負担能力に応じてどのように分かち合うか、検討を丁寧に進める必要がある。

と述べられておりまして、国民の理解の下で、制度を維持するための見直しについては、前向きに検討してきていただいたと思っております。

今回の議論の過程で、政府と患者団体との間で意見交換が行われてきたことについて、どのような受け止めか、簡潔に率直に教えていただければと思います。

先ほど申し上げたとおり、具体的な金額については、これは予算編成で決まることですので、専門委員会で議論した後に決まっているということは申し上げたとおりですが、ただ先ほど申し上げたように、第1回から第8回、昨年の5月からおよそ半年間にわたって専門委員会を設けていただいて、その中で私たちからの要望、特に長期にわたって継続して治療を受ける患者さんへの配慮、あるいは所得が低い方への配慮、そういったことについて、要望を丁寧に聞いていただいたことについては、これは私たち患者団体としても厚生労働省の対応に感謝しているところでございます。

現在、さまざまな審議会で患者さんの参画が進んでいますので、こういった当事者の参画というものをぜひこれからも進めていただきたいと願っております。

エッセンシャルワーカーの処遇改善
質問
早稲田ゆき (中道改革連合・無所属)
  • 保育・介護・障害福祉等のエッセンシャルワーカーの処遇が全産業平均より低く、格差が開いている現状を指摘
  • 現場で働く人々や子育て・介護世代の切実な声について問う
答弁
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 他産業との賃金格差があり、物価上昇に追いつかず生活が苦しいという声が多く聞かれる
  • 報酬改定による措置はあるが、人材確保や魅力ある職場づくりの観点から引き続き改善が必要である
全文
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まず私は厚生労働委員会の方でずっと取り組んでまいっております、このエッセンシャルワーカーの処遇改善であります。

この保育、それからまた介護、そして障害福祉の人材の処遇改善が、もちろん毎年少しずつは上がっているわけですけれども、これについてもなかなか全産業平均と比べてもまだ8.3万円低い。

そしてまた25年はさらにこの差が開いたと思います。

そうしたことも踏まえて、現場の声、働いている皆様の声、子育て世代も含め高齢者の方も介護をしていらっしゃる方の皆様の現場の声ということを私たちに教えていただきたいと思います。

御指摘のとおり、医療・介護・保育など社会保障、これは誰もが将来にわたり安心して暮らし、働き続けるための基盤になるものだろうと、このように思っています。

今御指摘したように、この処遇面を見ますと、やはり他の産業に比べると平均で8.3万円ほどの差があるということであったり、先ほど申し上げましたとおり、額ともに低位にあるということでございます。

我々厚生組織が調査したところによると、やはり処遇の厳しい局面もある中で、物価上昇に追いついていないということですから、生活に充てる影響が大きい、苦しいという声も数多く聞かれているということでございます。

報酬改定の予算措置に処遇改善が盛り込まれていることは重々承知しているということでございますけれども、他の産業と比べての比較において、まだまだ改善すべきところがあるということでございますし、人材確保の観点からも、あるいは働いていらっしゃる方々の処遇改善、魅力ある職場という観点からも、これからも引き続き取組が必要なんではないかと、このように思っているところでございます。

労働時間の規制緩和と働き方改革の実態
質問
早稲田ゆき (中道改革連合・無所属)
  • 厚労省の点検結果で「労働時間を増やしたい」人は約1割に留まることを指摘
  • 政府が裁量労働制の拡大や規制緩和を提示していることに対し、労働者の代表としてどう受け止めているか問う
答弁
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 労働時間を増やしたい層の理由は「稼ぎたい」「生計が立てられない」という切実なものである
  • 所定内賃金の引き上げが必要であり、過労死ライン(月80時間)超えを望む人は極めて少ない
  • 実態を把握した労働法制が求められる
全文
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それから働く皆様のこの雇用の安定ということであります。

3月5日に厚生労働省から働き方改革の総点検という結果、これが公表されました。

労働時間を増やしたいという方が約1割ということであったという結果が明らかになったわけです。

この間、高市総理の方から働き方の改革を進めるべきだということで、例えば裁量労働制、それから労働時間の規制の緩和ということも御提示があって、私たちはどうしてそういうことになるのかなと大変疑問を感じている中でありますけれども、働く皆様の代表として、この労働時間を増やしたいというのが1割であって、ほとんどの方が今まででいいというようなアンケート結果が出ておりますことを踏まえて、どのような受け止めをされているかお尋ねしたいと思います。

おっしゃられるとおり、労働時間を増やしたいと回答された方が10.5%、約1割というふうに承知しております。

ただ、それをよくよく見てみますと、増やしたいとおっしゃっている方々の理由が、「たくさん稼ぎたいから」ということだったり、「残業代がないと生計が立てられないから」という、こういう切実な回答が多くなっております。

生活を支えるための残業代というよりも、やはりこの所定内賃金を高めていくということも必要な取組ではないかと、このように思っているところでございます。

それで、やはり労働時間を語るときにある過労死ラインというところが、しっかりとここを見ていかなくてはいけないのではないかというふうに思っております。

現在、過労死ラインでもある現在の上限、約月80時間を超えて働きたいという、こういうような方々は全体の0.5%にすぎません。

むしろ労働時間はこのままが良い、あるいはこの方々が大体59.5%、減らしたいが30%ということでございますから、こういうところから見ても、この実態をしっかりと把握した上での労働法制というものが求められるのではないかと、このように思います。

裁量労働制の拡大と運用実態
質問
早稲田ゆき (中道改革連合・無所属)

- 政府は裁量労働制の満足度が高く、健康悪化等はないとしているが、この点への見解を問う

答弁
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 満足度が高いのは処遇が高い層に偏っている可能性があり、詳細な分析が必要である
  • 裁量のない人に適用され長時間労働が常態化したり、残業代支払いの「隠れ蓑」になっている実態がある
  • 運用の厳格なウォッチと改善、成功事例の研究をセットで行うべきである
全文
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さらに裁量労働制についてでございますが、これは先ほども対象業務の拡大、それから要件緩和を行うべきではないという発言もございました。

高市総理の方では、「適用労働者本人からの満足度は高く、また制度適用による労働時間が著しく長くなる、処遇が低くなる、健康状態が悪化するとは言えないということも明らかになっております」と答弁もされている中ですけれども、どうぞこの受け止め、それからまた御考えを教えてください。

裁量労働制について満足度が高いというところをよく見てみますと、やはりそこは処遇が高いという方々が多いので、裁量労働制そのものが、というところから見ると、もう少し分析が必要なのではなかろうかとこのように思います。

ただ、その一方で、やはり裁量がない方々にも適用されてしまっているとか、なかなか自分で時間コントロールができない方々にも、そういったものが適用されてしまっているということから、長時間労働が常態化してきているということもあるでしょうし、また、これはなかなか言葉を得られますとあれですけれども、そのことによって長時間労働が助長されてしまって、残業代を支払わなくてもいいという、こういう隠れ蓑のようになっているという実態も一方ではあるということですから、そういうようなことから2024年には適用をしっかりと、運用を見直そうと強化しようということで取り組んできたという経過があります。

ということからすると、今行うべきは、それがしっかりと運用されているのかということをしっかりとウォッチした上で、そこで課題があれば改善していくということだと思いますし、先ほど申し上げたとおり、うまく運用しているところもございますので、そういったところもしっかりと研究するというか、展開していくということもですね、セットでやるべきだというふうに思います。

予算審議のあり方と国会運営
質問
早稲田ゆき (中道改革連合・無所属)

- 与党による強引な審議日程を批判し、エネルギー高騰等の緊迫した状況を踏まえ、暫定予算も視野に入れた丁寧な審議が必要ではないか問う

答弁
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 処遇改善等が盛り込まれた予算の成立は評価するが、不成立時の国民生活への支障を懸念し、暫定予算含め対応すべきである
  • 基金の積み増しや執行状況の不透明さについて精査を求める
  • 透明性の高い熟議の国会を望む
全文
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さらにこの予算審議でありますが、大変与党が短い審議日程の中で、強引に進めようとしている部分が多々ございます。

この平時ではない今の緊迫状況、それから世界情勢、これを見ましても、そうした先ほども先生方がご述べていただきました、そのエネルギーの問題、エネルギー高。

これもどんどん長期化する懸念も大変高まっている中で、やはり私たちはしっかりと組み替えなど、それからまた暫定予算なども視野に入れて、そして国民の思いを入れた丁寧な審議が必要だと思っておりますけれども、この点について連合としてのお考えをお願いします。

予算審議についてでございますけれども、先ほども予算についてお話をしたとおりでございますが、それに加えてでございますけれども、この来年の予算についてはガソリン税であったり、あるいは先ほども話題になりましたけれども、医療従事者の処遇改善等々がもう織り込まれております。

これらは我々連合としても求めてきたところでございますので、評価をさせていただいているところでございます。

ただ、これらも仮に年度内に成立しない場合になってきますと、国民生活に支障が来たという懸念もございますので、しっかりとその点を留意しながら、暫定予算も含め対応を図っていただきたいとこのように考えていることでございます。

他方で、歳出構造の平準化に配慮した予算編成になっているのかということであったり、補正予算における、先ほども指摘させていただきましたけれども、基金の積み増しの問題、あるいは執行状況の不透明さ、このような内容も十分な精査を求めているところでございます。

あと近年の予算審議においても、財政規律、中長期財政運営については議論が含まれていない部分もあろうかと思いますので、我々連合としては予算審議に関わらず、国会運営は十分審議を尽くして、透明性の高い、こういった熟議の国会にしていただくことを望むところでございます。

高額療養費制度の自己負担増と破滅的医療支出
質問
早稲田ゆき (中道改革連合・無所属)
  • 低所得層でも破滅的医療支出に該当する現状があり、リスクを負わせる負担増は抑制的であるべきと主張
  • 患者からの具体的な声と、自己負担増の再検討について問う
答弁
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 難病患者や不妊治療を行う方、特に扶養家族の多い子育て世代から負担軽減を求める切実な声がある
  • 医療費以外の費用や収入減もあり、生活が厳しい実態がある
  • 昨年の凍結措置のような経緯を踏まえ、国会で十分に審議し検討してほしい
全文
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大変詳細な資料をいただきまして、その中でも、この破滅的医療支出に該当してしまうような方が、月額の方でやはり11区分所得でもほとんどの方がそういうふうになってしまうということは、もちろん一方では多数回該当の末置きでありますとか、年間上限の設定という、これは評価をできますけれども、やはり一番リスクの、今、がんや難病の治療をされていて精神的にも、それからまた治療的にも、そしてまた生活的にも厳しい方に、さらにリスクを負わせるようなことは、私はやはりもっと抑制的であるべきだと思っています。

このことについてどのようなお声があるのか。

そしてまた、この抑制をもう一度再検討、評価をするところはそのままもちろんやるべきだと思いますけれども、ほとんどの8割以上の方がこの自己負担増になるという部分をもう一度再検討をするべきではないかと思いますが、これ2点続けてお答えいただけますでしょうか。

まず1点目、どういった声があるのかということですが、患者団体の立場で来ておりますが、当然難病の団体の方々からも、今回の高額療養費の改定、特に月額の部分については負担がまだまだ大きいという声をたくさんいただいています。

不妊治療を行っている方が今回のような引き上げになってしまうと負担が大きくなって、不妊治療を続けることが困難なので、これを機に不妊治療をやめることを考えているといったコメントもいただいています。

特に特徴的だと思われるのが、いわゆる先ほど申し上げた子育て世代の方ですね。

また、この高額療養費では医療費がカバーされますが、医療費以外の、例えば病院の通院であるとか、さまざまな費用がかかってきたり、あるいは転職・退職に伴って収入が減りますので、そういった部分はもちろんカバーされないわけなので、まだまだしんどいといった声はたくさんいただいているというのは、1点目のご質問への回答になるかと思います。

その中で政府の方で検討いただいて、複数回にわたって修正をしていただいたという経緯があって、1回目は多数回該当の据え置き、2回目は1段階目は実行するけれども、2段階目以降は凍結するといった方法が昨年を捉えた措置としていて、3回目に全て一旦凍結という判断をしていただいたと思いますので、その部分はぜひこの国会の場で十分に審議していただきたいというふうに願っています。

電力需要見通しの適正性について
質問
横田光弘 (日本維新の会)
  • AI需要の拡大やデータセンターの増加により、今後の電力需要が大幅に増える懸念がある
  • 政府が現在行っている需要計画や見通しが適正であるか伺いたい
答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • AIやデータセンターの需要拡大スピードを考えると、省エネ等の削減取り組みを上回り、見通しを上回る電力需要が発生する可能性がある
  • ただし、その確定性についてはまだ不透明な部分がある
全文
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今日は電力、そして次世代のエネルギーということについて質問させていただきたいと思っております。

AIの需要が今ですら明日、もしくは来月、来年、どのくらい広がっていくのかわからないという今の現状。

それからDXと言われているようなデジタル化の推進によって、データセンターが非常に今世界中で増えていますよね。

そういう中で、やはり私たちが考えなければいけないのは、この電力の需要がこれからどうなっていくのかということであります。

今、資源エネルギー庁の見通しで、2034年には全国の需要が8524億キロワットアワー、2024年比較で6%増というふうになっております。

特に重要なのは産業用の地域別で、大都市は絶対値としては当然のことながら、例えば北海道から中国地方、中国ですね。

ここで増加率が大幅に伸びていると。

理由はデータセンターや半導体製造と、こういうようなことになっているということであります。

ただ、やはりこういった、それこそさっき遠藤先生がおっしゃったS+3Eという観点から、この最後のエコ(Environment)という意味でやはりもう少し考えてとすると、本当にこの需要を賄うことができるのかという、そういう非常に大きな心配が湧き上がってきます。

ということで、遠藤先生にちょっとお伺いしたいんですけれども、この政府が今行っているこの需要の計画、見通し、こういったものが適正なのかどうなのか、ちょっと一言お願いいたします。

第7次エネルギー基本計画の中の需要の、2040年の需要は、1.1兆、1.2兆キロワットだったと思います。

その見通しが甘いかどうかということにつきましては、私個人の考え方とするとですね、AIやデータセンターの需要、この拡大のスピードからすると、もしかするとそれを上回るような電力の需要が、省エネやそういったような削減の取り組みを上回る可能性も出てきているというふうに考えております。

ただ、それの確定性というか、そういうものは少し分からないところもまだあるということでございます。

次世代原子炉(SMR・高温ガス炉等)の導入と所見
質問
横田光弘 (日本維新の会)
  • 再エネの課題やエネルギー安全保障の観点から、原子力発電の現実的な検討が必要である
  • 高温ガス炉やSMR(小型モジュール炉)、マイクロ炉などの次世代炉について、専門的な所見を伺いたい
答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • SMR等の技術は標準化(モジュラー化)による大量生産が可能であり、データセンター隣接や船舶への搭載など利用範囲が広がるため、日本が取り組むべき不可欠な技術である
  • 海外では商用化段階にあるベンチャーも出てきており、日本の原子力産業を維持する観点からも重要である
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それでもやはり電力が増えていくこういうような状態の中で、やはりエネルギーミックスは本当に考えていかなきゃいけない。

その中で非常に重要になってくるのは、先ほど遠藤先生がおっしゃったように、やはり原子力発電ということであります。

しかしながら、この電力需要を賄っていかなければいけないということと同時に、先ほどから先生方からお話があったような、今のこのイラン情勢。

これにおける原油もしくはLNGの運搬が止まってしまう可能性があるという、供給面での恐れ。

そこで、この2番目のことをちょっとお伺いしたいんですけれども、いわゆる最近、次世代型の原子炉というものが言われています。

となると、やはりこの再生可能エネルギーは先ほど言ったいくつかの課題があるということであれば、やはりこの原子力をということになってくるわけですが、その中でもこの次世代炉と言われているものが、一つは高温ガス炉、それからいわゆるSMRですね、小型モジュール炉ですね。

それから三菱重工が作っているマイクロ炉、こういったものがあります。

高温ガス炉についてはヘリウムガスで冷却しますので、いわゆる炉心溶融というものがほぼないというふうに言われております。

SMRは小型なので自然冷却をすることができるということで、安全性を担保することが非常に重要であるわけですけれども、このSMRについてはカナダに日立が輸出というか建設するわけですよね。

少なくともこのSMR、それから高温ガス炉等々の新たな安全なエネルギー源これについて、先生のご所見をいただきたいと思います。

まさしく、経済産業省の原子力委員会の下に、核融合ワーキンググループというものがございまして、そこの中でロードマップを検討しているところでございます。

先生がおっしゃられたようなSMRであるとか、これは軽水炉のSMRだったりとか、高温ガス炉であるとか、そういうものが日本の得意な技術も関わってきておりますので、どうしてもやっていかなくちゃいけない技術だというふうに考えています。

なぜそうなのかというところで、まず一つ申し上げますと、SMRの「S」はスモールなんですが、「M」がモジュラーなんですね。

モジュラーというのは標準化ということですので、標準化の大量生産を前提としたデザインがされているということです。

そうすると、今までテレビだったりそういったものがどんどんプラモデル化していったように、原子炉の生産ももしかするとモジュラーとしてプラモデル的に作られる時代が来るかもしれない。

そこにアメリカを中心としていろんな国が力を注いでいるわけです。

なぜそうなのかというと、別にデータセンターの隣にそのSMRを置いたりとか、もっと言えば月面にデータセンターを置く、原子炉を置くという計画もある。

もっと言えば船の中に小さいものを積む。

これは日本の造船業界も連合して、イギリスのコアパワーというところに出資をしています。

そういった原子力利用の広がりの中でSMRが出てきているということを理解しておかなくてはならないんだと思っています。

この間ロサンゼルスの方に行きましたら、スペースXの方々がベンチャーとして作っている原子炉のメーカーがありまして、それは1メガです。

商用化がもう段階に入ってきています。

そういった新たな営みの中に、日本が遅れるわけはいかない。

もちろん核融合も大事なんですが、その手前の核分裂の原子力において、原子力の技術を維持していくということが、この日本の中に唯一の産業として整っている原子力産業を維持していくことが、これが重要だということを改めて申し上げたいというふうに思っております。

核融合エネルギーへの投資と育成
質問
横田光弘 (日本維新の会)
  • 核融合エネルギーは「夢のエネルギー」と言われ続けているが、世界的に投資合戦となっている
  • 日本のスタートアップ企業も含め、投資規模をさらに拡大させるべきではないか
答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • 成長戦略の柱の一つにフュージョンエネルギーが入っており、ベンチャーへの資金投入やITERでの中核的技術担いなど、育成に取り組んでいる
  • 即座に発電効果をもたらす段階ではないが、科学技術として日本が維持・育成すべき技術である
全文
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そこで今先生もちらっとおっしゃった、その核融合フュージョンのエネルギーについてお伺いしたいというふうに思います。

核融合については日本はある意味では先進的だったわけですよね。

だけれどもなかなかこれは「夢のエネルギー」ということで、いつ夢が現実になるのかというふうに言われ続けているわけですけれども、少なくとも例えば日本の中でスタートアップの企業もいっぱい出てきているわけです。

世界中で今は投資合戦になっていると。

例えば京都フュージョニアリングとか、他にも新たなスタートアップの方々がいらっしゃる。

だからそういう中で、やはりもっと投資の規模を本当に膨らましていかなきゃいけない。

これについてぜひとも最後ひと言お願いいたします。

成長戦略会議の中の17の柱の中にフュージョンエネルギーが入っております。

たくさんのベンチャー企業が資金を集めてそこに投入しているところでございますし、フランスのITERでは日本も中核的な技術を担っているということになります。

もちろんまだまだ未来の技術であるため、発電にすぐさま効果をもたらすかということは別ですけれども、科学技術としては日本の中でしっかりとキープをしていかなくてはならない。

このような技術だと思っておりますので、こちらは17の中の一つとして、しっかり育てていく必要があるんだと思っております。

ハラスメントによる精神障害増加の実態
質問
福田徹 (国民民主党・無所属クラブ)
  • ハラスメントを受けた労働者数は減少傾向にある一方、ハラスメント原因の精神障害が増加している
  • この乖離が生じている理由と現場の実態について問う
答弁
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 労働者数の減少はハラスメント対策法の一定の成果と考えられる
  • 精神障害の増加は、人手不足による業務量増加や長時間労働、コミュニケーション不足、世代間のアンコンシャス・バイアスなどが背景にある深刻なハラスメントの増加によるものと推察される
全文
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ハラスメントを受けたという労働者の数は減っている。

一方で、ハラスメントが原因と考えられる精神障害が増えている。

この差について、現場の声、現場での肌感覚からどのような理由があるのか、実態はどのようなものか、お聞かせいただけますでしょうか。

今ご指摘いただいたように、ハラスメントが後を絶たない状況にあるんだろうというふうに思います。

ハラスメントを受けてと回答した労働者の数が減っているということについては、これはハラスメント対策関連法が一定の成果を出しているのではないかというふうに思っております。

ただ、その一方で、ハラスメントが原因であろうと考えられるような精神障害が増えていることについては、これは深刻なハラスメントが増えているのではないかと、このように思っております。

働く現場において、これは肌感覚ということになろうかと思いますけれども、あるいは職場からの声を集めると、人手不足による業務量の増加であったり、あるいは長時間労働。

この問題になりましたけれども、そこから来るストレスというものも一つの原因だと思います。

また、コミュニケーション不足。

これは職場もそうでしょうけど、最近の社会情勢としてもそういうようなコミュニケーション不足に課題がいろいろ指摘されているところでございますけれども、そういうようなコミュニケーション不足、あるいはやはり職場環境の人間関係というところもあろうかと思います。

そういうような、あと世代間あるいはアンコンシャス・バイアス等々、そういうようなことがハラスメントをより深刻にさせている背景があるのではないかなと、こんなふうに思っているところでございます。

それとあと、ハラスメントの境界線であったり、自覚認識不足、そういうようなところから来る問題もあるんじゃないかと思います。

現場が求める産業医の姿と役割
質問
福田徹 (国民民主党・無所属クラブ)
  • パワハラがあっても適切に対応されない実態があり、安心して相談できる先の必要性を指摘
  • 精神障害へのニーズ変化に伴い、現場が望む産業医の姿について意見を求める
答弁
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 第三者の視点から職場を巡回し、労働環境と心身の健康の両面をチェックして適切なアドバイスができる産業医が求められている
  • そのための育成や位置づけの明確化、確保が必要である
全文
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ただ、調べて言うと参考になりそうなデータがありまして、従業員がパワハラを受けた後の行動として「何もしなかった」が36.9%で最も多く、勤務先がパワハラを認識していた割合も40%弱のようです。

そして、職場が認識した後の対応でも「特に何もしなかった」が53.2%。

つまり、従業員も企業もパワハラが存在していることが分かっても、適切な対応がなされていないという実態が分かります。

そして、適切な相談がされない原因を見ると、「何をしても解決にならないと思ったから」が65.6%、および「勤務上不利益が生じると思ったから」が20.7%と、上位2つの理由が挙げられております。

つまり、今必要なのは、解決してくれる相談先、安心して相談できる相談先が求められているのではないかなと想像されます。

そのことから、私は産業医の果たす役割、強化を提案したいと思っております。

今、産業医に求められている役割というのが、労働にまつわる外傷の予防から精神障害へと大きくニーズが変わっていく中で、改めて産業医の育成方法や業務内容について、大幅に見直していく必要があるのではないかと思っております。

こちらも神保様にお尋ねします。

現場が望む産業医の姿について、御意見いただけないでしょうか。

それらの背景には複雑化したこういった課題も多くあって、そういったことをいかに受け止めてもらえるかということ。

それとやっぱり第三者という視点として、職場をよく知る産業医の方々が職場を巡回しながら、そういった労働環境も含めて、そして心身の健康等々も含めてチェックしていただいて、適切なアドバイスを、これは当事者にもそうでしょうし、企業なりにもしていただけるという産業医が求められるのではないかと思います。

というと、かなり産業医の皆さんに負荷がかかってくるんだと思うんですね。

そういう意味からすると、そういうような育成であったりとか、しっかりとそういったものの位置づけというものを明確にしながら、なりに根付かしていくという取組も必要なのではなかろうかというふうに思いますし、また産業医の皆さんの育成確保というところも大事な視点ではなかろうかというふうに思います。

高額療養費制度の見直しにおける議論の範囲
質問
福田徹 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 制度改革の際、高額療養費制度単体ではなく医療保険制度全体の中で議論することが必要とされている
  • 実際の専門委員会において、どの程度全体を俯瞰した議論が行われたか問う
答弁
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 専門委員会の立て付け上、直接的な議論は行われなかった
  • 委員として社会保障制度全体での議論を繰り返し要望し、親会(社会保障審議会)で議論は行われていたが、十分とは言えず道半ばである
全文
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私は高額療養費制度の見直しの基本的な考え方として記載されている文書の中で、最も重要な点は「制度改革の必要性は理解するが、その際には、高額療養費制度だけでなく、他の改革項目も含め、医療保険制度全体の中で、全体感をもって議論していくことが必要である」。

この点について、委員である天野様にお聞きします。

この専門委員会の中で、どの程度、この医療保険全体を見る議論がされたと感じますでしょうか。

ほかの改革でこの程度医療費適正化ができれば、高額療養費制度の持続性のために自己負担を上げるのはこれぐらいでいいんじゃないか、みたいな、こういう広く見た議論というものはありましたでしょうか。

いわゆる社会保障審議会の中に存在している専門委員会ということになってまして、一応たてつけとしては、専門委員会は高額療養費制度の見直しのみについて議論するという立て付けでありましたので、専門委員会で直接議論されたことはないと承知しています。

ただ、私も複数回専門委員会で、まさに先生がおっしゃったように社会保障制度全体で議論していただきたいということは繰り返しお願いさせていただきました。

その結果、社会保障審議会の方で、いわゆる親会の方でそういった議論は行われていたとは思ってはおりますが、ただそれが十分であったかというと、まだ道半ば。

原子力発電再稼働に向けた世論へのメッセージ
質問
福田徹 (国民民主党・無所属クラブ)
  • エネルギー安全保障の観点から原発再稼働は必要と考えている
  • 世論に受け入れられるための効果的な説明方法やメッセージの出し方について意見を求める
答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • 実際に発電所を見学してもらい、新規制基準による重厚な守りを直接確認してもらうことが有効である(遠藤参考人)
  • 原子力活用の具体的メリット(電気料金の低下等)を可視化し、課題を隠さず正面からコミュニケーションを取ることが重要である(小山参考人)
全文
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私たち国民民主党、「自分の国は自分で守る」という考えを抱えておりまして、エネルギー安全保障をとても大切にしたいと思っております。

一方で、やはり特に原子力発電に関しては、世論を含めて多くの意見があると思っております。

ただ、私も今の社会環境、再稼働は必要だと思っております。

そのために世論に向けて、何か専門家の方からこういう説明をするとより多くの意見を持つ方に受け入れられるのではないか、そういうメッセージの出し方について何かご意見を、これ時間短いですが、お二人からいただけたらなと思っております。

遠藤典子非常に難しい問題なんですが、私が感じるのは、実際に発電所を見ていただくのが一番有効だと思っています。

新規制基準の中でかなり厳しい規制がかけられ、その中で非常に重厚な守りができています。

そこで御説明を聞いていただくというのが、私は適当ではないかなと思っております。

私はやはり何と言っても、原子力発電を活用することの実際のメリットを目に見える形でしっかりと国民の皆さんにお示しするというのが、重要なメッセージになるというふうに思います。

その中には当然のことながら、また改めていろんなアクシデントを起こさない、それがあったときも隠さない。

それをやることによって信頼できる事業として多くの人に受け取ってもらうということが大事で、これまで再稼働が進んできた地域においては、電力料金が実際に安くなるというようなことも起きています。

いろんな課題があるのは先ほどご指摘があったとおりなんですけれども、それをつまびらかにして、そしてなぜ日本にこれが必要なのかということを、正々堂々というか、正面からコミュニケーションを取っていくということが私は大事だと思います。

国民負担率の軽減と消費税・インボイス制度について
質問
石川勝 (参政党)
  • 国民負担率を30年前の水準(約35%)に戻すべきである
  • 消費税の段階的廃止、予防医療による社会保障費削減、積極財政を主張
  • インボイス制度は賃上げや地域経済の底上げに逆行しており、廃止すべきである
  • 税と社会保障の一体改革について神保参考人の見解を求める
答弁
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 可処分所得の増加が求められており、賃上げの重要性を訴えている
  • 社会保障負担の軽減策として「給付付き税額控除」の導入を期待している
  • 人的投資や設備投資などの経済政策とバランスを取ることが負担軽減に繋がる
全文
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今、先進国の中で日本だけが経済成長ができていないと。

こういう「失われた30年」ということを引きずっておりますけれども、国民負担率が46%ぐらいになっておりまして、参政党といたしましては、この30年前の、少なくとも国民負担率約35%あたりに戻すべきだという主張をしております。

その手法といたしましては、消費税の段階的廃止、それから予防医療の推進による社会保障費の削減であったりとか、あるいは積極財政、この3つを主な主張としております。

そこでまず神保先生にお伺いをさせていただきたいんですけれども、賃上げの必要性につきましては、さまざまな意見があると承知しております。

現実には消費税、それから社会保険料、各種の負担増、これによって家計の可処分所得はなかなか増えていないというところにあると思いますけれども、参政党は先ほども申し上げましたように、現在、国民負担率が約46%という水準にある中で、まずは負担を下げる方向、例えば消費税の一律減税、段階的廃止、これを真剣に検討するべきだという、そういう局面に来ていると考えております。

また、特に中小企業とか小規模事業者、あるいはフリーランスとか個人事業主の現場では、インボイス制度の導入で事務負担や取引排除の懸念が強いということも承知しております。

今後、賃上げとか地域経済の底上げを目指すのであれば、インボイス制度はむしろ逆行しているというふうに考えておりますし、廃止すべきだという声にも相当な合理性があると考えております。

そこで、国民負担率とか消費税、インボイス、これらについての御意見、それから税と社会保障の一体改革、これ根本的な大改革が必要だと考えておるんですけれども、神保先生のご所見もお伺いいたします。

よく言われますとおり、日本はこの間、給与が上がらない、経済成長しない、給与が上がらない国と言われてまいりました。

これはOECD各国と比較しても、その給与の水準、また伸び率ともに低位にあるというのが実態でございます。

そういうようなことから、可処分所得も増加してございませんし、そのことが国民生活を厳しいものにしていると。

そこに加えて今の物価上昇ということになっておりますので、それらを何とか打開すべくということの思いから、この賃上げの重要性、必要性というものを訴えながら、そしてそれらを好循環につなげていくんだという思いで、この間、春季交渉で賃上げを行ってきたというところでございます。

おかげさまで2年間連続で5%ということはございますけれども、まだまだ実質賃金がプラスに転じないということであったりとか、我々も各種調査しますと、やはり生活の豊かさを実感できる方々というのは少なくて、むしろこの貯蓄なんかを取り崩しながら生活している世帯も一定程度、むしろそれの増加傾向に回るというデータもあります。

そういう意味からすると、いかに可処分所得を上げていくかというのが求められると思います。

その一つの方策として賃上げというのもそうなんでしょうけれども、今ご指摘いただきました社会保障の負担、これも相当なものがございます。

そういうようなことから考えたときに、我々の消費税のお話も触れられましたけれども、やはりこの給付付き税額控除というのが、我々は以前から申し上げているところでございまして、それをすることによって、真に、こう、支出するところへの財源を当てていくんだというこういう思いを持っていますので、そういったものの論議がこれから加速していくことを期待しております。

し、その時にやはりこれ全体での取組が必要になってくるので、今ご指摘いただいた税と社会保障の問題、給付と負担の問題、そういうようなことであったりとか、賃上げ、賃上げを作り出すためには、やはり人的投資、設備投資、研究開発投資といった経済政策もしっかりとやっていかなきゃいけないということだと思いますので、そういったことがバランスが取れて初めて、そういうような負担の軽減になっていくのではなかろうかとこのように思います。

我々としては、給付付き税額控除で今一つの期待として捉えているところでございます。

国民会議への参政党の不参加について
質問
石川勝 (参政党)
  • 国民会議が開催されるが、参政党には声がかかっていない
  • 一部の団体に声がかからない現状について神保参考人の考えを問う
答弁
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 透明性と納得性が担保され、多くの国民が周知できるプロセスが重要である
  • 国民が納得する制度改定になることを期待している
全文
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石川勝:今、御意見いただきましたようなことについては、国民広く議論をしていかなければならないと考えておりますし、国民会議が開催されるということも聞き及んでおりますが、我々参政党はその声もかかっていないという立場でございまして、いろいろと我々もどういったことをやれるか気になっているところなんですけれども、先生におかれまして、そういった一部の、そういうところには声がかからないということについては、どのようなお考えでしょうか。

神保君:私の立場でどうお答えしたらいいかというのはありますけれども、国民会議ですから、より透明性高く、いろいろな有識者の方なんかの意見も踏まえながら。

透明性、納得性が担保される中で、国民の多くの方々が周知できるようなプロセスも大事にしながら、国民が納得するような制度改定になればいいなと、このように期待しているところでございます。

ここから先は御容赦願えばと思います。

予防医療・重症化予防による社会保障費の適正化
質問
石川勝 (参政党)
  • 患者負担の引き上げではなく、予防医療や重症化予防の推進によって社会保障費を適正化すべきである
  • 負担増による治療断念や生活破綻は社会全体の損失になると主張
  • 予防医療等の推進についての天野参考人の見解を求める
答弁
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 日本のがん検診率などは諸外国に比べて必ずしも高くなく、予防医療を進める余地がある
  • 社会保障の適正化の観点から、予防医療が極めて重要であるという意見に賛同する
全文
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次に天野先生にお伺いをしたいんですけれども、医療費に関することであります。

予防医療、それから重症化予防などについてお伺いいたしたいと思いますが、先ほども申し上げましたが、国民負担率が極めて高い中で、さらに公的医療費の制度の見直し等を通じて患者の負担を引き上げる方向というのは、これは病気になった方やご家族に二重三重の負担を強いるということになると思います。

参政党としては、社会保障費の適正化は必要だというふうに主張しておりますけれども、その手法は患者負担の引上げではなくて、予防医療、それから重症化予防の推進によって行うべきだという主張をしております。

消費税や社会保険料、物価高に加えて医療費の自己負担まで重くなれば、治療継続を断念する方が現れたり、生活が破綻する方が出てくるということも先生はおっしゃっておられますけれども、それは結果として社会全体の損失を拡大するというふうに考えます。

そこで天野先生にお伺いしたいんですが、患者の負担、それから高額療養費のお話ありましたけれども、特にその予防医療とか重症化予防の推進についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。

天野慎介私は専門家ではない立場でということでお話をさせていただくと、長らく日本では2006年がん対策基本法が整備しまして、がん対策基本法の中でもがんの予防というのは非常に大きな柱として位置づけられてきましたが、ではその中で、例えばいわゆるがん対策の検診率が諸外国と比べて高いかというと、必ずしも高くないという現状があります。

なので政府も積極的な予防医療ということをおっしゃっているかと思うんですけれども、そういった予防医療というのはまだまだ進める余地は残っていると思いますので、社会保障の適正化という観点からも予防医療は極めて重要だというのは、先生の御意見に賛同するところです。

エネルギー安全保障と基幹インフラへの外資参入
質問
石川勝 (参政党)
  • エネルギー価格高騰が続いており、これまでのエネルギー政策は成功しているとは言い難い
  • 効率性のみを理由に基幹インフラ(エネルギー・水等)への外資依存を深めることは安全保障上の懸念がある
  • 国内基盤への投資強化と、外資参入に関する慎重なルール設定が必要であると主張
答弁
小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)
  • 基幹戦略的インフラの国内基盤強化は絶対必要であり、外資についてはこれまで以上の精査・レビューが必要である
  • エネルギーは戦略的に重要な分野であり、国家インフラとして守り育てる必要がある
全文
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続きまして小山様にお伺いをしたいんですが、エネルギー安全保障と国民負担、及び公営インフラや基幹エネルギー分野における外資の参入について、2点お伺いをしたいと思っております。

エネルギーの安全保障が重要だということは当然のことでありますけれども、しかしそんな中で日本の家庭や中小企業は電気代、ガス代、燃料費の高騰、これに苦しみ続けていると思います。

多様な電源構成とか安定供給が必要だということはわかりますが、これまでさまざまな政策を推進してきましたけれども、結果として国民の負担率が軽くならないというのであれば、これまでのエネルギー政策は成功しているとは言い難い状況があるんじゃないかと考えております。

また日本はエネルギー自給率の低さが課題とされておりますけれども、資源だけでなくて設備、技術、サプライチェーン、それから場合によっては外資の影響まで含めてみたときに、真の意味でのエネルギーの自立ということにはなお距離があるのではないかと今現状考えております。

そうした意味からも参政党では、内需の拡大と安全保障の観点から国内基盤への投資をもっと強めるべきだと主張しておりまして、特に公営インフラとか基幹エネルギーの分野につきましては、効率性だけを理由に海外資本や海外主体への依存を深めることは、これは安全保障上の懸念があると考えております。

エネルギーや水などの基幹インフラについては、国家としてより慎重なルールの設定が必要でないかと考えているところであります。

そこで小山様にお伺いしたいんですけど、このエネルギーの安全保障と国民負担について、また基幹インフラにおける外資の参入についてのお考えを参考にさせていただきたいと思いますので、御所見をお伺いいたします。

私は今ご質問、ご指摘があった基幹戦略的なインフラにおいては、国内基盤を強化することは絶対必要だというふうに思いますし、外資の関わりについては、これまで以上にしっかりとした精査、チェック、レビューといったものが必要になるだろうというふうに思います。

エネルギー政策の歴史を研究してきたものとして、過去80年代、90年代以降は、エネルギーというのは特別なものであるというところから、エネルギーも普通のものになってきたので、市場原理や経済原則というのをより当てはめていくべきだという流れがこの半世紀近く続いてきたと思います。

しかしこの5、6年ほどその流れがまた逆転して、エネルギーというのは極めて戦略的に重要な分野であり、国家と国家がぶつかり合うようなところだというような意識が強く芽生えています。

私は今、その世界にはエネルギーの分野で3つの支配(ドミナンス)が競争しているというふうに思ってまして、一つはアメリカが主導する、トランプ大統領が言う「エネルギードミナンス」。

これは主に石油とガスの分野の支配ドミナンスです。

もう一つは中国が支配する、どちらかというとクリーンエネルギーやクリティカルミネラル、レアアースにおけるドミナンス。

そして3つ目がAIや情報化を巡るドミナンス。

これはいずれもエネルギーに直接結びついています。

日本はこれらの世界情勢の中で、ご質問があったとおり重要な国家インフラ戦略分野として、それを守る、育てるというようなことをこれからやっていくということがどうしても必要になると私自身も思っております。

エネルギー安全保障と外国人の土地購入規制
質問
石川勝 (参政党)
  • 電源構成の議論だけでなく、国内の技術基盤、土地、施設の管理を含めた総合的な安全保障政策が必要である
  • 外国人の土地購入規制を含めた総合的な政策について遠藤参考人の意見を求める
答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • 原子力発電所の稼働が、電気料金の安定など国民生活を支える基盤になる
  • 外資による発電施設は外為法で、重要施設周辺は重要土地利用規制法で規制されている
  • エネルギーを安全保障の要諦として、関連処方案を組み合わせた全体的な議論が必要であることに同意する
全文
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石川君:エネルギーの安全保障と国民生活に関連しまして、外国人の土地購入規制を含めた総合的な政策についてお伺いしたいんですけれども、エネルギーの安全保障を考える際には、供給の安定確保これだけでなくて、国民が無理なく負担できる価格であることも極めて重要だと考えております。

原子力を含む現行エネルギーの政策は、国民負担率が高止まりする中で、家計や中小企業の負担軽減に本当に資する計画になっているかというのは、今現状では疑問であります。

我が国のエネルギー政策は安全保障の名のもとに、原子力と化石燃料、再エネ、この組み合わせの議論をやっておりますけれども、どの選択肢を取るにしても海外依存や外部リスクを抱えていると思っています。

そうであれば、単に電源構成の議論だけでなくて、国内での技術基盤とか供給も重要な土地ですね、あるいは施設の管理、これまでを含めた総合的な安全保障政策というのが必要だと考えております。

安全保障と国民生活、そして外国人の土地購入の規制も含めた総合的な政策について、御意見をお伺いいたしたいと思います。

まず国民生活の基盤であるという観点から言いますと、先ほど小山委員も触れておられましたが、原子力が稼働した地域、例えば今現実的には九州であるとか関西であるとか、その地区の電気料金というのは極めて低位に安定をしているというふうな状況になります。

ですので、現時点で既存の原子力発電所を稼働させるということが、日本の国民生活を支えるエネルギーの基盤になるんだと。

先生のご関心があります土地の問題でございますが、これは外国資本におけるところは外為法の規制にも関わってきますので、5万キロワット以上だと思いますが、そこの大きな発電施設に関しましては審査が重要で必要になるということ。

あとまた重要土地利用規制法というのがございますので、その中で重要施設の周りの規制があるということです。

ですので、関連処方案を全部組み合わせた形で、エネルギー問題を再構築していくというのは、先生のおっしゃる通りだと思っておりますので、エネルギーが安全保障の要諦だということを念頭にして、全体として議論をしていく、先生のおっしゃる通りだと思っております。

高額療養費制度の見直しによる患者への影響
質問
高山聡史 (チームみらい)
  • 高額療養費制度の見直しで自己負担額が増加することへの懸念
  • 負担増により治療の開始を躊躇したり、開始が遅れたりするケースがどの程度生じ得ると考えるか
答弁
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 長期継続治療者は配慮されるが、不定期に治療を受ける患者は負担増となる可能性がある
  • 経済的負担により、世帯分離や離婚をしてまで生活保護を受けざるを得ないという過酷な現実がある
  • 治療開始が遅れるケースは現時点でも実際に発生している
全文
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今回の高額療養費制度の見直しによる保険料の軽減効果というものが、この予算委員会でも次の中でありました。

上野厚生労働大臣の答弁によれば、1人当たり月額約120円ということでした。

一方で、自己負担額の増加幅というのは最大38%に及ぶということを聞いております。

ここで伺いたいのは、そもそもこの負担増の是非ということよりも、実際にこういうことがあったときに、患者さんの行動にどういう影響が出るかという点です。

具体的には自己負担額の限度額が引き上げられることで、例えば治療の開始を躊躇されるであるとか、結果としてその治療の開始そのものが遅れるというケースがどの程度生じ得ると考えられるでしょうか。

これは何かアンケートであるとか、あるいは日ごろ患者さんと接しておられる中での実感も含めて、天野理事長の所感をお伺いできればというふうに思います。

先ほどから申し上げたように、長期にわたり継続して治療を受ける患者さんに関しては、負担が増えるということはなく、配慮はされているので、例えば抗がん剤治療をずっとやり続けるような方は、その方々はサポートされるというか、救われる面があるかと思います。

が、まさに先生もご指摘のとおり、月額で見た場合、どういったことがあり得るのかということですが、例えばがん治療、今申し上げたように、ずっと1年間通じて飲み続けている、治療を受け続けている方は実際いらっしゃいますけれども、一方で例えば2ヶ月に1遍とか治療を受けている方がいるとします。

そうすると年6回、高額療養費の上限に該当するということがあり得るわけですけれども、そうすると今回の高額療養費の見直し案だと、おそらく負担増になってしまうということが想定されています。

もちろん個別例でかなり金額とか違ってくるので全てそうだとは言えませんが、おそらく上限が年のうち1回から、おそらく8回、9回ぐらいまでは負担増となる可能性があるというふうに考えています。

具体的にそういった負担増となった場合にどうやって患者さんを支えられたらいいんだろうかということについてはなかなか難しいんですが、昨年の高額療養費制度の見直し案が出たとき、私は実際にがん患者さんをサポートしているがん相談支援センターであるとか、がん専門病院のソーシャルワーカーの方々と対応策を話し合ったことがありました。

そのときにソーシャルワーカーの方々がおっしゃったのは、「もし患者さんが治療できないような経済的負担になった場合は、これは申し上げにくいのですが世帯を分けたりとかそういった形をして、あるいは離婚という形にもなるかもしれませんが、そういう形をして生活保護を受けていただくしかおそらく手段はないだろう」ということを相談支援センターのソーシャルワーカーの方々はおっしゃっていた。

これが現実だとは思っております。

天野慎介:これは実は現時点でも、実はそういった患者さんがいらっしゃって、特に先ほど申し上げたようにも。

高額療養費制度の運用上の課題
質問
高山聡史 (チームみらい)
  • 年間上限の償還払い・申告制などの課題
  • 複数医療機関における自己負担額の合算問題
  • 保険者変更時に多数回該当のカウントがリセットされる問題
答弁
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 保険者変更によるリセット問題は負担を急増させ、治療や検査を無理にまとめる患者が出るため改善が強く要望されている
  • 2万1千円未満の検査等が合算できないため、負担が雪だるま式に増えるケースがある
  • 緩和ケア等で複数病院を利用する場合に合算できず、現役世代の負担が増している
全文
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この現行の案において、制度の運用上も、配布いただいた資料にもありますが、課題があるというふうに認識をしております。

例えば年間上限が償還払いであったりとか、申告制であるということであったりとか。

あと、複数医療機関における自己負担額の合算の問題。

そして、加入する保険者が変わった場合に、多数回該当とのカウントがリセットされるといった問題。

これが、高額療養費制度というのは、患者さんを守るために作られた仕組みであるにもかかわらず、まだまだ改善しなければならない点であり、実際の療養生活の中で恩恵が十分届かない。

先ほどお示した資料に即して申し上げますと、例えば加入する保険者が変わる際に多数回該当がリセットされてしまうという問題は、これはかなり多くの患者さんから改善を求められていて、専門委員会でも私も申し上げて、一定程度は入れていただいています。

これは実際どういうことが起きるかというと、例えばがんの患者さんとかがやむを得ず転職をする、退職をする、あるいは転居等において保険者が代わることはあるんですけれども、そのたびに多数回該当はリセットされてしまうと、一気に負担が上がります。

なので患者さんとしては、多数回該当に達するために何とかしたいというふうな思いが出てきて、場合によっては治療とか検査をまとめるとか、そういったことをされる方も実際にいらっしゃいます。

なので多数回該当に当たるか当たらないかだと全く負担の額が違ってくるので、ここは特に患者さんから強く要望が出ているところです。

また、いわゆる合算ができない問題ですね。

例えば2万1千円未満って具体的にどういったことが出てくるかというと、例えばですね、検査ですね。

がんの患者さん、経過観察等でCTの検査とか受けたりすること結構あるんですけども、そうするとCTの検査だけ別の病院で受けるということも実はあったりします。

そうすると大体3割負担、もちろん個別によって違いますけど、2万円に達しない額なんですよね。

そうするとその額は多数回該当の上限の額に達しないので、結局その部分は払わなければいけなくなってしまって、まとめることができません。

そういったことで負担が雪だるま式にどんどん増えていくという方がいらっしゃいます。

また、例えばがん治療を受けている病院以外でサポーティブケアということで、緩和ケアであるとか支持療法を受ける方もいますので、そういった医療機関の複数の連携の中で複数の病院を受けていると合算ができなくなって、負担がどんどん増えていくということは実際生じていて、現役世代でこういうことは生じているので、ぜひこの部分は速やかに検討していただきたいというふうに願っています。

高額療養費制度の定期的な見直しと負担増への懸念
質問
高山聡史 (チームみらい)

- 今後、定期的な見直しによって自己負担限度額が年々上がっていくのではないかという懸念について、患者のリアルな声を聞きたい

答弁
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 2年ごとの見直し報道に対し、患者団体から「認められない」という非常に厳しい声が上がった
  • 現時点でもWHOの定義する破滅的医療支出の水準を超えており、これ以上の負担増は限界である
  • これ以上上げれば、支払えない方が続出すると懸念される
全文
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今回の高額療養費の件、今回の検討もそうですが、今後定期的な見直しという議論もあると承知しております。

このあたり、患者さんからしてみると、負担額、自己負担の限度額というものが年々上がっていくのではないかというような懸念もあるのではないかと推察します。

そのあたり、リアルな患者さんの声があれば、ぜひ共有いただけますでしょうか。

今先生ご質問の点は、おそらく2月に共同通信の方で、今後の医療保険の改革の法案の中で、2年ごとに見直しをするというふうな規定が入ったというふうな報道があって、その報道を見たときに、私たちも全国がん患者団体連合会やさまざまな患者会から、「耳を疑う」であるとか、「こんなのは全く認められない」であるとか、非常に厳しいお声をいただきましたし、SNSでも当時大きな騒ぎになったと承知しております。

先ほどお示ししたように、現時点でも高額療養費に関しては、月額上限に関してはWHOが定義する破滅的医療支出の水準を超えてしまっている水準にあります。

なので正直なところ、これ以上月額上限に関しては負担を上げる余地は残っていないのではないかというのは私の率直な意見ですし、年間上限を設けていただいていますが、これはもう年間で見ていますので相当高い金額をこちらも払っています。

そう考えると現状では、これ以上高額療養費制度に関しては患者さんの負担を上げる余地が残されていない。

上げられてもおそらくは払えない方が続出するのではないかと懸念しています。

エネルギー安全保障計画の見直し時間軸
質問
高山聡史 (チームみらい)

- 流動的な情勢の中、エネルギー安全保障に関する計画をどのような時間軸で見直していくのが有るべき姿か

答弁
遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授)
  • エネルギー基本計画は予見可能性を担保するため、概ね3年に1回の中長期的な見直しを行っている
  • 短期的な対応は各省の措置や予算的措置で対応している
  • 電気料金は燃料費調整システムにより数ヶ月のタイムラグがあるため、それを注視しつつ現状対応することが重要
全文
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先ほどからエネルギー供給に関するお話、午前中もございましたが、大変注目を向けられている状況だと思います。

非常に事態が流動的である中で、このエネルギー安全保障に関する計画ですね。

短期、中期あると思うんですが、どういう時間軸で見直しを図っていくのがあるべき姿なのかというところですね。

これに関して先生のご所見を少しいただけますでしょうか。

今、エネルギー基本計画というものは中長期の見通しを立てるということで、おおむね3年に1回の見直しがされております。

この重要性は、これからの電源投資をする事業者にとってしっかりと予見可能性を与えるという意味で、非常に大事な側面になっております。

今のこういう情勢を受けた短期的な見直しというものは、それぞれ各省がやっていたり、今、国会の場でいろいろと議論がされたり、補正が組まれたりとか、予算的措置がされたりとか、そういうことが行われてくるんだと思います。

ちょっと付言しておきたいのですが、実際に今のLNGの価格が、すぐさま今、電気料金に跳ね上がるかというと、そうではありません。

電気料金というのは、燃料費調整というシステムがありまして、だいたい貿易統計から取られますので、前の3ヶ月から5ヶ月の平均の値で電力料金が決まってきます。

ですので、そういうものを注視しながら現状に対応していくということが大事になると思っております。

高額療養費の負担増による受診抑制への影響
質問
辰巳孝太郎 (日本共産党)
  • 高額療養費の上限見直しによる負担増が、患者の受診抑制につながるのではないか
  • 政府は受診抑制を見込んでいないとしているが、実際には治療の断念や安価な薬への変更などが起こるのではないか
答弁
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • がん患者団体として、費用不足により治療をためらう、あるいは諦めるケースがある
  • 現行制度下でも、経済的理由で効果の低い古い治療を選択せざるを得ない患者が存在する
  • 今回の引き上げにより、負担が増える患者において受診抑制が起こる可能性はあり得る
全文
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まず天野公述人にお聞きをしたいと。

私もこの予算委員会で、高額療養費の上限見直しの問題というものを取り上げてまいりました。

上限見直しをされたとしても、社会保険料の軽減というものが月額ペットボトル1本ほどではないかということで、ペットボトル1本分の負担の軽減で助からない命を増やしてしまうのは絶対ダメじゃないかという趣旨の質問もさせていただきました。

この質問の中で、非常に興味深いといいますか、気になると思ったやりとりもありました。

それは、高額療養費の負担増によって、政府は2450億円中1070億円の医療費の削減、これを受診抑制として見込んでいるのではないかという質問をしたところ、「受診抑制としては見込んでいない」というようなお話をされたんですね。

おそらく政府としては、そういう言葉であまり語りたくないということだと思うのですが、実際問題としては受診抑制として1000億円以上、つまり治療を諦めたり、あるいは治療を軽いものにしたり、薬を安いものにしたりということが、今回の高額療養費の負担増で見込まれているということだと思います。

そこで天野公述人に改めてお聞きをしたいのですけれども、やはり今回の高額療養費の負担増となってしまえばですね、患者さんに与える影響は……。

この間、高額療養費の見直しというお話が出てから、多くの患者さん、ご家族から、我々患者団体にも本当にたくさんのお声をいただいています。

特に、我々がんの患者団体ということで申し上げますと、がん治療になってきますので、その中でお金が足りないとなると、がん治療を一部ですね、ためらう、あるいは諦めるということになってきまして。

実は現行の高額療養費制度においても、私もこの間、こういった高額療養費の見直しの話が出てから、現場を行っている医療者の方々にもお話を伺いましたが、実は現在でもですね、やはりお金が足りないからこの治療は受けないと、よりなんて言うんですかね、治療効果がより低い昔の治療と言ったらいいんですかね、そういった治療を選択されているような患者さんは、現在でもいらっしゃるというふうには聞いておりました。

なので今回引き上げとなりますと、もちろん末端的に負担が増えない患者さんもいらっしゃいますが、負担が増える患者さんは当然従来いらっしゃったわけですから、増える可能性はあり得ると考えています。

高額療養費の上限額の定期的な見直しに対する当事者の受け止め
質問
辰巳孝太郎 (日本共産党)
  • 低所得者ほど支払い能力に対する自己負担割合が重くなり、生活が成り立たなくなる(破滅的医療支出)懸念がある
  • 報道にある「上限額の定期的な見直し」について、当事者はどのように受け止めているか
答弁
天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長)
  • 定期的な引き上げ案に対し、「無理だ、払えない」という切実な声が多数寄せられている
  • 貯蓄のない非正規雇用者などがカードのリボ払いでしのいでいる実態があり、月額上限の引き上げは特に厳しい状況を招く
全文
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昨年衆議院で通った予算が参議院の方で修正をされたと。

現行憲法下で初めてのことが起こったということの過程の中でも、参議院の方で当事者の方が発言をされる、あるいはSNS等で若い現役世代のご夫婦で、「もう現行の高額療養費の負担もできないので、治療を諦めて子どもの教育費、衣服費に回すと決断をした」という悲痛な声がやはり出たわけですので、それをさらに負担増させていくというのはちょっとあり得ないというふうに思うんですね。

それと今日、非常に天野参考人から貴重な資料をいただいたなというふうに思って見させていただいたのが、8ページというか6ページ以降の、先ほど少しありました「破滅的医療支出」というこの概念でございます。

この医療費の支払い能力という概念があると。

これは家計の総消費額から基本的ニーズ、食費、住居費、光熱費などを差し引いた残りのお金と。

その残りの支払い能力から自己負担が4割、医療費の支払い能力の4割を超えてしまうと破滅的、もう生活が成り立たなくなるよねと。

そういう指標だというふうに思います。

今日いただいたのは、これは現行でこうなるんじゃないかということですよね。

(天野公述人がうなずく)それでこの8ページ、例えば月額ですね。

年額でいうと年限というのが設けられるということなんですが、今回月額で言っても、支払い能力に対する自己負担上限の割合がですね、この低所得の方ほど非常に重くなると。

という指標がこの8ページで出ているということですし、9割とか9割5分とかいうことになると、もうどえらいことですよね。

300万の方は69%、これも破滅的医療支出ということになる。

ほとんどの所得でそれに近いようになってしまうということだと思います。

さらにひどいなというふうに思ったのが10ページですかね。

これも月額なんですけれども、おっしゃっていただいたとおり、重い病気に罹患をされるということになると、仕事が続けられなくなってしまう方が多い。

従来の所得を維持できないということで所得減少となってしまう。

そのケースで見てみた場合に、本当に驚愕で、これが年収400万の方で125.6という指標が出ているということは、これは要するに……。

従来の所得ではもう足りずに、借金しないと賄えないということなんだろうと私は思うんですよ。

100%を超えるということは、軒並み4割超えて、8割とか6割とかということになると。

ですから現行制度でも、今の高額療養費でも、所得が減少してしまうと生活そのものが成り立たなくなるということですので、これを今回、月額で上限を上げてしまうということになれば、さらに負担が増えてしまうということになるのは、もう日を見るよりも明らかだというふうに改めて思いました。

そこで天野公述人に改めてお聞きしたいんですが、先ほどもありましたけれども、少し報道でこの高額療養費の上限額を定期的に見直していくんだという話もありました。

それの報道に対する受け止め、当事者の皆さんの受け止めを改めて聞かせていただけませんでしょうか。

先ほどもお答えしたんですが、おっしゃるとおりでして、本当に驚愕というかですね、全くそういった話が今まで出てなかったので。

現行の引き上げでも厳しい、今回の引き上げ案でも見直し案でも厳しいという意見が出ている中で、「2年ごとに上げていくとは全くもう無理だ、払えない」というお声を多数いただいています。

で、月額上限がなぜ厳しいのかということなんですけれども、よく言われるのが「貯蓄はあるだろう」とかですね、そういうことを言われたりするんですが、実際の私たちのアンケート、3000人を超える方々のアンケートで、特に現役世代の方から本当に切実な声が寄せられていて。

例えば40代の女性の方のお声をここで紹介しますと、この方は現在乳がんの治療中で、がん保険には加入されていなかった非正規雇用だと。

都内で賃貸の一人暮らしをされているというふうなことをおっしゃっていて、いわゆるカードのリボ払いでしのいでいると。

医療費を払って貯蓄は全くないんですよね。

なので、そういった中で支払っているので、月額上限が上がっても蓄えがない方がいらっしゃるので、そういった場合は特に厳しい状況になってしまうということが言えるのではないかというふうに思います。

裁量労働制の問題点と実態
質問
辰巳孝太郎 (日本共産党)
  • 裁量労働制において、実際には上司が時間を決定しているなど、違法・乱用の実態があるのではないか
  • 処遇が労働時間に見合っていないという指摘があるが、現状の問題点をどう見るか
答弁
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 制度趣旨に沿わない運営をしている事業所が多数あることを認識している
  • 管理のずさんさや健康配慮の不足があり、2024年の見直しで運営の適正化が図られた
  • 労使自治の下で、裁量の所在の確認やチェック機能、改善サイクルの構築が重要である
全文
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それでは連合の神保公述人に、裁量労働制についてお聞きをしたいと思います。

裁量労働制の見直しという話がこの間されております。

労政審において議論がされているわけですが、最近の厚生労働省の調査を見ても、裁量労働はそうでないものと比べて労働時間が長く、「働き方を自ら決める」という触れ込みもあるんですが、実際は上司が決めてしまうというのが3分の1になっているということなど、いわゆる違法とか乱用の実態というのがあるんじゃないかなというふうに私は思います。

処遇もそれに見合ったものになっていないという指摘もされていますけれども、この現状の裁量労働制の問題点をどう見ておられますでしょうか。

裁量労働制を先ほど申し上げましたけれども、導入しているところ数多くあります。

そういった中で的確な運営をしているところもあれば、なかなかその制度趣旨に沿った運営ができていないところも多数あるのは承知しております。

多くあるところはですね、ある一定のみなし労働時間があったとして、その手当てがあったとして、それを上回る労働時間をしているにもかかわらず、そこの管理がずさんであったりとか、そこに対する健康上の配慮あるいは残業代的なものの配慮が行き届いていない。

こういうことがあるという実態から、2024年にその運営をしっかりとやっていこうと、こういうことで見直しがされたというふうに認識をしております。

そういった中において、やはり現時点では、これは労使自治の下でしっかりと運営していくんだということ、あるいは健康管理であったり労働時間をしっかりと把握していくんだということ、そして何よりも裁量がその方にあるのかないのかと。

このことをしっかりと確認するということ。

そういうような制度の基本的なものがしっかりと成し得て、制度の趣旨どおりに運営がなされるということですから、そういうようなことのチェック機能であったり、課題が出たときの対処方法であったり、そういったものをしっかりと進めていくサイクルを回していく、このことが重要なんではなかろうかというふうに思っております。

労働時間の長時間化と規制の厳格化
質問
辰巳孝太郎 (日本共産党)
  • 日本の正規労働者の労働時間は国際的に長く、過労死も増加傾向にある
  • 労働時間の規制について、緩和ではなく厳格化が求められているのではないか
答弁
神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長)
  • 長時間労働による過労死などの実態を重く受け止めるべき課題であると認識している
  • 長時間労働に依存した企業文化の抜本的な見直しと、過労死・過労自殺ゼロの実現を目指すべきである
  • 効率的な業務遂行による生産性向上と、実態に合わせた改善が必要である
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続けて、公述人にお聞きしたいんですが、日本の正規の労働者の労働時間というのは、やはり国際的にも長く、労災認定の件数や過労死というのもむしろ増加をしていると。

今、裁量労働制という話もあるんですけれども、やはりこの労働時間の規制ということでいうと、緩和という流れではなくて、今、日本ではやはり厳格化こそ求められているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

これ、日本の労働時間の長時間化というのはですね、いろいろ以前から指摘があるところでございまして、やはり過労死という残念な結果であったり、その言葉がですね、やっぱり世界的にも通用してしまうような、そんな悲しいことがあったと。

そして今もなお、そういうような実態がゼロになっていないということ、このことはそれぞれが重く受け止めるべき課題だろうというふうに思います。

先ほどご説明していただいたときの資料8ページ目にあるように、これは時間外労働の上限規制等に関する労使合意というものが、これは2017年ですからもう9年前になるわけでございますけれども、ここに記載されているのは、長時間労働に依存した企業文化、職場風土の抜本的な見直しということ、加えて過労死・過労自殺ゼロの実現ということを謳ったところでございます。

これは長時間労働に頼っている風土ではなくて、いかにこの効率的な業務を遂行しながら生産性を高めていくかということであったりとか、そういうような働き方改革を目指そうということでございますから、そのことが今、実態と照らし合わせてどうなのかということのチェックも必要だと思いますし、そこに課題があるのであれば、それをしっかりと受け止めて改善していくべきだとこのように思います。

発言全文

坂本哲志 (予算委員長) 1発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

令和8年度一般会計予算、令和8年度特別会計予算、令和8年度政府関係機関予算、以上3案について、公聴会を開きます。

この際、公述人各位に一言御挨拶を申し上げます。

公述人各位におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席を賜りまして誠にありがとうございます。

令和8年度総予算に対する御意見を拝聴し、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。

ありがとうございます。

御意見を賜る順序といたしましては、まず堀真奈美公述人、次に小幡績公述人、次に高橋洋一公述人、次に田中浩一郎公述人の順序で、お一人20分ずつ一通りご意見をお述べいただきまして、その後委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。

堀真奈美 (公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授) 2発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志(予算委員長)それでは堀君にお願いをいたします。

質疑者 堀真奈美

堀真奈美(公述人 東海大学健康学部健康マネジメント学科教授)本日は貴重な御機会をいただきありがとうございます。

東海大学の堀真奈美と申します。

専門は社会保障、公共政策、医療経済となります。

早速ですが、令和8年度予算についてというところで、社会保障についてお話をさせていただきたいんですが、そもそも社会保障とは何かというところから少しお話をさせていただければと思っております。

有識者だけではなくテキスト的にもそうなんですが、社会保障の定義は実は時代、国、文化、そして価値観によって異なっており、統一はされておりません。

抽象的な概念で捉えますと、個人の生活上のリスクの中で社会的リスクとみなすものに対し、社会的に対応する仕組み、公的責任において行う制度・政策とされますが、何をどこまで社会的リスクとするかにつきましては、国民的な合意が必要ということもありまして、国によって、時代によって大きく異なるということです。

日本の場合、第二次世界大戦後の社会保障制度審議会において規定されたものが中心になりまして、厚生労働省の資料ですけれども、日本の制度上の社会保障には社会保険、社会福祉、公的扶助、保険医療、公衆衛生が含まれております。

国民の生活を生涯にわたって支える社会保障制度として現状では定着しているかと思いますが、社会福祉とは何か、社会保険とは何かというものにつきましても、国によって、時代によって必ずしも一様ではないということがあるかと思います。

日本の社会保障の編成について簡単に述べさせていただきたいと思います。

戦後の混乱期は給付というものがメインで社会保障制度が構築されておりますが、高度経済成長期、産業構造、社会構造の変化の中で国民皆保険というものが成立いたします。

その後、オイルショックと高度経済成長終了に伴い、少子高齢化の対応というものもございますが、制度が大きく変わってきたというのがございます。

次のページに行きます。

皆様ご存知のように、すでに人口ボーナス社会から人口オーナス社会と言われる社会になっております。

これ、人口動態の人口転換理論によりますと、将来的には定常化する見込みですが、その定常化に至るまでの間にどれくらい時間がかかるかにかかりましては色々なシナリオがあって、少子化対策とされていることかと思います。

ここから国民皆保険の持続可能性について少しお話をさせていただきたいと思います。

国民皆保険は1961年に成立しております。

先ほどもお話しましたが、高度経済成長期、平均寿命は男性66歳、女性が70.9歳の時代に成立しております。

1960年代前半といいますと、私自身まだ生まれておりませんが、高度経済成長前期、所得倍増計画、東海道新幹線が開通する、カラーテレビ、公害が大きな問題となる、そして社会の経済、産業構造が大きく大きく変わった時代です。

その当時の社会経済構造に対応するように、国民皆保険というのは成立しました。

非常に素晴らしい制度であると思いますが、その当時の国民皆保険成立時の暗黙の前提として、多数の若年層、主に地方から都市に移動してきた方たちを含めますが、少数の社会的弱者ともいわれる高齢者あるいは地方にいらっしゃる方とかを支えるような仕組みとして成立したと。

正規労働者が、正規雇用の人が扶養家族を支えることを前提というふうな形でもあったと思いますし、現在は主流になっておりますが、当時は主流ではなかったと。

何が言いたいかと言いますと、高度経済成長期以降の大きな日本の社会経済構造の転換に合わせるように成立した国民皆保険の前提が、今現在も成立するかというと、非常に難しいところがあるかと思います。

とは言いましても、医療保険の持続可能性というのが懸念されるようになったのが、今に始まったことではございません。

先ほど申しました国民皆保険が成立する前においても、医療保険の財政的な問題とは非常に大きな課題となっておりました。

そして高齢化、医療の高度化により医療費が増えていくということも、これも今に始まったことではありませんが、構造的に増加していく状態があります。

本来はそもそも医療費が増えることそのものが悪でも善でもどちらでもないと、それは需要として増えるということかと思うんですが、その医療における給付と負担の対応関係がうまくいかなくなってくると、当然ならば、当然なことですが、財政的に構造的に悪化していきます。

医療費を増加させるプレッシャーとしましては、テクノロジーの増加、医療への患者の期待、後期高齢者の増加ということもありますし、そして医療費を抑制するプレッシャーとしましては、人口減少であるとか、現役世代の負担をどうやって抑えなければいけないか、あるいは財政悪化をどうするかというようなことがあるかと思います。

これは実はもう今に始まったことではなくて、非常にもう数十年と言ってもいいくらい構造課題として言われていることです。

次のページです。

これまでにも制度改革は、そして、必ずたくさんされてきたと思います。

しかし、構造的な改革はもちろんありますが、非常に少なく局所的な対応が多かったかと思います。

特に医療・介護は現物給付ということの部分がありますので、供給体制とセットで議論しなければなりません。

ステークホルダー間の利害調整もありますし、利害構造もありますし、ほかの社会保障制度以上に、なかなか構造的な改革というのは難しいというところがあります。

特定の利害関係者に関心があっても、構造的な問題が解決対象、構造的な問題がどちらかというと解決対象になり、それはそれで全く問題はないんですが、非常に一般の方たちはなかなかわかりにくいというところがあります。

メディアが大きく取り上げる問題に国民は関心を持つと思いますが、それも悪いわけではありません。

ただ、そうなってくると全体像をなかなか俯瞰して、何が問題なのかを見るのが難しい状態になっているところがあるのではないかと思います。

そうした中、近年の改革の方向性としまして、社会保障・税の一体改革、団塊世代が後期高齢者となる2025年を念頭に、消費税を含む一体改革が行われたことは記憶にあるかと思います。

その後、2040年を展望した社会保障、働き方改革、全世代型社会保障改革というふうに行われていきました。

徐々に改革というのは行われてはいるわけですが、2025年問題、今年すでに2026年になっております。

団塊世代がすでに後期高齢者にすべてなっていますが、その当時の社会保障と税の一体改革のターゲットとなる年でありましたし、改革工程表に沿った改革がほぼ実施されたかと思います。

ただ残念ながら、すべてが改革の進捗通りになっているかどうかというと、まだまだ予測不可能な事態、災害が起きたりとか、新型コロナパンデミックがあったりなどといったこともありまして、完全にその2025年問題そのものをすべてクリアしているかというと、まだそうとは言えないところもある、課題もあるかと思います。

後期高齢者の増税がなぜ医療・介護需要に影響を与えるかについて。

郵送率が高い、受領率が一般的に高い、救急搬送件数が高い、一人当たり医療費が高い、要介護認定率が高い、単身世帯の認定率が高いといったことがあり、地域医療構想、そして医療提供体制の改革、そして地域包括ケアの推進が唱えられ、それはそれで進められてきたと思います。

今後もその改革は進めていくことになるかと思いますが、まだすべて予定通りになっているとは言えないところもあるかと思います。

何が言いたいかと言いますと、社会保障そのもののレジリエンスが非常に重要になってくると。

それは2025年問題がターゲットになっていた時代よりも、より一層難しい。

2025年問題というのを、社会保障あるいは公共政策や医療経済等の研究者の中でも、その時代をどう乗り越えるのかということが非常に問題になっておりましたが、その問題がまだある状態で、さらに2035年、2040年、2045年、段階的に世代が今後高齢期に入ってきますので、これまでの20年とは全く異なる時代になると思います。

従来制度の延長線での持続可能性を検討することは当然重要ですが、それだけでは難しいところがあるのではないかと思います。

給付と負担のバランスにつきましては、次のページです。

日本はマクロレベルで見ると、国際的には給付に対して負担が低い国というところがあります。

給付先行型で、負担が低くなっているところもあります。

しかしミクロレベルで見たときには、受益感が乏しく、国民が当事者として給付と負担のあり方に向き合うような機運になっているとは思えません。

これは経済情勢の変化、人口動態が大きく変わる中で、非常に大きな問題となってくると思います。

当然ですが、給付も必要だけれど負担がなかなかできないというふうになってきますと、給付のあり方を見直していく必要が出てきますし、そこのところをこれから令和の構造的課題に対してどういうふうに考えていくのかが、これから非常に重要になってくる大きな歴史的な転換点なんではないかと思います。

増加が見込まれる需要と供給のギャップをどう埋めるのかというところで、現役世代の過剰な負担を抑制することは当然ですし、医療・福祉業界で就労可能な人口そのものも制約がございます。

当然イノベーションも必要になってきますし、そこのところをどうするのかというところが、非常に大局的には大きな課題なんではないかと思います。

ここから令和8年度予算と社会保障というところについて、いくつか焦点になりそうなところだけ抜粋させていただきました。

歳出関係で見ますと、社会保障関係費が39兆600億円だったかと思いますが、過去最大の値となっております。

前年度比でプラス7621億円です。

診療報酬改定が、これも大きくメディアで取り上げられましたが、3.09%の増になりました。

これは規模というよりは、高齢化による増加分に物価動向と賃金の上昇も含めて、それを反映した金額となっているかと思います。

あと持続可能性に向けた見直しということで、保険料負担を軽減するというところから、高額療養費制度の見直し、OTC類似薬を含む薬剤費自己負担の見直しなども図られました。

今回は私自身が内容を見て感じるところは、非常にメリハリといいますか、予算の金額の高低というよりは、その予算の配分のあり方というところに非常に着目するところがあるかなというふうに思っております。

物価動向等に対する反映も非常に丁寧に、施設の種類別ごと、あるいは人件費に反映されるように見配りができているかなというところはあるかと思います。

高額療養費制度の見直しにつきましては、この議論となって仕切り直しという形で、「高額療養費制度のあり方に関する専門委員会」が設置されたかと思います。

こちらの医療保険部会の中に設置されているこの専門委員会の議論を拝見いたしますと、昨年度との違いは、医療保険制度全体の見直しを踏まえ、高額療養費のセーフティネット機能に鑑みというところが強調されているところかと思います。

非常に昨年度の段階以上に丁寧な議論はされていると思いますが、多数該当の長期療養者や低所得者の経済的負担のあり方に配慮した見直しや、また年齢に関わらない応能負担に基づく制度のあり方が検討されているかと思います。

さらに、見直し後の負担変化、外来特例の見直しのところ、それから外来特例の月額上限に該当する者の患者割合のところの資料は、高額療養費制度のあり方に関する専門委員会で、昨年度に比べますと非常に細かなデータが出ているというふうな印象を受けております。

さらにOTC類似薬を含む薬剤費自己負担の見直しについても、こちらもOTC類似薬だけを取り上げるというよりは、医療保険制度全体の中での議論というところの中で検討されているのかと思いますが、保険外負担を求める新たな仕組みの創設、そして選定療養の対象となる医薬品の範囲、選定療養の設定、そしてOTC類似薬の保険給付の見直しなどが図られていたかと思います。

この内容につきましては、基本的には社会的リスクは何かというところの話にもつながりますが、給付と負担のあり方をどういうふうに考えるのかという意味では、一歩進んだ検討がされているのではないかというふうには思います。

引き続き検討は今回の予算だけではなく今後のことかと思いますが、まだ検討が必要な構造課題も当然たくさんあります。

医療保険は医療供給とセットで考えなければいけないところですし、ファイナンスだけではなくデリバリーも含めてセットで考えなければならない課題かと思います。

そういう意味では、今後の人口動態、医療の高度化といった環境変化も含めて、さらに給付の適正化というものも必要ですが、同時に安定的な財源確保というのは、安心した医療提供体制の構築のためには必要不可欠かと思います。

過去の社会保障と税の一体改革では、安定財源確保のところが検討されておりましたが、前回の社会保障と税の一体改革が2025年を目処としたものでしたので、ポスト2025年、その2025年問題以上に非常に複雑で大変な課題かと思いますが、これまで以上に安定的な財源確保も必要だと思いますし、国民的な合意を得られるような検討が、この予算会議ではなく、予算会議とまた別の形で、より長期的な構造課題のための検討というのが必要かというふうに思っております。

以下に参考資料をいくつか挙げています。

参考資料1、「医療費の給付水準の決定要因と給付の適正化のアプローチ」というのを入れています。

これはあくまで理屈上のものであって、良し悪しを述べていません。

こういうやり方があり得る、それが良い悪いを判断するのは国民だと思いますので、あり得るアプローチというものを整理しております。

そして参考資料2以下につきましては、現状の社会保障の給付と負担の基礎的な資料、社会保障給付費の推移であるとか、あるいは医療保険制度の体系について。

そして国民負担率の状態、あと保険者の規格、それから「保険医療2035」といって、政策の流れの中の一つでもありますが、通常のものとは少し違う形の提言というのもありましたので、そちらも参考までに掲載させていただいています。

それから構造的な課題、もうこれ、10年、20年ではなくて30年、40年近く続いている課題かと思いますが、固定化する地域格差の課題、それから医療資源が分散型になっている課題、そして患者の受診行動、ヘルスリテラシーに不安があるということもあるのかもしれませんが、国際的に見て非常に高い外来受診回数というのがあります。

「コンビニ受診」ということも各種報道等でもされているかもしれませんが、これをやめろというのは簡単なんですが、やめろという前にヘルスリテラシーを上げていく、どういうふうに患者自身が自分の健康課題に向き合っていくかということにも課題があるので、そこの教育的なものは重要かと思います。

そして国保、国民健康保険につきましては、これは国民皆保険が成立したときの、国民皆保険が達成した時代の国民健康保険とは、国保とは、随分状態が変わっていることを示しているものです。

世帯主の年齢、職種別の状態、国保加入者の変容について挙げていますが、実は国保というのは、自営業、農林水産業、無職という方が多いと言われましたが、見ていただくと、被用者の方もかなり入っていることがわかるかと思います。

それから保険料の算定方法も保険制度によって、国保と被用者保険でかなり違うということも述べさせていただきます。

それから、これは厚生労働省の令和7年度の「労働経済の分析」、労働力供給制約下での持続的な経済成長に向けてで掲載されている資料ですが、医療福祉業の労働生産性が相対的に低いということがあります。

これは制度との関係もありますが、そこをどういうふうにしていくのかというところを考えていく必要があるかと思います。

最後に新しいサービスの提供のあり方、要はもうポスト2025年を踏まえますと、これまでとは本当に時代の環境が変わっていきますので、プライマリーケアを重視するとか、タスクシフト、タスクシェア、デジタル化、DXなど、あるいは人への投資というのが一層重要になるのではないかと思います。

私からの意見は以上となります。

早口で申し訳ありません。

ありがとうございました。

小幡績 (公述人 慶應義塾大学大学院教授) 2発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

次に小幡公述人にお願いいたします。

質疑者 小幡績

慶應義塾大学の小幡と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

光栄のことに3年前にも呼んでいただきまして、そのとき経済政策を話してくれと言われて、プレゼンした資料が「経済政策はいらない」というプレゼンをして、かなり賛否両論だったんですが、今回は非常にオーソドックスな、ごくごく普通な話をしたいと思います。

財政政策ということでお願いします。

1枚めくっていただくと、財政収支は一番重要なことではないんですね。

3番目ぐらいに重要ですが、別の軸として重要だと。

枚数多いんですけど、中身あまりないんで大丈夫です。

2枚目が債務残高GDP比。

これもあまり重要じゃないですね。

これはもっと重要じゃないかもしれません。

関係はもちろんあるんですけれども、直接的な話ではない。

しかも現在日本にとってはあまり関係ないということです。

もう1枚めくっていただくと、じゃあ一体何が重要なんだというと、当たり前のことですが、要は財政政策で何をするかと、その中身が重要なわけですね。

だから支出額とか、支出する気合とかじゃなくて、何をやるかが重要だということです。

ちょっと話それますけれども、給付付き税額控除も経済学者アンケートだとほぼ全員賛成なんです。

ただそれは経済学者が理論的な手法として「これは優れているよ」ということなので、イメージはみんな違うんです。

それでイギリスのユニバーサルクレジットよりもさらに先進的というか包括的な、すごく理想的なのをイメージしている。

やはり政治の現実はだいぶ違いますから、だいぶその辺は経済学者と、こちらでの給付付き税額控除の議論の目的というか、考え方はだいぶ根本から異なっている可能性があると思います。

1枚めくっていただくと、これはちょっとあれなんですが、要は良い財政支出と。

あまり私は見たことないです。

少なくとも21世紀になってから、経済成長を目指した財政支出を日本に限らず、これは日本が悪いと言っているのではなくて、成熟経済において経済成長を目指した財政支出はほぼ無駄に終わっている。

1枚めくっていただくと、なぜかというと、高度成長期というのはやはり発展途上だったので効いたということ。

ただ、あれは世界歴史上にも類稀なる日本が誇る大成果なので非常に。

アジア諸国からも真似されたわけですけれども、そうじゃない。

今は全然違うんだと、成熟経済においてはですね。

1枚めくっていただくと、要は民間にできないことは政府にはもっとできない。

リスク取れるって言うんですけれども、これが民間にはなくて政府にある場合。

昔はそうでした。

お金がない場合、世界銀行から借りてくる場合あります。

ところが今、民間には全部あるんです。

アメリカの企業は国家予算よりも大きい支出をできます。

政府には残念ながら年々リソースが減っています。

特に皆さんも感じていらっしゃると思いますけれども、管理をはじめとしてスタッフの人不足。

その中で支出の目利きをするのは非常に難しい。

これは誰がやるんだというと、誰もできないというふうに思います。

1枚めくっていただくと、「いやいや、何を言ってるんだと、海外でやってるんだと、日本は負けてられない」と言うんですが、これはですね、特にアメリカ、中国は成功しているものもあります。

それはなぜかというと、勝ち馬にさらに金を乗せるっていう、そういう勝ち馬にレバレッジを効かせる、ブーストするっていう戦略なんですね。

つまりアメリカの世界での勝ち組、中国での世界での勝ち馬、主に中国マーケットですけれども、これが世界覇権を争っているときに、「よし、中国の企業に負けんな」と言って、アメリカが一番勝っている企業に金を入れる。

これはあります。

勝ち馬をさらに勝たせる。

ところが日本の場合は、米中にだいぶ遅れを取ったと。

「勝ち馬を作れ」という政策なんですね。

その場合は難しい。

勝ち馬がいなくては金は乗せられない。

1枚めくっていただくと、要は米中でも勝ち馬を作ったことはないんです。

NASAがスペースXに負けていると。

中国ですら民間企業に後から金入れてる、規制入れてる、飴と鞭を使いながらコントロールしていると。

韓国は成功したプレイヤーに癒着すると。

これは賛否ありますけども、これ日本にはできないですね。

日本にはできない。

公平主義ですし、どっちかというと弱い衰退した企業を何とか支援するという方針ですから。

あまり「ゼロ・ツー・ワン」という言葉は個人的には好きではないんですけど、ゼロからすごい企業を生み出すということは政府には無理なんですね。

ですから勝ち馬がいる、勝ち馬に乗せる。

だから今勝っているところに乗せる。

勝ち馬がいない分野は悔しいですけれども諦める。

そういうことです。

1枚めくっていただくと。

リスクは今、民間リスク許容度が高いので、リスクを取らないとすると、それはリスクが高いし、期待リターンでもマイナスだというケース。

つまり、やっても儲からないと。

リスクも高いし儲からないし、そんなにやってられないと。

政府がやってくれるなら、拝見という感じだと思います。

1枚めくっていただくと、政府による投資誘導はありえないということですが、どの分野が有望で、どのような投資が有望かって、やっぱり政府に目利きできないと申し上げました。

少なくとも民間の方が知っていると。

一番申し上げたいのは、実は民間にも全く分からないですね。

何が本当に来るのか。

今はAIだって、後からみんなでワーッと入っていく。

それはできますけれども、先にじっと見抜くことはできない。

政府が号令をかけたから乗るっていうのは、大変申し上げにくいですが、要はお付き合いということです。

あるいは優遇がおいしいと、もらえるものはもらおうと、そういうことです。

一枚めくっていただくと、私は今日一番強調したいところの一つですが、やはり日本政府は良心的すぎるので、引けないんですよね。

だから勝ち馬も勝ち分野も、民間でも誰にもわからないんです。

やってみて、やはりだめだったなということばかり。

これは臨機応変というか試行錯誤の繰り返しですね。

だからただ日本というか、日本だけじゃないですけど、政府予算の場合は非常に慎重に議論して国民の税金を使って責任を持って支出しますから、「ちょっとやってみたものの、ちょっとイマイチじゃないか」という時点では引けないですよ。

引いたら怒られるし、「なんでこんなの出したんだ」と。

続ければ続けた、「なんで続けたんだ」って後で怒られる。

これはだからリスクの高い分野で成長する未来のことに関して、政府が意思決定するのが一番不利なんですよ。

なので、それは悲しいというか、もどかしいですけれども、民間といいますかプレイヤーに頑張っていただいて、勝ち馬が出たらみんなで全力で応援すると。

そういうことなんですね。

複数年度の投資というのは、財務省が神経臭いんで、それよりはマシだという可能性は、可能性としてはないんですけども、これは引く機会を失うという問題があって。

毎年だと銀行でもロールオーバーで短期資金をロールオーバーするときに、一応チェックできるんで、何かおかしくなったら引ける、いつでも引ける体制を整えていくということがあるんですけども。

単年度は一応形式的にチェックが厳しく入るんで、そうすると継続性、持続性が危ぶまれてっていう問題がある一方で、やっぱり引きにくくない、引けないっていう一番の問題点をさらに助長するんじゃないかというふうに思っています。

ファンドとか基金は一種複数年度なんですが、うーんっていう感じだと私は思うんですけれども、結局同じことなんですよね。

で、1個めくっていただくと、まあこれ「This Time is Different」っていうのは、ハーバードのケネス・ローゴフ。

有名な金融危機とかバブルとかに関して、「いや今回はバブルじゃないよ」って言うんだけど、結局やっぱりバブルで崩壊するって言うんですが、これ全てのものに入れて、もう何だろうな、何かいい例が思いつきませんけど、「二度と浮気しません」って言っても、多分そうしたらするんですね。

だから、よくすみません、例が思いつかなくてごめんなさい。

今までの財政支出と今度は違うって言っても、「いや、どうしてそんな革命的に今回だけ違うんだ」っていうのは、なかなか難しい。

だから財務省を排除するのは構わないんですけども、じゃあ代わりに誰がやるんだと。

じゃあいい財務省を作ろうよ。

財務省の名前は良くないかな。

なんかいい機関を作って、査定なり目利きをしてくれる組織を作らないことには始まらないんですけど、まだできてないと思うんですね。

ですから、今までが経済成長の財政支出はうまくいかないと。

次は高圧経済というスライドですが、需要主導でそれで成長経済に乗せるという戦略ですが、これは今はやはり得ないと思うんですね。

1930年代の大恐慌というか、世界が凍りついているときに、これはケインズが主張したことですけれども、世界を溶かすためにガツンと行くと。

引っ張り上げるというのはあるんですけれども、これは今は21世紀あり得ない。

とりわけ日本はあり得ない。

これは前言われたことなんですけれども、私、「最近スランプなんだよな」と友達に相談したら、「いつからスランプなの?」と聞かれて、「いや30年前」と言ったら、「それは実力だ」と言われまして。

まさに日本経済はそういうことなんですよ。

30年だめということは、景気の問題じゃなくて実力なんですね。

一枚めくっていただくと、今風に言えば供給力ですね。

需要よりも供給だと。

こういう状況で、機能的な需要関係はマイナスなんです。

なぜかというと、需要が足りないときは、何でもいいから需要を回して活性化しよう、それはそうです。

そういうときもあります。

ところが、今みたいに供給力不足で、人あるいは部品とか流通とか、そういうリソースが不足しているときは、どの需要に金を回すか、人をつけるかということが一番重要なんですね。

だから闇雲に量を入れるんじゃなくて、量より圧倒的に質が必要なんです。

誰が何をやるのかが一番重要なんですね。

だから闇雲に量で、高圧でっていうのは、今はもう180度逆だと思います。

一枚めくっていただくと、供給力強化はどうやるかというと、経済安全保障。

大変恐縮ながら、これは経済にはマイナスなんですね。

なぜかというと、ほっといてマーケットで、要は負け組になって日本は供給できません、あるいはコストが合わなくてできません。

それをじゃあ自分で作るということは、明らかに劣ったもの、あるいは割高なもので我慢するということですね。

「日本産」ということに限って。

ということは、作れない、作るプレイヤーがいない、あるいはコストが合わないんだから、それはやればできるかもしれませんけれども、劣ったもの、遅れたもの、あるいは割高なものを使わされるということになります。

一枚めくっていただくと、TSMCを最後に読んできて、これは良い政策だと思いますが、ダメなものしか作れないから諦めて、これは良い判断だと思うんですけれども。

TSMCは日本のために供給してくれと言ったんだけど、結局、日本の需要はあんまりないなと。

世界的にもっと需要の高い高度なものに工場を予定変更するというようなことになっている。

一枚めくっていただくと、経済安全保障は経済成長にはマイナス。

これは社会構造支援というか、社会政策としてはあり得ると思うんですよ。

あるいは防衛の観点から、もちろんあり得ると思います。

ところが経済合理性から言うと、要は負け組支援なので、その負けた部品を使わされるメーカーはさらに負けるということなんですね。

一枚めくっていただくと、物価対策は、ちょっとこれはここで言うのは大変勇気が要りますが、要はガソリンの暫定税率廃止はある経済政策ではなくて、政治政策なんですね。

つまり、今やるんだったら、イランが起きて今やるんだったら、もちろんこれは経済を平準化させるため、経済政策としての意味はありますが、1バレル60ドルで、ほぼ理由が円安で、他の世界的にはガソリンの値段が下がっているときにやるのは、これは政治政策だと思います。

もちろん政治政策は、政治の現実が我々経済学者は分かっていないわけですから、こんな経済学者の言うことは全くその通りなんです。

だから政治政策に関しては、我々は全く判断できませんから、皆さんというか国会で判断されると思うんですけども、ただそれは経済政策としては関係ないということなんですね。

根本から立たないと、経済的には物価対策にはならない。

要は円安ですねということです。

一枚めくっていただくと、社会インフラというのは、これは社会政策として意味がある。

これ繰り返しですね。

一枚めくっていただくと、軍事支出は、これは高圧経済で、需要は別に関係ないですね。

むしろそっちに取られて、クラウディングアウトで、国民が他に必要な民事のものが作れなくなるということです。

もしGDPが仮に一緒としても、日本国内に残ったものが、民事のものと、要は国防。

これは国防政策上必要なものは絶対必要なんで、これは経済を犠牲にしても、国民の生活を犠牲にしても防衛は必要です。

私はそれに賛成します。

ただ、それは経済政策にとってはマイナスだということなんですね。

補助金も減税もうまくいかないし、減税で勝ち組は作れないということです。

では何をやればと、スライドに行っていただくと、これは客観的というよりは私の意見ですが、国家100年の計で教育投資だと。

社会経済の基盤は社会で、社会の基盤は人である。

いい人が育てばいい社会になり、いい社会は長期的な経済発展をする。

昨日、吉川理那議員が公立学校のご質問されていて、私はもう全面的に賛成なんですけれども、やっぱり公立学校。

大学、慶應義塾大学に一銭もやる必要ありません。

私立大学は割高です。

だからそれよりも初等教育に金を全部突っ込んだ方が、国家100年の計としては絶対正しい。

慶應がなくなっても日本は困らないけれど、公立小学校が悪くなったら日本は困るんです。

結局、これはちょっとあれなんですけど、「強い日本列島」ではなく、「強い日本人」を作ろうよということです。

一枚めくっていただくと、実は強い日本人というのはどうやって生まれるかというと。

私はアメリカに留学させていただいて、大変いい教育を受けさせていただいたんですが、やっぱり多様な、多数の留学生の雰囲気、それと自由な雰囲気、あれはもう圧倒的で。

残念ながら、アメリカの大学院のようなものは、イギリスでもフランスでもどこでも作れません。

もう全然不可能です。

今後どうなるかは分かりませんけれども。

だからそれも我々のやるべき初等教育に考えてみれば、初等教育も広い視野を得るためには、やっぱり多様な社会を作ることが必要ではないかと思いました。

で、付録に行っていただいて、あとは時間の許す限りと思ってあれなんですが、これちょっとね、一枚めくると「永田町経済学」と「学会の経済学」にギャップがあると。

さっきちょっとそういうお話しをしました。

目的が違うので、もしご関心あればということで、一枚めくっていただくと。

たまたま株が乱高下しているときなんで、一番の専門である株価でやりますと。

「よく株価市場に聞け」とか「株価が今日下がったということはこうだ」と解説するんですけど、株価は実体経済とは短期的には基本的には無関係です。

何かというと、投資家の今の気分、状況を表していく。

投資家が「まずい」と思ったら売る、あるいは投資家が追い込まれていれば金がないから売る。

投資家の気持ちです。

強気、弱気というものと状況をつくっているわけです。

ですから、今みたいに一旦悪くなると、どんなニュースが出てもとりあえずネガティブに反応するんですね。

みんながすごい楽観視している時は、多少の悪いニュースを無視するんですね。

楽観の時はよくわからないニュースも無視するんですよ。

ところが、弱気に一回なってくると、よくわからないニュースでも怖いからとりあえず売るわけですよ。

だから株価というのはなかなか面白いんですけれども、これは投資家の状況を表すにはすごい良い指標なんですけど、短期的には実体経済とはだいぶ乖離します。

政策の文脈で言うと、何か政策を打ち出してバーっと上がった時に、「じゃあこの政策はいいんだ、株価が評価している」というのは、これは実は間違いで。

一枚めくっていただくと、株式投資家はインフレが大好きなんですが、なぜかというと、短期に動かしているのは日経平均先物を動かしているトレーダーなんですね。

だから1ドル100円から200円に暴落して、日経平均が4万円から5万円に上がっても、ドルで見れば400ドルから250ドルに下がっているという状況でも、日経平均を4万円で買って5万円で売れば1万円儲かるんです。

1万円が1ドル100円の時は100ドル儲かるはずが、200円になったら50ドルしか儲からないから、これは損失に見えるけど、差益で儲けるのでプラスかマイナスの勝負ですから、50ドルでもプラスなら何でもいいです。

だから彼らはやっぱりインフレとか名目値が上がることをものすごく重要にするんですね。

だから配当よりも自社株買いをする、そういうことです。

配当すると上がらないが、自社株買いだと名目で上がっていくということなんですね。

株式市場はあれなんですが、そろそろ時間もあれなので。

最初、財政収支と債務のGDP比は関係ないと言いましたが、これは財政の持続性にとっては極めて重要です。

持続性はGDP比ではなくて、問題は国債の改定がいるかどうかにかかっているんです。

赤字ということは、新しい改定を呼んでこなきゃいけない。

そういう意味で財政赤字、プライマリーバランスは重要だと。

ちょっと時間もなくなってきましたが、インフレが一番やばいです。

インフレになれば名目金利は上がります。

ということは、利払い費が増えるということです。

このときに一枚めくっていただいて、日銀の政策金利の短期をいくら抑えても、長期金利はインフレ予想に連動して上がりますから、そうすると長期国債を発行するときに利回りが高くなってまずくなる。

インフレになると、一枚めくっていただくと、インフレは投資家の売りを呼ぶ。

これは円安も一緒なんですが、円安になる、インフレになるということは、アメリカにいる投資家で日本の国債を買っている人にとっては値下がりを意味するんです。

ということは、「まだ値下がるから」と買わなくなるんです。

ということは、どんどん値が下がってきます。

そうすると国内投資家も「下がるんだったら待とう」となります。

ですから、円安・インフレは国債市場に決定的にマイナスで、「財政破綻懸念」という噂が出ているときに出るというのは最悪で、しかも健全性に問題がなくても買い手がいなくなる可能性があります。

ちょっと時間なので、この辺で終わります。

また後ほどご質問あればよろしくお願いします。

どうもありがとうございました。

高橋洋一 (公述人 嘉悦大学大学院教授) 2発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志(予算委員長)次に高橋公述人にお願いいたします。

質疑者 高橋洋一

高橋洋一(公述人 嘉悦大学大学院教授)嘉悦大学の高橋でございます。

本日はこのような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。

資料に沿って話をさせていただきたいと思います。

そんなに長い資料ではなく、ほとんどグラフですから、見ながらということで。

私は、過去30年間でひどかったことは何個かあると考えておりますが、それを国際比較という観点でグラフにしております。

一つは各国の名目GDPの推移です。

このグラフを見ると、ちょっと愕然としますね。

他の国はみんな上がっているのに、日本は全然上がっていなかったという話であります。

途中に「たられば」というのが書いてありますけれど、これは私の試算でありましてね。

「普通の経済政策をしていれば、この程度は上がっていたはずだろう」というのは、ちょっと書いてあります。

これがいわゆるデフレという話でして。

ちょっとこれを分解しますと、2ページ目ですけれど、「過去30年間でひどかったこと2」ということで、デフレーターについてです。

物価を見るときに色々な見方がありますけれど、デフレーターで見ても全く同じような図になっているわけであります。

ですから、こういうところをどうやって直していったらいいのか。

過去30年間できなかったのに、今さらできるのかというふうに言われるかもしれませんけれど、原因は私なりには分かっているつもりなので、そこを直していくかどうかということで、まさしく政治の意思が問われているんじゃないかなということだと思います。

次の3ページ目、それをさらにいろいろと見ていきますと、これもG7の中で見ると同じようなグラフになるんですけどね。

各国の公的資本形成の推移です。

公的資本形成というのは、いわゆる政府の公共投資であります。

それがどうなっているかを見たものなんですけど、これを統計分析しますと、こういうふうな公的資本形成で、かなりの部分が30年間の低成長を説明できてしまうということであります。

ここに資料は書かなかったのですが、公的資本形成が低い国というのは、実は民間投資も結構低いです。

だから民間投資でグラフを書いても似たようなグラフになるんですけどね。

でもそういうのを見てみますと、いくらなんでも公的資本形成というのは政府が決められるだろうと。

だから、これを怠っていたというのが、私にとっては非常に驚きであります。

私自身は役人をしておりまして、財務省だったのですが、今から20年ちょっと前、国交省というところに行っておりまして、そこで課長をしております。

課長をしているときに、色々な国の公共投資の話というのを調査したわけなんですけれど、その時に色々な思いがあって、それが次からの話にちょっと関係しております。

2番目は、なぜ政府が過小投資だったのかということを考えたいと思います。

この投資というのは、ちょっと面白いコンポーネントでありまして、当面はGDPの押し上げ要因になるんです。

例えば工場を作るとか、言って部品を買う。

これ自体がGDPの押し上げになります。

その一方で、期間が経つと、中期的という言い方なんですけれど、そうすると今度は供給力の方も上げる。

だから当面は需要を上げつつ、その後供給力を上げるという意味で、かなり経済の中ではこの投資というのは重要視されている分野であります。

この重要視されている分野というのを、この数字を見ると、ちょっと正直言って情けないと思いました。

また情けないというのは、3ページ目の日本の状況でありますね。

これはちょっとどういうもんなんでしょうかと思って。

これで私なりにちょっとまた分析をしてみますと、ひたすら2点ほど気がつきまして。

一つはプライマリーバランスです。

今のプライマリーバランスでどうやって計算するか。

これは私、総務省にもいて、こういうふうな細かい計算をするのは結構得意だったのですが、どうもプライマリーバランスの計算というのが、政府の範囲が狭かったり、地方政府を入れたりして、ちょっと普通の国とは違っていたということでありまして。

一般的に財政状況がどのように見られるかというのは、これは株式なんかと全く一緒なんですけれど、本体のバランスシートだけではなく、関連会社を含めたバランスシートで大体見ておけば、大きな間違いはないと思います。

もちろんそれだけに限られることはなくて、色々と多面的に見る必要があるのですが、でも関連会社を含めた資産・負債ともに見ていくというのが普通ということだと思います。

もちろん負債だけで見ても、そんなに間違いじゃないときもあります。

この日本の実例としては、ちょっと私も関わったのですが、コロナ対策を100兆円やって、これはもう、私のプリンストン大学の先生のバーナンキ……。

日本銀行が買ったという。

これはさっきの統合政府というのを見るとですね、負債に立っているんですけれどね、資産にも立つというそういうふうな話です。

だから負債に立って資産にも立つんで、案外財政を悪くしない。

ただし難点は、これを下手にやるとものすごいインフレになるということです。

ですから、そのときにインフレになるかなんないかというのが結構ポイントだったので、私は安倍総理から言われたときに、「どのくらい出せるの?」これが一番全く関心がありますよね、いろんな方で。

「じゃあ1,000兆出せるのか?」それはちょっと無理ですよ。

「じゃあ300兆どうか?」これ値切りみたいな話ですけどね。

それも無理ですね。

無理ですねというか、そのくらいになるとすごいリスクがありますね。

率直に言うと、150兆から100兆円ぐらいは多分大丈夫でしょうという計算をしたところであります。

この計算というのはどのようにするかというと、実は一番最初に述べた、投資のときに述べた供給力というのをちょっときちんと計測するというところから始まります。

そこでこうなるときに需要が落ち込んでいるわけですから、供給過多になっているので、そのどのくらい上回っているかというのを推計しながらやりました。

それをギリギリまでやると言うとちょっと危ないんですね。

危ないから100ぐらいで何とかなると。

でも結果的にはこの予算の執行を見てますと、80ぐらいで確か止まっていると思いました。

そこから出てくるのが、「そういう時にはこういう手がある。

ただし今の状況はそうじゃないだろう」と必ずいうふうな反論があるんですけど、いつも私は供給力というのと需要点の両方を見ながら考えて、さらに政府のバランスシートで、これも資産と負債両方を見ながら考えるという工夫をつけております。

あともう1個、これは私が国交省にいたときの話なんで、自分の恥をさらけ出すようですけれど、非常に世界の国と違っているというのが、2番目に書いてあります社会的割引率であります。

これは今は4%となっているんですけど。

これ4%になったっていうのは、私、国交省に行っていたときに聞かれたんですよね。

「高橋さん、財務省から来てるからこういうの詳しいでしょ」。

そんなはっきり言って詳しくないんですけどね。

詳しくないんですけど、いろんな国のやり方はしていたんで、「まあ国債金利ですから4%ぐらいですかね」って言ったら、それそのままだったんですよ。

それが今も4%。

この間、国債金利がすごく低くなっても4%でありました。

そうしますと、この社会的割引率が4%といって、いわば市場の金利より高いままというのは、恐ろしく公共投資の抑制要因になります。

社会的割引率というのをあえて言うと、社内金利に相当すると思います。

だから4%の社会的収益がなければ投資しちゃいけないっていうそういうことになるわけなんですけれど、じゃあ他の国はどうやってるのかっていうと、大体どこの国も国債金利に合わせて毎年とか2年とかそういうので見直しております。

だからこれを見直さないってこと自体が、私にとってはほとんど無責任だ。

私も安倍政権にこれを一生懸命ちょっと是正するように頑張って、それで国交省で研究会かなんかでやったんですけど、結果的にはやってくれなくて今に至ってるってところであります。

ですからよく積極財政、積極財政って言われるんですけど、私は責任ある積極財政っていうのはその通りなんですけどね、無責任はちょっとまずいでしょってそういう立場です。

無責任じゃなくて普通にやればまあいいでしょと。

これだから今普通に見直すと2%か2.5%くらいになるんですけどね。

そうなったらどのくらい公共投資が増えるか。

これは確かにどこをやってうまくいくかって難しい問題あるんですけど、そのためにこのような社会的割引率というのがあって、それでそれぞれの分野でB/Cという言い方をするんですけどね。

Bはベネフィットです。

それでCがコスト。

これが1以上になったら採択するとかいう言い方をして、それでいろいろと分かりにくいんですけどね、分かりにくいながら工夫して民主主義プロセスをやってるって話です。

このB/Cのやり方っていうのはもうほとんど過去60年間ぐらい行われているんで、かなり枯れた技術でありまして。

枯れた技術っていうのは、それなりに結構信頼性すごく高くないかもしれないですけどね、それなりに信頼ができるものだと思います。

ちなみにこのやり方っていうのは、もう今や地方自治体でも結構マニュアル化されてやってるっていうところも結構あるし、だからかなり確立された技術であると思います。

だからここは無責任にならないで、これをちょっと。

普通の国の波に毎年国際連動をするって直すだけで、これだいぶ違います。

だいぶっていうかですね、おそらく公共投資は今の水準の2倍以上になるんじゃないかなという気がしております。

次のやつですけれど、これはですね。

財政事情を見るときに、さっき言ったように統合政府というのを見るんですけれど、それは別に私の専売特許でもなんでもなくて、これはちょっとIMFのデータを取ってきたわけであります。

これを見てますと、日本というのはそんなに悪い数字になっているわけじゃないです。

もちろんこれはちょっと新しくやったりすると、ちょっとずつ数字が違うところもあるんですけれど、すごく悪くはないですね。

だからすごく悪くないということは、あんまり当面心配することもない。

それではあとその次の6ページ目ですけど、こういうふうなネットワースっていうんですけどね、これは純資産っていう言い方です。

これ純負債って言い直しても一緒です。

純負債にするとただマイナスがつく(だけ)なんですけれど、純負債って形にすると「負債マイナス資産」、そこがちょっとひっくり返るだけなんですが、これが実はCDSといって、マーケットで計算される財政の健全度に結構関係があるというふうな資料が6ページであります。

ですからよく格付け、格付けという言い方をするんですけれど、格付け機関だってこれ見てるわけです。

それでやってて、格付けなんて定性的なのはほとんどマーケットではできないですから、こういう形でちょっと定量的にやってるっていうのを示しちゃうところであります。

それとあと、しばしばよく間違う話としては、「金利が上がると財政が大変になる」とみんな言いますよね。

私の出身の財務省もいつも言ってます。

これはだから、いわゆるバランスシートって左側に資産があって右側に負債があるんですけどね、負債の大半は国債ですから、当然金利が上がれば負債の利払い費は増えます。

そこの一部分だけを捉えた議論でありまして、だから私はバランスシートで実は見るということを言うんですけれど、実は金利が上がって利払い費が増えるというところは事実です。

さすがに財務省も嘘はつかない。

ただ都合の悪いことは言わないというくらいですけれど、金利が上がって利払い費が増えるのは事実なんですけれど。

これ、私が財務省の中にいたときに、今から30年以上前ですけれど、「これやっぱりバランスシートで見なきゃいかんじゃねえか」と。

これで金利が上がったときにどのような変化があるかということをシミュレーションするシステムが作ってあります。

もうすでに30年以上前に作ってあります。

それを見ますとですね、ここで広い意味での政府の資産というのが効いてくるんです。

そこの広い意味での政府の資産というのは、大半が実は金融資産です。

そうするとそちらの方は金利収入が上がります。

この金利収入が上がって、これ放っておくとどうなるかというと、実は財務省だってそこは見逃すはずがないんですね。

パクって取って、中に入れて税外収入にするんですけれど、パクって取られて取られる方はたまらないからというので、いろんな会計処理したりして、取られないような会計操作もします。

ただし、全体のバランスシートを見ているとすぐ分かります。

そういうのを込み込みで見ると、実は金利が上がっても利払い費が増えるのはその通りなんですけれど、実は税外収入の方が本来はほとんど同じくらい増えます。

ということはどういうことかというと、金利が上がってもほとんど関係ない。

財政には関係ないという答えになってしまうわけです。

これはあれですね、そのシステムまだあるはずなんですけどね。

絶対に財務省の方は「金利が上がって税外収入が増える」ということをあんまり言わないんですけど、今度は増えます。

ということであります。

そうすると、ちょっとまとめると、政府の過小投資を直すためにということですと、いろいろと財政準則も、現行のPBも、広義のPB(広義というのは今言ったようなバランスシートのPBですけれど)、そういうのを全部見てやるということしかないんじゃないかと思います。

ただし、当面いろいろ考えると、次の8ページですけれど、統合政府から見れば、あまり意識しなくても、あまり問題が出てこないと思います。

ですから、それはですね、金利が上がって大変だとか、それとあと借金が大変だという議論は、かなり割り引いて考える必要があるんじゃないかなと思います。

それとあと資産を考える観点から立つと、建設国債についてはですね、償還基金があるからですね、まあこういうのはちょっと計算上ですね、いろいろ工夫した方がよろしいんじゃないかなというふうに思います。

次に9ページ目ですけれど、社会的割引率、これはあまり高すぎます。

見直そうと思ってやったんですけど、国交省の役人は見直してくれると言ったんですけど、はっきり言って嘘でしたね。

だからこれはちょっとまずいですね。

だからそれをちょっと普通に直すだけで、普通に直すというのは積極的でもなんでもないんですよ。

ただ単に普通にするというレベルなんですけど、そうすると公的資本形成が伸びて経済成長するという形になるんだと思います。

特に今、老朽化した社会インフラというのは、年数が来たら自動的に更新するという形にした方がいいんだと思います。

今、これはどこが悪いかを探そうなんていう、すごく壮大な計画を立ててますけど、そんなのは多分やめた方が良くて、時期が来たら全部リプレイスメントしていくというのが普通だと思います。

最後にちょっと社会保障改革だけ述べたいと思います。

後ろの方は数学の話ですから、これを見たら目がつぶれますから、見ないでいただいて結構でありますけれども。

社会保障の話でいくと、いろいろな国で最近導入されていて、日本に導入すべきというのは「再入庁」ではなく「徴収一元化」であると思います。

これは税務と社会保険料の徴収一元化です。

かつては所得税の源泉徴収制度、これは日本は結構できているんですけれども、あと社会保障との国民番号のリンクがうまくいかないからだめだったと言われたんですけど、これはもうそういう時期じゃないですね。

こういう制度を見るときに、いろいろな各国の資料を見ているとですね、日本だけないのは、先進国の中でかなりいびつですね。

先進国で昔の経緯がないのはちょっとありますけれど、でも、これは真剣にやったほうがいいんじゃないかなという気がしております。

もうデジタルでいろんなことができる時代になっております。

ですから、ある意味でせっかくマイナンバーを入れたわけなんで、そうするとここの条件として、これは私が言っている条件じゃなくて、海外の有名な学者が言っている条件ですけど、そこはもう完成されて、基盤が蓄積しつつあるんじゃないかなというふうに思います。

この徴収一元化をやりますとですね、今の日本年金機構の徴収部門の人と国税庁は一緒になるわけなので、そうすると大きな効率化になります。

それとともに、社会保険料の増収効果はかなりあります。

これは計算がいろいろあって、よくわかりにくいです。

国会の中で出てきた資料を見ていると、ある国会議員の方が「10兆円近く増収がある」と。

年間10兆円ですけどね、すごいですよね。

でも私も財務省に行って、国税庁にいてですね、税務署長をやっていて、それでその時の経験で、源泉徴収するんですけど、社会保険の徴収漏れってすごく多かったです。

その度にいつも社会保険庁の事務所長に「徴収漏れしていますよ」と言ったんですけど、本当に取っていなかったなという感じはしましたけどね。

もちろん今は状況が違っていると思います。

でも、この増収効果がすごくあるんで、これは放っておく手はないんじゃないかなと私は思っております。

ということで、私のプレゼンテーションはこれで終わりでございます。

どうもご清聴ありがとうございました。

田中浩一郎 (公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授) 2発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志(予算委員長)

質疑者 田中浩一郎

次に田中公述人にお願いいたします。

田中浩一郎(公述人 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)慶應義塾大学の田中でございます。

先ほど同じ大学の小幡公述人がいらっしゃいましたけれども、キャラがだいぶ違うので、そこはご了承いただきたいと思います。

私が話すことというのは、大体ネガティブといいますか、危機が起きているときにどう対処するかという話になりますので、どうしても暗い話というか、展望が開けない話が多いので、そこもご容赦いただければと思います。

私の方の資料は非常に簡便なものになっておりますが、今日はそちらをベースにしてお話をさせていただきたいと思っておりまして、簡単に言いますと、危機管理をどうやっていくのかということ、それから安全保障上の観点から今何が必要なのかということを申し上げたいと思っております。

ページをめくっていただきますと、2ページ目に論点として述べてありますが、なぜこういうことを書いたのかといいますと、今改めてペルシャ湾情勢が非常に緊迫しております。

もちろんそれ以前からもですね、いろんな兆候がありましたので注意はしていたんですが、そういう状況に陥りました。

長い間、「ホルムズ海峡を封鎖されたらどうしよう」なんて話をですね、いろんなシミュレーションでもやって、ウォーゲームでもやって、いろんなところでやってきたのが、計らずも今現実に起きているという状態でもあります。

この端緒になったのがですね、イスラエルとアメリカによるある種違法な対イラン軍事攻撃、先制軍事攻撃でございましたが、イスラエルに至ってはこれは2度目のことであります。

今中東で生じている紛争、これを通じて見えてきたのが、我が国の安全保障上の課題についてということであります。

1枚めくっていただきまして、3ページ目のところでございますが、まず日本は化石エネルギーを大きく頼っているところはどこかといえば中東ですけれども、その中でもとりわけペルシャ湾でございます。

我々の目と耳というのは、どちらかといえばペルシャ湾の情勢とか、それから原油価格だということに向かいがちではあるんですけれども、一番大事なのはこの地域の不安定化ということなんですね。

攻撃を始めたイスラエルとアメリカは、幾度となくこのイランの側で問題とされてきた問題行動、もっと端的に言えば、それらを使って攻撃を正当化するような対象でございます。

具体的には核開発、あるいはもう少し細かく言えるとウラン濃縮でございました。

それからその濃縮されたウランの所在というようなこと、これらが大きな課題なんですが、他にもイスラエルを射程に収める弾道ミサイルの開発、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ、それからパレスチナのハマスと、これらの代理勢力への支援などが挙げられております。

いずれもイランの悪事としてはもっともらしいところでもございますが、とりわけウラン濃縮、それから兵器開発をめぐる許容については、これはイスラエル及びアメリカの情報の捜査、それから印象操作なども含まれておりまして、そもそも去年6月に一旦軍事攻撃を行った後の軍事作戦遂行後のレビュー、あるいは去年3月時点でのアメリカの国家情報評価などを見ても、アメリカ自身にも大きく矛盾するかかけ離れた現実がございます。

そして国連の専門機関である国際原子力機関(IAEA)の見解とも相違があるところでもございます。

一方、ミサイル射程については、日本列島も北朝鮮のミサイルの件においては非常にピリピリしている状況にございますが、イスラエルからたびたび主権を侵害されている国家として、その国家が対イスラエル抑止という点で国防上不可欠であるという点を踏まえれば、一定の説明はつくところでもございます。

現在の危機を作り出しているのは、まずイランだけではないということに、やはり中東においては目を向けるべきではないかと思っております。

ガザの住民に対して行われている無差別な攻撃、それからパレスチナ人の権利蹂躙を常態化しているこのイスラエルの行動。

ガザでは7万5千人を優に超えるパレスチナ人が殺害されておりまして、民族浄化あるいはジェノサイドの疑惑も出てきております。

イスラエルの首相に至っては、ICC(国際刑事裁判所)からジェノサイドに関しての刑事被告人としての、戦争犯罪としての訴追を受けるような逮捕状を発付されているような状態にもございます。

日常化しているシリア、それからレバノンに対しての断続的な軍事攻撃、それからヨルダン川西岸の違法入植地の拡大、さらには併合など、明らかな国際法違反が続いているわけですが、世界はイスラエルが国際法を超越したかのような存在であるように例外として扱い、「イスラエル例外主義」で対応してきました。

そのイスラエル例外主義が中東地域における不安定を拡大させており、決してイラン一国における問題がこの地域のあらゆる問題を作り出している根源であるということが言えるはずもないわけであります。

そして最近では、改めてイスラエル、それからアメリカによる先制軍事攻撃、その違法性も問題として取り上げなければいけないわけでありますが、去年6月のいわゆる「12日間戦争」と言われましたこの先制攻撃において、この攻撃の主体となったのがイスラエルであるにもかかわらず、その責任追及がないままに見逃されてきたことこそが、今改めてペルシャ湾全域を危機に落とし入れるそういう状況を作り出しているということも忘れてはならないと見ております。

さて、4ページ目に移りますけれども、すでにイスラエルとアメリカによる攻撃、そしてそれに対する報復、イランからの報復攻撃は10日を数えております。

奇襲攻撃を受けたイランでは、開始直後の爆撃でイランの政治指導者ハーメネイ最高指導者を失っておりますし、同時に軍の高官ら40人も同時に抹殺されたとも言われております。

ほぼ同時刻にイラン南部では女子小学校が空爆を受け、170人以上の痛いけな学童が殺害されております。

当初からアメリカによる誤爆が指摘されておりますけれども、最近になりましてトランプ大統領は「これはイランの仕業である」ということで強弁しております。

主な都市部における民間人死傷者も多数発生しておりまして、3月9日までに1300人前後ということで、イラン側が12日間戦争を通じて失った死者数を、もうすでに凌駕する数になっております。

一方、イランによるイスラエル及び域内のアメリカ軍基地に対する報復攻撃、並びに周辺国の民間施設に対する空爆などで、各国で死傷者が発生しております。

周辺のアラブ諸国にしてみれば、まさに巻き添え被害ということでありますが、イランがこれらの国々に対して、米軍基地の設置以外、いかなる理由で攻撃を行っているのかについては不透明でありまして、2月28日の攻撃を受ける数週間前に、イラン側で防衛ドクトリンの改定を行ったということとの関連が問われるところでもあります。

いずれにせよ、民間航空機が離発着する国際ハブ空港や石油施設などが標的となるなど、攻撃の法的な正当性には疑問が呈されるところでもあります。

昨日3月9日、我が国の茂木外務大臣がイランのアラグチ外務大臣と電話会談を行い、この種の攻撃を強く非難し、終止符を打つことを求めたのは至極当然であると考えます。

このイランによる報復攻撃で注目されているのが、やはり自爆型ドローンの活用、それから弾道ミサイルの威力でもあります。

長年武器禁輸のもとに置かれてきたイランにとりまして、これはどちらも自前で揃えた数少ない対抗手段であります。

絶えず改良が加えられてきた結果、特にドローンの攻撃力と破壊力は侮れないこと、これは2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻でも実証されているところでもあります。

ご承知のとおり、この自爆型ドローンはイランから提供されたものでございました。

また、自爆型ドローンが軍事ターゲットだけでなく民間インフラ施設に対しても脅威となることは、ウクライナでも中東でも全く同じであります。

手作りの兵器の能力を疑うものではないんですけれども、家内制手工業の延長にあるような設備で、比較的安価な汎用品を集めて作られていると考えられる現在の「シャヘド136」が、ペルシャ湾の対岸からアラビア半島側に飛来し、標的とおぼしき建造物に突撃する様には、まさに戦慄を覚えるところです。

イスラエル以外では、特にUAE(アラブ首長国連邦)の2つの首長国、アブダビとドバイに対するドローン攻撃が約1500件と際立って多く、そのほとんどが上空で撃墜されているとは言っても、数パーセントの一部は着弾して被害をもたらしております。

以前から警戒され用いられてきた、いわゆる「スウォーム攻撃」であります。

防衛システムを飽和させることで打ち損じ、打ち漏れが生じ、一部が防空網を掻い潜るごとに成功するということになるわけですが、現地で今回留め置かれていた法人たちが経験した恐怖というものも相当であります。

従来の地域紛争と異なりまして、現在の危機が「危機」と称するにふさわしいのは、ホルムズ海峡の実質的な封鎖が成立したからにほかなりません。

2月28日の開戦後、イランのイスラム革命防衛隊はVHF無線を通じまして、周辺を航行する船舶に対して海峡が閉鎖されていることを通告したことから始まりましたが、やがてこの警告に従わない船舶への攻撃を脅すようになり、さらには飛翔体による船舶への攻撃も発生しております。

これまでにタンカーを含む約10隻の船舶が攻撃を受けて被災しておりまして、その結果、3月2日までにはホルムズ海峡の通行はほぼ止まった状態にあります。

現在もその状況に変わりはありません。

これがまさに長年、何千回も何万回もシミュレーションを、さらにはウォーゲームで用いられてきたホルムズ海峡の封鎖ということになりますが、これが空想ではなく現実のものとなっております。

その意味するところは、ペルシャ湾と外海が遮断されたということでありまして、今でもなくペルシャ湾の中で産出される原油及び天然ガス、あるいはそれらの派生商品、派生製品も含めてですね、国際市場には供給されない、そういう状態が今生まれております。

併せて原油生産及びエネルギー生産が減産、ないしは停止に追い込まれる、そういう事態も発生しておりまして、これも非常に稀というかですね、普通は起きない状態でございます。

近年で起きたのはコロナ禍の時、価格がマイナスを記録した時がございますけれども、あの瞬間には原油の生産をですね、一旦絞らなければいけないということが起きましたが、それ以外では普通は起きないことでございます。

湾岸のアラブ諸国にとっては、これは報復を含めた軍事攻撃で受ける被害、直接的な被害以上に大きいものとなることでしょう。

そしてその影響ですが、これは日本を含む東アジアにとどまることなく、世界経済にまで及ぶことになると見ております。

イランによる攻撃が湾岸アラブ諸国などに及ぶことによって、現地にいる法人の退避というものが改めて注目されました。

一部の在留法人や渡航予定者には、一度早めに移動を開始するとか、渡航を取りやめるといった動きも見られましたが、大多数の方は航空便のキャンセルによって多大な不自由と不安を抱えることになりました。

こうした事態は先々を読んで行動することの難しさを提示しているわけではございますが、多くの渡航者が集中的に交差する国際ハブ空港に特有の事象であるとも言えるわけでありまして、どれだけ事前の予備調査を行っても、旅の途中で立ち寄ったところでこのような不幸に見舞われるということは、なかなか避けられないことだろうと言えます。

だからといって、再発防止を視野に入れた対応策の検討を行っていいということではないはずでもございます。

5ページ目、最後のところに移りたいと思いますが、このような危機を前にしまして、我が国は想定外の事態が生じないように、多角的、また多元的に泣きどころや盲点を追求して、そこに光を当てていかなければなりません。

まず、民間インフラとはいえ、人命に関わる基礎インフラは多々存在するわけでありまして、その防御と機能保全は高い優先順位を与えられるべきであると考えます。

日本国内においては、飲み水から住民が完全に遮断されるというようなケースは大規模災害時以外にはなかなか想定されておりません。

しかし、飲料水をはじめほぼあらゆる用途の水を海水から増水、すなわち水を作るというような乾燥地帯においては、増水プラントへの影響、攻撃というもの、あるいは破壊というものは道義的にも重大な問題をはらんでおります。

すでに米軍がペルシャ湾周辺の島嶼部に対してこうした攻撃を行っていることを、これを緩和することは、たとえ作戦上の効果が見込まれるとしても、一般島民の生死に関わる問題となるだけに慎重さが求められるところであります。

また、ホルムズ海峡の封鎖状態、これは我が国だけでなく世界的な問題であります。

諸々の経済の間の連動性だけではなく、市場で生じる玉突き現象のことも指しております。

原油の備蓄が十分にある、このことは我々はだいぶ誇ってはいいとは思います。

1973年の第一次オイルショックの時の教訓を現在に至るまで生かしているということでございますが、こちらは当座のところ、価格の高騰は招かない。

それはもうどうしようもないところであります。

しかし、供給不足に陥る心配がないということは安堵していいことだというわけです。

一方、LNGにつきましては、ペルシャ湾内への依存度が日本の場合6%から7%程度で低い、広く言えば多様化ができているということで、これは悪いことではないんですが、影響は軽微であると見ている組みが多いわけです。

しかしながら、我が国が調達しているLNGのうち、約4割はスポットでの対応です。

スポットで調達しておりまして、スポット市場、あるいは短期契約によって入れているものであって、この観点から、あるいはこの視点から見ると別の絵が見えてきます。

スポット市場の供給の影響を免れることはできないということでありまして、原油の高騰に伴ってフォーミュラに従って長期契約のLNG価格が上がるには一定の時間を要します。

しかしスポットは瞬時に上がります。

これが今外に出ない。

そうすると、そこからスポットであれ定期長期契約であれですね、購入している顧客は他からの調達を余儀なくされます。

これはスポットの方に流れます。

となりますと、スポット市場に殺到するこういった追加需要を果たして今の……LNG供給国が他で賄うことができるのかという重大な問題があるわけでございまして、原油価格にリンクしていく、そのタイミングはもちろんこの先であるとしても、スポット市場の急騰による電気料金への影響はもう少し早いところで起きる可能性もあるわけですし、それ以上にスポット市場で買い負けをするというようなことが起きると、量的な問題が生じます。

なので、暗論としては実はいられないということがLNG市場においてもあるということを申し上げたいと思います。

最後になりますけれども、イランに対してのイスラエル及びアメリカの軍事攻撃が体制転換を基としておりまして、その途上で軍事力の徹底的な破壊を狙っていることは周知の事実でございますが、イランという人口9,000万人の多民族国家が、外部からの力の介入あるいは内部崩壊であれ、統制の取れた政府あるいは軍組織がいなくなった場合に、どのような混乱が生じ得るのかということを考える必要が大いにあると思います。

イランはペルシャ湾とオマーン海に対して2,500キロの海岸線を有しております。

この海岸線が不安定になった際、それから海岸のアラビア半島にこれが及んだようなときには、一体どれほどの混乱が待ち受けているのかということを改めて問いたいと思います。

以上でございます。

坂本委員長これより公述人に対する質疑を行います。

質疑の申出がありますので、順次これを許します。

神田潤一 (自由民主党・無所属の会) 13発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

神田潤一君。

質疑者 神田潤一

はい、自由民主党・無所属の会の神田潤一と申します。

本日は堀先生、小幡先生、高橋先生、そして田中先生、お忙しい中、貴重な御意見を賜り、ありがとうございます。

社会保障について、あるいは財政政策、経済政策、そして外交など、非常に重い、あるいは重要なテーマについて、分かりやすく御説明をいただきました。

15分という限られた時間ですので、いくつか伺っていきますが、まずは堀先生に伺いたいと思います。

社会保障は日本が世界に冠たる国民皆保険をずっと堅持してきたわけですが、一方で少子高齢化の進展などで構造的な改革が求められているという大きなお話だったと思います。

そうした中において、今回給付付き税額控除、あるいは安定的な財源確保の話も議論されていくものと思われますが、この国民会議に対する期待、あるいは安定的な財源をどういうところに求めていけばいいのか、堀先生の御意見を伺わせていただければと思います。

参考人 堀真奈美

堀さん。

ご質問ありがとうございます。

先ほどからもお話しさせていただきましたけど、構造課題って本当にすぐに解決できる、非常に重要だとすぐにできるということではないだけに重要なことだと思うんですけど、国民会議の中で給付付き税額控除の話であるとか、あるいは消費税を減税した後の財源をどうするかという議論されるということですので、そこは非常に重要なことだと思います。

ですが、その制度ありきではなくて、そもそもその給付のあり方をどうするのか、あるいは再分配のあり方はどうするのかというところをセットで国民会議の中で議論していただけると、いろいろな手段があり得ると思うんですよね。

当然今出ている案も非常に重要な案だと思いますが、最初からそれありきではなくて、そもそもどういう給付のあり方を望むのかということも踏まえて考えていただけると、いろいろなソリューションが出てくるのではないかなと思っていますし、あと国民的な意見を入れるような、何かそういう仕組みが国民会議の中であるといいなというふうに思っております。

以上です。

委員長 坂本哲志

委員長。

質疑者 神田潤一

神田君。

はい、ありがとうございます。

現在、テーマとしては、食料品の消費税の減税、あるいは給付付き税額控除ということですが、それらだけではなく、広く議論を集約していく、あるいは国民全体で議論していくというご意見をいただきました。

ぜひとも、野党の皆様にも国民会議にご参加いただければということを申し添えたいと思います。

次に小幡先生にお話を伺いたいと思います。

大変要望を交えた御説明でありましたが、内容としては、現在高市政権が目指す財政政策による成長戦略については、やや厳しめの御意見をいただいたのではないかなと思っております。

ただ成長戦略としては厳しい御意見なのかもしれませんが、社会政策あるいは産業政策として、民間がなかなか賄うことができないコストですとか、あるいはインフラの整備ですとか、税制の優遇ですとか、そういったところで支援をしていくというような考え方はあり得るのではないか。

あるいは市場の失敗を政府の介入によって是正していくという考え方はあり得るのではないかというふうに私自身は思いながら聞いておりました。

それを踏まえた上で、複数年度の投資や予算については、やや政府がプロジェクトから撤退するのが遅れるのではないかという御意見もいただきましたが、一方で長くかかるプロジェクトに対して予見可能性を持たせた上でプロジェクトを推進していくという効果もあるのではないかというふうに思われます。

この点についてもう少し伺いたいのと、もう一つ、中央と地方という意味で、なかなかこの日本の地方が活用できていない。

その地方に対して、例えばTSMCのような工場を配置して、適正なこの国土の形成を図っていく、活用を図っていくという考え方も、これはやはり政府として大きな政策としてやっていく意義があるものではないかというふうにも思われるんですが、この2点についてご意見をいただければと思います。

参考人 小幡績

小幡君。

ご質問ありがとうございます。

一つ目のご質問に関しては、理論的には全くその通りなんですけど、現実的にやっぱりないんじゃないかなと思うんですよ。

基金とかファンドとかは、言い方悪く言えば補正のときに、金額合わせで膨らませてやって後でいいもん入れようということだと思うんですけれども、結局ファンドや基金の事後の議論を見ると、うまくいってないか全く支出されてないと。

つまり、いい案件があれば今までの枠組みでもできたはずなんで、ということは政府主導でできる案件はやっぱりあまりないんじゃないかと。

特に大きな案件では。

それはなぜかというと、先ほど申し上げたと同じなんですけれども、やっぱり担い手が自ら育ってこないと、そこに載せるということはできないということで、結局やっぱり複数年度は現実的、理論上はもちろんその通りなんですが、現在の日本でそれをやる力はないし、目撃力ということに関して言えばもっとないので、私はかなり相当悲観的で言います。

2つ目の話は全く逆で、全くその通りなんですけれども、だからTSMC化という問題がちょっとあって、やっぱり地方創生という響きはいいんですけれども、実際には地方の止血をしなきゃいけないという、もう地域社会が壊れている中で、やはり東京とかTSMCもそうですけれども、高度な産業や都市部での経済発展というのは、やっぱり各地域の基盤の上に成り立ってて、いいとこどりというか、クリームスキーム、上積みだけを華やかな大都市という舞台で経済的な効率性で成長を謳歌するということになっていますので、日本の多様性というのも地方の多様性、地方出身者が都市部に集まることで発展している、いろんなアイデアが出るということがあると思いますので、地方の社会基盤の整備に一番お金は使っていただきたいと思います。

その時に、ただ国としてTSMCをやることに対しては、一点問題がありまして、かつてどこの工場というのは語弊がありますが、東北地方にエレクトロニクス系の工場を、パソコンでもいろんな半導体でも作った場合に、5年ぐらいでやっぱり時代遅れになるんですね。

5年後もその工場が勝ち続けるかどうかっていうのは何とも言えないので、一旦そこに工場を作ってみんなが地域はもうそこに地域の面を預けても、例えばそこのメーカーサイドとしては、5年になったら山形撤退しますとか、仙台撤退しますとか、そういうことになってしまうので、やっぱり地域からボトムアップで、地域から出てきた自ら地元の人、地元の意見、地元のプレイヤーが「お金が足りない、助けてほしい」というものを各地方自治体が支援する、そういうような手間暇かけることが重要だと思うんです。

日本の政策で一番重要なのは、政策はお金を突っ込めば自動的にできるような錯覚が落ちていますけれども、効率性を重視しますから、やっぱり手間暇かけるということが重要だと思うんです。

すみません、長くないです。

委員長 坂本哲志

坂本委員長

質疑者 神田潤一

神田君。

神田潤一ありがとうございます。

少し高橋先生にも伺いたいことがあるんですが、まず田中先生の方に伺いたいと思います。

ペルシャ湾情勢について、地域の不安定化が一番の懸念材料だということ。

現在のイランの対応などを見ていますと、ホルムズ海峡の閉鎖あるいは周辺諸国への攻撃など、ややイランが孤立していくような方向に進んでいるようにも見えます。

アメリカとイスラエルによる攻撃が国際法違反かどうかはこの質問では問いませんが、ただこうした状況の中で、これまで日本がパレスチナ問題で取ってきた二国家解決、つまりイスラエルも国としては承認、存立していくし、一方でパレスチナも国として承認していくというような、これまでの日本の外交アプローチは今後修正が求められるのでしょうか。

これについて御意見をいただければと思います。

参考人 田中浩一郎

田中浩一郎神田君、ご質問ありがとうございます。

まずペルシャ湾界隈の情勢に関しましては、イランの行動に大いなる問題があることはご指摘のとおりでございまして、いかなる自由であれ第三国を攻撃しているということに関しての対応を、日本としても厳しく問うというその姿勢には私も異論はございません。

これは例えば日本とイランとの間で伝統的な友好関係があるということとは全く無関係でありまして、正すところは正すべきだと考えております。

一方、トゥーステートソリューション、いわゆる二国家解決の実現などに向けての我が国のスタンスは堅持すべきだと私も考えておりますが、一方でもう長きに渡りまして両者の間の交渉がない。

またイスラエルでは現在、このトゥーステートソリューションをむしろ否定する言論調、それから政策が優先的に取られているということ。

またパレスチナ側の方で、パレスチナを代表する機関というものが機能していないということなどから、実現が極めて客観的に見て難しい状態にあると思いますが、政策として両国、すなわちパレスチナとイスラエルが両立するということなしに問題の解決はないと思っております。

ですので、堅持すべきだと考えております。

質疑者 神田潤一

神田潤一ありがとうございます。

大変示唆に富んだ、難しい、これからもいろいろ考えていかなければならないお答えをいただいたと思います。

ありがとうございます。

最後に高橋先生に伺いたいと思います。

社会的割引率がずっと4%で使われているというのは、確かに非常に公共投資の減少要因であるという御指摘は、非常に大変新しい、私にとっては新しい視点でしたし、これからしっかり考えていきたいと思います。

また小幡先生と高橋先生が統合政府の考え方に対してやや反対のお考えをお持ちで、ご登壇されていらっしゃるのを少し突っ込みたい気はするんですが、時間も限られておりますので、高橋先生に伺いたいのは、歳入庁をつくってはどうかと。

歳入庁をつくることによって、税務と社会保険料の徴収を一体化して、特に社会保険料の徴収が伸びるのではないか、収入が増えるのではないかというご指摘がありました。

一方で、現在は歳入と歳出を財務省が一体で管理をする、両側のバランスをとりながら見ていくということで、日本の財政をずっと運営してきたという歴史であり、知恵があったと思うんですけれども、この歳入庁と、あるいは歳出、財政の支出の部分を分けることによる弊害などについては、どのようにお考えでしょうか。

あるいは、やはりメリットの方が大きいということであれば、もう少し詳しく伺いたいと思います。

参考人 高橋洋一

高橋君。

どうもありがとうございます。

歳入庁ってやってる国、ものすごく多いんですよね。

ですから政府の中で考えると、財務省が両方を見ないってだけなんです。

政府としては絶対に両方を見るわけです。

多分、歳入庁を作るとなると内閣府とかそういうところがやると思うんですけどね。

ですから、政府としては支出も収入も見ていると。

現に、支出でも社会保険の支出なんか随分あるんですけどね。

そういうところも一体として見る。

最終的に言うと、こういうのは議会の方でチェックするっていうのが普通の仕組みだと思います。

ですから、全然どこもチェックしないで財務省の一つの役所に任せるというか、そっちの方がちょっと歪だと思いますよ。

ですからそういう意味では、国会でですね、両方集めてやって見た方がよろしいんじゃないかなというふうに思います。

ちなみに、歳入庁って作ってない国探す方が難しい。

社会保険での徴収って、源泉徴収とほぼ一緒です。

ほぼ同じですから。

ですからそれを普通やりますし、欧州圏でもほとんどやってます、これは。

ですからその意味では、「なぜやらないのか」という質問、なぜやらないのかの方が大変でしてね。

かつて、野党の方でこれをやろうというふうに思った政党もありましたけどね。

なんか落としちゃったり、わけわかんないですね、これはね。

今はもう、この壁でデジタル化がすごく進展しているんで、すごく気が軸しているんじゃないかなと思って申し上げた次第であります。

委員長 坂本哲志

委員長。

質疑者 神田潤一

神田君。

ありがとうございます。

マイナンバーカードの普及などもあり、より個人のまさに確定申告なども簡便になっていく方向だと思いますので、これから真剣に検討してまいりたいと思います。

また高市政権では非常に新しい観点で、新しいチャレンジをしようとしております。

ぜひともこれからも先生方のご知見をいただければと思います。

本日はありがとうございます。

以上で質問を終了いたします。

近藤和也 (中道改革連合・無所属) 18発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志君。

質疑者 近藤和也

近藤君。

中道改革連合の近藤和也でございます。

よろしくお願いいたします。

今日は4名の公述人、先生の皆様、ありがとうございます。

時間の関係上、全て皆様にお伺いできないこともあるかもしれませんが、その点は御容赦いただければと思います。

まずは田中先生にお伺いをいたします。

現状のこのイラン情勢について、先ほど神田君からの問いにもありましたように、イランにも課題があるということもおっしゃられました。

一方で、先制の軍事行動、また違法ということを、このアメリカとイスラエルの行動に対して、そのような御発言もありましたが、先制の御見地から、このアメリカ、そしてイスラエルの行動というのは、この国際法違反に当たるという見方なのかどうか、よろしくお願いいたします。

参考人 田中浩一郎

田中君。

ご質問ありがとうございます。

私どものある種の常識というのも変なんですが、議論の中で常にあるのは、そもそも手続きをとっているのかということもありますし、自衛権の行使というものを主張するだけの材料を、口頭では……。

委員長 坂本哲志

委員長。

質疑者 近藤和也

近藤君。

ありがとうございます。

実際には日本政府も苦しい立場にはあるんだろうなというふうには思います。

この予算委員会でも法的評価はどうなのかといったことをいつするのかといったことも、たびたび総理や外務大臣に対しての質問はされているわけですけれども、アメリカに配慮しすぎていれば、日本人の安全ですとか日本の経済ですとか、国際的な全体的な信用といったことですとか、特に対中国に対して、ロシアに対しても法の支配ということや力による現状変更は認めないということ、アメリカに配慮しすぎるとこういった点が非常に苦しいのかなというふうに思います。

一方で、イランに配慮をしすぎれば、この日米同盟に対して亀裂にも入りかねないと。

経済的な米国からの動きもあるかもしれません。

このジレンマに今日本はあるのかなというふうに思いますが、望ましい日本の在り方ですね。

少なくとも中長期的な在り方と短期的な見方があると思いますが、来週、高市総理がトランプ大統領と会談をされますが、それまでの間の日本の望ましいその姿の見せ方というのはいかがでしょうか。

参考人 田中浩一郎

田中君。

重ねての御質問ありがとうございます。

私が考えるところには、少なくとも去年6月にイスラエル単独による先制軍事攻撃が始まった際には、岩屋外務大臣の方からかなり厳しく毅然とイスラエルを非難する声明が出ています。

今回は同じような手続きだと思う。

攻撃をした側は同じような手続きだと思われるんですが、その法的なというんでしょうか、その攻撃自体に対する非難が一切ないまま、イランの核問題ということを捉えて、攻撃の正当性の方をむしろ後押ししているように見えますので、そこら辺は明らかに、この去年の6月と今年の2月の声明との間に、だいぶ大きなズレがあると思います。

この不整合がやはり、より大きく日本の信用を損なうことになると思いますので、やはりきちんと前回はっきりと違法だということ、あるいは非難をしたということで、今回も非難をすべき対象であったのではないかと見ております。

質疑者 近藤和也

近藤君。

大変厳しい状況なのかなと思いますが、加えてですが、昨年6月にアメリカ、イスラエルが特にイランへ攻撃をしたときですね。

そのときでも先生は、その当時で「イスラエルはイランの体制転換まで視野に入れているので、ここで止めたくないのが本音です」といったことを発言されていらっしゃいました。

そしてまたイスラエル側はこの体制転換ですね、こちらを考えている。

そしてトランプ大統領もそのようなことを言う中で、今回はハメネイ氏の息子さんのモジャタバ氏が後継者ということになりました。

体制転換にはならないとおそらくは、この世界経済に与える影響も含めて、先生の現状の今後の推察というのはいかがでしょうか。

参考人 田中浩一郎

田中君。

ありがとうございます。

将来を予見するのは非常に難しい状況ではあるんですが、私が考えているのは2つのシナリオであります。

一つは、今回、モジャタバ・ハメネイ氏という、殺されたハメネイ氏の次男が後継者に選ばれましたが、とりあえずそれをもって体制が存続するという形での内部的な処理が行われております。

しかし外的に見れば、外を見れば、アメリカ、おそらく、そして間違いなくイスラエルはこれには納得をしておりませんので、引き続きその軍事攻撃を続ける事態になると見ています。

これはイラン側が反撃する能力をほぼ失ったような状態であったとしても、体制が潰れるまであらゆる形で空爆を行い、最終的にはひょっとしたら特殊部隊などの力も借りる、あるいはもっと大々的に地上部隊ということにもなるのかもしれません。

もう一点は、イラン側で後継者が出たということで、体制固めをもう一度しまして、それをもとにより強権的な国内向けです。

国内向けにはより強権を振りかざすような体制で、一切の反論を許さないほどの統治を行うという、そういった思考も考えられるところであります。

いずれにしましても、私は想定しているところで、民主的な国家になるということ、それから親密になるということは、全く視野の中にあるいはシミュレーションをしている中に、なかなか結着点としては見えてこないところでもあります。

途中経過で民主的、あるいは民主化するということはあっても、それはやはり多民族国家で分離独立主義の動きなどを見ておりますと、安定しないことに最終的にはなると思っております。

以上。

委員長 坂本哲志

坂本委員長:近藤君。

質疑者 近藤和也

近藤和也:このままでは厳しいのかなという、そういった受け取り方をいたしましたけれども、そこで経済についてちょっとお伺いしたいと思います。

小幡先生、高橋先生にお伺いしたいと思いますが、今このまま緊張状態がしばらく続くとすれば、そして一旦収まったとしてもまた再燃する可能性を考えてみれば、日本経済に与える影響というのは非常に大きいのかなと。

現状でももう大きくなりつつありますが、日本国としてこの経済対策ですね、特にこの財政政策に対しては、小幡先生と高橋先生はこの幅というのがあると思いますが、すべきかどうか、そして日本の財政に与える影響も含めて、その点ご見解をお願いいたしたいと思います。

委員長 坂本哲志

坂本委員長:それでは小幡君。

参考人 小幡績

小幡績:難しいんですけれども、私はもちろん直接的には、やはりエネルギー価格の上昇ということが実体経済には大きなダメージを与え、先ほど田中先生からも教わったところでありますが、イランが弱くてもホルムズ海峡をなかなか継続するということであれば、スポットの、さっきLNGの話もありましたとおり、影響はやっぱり大きいと思うので、これはかなり大きいと思います。

一方で、やっぱり金融市場がバブルかどうかという議論はあるんですけれども、株価だけじゃなくてすべてのリスク資産が、金融をはじめとしてありとあらゆるものが高い現状では、ここはやっぱり金融ショックとして、昨日下がって今日上がってみたいな乱高下が続くと思うんですけれども、このショックがすべての金融市場に影響を与えますので、これは為替にも国際市場にも影響を与え、日本は非常に債務残高が大きい中で、また国債の資金調達に苦労している中で起きる場合には、やっぱり金融市場初の財政に対するショックが大きいと思うので、その実際のショックが来るまで非常に貯めているというか、必要なときにまとめて打ち出すために、できる限り貯めておくべきだというふうに考えております。

委員長 坂本哲志

坂本委員長:高橋君。

参考人 高橋洋一

高橋洋一:どうもありがとうございます。

経済のショックを考えるときに、経済学者ですからね、需要と供給という、総供給、総需要で考えるんですけれど、一般的にこういう風なオイルショックみたいな総供給ショックと言われるものなんですね。

総供給ショックがあった時の対策っていうのは、正直言って結構難しいところもあって、総需要でなかなか対応はできにくいんですね。

ですから当面は一時的なしのぎとして、総需要の対策はすると思います。

した方がいいと思いますけれど、その次には、例えばエネルギーの問題であったらですね、エネルギーであると今日本ですと余地があると思うのは原発ですよね。

原発の話。

それであと石炭。

何かを再稼働して、なるべくそういう風なエネルギーショックに対する対応するというのが一つの手段だと思います。

それとあと総供給ショックなんですけれど、実は世界経済全体が落ちますと、コロナのようにひょっとしたら総需要も落ちる可能性があるんですよね。

そこがだからちょっと見極めないとわからないんで、これ総需要が落ちてくれると、これはこれで対策が結構簡単になりまして、総需要対策という形になって、それでコロナの時にやった100兆円。

100兆円、あれ実は増税なしでやりましたんでね、そういうのが有効になるかと思います。

ただし総供給の話ですと、価格が落ちないで価格が上がるんですよね。

上がった時にはちょっとその手は使えないか、ちょっと違う手を使わざるを得なくなると思いますんで、そうするとなかなか対策が結構難しくなる。

これはでもいずれにしても、どのくらい続くかに依存するんです。

例えばイランの継戦能力が仮に半年なり4ヶ月だったら、備蓄で泳げる可能性が結構あると思います。

それより長くなると、これは結構大変になると思います。

ですから、それは今後どういう状態がどういうふうに続くのか、総供給なのか、総需要なのかと見極めながら対策を練っていくという話だと思います。

委員長 坂本哲志

坂本委員長:近藤君。

質疑者 近藤和也

近藤和也:小幡先生にお伺いいたしたいと思いますが、ここ数日だけで見れば有事のドル買い、場面によっては有事の円買いが起きることもありますけれども、そもそもの現状は厳しい円安であると、このまま放置するのはよろしくないというご意見かなというふうに思いますけれども、今この物価高も含めて、原油価格もまた上がっているということも含めて、日本の国民の生活が厳しくなるということも含めて、今、日本政府の取るべき金融政策、例えばアコードの見直し、これは私たちもずっと求めてきている、旧立憲民主党のときから求めてきていることなんですけれども、アコードに対してどのような思いがあるのか、そのようなことを教えていただきたいと思います。

参考人 小幡績

小幡君。

日銀との関係というよりも、やはり政府として毅然と新しいビジョンを打ち出すということが重要だと思います。

なぜかと言いますと、ここ数日で数円安になったとはいえ、そもそも今150円台というのは大問題でありまして、これはやはり長期の、要は異次元な金融緩和、良かったことと悪かったことあると思うんですけれども、その副作用がひどく残っていますから、ここで政府として何としても、世界で自国通貨が弱くて喜ぶというか、弱い方がいいと思っている気配のある政府というのはなかなかないので、ここで政府でデフレ脱却宣言を明確にして、「強い通貨は、強い円はですね、日本の国益である」と高らかに宣言をすることが、何よりも重要だというふうに思います。

質疑者 近藤和也

近藤君。

はい、ありがとうございます。

実際今、この急遽のイランでの情勢の変更、大幅な危機的な状況において、今この予算委員会が開かれているわけでございますけれども、臨機応変の対応がしっかりととっていけるように、この予算委員会の審議が充実したものになりますことを願いまして、質問を終わらせていただきます。

ありがとうございました。

うるま譲司 (日本維新の会) 14発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

次に、うるま譲司君。

うるま君。

質疑者 うるま譲司

日本維新の会のうるまと申します。

公述人の皆様、今日は本当にありがとうございます。

大阪府の池田市、豊中市選出の議員であります。

まずは高橋先生にお伺いしたいと思います。

先ほど社会的割引率のお話がありましたけれども、これがもう何十年も見直されていないということでおっしゃっていただきました。

この何十年も見直されていないその理由について、何かご見解ありましたらおっしゃっていただければと思います。

参考人 高橋洋一

高橋君。

これやったのが私ですから。

それで私というと、たまたまその時財務省から出向してたんで、「どうか」と聞かれたから言っただけなんですよね。

それで、「こういうのは国際金利と同じようなんで、どこの国もだいたいそうですから、毎年見直すものだ」というふうな形で言っておきました。

そしたら毎年見直さなかったわけですよね。

おそらく、この見直さないことのメリットっていうのがあったんでしょうね。

あったっていうのは、要するに投資の縮小ですよ。

それはだから陰謀論になっちゃうかもしれませんけどね。

投資をあまりさせたくないグループ。

それとあと、これが結構政治的にやりにくかったのは、正直言うと国交大臣の政党が間だったですね。

だからなかなか、そこはどこまではっきり言えるかよくわかりませんけどね。

私、事務方で話したり、あと学者で話すと、「それはそうだろうね」と。

いくらなんでも毎年見直せるような話をね、「今も高いまま、ひどいね」ってみんな言うんですよ。

みんな言うんですけど、なんとなく最後の決定になると、「いや、今のままでいいんじゃないの?」っていう答えになって。

実はちょっと資料に書きましたけどね、国交省の中で検討会を作ってやりました。

それでも最終的には「今のままでいいんじゃないの」と、ちょっと理解不能な結論にはなっております。

ですから、それは国交省としてそれで高いままでよかった。

高いままでよかったので、かなりの過小投資になっていたと私は思っております。

以上です。

質疑者 うるま譲司

うるま君。

過小投資になってきた理由ということで、様々おっしゃっていただきました。

ちょっと私もコメントしにくいお話もありましたけれども。

投資という意味で言いますと、私自身、今、国会の中で、統治機構改革の法案議論されているんですけれども、統治機構改革というのは、結構な投資につながるんじゃないかと思っております。

かつては、大阪府と大阪市の統治機構改革ということで、大阪都構想のこの経済効果の算出に関しては、高橋先生にも本当にお世話になったところであります。

実際、高橋先生の所属する嘉悦大学の真部さんに算出していただいたところでありますけれども、この統治機構改革ですね、大阪府と大阪市が協力することで、さまざまに今、大阪では万博もそうですし、IRもそうですし、投資が行われているところなんですけれども、この統治機構改革が投資につながるか、成長投資につながるかということについて、高橋先生からぜひご意見いただきたいと思います。

参考人 高橋洋一

高橋君。

計算したのは私ではなくて、本当に同じ大学の同僚がやっただけなんですけれど。

私自身は国交省にいたときに、実は首都機能移転という仕事をやってたんです。

首都機能移転というのはどういうのかというと、今の首都機能をどこかに移すってやつ。

言ってみると、カット&ペーストなんですよ。

今の機能をなくして新しく移す。

これはものすごく大規模投資になります。

その当時の、今から25年ぐらい前の試算ですけれど、もう10兆円規模の。

今まで大阪の方が一番沈下してたっていうのをこれ分析すると、やっぱりこれも過小投資なんですよ。

過小投資で駄目だったんですけど、ここ数年はなんと大阪のGDPの日本に占める地位が上がってるんですけどね。

これ、やっぱり投資してるからです。

大阪のみならず近畿圏でやれば、これは間違いなく上がるんじゃないでしょうかというふうに思います。

ですから、投資というのはやっぱり投資すべきところにしないと、多分ちょっと成長しないというレベルだと思います。

ですから、これはインフラ作ってやると周りにりにたくさん人が集まってきたりするし、大阪でもですね、淀川左岸の話とか、あと地下鉄なんかもやりましたよね。

だからそういうのをもうちょっと真剣にやって、それで今ですと南海トラックスの関係でやるべき投資は山ほどあるのかなと私は思います。

ですから、それをやって非常に強い都市を作るということは、とりもず、大阪の地域の発展にもつながる。

投資はさっきも言いましたけど、需要にもなり、将来は生産力供給にもなるんですよね。

ですから、これは非常にいい話なんですけれど、それを大阪が全国平均を下回るっていうのは、ちょっと私には考えられないということであります。

せめて全国平均を上回ってまいり、全国平均を上回れば、それなりに成長すると思います。

質疑者 うるま譲司

うるま君。

はい、ありがとうございます。

この投資の重要性ということでおっしゃっていただきました。

続いてですね、小幡先生にお伺いしたいと思います。

この投資についてなんですけれども、政府の投資はあまり成功しないよといったようなことをおっしゃっていただきました。

最後にですね、それでも大切なのは教育への投資だということでもおっしゃっていただきました。

これらのお話を総合しますと、教育への投資は政府は失敗しないのか、というところを私ちょっと疑問に思ったんですけれども。

大阪では15年前から教育の無償化というものをさせていただいているんですけれども、これはある意味民間家庭にお金を渡すことで、家庭に選ばれる学校教育を競争してもらって教育の方向性を決めるという側面があって、これは小幡先生の言う「勝ち馬に乗る」という考え方にも沿うのかなと思っております。

私の地元の野球の先生に、「なんでそんなに強いんですか?」と聞いたら、「大阪の無償化のおかげです」と。

「無償化によって、今まで行けなかったうちで野球をやりたかった子どもたちが野球で来れるようになって、そのおかげでうちの野球部のレベルが上がっている」ということをおっしゃっておったんですけれども、これってまさに「勝ち馬に乗る」という話なのかなと思っております。

このことに関して、ちょっと御所見をお伺いしたいと思います。

参考人 小幡績

小幡君。

ちょっとどう答えていいか迷いますけど、まず最後のお話でいえば、それは私の考えと正反対です。

つまり、強いものをより強くするというのは、民間に任せておけばいい。

公立学校、あるいは公教育の重要性というのは、弱いものを自分の力で生きていけるように助けるということですから。

そういう選択に任せると強いものがより強くなるわけなので、教育は全く正反対で、全ての公立学校、とりわけ義務教育、とりわけ小学校に、とことん支援するということをするべきだと思います。

それで失敗しますね、間違いなく。

今の、よく言われるのは、今の文部科学省体制の悪口を言うとまた怒られますけど、今の体制で、例えば大学ならいいですね。

今の大学に金を入れても、やっぱり機能しないですよ。

アメリカの大学みたいにすごい良い雰囲気があるわけじゃないので、金を入れても形式的な業績争いになりますから。

大学改革せずに大学に金をつっこんでも無駄です。

小学校もおそらくそういう面はあると思います。

私は小学校の教員じゃないからわかりませんけど、ただやるべきところはそこであると。

私の思案で言えば、やっぱりもっと小さく丁寧にやるべきだと思うんですね。

つまり、例えば会社って広報がいるじゃないですか。

小学校も広報をやって、いわゆるモンスターペアレンスの対応は、担任が全部責任を持つわけじゃなくて、担任の先生は子供を見て授業に専念すると。

広報は広報担当がやる。

教員は不足していますけど、一般的な人はいますから。

部活はもっと部活の先生にお金を払ってやる。

分業体制、例えばそういう丁寧な投資をすべきだと思います。

必ず失敗すると思います。

だから試行錯誤が重要だと思います。

それは地方自治体の独自にやるべきことで、国でやるべきことではないような気もします。

質疑者 うるま譲司

うるま君。

ありがとうございます。

地方自治体、今大阪の方でも、しっかりそういう伸びる学校は伸びるというところと、同時に公立高校がしっかりそういった子どもたちを支えていくというところもやっているというのは、言及させていただきたいと思います。

続いて堀先生にお伺いしたいと思います。

先ほど神田委員の質問の中で、国民会議においてもっと民間の、国民の皆さんの意見を聞く仕組みがあればいいということをおっしゃっていただきましたけれども、どういった仕組みがあればいいと思われますか。

具体的にお願いいたします。

参考人 堀真奈美

堀君。

はい、ありがとうございます。

いろいろな形のものがあると思うんですけど、まずステークホルダーを超えたところの利害が固定している中で議論をすると、なかなかうまくいかないというところがありますので。

国民の人たちも、自分たちが何て言うんですかね、国民模擬審議会じゃないですけど、いろんな立場になったときにどうなるのかというのを何回かやってみるというのがいいのかなと思ってまして。

私はかつて慶應義塾大学で非常勤をしていたときに、模擬審議会というのを授業の中でやったことがあります。

それぞれの立場を変えていろんな形でやったときに、「物の見方が随分変わった」という声が聞こえたんですね。

何を言いたいかというと、多分今の自分の状況に対してどうなのかということではなくて、「自分が未来の立場だったらどうなのか」「自分が医療従事者だったらどうなのか」と、立場をいろんな形で変える中でどうなるのかという発見のようなものの機会を。

国民の方たちにもあれば、通常の意見をただ単に公募するだけではなくて、そういう参加型のものがあると、少し未来に向けて新しい発想が生まれてくるのではないかなというふうに思っています。

ただ、これはあくまで一例ですので、他にもいろんな形のやり方はあるかなというふうに思っていますが、ただ単に普通に形式的に「国民の声を聞きました」ではなく、ちょっと違うアクションでやっていくのがいいのではないかなというふうに思います。

以上です。

質疑者 うるま譲司

うるま君。

ありがとうございます。

続きまして田中浩一郎先生にお伺いしたいと思います。

私も慶應大学出身であります。

国で3月に、和平頂点に関わる部署というのが外務省に設置されるところであります。

併せてインテリジェンス改革ということで、日本にもそういう情報活動だったり、そういったインテリジェンス機関を強化するという改革が行われているんですけれども、こういったことに対する期待みたいなもの、もしくは御所見、こういったものはいらないんだと言うのだったら、そういうので構わないんですけれども、御所見をちょっとお伺いしたいと思います。

参考人 田中浩一郎

田中君。

ご質問ありがとうございます。

ちょっと古い話なんですけれども、2015年でしたかね、ISが活動しているときにもいろいろなことが起きまして、それに合わせていろいろな情報を集めてそれを精査するということから、いろいろな仕組みが新たに作られたことも記憶しておりますし、それが今機能しているというのも私は理解しております。

なので、それらを総合的にもう一回再編し直して、一つの機関をぼんと作るということ自体は私はいいことだと思うんですが、インテリジェンス機関って一つのところだけでやっていると多骨盆になるので、やっぱり複数あってそれぞれが独自にやったものを照らし合わせるような、アメリカ型が全部正しいとは思いませんけれども、それでもいくつかは分けておいたり、分けておく必要があるところもあるということは申し上げておきたいと思います。

質疑者 うるま譲司

うるま君。

最後にもう一度高橋先生にお伺いしたいと思います。

歳入庁について。

参考人 高橋洋一

高橋君。

役人は嫌ですなければね。

これはね、でもどこの国でもみんなやってますからね。

普通はあれですよね、内閣かなんかに作って、吸収して、一緒の組織作って、これでだんだん吸収して、それで人数を絞っていくって、そういうのが普通のやり方だと思いますけどね。

まあでも、当面は一緒になっても、大きいのは国税庁。

国税庁は5万人近くいますけれど、年金機構のほうは、他の保険料徴収機関も入れても1万人程度だと思いますけどね。

それで合わせて、あとは徐々に定年退職の人がいたりも補充しないとか、そういう形になるんだと思います。

要は決めでありましてね。

でもバラバラにやる必要は全くないって、多分世界の中でバラバラの国っていうのは、すごい昔からやってる数カ国の国しかないと思いますよ。

ですから、それは早くやった方がいいと思うし、効率化できるし。

まさしくこれは政治がやって、先に法律を作っちゃえば、そこに役人は動かざるを得ないと私は思いますけれど。

ですから、法律を作らないで「どうしたらいいか、どうしたらいいか」と言うんですけれど、実は法律を作るというのが、やっぱり政治家の一番の役割だと思うし、そこを法律で押していくというのが、正攻法だと思います。

質疑者 うるま譲司

うるま君。

はい、ありがとうございました。

今日は本当にありがとうございました。

これで終わらせていただきます。

長友慎治 (国民民主党・無所属クラブ) 30発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

次に長友慎治君。

長友君。

質疑者 長友慎治

国民民主党の長友でございます。

まずは高橋先生に一問お伺いしたいと思います。

先ほどの小幡先生から「素晴らしい財政支出は見たことがない」とご説明をいただいておりますが、これは大蔵省のご出身の高橋洋一先生もそのようにお考えかどうか、伺ってもよろしいでしょうか。

委員長 坂本哲志

高橋君。

参考人 高橋洋一

どうかと思います。

動向をどういうふうに見るか、なんじゃないですか。

例えば狭い部門の財政収支だけ見ていれば、悪く見せることはできますね。

もうちょっと広くとってみれば全然悪くないし、それとあとストックも含めて見れば全然悪くないということはグラフで示したと思います。

すごくいいかどうかというのは価値判断に属すると思いますけれど、どういう観点で見るかによって見え方が全く違うし、私がずっと言っているのは、一部分だけ見て言ってみると、会社の中で一部分だけの収支を見て全部がわかるか、という話に近いんですよ。

だから、もし会社の中で見ても、会社の単体だけで見るか、それとあとグループで見るか。

いろんな観点で見ているといろんな見え方がすると思います。

委員長 坂本哲志

長友君。

質疑者 長友慎治

はい、ありがとうございます。

高橋先生でもう一問、さらにお伺いをさせていただきます。

小幡先生は併せて、「21世紀の成熟経済においては、経済成長を目的とした財政支出は無駄ではないか」というご指摘もいただいております。

また、「民間にできないことは政府にはもっとできない」。

こういうことに関して、また高橋さんのご意見を伺いたいと思います。

委員長 坂本哲志

高橋君。

参考人 高橋洋一

どうもありがとうございます。

ある意味でそうなんですけれど、私が示した資料というのは、他の国でやっているようなレベルの話をしているだけです。

他の国でも実はなかなか大変ですけれど、でも他の国でも公共投資はやってますよね。

やってますから、せめて他の国のレベルぐらいのことをやったらどうかという意味で、そんなに過大な要求もしてないわけです。

せめて他の国レベル、G7の他の国レベルでやれることはやったらどうか、と。

委員長 坂本哲志

長友君。

質疑者 長友慎治

高橋先生、ありがとうございます。

小幡先生からもいろいろ反論とかご意見もあると思うんですが、今日はちょっとそこをお聞きはせずに、また次の質問に伺わせていただきます。

ホルムズ海峡封鎖による経済の影響というのが、今国民の皆さん大変心配をしているところなんですが、これは今から小幡先生、高橋先生、田中先生にちょっと質問を伺いさせていただきたいと思います。

今、原油の価格が上がっていることはご承知のとおりでございまして、これはガソリンの暫定税率を廃止したわけですが、このまま行くとリッター当たり200円前後になるんじゃないかというような試算が日清基礎研究所の分析等で出ております。

1バレル110ドルということを試算すると、3週間か4週間後にはガソリンの店頭価格がリッターあたり200円を超える。

そういう状況の中で、これは第三次オイルショックのような様相も呈してきているわけですが、こういう状況に対して日本政府としてどのような手を打つべきなのかということを、それぞれのお三方のお立場でご示唆いただきたいと思いますが、まずは小幡先生から、高橋先生、田中先生とお願いしたいと思います。

委員長 坂本哲志

小幡君。

参考人 小幡績

昨日も予算委員会の議論あったと思うんですけど、例えばガソリンよりも、例えばナフサとかそういう産業のボトルネックというか不可欠なもの、やっぱりそういうものを優先する。

こういう危機のときは価格よりもとにかく数量を確保しなくてはなりませんから、価格は二の次で数量確保、それを最優先すべきであって、まあ言い方悪いですけど、ガソリンは必需品の方もいらっしゃるが、節約できる方もいらっしゃるということであれば、ガソリンに対する価格の調整というのは一番後回しだと思います。

委員長 坂本哲志

高橋君。

参考人 高橋洋一

先ほど述べたのとちょっと重複しているんですけれど、短期的にある程度一時的な対策は、国民生活に必要だったらやむを得ないと思います。

だからガソリンの暫定税率をなくしてまだ良かったなと。

今のですと、なくした範囲で収まってますからね。

でも、それは多分超える可能性もあると思いますので、そうするとガソリン税の本則の話についても、一時停止というのは政策論としてあり得るんじゃないかなというふうに思います。

ただ一方で、やっぱりエネルギーの話ですからね。

エネルギーで日本が何を持っているかというのを抑制させて、それで対応できるものはフル活動するということも必要かなというふうに思います。

具体的には石炭と原子力です。

委員長 坂本哲志

田中君。

参考人 田中浩一郎

私も専門外のことなんですけれども、少なくともガソリンの価格がこれだけ高くなる、あるいはもっと高くなるということで思い出されるのは、原油価格が最高値をつけた安倍内閣総理大臣……安倍内閣総理大臣。

委員長 坂本哲志

長友君。

質疑者 長友慎治

高橋先生、先ほど具体的に言うと石炭と原子力という話がありました。

そこの部分、もう少し詳しく先生の考えを伺ってもよろしいでしょうか。

委員長 坂本哲志

高橋君。

参考人 高橋洋一

日本の電源構成を見ますと、石炭が20ちょっと、それであと原子力が7ぐらい。

今はそれとあと石油が9ぐらいですからね。

そのエネルギーは大きい、33ぐらいですけど、大きいんですけどね。

そうすると、今まで石炭について言うと、CO2を出すからという話で結構抑制的に、エネルギー基本計画についてもかなり抑制的なスタンスだったと思いますけどね。

こういう時には背に腹は代えられないと正直思います。

それで日本の石炭火力の技術で出そうとするCO2なんて、本当に微々たるものですからね。

そういうのをちょっと止めて、そこは石炭火力で対応する余地がまだまだある。

あと原子力もそうですよね。

東日本の方ではまだ動かしていないというのが多いですよね。

ですから、これはもちろん安全が第一条件なわけなんですけれど、これは持てる資源だし、原子力というのはいわば純国産ですからね。

動かそうと思って安全基準をクリアして、世界で最高水準の安全基準ですからね、それをクリアして動かしていくという手はあるんじゃないかなというふうに思います。

委員長 坂本哲志

長友君。

質疑者 長友慎治

はい、ありがとうございます。

参考にさせていただきたいと思います。

それでは堀先生に社会保障について伺いたいと思います。

ご発言の中で給付と負担のバランスというお話をいただきました。

日本はマクロレベルで見ると、国際的に見ても給付に対して負担が低い国であるという事実と、給付先行型の低負担・低負担になっている。

もう一つ、今度はミクロレベルで見ると、受益感が乏しくて、国民が当事者として給付と負担のあり方に向き合うような気分になっていないということを述べていただきましたけれども、この給付のあり方、まさに今問われて国民会議で話をしていくわけですが、国民会議での議論に期待することということをお伺いできればと思います。

委員長 坂本哲志

堀君。

参考人 堀真奈美

質問ありがとうございます。

国民会議に期待することということでありますが、先ほどの模擬審議会を一つの例としてお話をしましたけど、こういう、おそらく政治家の方に対してお話をしたりとか、あるいは一般の市民の方に話したりとか、学生に対して話をするときにでも、皆さん漠然となんとなくは、社会保障って身近な、生まれてから死ぬまでの間、何らかの形で関わるので、スポット的に自分のこととしては語れると思うんですね。

だけど、日本全体の社会保障というか、そのあり方について、多分、皆さん何となく分かっていても、考えたくない、あるいは考えられないというようなことが多いと思います。

例えば何か事件が起きると、すごいその局所的に、大きい事件に目が集まります。

それはそれで確かに重要なことなんですけど、それに解決をしている間にじわじわと進んでいる構造的な変化に対する対応ができない。

そうなると、その目の前の問題に対応している間にさらに構造的な問題が深くなっていく、非常に深刻になっていくという中で、最終的にどうすればいいか分からないという状態になっていると。

制度そのものは、実は世界に冠たる国民皆保険とも言われましたし、非常に洗練された制度であったと思います。

ただ、この構造変化になかなか変えられないうちに、環境が大きく変わってしまって、このままでは、せっかくいいものだったものが、そもそもの前提が崩れるというところに、皆さん至っていない。

だから、今までと同じように空気のようにあるのが当たり前と思っているものが、ある日突然あることがないかもしれないという意識を共有したところで、どういう給付のあり方がいいのかっていうのを改めて、それこそ高度経済成長期に国民皆保険ができたときのおそらく議会の皆さんたちの議論というのは非常に白熱したものだったと思うんです。

新しい社会経済にどうやって合わせていくか。

先ほどから皆様、海外の情勢の話とかありますけれども、本当にこれまでと全く違う令和のこれからの時代にどうしていくのかっていうのを、すいません、政治家の政党の理解とも全く関係のないところで、本当にゼロベースで考えていかないと。

私は30年以上社会保障であるとか医療保険とかの研究してますけど、一向に変わっていない印象で、30年前に書いたペーパーが今でもまだ使えるんじゃないかなっていうような、本当に残念な。

なので、こういうところまで出てきてお話をさせていただくのは、さすがにそれでは。

本当に団塊世代の方たちが今現在75歳を超え、そして2番目に人口構成の多い団塊ジュニアの層が、そろそろあと十数年もすれば高齢者になります。

その時にこのままで本当にいいのかというところを、今目先の負担が多いとか給付が抑制されるとか、そういうことではない、もっと大きい哲学的なところもあるかもしれませんけど、そこも含めて皆さんで議論する機会、そしてそれを政治家の方々こそが、国民に正直に今どうなっているのかというのを伝えていただくような機会になるといいのではないかなということで。

あともう一つは見える化です。

デジタル化も進んでますけど、なかなか社会保障の問題、データもそうですけど複雑すぎて分かりにくいというところがありますので、ぜひ状況をもう少し見える化できるようにして、国民の方たちとも対話をしながら、そして皆さん自身のこれからの未来のためにも、検討していただければと思います。

以上です。

委員長 坂本哲志

坂本委員長長友君。

質疑者 長友慎治

ありがとうございます。

社会保障について考えるときに、今、財源の論点というのが非常に難しくなっているんですが、最後に堀先生の考える財源の確保についての、何かしらのお考えをお聞かせいただければと思います。

委員長 坂本哲志

堀さん。

参考人 堀真奈美

堀真奈美この財源の確保というときに、今回限りの短期的な話なのか長期的な話とは全く違うと思うんですね。

要は構造的な改革を変えていくとなるならば、それこそ消費税というのは、私自身は非常に重要な財源確保の手段であると思います。

もちろん今、国民会議で議論される給付付き税額控除も非常に重要なものだと思いますが、要は何を言いたいかというと、何がダメ、何がいいということではなくて、これまで過去に議論されてきたことも踏まえて、本当に何が公平な負担なのかというのを、若い世代の人たちもそうですし、高齢の方たちもそうですし、いろいろな方たちも踏まえて、全ての可能性を否定せずに検討していく必要があるのではないかと思います。

視点としては、暫定的な減税はともかく、保険料も含めてですが、セットで議論していく必要があるかなというふうに思います。

委員長 坂本哲志

坂本委員長長友君。

質疑者 長友慎治

重要な御指導をいただきました。

ありがとうございました。

豊田真由子 (参政党) 8発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志(予算委員長)次に豊田真由子君。

質疑者 豊田真由子

豊田真由子(参政党)参政党の豊田真由子と申します。

本日はありがとうございます。

どうぞよろしくお願いいたします。

私は5人目の質疑者でございまして、全く出ていない論点を探すのが相当難しいでございまして、その点ご容赦いただけたらと思います。

まず田中先生にお伺いをしたいと思います。

3点ございまして、非常にリアリスティックな分析をありがとうございました。

今後のこと、それに対してどう対応することが国際的にできるのかという点なんですが、イランの側は保有する軍事能力を全力でシステムでやってくると。

各国に持っているテロのネットワークとかもあると思いますし、あるいはトランプ大統領はもう全部破壊したと言っておりますけれども、核も残っているんじゃないかという状況の中で、システムでやってくると。

アメリカもイスラエルも、イランの体制を「絶対悪」として転換をするんだということがあれば、もう行くとこまで行っちゃうんじゃないかという状況の中で、さっき先生もおっしゃったように、決して経済的な問題だけではなくて、もう本当にこの地域の不安定化が世界に大きな影響を及ぼすという中で、どうすればいいのかというところなんですが。

例えばアメリカなりイスラエルなりはどういった要因があれば、「ちょっと抑えようかな」「やめようかな」みたいなことになるのかなというときに、例えば世論の方で「人命が失われることは許しがたい」とか、あるいはこの1週間でアメリカの原油価格が16%ほど上がっておりますので、やはり経済的な影響がトランプ政権の支持率を下げるとか、いろんな外的・内政的要因があると思いますが、これはどうやったら止まるのかと。

ちょっとお花畑的な質問かもしれませんが、思っております。

それに対しては、今実は日本はですね、あまりこういうときにやれることが少ないケースが多いんですが、私は今回は結構あると思っておりまして。

というのは皆様ご承知のとおり、西側諸国の中で日本は本当にイランと長年友好関係を保っているという非常に稀な、そして特殊な状況にありまして。

やはりこれは高橋さんもおっしゃるように、早期の事態沈静化ということで、イスラエル、米国、またイラン両方にとって有効的な第三者という立場でできることがあるのではないかと私は思っておりまして、その点いかがかということ。

と、最後は湾岸諸国ですが、これも非常にイスラエルとの関係は難しいございまして。

長年緊張関係にあったものが、ちょっとよくなってきたかなと思ったら今回のこのケースで。

ただ、やはりリアリスティックに言えば、各国にとりましても、湾岸諸国にとりましても、イランの脅威が低下していくことは、ある意味ちょっとざまあみ的なところもあるのかと思って。

参考人 田中浩一郎

田中浩一郎(公述人)大変細かい質問も含めていただきましてありがとうございます。

まず、アメリカ、イスラエルがどのような環境でここを収めるのかということなんです。

私、実はかなり悲観的に見ておりまして、とりわけイスラエルは明白に去年の6月以降、「レジームチェンジ」というものを出しております。

公言、ネタニヤフ首相が「次の指導者を選んだらそれも標的にする」ということも公言しておりますし、おそらくその言葉に嘘はないんだと思うんですね。

ということでありますと、それを達成した、すなわちまた改めてイランが新たな最高指導者を選出しなければいけなくなるような事態にまで至ると思っております。

一方、アメリカのトランプ大統領の方は発言がぶれていますので、どこかで自分が考える「おいしいもの」と、それから「見栄えのいいもの」、この2つが揃ったときに手を打てるのではないかと、彼自身も考えていると思うんですね。

私は「ベネズエラ方式」と言っているんですけれども、1月にベネズエラでマデュロを捕まえたけれども、結局その体制自体は残って、民主化を要求していた運動の方は、完全にはしごを外されてしまったわけですよね。

あのような形での収め方は、トランプ大統領に関してはあるんだと思うんですけど、そちらの方になびくと、どうもネタニヤフ首相が電話をしたりして、また自分の方に引き戻すということをやっております。

昨日のやりとりでも、再びトランプ大統領が「一緒に最後決めるんだ」というようなことで、ネタニヤフ首相との共同歩調を強調しているというのは、まさにそのことではないかと思います。

ということで言いますと、この戦いというか、紛争の行き末はかなりひどいものになると私は思っておりまして、少なくともイランの側に抗戦能力が完全に失われたような状態になったとしても、イスラエル、アメリカは多分攻撃をやめないと。

ということであろうかと思います。

もちろん大義名分として、濃縮ウランを確保するとか、核施設を破壊するとか、ミサイルを破壊するとか、いろんなことが付随してはありますけれども、究極の目的は体制を潰すことにありますので、そこはあまり楽観しておりません。

ただ問題は、体制を潰した後に、イスラエルはおそらくその後が安定することには多分関心がないと思います。

アメリカは湾岸諸国の方のいろいろな意見もありますので、何かをしなければいけないだろうということで動こうとはすると思いますが、イスラエルはそこまでは関心がないので、結果は要するに破壊するだけ破壊し尽くして、今はちょうどガザがそんな状態ですよね。

自らの手で破壊して、その再建に関しては平和理事会とかをトランプさんが作り出しましたけれども、イスラエルは占領は続けてますけれども、作り直すということはイスラエルはやっていないわけですよね。

ですから、そういう状態に向かってしまうのではないかということを危惧しております。

日本の役割については、確かに私も期待したいところなんですけれども、近年とりわけイランとの関係は非常に低レベルになっているということをちょっと認めざるを得ないと思います。

これは言うまでもなく、イラン側の方から見れば、日本はもはや石油も買っていない、原油も買っていない。

2019年3月に買ったやつが最後になりまして、もう都合6年間、石油での関係、石油取引での関係でも切れた状態になっています。

そこへ持ってきて、去年の6月のイスラエル先制攻撃に際しての日本側の対応については、イラン側は非常に評価というかですね。

安倍内閣総理大臣の発言などに関しては、やはりかなり一方的、しかもアメリカの側にしか、あるいはアメリカ・イスラエルの側の方にしか見ていないということで、日本の役割を自ら狭めてしまっているなという感じはいたします。

せめて攻撃の合法性か違法性を問うことはなかったとしても、少なくとも先制攻撃を外交交渉が続いている間に行ったということに関して、しかも同盟国であるアメリカですらそれをやったということに関しては、やはり批判をすべきだったと私は思っております。

GCCは確かにイランが強大な国で対岸に位置しているということから、それから民族的な相違あるいは宗派的な相違、そして領土紛争なども含めていろいろな点で対立を抱えておりますので、強いイランであるよりは弱いイランであった方がいいというふうに思っているとは思いますが、ただ、イランが散り散りバラバラになること、分離独立主義が拡大して、クルドがクルディスタンになる、バルーチ人がバルーチスタンを作る、それに伴って、イラク、トルコなどが不安定化する、パキスタンが不安定化する、フーゼスタンがアラビスタンに変わる、それをめぐっての紛争が、他の民族主義者とアラブ独立運動との間で起きるなどにして、戦火が拡大して、かつてのイラクのような分裂状態になれば、当然火の粉は対岸であるアラブ諸国の側にも降ってきますので、そこまでの不安定化を助長するような対応は志向していないと見ております。

委員長 坂本哲志

坂本委員長豊田君、ありがとうございました。

質疑者 豊田真由子

豊田真由子私も実は相当ペシミスティックなんでございますが、やはり日本国の国会議員の一人として、この不条理と悲しみに満ちた世界に、一筋の希望を生み出したいかなと思っている質問でございました。

ありがとうございました。

次にですね、堀先生にお伺いをしたいんですが、時間がなくなってきましてですね、抜本的な構造改革ということで、私はやっぱり厚労省の出身でございまして、やっぱり日本の医療のこの薄利多売、いろんなことに寛容すぎることを、国民の側も従事者の側も制度の側も全部変えなきゃいけないと思っております。

なので、診療報酬なり介護報酬なりを抜本的に引き上げて、でも過剰、いわゆる生命健康は絶対に守らなきゃいけません。

だけれども、いろいろなデータから見ると、やっぱり日本は医療サービス提供が過剰でございます。

国際的に見ても。

それを適正化していく。

そのことによって現場の従事者も負荷が減り、医療機関も経営が健全化され、国民は健康でハッピーということに対してですね、やっぱりいろんなステークホルダーがあったり、いろんな状況の中でなかなか難しいというところを、どうやってブレイクスルーをしていったらいいかというのを1分程度お願いできましたらと思います。

ありがとうございます。

参考人 堀真奈美

堀真奈美質問ありがとうございます。

適正化は非常に重要だと思っていて、適正化という言葉の意味は、すべて何も給付の伸びを抑制するということだけではなくて、具体的に何により重点的にお金を使うか、人を使うかというところも含めて、そういう、例えば何か新しい本当にその必要な治療とかで入れたいけれども入れないというものがあったときに、それをどうしても入れたいとなったら、それを入れるためにはお金がないとなったら、どこからお金を捻出しなきゃいけないということもあるでしょうし。

何が言いたいかと言いますと、給付の適正化という言葉の意味も、「抑制」というのではなくて、より自分たち国民的に投資したいというか、使いたいものに使えるように。

単純に先ほどおっしゃった薄利多売ではなくて、本当に私たちが、これだけ世界に冠たる国民皆保険ってよく日本では言うんですけど、申し訳ないんですけど、私海外にも行ったことがあるんですけど、少なくとも最近聞いたことはないです。

おそらくそれは、日本が若干ガラパゴス化した日本の医療提供体制が原因にあるのではないかと思うんですが、日本の医療従事者の方たちも医療提供体制も非常に頑張っているという見た目はいるんですけれども、先ほどおっしゃったように内容的に、質的に見たときでは、まだまだ適正化するところ、無理・無駄を少しなくしてもっと自分たちにとってもより良い環境にすることもできるでしょうし。

それをするために、先ほどから繰り返してますけど、データがもう少しあった方がいいとか、あるいは制度ももう少しシンプルにした方がいいとか、あるいは国民そのものにもう少し市民としての参画意識を持っていただきたいということはあるかなというふうには思っております。

すいません、ちょっと長くなりました。

質疑者 豊田真由子

豊田さん、ありがとうございます。

私も適正化という言葉で「我慢しろ」ということは一言も申し上げておりません。

本当に必要な、ここの命と健康が守られるステータスよりも、だいぶ高いものを提供しているところが、国民の側も医療従事者の側も気づいてやってもらうべきかなという意味でございます。

ありがとうございます。

すみません、最後、小幡先生と高橋先生にですね、私も本当に知識が本当に勉強不足の中で、先生方のご著書とか資料を拝見いたしますと、いろいろな説というのが世の中にはあるんだなと思いまして。

一言で今の日本政府、あるいは今回の予算も含めて、いわゆる経済を強く豊かにいったときに、「いやいや今ここはそれは間違って」……。

参考人 高橋洋一

高橋君。

通過安っていうのは悪くない。

こういうのはどういう言葉で言ったらいいんでしょうかね。

「近隣窮乏化」っていうのを習ったことありますよね。

近隣窮乏化っていうのは、自分の国だけ通貨安になったときに、自分の国はいいけど他の国が都合が悪いという。

日本の経済成長率は0.4から1.2くらい上がるんですね。

これでやると、アメリカと実はEUが下がります。

これは逆にアメリカの方が同じ状況になっても、アメリカだけ上がって日本とEUが下がります。

これEUがやっても同じなんです。

EUだけ上がって。

だからこの近隣窮乏化っていうのがあるんでね。

あれですよね。

度を越えて国家破綻になるような、国家破綻が反映するような円安でなければ、まあ普通は他の国が、相手国が文句言うレベルなんですね。

文句言わない限りやってた方がいいっていうのが私の立場であります。

ですから、これなかなか数量的にみんな言わないんですけれど、これ財務関係だったらみんな知ってると思いますけどね。

円安になったときに、ですよね、はっきり言ってGDP上がるから税収も増えるんですよ。

さらに言うとですね、円安になると日本は外貨準備高を持っているんで、ここでウハウハです。

私はホクホクとは言いませんけど、ウガウガと申し上げ、年中も言っています。

要するに外貨準備高で150兆円ぐらい持ってますからね。

これドル建てですけどね。

これの、あれですよね、益が増えますんで。

その益が増えたときに、この益をどのように取り出すかというのは財務省がよく知ってますから、いつも税外収入がすごく増えます。

ですから、これを使ってやるっていうのは、何も財源がないよりかあった方が楽なんですよね。

税収が増えて、資産でそこから取り出せる税外収入が取り出せるってことであればですね。

いろんなところで確かに円安になって苦しい人もいるんですよ。

いるんですけど、その対策はすごく簡単です。

ですから、その意味では通貨の話っていうのは非常に面白くて、何て言うんですかね、魔法のようなことになるかもしれませんけどね。

でもこれみんなうまいことをよく使ってて、それで国難をしのいだりしておりますんで、その意味では円安になって非常に日本は今ラッキーかなという気がします。

豊田さん、ありがとうございました。

高山聡史 (チームみらい) 9発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志君。

質疑者 高山聡史

高山君。

高山聡史:先生方、本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございます。

チームみらいの高山聡史でございます。

本日はまず堀先生にご質問させてください。

先ほど、医療保険制度の持続可能性について、これまでの制度改革の経緯にも触れられた上で、特に高額療養費制度の見直しであるとか、OTC類似薬の自己負担のあり方についてお話がありました。

いずれも国民の負担に直結する問題で、慎重かつ丁寧な議論が必要な論点であると思います。

しかし、先生がおっしゃるとおり、社会保障の問題というのは、どうしても構造的な改革よりも局所的な対応になりがちである、あるいは国民が当事者として給付と負担のバランス、この全体像に向き合うということがなかなか難しいテーマであって、この妥当性について冷静な検証が必要であると思います。

例えば、高額療養費制度については、先日、辰巳委員の質疑にもあったとおり、保険料の負担の軽減がどれほどであるかと言ってみれば、月額120円ほどであるという中で、自己負担額は最大38%上がるということになります。

年金、医療、福祉など、さまざまな社会保障の給付金が増加をしていく中で、なぜここを今優先するのかといった、そういった側面もあるのかなと思います。

以前から先生におかれましては、エビデンスに基づく議論であったりとか、国民的な議論を通じて国民自身が選択をしていくということの重要性について述べられておりまして、私もそういった考え方には強く共感するところでございます。

ここで堀先生に伺いたいのですが、個別の各制度の持続可能性といった問題と、社会保障の給付と負担の全体像の議論、このバランスをとりながら、国民が納得感を持って税や社会保険料を支払い、必要な給付を受けられる社会をつくっていくために、今、議論のあり方として足りていないものであるとか、あるいはより国民に伝わっていくべきだと思われるような情報ですね、こういったものがあれば率直な御見解を伺えないでしょうか。

参考人 堀真奈美

堀真奈美:高山さん、ご質問ありがとうございます。

高額療養費の見直しについても、OTC類似薬についても、もちろん個別のことではあるんですけれども、私はそれ自身は実は保険給付のあり方を考えるものでもあるかなというふうに評価しています。

例えば、高額療養費は、今までですと病気の種類であるとか重症度であるとか、あるいは頻度であるとか、そういうものとは中身はなく、経済的な負担の上限を決めていました。

でも今回は多数回に関しては除外するとか、今までよりきめ細やかになっている。

メッセージとしては、給付の中身をより丁寧に見ていくというメッセージというふうに受け取れることもできるというふうには思います。

その大きなリスクについては守ると言っているようにも、私には取れるところがあると思います。

ただ、今回のこれだけで十分かどうかというのは、これから先のことにもつながると思うので、また検討が必要かもしれませんが。

また、OTC類似薬についても、例えば当然ですけれども、皆さん、患者の自己負担は少ない方がいいかどうかと聞いたら、おそらく普通は少ない方がいいとなると思うんです。

でも、全体の状態を見たときに、日本の国民皆保険としてあるべき姿としてどうかといったときには、「それならば、少しそちらのOTC類似薬があるものの方は、少し負担を多くしてもいいかな」と。

それによって他の制度、他の部分が持続できるなら、というふうに思うかもしれないですよね。

そういう意味では、今回のは個別の制度ではあるんですけれども、医療保険のあり方を考える上では非常に大きいテーマですし、かなり丁寧にできているのではないかというふうに思います。

ただ、社会保障というふうに広げると、実は今回診療報酬もありましたけど、医療だけではなくて、例えば後期高齢者を考えると、医療を受けている人はおそらく介護も受けている可能性があると思うんですよね。

そうすると、医療と介護を合わせた時の合算の療養費制度ってあるんですけど、今回そこは全く多分見られていないと思うので、これは今後、医療だけで見るのではなくて、医療と介護を見た時どうなのかとか、あるいは生活保護の医療扶助もそうですけど、生活保護の医療扶助の医療の部分と、医療保険における医療の部分がどうなのかとか。

要は、それぞれの制度ごとの単体の制度の中でも複雑にあるんですけど、それぞれを今までは本当に精緻に持続可能なようにやってきたと思うんですけど、それはそれでいいと思うんですが、それとは別に社会保障全体を見たときに重なりであるとか。

例えば、40歳以上が介護保険に入ることになってますけど、それは介護保険を作った当時はともかく、今現在なぜ40歳以上なのかといったときに、おそらくなかなか理由付けが難しくなってきていると思うんですよね。

それは過去からだからだということがあるかもしれないんですけど、障害者自立支援法という法律もありますけど、それも。

介護を受けている方たちも両方重なるというか、そこの部分の制度間の整合性をどういうふうにとるかとか、そういうところを見た上で新しい制度設計というのができるのではないかと思いますし、それはもうすぐにできることではないので、本当にじっくりと検討した方がいいと思うんですけど。

個別のところとは別という意味ではそういうことです。

すいません、お答えになっておりますでしょうか。

委員長 坂本哲志

坂本哲志君ありがとうございます。

個別の議論においても、これまでよりもきめ細やかに議論されるようになってきた部分があることであるとか、あるいはおっしゃっていただいた制度間の重なりについて、より目を向けていく必要があるといったところ、非常に重要な観点だと思います。

もう一点ちょっと関連してお伺いしたいのが、そういった非常に複雑な問題がある中で、エビデンスに基づいた議論を進めていくためには、そもそも前提となるデータがきちんと取られて、かつそれが国民に開かれた形で開示されて議論ができるという環境が必須であるかなというふうに思います。

このデータの関連でいくと、医療の領域では全国医療情報プラットフォームの整備、これは電子カルテ情報の標準化であったりとか。

質疑者 高山聡史

高山聡史君ご質問ありがとうございます。

ご指摘のとおりかと思うんですが、なかなか国際的に比較できるようなデータが揃っているところと揃っていないところがあるというのはあるかと思いますし、例えばデジタル化を進めようといったときも、今ずいぶんマイナンバーカードとかの整備によって変わりつつあると、状況はかなり変わってますし、デジタル庁が中心にさまざまなデジタル化を進めて変わってきている、まさに変わっている過渡期ではあると思うんですけど。

そもそもそれぞれの、例えば医療機関の中だけでデジタル化が進んでいるところもあれば、紙のところもあったりとか。

情報連携することによって初めていろいろな活用があるところが、それがなかなかできていないのでうまくいってないと思います。

例えば、これ今後改善されると思うんですけど、がんのスクリーニングに関してのデータに関しても、ある私デジタル先進国と言われている国にいたことがあるんですけど、そちらでは全国民にデジタルポストで、例えば対象者に対して「あなたはがんのスクリーニングの対象です」というふうに一斉にメールを送って、それでデータをちゃんと取って、その後医療データとも含めて研究者が研究をして、それが治療の方にもつながるし、あるいは新しいイノベーションにもつながるような。

データそのものが国民にとっても取られることが、個人情報保護の云々ではなくて、自分たちにとってもプラスの恩恵になるんだということが分かるような形でデジタル化が進んでいるので、多分デジタル化を進めることがすごくいいとなると思うんですけど。

なかなかそういうふうになっていなくて、そもそもデフラグな状態になっていると、つなげるといってもなかなかつなぐこと自身がうまくいかなかったりするので、なので手作業でデータを見なきゃいけなかったりということになったりもします。

ですので、医療機関に関するデータを本当に集めることによって、医療経営上の把握ということだけではなくて、診療の質であるとか、あるいはサービスの生産性を上げるために自分たちにとってもどう使えるかという意味でプラスになる可能性もあると思うので、そこはうまく良い事例とかも踏まえて、デジタル化とデータの見える化を進めていく必要があるのではないかなというふうに思っています。

それがひいてはエビデンスベースの政策形成につながるのではないかなと。

今ですと多分、特定の省庁が一生懸命頑張って一時的にデータを集めるという形になったりしているところも一部あると思いますので、そこは将来的に改善していく方がいいと思いますが、今過渡期なのかなというふうには思っております。

委員長 坂本哲志

坂本哲志君高山君、ありがとうございます。

今まさに我が国においては、国民の負担をどう軽減をしていくかというところと、一方で同時に国民の命、健康はしっかり守る、こういった国民皆保険の仕組みは維持する必要があるという難しい課題がある中で、先生おっしゃったとおり、データを今なかなか使いやすい形になっていないところもある中で、しっかりとした検証をしていく必要があるものだと理解をいたしました。

いろいろと議論あるいはご指導いただければと思います。

ありがとうございます。

質疑者 高山聡史

最後に1点、田中先生に伺いたいと思います。

直近の事態で、先ほどのお話にもありました海水淡水化プラントへの攻撃に関するところです。

イランの無人機攻撃によってバーレーンの淡水化プラントが損傷を受けたという話に関連して、まさに先生もおっしゃっていた通りですね。

この淡水化プラントというのは湾岸諸国の民間の方々にとって命に直結するインフラであるということ。

この水というインフラに対して攻撃が行われるということは、非常にこの紛争の性質が一段階フェーズが変わったという意味合いを持つかなと思います。

かつ、これに関してイラン側は米国側が前例を作ったのであるというような話もしており、これ非常に深刻な状況かなと思います。

この民間人の命に直結するインフラの攻撃というのは、人道的にもあるいは国際法的にも重要な問題で、これ以上エスカレートすることは容認できないものであるというふうに思います。

そこで、こういったことに対して国際社会として、あるいは日本として取り得る外交的な現実的なオプションというものがどういうものがありますか。

参考人 田中浩一郎

田中君。

ご質問ありがとうございます。

事実関係では確かに両方とも破壊をしているので、結局、喧嘩両成敗みたいな形にしかならないんですが、まず共に破壊それぞれに関して非難をすることはまず必須だと言えます。

片側だけ非難しても片側を非難しないという状態だと、やはりこれはダブルスタンダードだということになってしまいますので。

あとは、もちろんこれ、交戦規定でいろいろなのありますけれども、人道に関わるところに、例えば病院を攻撃してはならないとか、そういった戦時国際法などがありますので、それに従っていれば本来は十分に対象に入る、カバーされているところです。

ですから片側だけの非難だけで終わらせているともう片側がそれを超えてしまうこともありますので、そこらへんはきっちりと非難するときはきちんと等しく非難するという対応からまず入るべきだと思っております。

質疑者 高山聡史

高山君。

ありがとうございます。

改めて、そういった人道に直結する施設への攻撃は許されないというところをしっかりと立場を示す必要性について認識いたしました。

ありがとうございます。

これにて私の質問を終わります。

ありがとうございました。

塩川鉄也 (日本共産党) 24発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志君。

質疑者 塩川鉄也

塩川君。

塩川鉄也:日本共産党の塩川鉄也です。

公述人の皆さんには貴重なご意見をいただき、本当にありがとうございます。

最初に田中公述人にお尋ねをいたします。

先ほどの冒頭の意見陳述や、また質疑の中で、このアメリカ、イスラエルのイランに対する武力攻撃について、国際法違反であり、その際の日本政府の対応について、昨年6月のイスラエルによるイラン攻撃について岩屋大臣が強く非難したということも紹介をされて、今回も非難をすべきだった。

また今回の場合について、外交の途上だったにもかかわらず武力攻撃を行ったことについても、そういった点についての批判もすべきだったということをおっしゃっておられました。

そうしますと、昨年6月と今回の対応したときの違い、この日本政府の対応の違いというのは何があるのかということについてお話しいただけないでしょうか。

参考人 田中浩一郎

田中君。

田中浩一郎:ご質問ありがとうございます。

あくまでも外形的な相違ということをベースにお話を申し上げますと、去年の6月の段階で最初にイスラエルが攻撃をした際には非難がありました。

しかし、その10日後に米国も参戦して攻撃したことに関しての非難はなかった。

今回はイスラエルと米軍がほぼ同時に入っている、若干イスラエルが早いんですけれども、ほぼ同時に起きているということで、去年の6月のときの2度目の攻撃、すなわちアメリカの攻撃が加わっているということが、今回の法的な評価を差し控える、あるいは非難をしないというところにつながっているものだと私は理解しています。

質疑者 塩川鉄也

塩川君。

塩川鉄也:アメリカが関わると法的な評価をしないというのはなぜなのかと、その問題点も含めてご説明いただけないでしょうか。

参考人 田中浩一郎

田中君。

田中浩一郎:これもあくまでも私の憶測ではありますけれども、日米同盟が最重要であるという、そこの一極にやはり集中しているがゆえに、少しでもそれを危うくするような環境を作りたくないということだろうと思います。

また現状においては、トランプ大統領がちょっとでも何かしらか気に入らないような言動をどこからかされると、これは国内でも国外でも、国際関係においてもあると、とてつもないしっぺが……。

質疑者 塩川鉄也

塩川君。

塩川鉄也:続けて、スペインのお話がありました。

このスペイン政府としては、やはりこのアメリカの国内の基地の使用を米軍機には認めないとかいうことを含めて、この国際法違反を厳しく批判をして、アメリカのような攻撃に反対をしております。

アメリカの同盟国でも立場の違いがあるわけですけれども、こういったアメリカの同盟国においてでも立場の違いがある、その対応の違いというのはどこにあるのか、どこから来るのか。

その点についてはいかがでしょうか。

参考人 田中浩一郎

田中君。

田中浩一郎:スペインの場合にはNATOという集団安全保障体制のもとにあるので、スペイン国がどう対応するかということで、NATO全体を壊すことが、おそらくアメリカとしてはできないという対応も……スペインを強行と、変ですね。

スペインが強い立場で発言することを可能にしているんだろうと思いますが、一方日本の場合には、専務的な日米同盟しかないということで、そこに大きな貸しがやっぱりある、あるいは、あ、ごめんなさい、借りがあるという立場からの対応になっているんだろうと思っています。

質疑者 塩川鉄也

塩川君。

塩川鉄也:ありがとうございました。

次には堀公述人にお尋ねをいたします。

堀公述人には社会保障政策についてお話いただきました。

高市首相の社会保障演説を見てみますと、社会保障政策についてのまとまった部分というのはないのではないかと思いましたけれども、一方で「責任ある積極財政」ということも強調されておられて、これまでの政策のあり方を根本的に転換する本丸として「責任ある積極財政」と述べているんですが、この責任ある積極財政と、この社会保障政策の関係についてお考えのところをお示しいただけないでしょうか。

参考人 堀真奈美

堀さん。

堀真奈美:積極財政というのは、経済成長を進めなければ社会保障……経済成長をすることで所得が増えて、そしてそれによって負担することもできる、そして給付を良くするという、その好循環を進めるという意味では、積極財政という考え方もあり得るとは思っています。

ただ、具体的に実際どうなるかは正直まだ分からないところもありますので、この先を見ていきたいなというふうに思っておりますが、今回社会保障に関してだけ見る限りは、かなり内容を見て精査して、丁寧に、良い意味で適正化も図っているところもあるのではないかというふうに思っております。

ですので、そういう意味では「責任ある」というところが全うされようとしているところは見られるのではないかというふうには思いますが、ただ先ほどもお話ししましたように構造的な……。

要はその一政権の問題ではなくて、より長期的に続く構造的な課題に関しては、おそらく今回の予算であるとか、あるいは短期的に対応するようなことではないと思いますので、そちらについて考えたときには、やはり新たな財源確保というのは、非常に重要な課題になってくるというふうに認識をしております。

委員長 坂本哲志

坂本委員長

質疑者 塩川鉄也

塩川君。

塩川鉄也ありがとうございます。

次に小幡先生にご質問します。

この高橋総理の「責任ある積極財政」なんですけれども、この責任ある積極財政とはいかなるものかについてのお考えを聞かせていただきたいのと、どう評価するのかという点についてであります。

参考人 小幡績

小幡績積極財政という言葉自体は、気合を示したものだけですので、全く評価どうしていいかわかりません。

質疑者 塩川鉄也

塩川鉄也そういった一連の施策の中で、複数年度の投資の話もありました。

小幡公述人自身も、「一旦始めたら引けない悪い癖を助長する」とか、「形式的でも毎年チェックしていれば、引くきっかけが存在し、1年の損失を食い止められる」という話をされておりました。

今回、関連の法案として、特例国債法案が出ております。

期間延長を目指すものですけれども、こういった5年とかまとまった格好での対応となるこの特例国債法案については、どのように評価しておられるでしょうか。

参考人 小幡績

小幡績冒頭のお話でも申し上げたとおり、私はこう見えても財務省出身ではあるんですが、特例国債かどうかということは、関係ないというふうに思います。

つまり、特例国債、必要なときは出す。

それで何をやるかということなんですね。

例えば先ほどの例で言えば、こういうイラン戦争が起きて、イランへの侵攻が起きて、原油価格をはじめ、昨日のお話で言えばナフサという、産業にとっての要となるようなものがなくなるというときには、特例国債は何でも必要なものは出したらいい。

ただ、1バレル60ドルで、円安だけでガソリンが日本だけ上がっているという状況のときに、それは財源は特例国債だろうが……。

質疑者 塩川鉄也

塩川鉄也以前は特例国債法案を毎年毎年やっていたものを、民主党政権以降、5年に1回ですとか束ねてやるような形になった。

そういうあり方についてはどのようにお考えでしょうか。

参考人 小幡績

小幡績やはり特例国債というのは、もともとやはり昔で言えば裏にちゃんと物が残る、今日バランスシートの話、スライドには書いたんですけど、お話できなかったんですが、つまり、投資として残るものを出すときは、それは建設国債で出すから、問題ありませんと。

赤字国債というのは、負債だけ残って、要はバランスシートというのは負債があって、資産があって、別にどれだけ負債が膨らんでも、いい資産が残っていれば、何の問題もないです。

バランスシートですから。

いい資産が残っていれば何の問題もないです。

ところが特例国債がなぜ問題かというと、その消費のために使ってしまって、後世には何も残らない。

ただこっちの負債は残ります。

だから問題だということで、特に厳しい、基本的には禁止で、毎年の法律が必要だということだったので、それを緩めるというのは、やはり基本的にはガバナンスを緩めるということになりますので、望ましくはないというふうには考えます。

質疑者 塩川鉄也

塩川鉄也機械利投資、成長投資ということで高橋政権が取り組んでいる一つに経済安全保障の分野があって、冒頭の陳述でも「経済安全保障は経済成長にマイナス」という話もされました。

実際、その17の成長分野への投資支援ということを掲げている高橋政権ですけれども、そういった柔軟な分野の成長分野への支援というのは意味がないというふうに受け止めてよろしいでしょうか。

参考人 小幡績

小幡績それも中身によるんで、これからいい玉が出てくればいいのもあると。

例えば17分野で関係ありませんが、前政権かもしれませんけどラピダスがありますけれども、これは賛否両論です。

私はラピダスはうまくいかないと思っています。

それはなぜかというと、「日本国産」とか「北海道」とか、いろんな制約条件をベタベタにつけてオールジャパンで頑張るっていう、やっぱり思いが含まれてしまっているので。

完全に制約条件なしのグローバル競争に、相当なハンデを背負っているので、勝つ可能性はもちろんゼロじゃないんですけれども、どうしても財政で国でやるとなると、そういうものが入ってくるので難しいと。

柔軟な分野に関して言えば、今、何となく話題になっているのを並べたら、全部ということなんで、絞った方がいいと思いますけれども、現時点では。

もう何がこれから始まるのやらという感じなので中身次第ですし、分野を広げすぎているという意味ではあまり賛成できません。

質疑者 塩川鉄也

塩川鉄也冒頭の陳述のところにも書かれておりました。

「軍事支出は経済にはマイナス」「軍備、兵器輸出は国民を不幸にすること」について、もう一回意味するところをご説明いただけないでしょうか。

参考人 小幡績

小幡績これは共産党的な意味ではなくてですね。

私、戦争には賛成も反対も申し訳なくて、戦争したければすればいいと思いますし、防衛が必要であればするんですよ。

ただ、あたかも軍需にやると需要が出て経済にプラスだみたいな話があるんですが、それは絶対にありません。

需要がないときに軍需で需要を出してGDPの数字が同じになったとしても、手元に残っているのは、軍事に100兆円作って他のものを100兆円作らなかったわけですから、もし軍事がなければ他のものを100兆円作ってGDPなんだから、その100兆円が生活インフラになっていれば、そっちの方が圧倒的にいいわけですよね。

だから第二次大戦、太平洋戦争の例を出すまでもなく、国民が生活を徹底的に我慢した上で同じGDPで戦争を戦うと。

そういう心意気は、ウクライナを見ていれば、そういう心意気が必要な時もあると思います。

ただ、経済には明らかにマイナスで、生活には明らかにマイナスだと。

そういうことでございます。

委員長 坂本哲志

坂本委員長塩川君、ありがとうございます。

質疑者 塩川鉄也

高橋公述人にお尋ねいたします。

塩川鉄也メディアというのは発言で拝見したんですけれども、消費減税のことですが、日本も他の先進国と同様に、消費減税を経済状況に応じて行えばよいのではないのかと述べておられます。

同様の消費税減税を経済状況に応じて下げるような場合、こういったことの必要性についてご説明いただけないでしょうか。

参考人 高橋洋一

高橋洋一消費税といえば経済政策ですからね。

経済状況に応じてやるというのは、ごく当たり前だと思うんですけれど、「上げは絶対にOKだけど下げはいけない」とかね、硬直的に考えることはないんじゃないかなというぐらいの趣旨であります。

委員長 坂本哲志

坂本委員長塩川君、時間が参りました。

ありがとうございました。

これにて、公述人に対する質疑は終了いたしました。

公述人の皆様におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。

厚く御礼を申し上げたいと思います。

ありがとうございます。

午後1時から委員会を再開することとし、この際休憩といたします。

坂本哲志 (予算委員長) 1発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

休憩前に引き続き会議を開きます。

令和8年度総予算についての公聴会を続行いたします。

この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。

公述人の皆様におかれましては、ご多忙中にもかかわらず、ご出席を賜りまして誠にありがとうございます。

令和8年度総予算に対する御意見を拝聴し、予算審議の参考にしたいと存じますので、どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますよう、よろしくお願いいたします。

ありがとうございます。

一通りご意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

遠藤典子 (公述人 早稲田大学研究院教授) 2発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志(予算委員長)それでは遠藤公述人にお願いいたします。

遠藤さん。

質疑者 遠藤典子

遠藤典子(公述人 早稲田大学研究院教授)ありがとうございます。

早稲田大学でエネルギー科学、また安全保障の議論に参加させていただいております。

政府の政調委員戦略会議の委員でもございます。

どうぞよろしくお願いいたします。

まず、今起こっているイラン戦争の実証につきましてなんですが、これをエネルギーへの影響度を少し私の方からお話申し上げたいと思います。

ホルムズ海峡というのは、世界の石油消費量の20%に相当する日量2000万バレル、世界のLNG貿易の約20%が通る最大のチョークポイントです。

その封鎖が実際に起こるなんてことは、イスラエルの空爆が始まった去年の6月とか、今年の2月になっても、我々エネルギーの研究者であるとか、実務家であるとか、全く想定をしておりませんでした。

それはやはり合理的な結論を導こうとすると、それがいかにもナンセンスだったからです。

80年代のイラン・イラク戦争においても完全封鎖されたとは言えません。

今回もイランの方は、封鎖したこともなく、封鎖するということもないというふうにイラン軍の報道官が説明をしています。

ただ、現実的に起きていることを申し上げますと、確定的に起きている途絶がありまして、ロイターの報道などによると、現在のイランの石油生産が約8割減少しています。

ざっくり計算すると、世界の原油供給量の約3%が生産ベースで消滅したことになります。

途絶し得る供給としては、仮に2000万バレルが供給途絶となった場合、世界の原油供給の19%が消滅することになります。

これは輸送による途絶のベースです。

そういう状況の中で、スポット価格が今どうなっているのかを見ますと、お手元の資料をご覧になっていただきたいのですが、今、私が作ったデータは3月6日までだったんですが、その後、もう26から30%の上昇しまして、WTIは118ドルに達しました。

これは長期戦にもつれ込むということを市場が織り込み始めたんですが、ここにG7が協調備蓄の放出を検討しているという報道がありました。

それで104ドルに下落する。

しかも今度トランプ大統領が「戦争ほぼ終了だ」という発言を行いました。

そうすると81ドル台にまた下がるという乱高下をしているということです。

しかもそれは、一米国の大統領と申しますか、その方の発言によって市場が乱高下するので、今後も確定的なことが申し上げられない、非常に注視せざるを得ないマーケットの環境になっているということが言えるかと存じます。

一方、LNGのマーケットについても、最大の輸出国であるカタールのLNGの9割超はホルムズ海峡を通過します。

LNG船のスポット運賃が40%跳ねたとか、カタールの生産の2割を担うラスラファンというところがあるんですが、そこがドローン攻撃を受けたとかですね。

「フォースマジュール」という、契約上の出荷を免責、一時停止を主張するための宣言というのがあるんですが、それを行ったとかですね。

そういった報道がスポット先物価格を引き上げたり引き下げたり、そういう報道によってとにかく乱高下しているということが言えると思います。

過去を振り返ってみますとですね、ロシアによるウクライナ侵攻のとき以降、初めてこれほどの高価格になっているということが言えると思います。

もちろんリーマンショックの直前が最も高かったときなんですけれども、そこから非常に低位で流動していた価格が、今回久しぶりに跳ね上がることになったということです。

もちろん日本は輸入をしています。

為替の影響を大きく受けますので、円安に振れる場合はその輸入のインパクトが大きくなるということが言えると思います。

ただ、足元なんですけれども、ガソリンの価格は円安の影響を補助金でカバーしてきました。

ガソリンの補助というのは去年の末で終了したんですけれども、3月頭までの全国平均だと158円ということで下がっております。

今後上昇が見込まれるために注視が必要ですけれども、先ほど申し上げたように、非常に一国の大統領の発言で揺れるような市場だということが言えると思います。

足元の石油の備蓄については世界トップレベルで254日ございます。

石油火力は沖縄電力とか一部まだあるところはあるんですが、廃止が進んでいまして、むしろ石油の影響を受けるのは電力だけではなくて、石化製品の価格上昇が見られるかもしれないということです。

例えばエチレンなどの原料になるナフサなんですけれども、日本で使うナフサは国際生産分もあるので、国内消費全体で見ると中東依存度は約4割。

輸入分だけで見ると約7割。

ただし、日本の企業は代替手段の確保に既に着手をしているというふうに聞いております。

LNGについては、大体約3週間分、400万トン弱の在庫が電力・ガス会社にございます。

ホルムズ海峡を経由するLNGの輸入量の約1年分が備蓄できているということです。

しかも、ウクライナ戦争のときの経験が生きていまして、電力会社等においては長期契約の締結が進んでいます。

これは価格の安定化に大きく寄与するものでございます。

もちろん、電力会社の規模によってはその準備の差があることは否めません。

ウクライナ戦争との違いなんですけれども、ウクライナ戦争で起きたことはガスフローの再構築なんですね。

ロシアは供給先として中国を求めたし、ヨーロッパは調達先として米国を求めました。

その別の均衡に落ち着いたわけです。

ネットとして不足しているわけでもなくて、現在と違うのは、その生産が20%近く落ちるかもしれないというリスクがあるということが、今回の危機とは違うということです。

現在は暖かい時期なのでいいだろうという状況でもあるんですが、欧州の在庫って今少ないんですね。

春から夏に明けて安定的な、比較的安価な時期に買えますのが通例なので、アジアとの奪い合いになる可能性もあります。

石炭価格もじわじわと上昇しています。

現状は古い石炭火力の稼働は抑えられているため、日本にとっては抑えたものの炊き増しで、これも一つのカードになり得ます。

4月から日本でも排出権取引制度が開始されるんですけれども、急速な脱炭素への移行は現実的ではないと私は考えます。

1か月前を指数としたときの価格上昇度につきましては、この右下の図にまとめております。

日本のエネルギー構造に触れてまいりたいと思います。

その前に、ちょっと1つ、アジア諸国への影響について触れておきたいと思います。

ホルムズ海峡を通過するLNGというのは80%アジア向けなんですね。

日本のLNG輸入の中東依存度は10%程度、ホルムズ海峡への依存度は6.3%と多様化ができているんですが、深刻なのはアジアの中で台湾です。

ホルムズ依存度が高くて、かつ発電量における天然ガス火力の割合が高いわけです。

しかも、原発政策への慎重というか、進めていませんので、代替性が低いです。

台湾は世界的な半導体の拠点であります。

台湾経済の影響を通じた国家安全保障の問題、世界経済への影響にも非常に注視が必要だと思っています。

こちらの図が、日本としては台湾との関係で注視しなくてはならない状況として顕在化してきたなというふうに思っています。

日本のエネルギー構造に参りたいと思います。

こちらの鉱物性燃料の輸入という表を見ていただければ分かると思いますが、古くからもう言われていることなんですけれども、資源に乏しく化石燃料の輸入に依存している我が国でございます。

貿易収支の赤字の大きな要因であり、大体30兆円前後の国富が海外に流出している、稼いだ外貨を吐き出しているというふうな状況です。

次に日本の電源構成は、次のページの電力量の出水位というところで表していますが、石油ショック以降、中東依存度の軽減を輸入元の多様化及び電源構成における脱石油で図ってきました。

石油の割合を減らし、石油火力を減らし、あと中東依存度を減らすということです。

輸入元は中国とかインドネシアに分散して67.9%まで落ちたんですけれども、またコロナ禍以降高止まりして、中東依存が高いということです。

民主党の菅内閣のときには、第3次エネルギー基本計画を立てました。

このときは5割を原子力で賄うということを掲げています。

福島事故の結果、化石燃料比率が一気に高まってきましたが、ここで申し上げたいのは原子力の重要性です。

つい3月3日のことでございますが、東京電力の柏崎刈羽原発の6号機、設備容量が136万キロワットなんですが、ようやく100%の出力に到達しました。

試算すると、この6号機たった1機で年間110万トン相当のLNGの節約が可能になります。

これはホルムズで賄える分の3分の1です。

原子力発電は皆様もご存じのとおり極めて発電効率が高くて、その原料であるウランの7割はカナダ、オーストラリアから輸入していますし、転換、濃縮プロセスも脱ロシアが進んでいます。

国内にももちろん濃縮の設備があります。

そういう意味では純国産電源に位置づけられているわけです。

格納容器など発電用のシステムのサプライチェーンは日本製でまだ完結できています。

同じ脱炭素でも電源でも、中国の依存度が高い太陽光や風力とは異なります。

また、これは風が吹いたとき、太陽が照ったときということになりますので、今、AI、データセンターを中心とするそういう産業が急挙を呈して、このボトルネックは電力であるということが世界中に言われています。

つまり、産業競争力を電力が決めるという時代になっているわけです。

ここで原子力をしっかりと中長期的に見直していく必要が、極めて重要な日本の課題だというふうに考えております。

今、よく計算書が作っております日本の稼働の状況を見ていただければわかると思いますけれども、まだ変更許可が出た3基、規制基準の審査中が8基ある状況で、なかなか再稼働に時間を要している状況であります。

また、地元同意も非常に難度を極めています。

やはり安全が確認された炉の再稼働が急速に進められるということが、日本のエネルギー、経済、産業の安全保障の喫緊の課題だというふうに考えます。

具体的に何をすればいいのかということなんですけれども、まず特定重大事故等対処施設、いわゆる特従施設というものがございます。

これは意図的な航空機が衝突するテロみたいな重大事故に対処するバックアップ施設でして、信頼性を向上させるという営みの中で位置づけられています。

現行制度は、特従施設の設置期限というのは本体の工事計画の認可後5年以内とされているんです。

その建設には大規模工事が必要ですし、大体今の人手不足、資材の高騰を考えると、非常に時間がかかっているという状況です。

今、特従施設を設置することを義務づけられていますけれども、ほとんどの電力会社の発電所が設置期限を超過してしまっていて、運転を安全だと認められたのに停止しなくてはならない状況になっています。

例えば東北電力の女川原子力発電所、こちらの特従施設の設置期限が、今年の12月22日に迫っています。

到底今の段階でいきますと、間に合いそうもない状況です。

現行制度では、先ほど申し上げましたような工事認可後などが起算日になっているんですけれども、それよりも使用前検査、つまり営業運転の開始から5年以内というような起算日に変更していただくというような措置が、今、原子力について国が対応し得る一つの状況だと思っております。

先ほど申し上げました石炭火力についても、第7次エネルギー基本計画、こちらの策定は私も関わりましたが、石炭はバックアップ電源として位置づけられています。

もちろん環境規制もありますし、脱炭素の大きな目標もありますが、今、この日本の存亡の危機にあるようなエネルギー危機の状態においては、あらゆる手段を講じるということがとても必要になるかと思っております。

そのために総力を結集していくということをあらゆる議論の場で進めてまいりたいと思いますし、国会におきましても、そういった議論をぜひ進めていただきたいというふうに思っております。

私の方からは以上でございます。

ありがとうございました。

神保政史 (公述人 日本労働組合総連合会事務局長) 2発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志(予算委員長)次に神保公述人にお願いいたします。

質疑者 神保政史

神保政史(公述人 日本労働組合総連合会事務局長)ただいま御指名いただきました連合の神保でございます。

本日はこのような場で意見を述べる機会をいただきましたことに感謝申し上げます。

私ども連合は、働くことを軸とする安心社会の実現を目指して、いろいろな取組をしているところでございます。

本日は働く者、生活者の立場から意見を申し上げたいとこのように思います。

まずはじめにでございますけれども、ただいま2026春季生活闘争の真っ只中でございます。

連合は人への投資を起点に経済の好循環を力強く回すことを目指す「未来づくり春闘」と称して、これらを推進しているところでございます。

今年の春闘は、日本の実質賃金を1%の上昇軌道に乗せ、賃金が持続的に上昇するという賃上げノルムを確立させるべく、正念場であるとこのように考えているところでございます。

お配りしております資料の3ページをご覧ください。

これはこれまでの賃上げ状況の推移をグラフ化したものでございます。

全体では2年連続で5%台の賃上げが実現したものの、中小組合、中小企業ですけれども、その賃上げ率が4%台にとどまっております。

物価高を背景に、生活向上を実感している人が少ないのではないかと、このように捉えているところでございます。

このような中、今年の要求の集計を3月5日に公表させていただきました。

その集計結果では、中小組合の要求水準が全体を上回っているということになっております。

この勢いをしっかりと回答につなげて、日本全体に賃上げの裾野を広げていく必要があると考えているところでございます。

資料4ページをご覧ください。

これは中小企業庁が価格転嫁の状況を調査した結果でございます。

賃上げの裾野を広げていくためには、労働者の約7割が働く中小企業における適切な価格転嫁、そして適正取引の徹底が必要となってまいりますが、価格転嫁率は未だに5割強にとどまっているのが実態でございます。

全く価格転嫁できなかったという企業も約17%ほど存在しております。

本年1月施行の中小企業適正取引促進法、いわゆる取適法及び労務費転嫁指針の周知徹底などにより、公共調達部門も含めた価格転嫁を円滑化し、サプライチェーン全体での付加価値の適正配分により、人的投資、設備投資、研究開発投資を行うことで、さらなる付加価値を創出していく、このような好循環を実現していかなくてはならないと考えております。

政府は12月、私たちの要請を踏まえ、荷主や運送事業者などに向けて、燃料価格下落時におけるトラック運送業の適正取引の徹底について、要請文を発出されたことを承知しております。

要請文は運輸業界の賃上げの大きな後押しになっていると感じております。

この場を借りて御礼を申し上げたいと思います。

また他の産業でも、医療・介護・保育などの分野では、働く労働者も含めていろいろな課題もございますので、引き続き賃上げ実現に向けた環境整備をお願いするものでございます。

また毎年の春闘では、賃上げのみならず長時間労働の是正をはじめとする働き方の改革・改善、あるいは育児、介護や治療これらと仕事の両立推進支援、多様性が尊重され、誰もが働きやすい職場の実現などにも取り組んでおります。

これらについても法改正などの環境整備をお願いいたします。

次に、公平・連帯・納得の税制改正の実現について、2点ほど申し上げさせていただきます。

1点目は、給付付き税額控除についてでございます。

政府は国民会議を立ち上げ、給付付き税額控除の仕組みの実現に向けた検討を開始したと承知しております。

連合は消費税の逆進性対策、税による再分配機能の強化を求めてきております。

その中で給付付き税額控除は就労支援にも資するものとして、仕組みの構築を求めてきたところでございます。

有識者の中には、制度設計次第で時間をかけずに構築が可能という意見もございます。

国民会議においては、そうした有識者の意見も踏まえながら、給付付き税額控除の仕組みの早期構築に向けた検討をお願いいたします。

なお、給付付き税額控除の仕組み構築までのつなぎとして、2年間に限り、飲食料品を消費税の対象から外すという案があることは承知しておりますが、期間を限定した消費税減税は、現場が混乱するだけではなく、減税期間終了後に消費税率を元に戻す際の物価が上昇する懸念であったり、あるいは、飲食料品を消費税の対象から外すことは、高所得者ほど恩恵が大きいとの指摘もございます。

給付付き税額控除の仕組み構築までのつなぎとしては、消費税減税よりも、真に支援を必要とする層への給付のほうが相応しいのではないかと考えております。

国民会議での慎重な検討を求めるところでございます。

2点目でございますけれども、燃料課税の当分の関税廃止についてでございます。

昨年11月28日施行の改正法によって、半世紀以上も維持されてきた燃料課税の当分の間税率廃止が実現いたしました。

しかし、年度内に税制改正関連法が成立に至らない場合は、軽油引取税の当分の間税率廃止が先送りになるなど、国民生活への影響が懸念されるところでございます。

仮に年度内成立に至らない場合には、国民生活に影響が生じないような対応を求めるところでございます。

次に、2026年度予算案についてでございます。

予算案は、燃料課税の当分の間税率廃止により地方の財政運営に支障を生じないための財政措置や、医療従事者の処遇改善のための診療報酬引上げなど、必要な歳出が盛り込まれていると承知しているところでございます。

一方、過去最大の税収を見込むにもかかわらず、29.6兆円もの新規国債発行を予定するなど、政府が予算策定時に掲げた歳出構造の平準化に配慮した予算編成となっているのか、こういう懸念がございます。

また、12月に2025年度補正予算を編成したばかりであることや、会計検査院から執行内容を十分考慮せず積み増されていた基金があるなどと指摘をされたことを踏まえ、2026年度予算は2025年度補正予算と一体して考え、基金の積み増しをはじめその内容を精査し、修正を行う必要があるものと考えておるところでございます。

同時に、利払費の膨張が政策経費を圧迫しつつあることを踏まえ、財政運営を中長期的な視点から評価・監視する独立財政機関を設置し、財政規律の強化と歳出構造を見直しに取り組む必要があるのではないかと考えているところでございます。

予算の参考資料である令和8年度の経済見通しと経済財政運営の基本的方針、ここについても意見を申し上げたいと思います。

昨年度に閣議了解され公開されている資料において、実質賃金は昨年度実績がプラス、今年度もプラス見込みと記載されていると承知しているところでございます。

これは、賃金を実質化する際の消費者物価指数として、毎月勤労統計調査が用いている「持ち家の帰属家賃を除く総合」ではなくて、上昇が緩やかな「総合」を用いたことが大きな要因だと思っております。

しかし、昨年度も今年度も実質賃金プラスというのは、私たち働く者、生活者の実感とは全く異なりますし、そもそも政府経済見通し本文の記載とも異なると考えております。

予算審議の前提となる重要な資料と考えておりますので、国民生活の実態と合う指標を用いていただくようお願いを申し上げるところでございます。

次に、医療・介護・保育など社会保障サービスを担う人材の処遇改善について申し上げます。

資料5ページの左のグラフをご覧になってください。

これは厚生労働省の2025年の賃上げ実態調査では、賃上げの改定額、率ともに医療・福祉が最も低い結果となっております。

さらに2024年と比較しても下がっている状況にございます。

2025年度補正予算による処遇改善策を着実に進めるとともに、今年度予算においては、医療・介護・保育などの分野が魅力ある職場となるよう、他産業との賃金格差の解消を目指し、さらなる処遇改善を求めるものでございます。

次に、雇用の安定と労働条件の確保について3点ほど申し上げます。

1点目は、働き方改革の見直しについてでございます。

労政史において見直し議論が続けられている中、政府は裁量労働制の見直しを含めた労働時間規制の緩和検討を掲げました。

働き方改革の出発点である2017年の労使合意、それを基にした働き方改革関連法の目的は、過労死・過労自死ゼロの実現、多様な人材が活躍できる社会の構築だったはずです。

この間、長時間労働の是正は一定程度進展したものの、残念ながら法施行後6年が経過しても、過労死などを含む過重労働などによる脳・心臓疾患や精神障害を理由とした労災請求件数は過去最多を記録しているところでございます。

働き方改革の実現には程遠い状況にあるのが実態と考えております。

このように、いまだに長時間労働や過労死などがなくなっていないことを踏まえれば、働き方改革に逆行する緩和ではなくて、時間外労働の上限規制の強化を含め、労働時間規制の実効性を高めていくことが急務の課題であるとこのように認識しているところでございます。

また、総理の指針方針演説や一部の経済団体から拡充の声が上がっている裁量労働制についてでございますが、厚生労働省の調査でも長時間労働につながりがちな実態が明らかになるなどの課題があることから、安易に拡充や要件緩和を行えば、長時間労働を助長しかねないと考えております。

2024年改正を踏まえた本人の同意、撤回手続き、モニタリングの強化など、適正運用の徹底こそが必要であって、対象業務の拡充や要件緩和を行うべきではないということを申し上げておきます。

2点目でございますけれども、ワークルール教育の推進についてでございます。

近年、働き方改革が多様化していく中、労働条件が事前に明示されない。

あるいは就労実態と異なる事案や、テレワーク等の柔軟な働き方をめぐる問題などの労使間でのトラブルが生じている。

こんなようなことが言われております。

背景には働くことに関する知識不足の問題も大きいとこのように考えております。

労働基準法をはじめとする法規制の整備に加え、労使双方がワークルールを理解することが重要であろうと、このように考えております。

政府においては、企業や働く者に対し、さまざまな機会におけるワークルール教育の充実や支援をお願いするとともに、今こそワークルール教育推進法の策定が必要だとこのように考えております。

3点目でございますけれども、あらゆるハラスメントの防止についてでございます。

昨年の通常国会で成立した改正労働施策総合推進法などにより、本年10月からカスタマーハラスメント対策、求職者などに対するセクシャルハラスメント対策が雇用管理上の措置義務となります。

政府にはハラスメント禁止の積極的な啓発活動とともに関係省庁と連携した各業界の取組の推進、中小企業の支援などにより法の実効性確保を求めます。

併せてハラスメント根絶に向けて一定の法整備が整備されたことから、ILO第190号条約、これは仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約でございますけれども、この批准に向けた検討も求めているところでございます。

次に教育についてでございます。

教員が子どもと向き合う時間を確保し、きめ細かな教育を行うには、教職員の配置増と処遇改善、部活動の地域展開、外部人材の活用を含めた負担軽減など、改正給特法を踏まえた取組を行い、学校の働き方改革を進める必要があるとこのように考えております。

現在、中学校35人学級の実現などを盛り込んだ義務教育標準法(義務標準法)の改正法案が衆議院に提出されていることを承知しております。

学校現場が混乱したり子どもたちが困ったりすることがないよう、年度内の成立を強く求めるところでございます。

また、学校の働き方改革の進捗状況把握も不可欠です。

政府は教育委員会を通じて時間外在校等時間を把握するとしていますが、この調査は持ち帰った業務の時間が含まれていないなどの問題が指摘されております。

実態をより正確に把握できる教員勤務実態調査を速やかに行い、給特法をさらに見直す必要がないか検討をお願いするところでございます。

次に第6次男女共同参画基本計画についてでございます。

第5次計画で掲げられた数値目標の多くが達成できていない状況にあります。

指導的地位に占める女性の割合が30%程度の早期達成に向けて取組の加速をお願いいたします。

なお、昨年12月に男女共同参画会議において、連合をはじめ複数の委員から反対の声があったことから、議長一任となっていた第6次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方、これが3月6日に原案通り答申をされたところでございます。

私ども連合としては、旧姓使用の法制化に反対の立場には変わりございません。

日本は夫婦同姓を強制されている唯一の国であり、国連の女性差別撤廃委員会から繰り返し勧告が出ているところでございます。

金融機関では戸籍姓での手続きが求められたり、若年男性からは同姓共有が婚姻のハードルになるという声も聞こえてくるところでございます。

連合が実施している世論調査でもそういった点が明らかになっているところでございます。

こういったことから、仕事や生活の面で影響を及ぼしており、旧姓使用の拡大では問題の解決にはいたらない点もあり、人権尊重という要請にも応えるものではございません。

連合が求める選択的夫婦別姓制度は、夫婦が結婚する際に同じ姓にするか、自分の姓を名乗り続けるかを選べるものであり、夫婦同姓を否定するものではございません。

選択的夫婦別姓制度を直ちに導入すべきと、このように考えます。

最後に防災についてでございます。

先般の災害対策基本法などの改正を踏まえた対応が各自治体でなされるようとするには、政府の支援が不可欠だろうとこのように考えています。

特に自治体などが公表する物資の備蓄は広域災害にも対応できるものとなるよう、また被災者援護救助団体の登録制度は適切な団体が登録され、人権意識に基づいた被災者援護を行う団体が育成されるよう支援をお願いするところでございます。

今年中に設置が計画されている防災庁については、事前防災の強化を図り、発災時には被災者の人権が守られた形で復旧復興が進められるよう、司令塔機能を担い得る万全の体制で設置いただきたいと存じます。

また、防災庁の設置後には国、都道府県、市町村、事業者、NPOなどが効果的かつ効率的に協働できるよう、災害対策基本法や災害援助法で定められている役割分担の再検討を行っていただくことも併せてお願いいたします。

以上申し述べて意見陳述をさせていただきます。

御清聴ありがとうございました。

小山堅 (公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員) 2発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

次に小山公述人にお願いいたします。

質疑者 小山堅

小山堅(公述人 一般財団法人日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員):日本エネルギー経済研究所の小山と申します。

本日は貴重な機会をいただきましてありがとうございます。

私はこれからイランの問題と、それから国際エネルギー情勢について、お手元の資料をもとにお話をさせていただきたいと思います。

2ページ目を今ご覧いただきたいんですけれども、2月28日のアメリカ・イスラエルによる攻撃開始以来ですね、トランプ大統領は直近で「戦争は終わりに近づいた」というような趣旨の発言をされていますけれども、ここに至るまで見たことのない未曾有の激しい攻撃が続いてきています。

そして今回、何よりも私が重要というふうに考えたのが、攻撃の初日にトランプ大統領がいわゆるイランの体制の転換、レジームチェンジを視野に入れるといったような趣旨の発言をされ、そこから攻撃が行われた。

それが故に、イランはもう捨て身の報復攻撃をしないといけなくなったということであります。

そしてこの捨て身の報復攻撃こそが、ホルムズ海峡の通行の実質的な遮断・封鎖を生み出した最大の原因ということでございます。

この通行の要衝であるホルムズ海峡の実質的封鎖に加えて、この周辺の湾岸産油国などにイスラエルの反撃が及び、その結果として主要なエネルギーのインフラにも被害が発生、あるいは生産を停止するという事態が起きています。

この遮断インフラの損傷による供給の低下というのは、通行の停止とはまた違った意味を持つという点にも留意が必要です。

一言で言うと、仮に通行が明日にでももし安全が確保されて動くということになれば、通行の部分は回復する。

しかし、もしインフラが損傷して本当に大きな被害を受けていれば、それは簡単に戻らない。

つまり、この2つには違った意味があるという点は押さえておく必要があると思います。

これらのイランによる捨て身の攻撃は、一体何が重要なポイントなのかというと、これはまさにアメリカにとって、そしてこれから秋に中間選挙を迎えるトランプ大統領にとってのコストを上昇させるというイランの攻撃ということになります。

このアメリカ・トランプ大統領にとってのコストにはいろんな要素が含まれますが、その中の一つがエネルギー価格の上昇であることは多分間違いないでしょう。

とりわけアメリカにとっては、ガソリン価格の上昇は大変大きな政治的な意味を持ちます。

そうした中でトランプ大統領としては、できるだけ早くこの決着をつける。

その意味においてもさらなる大規模な攻撃は十分あり得る。

そしてそれにイランがどう反撃するのか、今のところ正直言ってまだ全く先は分からないということかと思います。

3ページ目をご覧いただきたいんですけれども、これまでこのホルムズ海峡という要衝については、もう長い間この封鎖の問題がずっと取り沙汰されてきました。

しかし、これは実質的には一度も止まったことがなかったわけです。

なぜかといえば、先ほど申し上げたとおり、これを特にイラン側が封鎖すれば、まさにアメリカの強力な軍事介入を招いて、その結果として体制転覆につながるという意識をイラン側が持っていたからです。

しかし、先ほど申し上げたとおり、戦争の開始の段階でレジームチェンジという話になった以上、もうこれはもうイランにとっては失うものがない捨て身の攻撃ということになりました。

また、湾岸産油国のエネルギー施設も、先ほど申し上げたとおり、攻撃対象になっているということであります。

このホルムズ海峡を経過して通行しているエネルギーの量というのは、まさに巨大なものがあります。

石油、これは原油と石油製品合わせてなんですけれども、2,000万バレルパーデイ。

そして年間LNGの輸送量は8,000万トンで、世界の供給量の2割という数字です。

これだけの巨大な数量を、どこかほかの国、ほかの供給者が代替できるのかといえば、これは全く不可能です。

この代替が不可能だということを、エネルギーの関係者あるいは先物取引をしてエネルギーを売買している人たちはみんなわかっているがゆえに、今回のような価格高騰が起きるということになります。

詳細に見ますと、まず原油については、実はこのホルムズ海峡を迂回するパイプラインがあります。

サウジアラビアの紅海側、レッドシー側にパイプラインがつながっていて、そこから輸送できる。

あるいはアラブ首長国連邦(UAE)にもホルムズ海峡を迂回する原油のパイプラインがあって、これでおおむね400あるいは500万バレル、1日当たりの大体の迂回が可能ではないかと言われていますが、先ほど申し上げたとおり、1日当たり2,000万というのには到底及びません。

その結果として、今実際にはまだ通行はほぼ遮断されている状況なんですけれども、この期間が長引けば長引くほど、実際の需給逼迫懸念は強まります。

石油2,000万バレルのうち、仮に500万バレル迂回の原油パイプラインで出したとすると、1日当たりのロスが1,500万バレル。

10日間で1億5,000万バレル、20日間で3億バレルという石油の供給が実際にあともう一つ。

価格高騰の問題に加えて、このスライドの最後に書きましたけれども、もしこの需給逼迫が本当に長期化していくと、どうしても必要だというふうに思う輸入国・消費国の間で、いわゆる取り合い、争奪戦的なものが発生する恐れもなしではありません。

これがある意味でいくと最悪の問題になるということかというふうに思います。

4ページをご覧いただきたいんですけれども、その結果として起きているのが、石油・LNG市場の著しい不安定化ということになります。

先物市場というのは常に先を読んで売ったり買ったりしますから、先が不安だということになれば、それだけで買いが進み価格が上昇する。

それがまさにこの一両日の間に起きた、瞬間風速でいうと1バレル当たり119ドルというところまで付けた。

これはもう、ここから先どうなるかわからないという不安が買いを呼んだということであります。

ただし、先ほどお話があった遠藤さんの方からお話があったとおり、もう戦争が終わりに近いというようなトランプ大統領の発言を見ると、「戦争が終わるんだったら供給支障が回復するんじゃないか」ということでいきなり売られて80ドル台まで下がる。

終値は90ドル台ということになっているんですけれども、この90ドルという値段は決して安い価格ではない。

そしてあともう一つは、未だにこの供給の実質的な支障は改善されていないというところは、これは見逃すことができない大事なポイントになります。

先ほどから申し上げているとおり、この巨大な供給量・通行量を代替することはほかの人にはできないということを考えますと、これが長引けばまた価格が上昇していく可能性は否定できないというふうに思います。

あともう一つ、この中東の産油国は原油輸出国として有名ではありますが、実は石油製品の輸出も非常に大量に行っています。

1日当たりの2000万バレルの通行量のうち、おそらく400から500万バレルぐらいは石油製品であろうというふうに言われてまして、その大多数はLPG(液化石油ガス)、ナフサなどですが、あるいはディーゼルオイル、軽油とかジェット燃料のような中間留分もかなりあります。

これらが実は、原油の場合には大体パイプラインがあると申し上げたんですが、石油製品には全くない。

それが全部止まるということで、実は石油製品市場の方が大きく価格が上がっているというようなことがあります。

例えばヨーロッパ市場では、ウクライナ戦争以降、それまではロシアから大量に買っていた石油製品を買えなくなって中東から買っていた。

これが止まっています。

その結果として欧州では、石油製品価格の高騰の方が原油よりもより厳しいというようなことが起きている。

あともう一つはLNGについては、これは後ほど日本の場合との対照を比較で申し上げますけれども、全体としての8000万トンに相当する供給が止まっているということになった結果、例えばスポット市場あるいはヨーロッパ市場のように、天然ガスの需要と供給でガスの値段が決まるそういう市場において、価格高騰が極めて著しくなっています。

ガスの需要と供給それのみで価格が決まるとなったときには、この失われた供給の大きさに加えて、ガスの場合の備蓄の低さということも強く意識された。

その結果として価格が高騰している。

いずれも一言で価格高騰というふうにくくられますけれども、原油、石油製品、LNGでそれぞれに特徴と違いがあるということもあります。

実は日本はLNGはこの需要と供給のバランスで価格が決まるというよりは、大体は原油価格の値段に連動してLNGの値段が決まる方式をとっています。

その結果として、しかもこの値段の決まる方式にはタイムラグ、おおむね3か月から4か月遅れて価格が決まってくるという仕組みを持っていますので、今の時点では日本の場合、LNGの値段はそれほど上がらない。

ここから上がるにしても、ヨーロッパやスポットのLNGに頼る人たちほど上がらないということにはなるでしょう。

しかしいずれにせよ、エネルギーの価格が上昇していくことは、この必須の物資の価格が上がる、すなわち我々の可処分所得が皆失われ低下していくということになって、暮らしを直撃することは間違いないということになります。

5ページは原油価格の推移を簡単に示したもので、申し上げたい点はごくごくシンプルで簡単でございます。

これ、最初は2025年の最初から最近まで、直近までを取っているんですが、実は2025年はずっと傾向として原油価格が下がってきているんですね。

昨年の6月のイスラエル・アメリカによるイラン核施設への攻撃、「12日間戦争」といいますけれども、このときに一瞬ワッと盛り上がったんですけれども、こういう例外を除くと基本的に価格が下がってきていました。

これはなぜかというと、世界の石油市場に十分な供給が存在し続けて、その十分な供給が価格を圧迫して下げてきた。

しかし、実は今年の1月ぐらいからそれが反転して上がり始めています。

これは年初にベネズエラへの軍事攻撃が行われて、トランプ大統領がまさにベネズエラという世界で有数の産油国を攻撃したところから、潮目が変わってきた。

一言で言うと、地政学リスクに市場が反応するそういう状況が強まったということなわけです。

そして、それの今の段階で言うと最も極端な例が今般のイランに対する攻撃であり、それが瞬間風速で言うと119ドルというところまで行ったということであります。

終値では90ドル台の半ばというところですが、先ほど申し上げたとおり、この通行支障が本当に解除される、そしてタンカーの通行が通常の方に戻っていって、この大量の供給に回復するという目処が立たない間は、市場は非常に不安定で、価格を押し上げる要因が残り続ける。

その点は決して安心できないということかと思います。

その次の6ページは、今度は天然ガス(LNG)のスポット価格、それから原油価格を横に並べてみたものであります。

原油の値段はブレントというヨーロッパ産の指標原油の値段。

この緑の線も最近ぐっと上がっているんですが、それ以上に赤い線、青い線が大きく飛び抜けて跳ねています。

これは先ほど申し上げたとおり、世界全体の供給量が大きく減少する中、このスポットでLNGを買わなくてはいけない人たちが必死になって買っている。

供給量が減少した中で大きく買いを入れるということをせざるを得ない人たちのその行動によって、価格が上昇してしまっているということになります。

ここから先も、それぞれの市場の状況、構造によって価格動向というのは結構違いが出てくる。

しかしいずれにせよ、価格高騰の問題というのは、この見過ごせない可能性として我々は考える必要があると思います。

最後の時間を使わせていただいて、日本の問題を7ページでまずお話ししたいと思います。

ここは皆様のご案内のとおり、石油はもう相当依存度をこの半世紀以降の取組によって下げてきました。

50年前の石油危機(オイルショック)のときには7割あった依存度は、今は4割を切る。

しかし、未だに石油は最大のエネルギー源であることには変わりません。

しかもその石油について、原油の中東依存度は95%ということで、非常に高いホルムズ依存度という状況になっています。

もちろん国内には250日を超える備蓄があり、そして国際エネルギー機関(IEA)等との国際協力の体制というのも、石油危機の教訓を踏まえて整備されてきました。

他方、LNGは発電用の燃料として、これは今でも最も主要な発電用の燃料の一つでありますし、大手の都市ガス事業者にとっても主要な都市ガス原料として極めて重要な役割を果たしています。

しかし中東原油の場合と考えて、LNGはアジア太平洋からの長期契約による原油価格連動型の輸入が主体であって、ホルムズへの依存度は6%とかなり低い。

しかし逆に国内の在庫は非常に低い。

これはひとえにマイナス162度という超低温で保存する必要があるということによる経済的なコストの大きさ、あるいは物的なそういう特徴から、在庫、備蓄というのを大量に持つのは難しいということになります。

その結果として、一番下に書いたとおり、日本の企業が持っている長期契約、つまりホルムズ海峡経由でないところの長期契約での追加的な供給確保や、柔軟性の高いLNGを市場から活用していくというのが重要になるということです。

最後、8ページに今後の影響と対応ということで、繰り返しになりますけれども、今後今の90ドル台からさらにこの原油価格が上がっていくということは、本当に深刻な影響をもたらすということになります。

あともう一つ、原油価格が上昇するとガソリン等の石油製品がまず価格が上がりますけれども、先ほど申し上げたとおりタイムラグを伴ってLNGの値段も上がります。

そしてLNGの値段が上がれば、電力の値段も上がっていく。

ということになりまして、原油の価格高騰は日本のエネルギーコスト全体を押し上げていってしまうという問題になります。

あともう一つ、これは本当にあまり考えたくもない状況でありますけれども、本当にこの問題が長期化して通行支障が長く続くというようなことがあると、この量は日本にとっては非常に巨大なものになりますので、それを全て代替してどこかから持ってくるというのはおそらく難しい。

このような場合には、極めて強力な総合的包括的対策、つまり思い切ったエネルギーの節減、原子力あるいは石炭火力等も含めた可能な分野での代替、あるいは備蓄の活用と国際協力、これはもう必要不可欠になるというふうに思います。

LNGの方は、これはホルムズ経由の代替を代替するためには、先ほど申し上げたとおり、それ以外の、例えばオーストラリア、マレーシア、その他諸々の国と持っている長期契約の中に、柔軟性を持って供給を増やす条項がある場合が結構あります。

これをまず徹底的に行い、かつそれに加えてスポット価格での調達は、価格高騰を招くという副作用がありますが、必要に応じてそれをやっていく。

先ほどから申し上げているとおり、在庫に限界がある以上、特に発電用のLNGについては、発電事業者は自分の手のうちに、例えば石炭火力のような代替電源を持っているということになりますから、徹底的なLNGの代替と、そして同じく節電、省エネといったことによって危機を乗り切っていくということが必要不可欠になるというふうに思います。

以上で私からの報告を終わらせていただきます。

どうもありがとうございました。

天野慎介 (公述人 一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長) 2発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

次に天野公述人にお願いいたします。

質疑者 天野慎介

本日は貴重な機会をいただきましてありがとうございます。

全国がん患者団体連合会理事長の天野慎介と申します。

私たち全国がん患者団体連合会は、現在加盟団体が52団体、会員総数およそ2万人を有する患者団体の連合組織です。

私自身は2000年、27歳のときに血液がんの悪性リンパ腫を発症しまして、抗がん剤治療や放射線療法、造血幹細胞移植などを受けまして、2回の再発も経験いたしました。

日本の医療制度と国民皆保険制度に命を救っていただいた立場です。

本日は政府予算案のうち、特に高額療養費の見直しについて意見を申し述べます。

資料の2ページをご覧いただければと思います。

ご承知のとおり、2025年3月に高額療養費制度の見直しはいったん凍結となり、2025年秋までに改めて検討を行い方針を決定するとされました。

厚生労働省には、私たちがんや難病の患者団体も参画する高額療養費制度のあり方に関する専門委員会を設けていただきまして、関係団体や有識者へのヒアリングを行いつつ、8回にわたり検討を行ってきました。

2025年の12月15日には第8回の専門委員会が開催され、高額療養費制度の見直しの基本的な考え方が取りまとめられました。

この中では、多数回該当の据え置きや一部引き下げ、あるいは年間上限の新設など見直しの基本的な方針が決まり、長期にわたり継続して治療を受ける患者や所得が低い患者への配慮が盛り込まれました。

これは私たち患者団体あるいは与野党の超党派議員連盟からの要望を反映していただいていることですので、改めてこの場で感謝を申し上げます。

一方で、具体的な見直し金額については、年末の予算編成の結果、12月24日の厚労財務大臣の大臣折衝において決定され、翌日12月25日の第9回専門委員会において、初めて具体的な金額が提示されました。

これを受けて、私たち全国がん患者団体連合会と、日本難病・疾病団体協議会は、12月24日付で、厚生労働大臣と保健局長に対して、高額療養費の見直しに関する共同声明を送付・提出いたしました。

資料の3ページを御覧ください。

共同声明では3点の要望をいたしました。

1点目、多数回該当の据え置きと年間上限の新設により、長期にわたり継続して治療を受ける患者の年間での負担軽減を着実に実行する一方で、月ごとの限度額については、まだ十分に抑制されていないため、仮に月ごとの限度額を引き上げる場合でも、治療断念や生活破綻につながることはないように、さらなる抑制を検討すること。

2点目、特に70歳未満の月ごとの限度額について、いわゆる現役世代が既に高い社会保険料を負担しているにもかかわらず、応能負担に基づいて引き上げ金額が大きくなっているため、特段の配慮を行うこと。

3点目、高額療養費制度は、わが国の公的保険医療制度の根幹をなし、大きなリスクに備える重要なセーフティーネットであることから、医療費節減に資する他の代替手段について優先かつ十分な検討を引き続き行うこと。

以上となります。

資料の4ページを御覧ください。

今回の見直し案の概要となります。

グラフは縦軸が月ごとの自己負担の限度額、横軸が所得区分を表しています。

黒い実線が現在の高額療養費制度の自己負担限度額、赤い実線が今回の見直し案の自己負担限度額、そして一番下の青い実線が多数回該当となった場合の自己負担限度額となります。

グラフご覧のとおり、多数回該当となれば大きく負担が軽減されることが分かります。

今回の見直し案ですが、多数回該当の据え置きや一部引き下げ、あるいは年間上限の新設などが盛り込まれた一方で、所得区分の細分化や負担引き上げと応能負担の強化を行うことにより、全体としては2,450億円の医療費抑制を見込むものとなっています。

なお、2,450億円のうち1,070億円については、いわゆる能率効果による削減を見込んでいます。

資料の5ページをご覧ください。

5ページの左側の表は、今回の見直し案の詳細な金額となっています。

赤枠で囲っている部分が月額の上限額となります。

そして月額上限の金額だけをまとめたのが右側の表となります。

例えばですが、年収650万から770万円の区分では、現在の月額上限は8万100円プラス1%となっていますが、今年の8月からは8万5,800円、来年の8月からは11万400円に引き上げとなります。

これはおよそ38%の引き上げとなっておりまして、昨年がおよそ70%、最大ですが、最大70%の引き上げとなっていたのと比べれば、おおむね半分程度の引き上げ幅となっていますが、そもそも昨年の引き上げ幅が過重な負担増であったということかと思います。

資料6ページをご覧ください。

ここで破滅的医療支出という言葉を確認いたしますが、世界保健機関(WHO)の定義となります。

具体的には、破滅的医療支出のある世帯は、自己負担額が医療費支払い能力の40%以上、と定義されます。

ここで医療費の支払い能力とは、家計の総消費額から、いわゆる基本的なニーズ、例えば食費であるとか住居費、光熱費ですが、これをカバーするための基準額を差し引いた額と定義されています。

資料7ページをご覧ください。

この定義に基づいて改めて今回の見直し案を見ていきますと、こちらのグラフは立教大学経済学部の安藤道人教授の試算によるものです。

縦軸が医療費支払い能力に対する自己負担の割合、横軸が年収区分となります。

医療費支払い能力に対して今回の見直し案が年間ではどの程度の割合になっているかということを表していますが、所得が低い区分ではいまだ40%を超える負担割合とはなっているものの、多くの年収区分では40%未満の低い負担割合に抑えられていることがわかります。

資料8ページをご覧ください。

一方で今回の見直し案が月額ではどの程度の割合になっているかを見ますと、先ほどの年額とは打って変わりまして、月額ではほとんどの年収区分で世界保健機関(WHO)が定義する破滅的医療支出の40%を超えてしまっています。

ところで、今見てきたこれらの計算は、患者さんが病気になる前と後で所得が変わらないという前提での計算となります。

しかし現実では、患者さんが病気などになると療養生活に伴い退職や転職、働き方の変化により所得が減少する場合も多くあります。

資料9ページをご覧ください。

こちらは中央値で28.6%所得が減少した場合を想定したグラフになります。

日本における最近の研究では、がんと診断された1年後に所得水準が平均で34%減少したとの分析結果が出ていますので、このグラフはがん患者さんの現実におおむね即した分析ではないかと考えられます。

なお、このグラフの所得が低い区分については、住民税非課税世帯や生活保護世帯への移行レベルの所得減少となってしまうので、妥当性の高い試算困難と考えられるため、計算せずに空欄となっているということになります。

このグラフで所得が減少した場合、今回の見直し案が年額でどの程度の負担割合になっているかということを見ますと、年額でも所得が減少した場合には、軒並み破滅的医療支出の40%に近づいてくる負担割合となっています。

資料10ページをご覧ください。

それでは所得が減少する場合に月額ではどの程度の負担割合になっているかということを見ますと、破滅的医療支出の40%を大きく超える50%、60%、あるいはそれ以上の大きな負担割合となってしまっているのが現状です。

おそらくこのグラフこそが、今回の見直し案によって高額療養費を実際に使うことになる患者さんの現実というか、実態に近い負担状況を表しているのではないかと考えられます。

治療断念や生活破綻につながることはないように、私たち患者団体としましては、月額の限度額の引上げについては、さらなる抑制を検討するよう重ねて要望いたします。

資料11ページをご覧ください。

今回の見直し案による自己負担額への影響、つまり自己負担が増加する高額療養費利用者の割合についてでございますが、こちらのグラフは、東京大学大学院薬学系研究科医療政策公衆衛生学の五十嵐当特任准教授の試算によるものです。

こちらのグラフからもわかるように、所得が低い区分を除いて区分あから区分えまで、多くの所得区分で今回の見直しにより自己負担が増加する患者さんの割合が8割を超えるという推計結果となっています。

資料12ページをご覧ください。

政府は昨年より国会などにおいて、高額療養費の引上げの理由として、高額療養費の伸びが国民医療費と比べるとおよそ倍となっていることを挙げてこられました。

この左側のグラフを見ますと名目値ですが、国民医療費全体で約46.7兆円の中で、高額療養費は約2.97兆円となっています。

名目値だけを見てもあまり意味がないですので、右側のグラフ、対GDP比で見ますと、国民医療費が2012年の7.77%から2022年に7.89%に伸びる中で、高額療養費は2012年の0.4%から2022年の0.5%という伸びにとどまっています。

もちろん、高額療養費が対GDP比で伸びがとどまっているからといって、このままでよいとは申しませんが、国民皆保険制度の中核である高額療養費のほかに、社会保障全体で議論すべきところがあるのではないかと考えます。

資料13ページをご覧ください。

こちらは厚生労働省が専門委員会で示した資料となりますが、今回の高額療養費見直しによる財政影響と保険料軽減効果の概算試算ということになります。

非保険者1人当たりで推計すると、加入している保険者によっても異なりますが、年額で1,400円の保険料軽減効果、月額にして150円の保険料軽減効果となっています。

国会でも指摘がありましたが、果たしてペットボトル1本分の保険料軽減効果と引き換えに、高額療養費が有するセーフティ機能を私たちは失ってもよいのでしょうか。

資料14ページをご覧ください。

ここまで今回の見直し案による金額を中心に見てきましたが、高額療養費制度には実は運用上の課題も存在します。

例えばですが、まず1点目、高額療養費の合算についてです。

高額療養費の申請では、同一の医療機関の自己負担額が上限額を超えない場合であっても、他の医療機関の医療費であるとか、あるいは同じ世帯の同じ公的医療保険に加入している方の医療費については合算が可能です。

ただし、70歳未満の場合はそれぞれの自己負担額が21,000円以上であることが必要であるのに対して、71歳以上は21,000円に満たなくても合算が可能です。

具体例で見ますと、右側の表で佐藤さんという患者さんを想定していますが、この方はA病院とB病院を受診しています。

それぞれの診療科で6万円、10万円、5万円と医療費が生じていますが、一番右側の2万円は2万1千円に満たないので、70歳未満の場合は合算ができません。

高齢者は合算ができるのに対して、現役世代だけは合算できないのか。

その理由は承知しておりませんが、現役世代だけに負担を強いる不公正な取扱いではないかと考えますので、現役世代の負担軽減のためにも、70歳未満であっても合算ができるよう、このいわゆる「2万1千円の壁」を直ちに見直していただきたいと考えています。

2点目は、今回の見直しで新設していただいている年間上限の取扱いです。

年間上限の当面の間は、償還払いかつ患者申告制となる見込みと伺っております。

これはシステム改修が間に合わないためと聞いておりますが、償還払いかつ患者申告制では患者の負担が大きくなってしまう可能性がありますので、これも早期に運用を見直していただければと考えています。

3点目、多数回該当のリセット問題です。

現行の高額療養費制度では、退職や転職、あるいは転居などによって加入する保険者が変わる際に、多数回該当のカウントがリセットされてしまう仕組みになります。

これについても、カウントが引き継がれる仕組みの検討を早急に進めていただければと考えております。

最後、資料15ページをご覧ください。

全国がん患者団体連合会が昨年1月に実施した緊急オンラインアンケートでは、わずか3日間で3,000名を超える皆様から切実な声をいただいております。

「生きることを諦めさせないでください」「生活が破綻してしまいます」「子どもの将来のために治療を諦めなければならなくなります」など、特に子育てをする現役世代からの声が切実です。

資料16ページをご覧ください。

その中から斉藤和人さんからのメッセージをこの場で紹介いたします。

和人さんは医学部5年生のときに血液がんの悪性リンパ腫を発症しまして、2度の骨髄移植を経てリハビリを続けてきましたが、病状が悪化し、昨年9月に残念ながら24歳の若さで逝去されました。

斉藤和人さんのお父様からのメッセージをいただいておりますので紹介いたします。

「和也は旅立ちました。

つらくて悲しくて寂しいですが、それでも私は高額療養費制度が命と心の時間を支えてくれたと感じています。

この制度があったからこそ、経済的な不安に押しつぶされることなく、治療に向き合い、家族として寄り添う時間を持つことができました。

そして、和也は、やれるだけの時間、一秒をやりきり、最後まで自分の時間を生きました。

高額療養費制度は、そこに至るまでの生き方と、家族の時間を支えてくれるかけがえのない制度です」また、斉藤和人さんが昨年7月にSNSに出したメッセージを紹介いたします。

「病気になる以前は政治に関しては無関心で、正直自分が投票しても何も変わらないと思っていましたけれど、22歳で悪性リンパ腫を発症し、多額の治療費が必要な中、国民皆保険制度や高額療養費制度のおかげでどうにか治療費を払うことができました。

このとき日本の医療制度にとてつもない感謝をしたことを覚えています。

しかし今年の2月ごろ、高額療養費制度の見直しが提案されました。

このとき、私も含め、全国の病気と戦う人たちが不安になりました。

ただでさえ、病気でつらい中、お金のことも考えなくてはいけないのは、想像以上につらいものなのです。

そんな中、日本中の患者団体が声を上げて反対運動を起こしました。

私も微力ながら、SNSやテレビを通じて協力させていただきました。

そしてなんと、高額療養費制度の見直しの延期が決まりました」私がなぜこの話をしたかというと、政治に無関心のまま制度が変えられていく恐怖を伝えたかったからです。

特に若い人は、政治が生活に直接関わってくることは少ないかもしれません。

しかし、遠い未来、あなたにとって大切な人ができたときに、日本の医療制度が崩壊していたら、あなたはどうやってその人を守りますか。

手遅れになる前に、あなたの一票で日本をより良い国にしていきましょう。

きっとそれがあなたにとっての幸せにつながると思うからです。

この斉藤和也さんからの問いかけに対して、私たちはどのように答えればよいのでしょうか。

そしてこれからの日本を担う将来の世代の皆さんに、私たちはどのような高額療養費制度や国民皆保険制度を残せばよいのでしょうか。

今回の高額療養費見直し案はそのことを私たち、あるいは国会議員の皆様に問いかけているのではないでしょうか。

これにて私の意見陳述を終了とさせていただきます。

ご清聴いただきましてありがとうございました。

ありがとうございました。

坂本委員長これより公述人に対する質疑を行います。

質疑の申出がありますので、順次これを許します。

塩崎彰久 (自由民主党・無所属の会) 7発言 ▶ 動画
質疑者 塩崎彰久

塩崎彰久君。

塩崎君。

自由民主党の塩崎彰久でございます。

まず公述人の皆様、今日はお忙しい中、お時間をいただきまして、本当にありがとうございます。

まず冒頭、明日で東日本大震災から15年の節目になります。

改めて犠牲になられた多くの方々にご冥福をお祈りするとともに、今なお困難の中にいる被災者、避難者の皆様にお見舞いを申し上げたいと思っております。

あの日の揺れ、あの日の恐怖、あの日の絶望に似たような不安、今も私も鮮明に覚えております。

ちょうどその震災の後、私は弁護士をやっていたんですけれども、福島原発事故の民間検証委員会、独立事故調査委員会の委員として、この原発事故の原因究明と再発防止の検証に当たらせていただいて、報告書を出させていただきました。

そのときに感じたのは、やはりエネルギー政策というのは、単に経済の問題ではなく、国家の安全保障そのもの、そして国民生活そのものだという深い認識でございました。

今日はそうした観点から、公述人の皆様に質問をさせていただきたいと思っております。

まず小山先生にお伺いしたいと思います。

エネルギー外交の観点でございます。

今日お話をいただいた、このイラン戦争に端を発するこの原油価格の上昇でございますが、日本のようにエネルギーを海外に多く依存する国にとっては死活問題でございます。

ただ、このホルムズ海峡の封鎖というのは、かねてより先生をはじめ我々も含めて検討してきた、そして想定をしていたワーストケースシナリオ、その一つがまさに顕在化したということだと考えております。

このホルムズ海峡の影響、先ほど先生の分析の中でも、今目の前のこの通行の支障による影響と、今後の地政学的なリスクの高まりによる影響、この2つがあるという、そういう分析をしていただいていたと思います。

そこで先生にお伺いしたいんですが、今回の中東情勢の混乱に伴う一時的な原油高、エネルギー高ですけれども、今後、この一時的なものは解消されたとしても、残っていくこの地政学的なリスクプレミアム、これから報復があったり不安定化するかもしれないそうしたことを含めたリスクというのはどの程度あると考えるべきなのか。

そして、そういう今後の中長期的な影響を考えたときに、エネルギー外交という観点からは、例えば備蓄の協調的な放出とか、またはさまざまな国際的な枠組みのあり方とか、供給の多角化とか、こうした観点から日本はどういった点を考えていくべきか、ぜひお考えをお聞かせいただきたいと思います。

参考人 小山堅

小山君。

ご質問どうもありがとうございます。

ご質問、ご指摘いただいた点は大変重要な点で、仮に今回の事象がある程度落ち着いたとしても、中東というこの地政学リスクがずっと存続し続けてきたところに多くのエネルギー供給を依存するということは、やはり問題というか大きな課題である。

これはもう率直に言ってそのとおりになっているというふうに思います。

ただ、実は半世紀前からその問題は分かっていたはずではないか。

にもかかわらず、なぜここまで依存をしているのかという点についての答えが、実は非常に複雑な問題を提起しております。

これは中東のエネルギー、例えばサウジアラビアの石油とかカタールのLNGというのは、世界の中でも最も競争力のあるエネルギーだからです。

要するに経済原則、市場原理の中で我々みんな生きていますので、競争に打ち勝つためにはできるだけコストの安いそういう供給源にアクセスしないといけない。

通常時のこのビジネスや暮らしの中でいうと、競争力のあるエネルギー源を無視することはできない。

逆にそれを無視というか、意図的にそこから離れようとすれば、我々は常に追加的なコストを支払わなきゃいけない。

この覚悟と決意をどれだけ持ち続けるのかというところに問題は行き着きます。

あともう一つ、日本の場合、特に石油ですけれども、これは歴史的な経緯があります。

日本は第二次大戦に負けて、そのとき、すべての精製システムを失いましたけれども、そのとき、精製業の再建というのは、いわゆる石油メジャーの技術と資本と原油の供給というふうに大きく依存しました。

ちょうど当時は、彼らが中東で石油の大開発をやっていた時期で、要するに中東で大開発した石油が日本の精製システムにぴったりと合うという形で再構築された。

つまり日本の精製という観点からすると、中東の原油は最も最適でフィットする原油になるということであります。

その点において、これはいわゆる経済原則、市場原理に本当に委ねておいたのでは、なかなか解が見つからないということになるかと思います。

今、中東原油の依存度は95%になりました。

この理由にはいろいろあります。

一番直近ではウクライナ危機があって、ロシアからの原油を買うのをやめた。

西側の一員としてやめた。

その結果として、頼るのは中東しかなかったということです。

この競争力のある供給源から、離れようとするとならば、まさに日本の国家を挙げて、本当に包括的総合的な対策をしないといけないと思います。

実際、これ日本は第一次石油危機以降やってきました。

ですから、石油依存度、中東依存度、原油輸入における中東依存度は95%と高いんですが、一次エネルギーにおける石油依存度を大きく下げてきた結果として、トータルエネルギー、トータル経済の中での中東原油のウェイトは大きく下がってきています。

このような取り組みが必要だと思います。

あと最後に1つだけ、エネルギーの外交という点でいうと、この問題はこれから先、他の点でも考えないといけない。

例えばレアアースのようなものは、最も競争力のある供給源、ここは中国になると思います。

自然体で置いておけば、これは必ずそこに依存が高まる。

これは総合的包括的な国家戦略が必要な重要な部分だと思います。

以上です。

質疑者 塩崎彰久

塩崎君。

小山先生、どうもありがとうございました。

中東依存度を下げていくためには、まさに国を挙げての政治的な意思、これが必要ではないかという御発言だったと思います。

そこで遠藤先生にお伺いしたいんですが、遠藤先生、まさに原発についても、この原発賠償の受賞もされた御著書もあったりして、まさに専門家でいただいていますけれども、このエネルギーの自給率、今小山先生からもありましたが、これをこれからしっかりと見直していくということを考えていかなければならない、一つのきっかけを今回与えていただいていると思っております。

そうした中で、その遠藤先生のこれまで研究してきたエネルギー政策、リスクガバナンスの、安定的なエネルギーを供給していくために、日本のエネルギー自給率の向上と、そして再生可能エネルギーへの転換、この両立をどう図っていくのか、これが大変重要になってくると思います。

ここについて、先生の御知見、日本として何を今考えていかなければならないか、ぜひお聞かせください。

参考人 遠藤典子

ご質問ありがとうございます。

第7次エネルギー基本計画を立てました際に、そもそもエネルギー政策を考えるときによくSプラス3Eということで、安全を前提とした経済性と環境適合性と安定供給、その4つを両立するという形でエネルギーの政策はあるべきだということだったんですけれども。

7次では安定供給がまずは第一番手に来るんだという、少しSプラス3Eのバランスが変わったように思います。

やはり安定的に供給をされないと、日本のエネルギーは先ほど先生もおっしゃられましたように経済の基盤であり産業の基盤であり、国家安全保障そのものでありますので、安定供給が第一番に優先されるべきだということだと思っております。

今回の事象はその安定供給のところに、非常に極めてリスクを検知させたというか、リスクを顕在化し、我々のその認識が高まったところなんですけれども。

一つ重要なのは、当然その長期的に自給率を上げていくという長期戦略の部分と、短期的なある種の安定供給を現実的に解決していこうというリアリスティックな回答、その両方が必要になるかと思っております。

前段階のところの現実的な回答については、今の状態がどのぐらい長引くかにもよるのですが、この危機に対応するためには総動員でいかなくてはならない。

これは脱炭素であるとかそういうことは関係なく、安定供給を確保していかなくてはいけない。

しかも低廉な価格で、国民生活を脅かさないような価格で確保していく。

もう一方、長期のところでは先ほども申し上げましたように、脱炭素電源を中心としたような自給率を高めていく方式を日本は模索していかなくてはならない。

再エネだけではなくて、それで原子力が……。

質疑者 塩崎彰久

塩崎君。

ありがとうございました。

まさに原子力の役割についても、また新たな光で議論していく必要があるかと思っております。

また、このエネルギーの価格高騰につきましては、さまざまな生活への影響が非常に大きいということで、特に患者団体、天野理事長、今日来ていただいておりますけれども、非常に大きな影響を感じられている皆様ではないかと思っております。

先ほど高額療養費のお話ありました。

奇妙なご縁で、昨年の予算委員会、まさにこの場所で私は上野厚労大臣に、高額療養費の見直しについて患者の皆さんのご意見をもっと聞いていただいてはどうかと、そういうお話をさせていただきまして、その後、患者団体の皆様も加わるような形で政策論議がここまで進んできていると思っております。

天野理事長ご自身、これまで増大する高額療養費を負担能力に応じてどのように分かち合うか、検討を丁寧に進める必要がある。

と述べられておりまして、国民の理解の下で、制度を維持するための見直しについては、前向きに検討してきていただいたと思っております。

今回の議論の過程で、政府と患者団体との間で意見交換が行われてきたことについて、どのような受け止めか、簡潔に率直に教えていただければと思います。

参考人 天野慎介

天野君。

御質問ありがとうございます。

先ほど申し上げたとおり、具体的な金額については、これは予算編成で決まることですので、専門委員会で議論した後に決まっているということは申し上げたとおりですが、ただ先ほど申し上げたように、第1回から第8回、昨年の5月からおよそ半年間にわたって専門委員会を設けていただいて、その中で私たちからの要望、特に長期にわたって継続して治療を受ける患者さんへの配慮、あるいは所得が低い方への配慮、そういったことについて、要望を丁寧に聞いていただいたことについては、これは私たち患者団体としても厚生労働省の対応に感謝しているところでございます。

現在、さまざまな審議会で患者さんの参画が進んでいますので、こういった当事者の参画というものをぜひこれからも進めていただきたいと願っております。

質疑者 塩崎彰久

塩崎君。

ありがとうございました。

ぜひ丁寧な議論を通じて、皆様にとって理解を得られる制度になることを願っております。

最後に一言だけ申し上げたいと思います。

やはり今日の議論を通じて、エネルギーの安全保障は経済の問題であると同時に、やはり国民生活そのものだという思いを新たにいたしました。

今回の予算の中にも、エネルギーの基盤を強化するために、1兆円超の予算が計上されております。

まさに、今日の公述人の皆さまのお話を伺う中で、1日も早くこの予算を成立させて、今のこの中東の不安定な危機に対して、安心して国民の皆様の期待に応えられるような政策を進めていく必要を改めて感じたところでございます。

神保君には大変申し訳ない、時間の関係で質問できませんでしたが、御容赦ください。

本日は大変示唆に富む御意見ありがとうございました。

以上でございます。

早稲田ゆき (中道改革連合・無所属) 13発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志(予算委員長)次に早稲田ゆき君。

質疑者 早稲田ゆき

早稲田ゆき(中道改革連合・無所属)中道改革連合の早稲田ゆきでございます。

本日はこうして4人の公述人の皆様に、お忙しい中こちらにご出席を賜りまして、予算委員会公聴会にありがとうございます。

先ほど来、皆様の議論を伺いながら、私も質問をさせていただきたいと思います。

改めまして、明日は東日本大震災から15年目ということで、こちらで本当に犠牲となられた皆様に御冥福を心からお祈り申し上げ、そしてまた今なお、ふるさとではないところに移住をされている皆様、帰りたいと思っていらっしゃる皆様、本当に多くの被災をされた皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

そこで私は社会保障中心に伺ってまいりたいと思います。

この全ての世代が安心できる社会保障制度の確立ということは大変重要だと思っておりまして、その点について、働く者の代表でいらっしゃいます連合の神保事務局長に伺いたいと思います。

この資料もお示しをいただきました。

まず私は厚生労働委員会の方でずっと取り組んでまいっております、このエッセンシャルワーカーの処遇改善であります。

この保育、それからまた介護、そして障害福祉の人材の処遇改善が、もちろん毎年少しずつは上がっているわけですけれども、これについてもなかなか全産業平均と比べてもまだ8.3万円低い。

そしてまた25年はさらにこの差が開いたと思います。

そうしたことも踏まえて、現場の声、働いている皆様の声、子育て世代も含め高齢者の方も介護をしていらっしゃる方の皆様の現場の声ということを私たちに教えていただきたいと思います。

まずお願いします。

神保君。

参考人 神保政史

神保政史(公述人 日本労働組合総連合会事務局長)ありがとうございます。

御指摘のとおり、医療・介護・保育など社会保障、これは誰もが将来にわたり安心して暮らし、働き続けるための基盤になるものだろうと、このように思っています。

今御指摘したように、この処遇面を見ますと、やはり他の産業に比べると平均で8.3万円ほどの差があるということであったり、先ほど申し上げましたとおり、額ともに低位にあるということでございます。

我々厚生組織が調査したところによると、やはり処遇の厳しい局面もある中で、物価上昇に追いついていないということですから、生活に充てる影響が大きい、苦しいという声も数多く聞かれているということでございます。

報酬改定の予算措置に処遇改善が盛り込まれていることは重々承知しているということでございますけれども、他の産業と比べての比較において、まだまだ改善すべきところがあるということでございますし、人材確保の観点からも、あるいは働いていらっしゃる方々の処遇改善、魅力ある職場という観点からも、これからも引き続き取組が必要なんではないかと、このように思っているところでございます。

質疑者 早稲田ゆき

早稲田ゆき(中道改革連合・無所属)神保公述にも先ほどおっしゃいました、実質賃金が今年上がるということであるけれども、そこは実態と非常に現場の感覚とはちょっとずれているのではないかというお話もございました。

さらにこのエッセンシャルワーカーの皆様方の処遇改善はもう待ったなしであります。

昨年の補正予算でもこうした予算はついております。

そしてそれにほとんど同じような形で、またこの8年度もついているわけなんですけれども、それだけではまだまだ足りない。

そしてまた人材確保につながる報酬改定には至っていないのではないかと私も思っておりますので、引き続きこの問題に取り組んでまいりたいと思います。

それから働く皆様のこの雇用の安定ということであります。

3月5日に厚生労働省から働き方改革の総点検という結果、これが公表されました。

労働時間を増やしたいという方が約1割ということであったという結果が明らかになったわけです。

この間、高市総理の方から働き方の改革を進めるべきだということで、例えば裁量労働制、それから労働時間の規制の緩和ということも御提示があって、私たちはどうしてそういうことになるのかなと大変疑問を感じている中でありますけれども、働く皆様の代表として、この労働時間を増やしたいというのが1割であって、ほとんどの方が今まででいいというようなアンケート結果が出ておりますことを踏まえて、どのような受け止めをされているかお尋ねしたいと思います。

神保君。

参考人 神保政史

神保政史(公述人 日本労働組合総連合会事務局長)ありがとうございます。

3月5日に厚生労働省から働き方改革総点検という、今御指摘ありましたが、質問されました。

おっしゃられるとおり、労働時間を増やしたいと回答された方が10.5%、約1割というふうに承知しております。

ただ、それをよくよく見てみますと、増やしたいとおっしゃっている方々の理由が、「たくさん稼ぎたいから」ということだったり、「残業代がないと生計が立てられないから」という、こういう切実な回答が多くなっております。

こうした結果から、労働時間についてということも今の御指摘。

生活を支えるための残業代というよりも、やはりこの所定内賃金を高めていくということも必要な取組ではないかと、このように思っているところでございます。

それで、やはり労働時間を語るときにある過労死ラインというところが、しっかりとここを見ていかなくてはいけないのではないかというふうに思っております。

現在、過労死ラインでもある現在の上限、約月80時間を超えて働きたいという、こういうような方々は全体の0.5%にすぎません。

むしろ労働時間はこのままが良い、あるいはこの方々が大体59.5%、減らしたいが30%ということでございますから、こういうところから見ても、この実態をしっかりと把握した上での労働法制というものが求められるのではないかと、このように思います。

むしろ長時間労働に頼るということではなくて、いかに生産性を高めて……。

質疑者 高山聡史

高山聡史君。

おっしゃるとおりだと思います。

過労死ラインなんですよね、この上限規制というのは。

ですから、全国の過労死を考える家族の会からも、私たちもヒアリングをさせていただいておりますが、こうした中で、前回一致で、この過労死等防止対策推進法が、超党派の議員連盟、そしてご家族の皆様とのご協力で成立をいたしまして、これが2014年であります。

そこからの経緯を見ましても、まだ過労死の方が高止まりをしている。

それからまた先ほどもありましたが、メンタルとか、それからまた心臓疾患などで、こうした方の労災認定も最多となっております。

質疑者 早稲田ゆき

そうしたところをどうしていくかということが今の喫緊の課題であるにもかかわらず、こうした上限規制であるとか、また次に触れさせていただきます裁量労働の拡大というところにつながるのは、大変私は本末転倒だと思っておりますので、しっかり働く皆様の立場、そして労働環境を守る立場で議論をしてまいりたいと思います。

さらに裁量労働制についてでございますが、これは先ほども対象業務の拡大、それから要件緩和を行うべきではないという発言もございました。

高市総理の方では、「適用労働者本人からの満足度は高く、また制度適用による労働時間が著しく長くなる、処遇が低くなる、健康状態が悪化するとは言えないということも明らかになっております」と答弁もされている中ですけれども、どうぞこの受け止め、それからまた御考えを教えてください。

神保君。

参考人 神保政史

はい。

裁量労働制について満足度が高いというところをよく見てみますと、やはりそこは処遇が高いという方々が多いので、裁量労働制そのものが、というところから見ると、もう少し分析が必要なのではなかろうかとこのように思います。

それとあと、裁量労働制を適用している、採用している企業は多くございます。

我々の構成組織の中においてもこれを制度として導入をして、うまく運用しているという、こういうところも多々ございます。

ただ、その一方で、やはり裁量がない方々にも適用されてしまっているとか、なかなか自分で時間コントロールができない方々にも、そういったものが適用されてしまっているということから、長時間労働が常態化してきているということもあるでしょうし、また、これはなかなか言葉を得られますとあれですけれども、そのことによって長時間労働が助長されてしまって、残業代を支払わなくてもいいという、こういう隠れ蓑のようになっているという実態も一方ではあるということですから、そういうようなことから2024年には適用をしっかりと、運用を見直そうと強化しようということで取り組んできたという経過があります。

ということからすると、今行うべきは、それがしっかりと運用されているのかということをしっかりとウォッチした上で、そこで課題があれば改善していくということだと思いますし、先ほど申し上げたとおり、うまく運用しているところもございますので、そういったところもしっかりと研究するというか、展開していくということもですね、セットでやるべきだというふうに思います。

以上です。

質疑者 早稲田ゆき

神保公述人に最後でございますが、もちろん多様な働き方をきちんと労使で合意をして、そしてやっていくということが大前提であるということでございます。

さらにこの予算審議でありますが、大変与党が短い審議日程の中で、強引に進めようとしている部分が多々ございます。

この平時ではない今の緊迫状況、それから世界情勢、これを見ましても、そうした先ほども先生方がご述べていただきました、そのエネルギーの問題、エネルギー高。

これもどんどん長期化する懸念も大変高まっている中で、やはり私たちはしっかりと組み替えなど、それからまた暫定予算なども視野に入れて、そして国民の思いを入れた丁寧な審議が必要だと思っておりますけれども、この点について連合としてのお考えをお願いします。

神保君。

参考人 神保政史

ありがとうございます。

予算審議についてでございますけれども、先ほども予算についてお話をしたとおりでございますが、それに加えてでございますけれども、この来年の予算についてはガソリン税であったり、あるいは先ほども話題になりましたけれども、医療従事者の処遇改善等々がもう織り込まれております。

これらは我々連合としても求めてきたところでございますので、評価をさせていただいているところでございます。

ただ、これらも仮に年度内に成立しない場合になってきますと、国民生活に支障が来たという懸念もございますので、しっかりとその点を留意しながら、暫定予算も含め対応を図っていただきたいとこのように考えていることでございます。

他方で、歳出構造の平準化に配慮した予算編成になっているのかということであったり、補正予算における、先ほども指摘させていただきましたけれども、基金の積み増しの問題、あるいは執行状況の不透明さ、このような内容も十分な精査を求めているところでございます。

あと近年の予算審議においても、財政規律、中長期財政運営については議論が含まれていない部分もあろうかと思いますので、我々連合としては予算審議に関わらず、国会運営は十分審議を尽くして、透明性の高い、こういった熟議の国会にしていただくことを望むところでございます。

以上でございます。

質疑者 早稲田ゆき

早稲田さん。

はい、ありがとうございます。

十分な審議を尽くしてということもご教示いただきました。

当然のことですけれども、なかなかそうなっておりませんので、ありがとうございます。

それでは、全国がん患者団体連合会の天野理事長にも、一、二点伺わせていただきます。

大変詳細な資料をいただきまして、その中でも、この破滅的医療支出に該当してしまうような方が、月額の方でやはり11区分所得でもほとんどの方がそういうふうになってしまうということは、もちろん一方では多数回該当の末置きでありますとか、年間上限の設定という、これは評価をできますけれども、やはり一番リスクの、今、がんや難病の治療をされていて精神的にも、それからまた治療的にも、そしてまた生活的にも厳しい方に、さらにリスクを負わせるようなことは、私はやはりもっと抑制的であるべきだと思っています。

このことについてどのようなお声があるのか。

そしてまた、この抑制をもう一度再検討、評価をするところはそのままもちろんやるべきだと思いますけれども、ほとんどの8割以上の方がこの自己負担増になるという部分をもう一度再検討をするべきではないかと思いますが、これ2点続けてお答えいただけますでしょうか。

天野君。

参考人 天野慎介

ご質問ありがとうございます。

まず1点目、どういった声があるのかということですが、患者団体の立場で来ておりますが、当然難病の団体の方々からも、今回の高額療養費の改定、特に月額の部分については負担がまだまだ大きいという声をたくさんいただいています。

し、実はがん以外の様々な疾病の患者団体というか、患者さんや一般の方からもお声いただいていて、例えば不妊治療を行っている方ですね。

不妊治療を行っている方が今回のような引き上げになってしまうと負担が大きくなって、不妊治療を続けることが困難なので、これを機に不妊治療をやめることを考えているといったコメントもいただいています。

特に特徴的だと思われるのが、いわゆる先ほど申し上げた子育て世代の方ですね。

子育てされている方は扶養家族が多いですので、その分、世帯の経済的な負担も大きくなりがちということで、何とか負担の軽減をしていただきたいという声をいただいているところです。

また、この高額療養費では医療費がカバーされますが、医療費以外の、例えば病院の通院であるとか、さまざまな費用がかかってきたり、あるいは転職・退職に伴って収入が減りますので、そういった部分はもちろんカバーされないわけなので、まだまだしんどいといった声はたくさんいただいているというのは、1点目のご質問への回答になるかと思います。

2点目ですけれども、どういった検討の方法がどうして望ましいのかというのは、これはまさに政府あるいは国会議員の皆様が考えていただくことだと思うのですが、ただ昨年のことを振り返りますと、昨年は、今年は2段階の引き上げになっていますが、昨年は3段階の引き上げとなっていました。

その中で政府の方で検討いただいて、複数回にわたって修正をしていただいたという経緯があって、1回目は多数回該当の据え置き、2回目は1段階目は実行するけれども、2段階目以降は凍結するといった方法が昨年を捉えた措置としていて、3回目に全て一旦凍結という判断をしていただいたと思いますので、その部分はぜひこの国会の場で十分に審議していただきたいというふうに願っています。

委員長 坂本哲志

坂本委員長早稲田さん、ありがとうございます。

たくさんのご教授をいただきました。

ご質問できなかった先生方、申し訳ございませんでした。

また、こうしたことを参考に審議をしてまいりたいと思います。

ありがとうございます。

次に横田光弘君。

横田光弘 (日本維新の会) 13発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

横田君。

質疑者 横田光弘

日本維新の会の横田でございます。

今日は公述人先生方、本当に参考になりました。

ありがとうございます。

今日は電力、そして次世代のエネルギーということについて質問させていただきたいと思っております。

AIの需要が今ですら明日、もしくは来月、来年、どのくらい広がっていくのかわからないという今の現状。

それからDXと言われているようなデジタル化の推進によって、データセンターが非常に今世界中で増えていますよね。

そういう中で、やはり私たちが考えなければいけないのは、この電力の需要がこれからどうなっていくのかということであります。

今回、対米投資ってありましたよね。

あれが第1弾として、ガス火力発電、これをアメリカに投資をしていく。

その理由は、データセンターで需要、電力が増えちゃうからということでもあるそうです。

だから中国は、新しい原発を100基以上ですか、とてつもない量で増やしていって、これも同様の理由だろうというふうに思います。

今、資源エネルギー庁の見通しで、2034年には全国の需要が8524億キロワットアワー、2024年比較で6%増というふうになっております。

特に重要なのは産業用の地域別で、大都市は絶対値としては当然のことながら、例えば北海道から中国地方、中国ですね。

ここで増加率が大幅に伸びていると。

理由はデータセンターや半導体製造と、こういうようなことになっているということであります。

じゃあ、今のエネルギーミックスの中でそれを賄うことができていく、賄えるのかという、やっぱり一つの大きな課題が出てくるわけですけれども。

この再生可能エネルギーについては、今回いろいろ話題になり、この国会でも議論になっている。

太陽光発電等はやはりパネルが中国製だったりするわけですけれども、それは置いておいたとしても、少なからず日本でいろいろな環境の問題もあると。

それから風力発電にしても、私昔から持っていたんですけれども、風力発電というのはやはりジェネレーターが中に入っているわけです。

そうすると回るとノイズが出るんですよね。

これで結局安全保障上の問題点、例えば防衛省のホームページには「風力発電設備が自衛隊・在日米軍の運用に及ぼす影響及び風力発電関係者の皆様への事前相談のお願い」と書いてあるぐらいに、やはり非常に問題が大きいんです。

となると、例えば地熱発電とか海を使った発電とか、私も非常にこの再生可能エネルギーは非常に重要だと思っております。

ただ、やはりこういった、それこそさっき遠藤先生がおっしゃったS+3Eという観点から、この最後のエコ(Environment)という意味でやはりもう少し考えてとすると、本当にこの需要を賄うことができるのかという、そういう非常に大きな心配が湧き上がってきます。

ということで、遠藤先生にちょっとお伺いしたいんですけれども、この政府が今行っているこの需要の計画、見通し、こういったものが適正なのかどうなのか、ちょっと一言お願いいたします。

委員長 坂本哲志

遠藤さん。

参考人 遠藤典子

はい、ありがとうございます。

第7次エネルギー基本計画の中の需要の、2040年の需要は、1.1兆、1.2兆キロワットだったと思います。

その見通しが甘いかどうかということにつきましては、私個人の考え方とするとですね、AIやデータセンターの需要、この拡大のスピードからすると、もしかするとそれを上回るような電力の需要が、省エネやそういったような削減の取り組みを上回る可能性も出てきているというふうに考えております。

ただ、それの確定性というか、そういうものは少し分からないところもまだあるということでございます。

委員長 坂本哲志

横田君。

質疑者 横田光弘

需要というのは多分増えてくるんだろうなというのを、専門家でもないけれども私でもなんとなく分かるような気がします。

そういったところで、例えばNTTが光の半導体素子を作ってみたり、それから光ファイバをもっと日本は張り巡らされていますけれども、さらに高性能にしていくなど、いろんな努力がされています。

それでもやはり電力が増えていくこういうような状態の中で、やはりエネルギーミックスは本当に考えていかなきゃいけない。

その中で非常に重要になってくるのは、先ほど遠藤先生がおっしゃったように、やはり原子力発電ということであります。

私たちの日本というのは、この自然と共に生きてきた文化を持っております。

歴史も持っております。

そういう中で、やはり原子力発電所の事故というのは非常に大きなインパクトを我々に与えました。

だから細心の注意をして安全性を担保するということは当然だとして。

しかしながら、この電力需要を賄っていかなければいけないということと同時に、先ほどから先生方からお話があったような、今のこのイラン情勢。

これにおける原油もしくはLNGの運搬が止まってしまう可能性があるという、供給面での恐れ。

こういったようなものを配慮して考えていくと、やはりこの原発というものを現実的に考えなきゃいけないし、先ほどの遠藤先生の一番最後の資料のところにもありましたように、今の既存の原発を再稼働するにしても、やはり手続きが非常に煩雑。

それから地元のご理解をいただくとかいう意味で、手間もしくは時間がかかっていくということだと思います。

そこで、この2番目のことをちょっとお伺いしたいんですけれども、いわゆる最近、次世代型の原子炉というものが言われています。

この三菱重工さんや、それから日立とか、東芝といった各メーカーがいろいろな形で工夫をしながらやっている。

プラス、新しい新興の人たちも研究をしているということで。

現在、2030年に向けた政府のエネルギーミックスが、再生可能エネルギーが36から38%、それから原子力が20%ぐらい、それから火力が41%。

現状は今、火力は60%を超えているわけですよね。

それを下げていくということなんです。

となると、やはりこの再生可能エネルギーは先ほど言ったいくつかの課題があるということであれば、やはりこの原子力をということになってくるわけですが、その中でもこの次世代炉と言われているものが、一つは高温ガス炉、それからいわゆるSMRですね、小型モジュール炉ですね。

それから三菱重工が作っているマイクロ炉、こういったものがあります。

高温ガス炉についてはヘリウムガスで冷却しますので、いわゆる炉心溶融というものがほぼないというふうに言われております。

SMRは小型なので自然冷却をすることができるということで、安全性を担保することが非常に重要であるわけですけれども、このSMRについてはカナダに日立が輸出というか建設するわけですよね。

これの稼働が2029年から2030年というふうに言われています。

もちろん小型ですから出力は1基当たりは弱いんでしょうけれども、しかしそれを並べればということなんだと思います。

となると、「じゃあ一体日本はどうなの?」という一つの素朴な疑問が出てくるわけでありますけれども、そういったものも含めて、三菱重工もトラックで運べるぐらいの大きさということでありますから、例えば災害が起きた場合にはそこにすぐ駆けつけることができる、こういうような形。

それから一説によると、日本が今これから研究するかもしれないというふうにされている、この原子力を使った動力源とした潜水艦、こういったようなものにも応用できるものではないかというふうにも言われておるわけですけれども。

少なくともこのSMR、それから高温ガス炉等々の新たな安全なエネルギー源これについて、先生のご所見をいただきたいと思います。

委員長 坂本哲志

遠藤さん。

参考人 遠藤典子

はい、ご質問ありがとうございます。

まさしく、経済産業省の原子力委員会の下に、核融合ワーキンググループというものがございまして、そこの中でロードマップを検討しているところでございます。

先生がおっしゃられたようなSMRであるとか、これは軽水炉のSMRだったりとか、高温ガス炉であるとか、そういうものが日本の得意な技術も関わってきておりますので、どうしてもやっていかなくちゃいけない技術だというふうに考えています。

なぜそうなのかというところで、まず一つ申し上げますと、SMRの「S」はスモールなんですが、「M」がモジュラーなんですね。

モジュラーというのは標準化ということですので、標準化の大量生産を前提としたデザインがされているということです。

そうすると、今までテレビだったりそういったものがどんどんプラモデル化していったように、原子炉の生産ももしかするとモジュラーとしてプラモデル的に作られる時代が来るかもしれない。

そこにアメリカを中心としていろんな国が力を注いでいるわけです。

なぜそうなのかというと、別にデータセンターの隣にそのSMRを置いたりとか、もっと言えば月面にデータセンターを置く、原子炉を置くという計画もある。

もっと言えば船の中に小さいものを積む。

これは日本の造船業界も連合して、イギリスのコアパワーというところに出資をしています。

そういったような新しい動力源として使えるかもしれないという可能性もある。

そういった原子力利用の広がりの中でSMRが出てきているということを理解しておかなくてはならないんだと思っています。

この間ロサンゼルスの方に行きましたら、スペースXの方々がベンチャーとして作っている原子炉のメーカーがありまして、それは1メガです。

災害用に出荷をする。

来年再来年にはもう出荷ができる。

商用化がもう段階に入ってきています。

そういった新たな営みの中に、日本が遅れるわけはいかない。

もちろん核融合も大事なんですが、その手前の核分裂の原子力において、原子力の技術を維持していくということが、この日本の中に唯一の産業として整っている原子力産業を維持していくことが、これが重要だということを改めて申し上げたいというふうに思っております。

以上です。

委員長 坂本哲志

坂本委員長横田君。

質疑者 横田光弘

横田光弘ありがとうございます。

そういうことだと思います。

今、それこそ世界がしのぎを削っていると、アメリカ、中国に限らずですね。

そういう中で、私たち日本はそれなりの、というか非常に優れた技術をやっぱり有していることは間違いありません。

それこそ三菱電機さんも、三菱重工さんも、日立もみんなそうだと思うんですよね。

そういった方々、それからあとはベンチャーのスタートアップの人たちも含めて、いわゆるこういった学術機関も総合して、やっぱりこういった問題に取り組むべきだと私は思っております。

そこで今先生もちらっとおっしゃった、その核融合フュージョンのエネルギーについてお伺いしたいというふうに思います。

核融合については日本はある意味では先進的だったわけですよね。

ずっとやってきましたから。

だけれどもなかなかこれは「夢のエネルギー」ということで、いつ夢が現実になるのかというふうに言われ続けているわけですけれども、少なくとも例えば日本の中でスタートアップの企業もいっぱい出てきているわけです。

世界中で今は投資合戦になっていると。

例えば京都フュージョニアリングとか、他にも新たなスタートアップの方々がいらっしゃる。

先ほどの高温ガス炉なんかもそうですよね。

だからそういう中で、やはりもっと投資の規模を本当に膨らましていかなきゃいけない。

これについてぜひとも最後ひと言お願いいたします。

参考人 遠藤典子

遠藤典子ありがとうございます。

成長戦略会議の中の17の柱の中にフュージョンエネルギーが入っております。

たくさんのベンチャー企業が資金を集めてそこに投入しているところでございますし、フランスのITERでは日本も中核的な技術を担っているということになります。

もちろんまだまだ未来の技術であるため、発電にすぐさま効果をもたらすかということは別ですけれども、科学技術としては日本の中でしっかりとキープをしていかなくてはならない。

このような技術だと思っておりますので、こちらは17の中の一つとして、しっかり育てていく必要があるんだと思っております。

以上です。

委員長 坂本哲志

坂本委員長横田君。

質疑者 横田光弘

横田光弘委員長、最後一言。

本当に今、先生がおっしゃっていただいたように、この分野をやはり国を挙げて議論し、そして実現に向けて進んでいかなきゃいけないし、お金をやはり調達しなければいけないと。

こういうところから官民挙げてやっぱり前進することが重要だと考えております。

これで質問終わりました。

ありがとうございました。

福田徹 (国民民主党・無所属クラブ) 14発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志君。

質疑者 福田徹

福田徹君。

はい。

公述人の皆様、本日は大切なお話をお聞かせくださり、ありがとうございます。

国民民主党、福田徹です。

日本列島を強く豊かにするためには、経済的な投資と同時に、働く人が生き生きと働ける、そんな政策が必要だと思っております。

働かなければ決してこの国は強く豊かになりません。

一方で、様々なデータから働きづらい社会になっているように思われます。

様々な理由で働ける人が働けていない現状、これは大きな問題です。

令和6年度過労死等の労災保障状況を見ますと、特に精神障害に関する請求件数、決定件数が増えています。

精神障害の支給決定の中では、ハラスメント関係が特に増えています。

上司等から身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けたのが157件から224件。

顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けたのが52件から108件。

ただ一方で、厚労省の職場のハラスメントに関する実態調査では、令和2年と令和5年を比較して、ハラスメントを受けたと回答した労働者の割合は減少しています。

この国の最大の資源である働く人の声を集めます。

連合からお越しくださいました神保様にお尋ねします。

ハラスメントを受けたという労働者の数は減っている。

一方で、ハラスメントが原因と考えられる精神障害が増えている。

この差について、現場の声、現場での肌感覚からどのような理由があるのか、実態はどのようなものか、お聞かせいただけますでしょうか。

参考人 神保政史

神保君。

ありがとうございます。

今ご指摘いただいたように、ハラスメントが後を絶たない状況にあるんだろうというふうに思います。

ハラスメントを受けてと回答した労働者の数が減っているということについては、これはハラスメント対策関連法が一定の成果を出しているのではないかというふうに思っております。

ただ、その一方で、ハラスメントが原因であろうと考えられるような精神障害が増えていることについては、これは深刻なハラスメントが増えているのではないかと、このように思っております。

働く現場において、これは肌感覚ということになろうかと思いますけれども、あるいは職場からの声を集めると、人手不足による業務量の増加であったり、あるいは長時間労働。

この問題になりましたけれども、そこから来るストレスというものも一つの原因だと思います。

また、コミュニケーション不足。

これは職場もそうでしょうけど、最近の社会情勢としてもそういうようなコミュニケーション不足に課題がいろいろ指摘されているところでございますけれども、そういうようなコミュニケーション不足、あるいはやはり職場環境の人間関係というところもあろうかと思います。

そういうような、あと世代間あるいはアンコンシャス・バイアス等々、そういうようなことがハラスメントをより深刻にさせている背景があるのではないかなと、こんなふうに思っているところでございます。

それとあと、ハラスメントの境界線であったり、自覚認識不足、そういうようなところから来る問題もあるんじゃないかと思います。

職場ではいろいろな問題がございまして、先ほど私は春季交渉、春闘で賃上げをやっているという話をしましたけれども、こういう職場環境の整備、誰もが働き続けられる環境整備ということも、この春季交渉の大きなテーマでございますので、こういうようなハラスメントがなくなるような、そういうような職場にしていきたいと思いますし、社会の情勢にも進めてまいりたいと思いますし、そういったことも行政には求めたいと思います。

質疑者 福田徹

ありがとうございます。

一番大切な生の声、現場の肌感覚を教えていただきました。

精神障害に関する労災請求件数の増加というのは、先ほどおっしゃったとおり、2020年6月1日に職場におけるハラスメント防止対策が施行されたことによる、いわゆるハラスメント防止措置の周知によって、企業内で相談や把握が進んだという側面が考えられます。

一方で、精神障害の労災認定の件数が増加していることは、問題を相談しやすくなったという一方で、なお深刻な健康被害を生んでいるという証拠であると思っております。

政府はハラスメント防止措置をより実効性のあるものにする必要があると考えています。

そこで、こちらも神保様にお尋ねします。

いわゆる労働施策総合推進法などでハラスメント防止に……。

その他 石井啓一

石井啓一君。

はい。

実態等々、職場実態、あるいは私の肌感覚、職場からされていることは先ほどお話したとおりでございますけれども、ご指摘のとおり、いろいろな施策を展開することによって数は減っていますが、深刻化してきたということの中において、やはり一つは、理解をしっかりとすることだと思うんですよね。

このハラスメントに対する知識、認識、そしてそれらを一人一人が正しく理解をして、それが職場全体で風土として根付くために、どういう施策が展開されるべきかというものを、常に職場の健全性を保つためには我々も考えているところでございますが、そのことが社会全体で行われるような、例えばカスタマーハラスメントもそうですけれども、やはりそういう一つ一つの課題がですね、より深刻化しているような社会現象になっているところでございますので、そういったものが社会全体の風土醸成につながるような。

各省庁が連携を取りながら、そういう風土の醸成、あるいはガイドライン等々を示すことによって、企業なり団体なりへの周知、徹底、教育ということも含めて展開をしていただくことを望むところでございます。

質疑者 福田徹

福田君。

ありがとうございます。

より強い周知が必要だという御提言いただきました。

私、本当にハラスメントを減らしたいんですよね。

何か自分でできることないかと思って、一生懸命今、勉強しているのですが、職場のハラスメントに関する実態調査を見ますと、先ほどおっしゃったとおり、人手が常に不足している、および、上司と部下のコミュニケーションが少ない、こういう職場において、パワハラを受けた人が多いことがわかっております。

ただ、問題はこの調査から、「じゃあ人手を増やせばパワハラが減る」「上司と部下のコミュニケーションを増やせばパワハラが減る」と言い切れない、この点がありまして。

といいますのも、いわゆる因果関係です。

パワハラがある職場だから人が辞めて人手不足になっている可能性があったり、パワハラがある職場だから上司と部下のコミュニケーションが少ない可能性があって、この因果関係がはっきりしないんですよね。

この点が、私自身まだこれが有効だっていう施策をこう確信できない点です。

ただ、調べて言うと参考になりそうなデータがありまして、従業員がパワハラを受けた後の行動として「何もしなかった」が36.9%で最も多く、勤務先がパワハラを認識していた割合も40%弱のようです。

そして、職場が認識した後の対応でも「特に何もしなかった」が53.2%。

つまり、従業員も企業もパワハラが存在していることが分かっても、適切な対応がなされていないという実態が分かります。

ここに正しい打ち手のヒントがあるように感じています。

そして、適切な相談がされない原因を見ると、「何をしても解決にならないと思ったから」が65.6%、および「勤務上不利益が生じると思ったから」が20.7%と、上位2つの理由が挙げられております。

つまり、今必要なのは、解決してくれる相談先、安心して相談できる相談先が求められているのではないかなと想像されます。

そのことから、私は産業医の果たす役割、強化を提案したいと思っております。

2025年4月25日の厚労委員会にて、私が、嘱託産業医のうち、精神神経領域が専門であるものというのは1.8%。

医師の面接指導を受けた労働者のアンケートで、「適切な指摘を受けられた」が31%、「就業上の措置を講じてもらえた」が17.2%というデータをお示ししました。

今、産業医に求められている役割というのが、労働にまつわる外傷の予防から精神障害へと大きくニーズが変わっていく中で、改めて産業医の育成方法や業務内容について、大幅に見直していく必要があるのではないかと思っております。

こちらも神保様にお尋ねします。

現場が望む産業医の姿について、御意見いただけないでしょうか。

参考人 神保政史

神保君。

ありがとうございます。

今、相談できるところ、これは機関なのかあるいは人なのか、上司、先輩等々含めてそういうところがないんだということでございましたけれども、やはり我々労働組合としても、しっかりと現場の相談ごとをしっかりと受け止めて対処できる力をつけていかなければいけないと改めて感じたことを申し上げた上で、産業医のあり方についてですけれども、今の職場では色々な課題があります。

心身の健康もそうでしょうし、今御指摘の争いというのは最大手のものだと思います。

それらの背景には複雑化したこういった課題も多くあって、そういったことをいかに受け止めてもらえるかということ。

それとやっぱり第三者という視点として、職場をよく知る産業医の方々が職場を巡回しながら、そういった労働環境も含めて、そして心身の健康等々も含めてチェックしていただいて、適切なアドバイスを、これは当事者にもそうでしょうし、企業なりにもしていただけるという産業医が求められるのではないかと思います。

というと、かなり産業医の皆さんに負荷がかかってくるんだと思うんですね。

そういう意味からすると、そういうような育成であったりとか、しっかりとそういったものの位置づけというものを明確にしながら、なりに根付かしていくという取組も必要なのではなかろうかというふうに思いますし、また産業医の皆さんの育成確保というところも大事な視点ではなかろうかというふうに思います。

質疑者 福田徹

福田君ありがとうございます。

私、本物の産業医を育てたいなと思うんですよね。

産業医が果たせる役割って本来はものすごく大きくて、今よりも求められる能力も高くしたいし、権限も強くしたいし、責任も強くする。

そうやって産業医が真に働く者のために、もちろん企業を経営する者のために、この国に大きな役割を果たしてもらえるような政治を進めていきたいなと思っております。

次に、高額療養費制度についてお聞きします。

天野様は高額療養費制度のあり方に関する専門委員会の委員として大きな役割を果たしていること、心から敬意を表します。

ありがとうございます。

私は高額療養費制度の見直しの基本的な考え方として記載されている文書の中で、最も重要な点は「制度改革の必要性は理解するが、その際には、高額療養費制度だけでなく、他の改革項目も含め、医療保険制度全体の中で、全体感をもって議論していくことが必要である」。

これが資料に書かれている文章です。

この点について、委員である天野様にお聞きします。

この専門委員会の中で、どの程度、この医療保険全体を見る議論がされたと感じますでしょうか。

ほかの改革でこの程度医療費適正化ができれば、高額療養費制度の持続性のために自己負担を上げるのはこれぐらいでいいんじゃないか、みたいな、こういう広く見た議論というものはありましたでしょうか。

参考人 天野慎介

天野君ご質問ありがとうございます。

いわゆる社会保障審議会の中に存在している専門委員会ということになってまして、一応たてつけとしては、専門委員会は高額療養費制度の見直しのみについて議論するという立て付けでありましたので、専門委員会で直接議論されたことはないと承知しています。

ただ、私も複数回専門委員会で、まさに先生がおっしゃったように社会保障制度全体で議論していただきたいということは繰り返しお願いさせていただきました。

その結果、社会保障審議会の方で、いわゆる親会の方でそういった議論は行われていたとは思ってはおりますが、ただそれが十分であったかというと、まだ道半ば。

質疑者 福田徹

福田君ありがとうございました。

この基本的な考え方に述べられている「社会保障全体で」というこの理念を、逆に専門委員会であるがために、その中ではその狭い分野しか議論できないというところが、これは大切な理念と実際できることの差が大きくて、非常に難しかっただろうな、ご苦労されただろうなと思っております。

ただ、こういう場でもちろん社会保障全体の中でしっかり議論していくことが必要だと思いますので、これから私もしっかり訴えていきたいと思っております。

そして遠藤様、小山様、今日はエネルギーに関してご指導いただきありがとうございました。

私たち国民民主党、「自分の国は自分で守る」という考えを抱えておりまして、エネルギー安全保障をとても大切にしたいと思っております。

一方で、やはり特に原子力発電に関しては、世論を含めて多くの意見があると思っております。

ただ、私も今の社会環境、再稼働は必要だと思っております。

そのために世論に向けて、何か専門家の方からこういう説明をするとより多くの意見を持つ方に受け入れられるのではないか、そういうメッセージの出し方について何かご意見を、これ時間短いですが、お二人からいただけたらなと思っております。

参考人 遠藤典子

遠藤さんから。

遠藤典子非常に難しい問題なんですが、私が感じるのは、実際に発電所を見ていただくのが一番有効だと思っています。

新規制基準の中でかなり厳しい規制がかけられ、その中で非常に重厚な守りができています。

そこで御説明を聞いていただくというのが、私は適当ではないかなと思っております。

学生も連れて行って見学をしております。

質疑者 福田徹

福田君素晴らしい具体的な話です。

参考人 小山堅

小山先生。

小山堅ありがとうございます。

手短に。

私はやはり何と言っても、原子力発電を活用することの実際のメリットを目に見える形でしっかりと国民の皆さんにお示しするというのが、重要なメッセージになるというふうに思います。

その中には当然のことながら、また改めていろんなアクシデントを起こさない、それがあったときも隠さない。

それをやることによって信頼できる事業として多くの人に受け取ってもらうということが大事で、これまで再稼働が進んできた地域においては、電力料金が実際に安くなるというようなことも起きています。

いろんな課題があるのは先ほどご指摘があったとおりなんですけれども、それをつまびらかにして、そしてなぜ日本にこれが必要なのかということを、正々堂々というか、正面からコミュニケーションを取っていくということが私は大事だと思います。

質疑者 福田徹

福田君ありがとうございました。

石川勝 (参政党) 17発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

次に石川勝君。

質疑者 石川勝

石川勝:参政党の石川勝でございます。

新人なもので、今日初めて予算委員会質疑でございます。

よろしくお願いいたします。

今、先進国の中で日本だけが経済成長ができていないと。

こういう「失われた30年」ということを引きずっておりますけれども、国民負担率が46%ぐらいになっておりまして、参政党といたしましては、この30年前の、少なくとも国民負担率約35%あたりに戻すべきだという主張をしております。

その手法といたしましては、消費税の段階的廃止、それから予防医療の推進による社会保障費の削減であったりとか、あるいは積極財政、この3つを主な主張としております。

そこでまず神保先生にお伺いをさせていただきたいんですけれども、賃上げの必要性につきましては、さまざまな意見があると承知しております。

現実には消費税、それから社会保険料、各種の負担増、これによって家計の可処分所得はなかなか増えていないというところにあると思いますけれども、参政党は先ほども申し上げましたように、現在、国民負担率が約46%という水準にある中で、まずは負担を下げる方向、例えば消費税の一律減税、段階的廃止、これを真剣に検討するべきだという、そういう局面に来ていると考えております。

また、特に中小企業とか小規模事業者、あるいはフリーランスとか個人事業主の現場では、インボイス制度の導入で事務負担や取引排除の懸念が強いということも承知しております。

今後、賃上げとか地域経済の底上げを目指すのであれば、インボイス制度はむしろ逆行しているというふうに考えておりますし、廃止すべきだという声にも相当な合理性があると考えております。

そこで、国民負担率とか消費税、インボイス、これらについての御意見、それから税と社会保障の一体改革、これ根本的な大改革が必要だと考えておるんですけれども、神保先生のご所見もお伺いいたします。

参考人 神保政史

神保君:はい、ありがとうございます。

よく言われますとおり、日本はこの間、給与が上がらない、経済成長しない、給与が上がらない国と言われてまいりました。

これはOECD各国と比較しても、その給与の水準、また伸び率ともに低位にあるというのが実態でございます。

そういうようなことから、可処分所得も増加してございませんし、そのことが国民生活を厳しいものにしていると。

そこに加えて今の物価上昇ということになっておりますので、それらを何とか打開すべくということの思いから、この賃上げの重要性、必要性というものを訴えながら、そしてそれらを好循環につなげていくんだという思いで、この間、春季交渉で賃上げを行ってきたというところでございます。

おかげさまで2年間連続で5%ということはございますけれども、まだまだ実質賃金がプラスに転じないということであったりとか、我々も各種調査しますと、やはり生活の豊かさを実感できる方々というのは少なくて、むしろこの貯蓄なんかを取り崩しながら生活している世帯も一定程度、むしろそれの増加傾向に回るというデータもあります。

そういう意味からすると、いかに可処分所得を上げていくかというのが求められると思います。

その一つの方策として賃上げというのもそうなんでしょうけれども、今ご指摘いただきました社会保障の負担、これも相当なものがございます。

そういうようなことから考えたときに、我々の消費税のお話も触れられましたけれども、やはりこの給付付き税額控除というのが、我々は以前から申し上げているところでございまして、それをすることによって、真に、こう、支出するところへの財源を当てていくんだというこういう思いを持っていますので、そういったものの論議がこれから加速していくことを期待しております。

し、その時にやはりこれ全体での取組が必要になってくるので、今ご指摘いただいた税と社会保障の問題、給付と負担の問題、そういうようなことであったりとか、賃上げ、賃上げを作り出すためには、やはり人的投資、設備投資、研究開発投資といった経済政策もしっかりとやっていかなきゃいけないということだと思いますので、そういったことがバランスが取れて初めて、そういうような負担の軽減になっていくのではなかろうかとこのように思います。

我々としては、給付付き税額控除で今一つの期待として捉えているところでございます。

以上でございます。

委員長 坂本哲志

石川君。

質疑者 石川勝

石川勝:今、御意見いただきましたようなことについては、国民広く議論をしていかなければならないと考えておりますし、国民会議が開催されるということも聞き及んでおりますが、我々参政党はその声もかかっていないという立場でございまして、いろいろと我々もどういったことをやれるか気になっているところなんですけれども、先生におかれまして、そういった一部の、そういうところには声がかからないということについては、どのようなお考えでしょうか。

参考人 神保政史

神保君:私の立場でどうお答えしたらいいかというのはありますけれども、国民会議ですから、より透明性高く、いろいろな有識者の方なんかの意見も踏まえながら。

透明性、納得性が担保される中で、国民の多くの方々が周知できるようなプロセスも大事にしながら、国民が納得するような制度改定になればいいなと、このように期待しているところでございます。

ここから先は御容赦願えばと思います。

委員長 坂本哲志

坂本委員長石川君。

質疑者 石川勝

石川勝貴重な御意見ありがとうございました。

次に天野先生にお伺いをしたいんですけれども、医療費に関することであります。

予防医療、それから重症化予防などについてお伺いいたしたいと思いますが、先ほども申し上げましたが、国民負担率が極めて高い中で、さらに公的医療費の制度の見直し等を通じて患者の負担を引き上げる方向というのは、これは病気になった方やご家族に二重三重の負担を強いるということになると思います。

参政党としては、社会保障費の適正化は必要だというふうに主張しておりますけれども、その手法は患者負担の引上げではなくて、予防医療、それから重症化予防の推進によって行うべきだという主張をしております。

消費税や社会保険料、物価高に加えて医療費の自己負担まで重くなれば、治療継続を断念する方が現れたり、生活が破綻する方が出てくるということも先生はおっしゃっておられますけれども、それは結果として社会全体の損失を拡大するというふうに考えます。

そこで天野先生にお伺いしたいんですが、患者の負担、それから高額療養費のお話ありましたけれども、特にその予防医療とか重症化予防の推進についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。

委員長 坂本哲志

坂本委員長天野君。

参考人 天野慎介

天野慎介私は専門家ではない立場でということでお話をさせていただくと、長らく日本では2006年がん対策基本法が整備しまして、がん対策基本法の中でもがんの予防というのは非常に大きな柱として位置づけられてきましたが、ではその中で、例えばいわゆるがん対策の検診率が諸外国と比べて高いかというと、必ずしも高くないという現状があります。

なので政府も積極的な予防医療ということをおっしゃっているかと思うんですけれども、そういった予防医療というのはまだまだ進める余地は残っていると思いますので、社会保障の適正化という観点からも予防医療は極めて重要だというのは、先生の御意見に賛同するところです。

質疑者 石川勝

石川勝どうもありがとうございます。

続きまして小山様にお伺いをしたいんですが、エネルギー安全保障と国民負担、及び公営インフラや基幹エネルギー分野における外資の参入について、2点お伺いをしたいと思っております。

エネルギーの安全保障が重要だということは当然のことでありますけれども、しかしそんな中で日本の家庭や中小企業は電気代、ガス代、燃料費の高騰、これに苦しみ続けていると思います。

多様な電源構成とか安定供給が必要だということはわかりますが、これまでさまざまな政策を推進してきましたけれども、結果として国民の負担率が軽くならないというのであれば、これまでのエネルギー政策は成功しているとは言い難い状況があるんじゃないかと考えております。

また日本はエネルギー自給率の低さが課題とされておりますけれども、資源だけでなくて設備、技術、サプライチェーン、それから場合によっては外資の影響まで含めてみたときに、真の意味でのエネルギーの自立ということにはなお距離があるのではないかと今現状考えております。

そうした意味からも参政党では、内需の拡大と安全保障の観点から国内基盤への投資をもっと強めるべきだと主張しておりまして、特に公営インフラとか基幹エネルギーの分野につきましては、効率性だけを理由に海外資本や海外主体への依存を深めることは、これは安全保障上の懸念があると考えております。

エネルギーや水などの基幹インフラについては、国家としてより慎重なルールの設定が必要でないかと考えているところであります。

そこで小山様にお伺いしたいんですけど、このエネルギーの安全保障と国民負担について、また基幹インフラにおける外資の参入についてのお考えを参考にさせていただきたいと思いますので、御所見をお伺いいたします。

委員長 坂本哲志

坂本委員長小山君。

参考人 小山堅

小山堅ご質問ありがとうございます。

私は今ご質問、ご指摘があった基幹戦略的なインフラにおいては、国内基盤を強化することは絶対必要だというふうに思いますし、外資の関わりについては、これまで以上にしっかりとした精査、チェック、レビューといったものが必要になるだろうというふうに思います。

エネルギー政策の歴史を研究してきたものとして、過去80年代、90年代以降は、エネルギーというのは特別なものであるというところから、エネルギーも普通のものになってきたので、市場原理や経済原則というのをより当てはめていくべきだという流れがこの半世紀近く続いてきたと思います。

しかしこの5、6年ほどその流れがまた逆転して、エネルギーというのは極めて戦略的に重要な分野であり、国家と国家がぶつかり合うようなところだというような意識が強く芽生えています。

私は今、その世界にはエネルギーの分野で3つの支配(ドミナンス)が競争しているというふうに思ってまして、一つはアメリカが主導する、トランプ大統領が言う「エネルギードミナンス」。

これは主に石油とガスの分野の支配ドミナンスです。

もう一つは中国が支配する、どちらかというとクリーンエネルギーやクリティカルミネラル、レアアースにおけるドミナンス。

そして3つ目がAIや情報化を巡るドミナンス。

これはいずれもエネルギーに直接結びついています。

日本はこれらの世界情勢の中で、ご質問があったとおり重要な国家インフラ戦略分野として、それを守る、育てるというようなことをこれからやっていくということがどうしても必要になると私自身も思っております。

委員長 坂本哲志

坂本委員長:石川君、どうもありがとうございました。

続きまして遠藤様にもお伺いをさせていただきます。

質疑者 石川勝

石川君:エネルギーの安全保障と国民生活に関連しまして、外国人の土地購入規制を含めた総合的な政策についてお伺いしたいんですけれども、エネルギーの安全保障を考える際には、供給の安定確保これだけでなくて、国民が無理なく負担できる価格であることも極めて重要だと考えております。

原子力を含む現行エネルギーの政策は、国民負担率が高止まりする中で、家計や中小企業の負担軽減に本当に資する計画になっているかというのは、今現状では疑問であります。

我が国のエネルギー政策は安全保障の名のもとに、原子力と化石燃料、再エネ、この組み合わせの議論をやっておりますけれども、どの選択肢を取るにしても海外依存や外部リスクを抱えていると思っています。

そうであれば、単に電源構成の議論だけでなくて、国内での技術基盤とか供給も重要な土地ですね、あるいは施設の管理、これまでを含めた総合的な安全保障政策というのが必要だと考えております。

安全保障と国民生活、そして外国人の土地購入の規制も含めた総合的な政策について、御意見をお伺いいたしたいと思います。

よろしくお願いいたします。

参考人 遠藤典子

遠藤典子:はい、ご質問ありがとうございます。

まず国民生活の基盤であるという観点から言いますと、先ほど小山委員も触れておられましたが、原子力が稼働した地域、例えば今現実的には九州であるとか関西であるとか、その地区の電気料金というのは極めて低位に安定をしているというふうな状況になります。

ですので、現時点で既存の原子力発電所を稼働させるということが、日本の国民生活を支えるエネルギーの基盤になるんだと。

先生のご関心があります土地の問題でございますが、これは外国資本におけるところは外為法の規制にも関わってきますので、5万キロワット以上だと思いますが、そこの大きな発電施設に関しましては審査が重要で必要になるということ。

あとまた重要土地利用規制法というのがございますので、その中で重要施設の周りの規制があるということです。

ですので、関連処方案を全部組み合わせた形で、エネルギー問題を再構築していくというのは、先生のおっしゃる通りだと思っておりますので、エネルギーが安全保障の要諦だということを念頭にして、全体として議論をしていく、先生のおっしゃる通りだと思っております。

以上です。

質疑者 石川勝

石川君:大変貴重な御意見をいただきまして、心から厚く御礼を申し上げます。

終わります。

ありがとうございました。

高山聡史 (チームみらい) 21発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志君。

高山君。

質疑者 高山聡史

高山聡史:天野理事長の皆様、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございます。

チームみらいの高山聡史でございます。

この時間はまず天野理事長にご質問させてください。

今回の高額療養費制度の見直しによる保険料の軽減効果というものが、この予算委員会でも次の中でありました。

上野厚生労働大臣の答弁によれば、1人当たり月額約120円ということでした。

一方で、自己負担額の増加幅というのは最大38%に及ぶということを聞いております。

ここで伺いたいのは、そもそもこの負担増の是非ということよりも、実際にこういうことがあったときに、患者さんの行動にどういう影響が出るかという点です。

具体的には自己負担額の限度額が引き上げられることで、例えば治療の開始を躊躇されるであるとか、結果としてその治療の開始そのものが遅れるというケースがどの程度生じ得ると考えられるでしょうか。

これは何かアンケートであるとか、あるいは日ごろ患者さんと接しておられる中での実感も含めて、天野理事長の所感をお伺いできればというふうに思います。

委員長 坂本哲志

天野君。

参考人 天野慎介

天野慎介:ご質問ありがとうございます。

今回の高額療養費の見直し案ですね。

先ほどから申し上げたように、長期にわたり継続して治療を受ける患者さんに関しては、負担が増えるということはなく、配慮はされているので、例えば抗がん剤治療をずっとやり続けるような方は、その方々はサポートされるというか、救われる面があるかと思います。

が、まさに先生もご指摘のとおり、月額で見た場合、どういったことがあり得るのかということですが、例えばがん治療、今申し上げたように、ずっと1年間通じて飲み続けている、治療を受け続けている方は実際いらっしゃいますけれども、一方で例えば2ヶ月に1遍とか治療を受けている方がいるとします。

結構そういうことはあり得ます。

そうすると年6回、高額療養費の上限に該当するということがあり得るわけですけれども、そうすると今回の高額療養費の見直し案だと、おそらく負担増になってしまうということが想定されています。

もちろん個別例でかなり金額とか違ってくるので全てそうだとは言えませんが、おそらく上限が年のうち1回から、おそらく8回、9回ぐらいまでは負担増となる可能性があるというふうに考えています。

具体的にそういった負担増となった場合にどうやって患者さんを支えられたらいいんだろうかということについてはなかなか難しいんですが、昨年の高額療養費制度の見直し案が出たとき、私は実際にがん患者さんをサポートしているがん相談支援センターであるとか、がん専門病院のソーシャルワーカーの方々と対応策を話し合ったことがありました。

そのときにソーシャルワーカーの方々がおっしゃったのは、「もし患者さんが治療できないような経済的負担になった場合は、これは申し上げにくいのですが世帯を分けたりとかそういった形をして、あるいは離婚という形にもなるかもしれませんが、そういう形をして生活保護を受けていただくしかおそらく手段はないだろう」ということを相談支援センターのソーシャルワーカーの方々はおっしゃっていた。

これが現実だとは思っております。

他に、その後の質問の内容をもう一度おっしゃっていただいてよろしいでしょうか。

委員長 坂本哲志

高山君。

質疑者 高山聡史

高山聡史:そうですね。

実際に治療開始が遅れるケースであるとか、治療の開始が遅れるケースということになっているけれども。

参考人 天野慎介

天野慎介:これは実は現時点でも、実はそういった患者さんがいらっしゃって、特に先ほど申し上げたようにも。

委員長 坂本哲志

高山君。

質疑者 高山聡史

高山聡史:ありがとうございます。

本当に支払いができなくなった時に離婚して世帯を分けるということであったりとか、あるいは生活保護を受けるといったことは、かなり迫られた究極の判断を患者さんが迫られることがあるということだと重く受け止めたいと思います。

また、治療の開始の遅れ、これは実際に今も発生をしているということで、ある意味、現時点の検討がですね、すでに闘病、治療を開始されていて、月々ずっとお金がかかっているという方に対しては、多数、制度の網であったりとか、今すぐにでも声を上げたい方に対してきちんと対応しようということが考えられていることは、これは大変評価できるところだと思うのですが、まさにこれから、もしそういったがんにしても難病にしても、いつ自分の身に降りかかるかわからないという性質がある中で、そういった方の万一の事態を守れなくなるということに対しては、大変慎重な検討が必要であるというふうに思います。

もう一点お伺いをさせてください。

この現行の案において、制度の運用上も、配布いただいた資料にもありますが、課題があるというふうに認識をしております。

例えば年間上限が償還払いであったりとか、申告制であるということであったりとか。

あと、複数医療機関における自己負担額の合算の問題。

そして、加入する保険者が変わった場合に、多数回該当とのカウントがリセットされるといった問題。

これが、高額療養費制度というのは、患者さんを守るために作られた仕組みであるにもかかわらず、まだまだ改善しなければならない点であり、実際の療養生活の中で恩恵が十分届かない。

委員長 坂本哲志

天野君。

参考人 天野慎介

ご質問ありがとうございます。

先ほどお示した資料に即して申し上げますと、例えば加入する保険者が変わる際に多数回該当がリセットされてしまうという問題は、これはかなり多くの患者さんから改善を求められていて、専門委員会でも私も申し上げて、一定程度は入れていただいています。

これは実際どういうことが起きるかというと、例えばがんの患者さんとかがやむを得ず転職をする、退職をする、あるいは転居等において保険者が代わることはあるんですけれども、そのたびに多数回該当はリセットされてしまうと、一気に負担が上がります。

なので患者さんとしては、多数回該当に達するために何とかしたいというふうな思いが出てきて、場合によっては治療とか検査をまとめるとか、そういったことをされる方も実際にいらっしゃいます。

なので多数回該当に当たるか当たらないかだと全く負担の額が違ってくるので、ここは特に患者さんから強く要望が出ているところです。

また、いわゆる合算ができない問題ですね。

例えば2万1千円未満って具体的にどういったことが出てくるかというと、例えばですね、検査ですね。

がんの患者さん、経過観察等でCTの検査とか受けたりすること結構あるんですけども、そうするとCTの検査だけ別の病院で受けるということも実はあったりします。

そうすると大体3割負担、もちろん個別によって違いますけど、2万円に達しない額なんですよね。

そうするとその額は多数回該当の上限の額に達しないので、結局その部分は払わなければいけなくなってしまって、まとめることができません。

そういったことで負担が雪だるま式にどんどん増えていくという方がいらっしゃいます。

また、例えばがん治療を受けている病院以外でサポーティブケアということで、緩和ケアであるとか支持療法を受ける方もいますので、そういった医療機関の複数の連携の中で複数の病院を受けていると合算ができなくなって、負担がどんどん増えていくということは実際生じていて、現役世代でこういうことは生じているので、ぜひこの部分は速やかに検討していただきたいというふうに願っています。

委員長 坂本哲志

高山君。

質疑者 高山聡史

ありがとうございます。

天野理事長にお伺いさせてください。

今回の高額療養費の件、今回の検討もそうですが、今後定期的な見直しという議論もあると承知しております。

このあたり、患者さんからしてみると、負担額、自己負担の限度額というものが年々上がっていくのではないかというような懸念もあるのではないかと推察します。

そのあたり、リアルな患者さんの声があれば、ぜひ共有いただけますでしょうか。

委員長 坂本哲志

天野君。

参考人 天野慎介

ご質問ありがとうございます。

今先生ご質問の点は、おそらく2月に共同通信の方で、今後の医療保険の改革の法案の中で、2年ごとに見直しをするというふうな規定が入ったというふうな報道があって、その報道を見たときに、私たちも全国がん患者団体連合会やさまざまな患者会から、「耳を疑う」であるとか、「こんなのは全く認められない」であるとか、非常に厳しいお声をいただきましたし、SNSでも当時大きな騒ぎになったと承知しております。

先ほどお示ししたように、現時点でも高額療養費に関しては、月額上限に関してはWHOが定義する破滅的医療支出の水準を超えてしまっている水準にあります。

なので正直なところ、これ以上月額上限に関しては負担を上げる余地は残っていないのではないかというのは私の率直な意見ですし、年間上限を設けていただいていますが、これはもう年間で見ていますので相当高い金額をこちらも払っています。

そう考えると現状では、これ以上高額療養費制度に関しては患者さんの負担を上げる余地が残されていない。

上げられてもおそらくは払えない方が続出するのではないかと懸念しています。

委員長 坂本哲志

高山君。

質疑者 高山聡史

天野理事長のお話を伺いながら、先ほどご紹介をいただいた斉藤和也さんのメッセージということに少し合わせて思いをいたしていたんですが、ある意味政治に無関心なまま制度が変えられていく恐怖ということが述べられていたのかなというふうに思うのですが、今、この高額療養費制度に関する議論ですね。

やはり当事者が自分が当事者でなかったりとか、あるいは周りの当事者がいないと、なかなか実感を持ちづらい議論であるように思います。

そんな中、年々上がっていくような恐れがあるんじゃないかというような、ある意味恐怖が広がっていくというのは望ましい姿ではないであろうと。

また、この制度と他の制度等を比較したときに、こういった大変苦しい立場にある患者さんの負担がそういった公平感の問題もあるのかなというふうに思います。

私たち国会での議論、そういった患者さんのリアルな懸念であるとか、あるいは思いをしっかりと受け止めて議論を進めてまいりたいなというふうに思います。

ありがとうございます。

すみません、時間が少ない中ですが、遠藤先生に1点お伺いをさせてください。

先ほどからエネルギー供給に関するお話、午前中もございましたが、大変注目を向けられている状況だと思います。

非常に事態が流動的である中で、このエネルギー安全保障に関する計画ですね。

短期、中期あると思うんですが、どういう時間軸で見直しを図っていくのがあるべき姿なのかというところですね。

これに関して先生のご所見を少しいただけますでしょうか。

委員長 坂本哲志

遠藤さん。

参考人 遠藤典子

ご質問ありがとうございます。

今、エネルギー基本計画というものは中長期の見通しを立てるということで、おおむね3年に1回の見直しがされております。

この重要性は、これからの電源投資をする事業者にとってしっかりと予見可能性を与えるという意味で、非常に大事な側面になっております。

今のこういう情勢を受けた短期的な見直しというものは、それぞれ各省がやっていたり、今、国会の場でいろいろと議論がされたり、補正が組まれたりとか、予算的措置がされたりとか、そういうことが行われてくるんだと思います。

ちょっと付言しておきたいのですが、実際に今のLNGの価格が、すぐさま今、電気料金に跳ね上がるかというと、そうではありません。

電気料金というのは、燃料費調整というシステムがありまして、だいたい貿易統計から取られますので、前の3ヶ月から5ヶ月の平均の値で電力料金が決まってきます。

ですので、そういうものを注視しながら現状に対応していくということが大事になると思っております。

委員長 坂本哲志

高山君。

質疑者 高山聡史

ありがとうございます。

実際に今、マーケットの原油価格であるとか、各種エネルギー価格の動きと、実際に調達でかかる費用のインパクトというものが、また違った時間軸であるということが重要な点だと思いました。

時間ですので、これにて私の質問を終わります。

ありがとうございました。

辰巳孝太郎 (日本共産党) 11発言 ▶ 動画
委員長 坂本哲志

坂本哲志君。

質疑者 辰巳孝太郎

辰巳君。

辰巳孝太郎(日本共産党)でございます。

今日はお忙しい中、予算委員会の公述人としてお越しいただきまして、本当に貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございます。

まず天野公述人にお聞きをしたいと。

私もこの予算委員会で、高額療養費の上限見直しの問題というものを取り上げてまいりました。

上限見直しをされたとしても、社会保険料の軽減というものが月額ペットボトル1本ほどではないかということで、ペットボトル1本分の負担の軽減で助からない命を増やしてしまうのは絶対ダメじゃないかという趣旨の質問もさせていただきました。

この質問の中で、非常に興味深いといいますか、気になると思ったやりとりもありました。

それは、高額療養費の負担増によって、政府は2450億円中1070億円の医療費の削減、これを受診抑制として見込んでいるのではないかという質問をしたところ、「受診抑制としては見込んでいない」というようなお話をされたんですね。

おそらく政府としては、そういう言葉であまり語りたくないということだと思うのですが、実際問題としては受診抑制として1000億円以上、つまり治療を諦めたり、あるいは治療を軽いものにしたり、薬を安いものにしたりということが、今回の高額療養費の負担増で見込まれているということだと思います。

そこで天野公述人に改めてお聞きをしたいのですけれども、やはり今回の高額療養費の負担増となってしまえばですね、患者さんに与える影響は……。

参考人 天野慎介

天野慎介(公述人)ご質問ありがとうございます。

この間、高額療養費の見直しというお話が出てから、多くの患者さん、ご家族から、我々患者団体にも本当にたくさんのお声をいただいています。

特に、我々がんの患者団体ということで申し上げますと、がん治療になってきますので、その中でお金が足りないとなると、がん治療を一部ですね、ためらう、あるいは諦めるということになってきまして。

実は現行の高額療養費制度においても、私もこの間、こういった高額療養費の見直しの話が出てから、現場を行っている医療者の方々にもお話を伺いましたが、実は現在でもですね、やはりお金が足りないからこの治療は受けないと、よりなんて言うんですかね、治療効果がより低い昔の治療と言ったらいいんですかね、そういった治療を選択されているような患者さんは、現在でもいらっしゃるというふうには聞いておりました。

なので今回引き上げとなりますと、もちろん末端的に負担が増えない患者さんもいらっしゃいますが、負担が増える患者さんは当然従来いらっしゃったわけですから、増える可能性はあり得ると考えています。

質疑者 辰巳孝太郎

辰巳君。

そうですね。

昨年衆議院で通った予算が参議院の方で修正をされたと。

現行憲法下で初めてのことが起こったということの過程の中でも、参議院の方で当事者の方が発言をされる、あるいはSNS等で若い現役世代のご夫婦で、「もう現行の高額療養費の負担もできないので、治療を諦めて子どもの教育費、衣服費に回すと決断をした」という悲痛な声がやはり出たわけですので、それをさらに負担増させていくというのはちょっとあり得ないというふうに思うんですね。

それと今日、非常に天野参考人から貴重な資料をいただいたなというふうに思って見させていただいたのが、8ページというか6ページ以降の、先ほど少しありました「破滅的医療支出」というこの概念でございます。

この医療費の支払い能力という概念があると。

これは家計の総消費額から基本的ニーズ、食費、住居費、光熱費などを差し引いた残りのお金と。

その残りの支払い能力から自己負担が4割、医療費の支払い能力の4割を超えてしまうと破滅的、もう生活が成り立たなくなるよねと。

そういう指標だというふうに思います。

今日いただいたのは、これは現行でこうなるんじゃないかということですよね。

(天野公述人がうなずく)それでこの8ページ、例えば月額ですね。

年額でいうと年限というのが設けられるということなんですが、今回月額で言っても、支払い能力に対する自己負担上限の割合がですね、この低所得の方ほど非常に重くなると。

という指標がこの8ページで出ているということですし、9割とか9割5分とかいうことになると、もうどえらいことですよね。

300万の方は69%、これも破滅的医療支出ということになる。

ほとんどの所得でそれに近いようになってしまうということだと思います。

さらにひどいなというふうに思ったのが10ページですかね。

これも月額なんですけれども、おっしゃっていただいたとおり、重い病気に罹患をされるということになると、仕事が続けられなくなってしまう方が多い。

従来の所得を維持できないということで所得減少となってしまう。

そのケースで見てみた場合に、本当に驚愕で、これが年収400万の方で125.6という指標が出ているということは、これは要するに……。

従来の所得ではもう足りずに、借金しないと賄えないということなんだろうと私は思うんですよ。

100%を超えるということは、軒並み4割超えて、8割とか6割とかということになると。

ですから現行制度でも、今の高額療養費でも、所得が減少してしまうと生活そのものが成り立たなくなるということですので、これを今回、月額で上限を上げてしまうということになれば、さらに負担が増えてしまうということになるのは、もう日を見るよりも明らかだというふうに改めて思いました。

そこで天野公述人に改めてお聞きしたいんですが、先ほどもありましたけれども、少し報道でこの高額療養費の上限額を定期的に見直していくんだという話もありました。

それの報道に対する受け止め、当事者の皆さんの受け止めを改めて聞かせていただけませんでしょうか。

参考人 天野慎介

天野君。

御質問ありがとうございます。

先ほどもお答えしたんですが、おっしゃるとおりでして、本当に驚愕というかですね、全くそういった話が今まで出てなかったので。

現行の引き上げでも厳しい、今回の引き上げ案でも見直し案でも厳しいという意見が出ている中で、「2年ごとに上げていくとは全くもう無理だ、払えない」というお声を多数いただいています。

で、月額上限がなぜ厳しいのかということなんですけれども、よく言われるのが「貯蓄はあるだろう」とかですね、そういうことを言われたりするんですが、実際の私たちのアンケート、3000人を超える方々のアンケートで、特に現役世代の方から本当に切実な声が寄せられていて。

例えば40代の女性の方のお声をここで紹介しますと、この方は現在乳がんの治療中で、がん保険には加入されていなかった非正規雇用だと。

都内で賃貸の一人暮らしをされているというふうなことをおっしゃっていて、いわゆるカードのリボ払いでしのいでいると。

医療費を払って貯蓄は全くないんですよね。

なので、そういった中で支払っているので、月額上限が上がっても蓄えがない方がいらっしゃるので、そういった場合は特に厳しい状況になってしまうということが言えるのではないかというふうに思います。

質疑者 辰巳孝太郎

辰巳君。

リボ払いという話がありましたけれども、大変厳しい状況であるということを思いました。

それでは連合の神保公述人に、裁量労働制についてお聞きをしたいと思います。

裁量労働制の見直しという話がこの間されております。

労政審において議論がされているわけですが、最近の厚生労働省の調査を見ても、裁量労働はそうでないものと比べて労働時間が長く、「働き方を自ら決める」という触れ込みもあるんですが、実際は上司が決めてしまうというのが3分の1になっているということなど、いわゆる違法とか乱用の実態というのがあるんじゃないかなというふうに私は思います。

処遇もそれに見合ったものになっていないという指摘もされていますけれども、この現状の裁量労働制の問題点をどう見ておられますでしょうか。

参考人 神保政史

神保君。

ありがとうございます。

裁量労働制を先ほど申し上げましたけれども、導入しているところ数多くあります。

そういった中で的確な運営をしているところもあれば、なかなかその制度趣旨に沿った運営ができていないところも多数あるのは承知しております。

多くあるところはですね、ある一定のみなし労働時間があったとして、その手当てがあったとして、それを上回る労働時間をしているにもかかわらず、そこの管理がずさんであったりとか、そこに対する健康上の配慮あるいは残業代的なものの配慮が行き届いていない。

こういうことがあるという実態から、2024年にその運営をしっかりとやっていこうと、こういうことで見直しがされたというふうに認識をしております。

そういった中において、やはり現時点では、これは労使自治の下でしっかりと運営していくんだということ、あるいは健康管理であったり労働時間をしっかりと把握していくんだということ、そして何よりも裁量がその方にあるのかないのかと。

このことをしっかりと確認するということ。

そういうような制度の基本的なものがしっかりと成し得て、制度の趣旨どおりに運営がなされるということですから、そういうようなことのチェック機能であったり、課題が出たときの対処方法であったり、そういったものをしっかりと進めていくサイクルを回していく、このことが重要なんではなかろうかというふうに思っております。

質疑者 辰巳孝太郎

辰巳君。

ありがとうございます。

続けて、公述人にお聞きしたいんですが、日本の正規の労働者の労働時間というのは、やはり国際的にも長く、労災認定の件数や過労死というのもむしろ増加をしていると。

今、裁量労働制という話もあるんですけれども、やはりこの労働時間の規制ということでいうと、緩和という流れではなくて、今、日本ではやはり厳格化こそ求められているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

参考人 神保政史

神保君。

ありがとうございます。

これ、日本の労働時間の長時間化というのはですね、いろいろ以前から指摘があるところでございまして、やはり過労死という残念な結果であったり、その言葉がですね、やっぱり世界的にも通用してしまうような、そんな悲しいことがあったと。

そして今もなお、そういうような実態がゼロになっていないということ、このことはそれぞれが重く受け止めるべき課題だろうというふうに思います。

先ほどご説明していただいたときの資料8ページ目にあるように、これは時間外労働の上限規制等に関する労使合意というものが、これは2017年ですからもう9年前になるわけでございますけれども、ここに記載されているのは、長時間労働に依存した企業文化、職場風土の抜本的な見直しということ、加えて過労死・過労自殺ゼロの実現ということを謳ったところでございます。

これは長時間労働に頼っている風土ではなくて、いかにこの効率的な業務を遂行しながら生産性を高めていくかということであったりとか、そういうような働き方改革を目指そうということでございますから、そのことが今、実態と照らし合わせてどうなのかということのチェックも必要だと思いますし、そこに課題があるのであれば、それをしっかりと受け止めて改善していくべきだとこのように思います。

質疑者 辰巳孝太郎

辰巳君。

ありがとうございました。

我が党もですね、1日の労働時間8時間ではなくて7時間にしていこうと、そういう政策も掲げておりますので、きちっと緩和ではなくて厳格な管理、監督行政を含めてしていく必要があるというふうに思っております。

時間が参りましたので、今日質問できなかった公述人の皆さん、本当に含めてありがとうございました。

以上です。

委員長 坂本哲志

これにて、公述人に対する質疑は終了いたしました。

公述人の皆様におかれましては、貴重なご意見をお聞かせいただきまして、誠にありがとうございました。

心からお礼を申し上げます。

今後ともまたよろしくお願いいたします。

以上をもちまして、公聴会は終了いたしました。

次回は明11日午前9時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。