経済安全保障担当大臣、外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣、クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策、人工知能戦略、経済安全保障を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の下、経済的措置を通じた脅威が増大しています。
自由な経済活動に十分配慮しつつ、国家及び国民の安全を経済面から確保することの重要性が一層高まっています。
我が国の自立性や優位性、不可欠性の確保に向け、サプライチェーンの強靭化、重要技術の流出対策、同盟国・同志国との連携の強化や、産業が直面する各種リスクの点検など、関係大臣の協力を得ながら、経済安全保障を推進する上での様々な課題に取り組んでまいります。
経済安全保障推進法については、施行後3年を目途に必要な措置を講ずるとの規定に基づき、本年1月に取りまとめられた有識者会議による提言も踏まえ、海底ケーブルの敷設などの重要な役務への支援、経済安全保障に資する海外事業の展開支援、医療を含む基幹インフラ制度の強化、総合的なシンクタンク機能の構築等を実現するための改正法案を提出いたしました。
昨年5月に施行された重要経済安保情報保護活用法について、引き続き着実な運用を期してまいります。
さらに、夏の成長戦略の取りまとめに向け、官民投資ロードマップ策定について担当する7つの戦略分野の検討を進めます。
特に危機管理投資、成長投資は経済安全保障の取り組みと表裏一体であることから、産業政策と経済安全保障の結節点に集中的に投資を進め、経済成長に資するようスピード感を持って取り組んでまいります。
一部の外国人による我が国の法やルールを逸脱する行為や制度の不適正な利用について、国民の皆様が不安や不公平感を感じる状況が生えており、こうした問題ある行為に毅然と対応します。
このことは、ルールを守って暮らしている外国人の方々にも資するものです。
このため、本年1月に「外国人の受け入れ秩序ある行政のための総合的対応策」を取りまとめ、国と地方自治体との情報連携や制度の適正利用を進めること、外国人による土地取得などに関する規制のあり方を検討し、この夏までに骨格を取りまとめるなど、国土の適切な利用管理を進めること等を盛り込みました。
関係大臣と協力して総合的対応策に盛り込まれた施策を着実に実施するとともに、外国人政策を秩序あるものとするため、不断の検討を進めてまいります。
重要土地等調査法については、対象となる区域内の土地等の利用状況等について、土地等利用状況調査等を着実に実施し、重要施設及び国境離島等に対する機能阻害行為を防止すべく万全を期してまいります。
また、同法の附則第2条には、法の施行後5年を経過した時点での見直し規定が置かれているところであり、法の執行状況や安全保障をめぐる国内外の情勢なども踏まえ、議論を進めていきたいと考えています。
科学技術イノベーションは強い経済の基盤であり、国力の源泉です。
本年4月に開始した第7期科学技術イノベーション基本計画は、地の基盤としての科学の再興、技術領域の戦略的重点化、科学技術と国家安全保障との有機的連携などを政策の柱としています。
研究開発投資について、5か年で政府目標60兆円、官民目標180兆円と定めており、関係府省が一丸となってイノベーションを生み出すための社会システムの再構築を進め、我が国が新技術立国となることを目指します。
特に、AI、量子、フュージョンエネルギー、バイオマテリアルなどの分野における戦略の推進、ムーンショット型研究開発制度、経済安全保障重要技術育成プログラム、南鳥島周辺海域におけるレアアース生産に向けた研究開発をはじめとした府省横断的な取り組みを行う戦略的イノベーション創造プログラムなどの戦略的な研究開発、国際卓越研究大学への支援、地域中核大学の振興などの重点施策を推進します。
また、日本版SBIR制度、スタートアップエコシステム拠点の形成、グローバルスタートアップキャンパス構想実現に向けた法案の提出など、スタートアップの創出、育成によるイノベーション推進に取り組みます。
加えて、科学技術外交を進めつつ、J-RISEイニシアチブやオープンサイエンスを推進するとともに、研究セキュリティ、インテグリティに関する対応にも積極的に取り組んでまいります。
また、安全性の確保が大前提という方針のもと、原子力利用に関する基本的考え方に基づく原子力政策を推進してまいります。
さらに昨年12月に策定した人工知能基本計画を踏まえ、信頼できるAIによる日本再起を実現するために必要な支援策や制度的対応を講じ、日本が世界で最もAIを開発・活用しやすい国となることを目指すとともに、AIの利活用に伴う知的財産権、肖像権などの侵害などの諸課題については、必要に応じて関連法制の整備を含めた対応のあり方について検討し、その結果に基づいて必要な措置を講じてまいります。
宇宙分野は外交、防衛、経済、科学技術など様々な分野につながる総合的な国力の源泉ともいえる分野です。
宇宙をめぐる国際競争が年々熾烈になっていく中、我が国としても世界の動きに遅れを取らないように、関係省庁の先頭に立って宇宙基本計画や宇宙安全保障構想、宇宙技術戦略を着実に実行してまいります。
まずは宇宙戦略基金等を活用し、民間企業や大学等による技術開発や実証商用化の支援を拡充します。
また、2030年代前半に我が国から30件程度のロケット打ち上げ数を確保することを目指し、官民によるロケット開発や打ち上げの高頻度化への支援、審査体制の強化に取り組みます。
公共の安全を確保しつつロケットの打ち上げに関する多様な需要に対応するため、宇宙活動法等の改正法案を提出いたしました。
準天頂衛星システムの7機体制を着実に整備するとともに、住域体制に向けた開発を進めます。
さらに、スマート農業、インフラ点検、防災減災など、あらゆる社会課題分野での衛星データの利用拡大、アルテミス計画における日本人宇宙飛行士の月面着陸の実現と、有人与圧ローバ開発の本格化、デブリ対策など、国際ルールの整備などの取組を推進してまいります。
知的財産戦略については、イノベーションを活性化し国際競争力を強化するため、知的財産推進計画及び新たな国際標準戦略に基づく施策を着実に実行するとともに、我が国の基幹産業であるコンテンツ産業を官民でより強化すべく、人材育成や国際的な情報発信等の拠点整備も含めた海外展開、知的財産の保護を支援するなど、各施策を関係省庁とともに推進してまいります。
健康医療については、新たな第3期健康医療戦略に沿って、出口志向の研究開発マネジメントの強化、創薬力強化や感染症危機対応、医療データの利活用の推進を行い、医薬品や医療機器等の研究開発の成果が国民の皆様に日早く届くよう取り組んでまいります。
日本学術会議については、学術の向上・発達を図り、社会の課題解決に寄与するため、昨年成立した法律の内容に従って、法人化に向けた準備を進めてまいります。
このほか、化学兵器処理を推進するとともに、特定秘密の保護に関する制度を適切に運用してまいります。
山下委員長をはじめ、委員の各位のご理解とご協力をお願いいたします。