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まず働き方改革ですが、私の地元、福岡県商工会議所連合会が福岡県全県の商工会議所を対象に意見交換会を開きまして、その声を私に届けてくれました。
その中でのいくつかの意見を拾いたいと思います。
「残業時間の制限により若手従業員の指導時間が減少し、技術の継承や人材育成が難しくなっている。
残業制限により業務が遅延し、小規模事業者は事業主やその配偶者が業務を拭き取っており、経営者の負担増加も見受けられる。
また、従業員からは残業代の減少による収入減が生活水準の低下につながっているという意見や、働く意欲があっても制度上制限されてしまうという不満の声が上がっている。
業務の特性や業務遂行の重要性を踏まえると、希望する従業員が働くことができる『選択式残業制度』の導入について、その可能性を商工会議所として後押ししなければならないのではないかと考える」「働き方改革とゆとり教育、この2つが日本を潰すと危惧している。
人手不足の最大の要因は、約700万もの団塊の世代がリタイアすることだとわかっていたにもかかわらず、政府が十分な対策を講じなかったことにある。
そこへ、働き方改革という人手不足解消と逆方向の政策を導入したため、余計に混乱している。
働き方改革については、業種によって夜勤の有無など個々の会社の事情が異なるため、各企業の実情に応じて柔軟な対応ができる制度としてほしい」「先ほどゆとり教育の話題があったが、若者は本当に働く気がない。
採用して教育しても退職してしまうケースが多い。
20代から30代の若い世代が退社した分、管理職の負担が増えている」「〇〇町では人口減少に人手不足が拍車をかけ、20年前には4社ほどあったタクシー会社が今は1社も残っていない。
よってタクシーを呼ぼうにも隣の〇〇市から来るまで30分以上かかり、夜になるとバスも走っていないので移動手段がなくなるため、飲食店は午後8時ごろには店を閉めざるを得ない状況である」今申し上げたのは、率直に地域の現場が言っている「働き方改革でこんなこと困ってます」という声です。
だから政府に向けられた厳しい声です。
私が言っているわけでもなく、現場の人たちが本当にこれで困っているということを訴えておられます。
こうした声にきちんと応えられる働き方改革でなければならないということを考えております。
今、タクシーがなくなったというお話を差し上げましたが、来年の労働基準法改正では、勤務間インターバル制度について変えようという話になっています。
という意見も出ておりますが、例えば運輸業においては、現行でも改善基準告示において、継続11時間以上とするよう努めることを基本とし、9時間が下限とする休息期間の確保が定められております。
しかし、その9時間でもなかなか実施が難しいという声も聞いております。
このため、一律に11時間で義務化することは、他の産業においても業務に甚大な影響が出る恐れもあり、業界、業態、業務の実態を踏まえた上で、慎重な検討をすべきではないかと考えます。
業種ごとにいろんな事情が違うわけです。
そして、都市と地方でも事情が違うわけです。
とにかく人がいないという中でやりくりをしているわけです。
そんな中で法律で十把一絡げに規制をして、そして義務化をするということは、罰則まで与えるということになります。
インターバルが9時間から11時間になれば、タクシーで言えばハンドルを握る時間が1日2時間減るということになります。
稼ぎたいという従業員もいます。
会社が潰れて「何か稼げるものないか、タクシーが今いいらしいぞ」と言って入ってくる。
そのときに稼げる、乗って乗って稼ごうと思っても、2時間稼働時間が減りました。
じゃあ十分な時間稼げない。
住宅ローンが残っている。
子供が3人いる。
もっと働きたい、稼ぎたい。
そんな人たちが「この業界では稼げない」となりますと、労働者も去っていく。
そして、一律に1日2時間稼働時間が減れば、タクシーの経営者も成り立たない。
そして2時間ずつタクシーが走る時間が減れば、地域の総運転時間も確保できなくなる。
街にタクシーが走らなくなる。
本当に日本の生産性が高まって経済が成長して、地方が、中小事業者が、みんなが、労働者が本当に良くなっているのかということについては、よくよく考えて制度というもの、特に義務化というのは罰則もあります。
よくよく考えてやるべきではないかと。
ということで、業務の実態を踏まえた上で、慎重な検討をすべきではないかと考えますが、厚労省いかがでしょうか。
現在、働き方改革関連法の施行から5年経過した状況等を加えまして、労働政策審議会において、勤務間インターバル制度も含めまして、労働時間制度に関する議論を行っていただいているところでございます。
現行法では、特定の業種職種にかかわらず、事業主の努力義務といたしまして勤務間インターバル制度が盛り込まれておりますが、これにつきまして労働政策審議会の労使からは、「11時間のインターバルを義務化する方向で検討すべき」という意見があります。
一方で、現行の努力義務の下で各企業の実態に応じてさまざまな制度を導入しており、画一的な規制には反対という意見も示されているところでございます。
勤務間インターバル制度につきましては、現時点で何か方向性が定まっているというものではございません。
今後、働き方の実態やニーズを踏まえまして、日本成長戦略会議のもとに設けられた労働市場改革分科会や労働政策委員会におきまして、運用・制度の両面から議論を引き続き進めてまいりたいと考えております。