平口法務大臣。
法務大臣の平口でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
まず委員長、理事及び委員の皆様には、法務行政の運営について格別のご理解とご尽力を賜り、心より感謝御礼申し上げます。
改めてではありますが、法務省は基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護、出入国及び外国人の在留の公正な管理といった重大な役割を担っており、法の支配の下で国民の安全安心を守るという重大な使命を与えられています。
私はこれらの役割・使命を果たすため、皆様のご理解とご尽力を賜りながら、法務行政に誠心誠意取り組んでまいりましたが、これからも一層気を引き締めて、以下の具体的課題に全力で取り組んでまいります。
まず、安全安心な社会の実現に向けた取り組みについてです。
新たな被害者を生まない安全で安心な社会を実現するため、第2次再犯防止推進計画に基づき、国、地方公共団体、民間事業者がそれぞれの役割を果たしつつ相互に連携することで、再犯防止に向けた取り組みを推進します。
先の国会で成立した保護司法等改正法の趣旨も踏まえ、保護司、更生保護事業者、協力雇用主等の民間協力者への支援の充実を図るとともに、保護観察署による更生保護に関する地域援助等の取組を通じて、地域における息の長い支援を推進します。
公安調査庁において、公共の安全を脅かし得る偽情報の拡散を含む対日有害活動、経済安全保障、サイバー空間上の脅威、国内外におけるテロ関連動向に関する情報の収集分析等に努め、政府の施策に積極的に貢献します。
北朝鮮に関して、核・ミサイル関連の動向、日本人拉致問題を含む対外動向や北朝鮮内部の状況等について、関連情報の収集・分析等を進めます。
我が国の領土・領海・領空の警戒警備に関しても、関係機関と連携し、適時の情報提供を行うなど、取り組んでまいります。
次に、出入国及び外国人の在留の公正な管理を実現するための取組についてです。
厳格な出入国管理を実施し、上陸審査手続の一層の円滑化を図るためのゲスターの創設等を行う出入国管理及び難民認定法等改正案につき、今国会での成立を目指します。
また、国民の安全安心のための「不法滞在者ゼロプラン」を強力に推進します。
難民等の適切かつ迅速な保護支援に取り組むなど、国際状況の変化に応じて適切に対応します。
さらに、デジタル技術等の活用による出入国在留管理行政のDXの推進に努めます。
外国人材の適正な受入れのため、特定技能制度の適正化と令和9年4月の育成就労制度の運用開始に向けた準備を着実に進めるとともに、周知広報に取り組みます。
外国人との秩序ある共生社会の実現のため、本年1月に決定された「外国人の受け入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」に基づき、関係省庁と連携し、外国人が日本語や我が国の制度・ルール等を学習するプログラムの創設の検討や、外国人の受け入れの基本的な在り方に関する基礎的な調査・検討などの各種の取り組みを進めます。
また、外国人の入国及び在留の管理に関する施策の基本となる計画として、第2次出入国在留管理基本計画を策定します。
次に、時代に即した法務行政に向けた取組等についてです。
刑事裁判手続が非常救済手続として適切に機能することを確保するため、証拠の提出命令制度の創設等を内容とする自動車運転死傷処罰等改正法案につき、今国会での成立を目指します。
売買春に係る規制のあり方について、近時の社会情勢などを踏まえ、必要な検討を行います。
成年後見及び遺言の制度について、高齢化の進展等に対応し、国民がより利用しやすいものとするため、後見及び補佐の制度を廃止して補助の制度の対象を判断能力が不十分なもの全てに拡大するとともに、電子データをもって作成する遺言の方式を創設することなどを内容とする民法等改正法案及びその整備法案につき、今国会での成立を目指します。
相続登記、住所等変更登記の義務化は、所有者不明土地対策の中核であり、関係機関と連携し、周知広報などに取り組みます。
また、登記所備え付け地図の整備について、新たな地図整備計画に基づき、地図作成事業を推進します。
次に、困難を抱える方々への取組や国民の権利擁護に向けた取組についてです。
基本計画等に沿って、法テラスによる犯罪被害者等支援弁護士制度の運用の充実を含め、きめ細やかな支援を実施します。
また、関係府省庁等と連携し、引き続き性犯罪・性暴力対策を進めます。
児童虐待防止法対策のさらなる推進についても踏まえ、関係機関と連携し、児童虐待の根絶に取り組みます。
父母の離婚等に直面する子どもたちの利益保護の確保のため、引き続き民法等改正法の周知に取り組みます。
様々な人権問題への対応について、関係省庁等と連携し、人権相談や調査・救済活動を充実強化するとともに、人権啓発活動等の取組を推進します。
有識者検討会における多角的な議論も踏まえ、法テラスにおいて地方公共団体等の関係機関とも緊密に連携し、国民の司法アクセスを一層充実させるため、デジタル技術を利活用した支援の推進を図るとともに、支援の担い手となる弁護士等の確保を含め、持続可能な総合法律支援体制の整備・強化に努めます。
最高裁判所で性同一性障害特例法に、国会議員、次に法務行政における国際貢献に向けた取組等についてです。
法の支配や基本的人権の尊重といった普遍的価値を国際社会に浸透させるべく、その担い手となる国際法務人材の育成と国際機関との連携強化を図りつつ、司法外交を推進します。
司法外交閣僚フォーラムで実施されたASEAN諸国との法務大臣会合の定期開催に取り組むほか、中央アジアプラス日本法務大臣会合の実施に向けて準備を進めます。
中央アジア及び太平洋島諸国地域やウクライナ等に対する法制度整備支援を戦略的に推進するとともに、UNIFELによる国際研修等を通じた各国の刑事司法実務家の能力構築支援を推進するなどして、法の支配の定着に向けてリーダーシップを発揮します。
各国における再犯防止施策の充実に貢献するため、昨年12月に国連総会で開催採択された再犯防止国連準則や、保護司制度をはじめとする公正保護ボランティアの国際社会における認知度向上及び利用促進を図るとともに、公民協働の取組を含む矯正施設での再犯防止施策の知見を各国と共有します。
我が国での国際仲裁の環境整備を進めるとともに、東南アジア地域等における普及を図り、またアンシトラル等の国際機関でのルール形成を主導します。
国際商取引を円滑化し、対日投資を促進する基盤として、関係省庁等と連携し、我が国法令の外国語訳の整備を推進します。
その他、関係機関と連携しながら、及び改正刑事訴訟法等の施行に向けての民事手続き、刑事手続き等のデジタル化に向けた取り組み、法や司法制度の基礎となる諸原理や法の役割を理解し、法的なものの考え方を身につけるための法教育、司法制度を支える人材の確保育成のための新たな法曹養成制度や法曹の魅力についての情報発信等、中長期的な視点に立った法務省施設の耐震化・老朽化対策や、災害発生時の避難所としての機能確保などについても積極的に推進してまいります。
法務省職員と一丸となって法務行政の諸課題に取り組んでまいりますので、委員長、理事及び委員の皆様におかれては、一層のご理解とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。