総務委員会

衆議院 2026-04-14 質疑

概要

株式会社海外通信放送郵便事業支援機構(JICT)の設置期限を2035年度末から10年間延長する法律案について審議が行われました。政府は、AI社会を支えるデジタルインフラの重要性と経済安全保障の観点から、日本企業の海外展開を支援するリスクマネー供給の継続が必要であると説明しました。質疑では、設立初期の投資損失への反省、ガバナンスの強化、地方中小企業・スタートアップへの支援拡大、および累積損失の解消見通しについて重点的に議論され、最終的に原案通り可決されました。

発言タイムライン

自民中道改革維新国民参政チームみらい政府委員長・議長
0分30分1:001:302:002:303:003:30福原淳田嶋要中川宏高見亮許斐亮青木ひ武藤か

発言者(9名)

質疑応答(65件)

JICTの役割と実績
質問
福原淳嗣 (自由民主党・無所属の会)
  • 加速度的に進化する世界のICT市場におけるJICTの役割について
  • これまでの具体的な実績について
答弁
福生田国際戦略局長
  • 2015年にリスクマネー供給等を通じて海外需要を開拓し、日本経済の成長に寄与することを目的に設立
  • 海底ケーブルやデータセンターを中心に28件の支援決定を行い、累積投資額は約1,159億円、誘発された民間投資額は約7,167億円に達した
  • 民間投資の呼び水として適切に機能している
全文
質問・答弁の全文を表示

まず一番最初にお聞きしたいのは、激変し、かつ加速度的に進化し続ける世界のICT市場、あるいは分野において、JICTが果たしてきた役割、あるいは実績についてお伺いをしたいと思います。

JICTは海外で通信、放送、郵便事業を行う者に対するリスクマネー供給などを通じて、海外における需要を積極的に開拓し、収益性の向上などを図ることで、我が国経済の持続的な成長に寄与することを目的に、約10年前の2015年に設立されました。

この10年間のJICTの実績は、海底ケーブルやデータセンターなど、デジタルインフラを中心に28件の支援決定を行っておりまして、2024年度末までの累積投資額は約1,159億円。

これに誘発された民間投資額は約7,167億円となってございます。

これらの支援は、今、議員が申し上げられました、これから旺盛に増えていく海外需要を日本の企業が獲得していくことに着実に貢献し、また民間投資の呼び水としても十分に機能しており、JICTはその目的に照らして適切な役割を果たしてきているものと考えております。

日本成長戦略とJICTの在り方
質問
福原淳嗣 (自由民主党・無所属の会)
  • AI社会における国内成長と海外展開の捉え方について
  • 日本成長戦略における情報通信分野の重要性に照らしたJICTの在り方についての見解
答弁
向山総務大臣政務官
  • JICTが支援するデジタルインフラはAI社会を支える不可欠な基盤である
  • 今後の官民投資ロードマップの実行において、日本企業の戦略的投資の呼び水として海外市場開拓で重要な役割を果たすことを期待している
全文
質問・答弁の全文を表示

今回私の質問は、このJICTは海外の展開と言っていますが、実はいずれAI社会を迎えると、日本の国内の成長と海外をどうやって捉えていくのかが、この情報通信分野で一番重要だと考えています。

特に17戦略分野のうち、インフラの中のインフラと言われているこの情報通信分野について、改めて日本成長戦略とJICTの在り方について、向山政務官にその見解をお聞きしたいと思います。

JICTが支援対象としておりますデジタルインフラは、委員ご指摘のとおりAI社会を支える上で不可欠な基盤でございます。

JICTには、今後取りまとめる官民投資ロードマップの実行に当たって、我が国企業の戦略的投資の呼び水として、情報通信分野の海外市場の開拓において一層重要な役割を果たすということを期待しているところであります。

危機管理投資と調達戦略
質問
福原淳嗣 (自由民主党・無所属の会)
  • 情報通信分野における「危機管理投資」としての国産化の重要性について
  • 中長期的な視点を含めたJICTの調達戦略および政府の考え方について
答弁
福田国際戦略局長
  • 経済安全保障の確保は最重要課題であり、官民一体となった危機管理投資が重要である
  • JICTの支援基準において、外交・対外経済政策との調和および経済安全保障・危機管理の観点を重要な基準としている
全文
質問・答弁の全文を表示

日本成長戦略、これは成長戦略だけでなく「危機管理投資」だと高市総理ははっきりと謳っています。

情報通信分野においてこの危機管理投資といえば、私ははっきり言えば国産化されたものだというふうに思っています。

そういう中において、危機管理投資という観点から、今後のJICTの調達の戦略、こういったものは非常に重要になってくるのではないかと考えていますが、この点に関しまして、中長期的な展開も含めてJICTよりも政府の考え方をお聞かせください。

今、委員ご指摘の危機管理投資、またこれに関連しまして、経済安全保障の確保、これは最重要課題の一つでございまして、我が国における戦略的な自立性、不可欠性の確保に向けて、デジタルインフラ事業の海外展開支援など、官民一体となって危機管理投資に取り組んでいくことが重要でございます。

JICTの支援基準におきましても、支援対象事業について我が国の外交政策及び対外経済政策との調和が取れているものであることを求めておりまして、経済安全保障危機管理の観点は支援決定に当たっての重要な基準となってございます。

投資領域の拡大(衛星通信等)
質問
福原淳嗣 (自由民主党・無所属の会)
  • 次世代ワイヤレスや非地上系ネットワーク(衛星等)の重要性について
  • JICTの投資領域を衛星通信まで広く捉えることへの政府の見解
答弁
福田局長
  • 衛星通信はグローバル展開が前提であり重要だが、多額の投資や需要リスク、政策的リスクなどの課題がある
  • 官民一体の危機管理投資が必要な領域であり、JICTによる支援が呼び水となることを期待している
全文
質問・答弁の全文を表示

それがいずれデータセンターというものが来るのは当然なんですが、むしろそれよりも日本成長戦略や、最後に林大臣にお聞きするんですが、地域未来戦略との関わり合いにおいて、やはり次世代ワイヤレスあるいは非地上系ネットワークのつながりというのは、これを実現することは非常に日本にとって重要だと。

そうすると、このJICTの投資領域、これは広く捉えて、衛星も含めてと私は捉えておりますが、ぜひ政府の見解をお聞かせいただきたいと思います。

衛星が地球の上空に展開するため、多くの場合、グローバルなサービス提供が前提となりまして、ご指摘のとおり、海外展開が重要となります。

他方で、グローバル市場への展開に当たって、多額の投資に踏み切る必要があります。

また、ユーザー側のニーズ変動による需要リスクも大きく、また、衛星地上局などの無線局免許など、当該国の政策的リスクもあり、投資回収に確たる見通しを立てにくいなどの課題があると承知してございます。

まさに官民一体となった危機管理投資が必要な領域でございまして、今後、日本企業による海外展開の促進に向けて、JICTによる支援が呼び水として機能していくことを期待しているところでございます。

地域未来戦略とJICTの連携
質問
福原淳嗣 (自由民主党・無所属の会)
  • 地方から直接世界に打って出るビジネスモデルの創出について
  • 地域未来戦略を踏まえた、地方自治体や地方企業との連携に関する今後のビジョン
答弁
林総務大臣
  • 地域企業の海外展開支援は有効な手段であり、沖縄県の中小企業支援や地銀出向者による人材育成などの実績がある
  • 有識者検討会の報告を踏まえ、ガバナンスを前提に地方企業やスタートアップ、中小企業への支援を一層強化すべきと考えている
  • 地方銀行等との連携を深め、地域企業の海外展開に積極的に貢献するようJICTに促す
全文
質問・答弁の全文を表示

そうすると、これまでJICTは地方自治体と一緒に投資をしていくというような事業はなかったと思いますが、これから地域未来戦略が2年3年と続いていく、その先にある地方から直接世界に打って出る、そういうビジネスモデルや、あるいは地方自治体、そういう技術が出てきます。

そのときのことも踏まえて、ぜひこれは林総務大臣の今後のビジョンをお聞かせいただきたいと思います。

地域経済を支える事業者などの稼ぐ力、これを強化するために、その海外展開支援するということは大変有効な手段であると考えておりまして、JICTでもこの地域の企業の海外展開向け取り組みを行っておるわけでございます。

沖縄県の中小企業を支援した事例がございますほか、例えば地方における投資人材、これを育成するというなどの観点から、地銀から出向者の受入れを通じて、地方人材の育成ということもやっております。

総務省において、昨年10月から12月まで有識者検討会を開催いたしましたが、ガバナンスが確保された事業者との共同出資、これを前提といたしまして、地方企業、それからスタートアップ企業、中小企業、これを一層支援すべきと、こういうご検討の結果をいただいております。

この報告書を踏まえまして、JICTには、地方銀行等との一層の連携を図ることを含めて、地域企業の海外展開に積極的に貢献するように促してまいりたいと考えております。

東京一極集中と税の偏在是正
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)
  • 東京一極集中による偏在問題が深刻であると指摘
  • 法人二税や固定資産税などの税の偏在是正を速やかに行うよう要望
  • 政府としての取り組みの覚悟を問う
答弁
林総務大臣
  • 東京と地方が共に発展することが望ましいとの認識を示す
  • 与党で決定した偏在是正等の取り組みをしっかりと進めていきたい
全文
質問・答弁の全文を表示

昨日、神奈川、埼玉、千葉の知事が林総務大臣にお目にかかっていると思います。

この今の「東京ひとり勝ち」と言っていいのか、偏在の問題は非常に深刻だと思っております。

その後も役所の方にもお願いをさせていただいているところですが、改めて林総務大臣、この問題に対する今後の政府としての取り組みの覚悟を伺いたい。

ですので、速やかにですね、速やかに法人二税のみならず、法人二税のみならず、固定資産税。

しかし両方ともですね、本当にこれ、時間待ったなしだと思います。

改めて覚悟をお願いしたいと思います。

まさに東京と境を接しておられる3つの県が、非常にいろんな意味で困ったと、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、いろんな状況に置かれているということで、これについてしっかり対応する中で、例えば税の偏在是正とか、そういうことをしっかりやっていってほしいと。

私の方からは、まさに今、委員が御指摘いただいたように、これは東京都と他の地方の対立ではなくて、東京も地方も同じように発展をしていくということが望ましいと。

そのためにもしっかりと偏在是正等の、これは与党で決めていただいてもおりますし、そういうことも含めてしっかりと進めていきたいと。

それに従ってやっていきたいと思います。

JICTの設立目的と他の官民ファンドとの違い
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)

- JICT設立時の根拠となった「政策目的が異なる」という点について、具体的にどう異なるのかを質問

答弁
林総務大臣
  • JICTは通信・放送・郵便事業の支援を通じた収益性向上を目的とする
  • クールジャパン機構(海外需要開拓)やJOIN(交通・都市開発)とは目的が異なると説明
全文
質問・答弁の全文を表示

既存の官民ファンドとは政策目的や支援の対象分野も異なっております。

これがですね、この新しいJICTという機構を作る必要性があるんだという根拠になさっているわけでありますが、私がちょっとわからないのは、政策目的が異なるというのはどういうことなのか。

政策目的が異なるとは具体的にどういうことでしょうか。

林総務大臣:このJICTは海外で通信放送郵便事業を行うものなどに対する支援を通じて、我が国及び海外に共通する需要の拡大を通じまして、我が国事業者の収益性の向上などを図ることを政策目的として設立されております。

他の官民ファンドの政策目的ですが、例えばクールジャパン機構、これは我が国の魅力ある商品などの海外需要の開拓を支援して、需要と供給と両方の拡大を図ると。

それからJOINですが、例えば海外での交通事業及び都市開発事業、これを支援して我が国の事業者の当該市場への参入の促進を図るということなど、それぞれJICTの政策目的とは異なるものと承知をしておるところでございます。

JICTの存続期間(20年)の設定理由
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)

- 設立時に20年という期限を切った理由を質問

答弁
林総務大臣
  • 投資回収期間がおおむね10〜15年であることに基づき、既存ファンドを参考に20年とした
  • 公的資金を呼び水とする民業補完の観点から時限的な期間とした
全文
質問・答弁の全文を表示

そこで次の質問をさせていただくんですが、今回この法改正が行われようとしている理由というのは、そもそも最初にJICTを作ったときに20年という期限を切っておったからでございますが、その理由は何だったのでしょうか。

林総務大臣:この創設当時にこのJICTの存続期間、これについては海外における通信、放送、郵便事業、こうしたものが軌道に乗って投資の回収が見込まれる期間、これがおおむね10年から15年であると。

こういうことをベースに既存の官民ファンドの例も参考に、20年としたということでございます。

この存続期間はやはり民業補完ということでございますので、今おっしゃっていただいたように、公的資金を呼び水として民間資金を誘発するための時限的な期間という観点で期限を区切って設けたということでございます。

JICTの新規出資期間の想定と見直しのタイミング
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)

- 投資回収に10〜15年かかるなら、最初の10年で新規案件を終える想定だったのではないかと指摘

答弁
林総務大臣
  • 当初は最初の10年間を主な新規出資期間と想定していたことを認める
  • しかし、有識者検討会の報告書に基づき、依然として民業補完の意義があるため、10年経過時点での見直しは適切であると判断した
全文
質問・答弁の全文を表示

ということは、10年、15年で投資したものに対するリターンが期待できるということであれば、その前にプロジェクトを仕込んでいく期間というのが数年、5年かかってくると思うんですね。

そうすると、であるから20年というふうに、このJICTという機構の存続期間を20年と定めたということは、今成立してから10年が経っているわけですね。

そもそも新規案件への出資というのは、どんなに遅くても最初の10年だと、ちょうど今終わる頃ですけど、最初の10年で新規案件をやめるという想定だったんじゃないんですか、これは。

林総務大臣:委員がご指摘したとおり、この法律を作った当時においては、先ほど申し上げましたように、投資回収の期間がおおむね10年から15年ということで20年といたしましたので、最初の10年間が新規案件への出資を行う主な期間となると、こう想定していたわけでございます。

このJICTは民業補完する主体としての意義が大きいということで、引き続き我が国事業者の海外展開支援を推進すべきという報告書が取りまとめられたわけでございます。

JICTの設置期限の延長については、運用実績や組織の運営状況などを十分に検証した上で判断するということが求められますので、設置から約10年が経過した時点で見直しを行うということは適切なタイミングであると考えております。

当初の想定は今委員がおっしゃったとおりでございます。

設置期限による新規投資への制約事例
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)

- 設置期限が2035年であることで、新たなリスクマネー供給が困難になっている具体事例を求める

答弁
伏田国際戦略局長

- 大規模データセンター事業や宇宙通信事業など、回収に15年程度かかる案件において、期限まで10年を切ったため支援が困難となっている

全文
質問・答弁の全文を表示

それでこういう下りがあるんですが、現在の設置期限が2035年の末であるということで、新たなリスクマネーの供給が困難になりつつあるという政府からの説明をいただきました。

具体事例をお願いしたいと思います。

今般、民間企業よりJICTに対して、投資回収まで10年を超え、15年程度の長期間が見込まれる大規模データセンター事業、宇宙通信事業などへの支援に係る要望が寄せられております。

他方、これらの案件については、JICTの設置期限まで10年を切った今般、設置期限までの投資回収が見込めず、支援が困難となっているところでございます。

事例といたしましては、大規模データセンター事業、宇宙通信事業などがあるところでございます。

法改正のタイミングと妥当性
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)

- 具体的な投資不可案件が顕在化してから法改正するのは遅すぎる。5年前には検討すべきだったのではないかと指摘

答弁
高市内閣総理大臣
  • 5年前はデータセンターや半導体による電力需要増などの議論が始まった頃であり、状況が変化した
  • 今このタイミングで延長することで、新しい案件にしっかり対応できるようにしたい
全文
質問・答弁の全文を表示

私の意見は、今回10年経った頃にこういう話を持ってくるというのは遅すぎると思っているんです。

そう考えてきますとね、こんなふうに危なくなってきた、ひょっとしたら大事な案件なのに投資できないような案件が具体的に4件も顕在化してからですね、法律改正したいというのは、私は順序としてはおかしいと思うんですね。

本来、今より5年前ぐらいに、この軸はもっと先に伸ばしていかないと、これからニーズが増えるんじゃないか、そういうように考えるべきだったと私は思っておりますけれども、大臣いかがですか、その点は。

5年前は私は外務大臣になる前ぐらいですので、そのときにこの職にいたらどう考えていたかというのはございますけれども、おそらくその当時、今のようにこの宇宙光ですとかデータセンターと、当時の電力の需要を考えたときに、まだデータセンターとか半導体とかっていうのがあるので、やはり電力需要が上がるっていうような議論は5年前ぐらいから始まったのかなと、こういうふうにも思い返しております。

ですので、これ10年たって、今から新規案件の投資はもうなくなるだろうと思っていたこのタイミングで延長させていただくことによって、こうした新しい、今委員が資料で付けていただいたような案件にもしっかりと対応できるように改正をお願いしている、こういうことだと思います。

官民ファンドの現状と累積損失
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)

- 日本にある官民ファンドの数、所管官庁、全体の累積損失、海外展開支援機構の数とそれぞれの累積損失について質問

答弁
三木内閣参事官
  • 官民ファンド数は令和7年3月末時点で15
  • 所管は内閣府、金融庁、総務省など9官庁
  • 海外展開支援の3ファンド(JICT, JOIN, COOL JAPAN)の累積損失合計は令和7年3月末時点で1424億円
全文
質問・答弁の全文を表示

官民ファンドというのはたくさんあるようでございますが、今日本にはいくつあるのか。

ファンドを持たない、持っていない、一つも持っていない役所はどこか。

全体としての累積損失はいくらあるのか。

また、日本企業の海外展開を支援する、今回のこの機構のような、そういう機構はいくつあるのか。

どこの所管の機構なのか。

そしてそれらの部分集合ですね、それらの累積損失はいくらあるのか。

まず官民ファンドの数でございますけれども、官民ファンドは成長戦略などの政策目的の実現のため、民間投資者を誘発するようリスクマネーを供給し、民間主導の経済成長の実現を目的とするものでありますが、こうしたファンドを関係閣僚会議における検証の対象としており、その数は令和7年3月末時点で15となっております。

また、官民ファンドを監督している官庁を申し上げますと、内閣府、金融庁、総務省、財務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省でありまして、それ以外の官庁が官民ファンドを所管していないということになります。

海外展開に関する支援ということでございますけれども、主に海外展開に関する支援を行っている官民ファンドは、総務省所管の海外通信放送郵便事業支援機構、また国土交通省所管の海外交通都市開発事業支援機構、経済産業省所管の海外需要開拓支援機構と認識しております。

これら3つのファンドの累積損失の合計ですけれども、こちらは令和7年3月末時点で1424億円の累積損失となっております。

官民ファンドの組織形態(個別組織の必然性)
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)

- 15の官民ファンドが別個の組織として存在し続ける必然性があるのかを質問

答弁
三木内閣参事官

- それぞれの法律に基づき設立され、支援対象分野が異なるため、専門性に基づいた見極め能力を発揮することが効率的であり、別個の組織である理由になると回答

全文
質問・答弁の全文を表示

その内閣官房にさらにお尋ねするんですが、省庁の15ですかね、官民ファンドそれぞれが別個の組織として存在し続ける必然性というのはあるのかということをお尋ねしたいと思います。

聞いていることを答えてほしいんですけれども、別個の組織として存在し続ける必然性はあるのかという質問です。

ただいま申し上げましたとおり、官民ファンドはそれぞれの政策目的に応じてそれぞれの法律に基づき設立されたものでおります。

支援の対象分野もそれぞれ異なっておりまして、それぞれの専門性に基づき投資分野に即した見極め能力を発揮することが、有望案件の発掘・組成のために効率的にもなるものと考えております。

それぞれの法律に基づき設立されておりまして、支援対象の分野も異なりますから、それぞれの専門性を発揮していただくということが効率的になるものですから、そのため別個の組織として存在する理由になると考えております。

JOINの存続期間と見直し規定
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)

- JOIN(海外交通・都市開発事業支援機構)の存続期間と見直し規定について説明を求める

答弁
飯塚国際統括官補佐官
  • 具体的な存続期限は設定されておらず、業務完了時に解散する
  • 代わりに5年ごとに組織・業務の在り方を検討し、必要な措置を講じる仕組みとなっている
全文
質問・答弁の全文を表示

このJOINに関しては、どういう存続期間、先ほどこの軸とは20年ということでありますが、このJOINはどういう存続期間で、どういう見直し規定になっているのか、それを御説明いただきたいと思います。

「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)は、法律上、業務を完了したときには解散することとされていますが、あらかじめ具体的な存続の期限は設定されておりません。

これはJOINが20年あるいは30年以上にわたる長期のプロジェクトを対象とすること、その期間を通じ、相手国政府の信頼も確保しつつ、出資・事業参画を継続的に行うことを踏まえたものです。

このため、存続の期限に代わる措置として、5年ごとに、機構の組織及び業務の在り方など、法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされています。

JOINの支援対象となる海外インフラ事業は、事業期間が長期にわたるものが多い状況に鑑み、引き続き法制度上は、JOINの存続期限を設けず、5年ごとの見直しを実施することが適当であるとの結論に至っております。

JICTのオープンエンド化(期限撤廃)の提案
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)

- 10年ごとの延長ではなく、JOINのように期限を設けない「オープンエンド」にし、5年ごとの見直し体制に切り替えるべきだと提案

答弁
林芳正総務大臣
  • 期限を切って延長することと、ローリング(継続的見直し)で考えることの両論があり得ると認識
  • 民間ファンドの育成状況や国際情勢を踏まえ、適切に検討したい
全文
質問・答弁の全文を表示

後ほどやりますけれども、私は今回を限りとして、また10年後にもう1回延長してくれという話を、林大臣ではないと思いますがやるのではなくて、今回を限りとして、例えばこれから3年以内にオープンエンドにする、つまり期限を設けない組織に切り替えるべきだということを今日この場で提案をしたいと思っています。

しかし私としては、今後3年間でもう一度法律改正して、JOINのようなオープンエンドにして、5年ごとの見直し体制にした方が、今後の特にこの情報通信のような、極めていろんな可能性がこれから人工知能も含めて広がってくる世界にね、唯一リスクをとってお金を出しているそういう組織でありますから。

したがって、今回のような「遅ればせに10年延長しろ」という、そういう中身では駄目で、これから3年以内に期限を設けない法改正をもう一度。

しかし、これから3年間でオープンエンド、5年ごとの見直し、あるいは3年ごとの見直し、そういう仕組みに切り替えていった方がいいと思いますが、大臣いかがですか。

また政策金融、先ほどJVICの例も出していただきましたが、このJVICを含めた政策金融の見直しを小泉内閣でやったときの党側の事務局長もやっておりましたので、確かに委員がおっしゃるように、この融資の方が当初よりは政策金融ですから多いわけですが、そういうところの議論もあるわけでございまして、今まさにおっしゃったように期限を切って3セット伸ばしていくということと、それからローリングで考えていくというのは、両論当然あり得るんだろうというふうに思っております。

実際、上院はそうなっておりますので、今回こういうご提案を有識者会議の報告書もあって差し上げておりますが、今後どうするかということは、民間金融の状況ですとか、我が国の経済、国際情勢を踏まえなきゃなりませんし、先ほど申し上げたように、仮に今JVICがやっている機能に代わる民間のファンドみたいなものが育ってくれば、まさにこれは民業補完という立場からそろそろ卒業かということもありますが、逆に言うと今委員がおっしゃったように、新しいものがどんどん次から出ていくということと、そういう分野が例えば相手国政府の認可に係らせる必要があるとか、そういう公的な部分でいろんなものが必要だといろんな状況が考えられますので、しっかり検討してまいりたいと考えております。

官民ファンドの統合と効率化
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)

- 各ファンドのオーバーヘッド(管理コスト)を削減するため、JICTとJOINなどの類似機構を統合し、一つの大きな組織にするべきだと提案

答弁
林大臣
  • 統合によるコスト削減のメリットと、分野ごとの専門性維持のトレードオフがある
  • 累積損失の解消に向けた枠組み(改善が見られない場合の統合・廃止)に基づき、適切に検討していく
全文
質問・答弁の全文を表示

だけどその後はそういうケースはないということで、両方ともだんだん良くなってくると信じたいですが、そこで私はもう1個提案したいのはね、オーバーヘッドがそれぞれかかっているんですね。

だからせめてね、いろんな産業分野全部まとめて、今組織図をお見せしたこのJVICと一緒です。

どっちも長いとご一緒にまとめてもらって、類似のジョイント、この軸との機構の一元化。

そうじゃなくて、攻めの気持ちを持って、もっとオーバーヘッドを軽くして、まずは最初の一歩としてJOINとくっつくことを考えたらどうなんだということをね。

まさに委員がおっしゃっているように、「これとこれを1つにしろ」と、その方がオーバーヘッドは下がるよねと、これも当然そうですし、逆に目利きの部分でどれぐらいその専門性がそれぞれ集積した方がいいのかと。

やっぱり海外インフラとこれから出てくるICTの分野ではですね、集積度が違ってきて、一緒にすると薄まるというところもですね、両方あるんで、これはトレードオフだとこういうふうに思っています。

これに基づいて官民ファンドの統廃合に係る枠組みがあると申し上げましたが、ここには「改善計画と実績に乖離が認められる場合には、速やかに組織の在り方を含め、抜本的な見直しを行う」となってまして、この見直しによる成果が上がらないときには、他の機関との統合または廃止を前提に具体的な道筋を検討することとされている。

JICTの地方移転による税収の分散
質問
田嶋要 (中道改革連合・無所属)

- JICTとJOINを統合し、本社を東京都外(埼玉、神奈川、千葉など)に移転させることで、法人税収を地方に還元することを提案

答弁
福田国際戦略局長
  • (税収試算について) 2026〜2035年度の10年間で、JICTが東京都に支払う地方税は約80億円と試算される
  • (移転・統合について) 政府全体の統廃合枠組みに基づき検討が必要である
全文
質問・答弁の全文を表示

私はですね、JVICとJOINを統合して、東京都の丸の内と内幸町から引っ越しをして、千葉というとちょっと問題がありますから、埼玉でもいいですよ。

東京の外に引っ越すと、法人二税がそっちに落ちるんですよ。

JOINとくっついて、埼玉県か神奈川県に引っ越ししてくださいよ。

統合して東京都から外に移すということを提案しているんです。

JICTが東京都に納める地方税ということでございますが、JICTがこれまでに投資した案件について、投資回収が行われない場合を想定して、2026年度から2035年度までの10年間で、JICTが東京都に対して地方税を支払う額について、JICTで大まかに試算しましたところ、おおよそ80億円程度、支払う見込みとなってございます。

これに基づいて官民ファンドの統廃合に係る枠組みがあると申し上げましたが、ここには「改善計画と実績に乖離が認められる場合には、速やかに組織の在り方を含め、抜本的な見直しを行う」となってまして、この見直しによる成果が上がらないときには、他の機関との統合または廃止を前提に具体的な道筋を検討することとされている。

JICT設立初期の損失に対する総括と改善策
質問
中川宏昌 (中道改革連合・無所属)
  • 設立初期の4案件で約81億円の損失が出た点について
  • 損失の原因(検証不足や脆弱な財務スキーム)を踏まえ、どのような組織的・制度的改善を行ったか
答弁
布施田国際戦略局長
  • 地政学リスク分析の深化、投資審査の多角化、耐久性の強い投資スキームの採用などの教訓を得た
  • 社外取締役中心の委員会構成への変更や情報収集体制の強化を実施し、令和5年度以降は2年連続で単年度黒字を計上している
全文
質問・答弁の全文を表示

まずJICTが設立初期に直面した経営課題についてお伺いをしたいと思います。

JICTは設立から約10年を迎えて、2025年3月末時点で累計22件の支援を決定しておりますけれども、それらの歩みは決して平坦なものではありませんでした。

特に設立初期の3年間に決定をされました初期4案件。

これがあるわけでございますけれども、これは合計約81億円もの損失を計上しているところであります。

具体的にはMVNO事業、ミャンマーの放送事業、そして2件の海底ケーブル事業であります。

例えばMVNO事業案件では、スタートアップ投資の経験が不足する中で、パートナー企業からの情報を過度に重視して事業計画の実効性を自ら厳格に検証することを怠った結果、支援決定からわずか1年足らずで対象事業者が民事再生を申請するという、こういった事態を招きました。

また海底ケーブル事業におきましても、資金効率を優先しまして負債比率を高めすぎたこの脆弱な財務スキームによりまして、コロナ禍による販売不振の影響を増幅させまして、事業損失に至る大きな要因となったところであります。

まずお尋ねしたいと思いますけれども、これらの初期案件における大きな損失について、JICTはこれをどのように総括をしまして、具体的にどのような組織的、また制度的な改善を行ってきたのでしょうか。

過去の反省が単なる精神論に終わらず、現在のガバナンスにどう仕組みとして定着させているのか。

この点について、まずお伺いをさせていただきたいと思います。

委員ご指摘のとおり、JICTにおいては、設立後最初の3年間で支援決定いたしました4つの案件について損失を計上いたしました。

JICTはこれらの損失計上案件に係る主な教訓といたしまして、地政学リスクに係るより深い分析の必要性、投資審査に係る多角的な確認の必要性、特に海底ケーブル事業におけるリスク耐性の高い投資スキームの必要性などが挙げられております。

その後、JICTにおきましては、これらの教訓を生かしまして、地政学リスクに関する情報収集分析体制の強化、投資に係る意思決定を行う委員会について、社外取締役を中心とする委員構成の変更、その後、海底ケーブル事業における民間投資を含む事業全体での出資率の高い、耐久性の強い投資スキームの採用など、投資リスク管理に継続的に取り組んでございます。

その取り組みも定着いたしまして、令和5年度以降は2年連続で単年度黒字を計上するなど、収支の改善が進捗しているところでございます。

ガバナンス強化の実効性と案件却下の実績
質問
中川宏昌 (中道改革連合・無所属)

- 体制刷新後、客観的な立場から案件を却下したり、厳しい条件変更を求めたりした具体的な実績があるか

答弁
林総務大臣

- 具体的な却下実績への回答はなく、現状の体制(30人規模)で今後の大型化・多様化する案件を担い切れるか懸念がある点に触れ、NOと言える体制構築を要望した

全文
質問・答弁の全文を表示

今、体制、ガバナンス強化をされてきたということでございますが、ここで一つちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、さまざま刷新をしてきたわけでございますけれども、この客観的な立場から、この案件を却下したり、また厳しい条件変更、これを求めたりした具体的な実績があったかどうかということをお伺いしたいと思いますが、ありますでしょうか。

いろいろ対応してきたということでありますけれども、先ほど田嶋委員からもありましたけれども、現在のこのJICTの体制は30人規模と伺っているところですけれども、やはり案件の大型化ですとか、また多様化が進む中で、この現在の体制で今後10年、しっかり本当に担い切れるのかというところが、非常に懸念があるところであります。

特定の企業、また行政の意向に引きずられることなく、先ほども私申し上げましたけれども、駄目なものについては、しっかりNOと言える。

そういった体制。

それから、単なる10年という延長ではなくて、今、体制を強化した中で、より今後も今までの経験をもとにして、体制強化を図っていただきたい。

このようにお願いをするところでございます。

地政学リスクの評価と投資判断への反映
質問
林総務大臣 (中道改革連合・無所属)
  • 米中対立やクーデター等の後発事象による損失事例を踏まえ、地政学リスクをどう定量化・評価し投資判断に組み込んでいるか
  • 専門家顧問や技術アドバイザーの知見を具体的にどう現場に反映させているか
答弁
福田国際戦略局長
  • 地政学専門家顧問が意思決定委員会に参加し、外国政府の動向やマクロ経済分析を投資判断材料として活用している
  • NICTの技術アドバイザーが全社員会議に参加し、勉強会を通じて技術的理解の向上を図っている
全文
質問・答弁の全文を表示

次に、先ほどの御答弁にもありましたけれども、地政学リスクの予見についてお伺いをしたいというふうに思っております。

初期案件の一つ、香港・グアム間の海底ケーブル事業がありましたけれども、米中対立の激化という、この投資時点で想定しきれなかった後発事象によりまして、米当局の許認可が得られず、結果的に事業を停止、支援撤回を余儀なくされたところであります。

また、ミャンマーの放送事業もありましたけれども、民主化支援という大きな政策目標を掲げておりましたが、突如発生したクーデターによりまして、その意義を断絶させられたところであります。

今はこの通信インフラは単なる経済基盤ではなくて、国家の安全保障に直結する戦略資産であります。

それゆえに地政学上のリスクは10年前とは比較にならないほど増大しているのが現状ではないかというふうに思っております。

JICTは現在、こうしたリスクをいかに定量化、また評価をして投資判断に組み込んでいるのかという点についてです。

2025年に招聘をされましたマクロ経済・地政学の専門家顧問ですとか、また情報通信研究機構の技術アドバイザーの知見、こういったものを具体的にどのように投資の現場へ反映させているのか、この点につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。

JICTにおきましては、委員御指摘のマクロ経済・地政学分野の専門家を顧問といたしまして招聘するなど取組を通じて、地政学リスクに関する情報の収集、分析体制の強化を行っております。

具体的には地政学の専門家顧問が、JICTの投資に係る意思決定を行う委員会に参加いたしまして、その顧問から提供される外国政府の動向、またマクロ経済情勢の分析、これらを踏まえまして、当該委員会における投資判断の材料として活用しているところでございます。

また技術的な知見につきましても、国立研究開発法人情報通信研究機構の技術アドバイザーが、JICTの全社員会議に常時で参加しておりまして、投資案件に係る技術関連情報が提供されるなど、定期的な勉強会を通じまして、投資判断の前提となる技術的理解の向上が図られていると認識するところでございます。

他官民ファンドの失敗事例の分析と民業補完の徹底
質問
中川宏昌 (中道改革連合・無所属)
  • クールジャパン機構やJOIN等の巨額損失事例(民間コミットメント不足等)をどう分析し、自らの規律に反映させているか
  • 今後10年、民業補完の原則をどのように守り抜くか
答弁
林総務大臣
  • 関係閣僚会議の指示に基づき、地政学顧問の招聘や有識者検討会によるガバナンス強化策を取りまとめた
  • 支援基準において、原則としてJICTが最大出資者にならないよう審査し、民業補完を徹底している
全文
質問・答弁の全文を表示

次に、クールジャパン機構等の失敗事例からの学びについてお伺いをさせていただきたいと思います。

官民ファンド全体の在り方は現在、厳しい視線が注がれております。

会計検査院の報告でも、一部のファンドで累積損失が拡大をしてガバナンスの改善が必要だと指摘をされております。

特に経済産業省所管のクールジャパン機構でありますが、度重なる投資計画の見直しに直面しまして、累計損失が380億円規模まで膨らみまして、組織の廃止や統合すら検討されている存亡の機に立たされております。

そしてまた、国交省所管のJOINも、テキサス高速鉄道事業やミャンマーの不動産開発等で巨額の損失を計上しているところであります。

これらの背景には、民間企業のコミットメント不足ですとか、また官民ファンド側が過大なリスクを丸抱えしてしまった構造的欠陥が指摘をされているところであります。

JICTとして、これらの他山の石とも言うべき他のファンドの失敗の本質をどのように分析をして、自らの規律に反映させているのかというところであります。

呼び水としての役割に徹するため、民業補完の原則を今後10年どのように守り抜いていくのか、この点につきましては大臣の見解をお伺いしたいと思います。

昨年の1月に官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議第16回目を開催しております。

その時、官房長官から、これは先ほど申し上げた私なんですが、官房長官から総務大臣を含む関係大臣に対し、JOINの事例も参考にして、各官民ファンドのリスク管理等の取組が強化されるよう適切に監督することについて指示が行われたところでございます。

この官房長官からの指示も踏まえまして、JICTでは昨年4月に先ほど申し上げましたように地政学分野の顧問を招聘し、いわゆるカントリーリスクの管理体制を強化したほか、総務省で昨年10月から有識者検討会を開催して、改善することとされましたリスク管理ですとか、情報開示、それから組織体制、今委員からもご指摘がありましたけれども、そうした観点を含んださらなるガバナンス強化策等について、この12月に取りまとめをしていただいたということでございます。

この取りまとめを踏まえ、これがJICTの運営に着実に反映されるように、定期的な対応状況聴取をして引き続き進捗を確認していきたいと思っております。

委員から民業補完の原則というのがございましたが、これ極めて重要でございますので、JICTの支援基準においても、民業補完に徹することと定めておるところでございまして、投資案件の支援決定時の認可の際に、同支援基準に基づいて民業補完の観点から、JICTがこの事業者との間で原則として最大出資者にならないことを審査しておりました。

こうした対応を通じまして、民業補完の原則が着実に守られているか、適切に監督を行っておりますし、これからも参りたいと考えております。

地方企業・スタートアップへの支援実績と専門性の発揮
質問
中川宏昌 (中道改革連合・無所属)
  • 地方銀行からの出向者が地域に戻った後、具体的にJICTの案件として地方企業の海外展開を動かした実績はあるか
  • スタートアップ支援において、JICTならではの専門性をどう発揮して世界につなげるか
答弁
福田国際戦略局長
  • 地方人材を通じた支援決定案件はまだないが、帰任者が地銀の国際業務で支援を行っている
  • LP出資を通じてネットワークを構築し、尖った技術を持つスタートアップの海外M&Aを支援した事例がある
全文
質問・答弁の全文を表示

次に、このJICTの支援実績を詳細に見てみますと、その大半は大手事業者との共同出資でありまして、地方企業、またスタートアップへの波及効果、これは依然として不十分ではないかというふうに思っております。

2022年の基準改正によりまして、ICTサービスですとかLP出資、これが追加をされたところでありますけれども、いまだに地方、また中小が入り込む余地がないという声が聞かれているところであります。

今日、質疑の中でもありましたけれども、現在この地方銀行からの出向者を受け入れて地域人材を育成している、ということをお聞きしているところでございますけれども、実際にこの研修を終えた皆さんが地域に戻って、そして地方企業の海外展開案件を具体的にJICTの案件として動かした実績はあるのかということをお伺いするとともに、またスタートアップ支援につきましても、単にファンドにお金を預けるということではなくて、日本の尖った技術、これはたくさんあるわけでございますけれども、それを世界につなげるJICTならではのこの専門性をどう発揮していくのかという点について、以上をお尋ねしたいと思います。

JICTにおきましては、地方における投資人材の育成などの観点から、2022年度より地方銀行からの出向者を受け入れております。

海外展開に係る投資業務の経験を積み、すでに出向元に帰任した地方人材も出てきているところでございます。

これまでのところ、育成した地方人材を通じまして、JICTによる支援にまで至った案件はございませんが、当該人材は出向元の地方銀行におきまして、国際業務担当として、地方企業の海外展開などの支援をされていると承知しているところでございます。

また、スタートアップ企業の支援についてでございますが、JICTによるファンドへのLP出資を通じまして、スタートアップ企業などとの人的関係が深まりまして、ネットワークの構築が進んでございまして、その成果といたしまして、気候変動に関連してCO2を正確に排出管理する高度な、いわゆる尖った技術を活用した我が国のスタートアップ企業の海外展開支援を、JICTが支援をするというつながった事例も出てきているところでございます。

この事例におきましては、JICTがこれまで培った海外でのM&Aに係る専門性も生かしまして、このスタートアップ企業にとっては初めてとなるM&Aを通じた海外展開支援まで至ったところでございます。

総務省といたしましては、JICTにおいて地方企業やスタートアップ企業の海外展開に係る一層の取組が行われますよう、JICTと適切に連携しながら対応してまいります。

放送・郵便分野の案件創出戦略
質問
中川宏昌 (中道改革連合・無所属)
  • 通信分野に偏り、放送・郵便分野の実績がほぼない原因をどう分析しているか
  • 本来の設立目的である3本柱(通信・放送・郵便)を具現化するための具体的な戦略は何か
答弁
福生田国際戦略局長
  • 放送・郵便分野は参入障壁が高く、市場成長性に劣るため案件形成が不十分であると認識している
  • 在外公館と連携したニーズ収集を行い、放送・郵便領域の案件形成を後押しする
全文
質問・答弁の全文を表示

次に、この支援分野のバランスについてお伺いをさせていただきます。

JICTの本来の設置目的は、通信、放送、郵便、この3分野でありますけれども、現在の実態を見てみますと、郵便分野の実績はなく、放送分野は初期のミャンマー案件から撤退して以来、実質的に途絶えている状況であるかと思っております。

これは、機構の名前、改名した方がいいんじゃないかというような感じもしますけれども、放送・郵便の案件が創出されない本当の原因をどう分析しているかということであります。

日本の質の高い郵便、また物流システム、また放送コンテンツのノウハウはアジア等の新興国で大きな需要があるはずだと推察されるところでありますけれども、今後これらの分野をどのように掘り起こして、特定の分野に偏ることなく、法の名に冠された通信、放送、郵便、この3本柱全てにおいて本来の設立目的をいかに具現化していくのか、具体的な今後の戦略をお伺いさせていただきたいと思います。

JICTによる支援決定案件の投資分野別の内訳でございますが、2025年度末時点で通信分野が27件、放送分野が1件、郵便分野が0件となってございます。

放送・郵便分野は通信分野と比較いたしまして、やはり参入障壁の高い国が多いこと、また市場の成長性に劣ることなど、十分な案件形成ができていないと認識しております。

他方、委員の御指摘のとおり、我が国は魅力的な放送コンテンツ、また質の高い郵便システムを有しております。

これらの海外展開を推進していくことはJICTの設立目的であります。

我が国経済の持続的な成長に寄与するものと考えてございます。

JICTにおきましては、放送・郵便関係企業とも議論を重ねていると聞いてございまして、今後これまで培ってきた組織的人的ネットワークなども活かしまして、放送・郵便領域における案件形成を加速されていくことを期待しているところでございます。

総務省といたしましては、在外公館と連携した各国のニーズに関する情報収集なども通じまして、JICTによる放送・郵便領域の案件形成を後押ししてまいりたいと考えてございます。

データセンター案件への集中とリスク分散
質問
中川宏昌 (中道改革連合・無所属)
  • ポートフォリオの約4割をデータセンター案件が占めている現状をどう評価しているか
  • 特定分野・地域への集中に伴う下振れリスクに対し、どのようなリスク分散方針を持っているか
答弁
伏瀬田国際戦略局長
  • 需要拡大と日本企業からの要望増加、および事業費が高額な性格から割合が高まっている
  • リスク許容度を考慮し、収益性が高い事業を慎重に見極めることでリスク分散を図っている
全文
質問・答弁の全文を表示

次に、現在のJICTの投資ポートフォリオの偏りについてお伺いをしたいというふうに思っております。

2025年3月末時点でJICTが支援しているデータセンター案件3件でありますけれども、その支援決定額は合計で544億円に上りまして、ポートフォリオ全体の約4割を占める突出した状況になっているかと思っております。

データセンター市場ですけれども、現在AI需要を背景とした爆発的な成長期にあるというふうに思っておりますが、一方で電力供給の制約ですとか、価格高騰、また建設モラトリアム、さらには次世代冷却技術などの登場による設備の急速な陳腐化など、特有の下振れリスクが散在しております。

特定の分野や米国等の特定の地域にこれほど資金が集中している現状をJICTはどのように評価をして……。

ちょっとこれは言い過ぎた表現かもしれませんけれども、いわゆるこのリスク分散の方針についてお伺いをさせていただきたいと思います。

データセンターの案件でございますが、委員御指摘のとおり、現在データセンター需要が急速に拡大するとともに、JICTに対しまして、日本企業より多くの支援要望が寄せられております。

データセンター事業は、土地の購入、大型の非常電源を備えた建物の建築費用など、一般的に総事業費が大きくなる性格もございまして、ポートフォリオに占めるデータセンター事業の割合が高まってきてございます。

そのために、JICTにおきましては、リスク許容度を十分に考慮しながらリスク分散を図りつつ、累積損益が計画値を下回らないよう、収益が高い角度で見込まれる事業を慎重に見極められているところでございます。

総務省としては、JICTにおいてデータセンター事業の海外展開を推進しつつも、適切な投資リスク管理が実施されるよう、引き続き監督を行ってまいります。

資金供給手法の多様化と調達の規律
質問
中川宏昌 (中道改革連合・無所属)
  • 直接出資に偏らず、劣後ローン等の融資手法を柔軟に活用して民間とリスク分担すべきではないか
  • 政府出資だけでなく、社債発行や民間借入など多様な調達手段を検討し、規律を高めるべきではないか
答弁
伏瀬田国際戦略局長
  • 劣後ローン等の融資も可能であり、ニーズに応じて出資と組み合わせて実施している
  • 社債発行や民間借入の実績もあり、政府出資に過度に依存しない運営体制を構築するよう監督する
全文
質問・答弁の全文を表示

JICTの本来の役割は民業補完でありまして、公的資金による市場の歪みは最小限にしなければなりません。

しかし最近の大型案件は主に事業体への直接出資という最もリスクの高い形で行われております。

財政等融資分科会の資料におきましても、出資以外の融資手法等の検討が論点として示されているところであります。

公的資金の安全性を考えれば、出資ばかりに偏るのではなくて、劣後ローンなど融資手法をもっと柔軟に活用して、民間金融機関との適切なリスク分担、これを明確にすべきではないかというふうに思います。

また、資金調達につきましても、政府出資一本等ではなくて、社債発行ですとか、民間借入といった多様な手段を検討して、組織としての規律を高めるべきではないかと思いますが、この点につきまして、見解をお伺いさせていただきます。

JICTは海外において、通信、放送、郵便事業を行うものに対して、特に民間金融機関からの供給が不十分であります出資を中心とした資金供給を行っております。

他方、委員が御指摘のとおり、JICTは出資以外の劣後ローンなどの融資による資金供給も可能でございまして、これまでも民間事業者のニーズやJICTが取るべきリスクの程度などを勘案して必要に応じて、出資と融資を組み合わせて資金供給を行ってございます。

JICTの資金調達の大半は、政府からの財政投入にて賄われておりますが、急な需要の増加に対処するために、社債発行や民間借入もいたしまして、対応した実績もございます。

総務省としては、資金供給については、民業補完の観点から、民間事業者との適切なリスク分担の下で行われるように、資金調達については、多様な手段の一層の検討や投資回収を進め、政府出資に過度に依存しない運営体制を構築していけるよう適切に監督を行ってまいります。

2029年度の累積損失解消の根拠と回収策
質問
中川宏昌 (中道改革連合・無所属)
  • 2029年度に累積損失を完全に解消するという見通しの根拠は何か
  • 想定している具体的な投資回収の処方箋は何か
答弁
伏瀬田国際戦略局長
  • 個別案件の進捗や保守的な将来見通しに基づき策定しており、単年度黒字化などの進捗から達成の蓋然性は高い
  • 2028年度以降、保有株式の共同出資者への売却などによる回収を想定している
全文
質問・答弁の全文を表示

最後の質問を簡潔にお願いしたいというふうに思っております。

JICTは本改正案にある期限延長を前提に、2029年度累積損失を完全に解消するという新たな収支見通し、いわゆるJカーブを示しておりますけれども、この2029年度解消が希望的観測ではなくて、実効性のある必達目標だと言える根拠と想定している投資回収の具体的処方をお伺いをさせていただきたいと思います。

JICTの今後の累積損益見通しにつきましては、個別の投資案件の具体的な進捗などに係る足元の状況や、保守的な将来見通しを踏まえて策定されたものでございます。

また、2022年5月に策定された改善計画より3年前倒しとなる2029年度に累積損失を解消する見通しとなってございます。

また、単年度損益を見ましても改善計画より3年前倒しとなる2023年度に黒字に転じるなど損益の改善が進捗しておりまして、達成の蓋然性が高い見通しであると……。

加えまして、2028年度以降に大型案件の投資回収が見込まれておりますが、NICTが保有する株式の共同出資者への売却などによる投資回収が一般的な方法と想定されているところでございます。

総務省としては、累積損失の解消の前倒しに向けて、NICTにおいて円滑かつ、失礼いたしました。

NICTにおいて、円滑かつ適切に投資回収が進められるよう、適切に監督を行ってまいります。

JICTの財務状況と含み損益の把握
質問
高見亮 (日本維新の会)
  • 営業投資有価証券の含み益・含み損の現状を問う
  • 将来的に苦しい状況になった際、国が資金注入を行う可能性があるかを確認
答弁
答弁者
  • 原価評価を基本とし、評価損や減損を適切に反映している
  • 保守的な会計処理のため、時価上昇を直ちに収益に織り込まない方針である
全文
質問・答弁の全文を表示

まず前提条件、今の状況についてちょっとお聞きしたいんですが、まず財務状況でございますが、貸借対照表をこれちょっと拝見する限りでは、累計損失として約120億近く。

ただ、この官民ファンドでございますが、純資産約1000億ぐらいのうち、ほとんどがもう営業投資有価証券ということでございまして、この1000億、今持っていらっしゃるこの営業投資有価証券、これが現状、含み益になっているのか、含み損になっているのか。

これ、今、会計上は原価評価になっておりますので、全て取得原価で計上されておりまして、その辺の状況が、ちょっとこれを見るだけでは分からないと。

その辺が出口戦略にもつながってくると思いますので、その辺の含み益か含み損か、分かる範囲で結構なので、教えていただきたいのと、仮にこれ、含み損がいっぱいあって、将来的に結構苦しい状況になったときに、これ、今のリスク評価として、最終的に国の資金を注入する可能性というのがあると思っているのか、それはもうほぼありえないと思っているのか、お聞かせください。

(発言者不明):営業投資有価証券は、投資元本の原価評価を基本としてございます。

ただ、評価損や減損を適切に反映したものとなってございます。

これは、時価上昇を直ちに収益に織り込まないことで、保守的に会計処理を行うためでございます。

一方、その他有価証券評価差額金は、為替変動に伴う評価益部分の70%相当額を……。

JICTの投資案件の時価評価と情報開示
質問
高見亮 (日本維新の会)
  • 有識者会議で回収可能性があるとされる根拠となる時価評価を現場で行っているか確認
  • リスク開示などの情報開示を強化すべきではないかと提案
答弁
福田国際戦略局長

- 各支援案件をフォローアップする委員会・会議体を定期的に開催し、時々の評価を把握している

全文
質問・答弁の全文を表示

高見亮君:今の話で言うと、原価評価しかしていないので、実際のところは分からないということです。

有識者会議の中で回収可能性があるというふうになっていたんですけど、実際のところ、対象物件に関してのある程度の時価評価というのは現場ではされているんですよね。

もちろん有識者会議において回収可能性があると言っている以上は。

高見亮君:もうそれを信じるしかないとは思ってはいるんですけど、もうちょっと何か有識者会議にもありましたとおり、リスク開示であったりとか、そういうのをした方がいいんじゃないのか、情報開示をしっかりした方がいいんじゃないのかというのもありましたので、そういうのはちょっとお願いしたいかなと思っております。

福田国際戦略局長:お答えいたします。

JICTの支援案件の件について、時価評価を適切に把握しているかというご質問かと思いますけれども、そのJICTの中には、各支援案件をフォローアップする委員会、会議体が定期的に開催してございまして、その中で各案件の時々の評価というものを把握しているところでございます。

民間投資の誘発効果と説明責任
質問
高見亮 (日本維新の会)
  • 誘発された民間投資額について、大企業の自力投資の可能性を指摘
  • 呼び水効果の客観的な基準を設けるべきだと主張
答弁
答弁者
  • 民間投資の誘発に寄与していると考えているが、JICTがなければ実現しなかったかの明確な回答は困難
  • 多角的な視点から適切に評価し、説明責任を果たすよう監督する
全文
質問・答弁の全文を表示

次に、このJICTの目的、ここまでいろんな質疑ありましたけど、いわゆる誘発効果ということでされているということでございます。

この誘発された民間投資額が約7100億となっております。

資金がないところとか微妙なところが投資し出すことによるのが一番の呼び水効果だなと思っております。

また、投資に関しても本当に呼び水効果があるのかどうなのか、客観的な基準がある程度ないと、もう何でも何でも投資してしまうみたいになってしまいますので、また引き続きお願いいたします。

ただ、質疑もありましたが、投資先を見ますと、NECとかNTTとか、割と大きいところでございまして、自力でも投資できたのではないか。

(発言者不明):JICTと協調して行われた民間企業等の投資額を算定してございます。

その、先ほど議員がご指摘いただきました民間投資額約7167億円を誘発しているということでございます。

JICTがなければ民間企業などによる投資が実現しなかったか否かにつきましては、なかなか明確なお答えをすることは非常に難しいところでございますが、投資、またその見込みがあることは、民間企業などによる投資判断の材料として、民間投資の誘発に寄与していると考えてございます。

いずれにしましても、JICTにおいては、JICTの参画が民間投資の実現にどの程度貢献したかにつきましては、多角的な視点から適切に評価を行い、しっかり説明責任を果たしていくこと、公明に説明していくということが重要であると考えてございます。

また、ご指摘いただきましたが、JICTによる支援は特定の企業に偏ることなく、幅広い企業のニーズを汲み上げまして、対応することが重要でございまして、また、民業補完に徹することが求められてございます。

総務省としましても、JICTがこのような説明責任を果たしていくよう、適切に監督してまいります。

経済安全保障上の投資審査
質問
高見亮 (日本維新の会)
  • 重要インフラへの投資において、経済安全保障上の観点から審査を行っているか確認
  • 経済安全保障上のフィルターをかけて管理することを要望
答弁
福田国際戦略局長
  • 外交・対外経済政策との調和を支援基準としており、経済安全保障は重要な基準である
  • これまで経済安全保障上の問題で支援を断った事例はない
全文
質問・答弁の全文を表示

次に経済安全保障のお話をちょっとさせていただきます。

JICTの投資案件、支援案件を見ますと、海底ケーブルであったりとか、データセンターとか、電子政府のICTとか、経済安全保障上、極めて重要なインフラが含まれているところでございます。

一方で、これ、さっき投資案件の審査みたいな話もあったと思うんですけど、経済安全保障上の観点から、例えばこの投資はいろいろ問題があって……。

高見亮君。

断った案件はないので、そこはちょっと気になるところではありますが、引き続きしっかり、経済安全保障上のフィルターをかけていただいて、管理をしていただくようお願いいたします。

福田国際戦略局長。

お答えいたします。

総務省が策定いたしましたJICTの支援基準におきまして、支援対象事業者につきましては、我が国の外交政策及び対外経済政策との調和が取れているものであることを求めておりまして、経済安全保障の観点は支援検討に当たっての重要な基準となってございます。

委員からご質問いただきました、これまでにおけるJICTの投資審査において、経済安全保障問題があるとして支援を断った事例につきましてはないと承知しているところでございます。

また、具体的な基準を定めているわけではございませんが、JICTの投資審査の過程におきまして、その事業で必要とする部品、資材などの調達元、また……。

カントリーリスク評価へのインテリジェンス情報の活用
質問
高見亮 (日本維新の会)

- 国家として管理しているインテリジェンス情報を横断的に投資判断に活かす仕組みを提案

答弁
福田国際戦略局長

- 顧問が意思決定委員会に参加し、外国政府の動向やマクロ経済情勢の分析情報を投資判断に活用している

全文
質問・答弁の全文を表示

そしてもう一つ、今までの質疑でカントリーリスクみたいな話もあったかと思いますが、そういった投資案件に関するリスク評価において、もちろん専門家をつけてしっかり管理していく、それも重要ではあると思うんですが、今、国家としてインテリジェンス情報をしっかり管理していくという話が出ていると思います。

そういった情報をしっかり横断的に国が管理して、こういった投資をするときにもしっかり活かしていくというような仕組みがあればいいのではないのかなと思っているんです。

ですが、その辺いかがでしょうか。

これも今後の議論になると思いますが、せっかく政府が集めた情報というのは、やはり有効に活用していくべきであろうかなと思っておりますので、また御検討のほどお願いいたします。

福田国際戦略局長。

カントリーリスクなどに関する情報の収集、分析体制の強化を行っているところでございます。

具体的には、当該顧問がJICTの投資に係る意思決定を行う委員会に参加いたしまして、その顧問から提供される外国政府の動向やマクロ経済情勢の分析を踏まえて、カントリーリスクに係る情報を当該委員会における投資判断の材料として活用しているところでございます。

JICTの出口戦略と国への還元
質問
高見亮 (日本維新の会)
  • 2045年度末の解消に向けた売却戦略や担保措置があるか確認
  • 投資の打ち止め時期や、国への還元仕組みについて問う
答弁
福田国際戦略局長
  • 再延長の要否は現時点で回答困難であり、その時の情勢を踏まえ検討する
  • まずは累積損失を解消し、その後、再投資や国を含む株主への還元を検討する
全文
質問・答弁の全文を表示

最後に、この出口の話をさせていただきたいんですが、このJICTの設置期限が2045年度末に延長されます。

ただ、また2045年が近づいた段階で、延長するのか延長しないのかみたいな話、これも先ほどの質疑もありましたが、やはり若干不毛な感じもありますので、何らかの基準がいるのかなとは思っています。

実際のところ、これ10年延長したところで、2045年度末に仮に解消するとなったときに、どういった担保措置というか、どういった売却戦略があるのか、ある程度考えていらっしゃるのか。

この10年でもう投資を打ち止めにしてしまうのか、まだ様子を見ていくのか。

またもし仮にこれが終了したとして、その国への還元への仕組みとか、その辺をどう考えているのか教えてください。

福田国際戦略局長。

お答えいたします。

総務省といたしましては、今後の民間投資上の発展に向けてJICTによる支援が呼び水となりまして、企業や金融機関による積極的な投資が促進され、またJICTに蓄積された知見の還元、投資人材の育成についてJICTが貢献していくことを期待してございます。

なお、将来的な再延長の要否につきましては、現時点で申し上げることは非常に困難でございますが、その時々の民間金融の状況、また我が国の経済や国際情勢などを踏まえつつ、適切に検討する必要があるかと考えているところでございます。

また、まずは足元におきまして、引き続き経営改善の取組などを行いながら累積損失を解消し、その後得られた収益につきましては、財務状況及び事業環境などを総合的に勘案し、再投資への活用、また国を含む株主への還元などを検討していくところでございます。

JICTの10年の実績と法改正による延長の理由
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)
  • これまでの10年間の投資実績と収益推移の総括について
  • 法改正で設置期限の延長を目指す決断の理由と今後の支援方向性について
答弁
林総務大臣
  • 28件の支援決定を行い、累積投資額は約1,159億円、誘発された民間投資額は約7,167億円である
  • 現期限までに投資回収が見込めない事例が出ているため、設置期限を延長する
  • 経済安全保障の観点からデジタルインフラの重要性が高まっており、適切に監督し役割を果たさせる
全文
質問・答弁の全文を表示

まず、これまでの10年の投資実績と収益推移の全体像をどう総括するのでしょうか。

また、法改正で延長を目指す決断の理由と今後の支援の方向性について、林総務大臣にお伺いいたします。

JICTは、海外で通信放送郵便事業を行う者などに対するリスクマネー供給などを通じて、海外における需要を積極的に開拓し、収益性の向上などを図ることで、もって我が国経済の持続的な成長に寄与する。

この10年間ですが、実績として海底ケーブルやデータセンターなどのデジタルインフラを中心に28件の支援決定を行っております。

2024年度末までの累積投資額は約1,159億円、誘発された民間投資額は約7,167億円。

収益推移でございますが、2023年度から単年度損益について、今の設置期限までに投資回収が見込めないので支援が困難となる事例が出てきておりますので、今般、設置期限の延長になります。

この経済安全保障の観点から、デジタルインフラの重要性というのは、ますます高まってきているわけでございます。

総務省といたしましても、関係省庁や関係機関、また在外公館とも連携いたしまして、情報収集などを通じて、このJICTがより一層の役割を果たしていくように、適切に監督してまいりたいと考えております。

投資決定における経済安全保障の考慮
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 今後のJICTの投資案件の支援決定において、経済安全保障法の観点をどの程度考慮するのか

答弁
堀内総務副大臣
  • 経済安全保障の確保は最重要課題であり、官民一体となったデジタルインフラ展開が重要である
  • JICTの支援基準において、外交・対外経済政策との調和を求めており、支援決定時に経済安全保障の観点を考慮することとしている
全文
質問・答弁の全文を表示

今後、JICTの投資案件の支援決定において、経済安全保障法の観点をどの程度考慮するのかを政府にお伺いいたします。

許斐委員、ご指摘のとおり、JICTの設立以降、令和4年に経済安全保障推進法が成立するなど、経済安全保障の確保は我が国の最重要課題の一つとなっております。

この課題には、我が国における戦略的な自立性、不可欠性の確保に向けて、官民一体となって、海外のデジタルインフラ事業の展開等に取り組んでいくことが重要です。

そのため、総務省が策定したJICTの支援基準においても、支援対象事業について、我が国の外交政策及び対外経済政策との調和が取れているものであることを求めており、支援決定に当たって、経済安全保障の観点を考慮することとされております。

経済安全保障の政策的意義と収益性の両立
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 政策的意義(経済安全保障)と収益性は相反する場合があるが、どのように両立させ、判断するのか

答弁
藤田国際戦略局長
  • 政策的意義を重視する案件と収益性を重視する案件を組み合わせ、ポートフォリオ全体でバランスを確保している
  • 引き続き、政策的意義と収益性の高い案件のバランスに注意し、JICTと連携して取り組む
全文
質問・答弁の全文を表示

経済安全保障という政策と、投資による収益について質問したいと思います。

政策的意義のある案件が、そのまま収益性の向上につながれば、これ何も問題ないしハッピーなんですが、本来は別のベクトルだと私は思っています。

時には相反することもあると思います。

そこでJICTの投資案件において、政府が進める経済安全保障の政策的意義と収益性をどのように両立していくのか、判断基準などの総務省のお考えをお聞かせください。

経済安全保障の確保は、我が国の最重要課題の一つでございまして、我が国における戦略的な自立性、不可欠性の確保に向けて、海外のデジタルインフラ事業の展開支援など、官民一体となって危機管理投資に取り組んでいくことが重要でございます。

JICTでは、経済安全保障のものも含みますが、政策的な意義を重視する案件等、収益性をより重視する案件などを組み合わせることなど、ポートフォリオ全体での政策的意義と収益性のバランスの確保に努めているところでございます。

総務省ではこれまでもJICTと緊密に連携をいたしまして、その活動に資する情報提供などに取り組んできたところでございまして、引き続き経済安全保障の関連なども含めまして、またその政策的意義の案件と収益性の高いところの案件とのバランスなどに注意しながら、JICTとはしっかりと連携に取り組んでいきたいと思ってございます。

今後重視する投資分野の具体性
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 今後どのような分野を重視して投資を行うのか、具体的な考えについて

答弁
布施田国際戦略局長
  • リスク管理の観点から地域を分散して投資することが重要であるため、特定の分野や領域を重視することはしていない
  • 個別案件ごとに政策的意義と収益性を総合的に勘案して決定している
全文
質問・答弁の全文を表示

単年度黒字を最近達成していって実績が上がっている中で、これからをより慎重に国策としてどのような投資を行っていくのか、その見極めが重要だと思っています。

バランスというお話もありましたが、今後どのような分野を重視しているのか、政府の考えを、これはちょっと具体的にお聞かせ願いたいと思います。

先ほど申し上げましたが、JICTは政策的意義をより重視する案件と収益性をより重視する案件などの組み合わせによるポートフォリオ全体での政策的意義と収益性のバランスの確保に努めているところでございます。

他方、投資リスクの管理に当たりましては、さまざまな地域対象に分散して投資することが重要でございますので、JICTにおきまして特定の分野、特定の領域などに重視をすることはしてございません。

個別案件ごとに政策的意義と収益性を総合的に勘案して支援決定を行っているところでございます。

サイバーセキュリティの考慮
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 通信分野において、国を守るためのサイバーセキュリティの観点も考慮されているか

答弁
布施田国際戦略局長

- サイバーセキュリティは、我が国事業者の知見や政策的意義の観点から、支援決定における重要なテーマであると認識している

全文
質問・答弁の全文を表示

特に通信分野においては、国を守るという観点から、サイバーセキュリティも重要になっています。

そのような目的も考慮されているのでしょうか。

サイバーセキュリティに関しまして、我が国事業者の知見や政策的意義の観点から、JICTの支援決定に当たっての重要なテーマであると承知しているところでございます。

初期投資案件の損失原因と教訓
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 設立初期の4案件で計約81億円の損失が出たが、投資判断の何が問題だったのか、各案件の分析を伺いたい

答弁
布施田国際戦略局長
  • 香港・グアム間および日本・豪州・グアム間ケーブルは米中緊張による許認可不備や販売連携不可が原因
  • 海外モバイル通信事業は事業者の資金繰り悪化による経営破綻が原因
  • ミャンマー放送設備事業は軍事クーデターによる事業継続困難が原因
  • 教訓として地政学リスクの深い分析、多角的な審査、リスク耐性の高いスキームの必要性を挙げ、対策を講じた結果、直近2年で単年度黒字を達成した
全文
質問・答弁の全文を表示

続いて、これまでの投資の教訓についてお伺いいたします。

設立初期の4案件、81億円の損失について伺いたいと思います。

この4件において、合計約81億円もの多額の損失を計上しています。

この初期案件における投資判断の何が問題であったのか、申し訳ないですが、各々の案件に対して政府の分析をお伺いしたいと思います。

JICTにおいては、設立後、当初3年間で投資した4つの案件につきまして、事業が計画通り進まず、損失を計上いたしました。

まず1件目の香港・グアム間光海底ケーブル事業につきましては、米中間の政治的緊張が高まる中、米中を結ぶ海底ケーブルの敷設に関する許認可が取得できず、事業継続が困難となったところでございます。

次に2件目のMVNO及び端末パッケージ提供による海外モバイル通信事業につきましては、JICTの支援決定後、支援対象事業者の資金繰りが悪化いたしまして、経営が破綻し、事業継続ができなくなったところでございます。

次に3件目の日本・豪州・グアム間光海底ケーブル事業については、1件目の香港・グアム間の海底ケーブルが敷設できず、当該海底ケーブルとの販売連携ができなくなったことにより、売り上げが低迷いたしまして、事業継続が困難となったところでございました。

最後に、4件目のミャンマーにおける放送設備整備、コンテンツ提供事業については、ミャンマーにおいて軍事クーデターが発生し、軍事政権下に入り、事業継続が困難となったところでございます。

JICTではこれらの損失計上案件に係る主な教訓といたしまして、地政学リスクに係るより深い分析の必要性、投資審査に係る多角的な確認の必要性、海外ケーブル事業におけるリスク耐性の高い投資スキームの必要性を挙げてございます。

その後、JICTにおきましてこれらの教訓を生かした対策を講じました投資リスク管理に継続的に取り組んでおりまして、この取り組みが定着したこともございまして、令和5年度、6年度と2年連続での単年の黒字を計上するなど、損益の改善は進捗しているところでございます。

海底ケーブル案件の損失詳細の開示
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 1番目と3番目の光ケーブル案件の損失は、香港に問題があったという認識でよいか

答弁
福田国際戦略局長

- 米中間の政治的緊張で許認可が取得できなかったことは述べたが、詳細な場所や内容は共同出資社との秘密保持契約の対象となるため回答を控える

全文
質問・答弁の全文を表示

さらにちょっと確認なんですが、この1番目と3番目の光ケーブルの案件において、これは香港がちょっと問題あったという認識でよろしいでしょうか。

先ほど海底ケーブルの案件につきましては、米中間の政治的緊張が高まる中、米中を結ぶ海底ケーブルの敷設に関する許認可が取得できないということを申し上げたところでございますが、その詳細、どこがどこで何についてということにつきましては、JICTとJICTの共同出資社の秘密保持契約の対象となりますので、御質問の回答は控えさせていただきたいと思います。

官民の出資比率の現状と目標
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 民間出資比率が大幅に低下し国の出資が97%となっている現状認識と、目標とすべき好ましい比率について

答弁
林総務大臣
  • 出資比率について横断的な規範目標は存在せず、安定経営のため政府が3分の2以上を保有する規定のファンドもある
  • 民間はファンドへの出資より個別案件への直接投資を好む傾向がある
  • 経営改善により民間から新たな出資意向が寄せられ始めており、政府出資に過度に依存しない体制を構築できるよう監督する
全文
質問・答弁の全文を表示

続きまして、官民の出資比率についてお伺いいたします。

当初は出資比率が1対1、つまり50%、50%でしたが、令和6年度では国の出資が97%になっています。

官民ファンドと言われつつ、民間からの出資比率がかなり低下していると思いますが、官民の出資比率について現状認識と、政府が考える目標とすべき好ましい比率の考えを大臣にお伺いいたします。

現状、官民ファンドの政府出資と民間出資の比率について、1対1でなければならないという横断的な規範目標が存在するものではないと、そういうふうに認識をしております。

また、各官民ファンドの設置法上は、ファンドへの出資について、政策目的の達成に向けて安定的な経営が求められることなどの理由から、政府が発行株式の3分の2以上を保有するというのが規定されているファンドもあるわけでございます。

また民間企業から見ますと、官民ファンド自体に対する出資、投資はそこからスタートするわけですが、個別の投資案件が出てきますと、JICTじゃなくてその案件に出資すると、実際そういうことが増えてくるわけでございますので、民間から見ると自分の会社が深く関与する案件に直接投資をすると。

2023年度から、先ほどから御議論いただいていますように、単年度黒字を計上するということで、計画を上回るペースで経営改善も進んでおりますので、こういうことを背景にして、民間企業から新たな出資の意向、こういうのも寄せられ始めていると、こういうふうに聞いております。

そして政府出資に過度に依存しない運営体制を構築していけますように、総務省として適切に監督してまいりたいと考えております。

支援先の多様化(大手偏重の解消)
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 支援先が依然として大手に偏っている現状への認識と、今後の方針について

答弁
向山総務大臣政務官
  • 支援先は大手が17件、中小スタートアップが4件、ファンド出資が7件である
  • 令和4年の支援基準改定により中小スタートアップへの支援が増加している
  • エコシステム推進グループの設置などを通じて認知度向上と支援先の拡大に取り組んでいる
全文
質問・答弁の全文を表示

そしてそれに関連して、支援件数と事業者の選定についてお伺いしたいと思います。

支援件数が増加するに従って徐々に事業者数も増えていますが、やはりまだ事業者が大手に偏っているのが現状だと思います。

この状況について、総務省の認識と今後の方針などについて、お考えをお聞かせください。

これまでのJICTによる支援先は大手の企業が17件、中小スタートアップ企業が4件、国内外のICTスタートアップに投資をするファンドへの出資が7件というふうになっております。

設立から数年間は大手企業が多かったところでありますけれども、令和4年にJICTの支援基準を改定しておりまして、ICTサービス事業者への投資、ファンドへのLP投資、これが可能となりましたことから、近年は中小スタートアップ企業への支援が増加をしているところであります。

さらにJICTでは、令和4年に内外の産官学の関係団体、関係企業との組織的人的ネットワークの強化を目的に、エコシステム推進グループを設置いたしまして、全国各地で開催をされるセミナーの参加などを通じまして、JICTに対する認知度の向上を図るなど、支援先の拡大に取り組んでいるところでございます。

JICTにおいては今後もこのような取り組みを通じまして、幅広い企業のニーズを組み上げていくことが重要であるというふうに考えております。

JICTの体制強化と人員増員
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 中小・地方企業やスタートアップへの小口案件支援を増やすには、現状の人員では不足しているのではないか。増員する考えはあるか

答弁
向山総務大臣政務官
  • 体制強化が必要であると考え、定員要求を行った結果、直近2年間で7名の定員増となった
  • 今後も必要な職員の確保に努めてまいりたい
全文
質問・答弁の全文を表示

日本企業のものづくりを支えていくためには、中小企業や地方企業、そしてスタートアップなどの支援が必要です。

一方で、それは小口案件が増えるということですので、対応にあたるJICTの人材を増やす必要性があると思います。

昨年10月にJICTの社員数は31名から33名体制へと増員されましたが、やはりこれも足りないと思います。

将来的に人員を増やすお考えはありますでしょうか。

JICTにおきましては、我が国経済の持続的な成長に貢献をしていくために、支援先の拡大をして海外市場の開拓を目指す幅広い企業のニーズに応えていくことが重要だというふうに考えております。

中小企業や地方企業、スタートアップなどのニーズを的確に組み上げていくためには、委員の御指摘いただきましたように体制の強化が必要でありまして、必要な定員要求を行ってきた結果として、直近2年間で7名の定員増になっております。

総務省といたしましては、今後もJICTと緊密に連携いたしまして、必要な職員の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。

解散後を見据えた人材育成と処遇
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 将来的な解散時に、活躍した職員の処遇はどうなるのか。解散後を見据えた人材育成の在り方について

答弁
福田国際戦略局長
  • 人材育成を戦略軸の一つに位置づけ、ICTと金融の専門性を高める取り組みを行っている
  • 解散後を見据え、将来的に民間企業で活躍できる人材の育成に貢献することを期待している
全文
質問・答弁の全文を表示

JICTは法律に基づき、将来解散の時期がきます。

その際、活躍してくれた職員はどのようになるのでしょうか。

考えられる処遇など、解散後を見据えた人材育成の在り方についての政府のお考えをお伺いしたいと思います。

人材育成はJICTの重要な役割の一つでございまして、支援基準に明記しているほか、JICTが定めた5つの戦略軸の一つにも位置づけられてございます。

JICTでは、海外ICTと金融の双方の専門性を高め、投資に関わる目利きやリスクへの対応の高度化を図る観点から、技術的知見の獲得、また関係者間のネットワーク構築などを通じまして、人材育成に努めているところでございます。

総務省といたしましても、解散後を見据えつつ、JICTにおいて将来民間企業で活躍できる人材の育成に貢献していくことを期待しているところでございます。

他の官民ファンドとの連携と住み分け
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 既存の支援機構との住み分けや連携をどう行い、相乗効果を発揮しているのか

答弁
福瀬田国際戦略局長
  • 各機関の政策目的や支援対象に基づき役割分担しており、補完関係にある場合は連携して効率的な支援を行っている
  • 事業者のステージやニーズに応じた適切な役割分担と連携による支援の有効性が重要であり、今後も相互協力で相乗効果を高めていく
全文
質問・答弁の全文を表示

他の官民ファンドとの連携と差別化についてお伺いいたします。

それから10年余り、現在ではどのような形で連携や住み分けを行っているのでしょうか。

その上で相乗効果を発揮できているのか、改めて総務省にお伺いしたいと思います。

政府系金融機関や官民ファンドは、それぞれ政策目的、支援対象などが異なっておりまして、それらに基づいて役割分担が行われているところでございます。

これまでJICTは、他の政府系金融機関や官民ファンドとのお互いの強みを生かせる補完関係にある場合には、その他機関と連携いたしまして、効率的効果的な支援を行ってまいりました。

昨年、総務省で開催いたしましたJICTのあり方に関する検討会におきましても、その事業者のビジネスステージやニーズに応じた適切な支援が重要であり、そのためにはJICT単独での支援のみならず、他の政府系金融機関などとの適切な役割分担、効果的な連携による支援の有効性が指摘されているところでございます。

情報通信は経済社会のあらゆる領域に関わる横断的な分野でございますので、今後も各機関の専門性を生かして、相互協力に努めることで支援の相乗効果を高めていくことが重要であると考えているところでございます。

経済安全保障推進法(JBIC)との役割分担
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 経済安全保障推進法に基づく支援(JBIC等)とJICTの出資はどう役割分担するのか。また、過去の損失経験をどう還元するのか

答弁
福瀬田国際戦略局長
  • JICTは通信・放送・郵便分野に特化し、政策的意義と収益性の両立を求めるハンズオン支援を行う
  • JBICは広範な支援を行い、改正案の劣後出資等は採算性に不確実性があるが政策的意義が極めて高い案件を対象とする
  • 両者の特徴を活かして連携し、JICTの専門性や過去の教訓を活かして相乗効果を高めることを期待している
全文
質問・答弁の全文を表示

その場合、経済安全保障推進法に基づく支援と、このJICTによる出資は、どう役割を分担するのか。

また、かつてJICTが海底ケーブルで損失を出した経験を、どのように政府に還元していくのか、総務省にお伺いします。

JICTは海外における通信、放送、郵便分野の事業支援に特化した官民ファンドでありまして、ハンズオン支援なども兼ね備えた政策的支援を実施するための機関でございまして、JICTによる投資は政策的意義と収益性の両方を満たすことが求められてございます。

一方、JBICは国際金融の専門性を持ち、日本企業の海外展開などについて特定の分野に限らず、広範な支援を行う政府系金融機関でございます。

今国会に提出された経済安全保障推進法等の改正案に盛り込まれているJBICの劣後出資等に関する仕組みは、経済安全保障上重要であるが、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールだけでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業を支援対象としてございまして、政策的意義をより重視しているものと承知してございます。

このようなお互いの特徴を生かし、両者が連携して、通信・放送・郵便分野における日本企業の海外展開を支援し、また我が国の経済安全保障の確保に貢献していくことが重要であると考えてございます。

また、JICTは民間の投資ファンドなど、様々な分野の経歴を持つ人材の方を採用・育成してございまして、情報通信分野の海外展開、あと投資の双方に高い専門性を有する人材を確保しているところでございます。

そのような独自性がJICTは持っているところでございますが、JBICをはじめとする他機関との連携におきましても、このようなJICTが持つ独自性や、また過去の教訓を生かしまして、日本の企業に対する支援の相乗効果を高めていくことを期待してございます。

防災ICTの海外展開と成果
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- かつてのトップセールスのその後、目に見える成果や課題はあるか

答弁
藤田国際戦略局長
  • インドネシアでは閣僚レベルのトップセールスの結果、2024年に災害情報共有システムの運用が開始された
  • タイなどでは財政状況や優先度により導入が進まない場合があり、ODA等を含めたパッケージ提案が重要である
全文
質問・答弁の全文を表示

そこで特に日本の地域を支えている防災ICTの海外展開について、売り込みから運用、そして将来の譲渡先に関してお伺いしたいと思います。

質問です。

そのトップセールスのその後について、現時点で目に見えるJICTの成果としてあったのか、その課題についてお伺いいたします。

多くの自然災害を経験している我が国には、ICTを活用した防災・減災に関する技術やノウハウが蓄積されておりまして、それらに対して海外から高い関心が寄せられているところ、各国政府に対するトップセールスが果たす役割が大きい分野であると考えてございます。

例えばインドネシアにおきましては、閣僚レベルのトップセールスの結果といたしまして、2024年にワンクイのエルアラートをモデルとした災害情報共有システムの運用が開始されてございます。

また防災ICTにつきまして、例えばタイでございますが、各国の財政状況や政策、事業の優先度によってはなかなか導入が進まないということもございますので、ODAなどのファイナンス支援に含めたパッケージの提案が重要であると考えているところでございます。

ASEANへの防災ICT提案の具体事例
質問
藤田国際戦略局長 (国民民主党・無所属クラブ)

- 過去のASEANへの防災ICTシステム提案が、JICTのスキームに乗った具体事例はあるか

答弁
藤田国際戦略局長

- 支援の相談を受ける案件はあるが、現時点で支援決定に至った案件はない

全文
質問・答弁の全文を表示

そこで質問いたします。

その提案が、このJICTのスキームに乗った事例はあるのでしょうか。

ASEAN各国において、現在どのような状況にあるか、お伺いしたいと思います。

この案件でございますが、JICTにおきまして支援の相談を受けるという案件はございますが、現時点において支援決定にまで至った案件はないということで承知してございます。

海外展開における運用・メンテナンスの担保
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 政権交代などのリスクがある中で、日本企業が継続的にメンテナンスや更新事業を受注し続けられる仕組みは担保されているか

答弁
藤田国際戦略局長
  • 各国のニーズに柔軟かつ迅速に対応し、相手国政府との協力関係を深めることが継続的なビジネス確保に重要である
  • 関係省庁とともに相手国政府への働きかけなどを進めてまいりたい
全文
質問・答弁の全文を表示

我が国のシステムが採用されても、その後の政権交代などで状況が一変する恐れがあります。

そこで、日本企業が継続的なメンテナンスや更新事業を受注し続けられる仕組みの担保というのはなされていますでしょうか。

一般的にこのシステムを継続的に運用していくため、例えば保守のような計画を立てていくというためには、各国のニーズ、特に機能拡充など、ニーズに柔軟かつ迅速に対応することなどを通じて、またその国の政府との協力関係を深めていくこと、こういうことが継続的なビジネスを確保していく上で重要であると考えてございます。

今後も引き続きこのICTシステムに関しまして、日本企業の継続的なビジネスを確保するために関係省庁とともに、特に相手国政府への働きかけとか対応を進めてまいりたいと考えてございます。

事業譲渡時の安全保障上の考慮
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- JICTが事業譲渡を行う際の選定基準において、経済安全保障や安全保障全般の観点をどの程度考慮しているか

答弁
藤田国際戦略局長
  • 株式譲渡の際は、我が国の経済安全保障の確保に与える影響を十分に考慮することが重要である
  • 過去の撤退事例においても経済安全保障に十分考慮して処分されたと認識しており、今後も処分の認可に際して妥当性を確認する
全文
質問・答弁の全文を表示

そこで質問です。

JICTが事業譲渡を行う場合、その選定基準に経済安全保障、これもっと言うと、安全保障全般の観点をどの程度考慮しているのか、政府の見解をお伺いいたします。

JICTが事業から撤退するために、保有する株式などを他社に譲渡する際には、我が国の経済安全保障の確保に与える影響などを十分に考慮することが重要と考えてございます。

過去にJICTが事業から撤退した事例におきましても、保有する株式などの売却先の選定などに当たっては、経済安全保障の確保に十分考慮して、保有する株式などが処分されたと認識しているところでございます。

総務省といたしまして、JICTが保有する株式などの処分の認可に際しましては、その妥当性をしっかりと確認してまいります。

放送・郵便分野の支援実績不足と今後
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 放送・郵便分野の実績が極めて少ない原因は何か。また今後のビジョンは

答弁
向山総務大臣政務官
  • 通信分野に比べ市場プレイヤーやプロジェクト組成機会が少なかったことが要因である
  • 放送郵便関係企業との議論を重ねており、ネットワークを活かして取組を進めることを期待している
  • 在外公館と連携して情報収集を行い、案件形成を後押しする
全文
質問・答弁の全文を表示

JICTの正式名称に海外においての通信、放送、郵便と3つの柱がありますが、やはりその中で放送と郵便の実績が上がっていないと正直思います。

これまで放送は1件、郵便はゼロです。

原因は何だと考えているのか、また今後どのように進めていくのか、政府のビジョンを改めてお聞かせください。

小野委員、ご指摘のとおり、JICTによる決定支援案件の投資分野別の内訳は、2025年度末時点で、通信分野27件のほか、放送分野が1件、郵便分野がゼロ件というふうになっております。

この要因といたしましては、放送郵便分野はデータセンターをはじめとする情報通信分野と比べまして、市場のプレイヤーが少なく、プロジェクトの組成機会も少なかったということが考えられます。

JICTにおいては、案件形成に向けて放送郵便関係企業との議論を重ねているというふうに聞いておりまして、今後これまで培ってきた組織的人的ネットワークなども活かしまして、放送郵便分野における取組を進めていくことを期待しているところであります。

総務省といたしましても、在外公館と連携をしながら、各国のニーズについて情報収集を行うなど、JICTによる放送郵便分野の案件形成を後押しをしてまいります。

累積損失の解消見通し
質問
許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ)

- 2029年度までに累積損失を解消するという見通しについて、改めて政府の見解を伺いたい

答弁
伏田国際戦略局長
  • 2023年度に黒字転換するなど計画を上回るペースで改善しており、2029年度までの解消の蓋然性は高い
  • 2028年度以降に大型案件の投資回収(共同出資者への売却等)が見込まれている
  • 円滑かつ適切に投資回収が進むよう監督を行う
全文
質問・答弁の全文を表示

令和7年10月から開催されているJICTのあり方に関する検討会について、その検討会で累積損失の解消について、2029年度には累積損失を解消する、そしてそれからグッと利益が出るとの見解が示されています。

それが今回の期間の延長にも少なからずつながっていると思いますが、改めて現在の見通しを政府よりお示しください。

JICTの今後の累積損益見通しにつきましては、個別の投資案件の具体的な進捗などに係る足元の状況や、保守的な未来見通しを踏まえまして、策定したものでございます。

また、2022年5月に作成された改善計画、これよりも3年前倒しとなる2029年度までに累積損失を解消する見通しとなっておりますが、例えば単年度損益を見ましても、改善計画より3年前倒しとなります2023年度に黒字に転じて、計画を上回る実績で損益の改善が進捗しておりまして、この達成の蓋然性は高い見通しであると考えてございます。

また加えまして、2028年度以降に大型案件の投資回収が見込まれておりますが、JICTが保有する株式の共同出資者への売却などによる投資回収が一般的に想定されているところでございます。

総務省としては、累積損失の解消の前倒しに向けて、JICTにおいて円滑かつ適切に投資回収が進められるよう監督を行ってまいります。

JICTの案件選定基準とルール
質問
青木ひとみ (参政党)
  • 支援期間の延長に伴い、国益に資する案件をどう厳選するのか
  • 企業の競争力、収益性、経済安全保障をどのように整理して選別するのか
  • 安易な投資継続や損失先送りを防ぐためのルールをどう担保するか
答弁
伏田国際戦略局長
  • 総務大臣が定めた支援基準(政策的意義、民間主導か、長期収益性、他公的機関との関係等)に基づき選定している
  • 政策的意義と収益性のバランスをポートフォリオ全体で確保することが重要である
  • インドのデータセンター市場での事例など、民間投資の呼び水として貢献している
全文
質問・答弁の全文を表示

はじめに、案件の選定方法についてお伺いします。

JICTの活動期間の延長は、成長戦略と経済安全保障の両面において、大きな意義があると評価しておりますが、支援期間が伸びて民間からの相談も増えていく中で、単に引き合いが多いからと手を広げるのではなく、国益に資する案件をどう厳選していくかという必要があると考えます。

そこで、10年という新たな時間軸を踏まえて、どのような基準で案件を選んでいくのかお聞かせください。

企業の競争力の強化、収益性の確保、経済安全保障という多面的な要素をどのように整理して選別していくのでしょうか。

期間の延長が安易な投資の継続や損失の先送りにつながることがあってはなりません。

より戦略的な国際展開へと結びつくために、適切な案件選定のルールをどう担保していくのかお聞かせください。

伏田国際戦略局長:はい、お答えいたします。

JICTは総務大臣が定めた支援基準に基づきまして、支援決定してございます。

その支援基準のポイントといたしましては、政策的意義ですとか、その民間事業者のイニシアチブによって運営されているのかですとか、その対象事業の長期収益性の確保、また、他の公的機関との関係性など、こういうものを基準といたしまして案件選定を行っているところでございます。

また、我が国の国際協力強化や経済安全保障の確保といった政策的意義と収益性の確保は、いずれも支援決定にあたっての重要な観点でございます。

どちらか一つの観点のみを重視するというのではなくて、ポートフォリオ全体の中で政策的意義と収益性のバランスを確保することが重要と考えてございます。

また実績でございますけれども、JICTによる支援、例えば成長著しいインドのデータセンター市場において、このJICTの支援によりまして、日本企業がトップシェアの獲得に結びついているということに寄与していることなど、民間投資の呼び水として、情報通信産業における海外市場開拓などに貢献しております。

総務省でいたしましては、政策的意義と収益性のバランスの取れたポートフォリオのもとで、JICTの支援が民間投資を誘発する呼び水としての役割をしっかり果たせるよう、適切に監督してまいります。

JICTの収支状況と利益の国民還元
質問
青木ひとみ (参政党)
  • 事業で得た利益の国庫納付の仕組みと、納付後の資金の使い道はどうなっているか
  • 資金の回収方法や、いつどのように事業を終結させるのかという道筋を伺いたい
答弁
財務省渡辺大臣官房審議官
  • 財政投融資特別会計からリスクマネーを供給している
  • 現在は累積損失が生じている状況であり、まずは経営改善による損失解消に取り組んでいる
  • 財務諸表の公表やプレスリリース等、株式会社としての情報開示は実施している
全文
質問・答弁の全文を表示

次に、収支の状況と利益の還元についてお聞きします。

JICTが直近3年連続で黒字を形成されていることは、投資案件の着実な成果と適切な経営管理の成果であり、その実績は評価されるべきものと存じております。

しかし、官民ファンドの原資が国民の皆様の貴重な財産である以上、その成果が最終的にどう活用されて、どのように国民に還元されるのかを明らかにすることは、私たち立法府の重要な責務です。

そこで伺います。

JICTが事業で得た利益、それが国庫へ納付される仕組み、また納付後の資金の使い道はどのようになっているのでしょうか。

分かりやすい形での運用ルールをお示しください。

投資の回収期間が長期化するからこそ、利益の行方、投資の成果を、より国民の皆様に不透明さを排除して示さなければならないと考えております。

資金をどう回収して、いつ、どのように事業を集結させていくのか、その道筋についても、御見解をお聞かせください。

財務省渡辺大臣官房審議官。

お答えいたします。

JICTは、通信放送、郵便事業を行う日本企業の海外展開を支援し、我が国経済の持続的な成長に寄与することを目的とした官民ファンドでありますけれども、その事業の性質に鑑みまして、財政投融資特別会計、投資勘定から、政策的必要性が高く、リターンが期待できるものの、リスクが高く、民間だけでは十分に資金が供給されない事業へのリスクマネー供給を産業投資として同機構へ出資を行っております。

御案内のとおりかと思います。

他方、JICTにおきましては、現在累積損失が生じている状況ではありますが、毎年度の予算編成におきまして、政策性、収益性が認められる場合には、引き続き追加投資を行っているところです。

財務省といたしましては、まずはJICTにおいて、引き続き累積損失の解消に向けた経営改善の取組等が行われる……。

JICTは国の資金が使われている以上、情報開示を充実させることは当然であると考えておりまして、従来から各年度の財務諸表の公表など株式会社としての情報開示、投資決定ですとか株式処分の際にはホームページでプレスリリースを実施しているものと認識しております。

また政府全体では官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議におきまして、各ファンドにおける累積損益に係る……。

海外インフラ支援による国内産業への波及効果
質問
青木ひとみ (参政党)
  • JICTへの支援が、どのように国内産業の活性化、所得向上、雇用の安定に結びつくのか
  • 海外インフラ整備が日本の国益や国民一人ひとりの生活の豊かさにどう寄与するのか
答弁
堀内総務副大臣
  • 情報通信分野は世界的な成長市場であり、日本成長戦略会議の戦略分野に位置づけられている
  • JICTが日本企業の戦略的投資の呼び水となり、産業の活性化や「稼ぐ力」の向上に寄与することを期待している
  • これらが結果として国民の所得向上や雇用の安定に貢献すると考えている
全文
質問・答弁の全文を表示

今、情報公開はされているということでしたけれども、世界情勢がますます不安定化する中で、損失が今後見込まれるとなったら、どの程度で早く切り上げるのか、そういったこともぜひ議論していただいて、国民の皆様に、先ほどお好み委員からもありましたけれども、失敗した例については、秘密契約でお話しできないという分、不満が溜まりかねません。

特に行き過ぎたグローバリズムの中で、日本の富が海外へ流出することを懸念する国民の声は日増しに強まっております。

そこで、今回のJICTへの支援が、めぐりめぐってどのように国内の産業を活性化させ、所得向上や雇用の安定として歓迎されるとお考えでしょうか。

海外のインフラを整えることが、日本の国益、そして日本で暮らす国民一人ひとりの生活の安定や豊かさにどう結びついていくのかをお聞かせください。

堀内総務副大臣。

情報通信分野はデジタル化、AI化の進展を背景に世界的に拡大が続く成長市場であるというふうに認識しております。

このような成長市場の旺盛な需要を取り込み、我が国の強い経済の実現に貢献していくものとして、情報通信分野は日本成長戦略会議のもと、官民投資を優先的に支援すべき戦略分野の一つに位置づけられております。

今後取りまとめる官民投資ロードマップの実行に当たって、JICTには海外市場の開拓を目指す日本企業の戦略的投資の呼び水として、これまで以上の役割を果たしていくことが求められます。

JICTによる支援が我が国における情報通信産業の活性化、稼ぐ力の向上に寄与し、そして国民の所得向上や雇用の安定に貢献していくことを期待しております。

有識者検討会の客観性と透明性
質問
青木ひとみ (参政党)
  • 評価を受けるJICT自身が同席し、提供データに基づいた議論が行われた構図に透明性の疑問がある
  • 第三者による客観的な視点や、技術・安全保障面からの厳格な検証はなされたのか
  • 公平な評価の妥当性と今後のあり方について伺いたい
答弁
福生田国際戦略局長
  • 技術、海外事業、経済学、安全保障、セキュリティの専門家5名による多角的な検証を行った
  • 成果の見えにくさ等の改善点を指摘されたが、対応を前提に期限延長が適当との提言を得た
  • 指摘事項への対応状況を注視し、適切に監督していく
全文
質問・答弁の全文を表示

JICTのあり方に関する有識者検討会についてお伺いいたします。

昨年2025年10月から約2ヶ月間、計6回という非常にスピーディな議論を経て、今後10年という長期の延長を決定されました。

そこで評価の客観性についてお伺いいたします。

検討会には評価を受ける立場であるJICT自身が立ち会い人として同席して、議論の土台となるリスク評価や実績データの多くがJICT自身から提供されたものに基づいております。

この構図を国民の皆様の目から見たときは、透明性への疑問を持たれかねません。

第三者による客観的な視点や技術面や安全保障面から厳格な検証はなされたのでしょうか。

いかにして公平な評価をされたのか。

その妥当性と今後の評価のあり方について、御見解をお聞かせください。

福生田国際戦略局長。

お答えいたします。

JICTのあり方に関する有識者検討会では、情報通信技術、海外事業、経済学、安全保障、セキュリティなどの分野に高い見識を有する5名の外部有識者にご参画いただきまして、技術面、安全保障面を含め多角的な視点から、JICTの経営状況の検証や今後の在り方について御議論をいただきました。

外部有識者の方々からは、JICTの投資の実績、成果が見えにくい、JICTが投資する政策的意義を明確にすべきといった改善点を御指摘いただきつつ、これらの指摘に対してJICTが適切に対応していくことを前提に、またJICTによる支援は引き続き推進すべきであり、設置期限を延長することが適当との提言をいただいてございます。

総務省といたしましては、JICTによる指摘事項への対応状況を注視いたしまして、外部有識者のご知見もお借りしつつ、適切にJICTの経営状況を監督してまいります。

有識者検討会の構成員選定とリスク管理
質問
青木ひとみ (参政党)
  • 検討会の5名の中に、デジタルの最前線や地政学リスクの専門家は含まれていたのか
  • 過去の巨額損失(ミャンマー等)を繰り返さないため、多角的な評価が必要ではないか
  • 構成員選定の考え方と議論の内容を伺いたい
答弁
伏瀬田国際戦略局長
  • デジタル技術や地政学リスクの専門知識を有する者が含まれていた
  • 報告書では、カントリーリスク情報の収集・分析を通じた投資リスク管理の推進が指摘されている
  • 顧問の招聘等で体制強化を行ってきたが、検討会の指摘を踏まえ、さらなるリスク管理強化に取り組む
全文
質問・答弁の全文を表示

外部の方や有識者の方の御意見があったということですが、その有識者の5名の方の選定方法についてより深くお伺いさせていただきます。

この5名の方の中に、デジタルの最前線を熟知する方、またあるいは地政学リスクの専門家が議論に加わっておられたのでしょうか。

初期の支援案件では、ミャンマーのクーデターとか中国の許認可が下りないことによって81億円もの損失を出した前例がございます。

リスクを未然に防いで国民の大切な資産を守るためには、国際情勢や最新技術に精通した専門家との議論が何より重要ではないでしょうか。

もちろん経営とか金融の視点も大切ですが、過去の失敗を繰り返さないためにも多角的な評価が必要だったのではないかと懸念しております。

そこで構成員選定の考え方、そして議論の内容についてもう少しお聞かせください。

伏瀬田国際戦略局長:お答えいたします。

JICTの在り方に関する有識者検討会では、先ほど申し上げました各分野の外部有識者の方に参加いただきました。

5名の外部有識者に参加いただきました。

その中には、今、御指摘のデジタル技術に非常に精通している方ですとか、地政学リスクの変動に対する専門家の知識を有している方も入っているところでございます。

これら有識者の方々にまとめていただきました報告書では、人材の量、質の強化を含め、カントリーリスク情報の収集、分析などを通じた投資リスク管理を推進する必要性などについて御指摘をいただいているところでございます。

JICTではこれまでにもマクロ経済、地政学分野の専門家を顧問といたしまして招聘するなどの取り組みを通じまして、地政学リスクに関する情報の収集分析体制の強化を行っておりますが、有識者検討会における御指摘を踏まえまして、今後、さらなるリスクの管理、強化に取り組んでいくものと承知してございます。

中小企業および若手技術者への支援
質問
青木ひとみ (参政党)
  • インフラ輸出を支える地方の中小企業や若い技術者に支援を届けることは重要ではないか
  • 大企業にとどまらず、中小企業が活躍し技術が継承されるために、JICTとしてどのような支援を考えているか
答弁
林芳正
  • 中小企業は日本経済の屋台骨であり、ガバナンスが確保された事業者との共同出資を前提に一層支援すべきと考えている
  • JICTが蓄積した海外展開の知見やネットワークを中小企業に還元することが有効である
  • 総務省の海外市場調査等の取り組みと連携し、JICTに中小企業の海外展開支援に取り組むよう促す
全文
質問・答弁の全文を表示

中小企業の展開について、最後に林大臣にお伺いいたします。

日本が世界に誇るインフラ輸出の現場を支えているのは大企業だけではございません。

地方で技術を磨き続ける中小企業の職人たちの力があってこそです。

こうした方々の活躍を広く可視化することは、現場の士気を高めるだけではなくて、納税者である国民の皆様が「日本の技術が世界のどこかで誰かの暮らしを豊かにしている」と自分ごととして誇りを持てる生きた物語になると考えます。

また、多くの現場が後継者不足という深刻な課題を抱える中、世界という大きな舞台を若者に示すことができれば、それは未来への希望となります。

若者が「自分もこの技術で世界をつなぎたい」と憧れを抱き、確かな技術が次の世代へと受け継がれていく仕組みを構築することも重要な課題ではないでしょうか。

そこでJICTの支援が大企業にとどまらず、地方の中小企業や若い技術者たちまで届いて、日本のインフラ輸出を根底から支える存在となっていくために、JICTはどのような支援を考えておられるのかお聞かせください。

林芳正総務大臣:発展をしていった、こういうことでございまして、まさに雇用の7割、付加価値の5割を中小企業というのは占めておりますので、日本経済の屋台骨であります。

また地域経済をですね。

これは期待されておりまして、実際に先ほども申し上げましたけれども、沖縄県の中小企業を支援する実例、こういうのも出てきております。

この10月から12月まで、昨年行いました有識者検討会、ここでもガバナンスが確保された事業者との共同出資を前提といたしまして、地方企業ですとかスタートアップ企業、中小企業を一層支援すべきだと。

こういうふうになっております。

中小企業は一般的に申し上げますと、やはり海外事業に関する情報、ノウハウが不足しておりまして、海外展開になかなか行きつけない要因となっている。

ということに鑑みまして、このJICTに蓄積されております海外展開に必要な知見やネットワーク、これをそうした中小企業などに還元をする、これが有効であろうと考えております。

総務省では海外市場調査、また実証実験などを通じて、こうした中小企業向けの海外展開支援に取り組んでおります。

JICTには、このような取り組みと連携を図りながら、中小企業の海外展開支援に取り組んでいくよう促してまいりたいと考えております。

JICTの支援対象範囲とポケトーク社への出資妥当性
質問
武藤かず子 (チームみらい)
  • ポケトーク社のような民間向けサービスへの出資が、JICT本来の政策的関与効果をどう発揮するのか
  • クールジャパン機構の方が親和性が高いと考えられる中、なぜJICTが支援主体となったのか
答弁
福田国際戦略局長
  • 2022年に支援基準を改正し、ハードインフラを伴わないICTサービス事業を支援対象に追加した
  • NICTの技術を由来とするサービスの海外展開であり、JICTの専門性と親和性が高いと判断した
全文
質問・答弁の全文を表示

はじめにJICTの支援対象の範囲についてお伺いをいたします。

JICT法が定める支援対象は、海外において電気通信事業、放送事業、郵便事業を行うものであります。

2022年12月に出資を決定したポケトーク社が展開する多言語翻訳サービスはICT関連であり、領域上ではJICTが支援対象の範囲内に収まり得ると理解をしております。

一方で確認したいのは、領域の適否よりも、JICTの設立趣旨は規制分野ゆえの政治リスクへの対応や大規模インフラへの資本供給という、民間では対応が難しい場面に公的資金を投じることであったと理解をしております。

ポケトーク社は主に一般消費者、民間向けのサービスであり、株主としてJICTが参画することで、JICT本来の政策的関与効果がどのように発揮されるのかご説明いただきたいと思います。

併せて、スタートアップへの成長支援という性質に着目すれば、クールジャパン機構の方が支援スキームとして親和性が高かったとも考えられます。

なぜJICTが支援主体となったのか、両機構の役割分担の観点からお示しいただきたいと思います。

JICTにおきましては、世界的に拡大するICTサービスの需要を取り込むことなどを目的にいたしまして、委員ご指摘のとおり、2022年2月にJICTの支援基準を改正いたしまして、ハードインフラの整備などを伴わないICTサービス事業を新たに支援対象に追加いたしました。

インフラのみならず、多言語翻訳サービスなどのICTサービスに関しましても、海外需要に積極的に取り組み、我が国の事業者の成長につなげていくことが重要であると考えているところでございます。

また、委員ご指摘の多言語翻訳サービスは、総務省所管の情報通信研究機構(NICT)が長年開発してきた我が国の技術につきまして、ライセンス供用を受けた企業の海外展開の事例でございまして、JICTにおいては、このNICTの技術アドバイザーの技術的知見の収集などを通じまして、ICT分野に係る専門性を高めてございます。

このようにJICTのICT分野に係る専門性の観点から、また日本初の技術を由来としましたこの多言語翻訳サービスの海外展開支援は、JICTとの親和性が高いものと考えているところでございます。

審査体制のケーパビリティとガバナンスの整備
質問
武藤かず子 (チームみらい)
  • 支援対象の拡張に伴い、スタートアップ等の適切なリスク審査が行える体制・人材が不足している懸念がある
  • 投資の専門知識を持つ独立した有識者による「出資者ガバナンス」の仕組みを整備すべきではないか
答弁
福田国際戦略局長
  • 社外取締役を中心とする委員会で意思決定を行い、外部意見を積極的に反映している
  • 他の官民ファンドを参考に、外部意見を取り入れ経営の健全性向上に向けて適切に監督する
全文
質問・答弁の全文を表示

既に他の委員からの質問にもありましたとおり、私が懸念しておりますのは、審査する側のケーパビリティの問題でございます。

海底ケーブルやデータセンターといった大規模インフラ案件のリスク審査と、スタートアップへの出資を判断するのでは、専門知識は全く異なります。

そもそもJICTにおいては、案件を審査する人材の確保自体も難しいと聞いております。

支援対象を拡張していけば、適切なリスク審査が行われないまま案件が積み上がっていくことを懸念しております。

設置期限の延長にあたり、設立目的と支援対象の整合性を改めて精査した上で、審査基準と体制の両方を見直すことを強く求めたいと思います。

さらに根本的な問題として、一般的なファンド運営においては、投資の専門知識を持つ立場から、投資方針、リターン目標、情報開示基準を能動的に監視する出資者ガバナンスの機能が置かれますが、JICTにはその仕組みが存在しません。

また、JICTに対する政府の関与は、認可、予算承認、実績評価といった行政監督の形をとっており、その機能を政府が十分に果たせるとは言い難い状況です。

設置期限の延長に当たり、投資の専門知識を持つ独立した有識者による出資者ガバナンスの仕組みを整備することを提案したいと思いますが、政府のお考えをお示しいただきたいと思います。

加えてJICTでは、民間株主の意見を取り入れながら経営が行われ、また社外取締役を中心とする委員構成となっている委員会において、意思決定が行われておりまして、外部の意見の積極的な反映が図られていると承知してございます。

総務省といたしましては、他の官民ファンドの取組状況も参考にいたしまして、このJICTの経営に係る健全性の向上に向けて、外部の御意見などを積極的に取り入れて、経営が一層推進されるように適切に監督を行ってまいります。

累積損失解消見通しの妥当性と第三者査定
質問
武藤かず子 (チームみらい)
  • 2029年度の累損解消見通しがJICT自らの試算のみで、独立した第三者による査定が行われていないのは問題である
  • ワーストケースの見通しを公開し、独立した専門家による試算査定を実施すべきではないか
答弁
福田国際戦略局長
  • 第三者による試算査定は未実施だが、自ら公正価値評価を行い公表している
  • 決算書は会計監査法人による監査を受けており、単年度黒字などの実績は第三者監査済みである
全文
質問・答弁の全文を表示

続きまして、累積損失解消見込みの妥当性についてお伺いをいたします。

2029年度、累積損失解消見通しの根拠となる試算評価をJICT自ら実施しており、独立した第三者による査定が一切行われておりません。

政府出資率90%以上を占める機関が自らの評価のみで、この設置期間10年の延長を正当化することは説明責任を果たしておらず、ガバナンスの観点でも問題であると考えております。

ワーストケース、すなわち為替の大幅変動や地政学的リスクが顕在化した場合における累損解消の見通しを公開すべきであり、独立した専門家による試算査定の実施を求めます。

JICTにおきましては、現在独立した第三者の専門家による試算査定は実施されておりませんが、JICT自ら出資資産の公正価値評価を実施し、その結果を公表しております。

またJICTは、株式会社として会社法に基づき、決算書について会計監査法人による監査を受けておりまして、2023年度以降、2年連続の単年度黒字の計上などの実績は、第三者による監査を受けているものでございます。

JICTの存在意義(政策性と収益性)と目標設定
質問
武藤かず子 (チームみらい)

- 政策性と収益性の評価枠組みを事前に明示し、政策性の指標・手法・タイミングおよび収益性の最終利益管理目標を示すべきである

答弁
林芳正
  • 政策性は日本企業の海外展開支援による経済成長寄与、収益性は資本コストを上回る収益達成を目指す
  • 収益管理目標は設定していないが、2035年度末の累積損益目標額を116億円と設定している
  • 政策性評価の枠組みはKPI検証を通じて行っているが、状況変化に応じ見直しを検討する
全文
質問・答弁の全文を表示

続きまして、JICTの存在意義と回収目標についてお伺いをいたします。

JICTの存在意義は大きく2点あると考えております。

1点目が政策性、2点目が収益性でのリターンであります。

この両者の評価の枠組みが事前に明示されていなければ、将来にわたって客観的な検証を行うことが難しくなると懸念をしております。

設置期限の延長にあたっては、政策性と収益性、この2つのタイプのリターンに対して、政策性においては指標、手法、タイミングを、収益性に関しては、最終的な利益管理目標をお示しください。

国民に対する説明責任を果たす上で重要と考えますので、林芳正大臣の見解をお聞きしたいと思います。

今、委員からお話がありましたように、このJICTによる投資、これは政策性と収益性、両方を満たすということが求められるわけでございます。

この政策性の観点ですが、このJICTによる投資によりまして、日本企業の海外展開を支援し、我が国経済の持続的な成長に寄与する。

これが目的ということでございます。

収益性の観点では、投資リスク管理を徹底し、着実に収益を確保するということで、最終的には産業投資の資本コスト、これを上回る収益の達成を目指すということでございます。

収益性について、今、委員からはですね、国への収益管理目標というお言葉もありましたが、これは設定はしておりませんけれども、現在のKPIである累積損益の目標額、これは2035年度末で116億円と設定しております。

従って仮に当該目標額が現在のJICTへの出資比率に応じて株主に還元された場合には、110億円超の利益、これが国庫に納付されることになる。

現状のJICTの政策性に係る評価の枠組みにつきましては、KPIの検証を通じて適切な評価が行われていると考えておりますが、JICTを取り巻く状況変化、これにも留意しながら、適切に見直しを検討してまいりたいと考えております。

民間投資の誘引効果(追加性)の判断基準
質問
武藤かず子 (チームみらい)
  • 現在の誘引効果の数値は単なる協調投資の合計であり、JICTがなければ実現しなかった投資(追加性)を検証する仕組みがない
  • どのような案件を「JICTの参画によって初めて実現した投資」とみなすか、判断基準を明示すべきである
答弁
福生田国際戦略局長
  • JICTがいなければ投資が実現しなかったか否かを明確に答えることは難しいが、投資判断の材料として寄与していると考える
  • 他事例を踏まえ、客観的な視点から適切に評価し、説明責任を果たしていくことが重要である
全文
質問・答弁の全文を表示

政府は、JICTの政策的意義として、誘引効果ということを繰り返し強調しておられます。

最新の報告でも、融資合計で6.2倍、出資のみで5.7倍が実績であると説明がありました。

これに対して計算方法を総務省へ照会したところ、分子となる民間投資額7,167億円はJICTと協調して行われた民間投資額の合計であると認めております。

つまりこの数値はJICTがいなければ実現しなかった投資ではなく、JICTと一緒に投資した民間の金額の総計であるというところ、高見委員の質疑でも御答弁がございました。

また、案件ごとに追加性、すなわちJICTの参画が民間投資の実現にどの程度貢献したのかというところを文書化、検証する仕組みが現在存在しないというところも、総務省への照会で確認をさせていただいております。

公的資金を民間投資に活用する開発金融の世界では、世界銀行グループの国際金融公社や、オランダ、ドイツの開発金融機関において、こうした追加性の評価、文書化が取り組まれております。

日本の官民ファンド全体としても、追加性の評価をする仕組みは、現在整備されていない状況でございますが、この設置期限の延長を機に、どのような案件をもって、JICTの参画によって初めて実現した投資とみなすのか、その判断基準をあらかじめ明示することが必要と考えております。

ぜひこの判断基準を明示すること、政府のお考えをお示しいただきたいと思います。

JICTは誘発された民間投入資額、いわゆる呼び水効果の額といたしまして、委員御指摘のとおり、JICTと協調して行われた民間企業等の投資額を算定してございます。

JICTがいなければ、民間企業などによる投資が実現しなかったか否かにつきましては、明確にお答えすることは難しいのでございますが、JICTによる投資、またはその見込みがあることは、民間企業などによる投資判断の材料として、民間投資の誘発に寄与していると考えてございます。

いずれにいたしましても、JICTにおいては、御指摘いただいたような他の事例も踏まえつつ、JICTの参画が民間投資の実現にどの程度貢献したのかにつきまして、客観的な視点から適切に評価を行い、しっかり説明責任を果たしていくことが重要であると考えてございます。

総務省としても、JICTによる対応の状況を適切に監督してまいります。

早期撤退の判断基準と規律
質問
武藤かず子 (チームみらい)

- 収益性が著しく低下した案件について、早期売却を判断するための具体的な基準を定めているか。定めていない場合はどのようなプロセスで判断しているか

答弁
福生田国際戦略局長
  • 支援決定時に基本的な投資回収方針を策定し、四半期ごとのモニタリング会議等で事業継続や撤退を判断している
  • 回収が見込めない案件は損失計上し、会計監査法人の監査を受けている
全文
質問・答弁の全文を表示

続きまして、早期撤退の判断規律についてお伺いをいたします。

設置期限を延長したとしても、運営コストや時間の経過を考慮した場合にIRRの改善が見込めない案件については、延長を待つよりも早期に資産を売却する方が、国民の損失を抑えられる観点から合理的な場合があると考えております。

そうした判断を適切に行うためには、あらかじめ撤退基準を明示しておくことが重要と考えております。

そこでお伺いをいたしますが、収益性が著しく低下した案件については、早期売却を判断するための基準は現在定めておられますでしょうか。

もし定めておられない場合は、どのようなプロセスで判断されているのかをお示しください。

JICTにおきましては、支援決定時に基本的な投資回収方針の策定や、関係者との間で撤退に係る取決めを行ってございます。

その上で、随時での全社会議や、原則四半期ごとのモニタリング会議などを通じて、投資案件のモニタリングを実施し、その中で事業継続や撤退などの判断を行ってございます。

また、毎年度の決算書の作成過程においては、各投資案件について、投資回収の見込みを精査いたしまして、一定程度回収が見込めないと判断される投資案件については、損失計上を行ってございます。

損失計上については、毎年度公表している決算書に反映されておりまして、その処理の妥当性につきましては、外部の会計監査法人による監査を受けているものでございます。

JICTにおいて、引き続き投資案件のモニタリングが適切に実施され、損失計上を行う場合には、適切な会計処理及び公表とともに、一層の説明責任が果たされるよう、適切にJICTを監督してまいります。

運営コストの管理体制と組織規模の適正化
質問
武藤かず子 (チームみらい)
  • 投資回収フェーズにあるにもかかわらず増員が進んでおり、スリム化計画もない。組織規模の方向性をどう考えているか
  • 資産回収の進捗に連動したスリム化目標の設定と検証を、出資者ガバナンスの中で担保すべきではないか
答弁
総務大臣、国際戦略局長
  • 案件増加等の背景から体制強化が必要だが、将来的に投資回収が進み業務量が減少するフェーズでは体制縮小が考えられる
  • 外部意見を積極的に取り入れた経営が推進されるよう、適切に監督を行う
全文
質問・答弁の全文を表示

続きまして、運営コストの管理体制についてお伺いをいたします。

総務省への照会により、スリム化計画は策定されていない、延長後の人員規模の具体的見通しもない。

また現在、2025年度末に向け、31名から36名への増員が進んでいることを確認いたしました。

同じ官民ファンドであるINCJが、投資回収フェーズで段階的に人員を縮小し、組織を精算した経緯も踏まえ、JICTの組織規模の方向性について、どのようにお考えになっているかお示しいただきたいと思います。

こうした問題は、スリム化計画の有無にとどまらず、根本的なガバナンスの問題であると考えております。

一般的なファンド運営においては、出資者がコスト管理、組織規模の適正化を能動的に監視する機能が出資者ガバナンスを担いますが、JICTにはその仕組みがありません。

資産回収の進捗に連動したスリム化の目標設定と達成状況の検証を、独立した有識者による出資者ガバナンスの仕組みの中で担保することについて、政府のお考えをお示しいただきたいと思います。

JICTの職員数でございますが、設立当初の2015年度末時点では16名だったところ、その後の投資案件の増加などによる業務量の増加などを背景に、2025年度末時点では33名となってございます。

また、設置期限が延長された場合には、この設置期限が制約となっていました案件への投資も見込まれますので、またさらなる海外需要の獲得が期待されることなどを踏まえますと、引き続き経営改善への取組を着実に行っていくことを前提にいたしまして、JICTの体制を強化していく必要があると考えてございます。

他方、将来的なことでございますが、設置期限に向けて投資回収が進み、業務量が減少していく、いわゆる投資回収のフェーズに来る場合などにおいては、その体制を縮小することが考えられます。

繰り返しになりますが、JICTでは民間株主の意見を取り入れながら経営が行われ、また社外取締役を中心とする委員構成となっている委員会において、投資の意思決定が行われておりまして、外部の意見の積極的な反映が図られていると承知してございます。

総務省としては、他の官民ファンドの取組状況も参考にしつつ、JICTの経営に係る健全性の向上に向けて、外部の意見なども積極的に取り入れた経営が一層推進されるよう、適切に監督を行ってまいります。

株式会社海外通信放送郵便事業支援機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
質問
平林晃 (中道改革連合・無所属)
  • 民間資金の呼び水としての役割と、地方・中小企業の海外展開推進を求める
  • 官民ファンドガイドラインに基づく活動検証と、累積損失解消に向けた適切な監督を求める
  • 専門人材の確保・育成および、国民への説明責任を果たすための情報開示を求める
  • 総務省や他機関との連携強化、および独立した有識者による評価・報告体制を設ける法改正の検討を求める
答弁
林芳正

- 決議された事項の趣旨を十分に尊重して取り組む

全文
質問・答弁の全文を表示

「株式会社海外通信放送郵便事業支援機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案。

政府は、本法の施行にあたり、次の各項の実施に努めるべきである。

一、機構が海外における通信・放送・郵便事業の支援を行うにあたっては、民業を補完する存在として、民間資金の呼び水の役割を果たすことに徹するとともに、我が国の地方企業、スタートアップ企業、中小企業等の海外展開を推進するよう、機構における適切な運営を確保すること。

二、機構が我が国経済の持続的な成長に寄与するとの目的に沿って運営されるよう、官民ファンドの運営に係るガイドラインに従って、機構の活動の検証を適時的確に行うこと。

三、官民ファンドの原資が国の資金であることに鑑み、機構が改善計画を達成し、早期に累積損失を解消できるよう、機構に対し適切な監督を行うこと。

四、投資リスク管理のさらなる推進、地方企業の海外展開への貢献等の観点を踏まえ、機構において、海外事業、ICT事業、金融等の専門知識を有する民間の人材のさらなる確保・育成が図られるよう、必要な取組の実施を求めること。

五、機構に対し、関係者との秘密保持契約に留意しつつも、出資決定時から出資金等の回収による損益の確定までの間における一層の情報開示を求めることを通して、国民に対する説明責任を果たすように努めること。

六、機構が海外における通信放送郵便事業の支援を行うにあたっては、国際競争力の強化や経済安全保障の確保等のため、総務省との連携をより緊密に図るとともに、機構と我が国の政府系金融機関、海外の政府関係機関、民間株主、銀行等との間において、適切な役割分担がなされ、より密接な連携と協力が図られるよう、必要な取組の実施を促すこと。

七、機構の運営に対する国会・国民の監視機能を実効的なものとする観点から、投資の専門知識を有する政府から独立した有識者が、機構の中期経営計画及び改善計画、収益性の確保の状況、情報開示の状況を能動的に評価し、その上で累積損失解消の進捗状況や運営の効率化の達成状況、機構の損廃に関する評価等を定期的に国会に報告する仕組みを設けるための法改正について検討を行うこと。

機構による対象事業支援が法の目的及び支援基準に沿って行われるよう、機構を適切に指導・監督するとともに、支援決定に係る認可に当たっては、認定過程の透明性確保に努めること。

林芳正総務大臣:ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

発言全文

古川康 (総務委員長) 1発言 ▶ 動画
委員長 古川康

これより会議を開きます。

内閣提出、株式会社海外通信放送郵便事業支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。

この際、お諮りいたします。

本案審査のため、本日、政府参考人としてお手元に配布いたしておりますとおり、内閣官房内閣参事官、三木文平君ほか5名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

御異議なし。

御異議なしと認めます。

よって、そのように決しました。

これより、質疑に入ります。

質疑の申出がありますので、順次これを許します。

はい、委員長。

福原淳嗣 (自由民主党・無所属の会) 11発言 ▶ 動画
質疑者 福原淳嗣

福原淳嗣。

おはようございます。

自由民主党の福原淳嗣でございます。

まず何よりも今回、質疑の機会を賜りましたこと、古川委員長、そして理事の皆さん、そして全ての委員の先生方に感謝を申し上げ、通告に従い、質問に入らせていただきます。

今回、株式会社海外通信放送郵便事業支援機構法、いわゆるJICT法。

この質疑ということを考えた際、まず一番最初に頭の中をよぎったのはデジタル赤字であります。

今、私はiPhoneを持っておりますが、こういった製品や財で3兆数千億円、アプリケーションを含むサービスも含むと約7兆円ものデジタル赤字が出ていると言われています。

よくテレビでは「情報通信市場は世界的に拡大していっているのに、日本企業の奪うシェアは全然少ない」などと、あたかも日本が負け組のような報道がたくさんされているのは、皆さんご存じのとおりです。

でも、私は実はそうは捉えていません。

ちょうど1年前、同じ総務委員会で改正NTT法の質疑をさせていただいたときに改めて思いましたのは、これから日本は世界のICT市場においてゲームチェンジャーになる可能性が圧倒的に高いのだということでした。

特にこれからAI社会と言われている中では、高速で大量に、しかも消費電力が少ない、いわゆるAPN(オール光ネットワーク)、そしてそれをデータセンターでつないでいく。

これは絶対に日本の勝ち筋だと考えています。

でも、この形をつくっていったのは、やはりJICT機構のこれまでの取り組みがあってこそと考えています。

まず一番最初にお聞きしたいのは、激変し、かつ加速度的に進化し続ける世界のICT市場、あるいは分野において、JICTが果たしてきた役割、あるいは実績についてお伺いをしたいと思います。

答弁者 福生田国際戦略局長

福生田国際戦略局長。

お答えいたします。

JICTは海外で通信、放送、郵便事業を行う者に対するリスクマネー供給などを通じて、海外における需要を積極的に開拓し、収益性の向上などを図ることで、我が国経済の持続的な成長に寄与することを目的に、約10年前の2015年に設立されました。

この10年間のJICTの実績は、海底ケーブルやデータセンターなど、デジタルインフラを中心に28件の支援決定を行っておりまして、2024年度末までの累積投資額は約1,159億円。

これに誘発された民間投資額は約7,167億円となってございます。

これらの支援は、今、議員が申し上げられました、これから旺盛に増えていく海外需要を日本の企業が獲得していくことに着実に貢献し、また民間投資の呼び水としても十分に機能しており、JICTはその目的に照らして適切な役割を果たしてきているものと考えております。

質疑者 福原淳嗣

福原淳嗣君。

古川委員長。

福田局長、ありがとうございました。

一番重要なのは、海外の需要をこれからも取りに行くという姿勢だと思います。

そこで二つ目の質問をさせていただきたいと思います。

日本成長戦略とJICTとのあり方についてであります。

私はこの日本成長戦略における高市総理の発言の中で、次のこの一言に注目をしています。

「日本経済のパイを大きくしていくことが重要だ。

そのためにも、世界をリードする技術、あるいはビジネスを創出していくんだ」。

これは、地域未来戦略の中での高市総理の発言なんです。

今回私の質問は、このJICTは海外の展開と言っていますが、実はいずれAI社会を迎えると、日本の国内の成長と海外をどうやって捉えていくのかが、この情報通信分野で一番重要だと考えています。

特に17戦略分野のうち、インフラの中のインフラと言われているこの情報通信分野について、改めて日本成長戦略とJICTの在り方について、向山政務官にその見解をお聞きしたいと思います。

よろしくお願いします。

答弁者 向山総務大臣政務官

向山総務大臣政務官。

お答え申し上げます。

JICTが支援対象としておりますデジタルインフラは、委員ご指摘のとおりAI社会を支える上で不可欠な基盤でございます。

JICTには、今後取りまとめる官民投資ロードマップの実行に当たって、我が国企業の戦略的投資の呼び水として、情報通信分野の海外市場の開拓において一層重要な役割を果たすということを期待しているところであります。

質疑者 福原淳嗣

福原淳嗣。

古川委員長。

向山政務官、ありがとうございました。

大切なのは民間の投資を呼び起こす、その呼び水としての政府の投資だというふうに思います。

その点につきまして、3点目をお聞きしたいと思います。

日本成長戦略、これは成長戦略だけでなく「危機管理投資」だと高市総理ははっきりと謳っています。

情報通信分野においてこの危機管理投資といえば、私ははっきり言えば国産化されたものだというふうに思っています。

これからAI社会を支えるオール光ネットワークの中で、例えば関わる特許の件数は日本が1位です。

そしてオールヒカリネットワークの上位サプライチェーンを占めているのも、やはり日本の部品です。

ただ、それが下流になってくると海外のものが多い。

そういう中において、危機管理投資という観点から、今後のJICTの調達の戦略、こういったものは非常に重要になってくるのではないかと考えていますが、この点に関しまして、中長期的な展開も含めてJICTよりも政府の考え方をお聞かせください。

答弁者 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長、お答えいたします。

今、委員ご指摘の危機管理投資、またこれに関連しまして、経済安全保障の確保、これは最重要課題の一つでございまして、我が国における戦略的な自立性、不可欠性の確保に向けて、デジタルインフラ事業の海外展開支援など、官民一体となって危機管理投資に取り組んでいくことが重要でございます。

JICTの支援基準におきましても、支援対象事業について我が国の外交政策及び対外経済政策との調和が取れているものであることを求めておりまして、経済安全保障危機管理の観点は支援決定に当たっての重要な基準となってございます。

例えば、日本、シンガポール、インドの間を接続する海底ケーブル事業を支援している案件につきましては、我が国のみならず……。

質疑者 福原淳嗣

福田局長、ありがとうございました。

まさしく経済安全保障上重要な分野において、連携国とのつながりというのは非常に私は大切になってくるだろうと思います。

実は投資先の実績を見ますと、着実にインド、アジア、それをきちんとフォローしている流れだと思います。

そして、これから日本の企業が戦略的に市場を取りに行くとすれば、やはり北米市場だと思っています。

そうすると、アジアの経済のダイナモを日本がハブとして北米とつながっていくという考え方は非常に重要だというふうに捉えています。

そうした意味でも、ぜひその方向性で進めていただきたいと思います。

また、そういうことも含めまして、先ほど向山政務官の中に、これからの投資の対象として「次世代ワイヤレス」というような文言がありました。

ここが私は非常に重要だと思っております。

どちらかというとJICTのこれまでの投資の領域というのは、海底ケーブルにそれが大きかったんだろうなと思います。

それがいずれデータセンターというものが来るのは当然なんですが、むしろそれよりも日本成長戦略や、最後に林大臣にお聞きするんですが、地域未来戦略との関わり合いにおいて、やはり次世代ワイヤレスあるいは非地上系ネットワークのつながりというのは、これを実現することは非常に日本にとって重要だと。

高市内閣総理大臣、地理空間情報推進議連というのがあります。

それから宇宙開発特別委員会というのは自民党の政務調査会にあります。

先日、導きが失敗したんですが、自国だけで衛星システムを持っているのは世界中で6つだけだそうです。

それが今の7期から11期体制になれば、日本はそれが可能になる。

そうすると、あらゆる自動運転が行政区分を関係なく展開できると、私は教えていただきました。

そうすると、このJICTの投資領域、これは広く捉えて、衛星も含めてと私は捉えておりますが、ぜひ政府の見解をお聞かせいただきたいと思います。

答弁者 福田局長

福田局長。

衛星が地球の上空に展開するため、多くの場合、グローバルなサービス提供が前提となりまして、ご指摘のとおり、海外展開が重要となります。

他方で、グローバル市場への展開に当たって、多額の投資に踏み切る必要があります。

また、ユーザー側のニーズ変動による需要リスクも大きく、また、衛星地上局などの無線局免許など、当該国の政策的リスクもあり、投資回収に確たる見通しを立てにくいなどの課題があると承知してございます。

まさに官民一体となった危機管理投資が必要な領域でございまして、今後、日本企業による海外展開の促進に向けて、JICTによる支援が呼び水として機能していくことを期待しているところでございます。

質疑者 福原淳嗣

福原淳嗣君。

はい。

古川委員長。

福田局長、ありがとうございました。

ぜひ、投資領域を広げていただきたいと思います。

それでは、最後の質問に移らせていただきます。

地域未来戦略とJICTの今後のあり方、関わり合い方についてであります。

地域未来戦略本部での高市総理の発言の中で、私が一番注目しているのは、その趣旨であります。

地方が持つ伸びしろを生かすんだ。

国民の暮らしと安全を守るんだ。

そのために、地域ごとの産業クラスターを全国各地につくっていくんだ。

世界をリードする技術、ビジネスをつくっていく。

地場産業の付加価値向上と販路開拓の強力な支援などを検討する。

地域未来戦略は、やはり地域に戦略クラスター、地域産業クラスター、そして地場産業成長プラントの3層になるクラスターをつくっていくものでありますが、ここにある世界をリードする技術、あるいはビジネスの創出、集積をつくっていく。

そこは地方から直接世界に打って出るということだと私は確信をしております。

そうすると、これまでJICTは地方自治体と一緒に投資をしていくというような事業はなかったと思いますが、これから地域未来戦略が2年3年と続いていく、その先にある地方から直接世界に打って出る、そういうビジネスモデルや、あるいは地方自治体、そういう技術が出てきます。

そのときのことも踏まえて、ぜひこれは林総務大臣の今後のビジョンをお聞かせいただきたいと思います。

答弁者 林総務大臣

林総務大臣。

地域未来戦略の推進による強い地域経済の構築、これ大変委員がおっしゃっている重要な課題でございます。

地域経済を支える事業者などの稼ぐ力、これを強化するために、その海外展開支援するということは大変有効な手段であると考えておりまして、JICTでもこの地域の企業の海外展開向け取り組みを行っておるわけでございます。

沖縄県の中小企業を支援した事例がございますほか、例えば地方における投資人材、これを育成するというなどの観点から、地銀から出向者の受入れを通じて、地方人材の育成ということもやっております。

総務省において、昨年10月から12月まで有識者検討会を開催いたしましたが、ガバナンスが確保された事業者との共同出資、これを前提といたしまして、地方企業、それからスタートアップ企業、中小企業、これを一層支援すべきと、こういうご検討の結果をいただいております。

この報告書を踏まえまして、JICTには、地方銀行等との一層の連携を図ることを含めて、地域企業の海外展開に積極的に貢献するように促してまいりたいと考えております。

質疑者 福原淳嗣

福原淳嗣君。

古川委員長、林総務大臣、ありがとうございました。

ぜひ地方の伸びしろを生かし続けるJICTであってほしいというふうに思います。

これは私のふるさとの事例なんでありますが、洋上風力発電が商業ベースで今日本で一番進んでいます。

企業撤退の方もありましたけれども、むしろチーム秋田で頑張ろうという気運があふれています。

まだ政府では検討段階のものだとお聞きをしておりますが、いずれオール光ネットワークに、ワットビット連携によるデータベースの分散、そこにAI社会を組み合わせていく。

それを世界に広げていくことができると私は考えています。

そういう意味においても、ぜひ地域未来戦略、日本成長戦略、併せてJICTを位置づけて引っ張っていただきたいと思います。

以上をもって私の質問を終わります。

ありがとうございました。

田嶋要 (中道改革連合・無所属) 36発言 ▶ 動画
委員長 古川康

古川康君。

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

中道改革連合・無所属の田嶋要でございます。

質問の機会をいただき、私からも御礼申し上げます。

ありがとうございます。

今日は国家情報会議設置法案に関しての質問でございますが、その前に1点。

昨日、神奈川、埼玉、千葉の知事が林総務大臣にお目にかかっていると思います。

3回目だということで報道されておりましたが、私も所信に対する質疑で質問をさせていただきました。

この今の「東京ひとり勝ち」と言っていいのか、偏在の問題は非常に深刻だと思っております。

その後も役所の方にもお願いをさせていただいているところですが、改めて林総務大臣、この問題に対する今後の政府としての取り組みの覚悟を伺いたい。

私は前回も申し上げました。

東京都が反発をし、東京都が対立をするような中身の問題ではないと思っています。

これはもう自治体の間での分断をし、対立するような問題ではなくて、ひとえに時代の変化のスピードに国の制度の設計が追いついていない、そういう問題だと思います。

ですので、速やかにですね、速やかに法人二税のみならず、法人二税のみならず、固定資産税。

来年度以降と書いてありました。

与党の答弁にですね。

しかし両方ともですね、本当にこれ、時間待ったなしだと思います。

改めて覚悟をお願いしたいと思います。

答弁者 林総務大臣

林総務大臣。

(林総務大臣)ご通告はいただいておりませんが、この間の所信の質疑でもですね、委員からは千葉県の御選出の議員でもあるということもあって、この御質疑いただいたところでございます。

昨日もまさに同じような御要望をいただきました。

まさに東京と境を接しておられる3つの県が、非常にいろんな意味で困ったと、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、いろんな状況に置かれているということで、これについてしっかり対応する中で、例えば税の偏在是正とか、そういうことをしっかりやっていってほしいと。

前回来られたときと、それほど違ったご要望ではなかったわけでございまして。

私の方からは、まさに今、委員が御指摘いただいたように、これは東京都と他の地方の対立ではなくて、東京も地方も同じように発展をしていくということが望ましいと。

そのためにもしっかりと偏在是正等の、これは与党で決めていただいてもおりますし、そういうことも含めてしっかりと進めていきたいと。

このようなやり取りをしたところでございます。

それに従ってやっていきたいと思います。

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

はい、ありがとうございます。

大臣がおっしゃった、私は千葉県の選出の国会議員ですが、千葉県の選出の国会議員だからこういうことを申し上げているんじゃないんです。

これは国会議員としてどこの選挙区であれ、私がたとえ東京都の国会議員であってもですね、こういう状況であまりにも住民サービスに大きな差が出ているというのはあってはならないことだと思っております。

ですので、財源の偏在よりも私が心配しているのは出口ですね。

住民に対するサービスに大きな格差があるということですね。

もはや千葉県、埼玉県、神奈川県は二流国民かと、そんなようなふうな気持ちになってくるわけでありまして、おかしい。

ぜひ真剣に、そして早急にですね、是正をしていただきたいということを改めてお願いしたいと思います。

よろしくお願いします。

それでは法案に入らせていただきます。

私はこの国家情報会議設置法案が成立をして、前回法律が作られまして10年ほどが経ったわけでありますので、一番大事なことは、この機構がなぜ必要かということをどう説明したか。

10年前、どういう国会でのやりとりがあったかということをきちんと振り返って、それができていたのか、できていなかったのか、そのときの大臣等の答弁はどうだったのか、そういうことを検証する責任が立法府にはあると思うんですね。

そういう意味では、衆議院、参議院の10年前の議論の議事録を全部読ませていただきました。

そこで具体的にお伺いをしていきたいと思うんですが、少し質問時間を考えて順序を逆にしまして、最初にまず機構のあり方について。

今日は内閣官房さんからも国交省さんからもお越しいただいておりますので、まずは全体としての機構のあり方に関してですね、お伺いをしたいというふうに思っております。

10年前、当時総務大臣は誰だったかご存知ですよね。

林大臣ね。

高市ね、現総理大臣が当時の総務大臣でございました。

こういう答弁があります。

既存の官民ファンドとは政策目的や支援の対象分野も異なっております。

これがですね、この新しいJICTという機構を作る必要性があるんだという根拠になさっているわけでありますが、私がちょっとわからないのは、政策目的が異なるというのはどういうことなのか。

政策目的や支援の対象分野が異なる。

支援の対象分野が異なっているのは私は理解できます。

政策目的が異なるとは具体的にどういうことでしょうか。

答弁者 林総務大臣

林総務大臣。

林総務大臣:このJICTは海外で通信放送郵便事業を行うものなどに対する支援を通じて、我が国及び海外に共通する需要の拡大を通じまして、我が国事業者の収益性の向上などを図ることを政策目的として設立されております。

他の官民ファンドの政策目的ですが、例えばクールジャパン機構、これは我が国の魅力ある商品などの海外需要の開拓を支援して、需要と供給と両方の拡大を図ると。

それからJOINですが、例えば海外での交通事業及び都市開発事業、これを支援して我が国の事業者の当該市場への参入の促進を図るということなど、それぞれJICTの政策目的とは異なるものと承知をしておるところでございます。

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

田嶋要:今のお話を聞いていても、投資をする対象分野をそれぞれの役所がそれぞれ作っているわけでありますから、このJICTとは総務省の所管に応じたですね。

名前からして、何ていう名前でしたっけ、JICTと。

JICTというのは通信、放送、郵便、ちゃんと3つ平等に並べて入っているわけですから、この分野に対する投資を行うということです。

それは違いますよね。

しかし今大臣のご答弁でも、私は政策目的というのは全て日本の国益のためでありますし、それから日本の企業の海外進出ということが、これからの産業を早くキャッチをしていく。

それに対してリスクがあるときに国が補完的な役割を果たしていくという意味では、非常に共通的な政策目的もあるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。

そこで次の質問をさせていただくんですが、今回この法改正が行われようとしている理由というのは、そもそも最初にJICTを作ったときに20年という期限を切っておったからでございますが、その理由は何だったのでしょうか。

答弁者 林総務大臣

林総務大臣。

林総務大臣:この創設当時にこのJICTの存続期間、これについては海外における通信、放送、郵便事業、こうしたものが軌道に乗って投資の回収が見込まれる期間、これがおおむね10年から15年であると。

こういうことをベースに既存の官民ファンドの例も参考に、20年としたということでございます。

この存続期間はやはり民業補完ということでございますので、今おっしゃっていただいたように、公的資金を呼び水として民間資金を誘発するための時限的な期間という観点で期限を区切って設けたということでございます。

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

田嶋要:今おっしゃっていただいたとおり、20年に切った理由というのが、投資の回収が見込める期間がおおむね10年、15年である。

大臣、そういうことですよね。

ということは、10年、15年で投資したものに対するリターンが期待できるということであれば、その前にプロジェクトを仕込んでいく期間というのが数年、5年かかってくると思うんですね。

そうすると、であるから20年というふうに、このJICTという機構の存続期間を20年と定めたということは、今成立してから10年が経っているわけですね。

そもそも新規案件への出資というのは、どんなに遅くても最初の10年だと、ちょうど今終わる頃ですけど、最初の10年で新規案件をやめるという想定だったんじゃないんですか、これは。

答弁者 林総務大臣

総務大臣。

林総務大臣:委員がご指摘したとおり、この法律を作った当時においては、先ほど申し上げましたように、投資回収の期間がおおむね10年から15年ということで20年といたしましたので、最初の10年間が新規案件への出資を行う主な期間となると、こう想定していたわけでございます。

他方、昨年10月から有識者検討会を総務省で開催いたしましたが、このJICTの今後の在り方について検討していただいたんです。

このJICTは民業補完する主体としての意義が大きいということで、引き続き我が国事業者の海外展開支援を推進すべきという報告書が取りまとめられたわけでございます。

JICTの設置期限の延長については、運用実績や組織の運営状況などを十分に検証した上で判断するということが求められますので、設置から約10年が経過した時点で見直しを行うということは適切なタイミングであると考えております。

この報告書の中でも、この状況が当初想定していたよりも、当初はこの10年経って終わって、その後20年に向けて民業補完ですから、民業の方がしっかり出てくるだろうとこういう想定をしていたわけですが、委員もご案内のように、まだそういう状況にもなっていないということは一つあるわけでございますし、またこのJICTが非常に活躍をしてもらっているこういうようなこともあり、この見直しを行ったということでございます。

当初の想定は今委員がおっしゃったとおりでございます。

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

ということは、当初の想定が異なってきた、状況が変わってきたということでございますよね。

それでこういう下りがあるんですが、現在の設置期限が2035年の末であるということで、新たなリスクマネーの供給が困難になりつつあるという政府からの説明をいただきました。

具体事例をお願いしたいと思います。

政府参考人 伏田国際戦略局長

伏田国際戦略局長。

お答えいたします。

今般、民間企業よりJICTに対して、投資回収まで10年を超え、15年程度の長期間が見込まれる大規模データセンター事業、宇宙通信事業などへの支援に係る要望が寄せられております。

他方、これらの案件については、JICTの設置期限まで10年を切った今般、設置期限までの投資回収が見込めず、支援が困難となっているところでございます。

事例といたしましては、大規模データセンター事業、宇宙通信事業などがあるところでございます。

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

お手元の配布資料に、一応いただいた資料をコピーさせて付けさせていただきました。

②でございますけれども、設置期限が新規投資の制約となっている事例ということで、最近増えてきているというか、データセンター事業や宇宙光通信、サイバーセキュリティ、どれも非常にテーマ的には、これからますます大事になってくるであろう分野ばかりだと思うんですね。

私、私の感想は、これはちょうど林さんと私がワシントンにいた頃なんですが、私は国際金融公社(IFC)というところで同じような仕事をしていました。

いわゆるリスクマネーを投じていく案件に、途上国で。

そもそもなんで20年って切ったのかということが、私は問題だと思っているんですね。

だってこれもう、なんていうか、待ってもらっているんですかね、今。

このような状況で、やがて組織があと10年でなくなるような組織と長期のリスクマネーのお付き合いをしてもらうというのは、私は相手方からすると非常に大きな不確定要素ですよ。

私の意見は、今回10年経った頃にこういう話を持ってくるというのは遅すぎると思っているんです。

本来はもう今から5年ぐらい前に、やはり遅くともですね。

だって先ほど言った10年、15年かかるわけでしょ、投資のリターンに、回収に。

その手前にやはりいろんな投資案件を、やはりデューディリジェンスしたりする時間が必要なわけですよね。

そう考えてきますとね、こんなふうに危なくなってきた、ひょっとしたら大事な案件なのに投資できないような案件が具体的に4件も顕在化してからですね、法律改正したいというのは、私は順序としてはおかしいと思うんですね。

本来、今より5年前ぐらいに、この軸はもっと先に伸ばしていかないと、これからニーズが増えるんじゃないか、そういうように考えるべきだったと私は思っておりますけれども、大臣いかがですか、その点は。

答弁者 高市内閣総理大臣

高市内閣総理大臣。

5年前は私は外務大臣になる前ぐらいですので、そのときにこの職にいたらどう考えていたかというのはございますけれども、おそらくその当時、今のようにこの宇宙光ですとかデータセンターと、当時の電力の需要を考えたときに、まだデータセンターとか半導体とかっていうのがあるので、やはり電力需要が上がるっていうような議論は5年前ぐらいから始まったのかなと、こういうふうにも思い返しております。

ですので、これ10年たって、今から新規案件の投資はもうなくなるだろうと思っていたこのタイミングで延長させていただくことによって、こうした新しい、今委員が資料で付けていただいたような案件にもしっかりと対応できるように改正をお願いしている、こういうことだと思います。

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

後ほどやりますけれども、私は今回を限りとして、また10年後にもう1回延長してくれという話を、林大臣ではないと思いますがやるのではなくて、今回を限りとして、例えばこれから3年以内にオープンエンドにする、つまり期限を設けない組織に切り替えるべきだということを今日この場で提案をしたいと思っています。

後ほどそれに触れたいと思います。

内閣官房にお尋ねします。

官民ファンドというのはたくさんあるようでございますが、今日本にはいくつあるのか。

ファンドを持たない、持っていない、一つも持っていない役所はどこか。

全体としての累積損失はいくらあるのか。

お答えいただきたいと思います。

また、日本企業の海外展開を支援する、今回のこの機構のような、そういう機構はいくつあるのか。

どこの所管の機構なのか。

そしてそれらの部分集合ですね、それらの累積損失はいくらあるのか。

五つまとめてお願いします。

政府参考人 三木内閣参事官

三木内閣参事官、お答え申し上げます。

まず官民ファンドの数でございますけれども、官民ファンドは成長戦略などの政策目的の実現のため、民間投資者を誘発するようリスクマネーを供給し、民間主導の経済成長の実現を目的とするものでありますが、こうしたファンドを関係閣僚会議における検証の対象としており、その数は令和7年3月末時点で15となっております。

また、官民ファンドを監督している官庁を申し上げますと、内閣府、金融庁、総務省、財務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省でありまして、それ以外の官庁が官民ファンドを所管していないということになります。

続きまして、官民ファンド全体の累積……。

海外展開に関する支援ということでございますけれども、主に海外展開に関する支援を行っている官民ファンドは、総務省所管の海外通信放送郵便事業支援機構、また国土交通省所管の海外交通都市開発事業支援機構、経済産業省所管の海外需要開拓支援機構と認識しております。

これら3つのファンドの累積損失の合計ですけれども、こちらは令和7年3月末時点で1424億円の累積損失となっております。

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

順番にですね、役所ごとに新しいファンドが作られた歴史がございますけれども、それ全体を横串で統括されているのが、今御答弁いただいた内閣官房という、そういう理解でございます。

その内閣官房にさらにお尋ねするんですが、省庁の15ですかね、官民ファンドそれぞれが別個の組織として存在し続ける必然性というのはあるのかということをお尋ねしたいと思います。

政府参考人 三木内閣参事官

三木内閣参事官、お答え申し上げます。

ただいま申し上げましたとおり、官民ファンドはそれぞれの政策目的に応じてそれぞれの法律に基づき設立されたものでおります。

支援の対象分野もそれぞれ異なっておりまして、それぞれの専門性に基づき投資分野に即した見極め能力を発揮することが、有望案件の発掘・組成のために効率的にもなるものと考えております。

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

聞いていることを答えてほしいんですけれども、別個の組織として存在し続ける必然性はあるのかという質問です。

政府参考人 三木内閣参事官

三木内閣参事官、お答え申し上げます。

それぞれの法律に基づき設立されておりまして、支援対象の分野も異なりますから、それぞれの専門性を発揮していただくということが効率的になるものですから、そのため別個の組織として存在する理由になると考えております。

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

資料3、大臣笑ってますけど、資料3をご覧いただきたいと思います。

これ10年前に設立をするような議論のときにですね、やはり引き合いに出されたのがJICAと、それからこのJBIC。

この組織図はJBIC、国際協力銀行の組織図でございますけれども、JBICは言うまでもなく、出資というかエクイティもあるんですが、主力は貸付の方ですね。

したがって10年前にこの機構を作るときにですね、「何が違うんだ、重なってるんじゃないか」という議論の中で、JICAは人材育成とかに対して、JBICは主に銀行と同じような貸し付けがメインだと。

こちらの新しいファンドはリスクマネーの供給だと、補完的なリスクマネーの供給だと。

そういう説明であったわけでありますが、「協力関係を密にしていきます」という、そんな御答弁がなされておりました。

この今の御答弁からして、このJBICというのは、これを御覧いただくと、あらゆる産業分野に当然所管をしているわけでございまして、この組織図を見ていただければね、この中におそらくこの機構のような役割、つまり通信や放送や郵便なども含まれるでしょうし、それから国土交通所管のいろいろな海外インフラもですね、ここの下の方の真ん中からちょっと下のところにね、インフラ環境ファイナンス部門、産業ファイナンス部門、資源ファイナンス部門、さまざまありますね。

これ全部包括しているわけでございます。

私はこっちの方が自然な組織のあり方ではないのかなというふうに感じるわけでございますが、林大臣、総務省の機構としてはこれしかないわけです。

これは非常に大切にしたい気持ちもよく理解できるんですけれども、私はそれぞれの役所が立ち上げたことはよかったと否定はしませんけれども、今ちょっと見直しをするタイミングなのではないのかなと。

というふうに感じるわけでございます。

それでもう少し話を聞いていただきたいんですが、国土交通省さんも今日来ていただいていますので、JOIN、海外交通・都市開発事業支援機構、こういう長い名前でございますが、今、内閣官房からご説明いただいたとおりですね。

この軸(JIC)と同じように海外投資をやるという意味で共通性のある機構でございますが、これは軸ができるよりも1年か2年前にできたというふうに理解しております。

このJOINに関しては、どういう存続期間、先ほどこの軸とは20年ということでありますが、このJOINはどういう存続期間で、どういう見直し規定になっているのか、それを御説明いただきたいと思います。

政府参考人 飯塚国際統括官補佐官

国土交通省、飯塚国際統括官補佐官。

「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)は、法律上、業務を完了したときには解散することとされていますが、あらかじめ具体的な存続の期限は設定されておりません。

これはJOINが20年あるいは30年以上にわたる長期のプロジェクトを対象とすること、その期間を通じ、相手国政府の信頼も確保しつつ、出資・事業参画を継続的に行うことを踏まえたものです。

このため、存続の期限に代わる措置として、5年ごとに、機構の組織及び業務の在り方など、法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされています。

なお、令和6年に、JOINの在り方等について検証・検討を行った有識者委員会では、JOINが存続期限を設定すべきかについても議論を行いました。

JOINの支援対象となる海外インフラ事業は、事業期間が長期にわたるものが多い状況に鑑み、引き続き法制度上は、JOINの存続期限を設けず、5年ごとの見直しを実施することが適当であるとの結論に至っております。

委員長 古川康

古川康委員長

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

田嶋要このJOINとの比較も、実は重要であるというふうに感じております。

なぜならば、先ほど大臣が「これはあくまで補完的な役割ですから、役割を終えたら消えていくべきだ」と。

それはそのとおりで、それは今の官房の説明もそうですよね。

そういうふうに書いてあるわけです。

しかし、じゃあ大臣、一体誰にとっての補完的か。

例えば、この軸(JIC)の今の投資のパートナーを見ますと、NTT、三菱商事、あるいは三菱電機、そういうところが海外に出ていく。

あるいはアメリカのデータセンターのみならず、インドのデータセンター、リスクは高いだろう。

そういうときには、そういうところと一緒にエクイティを入れるのは、最初で最後かもしれない。

インドに関しては、2回もやっているようでございますが。

しかし、応援するのは別に一部上場企業ばかりではないわけでありまして、そうした企業以外の企業が後に続いて海外に出ていくことを、やっぱり応援するわけですよね。

それからデータセンターのように、10年前は想定していなかったビジネスモデルがその途中で出てきて、今十数件のうち4件かなんかがデータセンターなわけですよね。

私はですね、そんな10年や20年で役割が終わらないというのは私の立場なんですね。

先ほど申しました「20年でおしまいにするとか」、そもそも私は間違っていたと思うんですが、「今回10年伸ばしてくれ」、まあそれも結構ですよ。

しかし私としては、今後3年間でもう一度法律改正して、JOINのようなオープンエンドにして、5年ごとの見直し体制にした方が、今後の特にこの情報通信のような、極めていろんな可能性がこれから人工知能も含めて広がってくる世界にね、唯一リスクをとってお金を出しているそういう組織でありますから。

私は役割は、先ほどの先生のご意見と立場は一緒ですけども、思いは非常に役割が大きいと思うんですよね。

したがって、今回のような「遅ればせに10年延長しろ」という、そういう中身では駄目で、これから3年以内に期限を設けない法改正をもう一度。

もちろんそれはしっかりとリスクコントロールして、手綱を緩めることになってはいけませんよ。

しかし、これから3年間でオープンエンド、5年ごとの見直し、あるいは3年ごとの見直し、そういう仕組みに切り替えていった方がいいと思いますが、大臣いかがですか。

答弁者 林芳正総務大臣

林芳正総務大臣委員長。

実は官房の有識者会議を立ち上げて、内閣官房で横串をさせていく中で、特に軸(JIC)についてはしっかり見直せと言ったときの官房長官、これは私でございまして。

今ちょっと説明がありましたように、他のところと比べても、実は軸は非常に累積の赤字が増えておりまして、もう全体の、もう軸の赤字がものすごく大きな比率を占めてこういう状況でありましたので、細かくちょっとヒアリングをしましてですね。

やはり「これなんでこういうふうになってんだ」ということもしっかりやりながら。

というようなことで有識者会議を立ち上げていただいて、こういう結果になったということがあります。

また政策金融、先ほどJVICの例も出していただきましたが、このJVICを含めた政策金融の見直しを小泉内閣でやったときの党側の事務局長もやっておりましたので、確かに委員がおっしゃるように、この融資の方が当初よりは政策金融ですから多いわけですが、そういうところの議論もあるわけでございまして、今まさにおっしゃったように期限を切って3セット伸ばしていくということと、それからローリングで考えていくというのは、両論当然あり得るんだろうというふうに思っております。

実際、上院はそうなっておりますので、今回こういうご提案を有識者会議の報告書もあって差し上げておりますが、今後どうするかということは、民間金融の状況ですとか、我が国の経済、国際情勢を踏まえなきゃなりませんし、先ほど申し上げたように、仮に今JVICがやっている機能に代わる民間のファンドみたいなものが育ってくれば、まさにこれは民業補完という立場からそろそろ卒業かということもありますが、逆に言うと今委員がおっしゃったように、新しいものがどんどん次から出ていくということと、そういう分野が例えば相手国政府の認可に係らせる必要があるとか、そういう公的な部分でいろんなものが必要だといろんな状況が考えられますので、しっかり検討してまいりたいと考えております。

委員長 古川康

古川康委員長:田嶋要君。

質疑者 田嶋要

田嶋要:この分野の大きなウェイブは、これから来ると私は確信しておりますので、ぜひそんな10年や20年なんて短い期間のことを考えずに、少し半永久的にやってほしいと、私は提案をしておきたいというふうに思っております。

そこで赤字が大きい。

そのとおりです。

上院は軸との今の赤字の10倍ぐらいある。

そうですね。

特にアメリカのテキサス案件で大赤字ということで、相手やパートナーはJR西だったそうでございますが、そもそも話を昨日聞きましたが、もう最初から失敗する運命にあるような制度設計になっていたと私は思いますよ、はっきり言って。

稚拙です。

そういうことでだんだんそのレベルも上がって、この軸とも最初の4件は失敗したと。

だけどその後はそういうケースはないということで、両方ともだんだん良くなってくると信じたいですが、そこで私はもう1個提案したいのはね、オーバーヘッドがそれぞれかかっているんですね。

先ほど申し上げたJVICはですね、社員数740人ですよ。

軸とは31人。

国交省の助員は57人か60人ぐらいですよ。

そんなちっこいのをね、それぞれ作っておいてね、丸の内や内幸町に作ってるんですよ。

それでそれぞれにオーバーヘッドかかってんですからね。

そりゃヘビーですよ。

だからせめてね、いろんな産業分野全部まとめて、今組織図をお見せしたこのJVICと一緒です。

こういうふうにして、一つの大きな組織にしていくって方向性を取らないとね、赤字が続くと思いますね。

その提案で一つ申し上げたいのは、類似のインフラになっているということで、こっちは10年15年という言葉があり、そちらは20年30年。

どっちも長いですよね。

どっちも長いとご一緒にまとめてもらって、類似のジョイント、この軸との機構の一元化。

そのことをぜひ大臣、総務大臣にはよくわかっていらっしゃる大臣として率先して検討を始められたらどうなのかなというふうに思っているんですが、その前に内閣官房からもご答弁いただきたいと思います。

政府参考人 三木内閣参事官

三木内閣参事官:お答え申し上げます。

官民ファンドはそれぞれの政策目的に応じて、それぞれの法律に基づき設立されておりますので、まずはそれぞれの所管省庁において適切な監督を行い、効率的・効果的な運営を図っていくべきものと思っております。

ただその上で、委員ご指摘のとおり、上院や軸とも含めて官民ファンドの中には現在累積損失を計上しているものがございます。

こうしたものは将来的に累積損失が解消されることが必要と考えております。

次に、各ファンド及び監督会長が累積損失解消のための数値目標計画を策定・公表して、その進捗状況を毎年度検証する。

改善が見られない場合は組織のあり方を含め抜本的な見直しを行い、見直しによる成果がわからないときには他の機関との統合または廃止を前提に具体的な道筋を検討することとしております。

こうした方針に沿って、各官民ファンドの経営改善を図っていきたいと考えております。

委員長 古川康

古川康委員長:田嶋要君。

質疑者 田嶋要

田嶋要:何かペナルティみたいにね、「成果が上がらなかったら合併だ」と言うから、合併が後ろ向きなことに聞こえるんですよ、内閣官房さん。

そうじゃなくて、私は攻めの気持ちのために、累積赤字は関係ない。

累積赤字があるから合併しろなんて私は言ってませんから。

そうじゃなくて、同じ長期インフラで海外に日本の企業を。

一流上場企業だけじゃないですよ。

これから中小企業も応援していくようなことを考えたらどうですか。

そういうことを考えたときに、ちょっと腰を据えてね、腰を据えて。

そしてオーバーヘッドは半分とは言わないけど、多分7割ぐらいになるんじゃないですか、2つくっつけることで。

私はできればね、先ほど出た経産省のやつも含めて、さらに広げていってもいいと思いますよ。

最終的には日本のリスクマネーを扱うJVICと、JVIC2と、というふうにしてもいいと思います。

最後のこの資料4番見てください。

上がJVICで下がJOIN、国交省のJOINですよ。

やってることは一緒なんですから。

フローチャートね、私がやってた仕事と一緒ですよ。

新規案件をこうやってやるんですよ。

デューデリジェンスして。

当たり前で、そんなことは国際金融機関だって同じことやってるんです。

JOINもJVICもやってることは一緒。

ひょっとしたらファイナンスの方だってあまり変わらないですよ、あるところまでは。

リスクマネーか返済を前提にしたファイナンスかということの違いぐらいですよね。

だからこれね、当たり前のことを申し上げているんで、「赤字が大きいから一緒にしよう」という後ろ向きの今の内閣官房の意見では私はないんです。

そうじゃなくて、攻めの気持ちを持って、もっとオーバーヘッドを軽くして、まずは最初の一歩としてJOINとくっつくことを考えたらどうなんだということをね。

そして最後に時間がなくなりました。

もう一つくっつけますけれども、大臣。

最後、林大臣。

これ、28年度に大型投資案件の回収がね、見込まれるということで、これから累損が消えていくんですね、JVICは。

そうすると、かなりな税金が、今、内幸町に本社ですから、東京都に税金が落ちることになります。

私はですね、JVICとJOINを統合して、東京都の丸の内と内幸町から引っ越しをして、千葉というとちょっと問題がありますから、埼玉でもいいですよ。

東京の外に引っ越すと、法人二税がそっちに落ちるんですよ。

だから一石三鳥じゃないですか。

いいアイデアだと思いません?本当に。

これはちょっと本筋の質問じゃないんですけど、この間がさっき冒頭言った話と続くんですが。

ここからでもね、まず通り始めようで、総務省所管のこの組織ぐらいね、なんで内幸町にいなきゃいけないの、これ。

いる理由が全くわからない。

しかも赤字抱えている。

JOINとくっついて、埼玉県か神奈川県に引っ越ししてくださいよ。

千葉でもいいけど、千葉でもいいけど。

はい。

ということを提案したいと思うんですが、総務大臣いかがですか。

答弁者 林大臣

林大臣:はい。

特に前段の部分はですね、興味深いご提案だと思ってお聞かせいただきました。

先ほどちょっと政府系金融機関の見直しの時にちょっと携わった話しましたが、あの時、小泉総理がですね、最初におっしゃってたのは、「全ての政府系金融機関を一つにしろ」と、こういうことでございました。

さすがに中小企業金融広報とかですね、当時国民生活金融広報ってありましたけど、これとJVICを一緒にしてもなという思いがあって、いろいろ検討の結果ですね、大まかに言って3つぐらいかなというふうになりました。

まさに委員がおっしゃっているように、「これとこれを1つにしろ」と、その方がオーバーヘッドは下がるよねと、これも当然そうですし、逆に目利きの部分でどれぐらいその専門性がそれぞれ集積した方がいいのかと。

やっぱり海外インフラとこれから出てくるICTの分野ではですね、集積度が違ってきて、一緒にすると薄まるというところもですね、両方あるんで、これはトレードオフだとこういうふうに思っています。

やはり先ほどちょっと言っていただいた赤字がずっと続いて、それはファンドですからエクイティなんで、最初は当然出すわけですけど、どこかでちゃんと収支が償って収益が出てくるというところがないといけないわけですので、そういうことを検討した結果、そういう枠組みは作りましたけれども、まさに委員がおっしゃったように、「赤字だから一緒にして」ではなくて、国としてエクイティマネーをどうやって、この有効にきちっとした目利きに基づいてやっていくか、これが大事なポイントでございますので、基本的にはそういう考え方で進めていきたいと考えております。

質疑者 田嶋要

田嶋要:今のは検討していただけるということでいいですか。

委員長 古川康

古川康委員長:田嶋要君、簡潔に願います。

質疑者 田嶋要

田嶋要:あと数字ですね。

どのぐらいの地方に税が、今の案件から将来的に大型案件の投資回収が見込まれるという話がありますね。

その数字を政府からも言っていただければありがたいんですが、このJVICとね。

それで大臣からは、要するにこの2つの統合を私は提案しているんです。

統合して東京都から外に移すということを提案しているんです。

そのことに関する御答弁をいただきたいと思います。

政府参考人 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長、お答えいたします。

JICTが東京都に納める地方税ということでございますが、JICTがこれまでに投資した案件について、投資回収が行われない場合を想定して、2026年度から2035年度までの10年間で、JICTが東京都に対して地方税を支払う額について、JICTで大まかに試算しましたところ、おおよそ80億円程度、支払う見込みとなってございます。

答弁者 林総務大臣

林総務大臣。

先ほど申し上げましたように、経済財政運営計画進捗管理点検評価表。

これに基づいて官民ファンドの統廃合に係る枠組みがあると申し上げましたが、ここには「改善計画と実績に乖離が認められる場合には、速やかに組織の在り方を含め、抜本的な見直しを行う」となってまして、この見直しによる成果が上がらないときには、他の機関との統合または廃止を前提に具体的な道筋を検討することとされている。

今ある政府全体の枠組みはこういうことでございますので、それを踏まえながら検討することが必要だと、そういうふうに申し上げたところでございます。

質疑者 田嶋要

田嶋要君。

時間が来ました。

ぜひ税金80億という話ですが、今の投資からだけのリターンだからね。

だからこれから10年延長して、さらに100件の案件あったらですね、数百億の税収なんです、東京都に。

それを大臣、ぜひ、埼玉か、神奈川か、千葉か、移してくださいよ。

まず、総務省の所管の、これからやるっていうのがね、姿勢として示してほしいですよ。

よろしくお願いします。

ありがとうございました。

中川宏昌 (中道改革連合・無所属) 26発言 ▶ 動画
委員長 古川康

次に中川宏昌君。

中川君。

質疑者 中川宏昌

中川宏昌でございます。

中道改革連合の中川宏昌でございます。

本日も質問の機会をいただきまして感謝を申し上げます。

今回の改正案はJICTの設置期限を現在の2035年度末から10年間延長するものであります。

デジタルインフラ事業、とりわけ光ファイバーケーブルの敷設やデータセンターの整備は、調査設計から建設、そして実際の運用開始を経て投資資金を回収するまでに10年あるいはそれ以上の極めて長いスパンを要する息の長い事業であります。

現在の設置期限が10年を切る中で、このままでは新規案件の組成自体が法的な制約で困難になりまして、日本企業の海外展開の芽を摘みかねないという事実上の課題はよく理解をしているところであります。

しかし一方で、このJICTの原資は産業投資、すなわち国民の貴重な財産でありまして、10年の期間延長をするにあたりまして、これまでの歩みを単に追認するものではなくて、過去の経験から何を学んで、そしてそれをいかに今後のガバナンス強化につなげていくか、これを明らかにしていくことが非常に大事だというふうに思っております。

JICTが将来にわたりまして、真に国益に資する成果を上げていけるのか、そのような視点から質問をさせていただきたいと思っております。

まずJICTが設立初期に直面した経営課題についてお伺いをしたいと思います。

JICTは設立から約10年を迎えて、2025年3月末時点で累計22件の支援を決定しておりますけれども、それらの歩みは決して平坦なものではありませんでした。

特に設立初期の3年間に決定をされました初期4案件。

これがあるわけでございますけれども、これは合計約81億円もの損失を計上しているところであります。

具体的にはMVNO事業、ミャンマーの放送事業、そして2件の海底ケーブル事業であります。

例えばMVNO事業案件では、スタートアップ投資の経験が不足する中で、パートナー企業からの情報を過度に重視して事業計画の実効性を自ら厳格に検証することを怠った結果、支援決定からわずか1年足らずで対象事業者が民事再生を申請するという、こういった事態を招きました。

また海底ケーブル事業におきましても、資金効率を優先しまして負債比率を高めすぎたこの脆弱な財務スキームによりまして、コロナ禍による販売不振の影響を増幅させまして、事業損失に至る大きな要因となったところであります。

まずお尋ねしたいと思いますけれども、これらの初期案件における大きな損失について、JICTはこれをどのように総括をしまして、具体的にどのような組織的、また制度的な改善を行ってきたのでしょうか。

過去の反省が単なる精神論に終わらず、現在のガバナンスにどう仕組みとして定着させているのか。

この点について、まずお伺いをさせていただきたいと思います。

答弁者 布施田国際戦略局長

布施田国際戦略局長。

お答えいたします。

委員ご指摘のとおり、JICTにおいては、設立後最初の3年間で支援決定いたしました4つの案件について損失を計上いたしました。

JICTはこれらの損失計上案件に係る主な教訓といたしまして、地政学リスクに係るより深い分析の必要性、投資審査に係る多角的な確認の必要性、特に海底ケーブル事業におけるリスク耐性の高い投資スキームの必要性などが挙げられております。

その後、JICTにおきましては、これらの教訓を生かしまして、地政学リスクに関する情報収集分析体制の強化、投資に係る意思決定を行う委員会について、社外取締役を中心とする委員構成の変更、その後、海底ケーブル事業における民間投資を含む事業全体での出資率の高い、耐久性の強い投資スキームの採用など、投資リスク管理に継続的に取り組んでございます。

その取り組みも定着いたしまして、令和5年度以降は2年連続で単年度黒字を計上するなど、収支の改善が進捗しているところでございます。

以上です。

委員長 古川康

中川宏昌君。

質疑者 中川宏昌

今、体制、ガバナンス強化をされてきたということでございますが、ここで一つちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、さまざま刷新をしてきたわけでございますけれども、この客観的な立場から、この案件を却下したり、また厳しい条件変更、これを求めたりした具体的な実績があったかどうかということをお伺いしたいと思いますが、ありますでしょうか。

答弁者 林総務大臣

大臣。

いろいろ対応してきたということでありますけれども、先ほど田嶋委員からもありましたけれども、現在のこのJICTの体制は30人規模と伺っているところですけれども、やはり案件の大型化ですとか、また多様化が進む中で、この現在の体制で今後10年、しっかり本当に担い切れるのかというところが、非常に懸念があるところであります。

特定の企業、また行政の意向に引きずられることなく、先ほども私申し上げましたけれども、駄目なものについては、しっかりNOと言える。

そういった体制。

それから、単なる10年という延長ではなくて、今、体制を強化した中で、より今後も今までの経験をもとにして、体制強化を図っていただきたい。

このようにお願いをするところでございます。

次に、先ほどの御答弁にもありましたけれども、地政学リスクの予見についてお伺いをしたいというふうに思っております。

初期案件の一つ、香港・グアム間の海底ケーブル事業がありましたけれども、米中対立の激化という、この投資時点で想定しきれなかった後発事象によりまして、米当局の許認可が得られず、結果的に事業を停止、支援撤回を余儀なくされたところであります。

また、ミャンマーの放送事業もありましたけれども、民主化支援という大きな政策目標を掲げておりましたが、突如発生したクーデターによりまして、その意義を断絶させられたところであります。

今はこの通信インフラは単なる経済基盤ではなくて、国家の安全保障に直結する戦略資産であります。

それゆえに地政学上のリスクは10年前とは比較にならないほど増大しているのが現状ではないかというふうに思っております。

JICTは現在、こうしたリスクをいかに定量化、また評価をして投資判断に組み込んでいるのかという点についてです。

2025年に招聘をされましたマクロ経済・地政学の専門家顧問ですとか、また情報通信研究機構の技術アドバイザーの知見、こういったものを具体的にどのように投資の現場へ反映させているのか、この点につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。

答弁者 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長、お答えいたします。

JICTにおきましては、委員御指摘のマクロ経済・地政学分野の専門家を顧問といたしまして招聘するなど取組を通じて、地政学リスクに関する情報の収集、分析体制の強化を行っております。

具体的には地政学の専門家顧問が、JICTの投資に係る意思決定を行う委員会に参加いたしまして、その顧問から提供される外国政府の動向、またマクロ経済情勢の分析、これらを踏まえまして、当該委員会における投資判断の材料として活用しているところでございます。

また技術的な知見につきましても、国立研究開発法人情報通信研究機構の技術アドバイザーが、JICTの全社員会議に常時で参加しておりまして、投資案件に係る技術関連情報が提供されるなど、定期的な勉強会を通じまして、投資判断の前提となる技術的理解の向上が図られていると認識するところでございます。

委員長 古川康

中川宏昌君。

質疑者 中川宏昌

ありがとうございます。

こういった専門家の知見を、カントリーリスクを可視化したヒートマップの作成ですとか、また投資案件ごとのリスクエクスポージャーの算定にぜひとも活用していただいて、多角的なモニタリングをぜひ実施していただきたいなというふうに思っております。

その上で、情報の収集以上に重要なことは、私はリスクが顕在化した際にどう見切りもつけていくかという、こういったことも大事な視点かというふうに思っております。

ミャンマーのような事態が起きた際に、ずるずると支援を継続して損失させないための具体的な損切りの判断基準、こういったことも非常に大事じゃないかというふうに思っておりますので、今後の検討材料にしていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

次に、クールジャパン機構等の失敗事例からの学びについてお伺いをさせていただきたいと思います。

官民ファンド全体の在り方は現在、厳しい視線が注がれております。

会計検査院の報告でも、一部のファンドで累積損失が拡大をしてガバナンスの改善が必要だと指摘をされております。

特に経済産業省所管のクールジャパン機構でありますが、度重なる投資計画の見直しに直面しまして、累計損失が380億円規模まで膨らみまして、組織の廃止や統合すら検討されている存亡の機に立たされております。

そしてまた、国交省所管のJOINも、テキサス高速鉄道事業やミャンマーの不動産開発等で巨額の損失を計上しているところであります。

これらの背景には、民間企業のコミットメント不足ですとか、また官民ファンド側が過大なリスクを丸抱えしてしまった構造的欠陥が指摘をされているところであります。

JICTとして、これらの他山の石とも言うべき他のファンドの失敗の本質をどのように分析をして、自らの規律に反映させているのかというところであります。

呼び水としての役割に徹するため、民業補完の原則を今後10年どのように守り抜いていくのか、この点につきましては大臣の見解をお伺いしたいと思います。

答弁者 林総務大臣

林総務大臣。

昨年の1月に官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議第16回目を開催しております。

その時、官房長官から、これは先ほど申し上げた私なんですが、官房長官から総務大臣を含む関係大臣に対し、JOINの事例も参考にして、各官民ファンドのリスク管理等の取組が強化されるよう適切に監督することについて指示が行われたところでございます。

この官房長官からの指示も踏まえまして、JICTでは昨年4月に先ほど申し上げましたように地政学分野の顧問を招聘し、いわゆるカントリーリスクの管理体制を強化したほか、総務省で昨年10月から有識者検討会を開催して、改善することとされましたリスク管理ですとか、情報開示、それから組織体制、今委員からもご指摘がありましたけれども、そうした観点を含んださらなるガバナンス強化策等について、この12月に取りまとめをしていただいたということでございます。

この取りまとめを踏まえ、これがJICTの運営に着実に反映されるように、定期的な対応状況聴取をして引き続き進捗を確認していきたいと思っております。

委員から民業補完の原則というのがございましたが、これ極めて重要でございますので、JICTの支援基準においても、民業補完に徹することと定めておるところでございまして、投資案件の支援決定時の認可の際に、同支援基準に基づいて民業補完の観点から、JICTがこの事業者との間で原則として最大出資者にならないことを審査しておりました。

こうした対応を通じまして、民業補完の原則が着実に守られているか、適切に監督を行っておりますし、これからも参りたいと考えております。

委員長 古川康

中川宏昌君。

質疑者 中川宏昌

はい、大臣ありがとうございました。

私、その上で大事だと思っていることが、この単年度黒字の多くは、インフラ事業からの配当収入などに支えられております。

そして官民ファンドの真価が問われるのはそこではなくて、数百億円規模で投じた案件の投資元本の確実な回収ができたかどうか、これが大事だというふうに思っております。

そういった視点で見ますと、このクールジャパン構想、またJOINのように過大なリスクを丸抱えして、挙句に出口戦略を描けず組織の存廃を問われる事態、これは絶対に避けていかなくてはいけないというふうに思っております。

予備費が民間のリスクの肩代わりに変質しないように、総務省にはぜひ投資決定後の厳格なお目付け役として、しっかり監督責任を果たしていただきたいということを強く求めておきたいというふうに思っております。

よろしくお願いいたします。

次に、このJICTの支援実績を詳細に見てみますと、その大半は大手事業者との共同出資でありまして、地方企業、またスタートアップへの波及効果、これは依然として不十分ではないかというふうに思っております。

2022年の基準改正によりまして、ICTサービスですとかLP出資、これが追加をされたところでありますけれども、いまだに地方、また中小が入り込む余地がないという声が聞かれているところであります。

今日、質疑の中でもありましたけれども、現在この地方銀行からの出向者を受け入れて地域人材を育成している、ということをお聞きしているところでございますけれども、実際にこの研修を終えた皆さんが地域に戻って、そして地方企業の海外展開案件を具体的にJICTの案件として動かした実績はあるのかということをお伺いするとともに、またスタートアップ支援につきましても、単にファンドにお金を預けるということではなくて、日本の尖った技術、これはたくさんあるわけでございますけれども、それを世界につなげるJICTならではのこの専門性をどう発揮していくのかという点について、以上をお尋ねしたいと思います。

答弁者 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長、お答えいたします。

JICTにおきましては、地方における投資人材の育成などの観点から、2022年度より地方銀行からの出向者を受け入れております。

海外展開に係る投資業務の経験を積み、すでに出向元に帰任した地方人材も出てきているところでございます。

これまでのところ、育成した地方人材を通じまして、JICTによる支援にまで至った案件はございませんが、当該人材は出向元の地方銀行におきまして、国際業務担当として、地方企業の海外展開などの支援をされていると承知しているところでございます。

また、スタートアップ企業の支援についてでございますが、JICTによるファンドへのLP出資を通じまして、スタートアップ企業などとの人的関係が深まりまして、ネットワークの構築が進んでございまして、その成果といたしまして、気候変動に関連してCO2を正確に排出管理する高度な、いわゆる尖った技術を活用した我が国のスタートアップ企業の海外展開支援を、JICTが支援をするというつながった事例も出てきているところでございます。

この事例におきましては、JICTがこれまで培った海外でのM&Aに係る専門性も生かしまして、このスタートアップ企業にとっては初めてとなるM&Aを通じた海外展開支援まで至ったところでございます。

総務省といたしましては、JICTにおいて地方企業やスタートアップ企業の海外展開に係る一層の取組が行われますよう、JICTと適切に連携しながら対応してまいります。

委員長 古川康

中川宏昌君。

質疑者 中川宏昌

ありがとうございます。

今のところ実績はないということでございますが、それぞれ地方銀行から出向してきた方が、この地元の金融業界におきまして、さまざまな地元での海外展開について、これまでの勉強してきた知見を持って生かしていくという点、これ、私、いいことだというふうに思っております。

そうした中で、大手との付き合いだけではなくて、この地方の優れた技術、たくさんあります。

これをJICTという橋渡しを得て、この世界に羽ばたいていくという、そんな顔の見える成功事例といいますかね、そういったものを今後の10年の延長の中で、ぜひ1つでも多く積み上げていただきたいなというのが、やはり地方を元気にしていく1つの大きな要素の1つかと思いますので、その点をよろしくお願いしたいというふうに思います。

次に、この支援分野のバランスについてお伺いをさせていただきます。

JICTの本来の設置目的は、通信、放送、郵便、この3分野でありますけれども、現在の実態を見てみますと、郵便分野の実績はなく、放送分野は初期のミャンマー案件から撤退して以来、実質的に途絶えている状況であるかと思っております。

これは、機構の名前、改名した方がいいんじゃないかというような感じもしますけれども、放送・郵便の案件が創出されない本当の原因をどう分析しているかということであります。

日本の質の高い郵便、また物流システム、また放送コンテンツのノウハウはアジア等の新興国で大きな需要があるはずだと推察されるところでありますけれども、今後これらの分野をどのように掘り起こして、特定の分野に偏ることなく、法の名に冠された通信、放送、郵便、この3本柱全てにおいて本来の設立目的をいかに具現化していくのか、具体的な今後の戦略をお伺いさせていただきたいと思います。

答弁者 福生田国際戦略局長

福生田国際戦略局長、お答えいたします。

JICTによる支援決定案件の投資分野別の内訳でございますが、2025年度末時点で通信分野が27件、放送分野が1件、郵便分野が0件となってございます。

放送・郵便分野は通信分野と比較いたしまして、やはり参入障壁の高い国が多いこと、また市場の成長性に劣ることなど、十分な案件形成ができていないと認識しております。

他方、委員の御指摘のとおり、我が国は魅力的な放送コンテンツ、また質の高い郵便システムを有しております。

これらの海外展開を推進していくことはJICTの設立目的であります。

我が国経済の持続的な成長に寄与するものと考えてございます。

JICTにおきましては、放送・郵便関係企業とも議論を重ねていると聞いてございまして、今後これまで培ってきた組織的人的ネットワークなども活かしまして、放送・郵便領域における案件形成を加速されていくことを期待しているところでございます。

総務省といたしましては、在外公館と連携した各国のニーズに関する情報収集なども通じまして、JICTによる放送・郵便領域の案件形成を後押ししてまいりたいと考えてございます。

委員長 古川康

中川宏昌君。

質疑者 中川宏昌

通信は民間が強いというふうに思っております。

放送・郵便というのは公共性が高くて、より官民ファンドの政府の看板が必要な領域かもしれないと思っております。

今回の改正を機に、改めて名称に掲げたこの3分野につきまして、案件がぜひ充実するように攻めの姿勢を貫いていただきたいというふうに思っております。

次に、現在のJICTの投資ポートフォリオの偏りについてお伺いをしたいというふうに思っております。

2025年3月末時点でJICTが支援しているデータセンター案件3件でありますけれども、その支援決定額は合計で544億円に上りまして、ポートフォリオ全体の約4割を占める突出した状況になっているかと思っております。

データセンター市場ですけれども、現在AI需要を背景とした爆発的な成長期にあるというふうに思っておりますが、一方で電力供給の制約ですとか、価格高騰、また建設モラトリアム、さらには次世代冷却技術などの登場による設備の急速な陳腐化など、特有の下振れリスクが散在しております。

特定の分野や米国等の特定の地域にこれほど資金が集中している現状をJICTはどのように評価をして……。

委員長、委員長、委員長。

ちょっとこれは言い過ぎた表現かもしれませんけれども、いわゆるこのリスク分散の方針についてお伺いをさせていただきたいと思います。

答弁者 伏瀬田国際戦略局長

伏瀬田国際戦略局長。

お答えいたします。

前に、先ほどの答弁の中で最後の部分で、「総務省としては」と言うところを「優先省としては」と言いましたが、訂正させていただきます。

データセンターの案件でございますが、委員御指摘のとおり、現在データセンター需要が急速に拡大するとともに、JICTに対しまして、日本企業より多くの支援要望が寄せられております。

データセンター事業は、土地の購入、大型の非常電源を備えた建物の建築費用など、一般的に総事業費が大きくなる性格もございまして、ポートフォリオに占めるデータセンター事業の割合が高まってきてございます。

そのために、JICTにおきましては、リスク許容度を十分に考慮しながらリスク分散を図りつつ、累積損益が計画値を下回らないよう、収益が高い角度で見込まれる事業を慎重に見極められているところでございます。

総務省としては、JICTにおいてデータセンター事業の海外展開を推進しつつも、適切な投資リスク管理が実施されるよう、引き続き監督を行ってまいります。

委員長 古川康

中川宏昌君。

質疑者 中川宏昌

次の質問に移ります。

JICTの本来の役割は民業補完でありまして、公的資金による市場の歪みは最小限にしなければなりません。

しかし最近の大型案件は主に事業体への直接出資という最もリスクの高い形で行われております。

財政等融資分科会の資料におきましても、出資以外の融資手法等の検討が論点として示されているところであります。

公的資金の安全性を考えれば、出資ばかりに偏るのではなくて、劣後ローンなど融資手法をもっと柔軟に活用して、民間金融機関との適切なリスク分担、これを明確にすべきではないかというふうに思います。

また、資金調達につきましても、政府出資一本等ではなくて、社債発行ですとか、民間借入といった多様な手段を検討して、組織としての規律を高めるべきではないかと思いますが、この点につきまして、見解をお伺いさせていただきます。

答弁者 伏瀬田国際戦略局長

伏瀬田国際戦略局長。

お答えいたします。

JICTは海外において、通信、放送、郵便事業を行うものに対して、特に民間金融機関からの供給が不十分であります出資を中心とした資金供給を行っております。

他方、委員が御指摘のとおり、JICTは出資以外の劣後ローンなどの融資による資金供給も可能でございまして、これまでも民間事業者のニーズやJICTが取るべきリスクの程度などを勘案して必要に応じて、出資と融資を組み合わせて資金供給を行ってございます。

JICTの資金調達の大半は、政府からの財政投入にて賄われておりますが、急な需要の増加に対処するために、社債発行や民間借入もいたしまして、対応した実績もございます。

総務省としては、資金供給については、民業補完の観点から、民間事業者との適切なリスク分担の下で行われるように、資金調達については、多様な手段の一層の検討や投資回収を進め、政府出資に過度に依存しない運営体制を構築していけるよう適切に監督を行ってまいります。

委員長 古川康

中川宏昌君。

質疑者 中川宏昌

公的資金による市場の歪みを最小限に抑えるというこの民業補完の原則、これはぜひとも立ち返っていただきまして、資金供給と調達の両面において、民間ファンド等のこの市場規律を取り入れた事業運営をぜひとも行っていただきたいというふうに思っております。

最後の質問を簡潔にお願いしたいというふうに思っております。

JICTは本改正案にある期限延長を前提に、2029年度累積損失を完全に解消するという新たな収支見通し、いわゆるJカーブを示しておりますけれども、この2029年度解消が希望的観測ではなくて、実効性のある必達目標だと言える根拠と想定している投資回収の具体的処方をお伺いをさせていただきたいと思います。

答弁者 伏瀬田国際戦略局長

伏瀬田国際戦略局長。

お答えいたします。

JICTの今後の累積損益見通しにつきましては、個別の投資案件の具体的な進捗などに係る足元の状況や、保守的な将来見通しを踏まえて策定されたものでございます。

また、2022年5月に策定された改善計画より3年前倒しとなる2029年度に累積損失を解消する見通しとなってございます。

また、単年度損益を見ましても改善計画より3年前倒しとなる2023年度に黒字に転じるなど損益の改善が進捗しておりまして、達成の蓋然性が高い見通しであると……。

考えてございます。

加えまして、2028年度以降に大型案件の投資回収が見込まれておりますが、NICTが保有する株式の共同出資者への売却などによる投資回収が一般的な方法と想定されているところでございます。

総務省としては、累積損失の解消の前倒しに向けて、NICTにおいて円滑かつ、失礼いたしました。

NICTにおいて、円滑かつ適切に投資回収が進められるよう、適切に監督を行ってまいります。

委員長 古川康

古川康君(はい、すいません。

時間が参りましたので終わります。

ありがとうございました。

高見亮 (日本維新の会) 15発言 ▶ 動画
委員長 古川康

古川康委員長:次に高見亮君。

質疑者 高見亮

高見亮君:はい、ありがとうございます。

日本維新の会の高見亮でございます。

まずは質疑の機会を与えていただきましてありがとうございます。

私の方からもJICTに関して期限延長ということでございまして、それに関する質疑をさせていただきます。

まず前提条件、今の状況についてちょっとお聞きしたいんですが、まず財務状況でございますが、貸借対照表をこれちょっと拝見する限りでは、累計損失として約120億近く。

ただ、この官民ファンドでございますが、純資産約1000億ぐらいのうち、ほとんどがもう営業投資有価証券ということでございまして、この1000億、今持っていらっしゃるこの営業投資有価証券、これが現状、含み益になっているのか、含み損になっているのか。

これ、今、会計上は原価評価になっておりますので、全て取得原価で計上されておりまして、その辺の状況が、ちょっとこれを見るだけでは分からないと。

その辺が出口戦略にもつながってくると思いますので、その辺の含み益か含み損か、分かる範囲で結構なので、教えていただきたいのと、仮にこれ、含み損がいっぱいあって、将来的に結構苦しい状況になったときに、これ、今のリスク評価として、最終的に国の資金を注入する可能性というのがあると思っているのか、それはもうほぼありえないと思っているのか、お聞かせください。

答弁者 答弁者

(発言者不明):営業投資有価証券は、投資元本の原価評価を基本としてございます。

ただ、評価損や減損を適切に反映したものとなってございます。

これは、時価上昇を直ちに収益に織り込まないことで、保守的に会計処理を行うためでございます。

一方、その他有価証券評価差額金は、為替変動に伴う評価益部分の70%相当額を……。

質疑者 高見亮

高見亮君:今の話で言うと、原価評価しかしていないので、実際のところは分からないということです。

有識者会議の中で回収可能性があるというふうになっていたんですけど、実際のところ、対象物件に関してのある程度の時価評価というのは現場ではされているんですよね。

もちろん有識者会議において回収可能性があると言っている以上は。

答弁者 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長:お答えいたします。

JICTの支援案件の件について、時価評価を適切に把握しているかというご質問かと思いますけれども、そのJICTの中には、各支援案件をフォローアップする委員会、会議体が定期的に開催してございまして、その中で各案件の時々の評価というものを把握しているところでございます。

質疑者 高見亮

高見亮君:もうそれを信じるしかないとは思ってはいるんですけど、もうちょっと何か有識者会議にもありましたとおり、リスク開示であったりとか、そういうのをした方がいいんじゃないのか、情報開示をしっかりした方がいいんじゃないのかというのもありましたので、そういうのはちょっとお願いしたいかなと思っております。

次に、このJICTの目的、ここまでいろんな質疑ありましたけど、いわゆる誘発効果ということでされているということでございます。

この誘発された民間投資額が約7100億となっております。

答弁者 答弁者

ただ、質疑もありましたが、投資先を見ますと、NECとかNTTとか、割と大きいところでございまして、自力でも投資できたのではないか。

(発言者不明):JICTと協調して行われた民間企業等の投資額を算定してございます。

その、先ほど議員がご指摘いただきました民間投資額約7167億円を誘発しているということでございます。

JICTがなければ民間企業などによる投資が実現しなかったか否かにつきましては、なかなか明確なお答えをすることは非常に難しいところでございますが、投資、またその見込みがあることは、民間企業などによる投資判断の材料として、民間投資の誘発に寄与していると考えてございます。

いずれにしましても、JICTにおいては、JICTの参画が民間投資の実現にどの程度貢献したかにつきましては、多角的な視点から適切に評価を行い、しっかり説明責任を果たしていくこと、公明に説明していくということが重要であると考えてございます。

また、ご指摘いただきましたが、JICTによる支援は特定の企業に偏ることなく、幅広い企業のニーズを汲み上げまして、対応することが重要でございまして、また、民業補完に徹することが求められてございます。

総務省としましても、JICTがこのような説明責任を果たしていくよう、適切に監督してまいります。

委員長 古川康

古川康委員長:高見亮君。

お願いいたします。

資金がないところとか微妙なところが投資し出すことによるのが一番の呼び水効果だなと思っております。

また、投資に関しても本当に呼び水効果があるのかどうなのか、客観的な基準がある程度ないと、もう何でも何でも投資してしまうみたいになってしまいますので、また引き続きお願いいたします。

質疑者 高見亮

次に経済安全保障のお話をちょっとさせていただきます。

JICTの投資案件、支援案件を見ますと、海底ケーブルであったりとか、データセンターとか、電子政府のICTとか、経済安全保障上、極めて重要なインフラが含まれているところでございます。

一方で、これ、さっき投資案件の審査みたいな話もあったと思うんですけど、経済安全保障上の観点から、例えばこの投資はいろいろ問題があって……。

答弁者 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長。

お答えいたします。

総務省が策定いたしましたJICTの支援基準におきまして、支援対象事業者につきましては、我が国の外交政策及び対外経済政策との調和が取れているものであることを求めておりまして、経済安全保障の観点は支援検討に当たっての重要な基準となってございます。

委員からご質問いただきました、これまでにおけるJICTの投資審査において、経済安全保障問題があるとして支援を断った事例につきましてはないと承知しているところでございます。

また、具体的な基準を定めているわけではございませんが、JICTの投資審査の過程におきまして、その事業で必要とする部品、資材などの調達元、また……。

質疑者 高見亮

高見亮君。

断った案件はないので、そこはちょっと気になるところではありますが、引き続きしっかり、経済安全保障上のフィルターをかけていただいて、管理をしていただくようお願いいたします。

そしてもう一つ、今までの質疑でカントリーリスクみたいな話もあったかと思いますが、そういった投資案件に関するリスク評価において、もちろん専門家をつけてしっかり管理していく、それも重要ではあると思うんですが、今、国家としてインテリジェンス情報をしっかり管理していくという話が出ていると思います。

そういった情報をしっかり横断的に国が管理して、こういった投資をするときにもしっかり活かしていくというような仕組みがあればいいのではないのかなと思っているんです。

ですが、その辺いかがでしょうか。

答弁者 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長。

カントリーリスクなどに関する情報の収集、分析体制の強化を行っているところでございます。

具体的には、当該顧問がJICTの投資に係る意思決定を行う委員会に参加いたしまして、その顧問から提供される外国政府の動向やマクロ経済情勢の分析を踏まえて、カントリーリスクに係る情報を当該委員会における投資判断の材料として活用しているところでございます。

質疑者 高見亮

高見亮君。

これも今後の議論になると思いますが、せっかく政府が集めた情報というのは、やはり有効に活用していくべきであろうかなと思っておりますので、また御検討のほどお願いいたします。

最後に、この出口の話をさせていただきたいんですが、このJICTの設置期限が2045年度末に延長されます。

ただ、また2045年が近づいた段階で、延長するのか延長しないのかみたいな話、これも先ほどの質疑もありましたが、やはり若干不毛な感じもありますので、何らかの基準がいるのかなとは思っています。

実際のところ、これ10年延長したところで、2045年度末に仮に解消するとなったときに、どういった担保措置というか、どういった売却戦略があるのか、ある程度考えていらっしゃるのか。

この10年でもう投資を打ち止めにしてしまうのか、まだ様子を見ていくのか。

またもし仮にこれが終了したとして、その国への還元への仕組みとか、その辺をどう考えているのか教えてください。

答弁者 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長。

お答えいたします。

総務省といたしましては、今後の民間投資上の発展に向けてJICTによる支援が呼び水となりまして、企業や金融機関による積極的な投資が促進され、またJICTに蓄積された知見の還元、投資人材の育成についてJICTが貢献していくことを期待してございます。

なお、将来的な再延長の要否につきましては、現時点で申し上げることは非常に困難でございますが、その時々の民間金融の状況、また我が国の経済や国際情勢などを踏まえつつ、適切に検討する必要があるかと考えているところでございます。

また、まずは足元におきまして、引き続き経営改善の取組などを行いながら累積損失を解消し、その後得られた収益につきましては、財務状況及び事業環境などを総合的に勘案し、再投資への活用、また国を含む株主への還元などを検討していくところでございます。

質疑者 高見亮

高見亮君。

ありがとうございます。

いずれにしても、早めに早めに。

福祉法、福祉法、福祉法、福祉法、福祉法、福祉法、福祉法、福祉法、福祉法、福祉法、福祉法、福祉法。

ということをお願いいたしまして、私からの質疑は終わります。

許斐亮太郎 (国民民主党・無所属クラブ) 57発言 ▶ 動画
委員長 古川康

次に、許斐亮太郎君。

許斐君。

質疑者 許斐亮太郎

国民民主党の許斐亮太郎です。

本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

会派を代表いたしまして質問させていただきます。

JICT法は当初20年の期間で成立いたしました。

今回、半分を過ぎたところでの法改正です。

そこで、これまでの10年の歩み、そして現在の考え、さらにこれからの10年、期限を延長しますと、20年後の未来を見据えた質疑ができればと思っています。

現在、過去、未来のビジョンについてもお伺いいたしますので、仮定の質問もありますが、何卒前向きなご答弁をよろしくお願い申し上げます。

早速質問に移らせていただきます。

JICTが設立されてから10年が経ちました。

平坦ではありませんでした。

まず、これまでの10年の投資実績と収益推移の全体像をどう総括するのでしょうか。

また、法改正で延長を目指す決断の理由と今後の支援の方向性について、林総務大臣にお伺いいたします。

よろしくお願い申し上げます。

答弁者 林総務大臣

林総務大臣。

JICTは、海外で通信放送郵便事業を行う者などに対するリスクマネー供給などを通じて、海外における需要を積極的に開拓し、収益性の向上などを図ることで、もって我が国経済の持続的な成長に寄与する。

これを目的に、約10年前の2015年に設立をされました。

この10年間ですが、実績として海底ケーブルやデータセンターなどのデジタルインフラを中心に28件の支援決定を行っております。

2024年度末までの累積投資額は約1,159億円、誘発された民間投資額は約7,167億円。

こういうことになっております。

収益推移でございますが、2023年度から単年度損益について、今の設置期限までに投資回収が見込めないので支援が困難となる事例が出てきておりますので、今般、設置期限の延長になります。

こういうことでございます。

成長戦略ですとか、議論もたたっております。

この経済安全保障の観点から、デジタルインフラの重要性というのは、ますます高まってきているわけでございます。

総務省といたしましても、関係省庁や関係機関、また在外公館とも連携いたしまして、情報収集などを通じて、このJICTがより一層の役割を果たしていくように、適切に監督してまいりたいと考えております。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

今まさに経済安全保障というワードが出てきました。

これは10年前のJICT法成立時とは、当然国際状況、日本が置かれた状況も変わってきています。

特に経済安全保障という観点が、ここ最近の政府の重点政策だと私は認識しています。

今回のJICT法改正案の概要資料にも、経済安全保障の観点から、デジタルインフラ等の海外展開の重要性が増してきているということが書き込まれました。

そこで質問です。

今後、JICTの投資案件の支援決定において、経済安全保障法の観点をどの程度考慮するのかを政府にお伺いいたします。

先の高見委員からの質問にも参りましたが、改めて答弁をよろしくお願い申し上げます。

答弁者 堀内総務副大臣

堀内総務副大臣。

許斐委員、ご指摘のとおり、JICTの設立以降、令和4年に経済安全保障推進法が成立するなど、経済安全保障の確保は我が国の最重要課題の一つとなっております。

この課題には、我が国における戦略的な自立性、不可欠性の確保に向けて、官民一体となって、海外のデジタルインフラ事業の展開等に取り組んでいくことが重要です。

そのため、総務省が策定したJICTの支援基準においても、支援対象事業について、我が国の外交政策及び対外経済政策との調和が取れているものであることを求めており、支援決定に当たって、経済安全保障の観点を考慮することとされております。

総務省としては、JICTによる支援が、我が国の経済安全保障の確保に大きく貢献していくことを期待しております。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

堀内副大臣、どうもありがとうございます。

そこでやはり政策というワードも出てきました。

経済安全保障という政策と、投資による収益について質問したいと思います。

政策的意義のある案件が、そのまま収益性の向上につながれば、これ何も問題ないしハッピーなんですが、本来は別のベクトルだと私は思っています。

時には相反することもあると思います。

そこでJICTの投資案件において、政府が進める経済安全保障の政策的意義と収益性をどのように両立していくのか、判断基準などの総務省のお考えをお聞かせください。

政府参考人 藤田国際戦略局長

藤田国際戦略局長。

お答えいたします。

経済安全保障の確保は、我が国の最重要課題の一つでございまして、我が国における戦略的な自立性、不可欠性の確保に向けて、海外のデジタルインフラ事業の展開支援など、官民一体となって危機管理投資に取り組んでいくことが重要でございます。

JICTでは、経済安全保障のものも含みますが、政策的な意義を重視する案件等、収益性をより重視する案件などを組み合わせることなど、ポートフォリオ全体での政策的意義と収益性のバランスの確保に努めているところでございます。

総務省ではこれまでもJICTと緊密に連携をいたしまして、その活動に資する情報提供などに取り組んできたところでございまして、引き続き経済安全保障の関連なども含めまして、またその政策的意義の案件と収益性の高いところの案件とのバランスなどに注意しながら、JICTとはしっかりと連携に取り組んでいきたいと思ってございます。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

単年度黒字を最近達成していって実績が上がっている中で、これからをより慎重に国策としてどのような投資を行っていくのか、その見極めが重要だと思っています。

バランスというお話もありましたが、今後どのような分野を重視しているのか、政府の考えを、これはちょっと具体的にお聞かせ願いたいと思います。

政府参考人 布施田国際戦略局長

布施田国際戦略局長、お答えいたします。

先ほど申し上げましたが、JICTは政策的意義をより重視する案件と収益性をより重視する案件などの組み合わせによるポートフォリオ全体での政策的意義と収益性のバランスの確保に努めているところでございます。

他方、投資リスクの管理に当たりましては、さまざまな地域対象に分散して投資することが重要でございますので、JICTにおきまして特定の分野、特定の領域などに重視をすることはしてございません。

個別案件ごとに政策的意義と収益性を総合的に勘案して支援決定を行っているところでございます。

行っていると承知してございます。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

それでは角度を変えて具体的に質問したいと思います。

特に通信分野においては、国を守るという観点から、サイバーセキュリティも重要になっています。

そのような目的も考慮されているのでしょうか。

お答えください。

政府参考人 布施田国際戦略局長

布施田国際戦略局長、お答えいたします。

サイバーセキュリティに関しまして、我が国事業者の知見や政策的意義の観点から、JICTの支援決定に当たっての重要なテーマであると承知しているところでございます。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

やはりこれまでの10年から今までで世界の状況、置かれた状況が変わっています。

日本の置かれた状況も。

これから10年、さらに20年となると、さらにこの状況が変わっていきますので、この期間を延長するならば、今の時代にマッチするのはもちろんのこと、さらには将来を見据えた支援をお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。

続いて、これまでの投資の教訓についてお伺いいたします。

設立初期の4案件、81億円の損失について伺いたいと思います。

設立後3年間の実績です。

この期間に支援決定した4つの案件、内容として、1つ目は香港・グアム間光ケーブル事業。

2つ目はMVNO及び端末のパッケージ提供による海外モバイル通信事業。

3つ目は日本・グアム・オーストラリア間光海底ケーブル事業。

そして4つ目、ミャンマーにおける放送設備整備コンテンツ提供事業。

この4件において、合計約81億円もの多額の損失を計上しています。

中川委員からも質問がありましたので、私からはちょっと細かく質問いたします。

この初期案件における投資判断の何が問題であったのか、申し訳ないですが、各々の案件に対して政府の分析をお伺いしたいと思います。

政府参考人 布施田国際戦略局長

布施田国際戦略局長。

はい、お答えいたします。

JICTにおいては、設立後、当初3年間で投資した4つの案件につきまして、事業が計画通り進まず、損失を計上いたしました。

まず1件目の香港・グアム間光海底ケーブル事業につきましては、米中間の政治的緊張が高まる中、米中を結ぶ海底ケーブルの敷設に関する許認可が取得できず、事業継続が困難となったところでございます。

次に2件目のMVNO及び端末パッケージ提供による海外モバイル通信事業につきましては、JICTの支援決定後、支援対象事業者の資金繰りが悪化いたしまして、経営が破綻し、事業継続ができなくなったところでございます。

次に3件目の日本・豪州・グアム間光海底ケーブル事業については、1件目の香港・グアム間の海底ケーブルが敷設できず、当該海底ケーブルとの販売連携ができなくなったことにより、売り上げが低迷いたしまして、事業継続が困難となったところでございました。

最後に、4件目のミャンマーにおける放送設備整備、コンテンツ提供事業については、ミャンマーにおいて軍事クーデターが発生し、軍事政権下に入り、事業継続が困難となったところでございます。

JICTではこれらの損失計上案件に係る主な教訓といたしまして、地政学リスクに係るより深い分析の必要性、投資審査に係る多角的な確認の必要性、海外ケーブル事業におけるリスク耐性の高い投資スキームの必要性を挙げてございます。

その後、JICTにおきましてこれらの教訓を生かした対策を講じました投資リスク管理に継続的に取り組んでおりまして、この取り組みが定着したこともございまして、令和5年度、6年度と2年連続での単年の黒字を計上するなど、損益の改善は進捗しているところでございます。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

さらにちょっと確認なんですが、この1番目と3番目の光ケーブルの案件において、これは香港がちょっと問題あったという認識でよろしいでしょうか。

お答えください。

政府参考人 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長。

お答えいたします。

先ほど海底ケーブルの案件につきましては、米中間の政治的緊張が高まる中、米中を結ぶ海底ケーブルの敷設に関する許認可が取得できないということを申し上げたところでございますが、その詳細、どこがどこで何についてということにつきましては、JICTとJICTの共同出資社の秘密保持契約の対象となりますので、御質問の回答は控えさせていただきたいと思います。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

ちょっとこう、もやもやするところがありますが、私としてはこう、失敗をですね、批判ではなくて教訓で捉えることが必要だと思いますので、できれば情報を開示していただきたいなと思います。

その点について質問いたしました。

教訓という視点で申し上げると、今年3月31日に政府系官民ファンドを期限前に廃止するという初のケースがありました。

農林水産省の農林漁業成長産業化支援機構、通称AGRIの業務です。

省庁が違うとか、国内とか海外とかで事情は違いますが、やはりあらゆる教訓を常に多産の意思として考えなければならないと。

先ほど中川委員の官民ファンドのリスクについての質問で、大臣から丁寧な答弁がありましたので、私からは様々な想定外を想定した支援運用をお願いいたしまして、次の質問に移りたいと思います。

続きまして、官民の出資比率についてお伺いいたします。

当初は出資比率が1対1、つまり50%、50%でしたが、令和6年度では国の出資が97%になっています。

これでは官官官民ファンドと呼ばれても仕方がないと思います。

質問です。

官民ファンドと言われつつ、民間からの出資比率がかなり低下していると思いますが、官民の出資比率について現状認識と、政府が考える目標とすべき好ましい比率の考えを大臣にお伺いいたします。

答弁者 林総務大臣

林総務大臣。

現状、官民ファンドの政府出資と民間出資の比率について、1対1でなければならないという横断的な規範目標が存在するものではないと、そういうふうに認識をしております。

また、各官民ファンドの設置法上は、ファンドへの出資について、政策目的の達成に向けて安定的な経営が求められることなどの理由から、政府が発行株式の3分の2以上を保有するというのが規定されているファンドもあるわけでございます。

また民間企業から見ますと、官民ファンド自体に対する出資、投資はそこからスタートするわけですが、個別の投資案件が出てきますと、JICTじゃなくてその案件に出資すると、実際そういうことが増えてくるわけでございますので、民間から見ると自分の会社が深く関与する案件に直接投資をすると。

高市内閣総理大臣。

民間出資を募る努力、これは行っていただいているところでございます。

2023年度から、先ほどから御議論いただいていますように、単年度黒字を計上するということで、計画を上回るペースで経営改善も進んでおりますので、こういうことを背景にして、民間企業から新たな出資の意向、こういうのも寄せられ始めていると、こういうふうに聞いております。

総務省としても、JICTが経営改善、これを着実に安定的に収益を生み出すファンドとしての魅力を高めるということ。

そして政府出資に過度に依存しない運営体制を構築していけますように、総務省として適切に監督してまいりたいと考えております。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

この魅力を向上させて様々な民間からの参加を促していく、まさにその通りだと思います。

そしてそれに関連して、支援件数と事業者の選定についてお伺いしたいと思います。

支援件数が増加するに従って徐々に事業者数も増えていますが、やはりまだ事業者が大手に偏っているのが現状だと思います。

この状況について、総務省の認識と今後の方針などについて、お考えをお聞かせください。

よろしくお願いします。

答弁者 向山総務大臣政務官

向山総務大臣政務官。

お答えいたします。

これまでのJICTによる支援先は大手の企業が17件、中小スタートアップ企業が4件、国内外のICTスタートアップに投資をするファンドへの出資が7件というふうになっております。

設立から数年間は大手企業が多かったところでありますけれども、令和4年にJICTの支援基準を改定しておりまして、ICTサービス事業者への投資、ファンドへのLP投資、これが可能となりましたことから、近年は中小スタートアップ企業への支援が増加をしているところであります。

さらにJICTでは、令和4年に内外の産官学の関係団体、関係企業との組織的人的ネットワークの強化を目的に、エコシステム推進グループを設置いたしまして、全国各地で開催をされるセミナーの参加などを通じまして、JICTに対する認知度の向上を図るなど、支援先の拡大に取り組んでいるところでございます。

JICTにおいては今後もこのような取り組みを通じまして、幅広い企業のニーズを組み上げていくことが重要であるというふうに考えております。

委員長 古川康

委員長。

質疑者 許斐亮太郎

許斐亮太郎君。

横山政務官、どうもありがとうございます。

私も人づくりこそ国づくり、ものづくりこそ国づくりだと思っています。

本日、福原委員から質問もありました。

地域未来戦略の話もありました。

日本企業のものづくりを支えていくためには、中小企業や地方企業、そしてスタートアップなどの支援が必要です。

一方で、それは小口案件が増えるということですので、対応にあたるJICTの人材を増やす必要性があると思います。

昨年10月にJICTの社員数は31名から33名体制へと増員されましたが、やはりこれも足りないと思います。

将来的に人員を増やすお考えはありますでしょうか。

お答えください。

答弁者 向山総務大臣政務官

向山総務大臣政務官。

JICTにおきましては、我が国経済の持続的な成長に貢献をしていくために、支援先の拡大をして海外市場の開拓を目指す幅広い企業のニーズに応えていくことが重要だというふうに考えております。

中小企業や地方企業、スタートアップなどのニーズを的確に組み上げていくためには、委員の御指摘いただきましたように体制の強化が必要でありまして、必要な定員要求を行ってきた結果として、直近2年間で7名の定員増になっております。

総務省といたしましては、今後もJICTと緊密に連携いたしまして、必要な職員の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

やはり小口案件で、寄り添ってこれを支援していくとなると、やはり人材不足が顕著になってくると思いますので、その人材の増員をよろしくお願い申し上げます。

重ねてその人材について質問です。

JICTは法律に基づき、将来解散の時期がきます。

その際、活躍してくれた職員はどのようになるのでしょうか。

考えられる処遇など、解散後を見据えた人材育成の在り方についての政府のお考えをお伺いしたいと思います。

政府参考人 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長。

お答えいたします。

人材育成はJICTの重要な役割の一つでございまして、支援基準に明記しているほか、JICTが定めた5つの戦略軸の一つにも位置づけられてございます。

JICTでは、海外ICTと金融の双方の専門性を高め、投資に関わる目利きやリスクへの対応の高度化を図る観点から、技術的知見の獲得、また関係者間のネットワーク構築などを通じまして、人材育成に努めているところでございます。

総務省といたしましても、解散後を見据えつつ、JICTにおいて将来民間企業で活躍できる人材の育成に貢献していくことを期待しているところでございます。

委員長 古川康

委員長。

質疑者 許斐亮太郎

許斐亮太郎君。

はい、人材の育成と、そして増員、その他の人員に関すること、よろしくお願い申し上げます。

続きまして、次の質問に移りたいと思います。

他の官民ファンドとの連携と差別化についてお伺いいたします。

本日もこの委員会で様々な議論になっております。

これは過去にも懸念事項として指摘されています。

田嶋委員の指摘でもありましたが、平成27年5月15日の衆議院本会議において、当時の竹政公一議員が、この新しい機構を動かすにあたり、既存の支援機構とはどのように住み分け、あるいは連携していくのかと問われました。

その答弁として、当時の高市総務大臣が「本機構は既存の官民ファンドとは政策の目的や支援の対象分野が異なるものですが、必要に応じ情報共有、連携を行ってまいります」と答弁しています。

それから10年余り、現在ではどのような形で連携や住み分けを行っているのでしょうか。

その上で相乗効果を発揮できているのか、改めて総務省にお伺いしたいと思います。

政府参考人 福瀬田国際戦略局長

福瀬田国際戦略局長。

お答えいたします。

政府系金融機関や官民ファンドは、それぞれ政策目的、支援対象などが異なっておりまして、それらに基づいて役割分担が行われているところでございます。

これまでJICTは、他の政府系金融機関や官民ファンドとのお互いの強みを生かせる補完関係にある場合には、その他機関と連携いたしまして、効率的効果的な支援を行ってまいりました。

昨年、総務省で開催いたしましたJICTのあり方に関する検討会におきましても、その事業者のビジネスステージやニーズに応じた適切な支援が重要であり、そのためにはJICT単独での支援のみならず、他の政府系金融機関などとの適切な役割分担、効果的な連携による支援の有効性が指摘されているところでございます。

情報通信は経済社会のあらゆる領域に関わる横断的な分野でございますので、今後も各機関の専門性を生かして、相互協力に努めることで支援の相乗効果を高めていくことが重要であると考えているところでございます。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

それでは引き続き具体例を申し上げて、他の制度との住み分けや、戦略的な連携について伺っていきたいと思います。

今国会では、内閣委員会で経済安全保障推進法の改正や、国際協力銀行、JBIC法も改正される予定です。

そこでも、海底ケーブルの敷設やデジタルインフラ等への支援が考えられます。

総務省だけでなく、内閣府、さらには財務省も絡んできます。

そこで質問です。

その場合、経済安全保障推進法に基づく支援と、このJICTによる出資は、どう役割を分担するのか。

また、かつてJICTが海底ケーブルで損失を出した経験を、どのように政府に還元していくのか、総務省にお伺いします。

政府参考人 福瀬田国際戦略局長

福瀬田国際戦略局長。

お答えいたします。

JICTは海外における通信、放送、郵便分野の事業支援に特化した官民ファンドでありまして、ハンズオン支援なども兼ね備えた政策的支援を実施するための機関でございまして、JICTによる投資は政策的意義と収益性の両方を満たすことが求められてございます。

一方、JBICは国際金融の専門性を持ち、日本企業の海外展開などについて特定の分野に限らず、広範な支援を行う政府系金融機関でございます。

今国会に提出された経済安全保障推進法等の改正案に盛り込まれているJBICの劣後出資等に関する仕組みは、経済安全保障上重要であるが、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールだけでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業を支援対象としてございまして、政策的意義をより重視しているものと承知してございます。

このようなお互いの特徴を生かし、両者が連携して、通信・放送・郵便分野における日本企業の海外展開を支援し、また我が国の経済安全保障の確保に貢献していくことが重要であると考えてございます。

また、JICTは民間の投資ファンドなど、様々な分野の経歴を持つ人材の方を採用・育成してございまして、情報通信分野の海外展開、あと投資の双方に高い専門性を有する人材を確保しているところでございます。

そのような独自性がJICTは持っているところでございますが、JBICをはじめとする他機関との連携におきましても、このようなJICTが持つ独自性や、また過去の教訓を生かしまして、日本の企業に対する支援の相乗効果を高めていくことを期待してございます。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

そのようにJICTは優秀な人材を集めると言っていますし、さらに失敗の教訓もありますので、やはり国としてどんどん国力を高めていくためにも、情報の共有、教訓の共有もよろしくお願いしたいと思います。

続きまして、人口減少社会において、特に地方を今後支えていくICTについてお伺いしたいと思います。

そのICTの技術力の向上のために、JICTでの海外展開は重要であり意義のあることだと私は思っています。

そこで特に日本の地域を支えている防災ICTの海外展開について、売り込みから運用、そして将来の譲渡先に関してお伺いしたいと思います。

まずは売り込みについてお伺いいたします。

平成27年の総務委員会において、このJICT法の質疑の中で、当時の高市総務大臣は対タイにICTシステムをトップセールスで売り込みに行き、防災ICTに興味を持ってくれたとの答弁がありました。

質問です。

そのトップセールスのその後について、現時点で目に見えるJICTの成果としてあったのか、その課題についてお伺いいたします。

政府参考人 藤田国際戦略局長

藤田国際戦略局長。

お答えいたします。

多くの自然災害を経験している我が国には、ICTを活用した防災・減災に関する技術やノウハウが蓄積されておりまして、それらに対して海外から高い関心が寄せられているところ、各国政府に対するトップセールスが果たす役割が大きい分野であると考えてございます。

例えばインドネシアにおきましては、閣僚レベルのトップセールスの結果といたしまして、2024年にワンクイのエルアラートをモデルとした災害情報共有システムの運用が開始されてございます。

また防災ICTにつきまして、例えばタイでございますが、各国の財政状況や政策、事業の優先度によってはなかなか導入が進まないということもございますので、ODAなどのファイナンス支援に含めたパッケージの提案が重要であると考えているところでございます。

防災は現在、高市政権の成長戦略分野17分野にも規定されているところでございまして、内閣府、外務省、その他関係各省とも連携いたしまして取組を進めてまいります。

まさに今、この防災分野というのは成長戦略で大事だと思います。

しかし以前からやはりこれは大切な視点だったと私は思っています。

この防災という観点は、特に非常に東南アジアと親和性が高いと私は思っています。

地震が多いことや台風というこの予測など、非常に日本と共通点が多いことがその理由だと思います。

総務省もJICTの設立の前からこれは考えていたと見受けられます。

平成23年に、総務省において、日本ASEAN官民協議会の防災分科会の取りまとめで、防災ICTシステムのASEANへの提案がなされています。

そこで質問いたします。

その提案が、このJICTのスキームに乗った事例はあるのでしょうか。

ASEAN各国において、現在どのような状況にあるか、お伺いしたいと思います。

政府参考人 藤田国際戦略局長

お答えいたします。

議員ご指摘のとおり、ASEAN各国におきましても、防災減災に対する意識は非常に高まっていると感じてございます。

この案件でございますが、JICTにおきまして支援の相談を受けるという案件はございますが、現時点において支援決定にまで至った案件はないということで承知してございます。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

そこで、このICTシステムの運用面についてお伺いいたします。

海外での展開には色々なリスクがあります。

昨今のイラン情勢もその一例だと思います。

我が国のシステムが採用されても、その後の政権交代などで状況が一変する恐れがあります。

まさに先の答弁でもありました。

そこで、日本企業が継続的なメンテナンスや更新事業を受注し続けられる仕組みの担保というのはなされていますでしょうか。

お伺いいたします。

政府参考人 藤田国際戦略局長

藤田国際戦略局長。

お答えいたします。

支援案件として成立した案件につきましては、継続していくということが非常に重要でございます。

一般的にこのシステムを継続的に運用していくため、例えば保守のような計画を立てていくというためには、各国のニーズ、特に機能拡充など、ニーズに柔軟かつ迅速に対応することなどを通じて、またその国の政府との協力関係を深めていくこと、こういうことが継続的なビジネスを確保していく上で重要であると考えてございます。

今後も引き続きこのICTシステムに関しまして、日本企業の継続的なビジネスを確保するために関係省庁とともに、特に相手国政府への働きかけとか対応を進めてまいりたいと考えてございます。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

関連各国との連携について引き続き質問したいと思います。

今度は保守に続いて譲渡について質問です。

他国へのシェア流出防止策についてお伺いいたします。

これまで日本、グアム、オーストラリア間の光ケーブル事業において、JICT支援撤退の際に、アメリカ系の企業が事業継承を行っています。

これまでJICT出資案件には、そのアメリカ以外にも、アジアやヨーロッパ各国など、資本や現地関係会社が関わっているものがあります。

そこで質問です。

JICTが事業譲渡を行う場合、その選定基準に経済安全保障、これもっと言うと、安全保障全般の観点をどの程度考慮しているのか、政府の見解をお伺いいたします。

政府参考人 藤田国際戦略局長

藤田国際戦略局長。

お答えいたします。

JICTが事業から撤退するために、保有する株式などを他社に譲渡する際には、我が国の経済安全保障の確保に与える影響などを十分に考慮することが重要と考えてございます。

過去にJICTが事業から撤退した事例におきましても、保有する株式などの売却先の選定などに当たっては、経済安全保障の確保に十分考慮して、保有する株式などが処分されたと認識しているところでございます。

総務省といたしまして、JICTが保有する株式などの処分の認可に際しましては、その妥当性をしっかりと確認してまいります。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

テーマを変えまして次の質問に移ります。

放送郵便分野についてお伺いいたします。

JICTの正式名称に海外においての通信、放送、郵便と3つの柱がありますが、やはりその中で放送と郵便の実績が上がっていないと正直思います。

これまで放送は1件、郵便はゼロです。

原因は何だと考えているのか、また今後どのように進めていくのか、政府のビジョンを改めてお聞かせください。

答弁者 向山総務大臣政務官

向こう山総務大臣政務官。

小野委員、ご指摘のとおり、JICTによる決定支援案件の投資分野別の内訳は、2025年度末時点で、通信分野27件のほか、放送分野が1件、郵便分野がゼロ件というふうになっております。

この要因といたしましては、放送郵便分野はデータセンターをはじめとする情報通信分野と比べまして、市場のプレイヤーが少なく、プロジェクトの組成機会も少なかったということが考えられます。

JICTにおいては、案件形成に向けて放送郵便関係企業との議論を重ねているというふうに聞いておりまして、今後これまで培ってきた組織的人的ネットワークなども活かしまして、放送郵便分野における取組を進めていくことを期待しているところであります。

総務省といたしましても、在外公館と連携をしながら、各国のニーズについて情報収集を行うなど、JICTによる放送郵便分野の案件形成を後押しをしてまいります。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

向こう山政務官、ありがとうございます。

放送に関して、日本の放送のあり方も変わってきています。

先のNHK予算の質疑でも、放送設備、いわゆるミニ中継局などの民放とNHKの共有化などの議論もありました。

日本では大きな変革の時代が到来しています。

以前でしたら、日本の地デジ方式の売り込みという意義もあったと思いますが、現在世界的に放送から配信に変わっていく中で、既存の放送システムを海外に売り込んでいく必要があるのかという疑問も私は持っています。

また郵便に関しても、物流の変化やデジタル化が進む中で、今までの日本の郵便システムを海外が求めていくのか、そのような疑問も私は持っています。

収益性の観点でも投資やJICT支援対象にするというのは難易度が高いと思います。

前の質問で申し上げましたが、支援業務のポートフォリオにおいて、ある一定に偏らないというのが重要なので、放送や郵便も選択肢として残すのは理解しますが、一方で選択と集中、収益という観点から今後どのように推進していくのか。

中川委員は推進してほしいという意見でしたが、私は逆に慎重な検討をお願いしたいと申し上げまして、次の質問に移ってまいります。

累積損失の解消についてお伺いします。

令和7年10月から開催されているJICTのあり方に関する検討会について、その検討会で累積損失の解消について、2029年度には累積損失を解消する、そしてそれからグッと利益が出るとの見解が示されています。

それが今回の期間の延長にも少なからずつながっていると思いますが、改めて現在の見通しを政府よりお示しください。

よろしくお願いします。

政府参考人 伏田国際戦略局長

伏田国際戦略局長。

お答えいたします。

JICTの今後の累積損益見通しにつきましては、個別の投資案件の具体的な進捗などに係る足元の状況や、保守的な未来見通しを踏まえまして、策定したものでございます。

また、2022年5月に作成された改善計画、これよりも3年前倒しとなる2029年度までに累積損失を解消する見通しとなっておりますが、例えば単年度損益を見ましても、改善計画より3年前倒しとなります2023年度に黒字に転じて、計画を上回る実績で損益の改善が進捗しておりまして、この達成の蓋然性は高い見通しであると考えてございます。

また加えまして、2028年度以降に大型案件の投資回収が見込まれておりますが、JICTが保有する株式の共同出資者への売却などによる投資回収が一般的に想定されているところでございます。

総務省としては、累積損失の解消の前倒しに向けて、JICTにおいて円滑かつ適切に投資回収が進められるよう監督を行ってまいります。

委員長 古川康

許斐亮太郎君。

質疑者 許斐亮太郎

ありがとうございます。

時間になりました。

出口戦略について質問をお願いしていましたが、それは割愛させていただきます。

委員会でもまさに出口戦略について延長するのか、そもそももう期限を設けない方がいいのではないかということがありましたので、出口戦略についてもしっかりとご検討いただきたいと思います。

以上で質問を終わります。

ありがとうございました。

青木ひとみ (参政党) 19発言 ▶ 動画
委員長 古川康

古川康委員長:次に青木ひとみ君。

青木君。

質疑者 青木ひとみ

青木ひとみ:はい。

参政党の青木ひとみです。

本日も質問の機会をいただきありがとうございます。

では早速質問の方に移らせていただきます。

現在世界中でデジタル化が進む中、海底ケーブルやデータセンターといったネットワークのインフラは、私たちの暮らしや経済、そして国の安全を守る、なくてはならない存在です。

日本企業が長年築いてきた高い技術力、国際的な信頼はまさに日本の誇りであり、これらを生かして世界をリードしていくことは、未来を切り開く素晴らしい国家戦略だと私は考えます。

ただ、こうした大規模な事業には完成までに長い月日がかかり、相手国の情勢によるリスクなど、民間企業一社では背負いきれない難しい課題があるのも事実です。

だからこそ官民ファンドという国による支えが必要なのだと理解しております。

一方で、そこで使われる資金源は国民の皆様の大切な税金です。

今回JICTの期限を10年間延長するという法改正が提案されていますが、長い期間を国が支える以上、事業が国民の利益につながっているのか、また税金の使い道として適切かという点については、丁寧な議論が必要ではないかと思います。

期間が延びることで、かえって緊張感が薄れたり、判断が甘くなったりすることはないか。

そうした視点から質問させていただきます。

はじめに、案件の選定方法についてお伺いします。

JICTの活動期間の延長は、成長戦略と経済安全保障の両面において、大きな意義があると評価しておりますが、支援期間が伸びて民間からの相談も増えていく中で、単に引き合いが多いからと手を広げるのではなく、国益に資する案件をどう厳選していくかという必要があると考えます。

そこで、10年という新たな時間軸を踏まえて、どのような基準で案件を選んでいくのかお聞かせください。

企業の競争力の強化、収益性の確保、経済安全保障という多面的な要素をどのように整理して選別していくのでしょうか。

期間の延長が安易な投資の継続や損失の先送りにつながることがあってはなりません。

より戦略的な国際展開へと結びつくために、適切な案件選定のルールをどう担保していくのかお聞かせください。

答弁者 伏田国際戦略局長

伏田国際戦略局長:はい、お答えいたします。

JICTは総務大臣が定めた支援基準に基づきまして、支援決定してございます。

その支援基準のポイントといたしましては、政策的意義ですとか、その民間事業者のイニシアチブによって運営されているのかですとか、その対象事業の長期収益性の確保、また、他の公的機関との関係性など、こういうものを基準といたしまして案件選定を行っているところでございます。

また、我が国の国際協力強化や経済安全保障の確保といった政策的意義と収益性の確保は、いずれも支援決定にあたっての重要な観点でございます。

どちらか一つの観点のみを重視するというのではなくて、ポートフォリオ全体の中で政策的意義と収益性のバランスを確保することが重要と考えてございます。

また実績でございますけれども、JICTによる支援、例えば成長著しいインドのデータセンター市場において、このJICTの支援によりまして、日本企業がトップシェアの獲得に結びついているということに寄与していることなど、民間投資の呼び水として、情報通信産業における海外市場開拓などに貢献しております。

総務省でいたしましては、政策的意義と収益性のバランスの取れたポートフォリオのもとで、JICTの支援が民間投資を誘発する呼び水としての役割をしっかり果たせるよう、適切に監督してまいります。

委員長 古川康

古川康委員長:青木ひとみ君。

質疑者 青木ひとみ

青木ひとみ:はい、御答弁ありがとうございました。

聞くところによると、これまで1000件ぐらいオファーがあったということでお伺いしております。

これから伸びるこの10年間でもますます案件が増えてくると思いますので、しっかり戦略的に何がいいかというところを見ていただいて、より利益のあるものを選んでいただきたいと思います。

では次の質問に移らせていただきます。

次に、収支の状況と利益の還元についてお聞きします。

JICTが直近3年連続で黒字を形成されていることは、投資案件の着実な成果と適切な経営管理の成果であり、その実績は評価されるべきものと存じております。

しかし、官民ファンドの原資が国民の皆様の貴重な財産である以上、その成果が最終的にどう活用されて、どのように国民に還元されるのかを明らかにすることは、私たち立法府の重要な責務です。

そこで伺います。

JICTが事業で得た利益、それが国庫へ納付される仕組み、また納付後の資金の使い道はどのようになっているのでしょうか。

分かりやすい形での運用ルールをお示しください。

投資の回収期間が長期化するからこそ、利益の行方、投資の成果を、より国民の皆様に不透明さを排除して示さなければならないと考えております。

資金をどう回収して、いつ、どのように事業を集結させていくのか、その道筋についても、御見解をお聞かせください。

答弁者 財務省渡辺大臣官房審議官

財務省渡辺大臣官房審議官。

お答えいたします。

JICTは、通信放送、郵便事業を行う日本企業の海外展開を支援し、我が国経済の持続的な成長に寄与することを目的とした官民ファンドでありますけれども、その事業の性質に鑑みまして、財政投融資特別会計、投資勘定から、政策的必要性が高く、リターンが期待できるものの、リスクが高く、民間だけでは十分に資金が供給されない事業へのリスクマネー供給を産業投資として同機構へ出資を行っております。

御案内のとおりかと思います。

他方、JICTにおきましては、現在累積損失が生じている状況ではありますが、毎年度の予算編成におきまして、政策性、収益性が認められる場合には、引き続き追加投資を行っているところです。

財務省といたしましては、まずはJICTにおいて、引き続き累積損失の解消に向けた経営改善の取組等が行われる……。

委員長。

お話がありました。

JICTは国の資金が使われている以上、情報開示を充実させることは当然であると考えておりまして、従来から各年度の財務諸表の公表など株式会社としての情報開示、投資決定ですとか株式処分の際にはホームページでプレスリリースを実施しているものと認識しております。

また政府全体では官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議におきまして、各ファンドにおける累積損益に係る……。

委員長 古川康

青木ひとみ君。

質疑者 青木ひとみ

はい、御答弁ありがとうございました。

今、情報公開はされているということでしたけれども、世界情勢がますます不安定化する中で、損失が今後見込まれるとなったら、どの程度で早く切り上げるのか、そういったこともぜひ議論していただいて、国民の皆様に、先ほどお好み委員からもありましたけれども、失敗した例については、秘密契約でお話しできないという分、不満が溜まりかねません。

特に行き過ぎたグローバリズムの中で、日本の富が海外へ流出することを懸念する国民の声は日増しに強まっております。

そこで、今回のJICTへの支援が、めぐりめぐってどのように国内の産業を活性化させ、所得向上や雇用の安定として歓迎されるとお考えでしょうか。

海外のインフラを整えることが、日本の国益、そして日本で暮らす国民一人ひとりの生活の安定や豊かさにどう結びついていくのかをお聞かせください。

答弁者 堀内総務副大臣

堀内総務副大臣。

情報通信分野はデジタル化、AI化の進展を背景に世界的に拡大が続く成長市場であるというふうに認識しております。

このような成長市場の旺盛な需要を取り込み、我が国の強い経済の実現に貢献していくものとして、情報通信分野は日本成長戦略会議のもと、官民投資を優先的に支援すべき戦略分野の一つに位置づけられております。

今後取りまとめる官民投資ロードマップの実行に当たって、JICTには海外市場の開拓を目指す日本企業の戦略的投資の呼び水として、これまで以上の役割を果たしていくことが求められます。

JICTによる支援が我が国における情報通信産業の活性化、稼ぐ力の向上に寄与し、そして国民の所得向上や雇用の安定に貢献していくことを期待しております。

委員長 古川康

青木ひとみ君。

質疑者 青木ひとみ

はい、力強い御答弁ありがとうございました。

日本企業の技術が世界で活躍して、その経験と実績が国民の皆様に知られるというのは、とてもいい好循環を目指すと思いますので、ぜひ、もっと国民の皆様に見える形でお示しいただければと思います。

では、次の質問に移ります。

JICTのあり方に関する有識者検討会についてお伺いいたします。

昨年2025年10月から約2ヶ月間、計6回という非常にスピーディな議論を経て、今後10年という長期の延長を決定されました。

そこで評価の客観性についてお伺いいたします。

検討会には評価を受ける立場であるJICT自身が立ち会い人として同席して、議論の土台となるリスク評価や実績データの多くがJICT自身から提供されたものに基づいております。

この構図を国民の皆様の目から見たときは、透明性への疑問を持たれかねません。

第三者による客観的な視点や技術面や安全保障面から厳格な検証はなされたのでしょうか。

いかにして公平な評価をされたのか。

その妥当性と今後の評価のあり方について、御見解をお聞かせください。

答弁者 福生田国際戦略局長

福生田国際戦略局長。

お答えいたします。

JICTのあり方に関する有識者検討会では、情報通信技術、海外事業、経済学、安全保障、セキュリティなどの分野に高い見識を有する5名の外部有識者にご参画いただきまして、技術面、安全保障面を含め多角的な視点から、JICTの経営状況の検証や今後の在り方について御議論をいただきました。

外部有識者の方々からは、JICTの投資の実績、成果が見えにくい、JICTが投資する政策的意義を明確にすべきといった改善点を御指摘いただきつつ、これらの指摘に対してJICTが適切に対応していくことを前提に、またJICTによる支援は引き続き推進すべきであり、設置期限を延長することが適当との提言をいただいてございます。

総務省といたしましては、JICTによる指摘事項への対応状況を注視いたしまして、外部有識者のご知見もお借りしつつ、適切にJICTの経営状況を監督してまいります。

委員長 古川康

古川康委員長:青木ひとみ君。

質疑者 青木ひとみ

青木ひとみ:はい、ありがとうございました。

外部の方や有識者の方の御意見があったということですが、その有識者の5名の方の選定方法についてより深くお伺いさせていただきます。

この5名の方の中に、デジタルの最前線を熟知する方、またあるいは地政学リスクの専門家が議論に加わっておられたのでしょうか。

初期の支援案件では、ミャンマーのクーデターとか中国の許認可が下りないことによって81億円もの損失を出した前例がございます。

リスクを未然に防いで国民の大切な資産を守るためには、国際情勢や最新技術に精通した専門家との議論が何より重要ではないでしょうか。

もちろん経営とか金融の視点も大切ですが、過去の失敗を繰り返さないためにも多角的な評価が必要だったのではないかと懸念しております。

そこで構成員選定の考え方、そして議論の内容についてもう少しお聞かせください。

答弁者 伏瀬田国際戦略局長

伏瀬田国際戦略局長:お答えいたします。

JICTの在り方に関する有識者検討会では、先ほど申し上げました各分野の外部有識者の方に参加いただきました。

5名の外部有識者に参加いただきました。

その中には、今、御指摘のデジタル技術に非常に精通している方ですとか、地政学リスクの変動に対する専門家の知識を有している方も入っているところでございます。

これら有識者の方々にまとめていただきました報告書では、人材の量、質の強化を含め、カントリーリスク情報の収集、分析などを通じた投資リスク管理を推進する必要性などについて御指摘をいただいているところでございます。

JICTではこれまでにもマクロ経済、地政学分野の専門家を顧問といたしまして招聘するなどの取り組みを通じまして、地政学リスクに関する情報の収集分析体制の強化を行っておりますが、有識者検討会における御指摘を踏まえまして、今後、さらなるリスクの管理、強化に取り組んでいくものと承知してございます。

質疑者 青木ひとみ

青木ひとみ:ありがとうございます。

海底ケーブル、今破損事故が世界でも100件、200件ととても増えておりますので、やはり地政学に関する有識者の方の御意見とか、あと作ったら終わりではなくて、それをじゃあ今後どうやって守っていくのかという、そういうところの現場をよく知る人の知見なんかも今後議論に加えていただいて吟味していっていただければと思います。

ちょっと時間が迫ってまいりましたので、質問一つ飛ばさせていただいて、最後の質問ですね。

中小企業の展開について、最後に林大臣にお伺いいたします。

日本が世界に誇るインフラ輸出の現場を支えているのは大企業だけではございません。

地方で技術を磨き続ける中小企業の職人たちの力があってこそです。

こうした方々の活躍を広く可視化することは、現場の士気を高めるだけではなくて、納税者である国民の皆様が「日本の技術が世界のどこかで誰かの暮らしを豊かにしている」と自分ごととして誇りを持てる生きた物語になると考えます。

また、多くの現場が後継者不足という深刻な課題を抱える中、世界という大きな舞台を若者に示すことができれば、それは未来への希望となります。

若者が「自分もこの技術で世界をつなぎたい」と憧れを抱き、確かな技術が次の世代へと受け継がれていく仕組みを構築することも重要な課題ではないでしょうか。

そこでJICTの支援が大企業にとどまらず、地方の中小企業や若い技術者たちまで届いて、日本のインフラ輸出を根底から支える存在となっていくために、JICTはどのような支援を考えておられるのかお聞かせください。

答弁者 林芳正

林芳正総務大臣:発展をしていった、こういうことでございまして、まさに雇用の7割、付加価値の5割を中小企業というのは占めておりますので、日本経済の屋台骨であります。

また地域経済をですね。

これは期待されておりまして、実際に先ほども申し上げましたけれども、沖縄県の中小企業を支援する実例、こういうのも出てきております。

この10月から12月まで、昨年行いました有識者検討会、ここでもガバナンスが確保された事業者との共同出資を前提といたしまして、地方企業ですとかスタートアップ企業、中小企業を一層支援すべきだと。

こういうふうになっております。

中小企業は一般的に申し上げますと、やはり海外事業に関する情報、ノウハウが不足しておりまして、海外展開になかなか行きつけない要因となっている。

ということに鑑みまして、このJICTに蓄積されております海外展開に必要な知見やネットワーク、これをそうした中小企業などに還元をする、これが有効であろうと考えております。

総務省では海外市場調査、また実証実験などを通じて、こうした中小企業向けの海外展開支援に取り組んでおります。

JICTには、このような取り組みと連携を図りながら、中小企業の海外展開支援に取り組んでいくよう促してまいりたいと考えております。

委員長 古川康

青木ひとみ君。

質疑者 青木ひとみ

ありがとうございました。

今回のこの10年という期間が、地方の中小企業の成長や雇用の安定につながることを強く期待して、私の質問を終わりにさせていただきます。

ありがとうございました。

武藤かず子 (チームみらい) 16発言 ▶ 動画
委員長 古川康

古川委員長。

質疑者 武藤かず子

次に武藤かず子君。

武藤君。

チームみらいの武藤かず子です。

本日もJICT法改正の審議のため、質問の機会をいただきありがとうございます。

今回の改正は設置期限を10年延長するというシンプルな内容ではございますが、それだけに延長を認めるにあたって問われるべき点が多くあると考えております。

順次お伺いしてまいります。

はじめにJICTの支援対象の範囲についてお伺いをいたします。

JICT法が定める支援対象は、海外において電気通信事業、放送事業、郵便事業を行うものであります。

2022年12月に出資を決定したポケトーク社が展開する多言語翻訳サービスはICT関連であり、領域上ではJICTが支援対象の範囲内に収まり得ると理解をしております。

一方で確認したいのは、領域の適否よりも、JICTの設立趣旨は規制分野ゆえの政治リスクへの対応や大規模インフラへの資本供給という、民間では対応が難しい場面に公的資金を投じることであったと理解をしております。

ポケトーク社は主に一般消費者、民間向けのサービスであり、株主としてJICTが参画することで、JICT本来の政策的関与効果がどのように発揮されるのかご説明いただきたいと思います。

併せて、スタートアップへの成長支援という性質に着目すれば、クールジャパン機構の方が支援スキームとして親和性が高かったとも考えられます。

なぜJICTが支援主体となったのか、両機構の役割分担の観点からお示しいただきたいと思います。

答弁者 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長。

お答えいたします。

JICTにおきましては、世界的に拡大するICTサービスの需要を取り込むことなどを目的にいたしまして、委員ご指摘のとおり、2022年2月にJICTの支援基準を改正いたしまして、ハードインフラの整備などを伴わないICTサービス事業を新たに支援対象に追加いたしました。

インフラのみならず、多言語翻訳サービスなどのICTサービスに関しましても、海外需要に積極的に取り組み、我が国の事業者の成長につなげていくことが重要であると考えているところでございます。

また、委員ご指摘の多言語翻訳サービスは、総務省所管の情報通信研究機構(NICT)が長年開発してきた我が国の技術につきまして、ライセンス供用を受けた企業の海外展開の事例でございまして、JICTにおいては、このNICTの技術アドバイザーの技術的知見の収集などを通じまして、ICT分野に係る専門性を高めてございます。

このようにJICTのICT分野に係る専門性の観点から、また日本初の技術を由来としましたこの多言語翻訳サービスの海外展開支援は、JICTとの親和性が高いものと考えているところでございます。

質疑者 武藤かず子

武藤かず子君。

ご答弁ありがとうございます。

既に他の委員からの質問にもありましたとおり、私が懸念しておりますのは、審査する側のケーパビリティの問題でございます。

海底ケーブルやデータセンターといった大規模インフラ案件のリスク審査と、スタートアップへの出資を判断するのでは、専門知識は全く異なります。

そもそもJICTにおいては、案件を審査する人材の確保自体も難しいと聞いております。

支援対象を拡張していけば、適切なリスク審査が行われないまま案件が積み上がっていくことを懸念しております。

設置期限の延長にあたり、設立目的と支援対象の整合性を改めて精査した上で、審査基準と体制の両方を見直すことを強く求めたいと思います。

続きまして、累積損失解消見込みの妥当性についてお伺いをいたします。

2029年度、累積損失解消見通しの根拠となる試算評価をJICT自ら実施しており、独立した第三者による査定が一切行われておりません。

政府出資率90%以上を占める機関が自らの評価のみで、この設置期間10年の延長を正当化することは説明責任を果たしておらず、ガバナンスの観点でも問題であると考えております。

ワーストケース、すなわち為替の大幅変動や地政学的リスクが顕在化した場合における累損解消の見通しを公開すべきであり、独立した専門家による試算査定の実施を求めます。

さらに根本的な問題として、一般的なファンド運営においては、投資の専門知識を持つ立場から、投資方針、リターン目標、情報開示基準を能動的に監視する出資者ガバナンスの機能が置かれますが、JICTにはその仕組みが存在しません。

また、JICTに対する政府の関与は、認可、予算承認、実績評価といった行政監督の形をとっており、その機能を政府が十分に果たせるとは言い難い状況です。

設置期限の延長に当たり、投資の専門知識を持つ独立した有識者による出資者ガバナンスの仕組みを整備することを提案したいと思いますが、政府のお考えをお示しいただきたいと思います。

答弁者 福田国際戦略局長

福田国際戦略局長。

お答えいたします。

JICTにおきましては、現在独立した第三者の専門家による試算査定は実施されておりませんが、JICT自ら出資資産の公正価値評価を実施し、その結果を公表しております。

またJICTは、株式会社として会社法に基づき、決算書について会計監査法人による監査を受けておりまして、2023年度以降、2年連続の単年度黒字の計上などの実績は、第三者による監査を受けているものでございます。

加えてJICTでは、民間株主の意見を取り入れながら経営が行われ、また社外取締役を中心とする委員構成となっている委員会において、意思決定が行われておりまして、外部の意見の積極的な反映が図られていると承知してございます。

総務省といたしましては、他の官民ファンドの取組状況も参考にいたしまして、このJICTの経営に係る健全性の向上に向けて、外部の御意見などを積極的に取り入れて、経営が一層推進されるように適切に監督を行ってまいります。

質疑者 武藤かず子

武藤かず子君。

ご答弁ありがとうございます。

積極的に外部の意見を取り入れられるということを心強く感じております。

続きまして、JICTの存在意義と回収目標についてお伺いをいたします。

JICTの存在意義は大きく2点あると考えております。

1点目が政策性、2点目が収益性でのリターンであります。

この両者の評価の枠組みが事前に明示されていなければ、将来にわたって客観的な検証を行うことが難しくなると懸念をしております。

設置期限の延長にあたっては、政策性と収益性、この2つのタイプのリターンに対して、政策性においては指標、手法、タイミングを、収益性に関しては、最終的な利益管理目標をお示しください。

国民に対する説明責任を果たす上で重要と考えますので、林芳正大臣の見解をお聞きしたいと思います。

答弁者 林芳正

林芳正大臣。

今、委員からお話がありましたように、このJICTによる投資、これは政策性と収益性、両方を満たすということが求められるわけでございます。

この政策性の観点ですが、このJICTによる投資によりまして、日本企業の海外展開を支援し、我が国経済の持続的な成長に寄与する。

これが目的ということでございます。

収益性の観点では、投資リスク管理を徹底し、着実に収益を確保するということで、最終的には産業投資の資本コスト、これを上回る収益の達成を目指すということでございます。

具体的に申し上げますと、この政策性に係るKPIでございますが、この日本企業が海外に行って行う……。

委員長 古川康

委員長。

収益性について、今、委員からはですね、国への収益管理目標というお言葉もありましたが、これは設定はしておりませんけれども、現在のKPIである累積損益の目標額、これは2035年度末で116億円と設定しております。

従って仮に当該目標額が現在のJICTへの出資比率に応じて株主に還元された場合には、110億円超の利益、これが国庫に納付されることになる。

こういうことになるわけでございます。

現状のJICTの政策性に係る評価の枠組みにつきましては、KPIの検証を通じて適切な評価が行われていると考えておりますが、JICTを取り巻く状況変化、これにも留意しながら、適切に見直しを検討してまいりたいと考えております。

質疑者 武藤かず子

武藤かず子君。

ご答弁いただきありがとうございます。

その政策性の代表的な指標として、誘引効果という話がございました。

この数値についても改めて確認したく、次の質問に移らせていただきます。

政府は、JICTの政策的意義として、誘引効果ということを繰り返し強調しておられます。

最新の報告でも、融資合計で6.2倍、出資のみで5.7倍が実績であると説明がありました。

これに対して計算方法を総務省へ照会したところ、分子となる民間投資額7,167億円はJICTと協調して行われた民間投資額の合計であると認めております。

つまりこの数値はJICTがいなければ実現しなかった投資ではなく、JICTと一緒に投資した民間の金額の総計であるというところ、高見委員の質疑でも御答弁がございました。

また、案件ごとに追加性、すなわちJICTの参画が民間投資の実現にどの程度貢献したのかというところを文書化、検証する仕組みが現在存在しないというところも、総務省への照会で確認をさせていただいております。

公的資金を民間投資に活用する開発金融の世界では、世界銀行グループの国際金融公社や、オランダ、ドイツの開発金融機関において、こうした追加性の評価、文書化が取り組まれております。

日本の官民ファンド全体としても、追加性の評価をする仕組みは、現在整備されていない状況でございますが、この設置期限の延長を機に、どのような案件をもって、JICTの参画によって初めて実現した投資とみなすのか、その判断基準をあらかじめ明示することが必要と考えております。

ぜひこの判断基準を明示すること、政府のお考えをお示しいただきたいと思います。

答弁者 福生田国際戦略局長

福生田国際戦略局長、はい、お答えいたします。

JICTは誘発された民間投入資額、いわゆる呼び水効果の額といたしまして、委員御指摘のとおり、JICTと協調して行われた民間企業等の投資額を算定してございます。

JICTがいなければ、民間企業などによる投資が実現しなかったか否かにつきましては、明確にお答えすることは難しいのでございますが、JICTによる投資、またはその見込みがあることは、民間企業などによる投資判断の材料として、民間投資の誘発に寄与していると考えてございます。

いずれにいたしましても、JICTにおいては、御指摘いただいたような他の事例も踏まえつつ、JICTの参画が民間投資の実現にどの程度貢献したのかにつきまして、客観的な視点から適切に評価を行い、しっかり説明責任を果たしていくことが重要であると考えてございます。

総務省としても、JICTによる対応の状況を適切に監督してまいります。

質疑者 武藤かず子

武藤かず子君。

はい。

ご答弁ありがとうございます。

国民の税金を原資とする以上、JICTがいなければ実現しなかった投資がどう検証できるかという数値、これを根拠として用いることは、国民への説明責任を果たしているとはとても言い難いというふうに考えております。

先ほどから申し上げている出資者ガバナンスの整備と合わせて、追加投資の判断の基準の明示、これも強く求めたいと思っております。

続きまして、早期撤退の判断規律についてお伺いをいたします。

設置期限を延長したとしても、運営コストや時間の経過を考慮した場合にIRRの改善が見込めない案件については、延長を待つよりも早期に資産を売却する方が、国民の損失を抑えられる観点から合理的な場合があると考えております。

そうした判断を適切に行うためには、あらかじめ撤退基準を明示しておくことが重要と考えております。

そこでお伺いをいたしますが、収益性が著しく低下した案件については、早期売却を判断するための基準は現在定めておられますでしょうか。

もし定めておられない場合は、どのようなプロセスで判断されているのかをお示しください。

答弁者 福生田国際戦略局長

福生田国際戦略局長、お答えいたします。

JICTにおきましては、支援決定時に基本的な投資回収方針の策定や、関係者との間で撤退に係る取決めを行ってございます。

その上で、随時での全社会議や、原則四半期ごとのモニタリング会議などを通じて、投資案件のモニタリングを実施し、その中で事業継続や撤退などの判断を行ってございます。

また、毎年度の決算書の作成過程においては、各投資案件について、投資回収の見込みを精査いたしまして、一定程度回収が見込めないと判断される投資案件については、損失計上を行ってございます。

損失計上については、毎年度公表している決算書に反映されておりまして、その処理の妥当性につきましては、外部の会計監査法人による監査を受けているものでございます。

JICTにおいて、引き続き投資案件のモニタリングが適切に実施され、損失計上を行う場合には、適切な会計処理及び公表とともに、一層の説明責任が果たされるよう、適切にJICTを監督してまいります。

質疑者 武藤かず子

武藤かず子君。

はい。

ご答弁ありがとうございます。

ぜひ、その基準があっても検証できなければ、国民への説明責任を果たしているとはとても言い難い状況でございますので、情報開示の充実と合わせて、独立した有識者による出資者ガバナンスの仕組みの整備を重ねて求めていきたいと思っております。

続きまして、運営コストの管理体制についてお伺いをいたします。

総務省への照会により、スリム化計画は策定されていない、延長後の人員規模の具体的見通しもない。

また現在、2025年度末に向け、31名から36名への増員が進んでいることを確認いたしました。

同じ官民ファンドであるINCJが、投資回収フェーズで段階的に人員を縮小し、組織を精算した経緯も踏まえ、JICTの組織規模の方向性について、どのようにお考えになっているかお示しいただきたいと思います。

こうした問題は、スリム化計画の有無にとどまらず、根本的なガバナンスの問題であると考えております。

一般的なファンド運営においては、出資者がコスト管理、組織規模の適正化を能動的に監視する機能が出資者ガバナンスを担いますが、JICTにはその仕組みがありません。

資産回収の進捗に連動したスリム化の目標設定と達成状況の検証を、独立した有識者による出資者ガバナンスの仕組みの中で担保することについて、政府のお考えをお示しいただきたいと思います。

答弁者 総務大臣、国際戦略局長

総務大臣、国際戦略局長、お答えいたします。

JICTの職員数でございますが、設立当初の2015年度末時点では16名だったところ、その後の投資案件の増加などによる業務量の増加などを背景に、2025年度末時点では33名となってございます。

また、設置期限が延長された場合には、この設置期限が制約となっていました案件への投資も見込まれますので、またさらなる海外需要の獲得が期待されることなどを踏まえますと、引き続き経営改善への取組を着実に行っていくことを前提にいたしまして、JICTの体制を強化していく必要があると考えてございます。

他方、将来的なことでございますが、設置期限に向けて投資回収が進み、業務量が減少していく、いわゆる投資回収のフェーズに来る場合などにおいては、その体制を縮小することが考えられます。

繰り返しになりますが、JICTでは民間株主の意見を取り入れながら経営が行われ、また社外取締役を中心とする委員構成となっている委員会において、投資の意思決定が行われておりまして、外部の意見の積極的な反映が図られていると承知してございます。

総務省としては、他の官民ファンドの取組状況も参考にしつつ、JICTの経営に係る健全性の向上に向けて、外部の意見なども積極的に取り入れた経営が一層推進されるよう、適切に監督を行ってまいります。

質疑者 武藤かず子

武藤かず子君。

ご答弁ありがとうございます。

本日の質疑を通して繰り返し申し上げてまいりましたが、JICTの原資は国民の税金を含む公的資金でございます。

だからこそ、行政監督という形式的な関与にとどまらず、投資の専門知識を持つ独立した有識者が国民に代わって、出資者の立場からJICTの運営全体を能動的に評価・監視をする体制、すなわち、出資者ガバナンスの仕組みを整備することが不可欠であるというふうに考えております。

この設置期限の延長を認めるにあたり、この点を強く求めて、私の質問を終わりにしたいと思います。

ありがとうございました。

委員長 古川康

これにて、本案に対する質疑は終局いたしました。

これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

株式会社海外通信放送郵便事業支援機構法の一部を改正する法律案について採決いたします。

本案に賛成の諸君の起立を求めます。

起立総員。

よって、本案は、原案のとおり、可決すべきものと決しました。

この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、鈴木英恵君ほか4名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、チームみらいの5派共同提案による付帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

平林晃 (中道改革連合・無所属) 5発言 ▶ 動画
委員長 古川康

古川康委員長:提出者から趣旨の説明を求めます。

質疑者 平林晃

平林晃君。

平林晃君:ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。

案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。

「株式会社海外通信放送郵便事業支援機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案。

政府は、本法の施行にあたり、次の各項の実施に努めるべきである。

一、機構が海外における通信・放送・郵便事業の支援を行うにあたっては、民業を補完する存在として、民間資金の呼び水の役割を果たすことに徹するとともに、我が国の地方企業、スタートアップ企業、中小企業等の海外展開を推進するよう、機構における適切な運営を確保すること。

二、機構が我が国経済の持続的な成長に寄与するとの目的に沿って運営されるよう、官民ファンドの運営に係るガイドラインに従って、機構の活動の検証を適時的確に行うこと。

三、官民ファンドの原資が国の資金であることに鑑み、機構が改善計画を達成し、早期に累積損失を解消できるよう、機構に対し適切な監督を行うこと。

四、投資リスク管理のさらなる推進、地方企業の海外展開への貢献等の観点を踏まえ、機構において、海外事業、ICT事業、金融等の専門知識を有する民間の人材のさらなる確保・育成が図られるよう、必要な取組の実施を求めること。

五、機構に対し、関係者との秘密保持契約に留意しつつも、出資決定時から出資金等の回収による損益の確定までの間における一層の情報開示を求めることを通して、国民に対する説明責任を果たすように努めること。

六、機構が海外における通信放送郵便事業の支援を行うにあたっては、国際競争力の強化や経済安全保障の確保等のため、総務省との連携をより緊密に図るとともに、機構と我が国の政府系金融機関、海外の政府関係機関、民間株主、銀行等との間において、適切な役割分担がなされ、より密接な連携と協力が図られるよう、必要な取組の実施を促すこと。

七、機構の運営に対する国会・国民の監視機能を実効的なものとする観点から、投資の専門知識を有する政府から独立した有識者が、機構の中期経営計画及び改善計画、収益性の確保の状況、情報開示の状況を能動的に評価し、その上で累積損失解消の進捗状況や運営の効率化の達成状況、機構の損廃に関する評価等を定期的に国会に報告する仕組みを設けるための法改正について検討を行うこと。

機構による対象事業支援が法の目的及び支援基準に沿って行われるよう、機構を適切に指導・監督するとともに、支援決定に係る認可に当たっては、認定過程の透明性確保に努めること。

」以上であります。

何卒委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

委員長 古川康

古川康委員長:以上で趣旨の説明は終わりました。

採決いたします。

本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

起立総員。

よって本動議のとおり、附帯決議を付することに決定しました。

この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。

林総務大臣。

答弁者 林芳正

林芳正総務大臣:ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

委員長 古川康

古川康委員長:ありがとうございます。

ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

御異議なしと認めます。

よってそのように決定しました。

次回は来る16日木曜日、午前8時50分理事会、午前9時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。