法務委員会

衆議院 2026-04-15 質疑

概要

本セッションでは、法務、司法、人権、および出入国管理に関する多岐にわたる質疑が行われました。主な論点として、離婚後の養育ルール改正の周知、胎児の法的地位と刑事責任、身柄拘束における「人質司法」への懸念、能登半島地震被災地での窃盗対策、外国人労働者の在留資格と偽装就労、および再審制度の見直しについて議論されました。また、旧統一教会の清算プロセスやヘイトスピーチ解消法の運用状況についても政府の見解が問われました。

発言タイムライン

自民参政中道改革維新国民政府委員長・議長
0分30分1:001:302:002:303:003:30保岡宏和田政西村智有田芳小竹凱

発言者(8名)

質疑応答(65件)

父母の離婚後の養育ルール改正の周知状況
質問
保岡宏武 (自由民主党・無所属の会)

- 2024年5月の法改正から約2年間、法務省がどのようにルール改正の周知を行ってきたか

答弁
法務省民事局長
  • パンフレット、Q&A資料、動画等を活用して国民や関係機関に周知
  • 自治体、裁判所、弁護士会等で合計39回の説明会を実施し、施行準備状況等の情報提供を行った
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2024年5月の法改正から約2年間、法務省はこのルール改正のアナウンス・周知をどのようにしてこられたかお示しください。

法務省は令和6年民法等改正法の円滑な施行に向けて、関係府省庁等とも連携し、改正法のパンフレットやQ&A形式の解説資料、動画等を活用して、離婚を検討している方をはじめ、国民や関係機関に対する周知を行ってまいりました。

また、改正法の趣旨、内容を踏まえた適切な運用が行われることが重要であるとの観点から、法務省は自治体や裁判所、各地の弁護士会等での研修に積極的に協力をし、改正法の成立から、本年3月末までの約2年間で合計39回説明会を実施してまいりました。

説明会では改正法の趣旨内容や改正法に関する国会での議論の状況等を説明した上で、法務省における施行準備の状況等についても情報提供を行ってきました。

法務省は、研修等に協力する立場でございまして、その説明会への参加人数を詳細には把握しておりませんけれども、対面での参加のほか、オンラインでの参加や、説明会の録画を視聴していただく方法等により、相当数の方に説明を聞いていただけたものと伺っております。

家事調停員への研修実施状況
質問
保岡宏武 (自由民主党・無所属の会)

- 調停による離婚が増加する可能性がある中、中心的役割を担う家事調停員に対してどの程度の研修を行ったか

答弁
最高裁判所家庭局長
  • 各家庭裁判所において、昨年度から令和7年度にかけて年間を通じて研修を実施
  • 裁判所職員による講義や事例研究などの実践的な研修を実施している
  • 最高裁として引き続き情報提供や共有の場作りなどの支援を行う
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現在、離婚件数の87%が協議離婚、そして13%が調停や裁判による離婚というふうに聞いております。

今後、単独親権化を決定するなど、調停による離婚が増加する可能性があるというふうに考えますが、その中心的役割を担う家事調停員などに向けては、どのぐらいの研修を行ったのかお示しください。

調停員に対しましては、各家庭裁判所におきまして、改正法の施行を見据えて、昨年度、令和7年度の年間を通じて研修を実施してきたものと承知しております。

研修をどのように行ったかについて、最高裁として、網羅的に把握しているものではございませんが、一般的には裁判官等の裁判所職員が講師になるなどして、改正法の基本的な知識を付与するための講義を行うほか、その内容も踏まえた形で事例研究を行うなど、実践的な内容の研修も行っているものと承知しております。

また、裁判官等が出席する全国的な協議会等におきましては、調停員に対する研修の重要性や、各家庭裁判所の具体的な取組の内容等の共有が図られておりまして、ただ今申し上げたような各研修は、このように全国的に共有された内容等を踏まえて、各家庭裁判所において実施されているものと考えているところでございます。

最高裁といたしましては、引き続き、調停員に対する充実した研修が円滑に行われるよう、必要な情報提供をしたり、情報共有の場を作ったりするなど、各家庭裁判所に対して様々な支援をしてまいりたいと考えております。

学校・保育現場におけるルール改正の周知と運用
質問
保岡宏武 (自由民主党・無所属の会)
  • 学校現場で対応がまちまちとなり混乱が生じているとの指摘がある
  • 文科省・こども家庭庁の周知が具体的運用や是正の効力を持つ内容になっているか
  • 現場の混乱を避けるための準備状況および相談窓口設置への見解
答弁
文部科学省堀野大臣官房学習基盤審議官
  • 文科省:Q&A資料で学校行事への参加判断について具体的に明記し、都道府県教育委員会等へ周知。今後、市町村教育庁へ重点的に説明を行う。相談は学校や教育委員会で対応。
  • こども家庭庁:保育所保育指針に基づき、保護者の状況に配慮し適切に援助している。
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改正施行された4月1日以降、入学式や入園式も多く行われております。

今回のルール改正に際して、市町村レベルや学校レベルの対応がまちまちとなると、「あっちではOKだったことが、ここでは駄目だった」とか、現場から様々な声が上がってきているということも聞いております。

今回のルール改正の周知と対応について、文科省、こども家庭庁は事務連絡を出したというふうに聞いておりますが、これが考え方の紹介や周知にとどまり、学校現場の具体的な運用統一や是正の効力を要する内容になっていないのではないかという指摘もあります。

学校などへの今回のルール改正の周知と対応をどのように準備してきたか、また今後現場の混乱を避けるためにも、学校現場や親からの相談窓口などを設けることも必要というふうに考えますが、見解をお示しください。

共同親権に係る学校での対応の内容につきましては、文部科学省を含む関係府省庁連絡会議において作成されたQ&A形式の解説資料に含まれております。

特に学校行事の参加につきましては、この資料の中でも、子と同居しているか否かに関わらず、親権者が単独で子の参加に関する判断を行うことができるなど、具体的に明記をしております。

文部科学省としては、こうしたことについて、昨年10月1日に事務連絡を発出したことに加えまして、その直後及び本年2月の会議で都道府県教育委員会等に対して周知を図ってまいりました。

こういった学校現場に近い市町村の教育庁にしっかりとポイントを絞って説明をして、周知に取り組んでまいりたいと思います。

また、親権者からの相談窓口につきましては、共同親権者間で協議が整わないなどの個別具体的な内容に関しては、弁護士にご相談いただければと思いますけれども、例えば合意が整った協議結果を踏まえた学校行事の参加規模、それに係る相談につきまして、当該学校や設置者である教育委員会にご相談をいただければと考えているところでございます。

保育所等におきましては、日頃より保育所保育指針等に基づき、一人一人の保護者の状況やその意向を理解・受容し、それぞれの親子関係や家庭生活等に配慮しながら、さまざまな機会をとらえ、適切に保護者を援助することとしております。

保育所等が保護者に参加を呼びかけました行事等について、親権者として事前に申し出ている者から参加希望があった際には、保護者や家庭の状況なども考慮しつつ、職員間で連携を図りながら適切に援助をしているものと承知しております。

自治体による周知の格差と今後の留意点
質問
保岡宏武 (自由民主党・無所属の会)
  • 自治体によってホームページ等の周知内容に濃淡(格差)がある
  • ルール改正の周知・対応は十分であったか、また今後どのような点に留意するか
答弁
平口洋 (法務大臣)
  • 説明会、動画、パンフレット等で周知広報に取り組んできた
  • 令和8年1月にウェブサイトへ情報を掲載するよう各自治体に通知済み
  • 施行後の状況を踏まえ、引き続き関係府省庁と連携して周知広報に努める
全文
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続きまして法改正のアナウンスはこのように非常に大事でございます。

各自治体のホームページなどもそうでございますが、例えば杉並区のように本当に丁寧に作られているものもあれば、残念ながら我が鹿児島市などは一行程度で出しましたというようなレベルで自治体によって濃淡がございます。

また、今後、連れ去りなどに対する警察の対応なども課題になってくると思いますが、ルール改正の周知や対応のアナウンス、これで十分であったのか、また今後どのような点に留意していかれるのか、平口大臣の見解をお示しください。

法務省は改正法の趣旨内容について説明会を実施したほか、解説動画を公開したり、パンフレットやポスター、Q&A形式の解説資料を作成するなどして、関係府省庁等とも連携して、離婚を検討している方や、関係官に対し、これらを活用した周知広報に取り組んでまいったところでございます。

また、各自治体に対しては、令和8年1月にウェブサイトに改正法の情報を掲載することを依頼する旨の通知を発出しております。

改正法の趣旨内容を含めた適切な運用が行われることは大変重要なことであり、改正法の施行後の状況等も踏まえながら、引き続き関係府省庁等とも連携して周知広報に努めてまいりたいと考えております。

離婚時のDVスクリーニング導入の検討
質問
保岡宏武 (自由民主党・無所属の会)

- 米国で導入されている、交渉の安全性や自由意思を確保するためのDVスクリーニングの視点が重要であると考えるが、今後の対応はどう考えるか

答弁
三谷副大臣
  • 協議離婚においてDVにより真意によらない合意がされることを防ぐことは非常に重要であると認識
  • 現状はパンフレット等で無理に話し合う必要はないことを注意喚起している
  • 附則に基づき、施行後5年を目途に状況を把握し、必要な対応を検討したい
全文
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米国の離婚、特に親権面会交流を含む案件では、ドメスティックバイオレンスのスクリーニングというのは、かなり制度化をされていると聞いております。

これは単なる有無の確認だけではなくて、交渉の安全性、自由意思の確保が可能かを判断するプロセスとして行われていると聞いております。

今回義務化はできませんでしたけれども、本改正の大事なポイントである、多くの父母に子どものための共同養育計画書の作成を目指すためにも、今回このスクリーニングは導入はされておりませんが、この米国型の離婚時DVスクリーニングの視点というのは非常に大事なポイントだというふうに私は考えております。

今後このルール改正をより良いものにする。

他方で、協議離婚の際ではございますけれども、これはまさに保岡委員の問題意識で、本当にそのとおりでございまして、DVにより親権者について、真意によらない合意がされることを防ぐことというのは、DV被害者の安全や子どもの利益を確保する観点から非常に重要であると考えております。

DVがある場合には弁護士等の支援を受けたり、家庭裁判所の調停・審判等を利用したりしていただくことが重要であると考えておりまして、法務省作成のパンフレットには、安全安心な話し合いが難しいときは無理に話し合う必要はないことを繰り返し記載して注意喚起しているところでございます。

改正法につきましては、附則19条2項において、政府は改正法の施行後5年を目途として施行の状況等を勘案し、父母の離婚後の子の養育に係る制度及び支援施策のあり方等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされているところでございます。

御案内のとおり、先ほど御指摘いただきましたとおり、我が国では協議離婚というものが圧倒的に多いという、そういった各制度において、それぞれの制度に違いがあるということがありますけれども、先ほど御指摘いただきました問題意識も踏まえまして、施行の状況を適切に把握した上で、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

改正前離婚者への適用と国民へのメッセージ
質問
保岡宏武 (自由民主党・無所属の会)

- 改正前に離婚した人々が、今回の改正事項が適切に反映されるか不安を抱いている。国民、父母、子どもに向けたメッセージを求めたい

答弁
平口洋 (法務大臣)
  • 改正前離婚の場合も含め、適切な運用が行われることが重要である
  • 引き続き様々な手段で周知広報に取り組み、施行状況を踏まえて制度の必要な見直しを検討したい
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今回、法改正の周知やスクリーニングなどの課題はあると思いますが、何より改正前に既に離婚をしている方々も多く、今回の改正事項はしっかり適用反映されるのかといった不安を抱いている国民も多いことと思います。

国民の皆さん、それでは、父母・子どもに向かって、分かりやすい今回の法改正に向けたメッセージをお願いいたします。

改正法施行前に離婚した場合も含め、改正法の趣旨や内容を踏まえた適切な運用が行われるということは重要であると思います。

このような観点から、法務省としましては、引き続き関係府省庁等とも連携し、様々な手段を活用して、周知広報に取り組んでいきたいと考えております。

また、改正法の施行の状況等を踏まえまして、制度の必要な見直しを検討することも重要であるというふうに認識しております。

改正法の附則19条第2項の趣旨も踏まえ、まずは施行の状況を適切に把握した上で、必要な対応を検討してまいりたいというふうに思います。

刑法における胎児の定義と被害者認定
質問
和田政宗 (参政党)

- 刑法上、胎児が人と認められず、交通事故の被害者として扱われない理由を問う

答弁
佐藤刑事局長
  • 刑法上の「人」は出生をもって始まると解されている
  • 判例上、胎児の一部が母体から露出した時点が出生とされるため、未露出の胎児は含まれない
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法務省に質問をいたします。

刑法上、胎児が人と認められず、交通事故で被害を受けても被害者として扱われないのはなぜかお聞きをします。

一般論として申し上げれば、刑法犯の客体である人とは、後遺者以外の自然人を指し、人の始期は出生であるものと解されているものと承知しているところでございます。

また、刑法上の出生は、これ、大審院の判例上、胎児の一部が母体から露出した時点とされていることから、母体から未だ露出していない胎児については、刑法犯の客体である人には含まれないと解されているものと承知しているところでございます。

胎児への加害による出生後の死傷への法適用
質問
和田政宗 (参政党)
  • 交通事故で胎児が負傷し、出生後に死亡または負傷した場合に自動車運転死傷処罰法を適用できるか
  • 困難な場合はその理由を問う
答弁
佐藤刑事局長
  • 個別事案の証拠に基づく判断であり、当局として回答は困難
  • ただし水俣病の最高裁決定では、胎児への病変発生を母体への加害とし、出生後の死亡について業務上過失致死を認めた事例がある
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交通事故による母体への加害行為が原因で、胎児が出生後に亡くなったり、負傷して誕生した場合、胎児を対象にした自動車運転死傷処罰法の適用は可能かどうか。

困難な場合は、その理由は何かお聞きをします。

佐藤刑事局長、お答えいたします。

犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき、個別に判断されるべき事柄でありますので、法務省当局としてお答えすることが困難であることはご理解いただきたいと思いますが、その上で、いわゆる水俣病に関する最高裁の決定でありますが、胎児の間にメチル水銀の影響で脳の形成に異常をきたし、出生後、水俣病の影響で死亡するに至った被害者に対する業務上過失致死の成否について、争点となったものでありまして、この最高裁決定は、胎児に病変を発生させることは人である母体の一部に対するものとして人に病変を発生させることにほかならず、胎児が出生し人となった後、その病変に起因して死亡するに至った場合は、結局人に病変を発生させて人に死の結果をもたらしたことに帰するとして、業務上過失致死の成立を認めた事例はあるということでありますが、先ほどの当初のお答え通り、やはり犯罪成否は収集された証拠によるということになるかと思います。

民法における胎児の損害賠償請求権
質問
和田政宗 (参政党)

- 民法上、胎児は損害賠償請求においてどのように扱われるか

答弁
松井民事局長
  • 原則として権利能力は出生から始まる
  • ただし民法721条により、損害賠償請求権については既に生まれたものとみなされ、出生後に請求が可能
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民法上のことを聞きます。

民法上、胎児は損害賠償の請求においてどのように扱われるでしょうか。

民法第3条第1項は、私権の享有は出生に始まると規定しており、原則として胎児は権利能力が認められません。

しかし、出生すれば権利能力者となる胎児について、出生前に一切の権利取得を否定するのは不公平であるという趣旨から、民法第721条は、胎児は損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなすと規定をしております。

従いまして、胎児は、胎児であるときに受けた不法行為について、生きて生まれた後は、損害賠償請求をすることができると解されております。

刑法と民法における胎児の扱いの相違
質問
和田政宗 (参政党)

- 胎児に対する憲法(刑法)上の扱いと民法上の扱いに違いが生じている理由は何か

答弁
佐藤刑事局長
  • 刑法は「どの段階から保護を及ぼすのが相当か」という視点である
  • 民法は「どのような場合に私法上の権利主体として扱うのが適切か」という視点であり、目的が異なるため
全文
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これは民法では胎児の権利請求というものを認めているというようなことが、今、民法721条だというふうに認識をしておりますけれども、お聞きします。

胎児に対して憲法上と民法上の違いが生じているというふうに考えるんですが、これはなぜ生じているんでしょうか。

委員ご指摘のような違いが生じているということでありますが、民法上は先ほど答弁がありましたとおり、原則として胎児は権利能力が認められないが、既に生まれていたこと、胎児の均衡の観点から、胎児による出生後の損害賠償請求等が可能とされているところでございます。

このような違いが生じているのは、刑法においては、どの段階から刑法上の保護を及ぼすのが相当かという問題であるのに対しまして、民法においてはどのような場合に私法上の権利を有する主体として扱うのが適切かという問題であるという視点の違いによるものかと理解しております。

胎児の障害が量刑に与える影響
質問
和田政宗 (参政党)

- 胎児が人として扱われないため、出生後の重い障害という結果が量刑に反映されない問題についてどう考えるか

答弁
佐藤刑事局長
  • 裁判所の判断に関わるため回答は差し控える
  • 一般論として、検察は被害結果の重大性を総合的に考慮して求刑しており、胎児期の行為で出生後に重い障害を負った事実も考慮されると承知している
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事実関係を引き続き整理をしていきますけれども、胎児の出生後に重い障害が残っても、胎児が人として扱われないために、刑事事件上、被害者は母親1人として扱われ、結果の重大さが量刑に反映されない。

これについての問題意識はどのように考えていますか。

お答えいたします。

お尋ねは裁判所の判断に関わる事柄でありますので、本当局としてお答えをすることは差し控えますけれども、その上で一般論として申し上げれば、検察当局においては個別の事案ごとに法と証拠に基づいて犯行に至る経緯や犯行態様の悪質性、被害結果の重大性等、量刑に影響を及ぼす各種の事情を総合的に考慮して求刑を決しているところでありまして、ご指摘のような母体に対する行為によって胎児が出生した後に重い障害を負うこととなったという事実に関しては、被害結果の重大性等において考慮されるべきものとして、求刑を決しているものと承知しているところでございます。

妊婦・胎児の交通事故統計の把握状況
質問
和田政宗 (参政党)

- 年間の妊婦被害交通事故件数、および妊婦・胎児の死傷者数を問う

答弁
安倍長官官房審議官

- 交通事故統計の項目にないため、把握していない

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これについてもこの後の質問、法務大臣にもお聞きをして、引き続きこの委員会でも聞いていきたいというふうに思いますが、妊婦が被害者となっている交通事故、これは年間何件か。

また妊婦の死傷者数、胎児の死傷者数はどうなっているのか、警察庁にお聞きをします。

お答えいたします。

お尋ねの数値につきましては、いずれも交通事故統計の項目にないことから把握していないところでございます。

妊婦・胎児の交通事故統計を収集していない理由
質問
和田政宗 (参政党)

- なぜ妊婦や胎児の被害状況を調査・集計していないのか

答弁
安倍長官官房審議官

- 捜査現場で被害者が妊婦であることや胎児の有無を網羅的に把握することが困難であり、統計としての正確性を担保できないため

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これ、なぜ調べていないのかというところをお聞かせください。

お答えいたします。

交通事故捜査の現場におきまして、外見などから被害者が妊婦であることや、胎児の有無を網羅的に把握することは困難でありますことから、正確性が求められる交通事故統計として、集計していないところでございます。

胎児期の負傷による障害児・家族への支援
質問
和田政宗 (参政党)

- 胎児期の負傷により出生後に障害を負った子どもと家族への医療福祉支援の現状を問う

答弁
社会援護局障害保険福祉部長
  • 国民皆保険による医療サービスの提供および障害状態を軽減するための医療費支援がある
  • 医療的ケア児支援センターの設置やコーディネーターの配置、児童発達支援の報酬改定による家族支援を推進している
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そして厚生労働省にお聞きをします。

子ども家庭庁にも併せてお聞きをいたします。

胎児期の負傷により、出生後に障害を負った子どもと家族への医療福祉の支援はどうなっているのか、お答えをお願いします。

この国は国民皆保険をとっておりますので、生まれた子どもというのは当然国民皆保険の対象になって、医療保険制度の提供による医療サービスが提供されるということになりますが、それに加えまして、胎児期の受傷であるかどうかとかといったこういった原因にかかわらず、障害のあるお子さんに対してはその障害の状態を軽減するための医療、例えば関節拘縮であれば人工関節の置き換え術などといったものが対象になるんですが、こういった障害状態を軽減するための医療について、その医療費の自己負担……。

胎児期の受傷により障害を起きたお子様も含めまして、医療的ケア児とそのご家族に対しては、地域の保健・医療・福祉・教育等の関係機関が連携して切れ目のない支援を行っていくことが重要であります。

子ども家庭庁では、医療的ケア児とそのご家族に対する相談支援などを行う医療的ケア児支援センターを全都道府県に設置し、関係機関との連絡調整や人材育成に取り組むなど、地域の医療的ケア児等支援体制の中核となる医療的ケア児等コーディネーターの配置に財政支援を行うなど、その整備を進めてまいりました。

また、令和6年度の報酬改定においては、家族支援を推進する観点から、児童発達支援などの障害児支援サービスを利用する場合における、預かりニーズへの対応や家族支援に関する加算の創設や見直しを行ったところでございます。

引き続き、医療的ケア児も含め、障害のあるお子さんとそのご家族が安心して地域生活を送ることができるよう、しっかり取り組んでまいります。

刑法および自動車運転死傷処罰法の見直し
質問
和田政宗 (参政党)

- 医学の進歩や自賠責保険の扱いを踏まえ、胎児期の負傷を人の被害として認め、加害者に刑事責任を問えるよう法改正すべきではないか

答弁
平口洋 (法務大臣)
  • 胎児を人として位置づけるかは生命観・倫理観に関わり、不可罰行為の処罰化などの課題があるため、慎重かつ丁寧な検討が必要
  • 幅広い観点からの議論の動向を見守りたい
全文
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法務大臣にお聞きをいたします。

刑法上、胎児への加害、これは母体の一部への障害として現在扱われています。

ただ、この医学の進歩により、私、医学界、さまざまな産婦人科、外科先生方にお聞きをいたしましたけれども、今、胎児を子宮外に一部取り出して治療をしたりですとか、胎児の成長過程での人間性、もう皆さん御存じのとおり、4か月5か月になってくると、もう手の指がしっかり分かれて、そしてお腹の中でも活発に活動するというような状況、こういった成長過程での人間性というものは証明されているわけです。

しかしながら、刑法では胎児が人として扱われないというのは非常におかしいという声が多くあります。

自賠責保険も胎児の負傷を独立した障害として扱っていまして、出生後の障害を胎児期に受けた負傷として認めております。

胎児期に受けた負傷が出生後の障害につながった場合に、胎児期に受けた負傷を人の被害として認めて、加害者に適切な刑事責任を問えるよう、自動車運転死傷行為処罰法における処罰規定、そして刑法の見直しを図るべきと考えますが、法務大臣いかがでしょうか。

刑法や自動車運転死傷処罰法においては、一般に胎児は人そのものではなく、母体の一部を構成するものと解されており、母体に対する有形力の行使によって胎児に障害結果が生じた場合には、母体に被害が生じたものと捉えられております。

その上で、胎児を刑法等において人そのものとして位置づけるかどうかというのは、人の生命観、倫理観に深く関わる事柄である上、胎児をどの段階から人として扱うべきか、あるいは、現行法の下では不可罰となっている過失により胎児を死亡させる行為等が処罰の対象となり得るのではないかといったような課題があり、慎重かつ丁寧な検討が必要であると考えております。

この問題については幅広い観点からの議論が十分に積み重ねられることが重要であり、その動向を見守っていきたいと考えております。

胎児を人として扱う段階の議論
質問
和田政宗 (参政党)

- 「どの段階から人として扱うか」という観点での議論は存在し得るか

答弁
佐藤刑事局長

- 胎児には様々な段階があると考えられるため、その論点において議論が必要になると考える

全文
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今、大臣の答弁でも、「どの段階から人として扱うのか」というお言葉がありました。

先ほど、刑事局長も同様の答弁をしておりました。

これ、通告していませんので、さらに問うという形でお答えをいただきたいと思うんですけれども、これ、どの段階から人として扱うのかという観点も、これは存在し得るということでよろしいんでしょうか。

私、すみません、医療の経営のことについて詳しいわけではありませんけれども、胎児といってもいろいろな段階があると思いますので、時間とか度合いがあると思います。

ですので、その議論はやはりこの論点において議論が必要になってくるのではないかと思います。

胎児の被害者参加制度への適用
質問
和田政宗 (参政党)

- 交通事故で被害を受けた胎児(出生後)を被害者参加制度の対象とすべきではないか

答弁
平口洋 (法務大臣)
  • 母親が死亡した事案では、出生した子は母親の直系親族として現行法でも被害者参加制度を利用し得る
  • 胎児そのものを人として位置づけることについては、慎重な検討が必要
全文
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これ、さらに大臣にお聞きをしたいと思うんですけれども、交通事故で被害を受けた胎児ですね。

生まれて、そして成長していくわけでありますが、被害者参加制度の対象とすべきというふうに私は考えますが、これはいかがでしょうか。

例えばご指摘のような、胎児の母親が交通事故により亡くなった事案については、現行刑事訴訟法においても、出生した子は過失運転致死罪の被害者である母親の直系の親族として、被害者参加制度を利用し得ると。

胎児を人そのものとして位置づけることについては、先ほど申し上げた課題がございまして、慎重かつ丁寧な検討が必要であると考えております。

留置所における被疑者の処遇と人権尊重
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 拘束中の屈辱的な扱い(大声で怒鳴られる等)が実際に行われているか
  • 警察における被疑者の処遇の実態について確認したい
答弁
土屋長官官房総括審議官
  • 番号呼称はプライバシー配慮、手錠等は逃走防止のためであり、必要な措置である
  • 刑事収容施設法に基づき人権を尊重し、適正な管理業務を推進している
全文
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西村智奈美:前回の一般質疑で、私は昨年の3月26日に衆議院の法務委員会で行われました刑事司法に関する参考人質疑、この関連で質問をいたしました。

プレサンス事件と大河原事件、この2つをご紹介し、いずれも長期にわたる拘束、そして保釈が認められないことで、言ってみれば人生そのものに大変大きな損失を受けたということがあって、そのご紹介をさせていただき、大臣からもそれについての見解をいただきました。

今日はその件に関して具体的に伺っていきたいと思っております。

やはり「人質司法」などと言われる状況は、司法に対する信頼を大変大きく揺らがせるものだと思います。

「下を向け」と大声で怒鳴られ、奴隷のような屈辱的な扱いをされました。

私たちの処罰は逮捕の瞬間から始まっていました。

その処罰は有罪判決を受けてから始まるべきだと思います。

無罪の推定はどこに行ったんでしょうか。

こういう形で島田参考人はご自身の経験を語っておられました。

被疑者の段階では、罪が確定していないにもかかわらず、一般人には決して許されない、このような処遇、取扱いですね。

こういったことを実際に行っているのかどうか、行われているのかどうか、警察に伺いたいと思います。

土屋長官官房総括審議官:お答えします。

昨年3月26日の本委員会の参考人質疑におきまして、大河原化工機株式会社元取締役の島田参考人から、委員ご指摘のようなご発言があったことは承知しておりますけれども、例えば番号での呼称につきましては、被留置者ご自身のプライバシーへの配慮のために、また手錠等の使用は逃走等の防止のために行っているところでございます。

いずれにせよ、警察におきましては刑事収容施設法に基づき、被留置者の人権を尊重して適正な留置管理業務の推進に取り組んでいるところでございます。

留置所での具体的運用(下を向く指導等)
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 参考人が述べた屈辱的な処遇が、実際に警察の留置所で行われているのか
  • 他の被疑者に対しても同様の取扱いがなされているのか
答弁
土屋長官官房総括審議官
  • プライバシー保護のため番号で呼称し、移動時に手錠・腰縄を使用している
  • 被留置者同士が顔を合わせないよう、移動時に下を向くよう指導する運用がある
全文
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西村智奈美:今の御答弁は、島田参考人が読み上げたようなこのような処遇を、実際に警察の留置所の中では行われているということでよろしいですか。

他の方々、被疑者の段階の方々に対しても同じような取扱いがされているということでしょうか。

土屋長官官房総括審議官:繰り返しになりますけれども、警察におきましては、これ一般的な運用でございますけれども、被留置者の氏名が他の被留置者に知られないようにプライバシーに配慮するために番号で呼称したり、また移動時には逃走や自傷、互いの防止などのために、手錠や腰縄を使用したりするなど、必要な措置をとっているところでございます。

また重ねて一般論として申し上げますと、被留置者のプライバシー保護等の観点から、被留置者同士が顔を合わせることのないように、移動の際には下を向くように指導するという運用はあると承知しております。

奴隷的拘束および人道に反する処遇の有無
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)

- 一般人には許されない屈辱的な処遇が実際に行われているのではないか

答弁
土屋長官官房総括審議官
  • 番号呼称や手錠等の使用は必要な措置である
  • 憲法18条の奴隷的拘束や人道に反する処遇は行っていない
全文
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西村智奈美:今のお答えは、それはプライバシーの保護といったようなことはあるとしても、「大声で怒鳴られ奴隷のような屈辱的な扱いをされました」というふうに、実際にそのような処遇を受けた参考人がおっしゃっているということです。

実際に一般人に対してはそういったことは決して許されないというふうに思う処遇が実際に行われているという中で、それは例えば今ご説明になられたようなプライバシーの保護、逃亡の恐れ、それから自傷、互いの……。

土屋長官官房総括審議官:お答え申し上げます。

警察におきましては、番号での呼称、手錠や腰縄の使用、これは必要な措置として行っているところでございます。

ご指摘の憲法第18条の奴隷的拘束ですとか、あるいは人道に反する契機ですとか、これらに当たる処遇は行ってはいないということでございます。

被留置者の人権を尊重することは当然のことでございます。

引き続き適正に留置管理業務を推進してまいります。

身柄拘束の原則と無罪推定の明文化
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 処遇に関する認識の乖離は司法制度の欠陥ではないか
  • 無罪推定の原則や身体拘束の原則を明文化する必要があるのではないか
答弁
佐藤刑事局長
  • 身柄拘束は刑事訴訟法の要件に基づき裁判所が判断している
  • 否認・黙秘のみを理由とした長期間拘束や自白の強要があってはならない
全文
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西村智奈美:島田参考人の陳述とあまりにかけ離れている答弁で、私はとても納得できないんですけれども、やはりこういった取扱いに関する、一つの行為に対する評価の違い、認識の違いというのは、やはり私は今の日本の司法制度の中である種欠陥があるというふうに、その原因は思わざるを得ないんですよね。

やはり無罪推定の原則、これを明文化することですとか、それから身体拘束の原則、これを明文化することですとか、やはり被疑者の段階ではそういったことが必要なんじゃないかというふうに私自身は思うんですけれども、これは法務省に対する見解を伺いたいと思います。

法務省佐藤刑事局長:お答えいたします。

一般論として申し上げますと、被疑者・被告人の身柄拘束につきましては、個別の事案に応じて裁判所または裁判官によって刑事訴訟法に定める要件の有無が判断されているところでございます。

その上で、被疑者・被告人が否認したり黙秘したりしていることのみをもって、あるいは必要性もないのに、長期間身柄拘束されるといったことはあってはならないというふうに考えているところでありまして。

いずれにしても、理由のない長期間の身柄拘束であるとか、自白の強要があってはならないということは当然でございまして、基本に忠実で適正な捜査活動の遂行に努めなければならないものというふうに考えているところでございます。

保釈判断の妥当性と機械的な却下への懸念
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 証拠隠滅の恐れを理由に、機械的に保釈請求を却下する姿勢があるのではないか
  • 個別の状況を精査して判断しているのか
答弁
平木刑事局長
  • 個別の判断について事務当局が評価することは困難である
  • 個々の事件の実情に応じて具体的に丁寧に判断すべきという基本を徹底すべきとの議論がある
全文
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西村智奈美島田参考人は、逮捕されてから保釈されるまで332日間。

332日間、1年近く拘束をされていたというふうにおっしゃっていました。

実際、これまた保釈もなかなか大変なんですよね。

保釈請求は起訴されないと請求ができないということで、ちょっとここから先、島田参考人の陳述を、またこれまた大事なことですので、私の方から読み上げてご紹介をしたいと思います。

「起訴されるとすぐに弁護士さんに保釈請求を出していただきました。

しかし裁判所はこれを却下。

理由は、証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるというものでした。

証拠隠滅の恐れといっても、警察は大河原加工機を強制捜査して、あらゆる資料を押収した上に、1年半、1年半ですね。

1年半にもわたる任意の調べで、たくさんの聴取を作っておりました。

今更、隠滅する証拠など、何もないのです。

裁判所は、社員と会わないという保釈条件をつけることができますし、保釈条件を破れば、保釈を取り消しできます。

条件をつけた上でも、すぐに保釈してほしかったです」ということでありました。

結果として最後は保釈が島田さんは認められたわけなんですけれども、それまでに332日間かかっている。

裁判所は個別の被告人が置かれた状況を精査して保釈の可否を判断しているというのではなくて、ここまで来ますと機械的一律に保釈請求を却下ありきという姿勢で臨んでいるのではないかというふうに見えるんですが、最高裁の見解を伺います。

最高裁判所平木刑事局長お答えいたします。

保釈の判断は個々の事件に応じて各裁判体が判断しているものでありますので、事務当局の立場として、その判断姿勢について評価をお答えすることは困難でございます。

その上で、一般論として申し上げれば、裁判官の間では、証拠を隠滅する相当な理由の有無等の保釈の要件につきまして、抽象的ではなく、個々の事件の実情に応じて具体的に丁寧に判断するという判断の基本を改めて徹底すべきであるとの議論がされているものと承知しております。

証拠隠滅の恐れの拡大解釈と保釈運用の是正
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 「証拠を隠滅する相当の理由」が拡大解釈され、保釈の原則と例外が逆転しているのではないか
  • 保釈条件の付与等でリスクは低減できるため、原則通り保釈すべきではないか
答弁
平木刑事局長
  • 個別論文への答否は差し控える
  • 保釈条件違反時の取消や偽証教唆罪の可能性を踏まえ、相当な理由があるか検討すべきとの見解は広く共有されている
全文
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西村智奈美同じ日の昨年3月26日の法務委員会の参考人質疑の中で、元裁判官でいらっしゃった藤井俊明参考人がお越しくださいました。

この藤井参考人は、自ら論文をしたためられていて、そのタイトルが「証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由について」というものでありました。

議論を読んだ論文であるというふうに承知をしておりますけれども、この中で証拠を隠滅する相当の理由について、藤井参考人はこれが広く実務上拡大解釈されているというふうに指摘をしておられます。

すなわち、保釈が認められない場合の「証拠を隠滅する相当の理由」、または「恐れ」というのが広く解釈されていて、保釈すべき原則と、保釈が認められない例外が逆転した運用とも見受けられる状況があるというふうに言っておられました。

その経験に関して、保釈には条件をつけることができること。

証拠隠滅の場合は、偽証教唆の新たな罪に問われ得ること。

そもそも供述聴取と矛盾した証言には、証拠能力が低いものとされること等によって、事実上証拠隠滅が行われる可能性は相当に低い。

つまり、何重にも何重にも、何と言ったらいいんですかね、証拠隠滅の段階ごとにあるわけですけれども、証拠隠滅の恐れというのはそれぞれの段階で低いし、それを最後掛け合わせたときに、その可能性というのは相当低くなるので、原則どおりに保釈を認めても問題ないという、そういう主張の論文だったというふうに紹介をしてくださいました。

これについて、最高裁の見解を述べていただきたいと思います。

最高裁判所平木刑事局長お答えいたします。

委員ご指摘のような個別の論文の内容の答否につきましては、事務当局として見解を述べることは差し控えさせていただきます。

もっとも、例えば、今、委員がご指摘されたような、保釈条件に違反した場合には保釈が取り消され得ることなど、もしくは、関係者に偽証を働きかければ偽証教唆罪に問われ得ること、このような事情を踏まえまして、証拠を隠滅すると疑われるに至る相当な理由があるかどうか、またその程度はどうかということを検討すべきである。

このようなことにつきましては、その他の論文や裁判官による研究会でも指摘されているところでありまして、広く共有された見解であると承知しております。

保釈運用の実態と最高裁の責任
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 実際に保釈が認められず死亡した事例がある中で、原則と例外は変わらないとするのか
  • 最高裁として心の痛みを感じ、運用を改善する意思はあるか
答弁
平木刑事局長
  • 運用の是非について事務当局として答えることは差し控える
  • 裁判官同士が議論を重ねることが重要であり、最高裁として議論の場を確保し支援したい
全文
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西村智奈美裁判所の方でいろいろ説明をしたりしていらっしゃるというような答弁だったんですけれども、でも実際にこの大河原加工機事件で見るように、実際にはやはりそうは否っていないですよ。

この事件で拘留をされたのはお三方。

先ほど申し上げましたように、島田さんは332日。

相島元相談役は、本当に保釈請求が認められないまま、亡くなってしまっているということなんです。

こんな人権侵害、私はあってはいけないというふうに思うんですけれども、それでも最高裁はその原則と例外は変わりませんというふうに答弁をされるんでしょうか。

ちょっとは心の痛みを感じませんか。

どうですか。

平木刑事局長。

お答えいたします。

保釈の判断は、個々の事件における各裁判体の判断事項であり、事務当局としてその判断の積み重ねである運用の是非、これを前提にしたお答えをすることは差し控えさせていただきます。

もっとも、保釈の判断に関する適切な運用を確保していくためには、各裁判官または裁判官同士が、あるべき姿を追求して議論を重ねていくことが重要であると認識しております。

最高裁といたしましては、そうした議論の場を確保するなどして、適切な運用がなされるよう、引き続き支援をしてまいりたいと考えているところでございます。

保釈運用の改善に向けた具体的措置
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 裁判官の研修や内部通知だけで実務の意識は変わるのか
  • 研修基準の変更や刑事訴訟法の改正が必要ではないか
答弁
平木刑事局長
  • 最高裁としてできることには一定の限界がある
  • 司法研修所で外部講師を招いた研究会を開催しており、今後も議論の場を確保するよう努める
全文
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西村智奈美君。

こうやって現に本当に大変な事件があったわけですから、それはちゃんと受け止めてほしいと思うんですね。

その上でなんですけれども、そういうふうに逆転しているというふうに見受けられるような運用が現にあることに対して、やはりこの運用は改めていかなきゃいけない。

さっき最高裁の方からは、適切な運用を確保するために個々の裁判官が話し合いをしたり、自らの研鑽をしたり、そのためには最高裁の方からいろいろ情報提供をしたりということだと思うんですけれども、でもそれで本当に実務における意識が改められるのか。

私はもう少し何か最高裁として取組が必要なんではないかというふうに思うんですよ。

例えば、いや、例えばというか、さっき言われたような裁判官の研修をするというだけで本当に足りるのか。

あるいは藤井参考人が陳述の中でも指摘されておられましたけれども、研修で用いられている基準、これの記載を変えるということが必要なのか。

あるいはそれをやることで十分なのか。

それから裁判所内部の通知などで足りるのか。

もっと言えば、やはり刑事訴訟法の改正が必要なのではないか。

こういったいろいろなことが考えられるんですけれども、最高裁としては今何が求められている、必要だというふうにお考えなんでしょうか。

平木刑事局長。

お答えいたします。

今、委員がご指摘いただいたこと、様々あろうかと思いますけれども、最高裁としてできることには一定の限界があるということは、ご理解いただきたいと思います。

その上で、例えばでございますが、本年1月に司法研修所で研究会が開かれたところでございます。

その研究会では、保釈請求事件を含む刑事事件の経験が豊富な弁護士の方や検察官の方に講師としてお越しいただいて、それぞれの立場から見た保釈の実情やご意見を伺いながら、証拠隠滅の恐れの有無、程度、また被告人の健康状態等をどのように正確に把握し、これを保釈の要否についての判断に生かしていくのか、こういったテーマについて焦点を当てつつ、保釈の判断の在り方について議論がされたものと承知しております。

最高裁としては、このような議論の場というのを十分に確保していくよう、今後も引き続き努めていきたいと考えているところでございます。

保釈却下による被害と最高裁の発想転換
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 保釈が認められず死亡した遺族が裁判官を提訴している
  • 改めるべき点を改めるという発想に変えることはできないか
答弁
平木刑事局長

- (回答なし/差し控え)

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西村智奈美君。

4月6日に大河原閣議事件で保釈が認められずに被告のまま亡くなった元顧問の相島静雄さん。

この方のご家族が、保釈請求を退け続けた裁判官37人の判断は違法だということで、東京地裁に提訴されました。

極めて異例の訴訟だというふうに思いますが、ご遺族は「私たちが声を上げなかったら同じことが繰り返される」というふうに述べておられるんです。

やはり改めるべき点は改める必要があるというふうに思うんですけれども、どうですか。

こういった提訴がされても、やはり改めるべきところは改めるというふうなことに、最高裁としては発想を少し変えていくというようなことにはならないんでしょうか。

もう一度伺います。

平木刑事局長。

お答えいたします。

勾留延長の判断基準(刑事訴訟法60条2項)
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 起訴後2ヶ月を経過した後の「特に継続の必要がある場合」の判断基準は何か
  • 検察庁と裁判所がどのような基準で判断しているか
答弁
佐藤刑事局長
  • (法務省)判断は裁判所または裁判官が職権で行っている
  • (最高裁)法律の解釈であり個別の判断事項のため回答を差し控えるが、文献上の「勾留の理由及び必要性がなお継続していること」を参考にしている
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西村智奈美君。

それではそういったご答弁をいただいた上で、ちょっと具体的に伺いたいと思うんですけれども、起訴後の拘留については、当初の2ヶ月間の期間を延長するにあたって、刑事訴訟法第60条2項で「特に継続の必要がある場合においては」という要件が付されております。

先ほど申し上げたように、もう既に起訴されて、しかも2ヶ月を経ていれば、物証なども大体収集されて、証拠隠滅の恐れといったものも、時間の経過とともに低減していくわけですよ。

そんな中、「特に継続の必要がある場合」というのは、原則に対する拘留の例外的な必要性、これについての精査が求められるというふうに私は思います。

これを検察庁、裁判所はどういう基準で判断をしているのか、それぞれ伺いたいと思います。

佐藤刑事局長、お答えいたします。

御指摘のとおり、被告人の勾留の期間について、刑事訴訟法60条2項は、勾留の期間は勾留の決定があった日から2ヶ月とする。

特に継続の必要がある場合には、具体的にその理由を付した決定で、1ヶ月ごとにこれを更新することができると規定しているところでございます。

この勾留の更新決定あるいは命令は、裁判所あるいは裁判官がもっぱら職権でするものでございまして、お尋ねのその「特に継続の必要がある場合」の判断は、裁判所あるいは裁判官においてされているものというふうに承知しているところでございます。

平口刑事局長、お答えいたします。

委員御指摘の点は法律の解釈に当たることでございまして、かつ勾留執行の判断は個々の事件における各裁判体の判断事項ですので、事務当局としてそのあり方等についてお答えすることは差し控えさせていただきます。

もっとも、刑事訴訟法60条2項に言う「特に継続の必要がある場合」とは、文献上、勾留の理由及び必要性がなお継続していることを言うとされておりまして、各裁判体はこのような解釈も参考にしながら判断しているものと理解しております。

保釈率の実態(自白事件と否認事件の差異)
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 令和3年および直近の保釈率を提示してほしい
  • 自白事件と否認事件での差異について明らかにしたい
答弁
平口洋 (法務大臣)
  • 令和3年:自白32.3%、否認19.6%
  • 令和6年:自白33.4%、否認20.6%
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西村智奈美君。

今の答弁は、私が質問した基準、どのような基準ということではなくて、基準はつまりありませんと。

裁判所の裁量、それこそ裁量、それぞれの判断で行われているということなんですけれども、それもまたちょっと、あまりにも漠としすぎやしませんか。

人を勾留するんですよ。

勾留するかどうかという判断のときに漠とした基準しかないというのは、私はちょっと納得できないですよ。

やはりこの「証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」というその場合も含めてなんですけれども、やはりこれ広く解釈されているというのは、日本で他の国や国際人権法と比べても、やはり日本の保釈に関する法制と言ったらいいのか、それがやはりかなり独特の法制であって、それがかなり独特の解釈をされているというふうに、私には見えるんですよね。

それがやはり人質司法と呼ばれる理由の一つではないかということを考えましたときに、やはりきちんと検討していただいて、見直しをする。

法制的な見直しをするということは必要になってくるというふうに思っております。

ここで具体的に、いわゆる保釈率って一体本当にどのくらいなのかというのを提示してもらいたいと思っております。

そもそもどのくらいの人がどのくらいの期間で保釈をされているのか。

過去には6か月以内に保釈をされた方の比率が、答弁で紹介されたこともあったと思うんですけれども、その当時の令和3年の保釈率、そして直近の保釈率、また自白事件と、それから否認事件とで差異があるというふうに思いますけれども、それぞれについてお願いをします。

平口刑事局長、お答えをいたします。

地方裁判所の通常第一審における終局人員につきまして、拘留された被告人のうち、保釈された人員の割合、すなわちこれがいわゆる保釈率ということでございますが、6ヶ月以内までに保釈された人員の割合で申し上げますと、令和3年は自白の場合は32.3%、否認の場合は19.6%でございました。

令和6年の数値になりますが、令和6年は自白の場合は33.4%、否認の場合は20.6%でございました。

人質司法による自白強要の懸念
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 否認事件の保釈率が著しく低いことは、自白を強いるための恣意的な身体拘束(人質司法)ではないか
  • 法務省の見解を伺いたい
答弁
平口洋 (法務大臣)
  • 「人質司法」は法令上の用語ではない
  • 否認・黙秘のみを理由とした長期間拘束はないと承知しており、適正な捜査・公判活動に努めている
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西村智奈美君。

自白事件と否認事件で10ポイント以上の開きがあるということは、令和3年と令和6年で共通している傾向だということですね。

このように、否認事件が自白事件よりも保釈率が格段に低いというこういった状況は、やはりここから読み取ることはあるんじゃないか。

つまり、自白をしないと長期間拘束されるというそういった恐怖を与えることで自白、場合によっては虚偽の自白、これも今までもあったわけです。

そういったことを引き出すための手段として、意図的、恣意的に身体拘束が用いられているのではないかというふうに私は考えざるを得ません。

島田参考人はこういうふうにもおっしゃっておられました。

「勾留中に体力、精神力を削られ、早く出るためには罪を認めてしまうのが得策だと悩む日もありました」。

だから虚偽の自白をするかもしれないというギリギリの体力状態、精神状態におられたということなんです。

やはりこういった人質司法というあり方は改めて言ってもらいたいというふうに思うんですけれども、これはやはり制度上の問題でもあると思うんですが、法務省の見解を伺いたいと思います。

平口法務大臣。

お尋ねの人質司法については、法令上の用語ではございませんが、一般論として申し上げれば、被疑者・被告人の身柄拘束については、個別の事案に応じて、裁判所または裁判官によって刑事訴訟法の定める要件の有無が判断されるものと承知をしております。

その上で、被疑者・被告人が否認し、または黙秘していることのみを理由として、あるいは必要性もないのに、長期間身柄が拘束されるということはないものと承知しております。

いずれにしても、理由のない長時間の身柄拘束や自白の強要があってはならないことは言うまでもなく、検察当局においては、検察の理念を踏まえて、基本に忠実で適正な捜査・公判活動の遂行に努めているものと承知しております。

引き続き、こうした基本に忠実で、適正な捜査・公判遂行に努めていくことが肝要であると考えております。

柏崎簡易裁判所の開廷日削減
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 新潟県内の簡易裁判所で開廷日を削減する方針があるか
  • いつ、どこで決定されたのか
答弁
清藤総務局長
  • 決定はしていないが、柏崎簡易裁判所の開廷日数を見直す方向で準備中である
  • 方針は今年の3月頃までにまとまったと承知している
全文
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ちょっと時間がなくなってきましたので、最後に昨日、定員法の関係で質問いたしました地域格差、司法サービスの地域格差に関連して伺いたいと思います。

先日だということなんですけれども、新潟県内の簡易裁判所、その開廷日を削減するという連絡が弁護士会の方にあったというふうにお聞きをしました。

この方針、いつ、どこで決まったのか、教えてください。

清藤総務局長お答えいたします。

お尋ねの件につきましては、まだ決定しているものではございませんけれども、新潟地方裁判所において、柏崎簡易裁判所の開廷日の日数を見直す方向で準備をしているものと承知しております。

今、「いつ」というお尋ねがあったと思いますけれども、正式にまだ決まっていないと承知しておりますけれども、このような方針をまとめていったのは、遅くとも今年の3月ぐらいまでにはまとめたのではないかと承知しております。

新潟県内における他の簡易裁判所の状況
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)

- 柏崎以外の簡易裁判所で開廷日を削減する計画はあるか

答弁
清藤総務局長

- 事務処理体制は不断に見直しているが、柏崎以外に具体的に検討しているところはない

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西村智奈美今、柏崎簡易裁判所の開廷日を削減するということで準備中ということですけれども、ほかの簡易裁判所について開廷日を削減するというようなお話はありませんね。

清藤総務局長お答えいたします。

今、柏崎簡易裁判所以外の新潟県内の簡易裁判所で開廷日の削減を行うところがあるかというお尋ねと思います。

一般論としては、各庁で開廷日の増減を含めて、事務処理体制というのは不断に見直しているところではございますけれども、この度確認したところ、新潟県内の簡易裁判所で、柏崎簡易裁判所以外に見直しを具体的に検討しているというところはございません。

開廷日削減の理由と全国的な傾向
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 柏崎簡易裁判所の開廷日を削減する具体的な理由は何か
  • 他の地域でも同様の削減が検討・実施されているか
答弁
清藤総務局長
  • 事件動向や処理状況を踏まえ、裁判官会議で決定した。柏崎は日数を減らしても支障がないと判断した
  • 全国の体制は常にみ直しているが、個別の開廷日見直しの有無に答えることは困難である
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西村智奈美それでは、柏崎簡易裁判所の開廷日が削減されるということについて伺いたいと思うんですけれども、なぜ開廷日の削減といったようなことになるのか、その理由を教えていただきたいと思います。

また併せて、他の地方、地域での簡易裁判所などの同様の削減が検討されている、あるいはこれから実施されようとしているというところがあるのかどうか教えてください。

清藤総務局長開廷日の見直しといいますのは、先ほども少し申し上げましたが、各庁の事件数の多寡など、事件動向、それから事件処理状況などを踏まえまして、例えば新潟であれば、新潟県内の適正かつ効率的な事務処理体制を確保するという見地から検討して、各庁の裁判官会議で決定するというものと承知しておりまして、この度の柏崎簡易裁判所についても、近時の事件動向などから見まして、開廷日数を減らしても事件処理には支障がないものと判断して、先ほど述べた方針をとるというものと承知しております。

それからまた、その他の簡易裁判所についてもお尋ねがあったと思います。

全国の各庁でどのような事務処理体制をとるかということについては、適正かつ効率的なものをとるという観点から、常にみ直しをしているというものでございまして、例えば全国の簡易裁判所で、例えば開廷日を見直すなどのところがあるかどうかということについて、お答えすることは困難ではございますので、そこはご理解いただければと思います。

司法サービスの地域格差と住民ニーズの反映
質問
西村智奈美 (中道改革連合・無所属)
  • 開廷日の削減は地域住民のサービス低下につながらないか
  • 住民側との調整や確認は行われるのか
答弁
清藤総務局長
  • 柏崎の件は検察庁・弁護士会に説明済みである
  • 今後も柔軟な見直しを行う際は、地域の声やニーズに適切に伺いながら検討したい
全文
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西村智奈美君。

開廷日を削減しても処理はできるというような判断を裁判官会議でされたということから、削減につながっているということだというふうに理解をいたしますけれども、ただこれはやはりサービスを受ける地域住民の側からしますと、開廷日がどのくらいなのか、週に例えば2日とか、話し合って、そういうふうに調整をしてきたし、これからもそういうふうにしていくというようなことは、確認をさせていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。

清藤総務局長、お答えいたします。

各庁での事務処理体制の確保ということにつきましては、裁判事務処理に支障がないようにという観点から、常に見直しを掛け合わせているというところでございますが、このたびの柏崎管区の開廷日の件につきましても、検察庁及び弁護士会に対して3月、4月にはご説明をしたというふうに承知しておりまして、今後につきましても、新潟に限らず事務処理体制の柔軟な見直しはしていくことがあると思いますけれども、その際には各地域の声とかニーズ、そういったようなものにも適切に伺いながら検討してまいりたいと思います。

旧統一協会の「特異集団」認定の根拠
質問
有田芳生 (中道改革連合・無所属)
  • 公安調査庁が旧統一協会を「特異集団」と規定していたか確認
  • 「特異集団」の具体的な定義と、認定に至った具体的な行為について質問
答弁
下田次長
  • 「特異集団」とは一般社会通念と相容れない思想等に基づいて活動する集団と認識
  • 具体的には、在日韓国・朝鮮人の救護を目的とする新組織を設立し、勢力拡大や圧力を生じさせる動きが見られたためと記載
全文
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まず公安調査庁にお聞きをしたいんですけれども、前回もお聞きをしたことですけれども、ある時期に公安調査庁は統一協会について「特異集団」、特異な集団だということを規定されていましたけれども、それで間違いありませんね。

そしてまた、特異集団という意味、その具体的な中身についてお答えをお願いいたします。

今、思想と言われましたけれども、具体的な行為において、どういう行為が特異集団というふうに認定されたんでしょうか。

だって今おっしゃったように、公安調査庁が公に発行されている『概況と展望』の中に特異集団という項目があって、その下にいろんな特徴ある内容が具体的に書かれているじゃないですか。

そこで何が統一協会を特異集団だと指定されたのか、それを聞いているんです。

私どもで発行しております『内外情勢の概況と展望』におきまして、平成17年及び平成18年に旧統一協会についての記述がございます。

これを特異集団と申しますのは、一般社会通念と相容れない思想等に基づいて活動する集団というふうに我々は認識しております。

お答え申し上げます。

平成17年及び平成18年の『概況と展望』に記載した内容についてでございますけれども、まず平成17年におきましては、我が国におきまして在日韓国・朝鮮人の救護を目的とする新組織を設立し、これら在日関係者を取り込むことで勢力拡大を図る動きを見せた。

この点につきまして、私どもは特異集団ということで記載しております。

また平成18年におきましては、同じく我が国で在日韓国・朝鮮人を救護する新組織への結成を目指し、在日関係者を韓国の大会に参加させるなどして、在日組織との間で圧力を生じさせるといった動きが見られましたので、記載した次第でございます。

一般財団法人の宗教活動に伴う税制上の優遇
質問
有田芳生 (中道改革連合・無所属)

- 一般財団法人が目的に「宗教活動」を掲げて活動する場合、税法上の優遇措置があるか

答弁
高橋課税部長
  • 非営利型法人の場合、公益法人等として宗教法人と同様に34種類の収益事業以外の所得に法人税が課されないが、基本税率が高くみなし寄附金の適用がない
  • 個々の活動が収益事業に該当するかは、実態を踏まえて適切に判断する
全文
質問・答弁の全文を表示

そして国税庁にまずお聞きをしたいんですけれども、一般財団法人の中に宗教活動というものが規定された場合、これは税法上の優遇を受けるんでしょうか。

端的に教えていただきたいんですけれども、宗教目的をもって一般財団法人が活動した場合に、税法上の優遇があるのかないのか。

それを端的に教えていただけませんか。

一般財団法人の法人税法上の課税関係につきましては、一般論といたしまして、非営利型法人に該当しない法人は普通法人といたしまして全ての所得に法人税が課されます。

一方、非営利型法人に該当する法人は公益法人等といたしまして、宗教法人と同様、34種類の収益事業に係る所得に法人税が課されます。

ただし、この非営利型法人の場合には、宗教法人と比べまして基本税率が高く、宗教法人と異なりまして、みなし寄附金の適用がないという違いがございます。

また、この非営利型法人が行う活動が収益事業に当たるかどうかにつきましては、その活動が法令上特定されました34種類の収益事業の内容に該当するかどうか、その収入が通常の利潤を得るための対価であり、収益事業に該当するか、あるいは寄付金、寄附金といった性質の収入かなどにつきまして、個々の活動実態を踏まえて適切に判断することとなります。

お答え申し上げます。

先ほど申し上げたことと重複することで恐縮でございますが、非営利型法人の個々の活動に着目をいたしまして、これが課税の対象となります。

収益事業に当たるかどうかにつきましては、その個々の活動が法令上特定をされております34種類の収益事業でございますので、その内容に当たるかどうか、そしてその収入が通常の利潤を得るための対価であって、収益事業に該当するか、あるいは寄付金、寄附金といった性質の収入かなどについて、個々の活動を踏まえて適切に判断することとなるところでございます。

宗教活動を目的とする一般財団法人の現状と解散規定
質問
有田芳生 (中道改革連合・無所属)
  • 日本における一般財団法人の総数と、宗教活動を目的とする法人の数について質問
  • 一般財団法人の解散に関する法律上の規定について質問
答弁
松井民事局長
  • 令和7年12月末時点で約7,000法人が登記されているが、宗教活動目的の数は統計上把握しておらず回答困難
  • 設立が不法な目的に基づくなど公益確保のため存立を許せない場合、裁判所は申立により解散を命じることができる
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法務省にお伺いしたいんですけれども、この一般財団法人というのは今日本にどのぐらいあるんでしょうか。

その中に目的として宗教活動を掲げるようなところはあるんでしょうか。

それで、法務省に引き続きお聞きをしたいんですけれども、財団法人の解散というのは、どういう法律上の規定になっていますでしょうか。

お答え申し上げます。

一般財団法人について、令和7年12月末時点で、約7,000法人が登記されているものと承知をしております。

そのうち、宗教活動を目的としている一般財団法人の数については、統計上把握しておらず、お答えすることが困難でございます。

お答え申し上げます。

一般財団法人に対する解散命令というふうな規定がございますけれども、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」では、一般財団法人の設立が不法な目的に基づいてされたなどの場合において、公益を確保するため、一般財団法人の存立を許すことができないと認めるときは、裁判所は利害関係人等の申立により、一般財団法人の解散を命ずることができるとされております。

旧統一協会の清算プロセスと残余財産の帰属
質問
有田芳生 (中道改革連合・無所属)
  • 旧統一協会の清算プロセスの現状について質問
  • 1040億円の資産がある中で、債務弁済後の残余財産が天地教会に移転される見通しについて質問
答弁
梶山審議官
  • 現在、裁判所の監督下で清算人が手続きを行っているが、個別法人の詳細な回答は控える
  • 一般論として、債務弁済をすべて終えた後に財産が残っていなければ、財産の帰属手続きは発生しない
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文化庁にお聞きをしますけれども、家庭連合は清算過程に入ったわけですけれども、そのプロセスはどうなっていますでしょうか。

解散のプロセス、清算のプロセスです。

有田芳生君解散決定の中では、家庭連合の資産が1040億円という金額で、それは間違いありませんね。

ちょっと文化庁に見通しを、もし可能ならばお聞きをしたいんですけれども。

これから1040億円の資金が残っていた。

そして、これから清算が始まっていく。

当然、もう宗教法人ではなくなったわけだから、固定資産税、全国に300ぐらいの教団施設がありますけれども、固定資産税もかかってくる。

そうすると、オウム真理教でも15年、20年、清算までにかかっているんだけれども、おそらく、この統一協会・家庭連合の清算についても、10年単位で時間がかかるというふうに思うと、この天地教会に残余財産を移すだけのゆとりはおそらくなくなるんじゃないかと思っているんですけれども。

文化庁の見通しをもし示すことができるならば教えていただけますか。

お答え申し上げます。

お尋ねの旧統一協会の清算については、現在、裁判所の監督の下、その手続きを清算人が行っているものと承知しており、個別の法人の清算手続きについてお答えすることは控えさせていただきます。

なお、宗教法人の清算手続きについて一般論として申し上げれば、宗教法人の清算は損害賠償への対応など、債務の弁済をすべて終えた上で、さらに財産が残る場合には、残余財産として法人規則で定める相手などに帰属させるという手続きをとります。

お答え申し上げます。

おむねそのとおりでございます。

繰り返しになって恐縮でございますが、旧統一協会の清算につきましては、現在裁判所の監督の下で、その手続きを清算人が行っているものと承知しております。

個別の法人の清算についてお答えすることは差し控えたいと思っております。

ただ、一般論でございますけれども、先ほど申し上げましたように、宗教法人の清算は、損害賠償の対応などの債務の弁済等を全て終えた上で、さらにその財産が残る場合には、残余財産として法人規則で定める相手に帰属させるという手続きをとります。

従って一般論ですが、仮に損害賠償などの全て支払いを得た後に、財産が残っていなければ、財産の帰属手続きは発生しないものとなります。

コリアゲート事件と旧統一協会の関わり
質問
有田芳生 (中道改革連合・無所属)

- 米国で起きたコリアゲート事件の内容と、そこに旧統一協会がどう関わっていたかについて質問

答弁
山本大臣官房参事官
  • 韓国による米国への工作が疑われた事案である
  • フレイザー報告書において、旧統一協会は多国籍企業や純軍事組織、国際政党のような特徴を持つ組織として記述されている
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日本では1958年から活動を始めましたけれども、アメリカでは1959年からさまざまな行動をし始めて、特に外務省にお聞きしたいのは、1970年代に韓国のKCIAを含めて、コリアゲート事件というものが起きました。

端的にこのコリアゲート事件というものは、アメリカで何が起きたんでしょうか。

政界工作ですけれども。

有田芳生君そこに統一協会はどう関わっていたんですか。

お答えいたします。

ご指摘のいわゆるコリアゲート事件についてでございますけれども、一般的に韓国による米国への工作が疑われた事案として知られているものというふうに承知しております。

お答えいたします。

1970年代に、連邦議会において、米韓関係の調査を目的として、委員会が、小委員会が設置されました。

同委員会は、委員長のドナルド・フレイザー議員の名にちなんで、フレイザー委員会というふうに呼ばれております。

このフレイザー報告書自身は、米国の立法府により作成されたものであり、日本政府として包括的に説明するという立場にございませんが、その上で申し上げれば、この報告書において統一協会について、例えば次のような記述がございます。

一つ目、その機能と基本的な組織構造においては、現在では多国籍企業に似ており、製造、国際貿易、防衛契約、金融、その他の事業活動に従事している。

しかし、宗教、教育、文化、イデオロギー、政治的な事業も包含している点で、それ以上のものとなっている。

また、2点目として、下級メンバーの訓練と活用においては、純軍事組織に似ているが、その他の点では厳格に記述された国際政党としての特徴も備えている、といった記述があると承知しております。

ヘイトスピーチ解消法の理念と啓発活動
質問
有田芳生 (中道改革連合・無所属)
  • ヘイトスピーチ解消法の特徴と成立の教訓について質問
  • 具体的な啓発活動の内容について質問
答弁
杉浦人権擁護局長
  • 差別的言動は許されない旨を宣言し、理解を深めるための理念法として、あえて禁止規定や罰則を設けていない
  • ポスターの掲示や、インターネット上の解消に焦点を当てた啓発動画の作成などの取組を行っている
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今から10年前に参議院の法務委員会で、全会一致で可決をして、そして衆議院でも可決、成立をした、いわゆるヘイトスピーチ解消法なんですけれども、まず人権擁護局にお聞きをしたいのは、この解消法の特徴、そして成立の教訓ということについてお聞きをいたします。

まずお聞きをしたいのは、解消法ができて今でも全国に貼られていますけれども、「ヘイトスピーチ許さない」と黄色いポスターが張り巡らされておりますけれども、この啓発のための取り組みというのはどういうことがあったんでしょうか。

お答えいたします。

平成28年に議員立法により成立したいわゆるヘイトスピーチ解消法は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されない旨を宣言し、その解消の必要性について国民の理解を深め、差別的言動のない社会を実現することを理念として定めるとともに、相談体制の整備や国民の理解を深めるために必要な教育及び啓発を行うことを規定するなどにより、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進するための重要な法律であると考えております。

同法は憲法で保障された表現の自由に配慮し、一般的な表現行為に対する萎縮効果を避けるため、いわゆる理念法という形で禁止規定や罰則をあえて設けないこととして制定された経緯があるものと認識しております。

このように同法はいわゆる理念法ではあるものの、同法が本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されないことを宣言し、同法の規定に基づき、国及び地方公共団体が人権教育及び人権啓発を推進してきたことを通じて、国民の間に同法の理念が一定程度周知されたことは、ヘイトスピーチの解消にとって大きな意義があるものと理解しております。

一方で、SNSや電子掲示板等のインターネット上でのヘイトスピーチが後を絶たないことなどに考えますと、ヘイトスピーチの解消に向けた取組をしっかりと継続することが重要であると、改めて認識しているところでございます。

杉浦人権擁護局長、お答えいたします。

いわゆるヘイトスピーチをなくすためには、幅広く掲示するなどの取組を行っております。

また、インターネット上のヘイトスピーチに関しましても、インターネット上のヘイトスピーチ解消に焦点を当てた啓発動画を作成するなどして、啓発活動を行っているところでございます。

選挙におけるヘイトスピーチへの対応
質問
有田芳生 (中道改革連合・無所属)

- 選挙運動におけるヘイトスピーチに対し、どのような対応をとっているか

答弁
杉浦人権擁護局長
  • 選挙運動であっても不当な差別的言動の違法性が直ちに否定されるわけではない
  • 被害申告があった場合、内容や態様を吟味して人権侵害性を総合的に判断し、この考え方を地方公共団体にも周知している
全文
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さらにお聞きをしたいんですけれども、選挙におけるヘイトスピーチもこの10年間問題になりましたけれども、それに対してはどういう対応をとられたんでしょうか。

杉浦人権擁護局長、お答えいたします。

選挙運動に名を借りたヘイトスピーチに関しましては、選挙運動の自由の保障は民主主義の根幹をなすものであるものの、不当な差別的言動は、それが選挙運動として行われたからといって、直ちにその言動の違法性が否定されるものではないと認識しておりまして、法務省の人権擁護機関におきましては、選挙運動に名を借りた不当な差別的言動により、人権を侵害されたとする被害申告等があった場合には、その言動が選挙運動として行われていることのみをもって、安易に人権侵害性を否定することなく、その内容、態様等を十分吟味して、人権侵害性の有無を総合的かつ適切に判断した上で対応することとしておりまして、またこの考え方を全国の地方公共団体にも周知しているところでございます。

ヘイトスピーチ目的のデモ件数の推移
質問
有田芳生 (中道改革連合・無所属)

- ヘイトスピーチ解消法制定後、ヘイトスピーチ目的のデモ件数はどう変化したか

答弁
井上英孝 (法務委員長)

- 右派系市民グループによるデモ件数は、平成28年約40件、29年約50件、30年約30件、令和元年以降は約10〜20件で推移している

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だけど解消法ができてから、そのデモの数というのはどう変化したんでしょうか。

警察庁鈴木官房審議官、お答えを申し上げます。

デモにつきましては、ヘイトスピーチに該当するような言動があったか否かに関わらず、右派系市民グループによるデモとして警察が把握している件数は、いわゆるヘイトスピーチ解消法が施行された平成28年は約40件、平成29年は約50件、平成30年は約30件となり、令和元年以降は約10件から20件で推移しているところでございます。

地方自治体によるヘイトスピーチ禁止条例(川崎市等)への認識
質問
有田芳生 (中道改革連合・無所属)

- 川崎市などで罰則付きのヘイトスピーチ禁止条例が制定されていることへの認識を質問

答弁
杉浦人権擁護局長
  • 川崎市の条例で禁止規定や勧告・命令、および命令違反への罰則規定があることは認識している
  • ただし、自治権に基づく制定であるため、法務省としての評価は差し控える
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同時に人権擁護局に引き続きお聞きをしたいんですけれども、解消法ができてから全国各地で条例ができましたよね。

東京も大阪もそうですけれども、さまざまな条例ができた。

その中で、特徴的で大事なのは、川崎で条例ができた。

その時は、川崎の条例の中には罰則が入っているわけですよね。

だから、そこがものすごく大事だと思うんですけれども、人権擁護局の認識をお聞きいたします。

お答えいたします。

いわゆるヘイトスピーチ解消法第4条では、地方公共団体は当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとするとされているところ、現在複数の地方公共団体において、当該地域の実情に応じてヘイトスピーチ解消に向けた条例が制定されているものと承知しております。

その中で、御指摘の川崎市で制定された「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」では、不当な差別のない人権尊重のまちづくりの推進、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進などについて定められているものと承知しておりまして、この条例の中では、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を禁止する規定や、当該規定に違反したものに対する勧告、命令等の措置を講ずることができる旨の規定が置かれているものと承知しておりまして、さらに命令に違反した場合には、一定の場合には罰則を課すことができる旨の規定が置かれているということは認識しております。

ただ、法務省としてこの条例につきましては、地方公共団体が自治権に基づいて制定しているものでございますので、その評価についてコメントすることは差し控えさせていただきます。

ヘイトスピーチに関する実態調査の計画
質問
有田芳生 (中道改革連合・無所属)
  • 今後実施予定の実態調査の内容、有識者検討会報告書の公開予定、および完了時期について質問
  • 被害当事者への聞き取りを重視すべきではないかとの提案
答弁
杉浦人権擁護局長
  • 事例調査、ネット調査、意識調査、報道状況調査の4点を行う予定で、本年度中に完了させたい
  • 報告書は調査結果に影響する恐れがあるため、結果公表時に合わせて適切に判断する
  • 被害者の声を伺うことは非常に重要であると認識しており、引き続き検討する
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ヘイトスピーチ解消法が成立するプロセスの中で今思い出したんですけれども、特に、公明党の議員の皆さんが当時の菅官房長官に申し入れを行って、その結果、ヘイトスピーチについての調査が行われて、その調査結果が立法事実となって法案成立に向かったんだけれども、あれから10年経って、法務省はもう一度、ヘイトスピーチに関する実態調査を行うというふうに聞いております。

約7,000万円ついたと聞いておりますけれども、どういう調査をこれからなさるんでしょうか。

有識者による検討会というのは、全部で4回なされたそうですけれども、実はこの報告書ができていると聞いているんですけれども、それを公開される予定はありますでしょうか。

引き続きお聞きをしますけれども、実態調査というのは、いつぐらいから始めて、いつぐらいに終わるという見通しでいらっしゃるんでしょうか。

法務局や地方公共団体から事例を収集するんだけれども、やはりこの問題って、被害当事者に話を聞く必要があると思うんですよ。

その法務省、人権擁護局の方針としては、「必要に応じて被害者等への聞き取りを実施」とありますけれども、「必要に応じて」ということではなく、やはり被害当事者の声を集めるということが大事だと思うんですが、いかがでしょうか。

お答えいたします。

法務省では、ヘイトスピーチの解消に向けた取組を推進するため、ヘイトスピーチの実態調査を実施することを予定しておりまして、この実態把握をより適切に行う観点から、有識者検討会を開催し、詳細内容、手法等の検討を重ねてきたところでございます。

今般、有識者検討会におきまして、実態調査の内容、手法等に関する基本的な考え方が示されまして、調査内容としましては4点ございまして、相談機関等が把握する事例の調査、インターネット上のヘイトスピーチの実態に係る調査、国民に対する意識調査、ヘイトスピーチに関するメディアの報道状況の調査を行うことが適切であるとされたところでございます。

法務省としましては、この基本的な考え方を踏まえつつ、さらに検討を進めた上で、実態調査を実施してまいりたいと考えております。

お答えいたします。

有識者検討会では、実態調査の内容、手法等に関する基本的な考え方を示した報告書を、本年3月に取りまとめたところでございます。

この報告書の内容につきましては、事前に公表しますと、実態調査の実施及び結果に影響を及ぼす恐れがあることから、報告書の公表時期につきましては、実態調査の実施後に、実態調査の結果の公表時期に合わせるなど、適切に判断することとしたいと考えております。

実態調査の内容も含めまして現在検討中でございますが、本年度中に完了させたいと思っております。

実態調査を実施するに当たりましては、被害を受けた方の声を伺うことも非常に重要であると認識しておりまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。

人種差別撤廃委員会の対日審査の状況
質問
有田芳生 (中道改革連合・無所属)

- 2018年以降行われていない人種差別撤廃委員会の対日審査の現状について質問

答弁
貝原大臣官房参事官

- 昨年12月に事前質問票が送付されており、現在、提出に向けて関係省庁と連携し鋭意作業を進めている

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このヘイトスピーチ解消法にも深く関係してくるんですけれども、2018年以降、日本審査が行われていませんけれども、今どういう状況にあるんでしょうか。

お答え申し上げます。

昨年12月、人種差別撤廃委員会から、次回の我が国の政府報告に関する事前の質問票が送付されました。

政府報告書は、事前質問票の採択後1年以内に提出することが求められており、現在、提出に向けて関係省庁と連携しつつ、鋭意作業を進めているところでございます。

次回対日審査に向け、引き続き関係省庁と連携しつつ、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

特殊詐欺における銀行の検知・停止措置と制度的課題
質問
原山大亮 (日本維新の会)
  • 12億円の被害事案のように、銀行員の個人の判断に頼る現状は制度設計の不備ではないか
  • 異常な高額送金を止める「出口」の法的根拠が弱いと考えている
  • 12億円事案で銀行員が止められなかったのは、銀行側の問題か制度の問題か
答弁
金融庁大木総合政策局次官
  • 個別事案へのコメントは差し控えるが、一般論として金融機関に警察連携や出金停止等の措置を求めている
  • 顧客の意向や状況により、送金依頼を拒むことが困難な場合もあると認識している
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本日は特殊詐欺、特に電話詐欺について質疑をさせていただきたいと思います。

なぜこの個人のファインプレーに頼らなければならない状況が続いているのか。

銀行員個人の判断力や勇気だけに頼って犯罪を防ごうとしているのであれば、制度設計の不備だと思います。

私は、口座開設時の本人確認という「入口」には強いが、異常な高額送金を止める「出口」の法的根拠が極めて弱いと考えています。

12億円事案において、銀行員は声をかけたが止められなかった。

これは銀行側の問題なのでしょうか。

それとも制度の問題なのでしょうか。

金融庁としての認識をお聞かせください。

金融庁大木総合政策局次官:お答え申し上げます。

個別の事案につきまして金融庁としてコメントすることは差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げますと、金融庁といたしましては特殊詐欺等の深刻な被害情勢を踏まえ、金融機関に対し警察との連携強化や、取引の金額・頻度等に着目した検知、顧客への確認、また必要に応じた出金停止、凍結、解約等の措置を求めているところでございます。

他方におきまして、顧客の意向でありますとか、個々の状況によっては、金融機関が顧客からの送金依頼を拒むことが困難な場合もあるものと承知をしてございます。

送金保留時の債務不履行リスクと善管注意義務の解釈
質問
原山大亮 (日本維新の会)
  • 銀行が詐欺疑いで送金を保留した場合、民法上の債務不履行に問われるリスクがある
  • 12億円のような異常な取引に対し、銀行に高度な調査義務を認める解釈の余地はあるか
答弁
法務省松井民事局長
  • 銀行は準委任契約の受任者として善管注意義務を負う
  • 注意義務の内容・程度は個別の具体的事情により異なるため、一概に回答することは困難である
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銀行が詐欺疑い案件として送金を一時保留した場合、民法上の債務不履行に問われるリスクがあると思います。

民法上の善管注意義務の観点から、12億円のような異常な取引について、銀行に高度な調査義務を認める解釈の余地があるのか教えてください。

法務省松井民事局長:お答え申し上げます。

一般に振込の依頼は、受取人の口座に入金することを委託する準委任の性質を有するなどと解されており、依頼を受けた銀行は準委任契約の受任者として、準委任の本質に従い、善良な管理者の注意をもって受取人の口座に入金するという事務を処理する義務を負うと考えられております。

この事務を処理するにあたり、その善管注意義務等に基づき、銀行側の注意義務の内容・程度については、個別の事案における具体的な事情によって異なり得るため、一概にお答えすることが困難でございます。

送金保留を債務不履行としない解釈の明確化
質問
原山大亮 (日本維新の会)
  • 警察・検察を騙る詐欺により公的機関への信頼が損なわれている
  • 一定条件下で送金保留を債務不履行としない解釈を明確に示すことを検討できないか
答弁
法務省松井民事局長
  • 個別事情により異なるため、一概に民法上の解釈を示すことは困難である
  • 被害防止が重要であるとの認識を持っており、関係省庁で検討される場合には法務省として必要な協力を行う
全文
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原山大亮:今起きている詐欺の特徴は、警察官や検察官を名乗ることで成立している点にあり、国民がそれだけ警察や検察を信頼しているということでもあると思います。

しかし、その信頼が犯罪に繰り返し悪用される状況が続けば、本物の警察や検察からの連絡であっても信用されない社会というのは、治安の観点からも健全とは言えません。

そこで法務省に伺います。

一定条件下で送金保留について債務不履行に当たらないという解釈を明確に示すことは、信頼を守るための具体的措置として検討対象にすることはできないのでしょうか。

松井民事局長:お答え申し上げます。

先ほど申し上げたとおり、振込の依頼を受けた銀行側の注意義務の内容・程度は、個別の事案における具体的な事情によって異なり得ます。

このため、振込の依頼を受けた銀行による送金の留保の可否について、一概に民法上の解釈を示することが困難でございます。

もっとも、お尋ねのような詐欺が繰り返されることによる被害を防止することが重要であるという認識を持っております。

関係省庁において、そのような被害を防止する観点から、送金の留保の可否についての検討がされる場合には、法務省としても、民事基本法を所管する立場から、必要な協力をしてまいります。

振込先口座救済法による被害回収の実績
質問
原山大亮 (日本維新の会)

- 振込先口座救済法に基づく直近の被害回収額および被害回収率を提示してほしい

答弁
金融庁山下総合政策局次官
  • 厳密な計算は困難だが、2024年度のデータに基づき仮計算した
  • 回収額(消滅預金等の再建額)は約77億円、被害総額は約906億円であり、回収率は約9%となる
全文
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そこで金融庁に伺います。

振込先口座救済法に基づく被害回収額及び被害回収率について、直近の実績をお示しください。

約3,000億円を超える被害額が出て、一体いくら回収できているのかをお聞かせください。

お答えいたします。

データの制約等がございますので、被害回収額、被害回収率を厳密に計算することは困難であることをご理解いただきたいと存じます。

その上で、仮に計算いたしますと、まず、被害の回収額に相当するものとして、犯罪利用の疑いにより、振込詐欺救済法に基づく執行手続が行われた預貯金の額、いわゆる消滅預金等の再建額でございますが、こちら側の最新の年次公表データが2024年度のものでございまして、こちらが約77億円となっております。

これに対応いたします被害額の方でございますけれども、こちらは警察庁から公表されております、この同じ2024年度のベースの特殊詐欺の被害総額の数字は約906億円となっております。

従いまして、これらの数字を用いて仮に計算をいたしますと、被害回収率の数字というのは約9%というものになります。

英国のAPP詐欺保証制度の導入検討
質問
原山大亮 (日本維新の会)
  • 英国では送金停止措置や、銀行による被害額の保証(受取側銀行も責任を負う)制度が導入されている
  • この仕組みにより銀行の行動変容が期待できるが、金融庁はこの制度をどう評価しているか
答弁
金融庁山下総合政策局次官
  • 英国の制度内容は認識しているが、法体系や監督制度が異なるため単純な比較評価は困難である
  • 英国の制度を参考にしつつ、諸制度とのバランスを考慮し、どのような対応を取り得るか継続的に検討したい
全文
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そこでイギリスが2024年に導入したオーソライズド・プッシュ・ペイメント詐欺保証制度、いわゆるAPP詐欺保証制度でございます。

イギリスの銀行は、詐欺の疑いがあると判断した場合、送金を最大72時間停止し、調査することができます。

この間に警告を発し、警察、受取側の銀行と連携をして、安全を確認することが可能となりました。

また、顧客が騙されて自分の意思で振り込んだ場合でも、銀行は原則として被害額を保証しなければなりません。

保証条件は1件当たり8万5千ポンド、日本円で約1,800万円です。

さらには、犯人口口座を管理する受取側の銀行にも被害額の50%の保証責任を課しています。

責任を負わせるとなると、受取側の銀行も怪しい口座を開設させない、不審な入金をリアルタイムで検知することに注力するようになると思います。

つまり制度設計次第で銀行側の行動を変えることができると思っています。

これはまさに個人のファインプレーに頼らない制度設計の典型だと思います。

そこで金融庁に伺います。

イギリスのこの新しい仕組み、APP詐欺保障制度について金融庁はどのように評価をしているんでしょうか。

お答えいたします。

委員ご指摘の英国の制度でございますが、私の認識でございますが、金融サービス市場法に基づきまして、決済サービスの提供者に対して、詐欺被害者へ原則全額保障するよう義務づけておりまして、当該保障のうち50%を受取側の銀行等に負担をさせるものと承知をしております。

我が国におきましては、この英国のような銀行による保障の義務化に係る規定はないと認識をしておりますけれども、英国と我が国では、法体系や金融監督制度のあり方にも異なる点が多くございますので、一概に単純比較し評価することは困難である点をご理解いただきたいと存じます。

ただその上で、私ども金融庁といたしましては、本日ご示唆をいただきましたこの英国の制度もしっかり参考にしながら、関連する諸制度とのバランスも考慮しつつ、どのような対応を取り得るか、継続的に検討に努めてまいりたいと思います。

能登半島地震被災地における窃盗被害の現状
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 能登半島地震後の被災地における窃盗被害の急増について指摘
  • 2023年(震災前年)と比較した窃盗犯罪件数、摘発件数、摘発率の提示を要求
答弁
警察庁大臣官房審議官
  • 刑法犯認知件数は令和5年比で増加(令和6年229件、令和7年315件)
  • 窃盗犯についても増加傾向にある
  • 刑法犯および窃盗犯の検挙率は、前年比で低下している
全文
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まずは、能登半島地震、被災地の窃盗被害から見える今後の被災地域におけるセキュリティ対策について質問したいと思います。

2024年の元日の能登半島地震の発災以降、能登四市町における窃盗の被害が増えているというふうに聞いております。

昨年の北陸中日新聞、昨年末ですけれども、被災の能登四市町、空き家などを狙った窃盗が急増していると。

中身を見ていきますと、特にこの能登四市町ですね、2市2町が窃盗の刑法犯認知件数が過去最多だった2023年をさらに上回って、2025年は過去最多というふうになっておりますが。

そこによって、この被災地での治安対策が急務になっていると書かれております。

発災以降、地震発生の前年である2023年と比べていただきまして、窃盗犯罪件数と摘発件数、そして摘発率をそれぞれお示しください。

警察庁でまとめている犯罪統計で見ますと、令和6年、能登半島地震発生以後、和島市、珠洲市、穴水町、能登町の被災地域における刑法犯認知件数につきましては、令和6年は229件、令和7年は315件であり、震災前年の令和5年と比べると、それぞれ98件、184件増加となっております。

そのうち、窃盗犯につきましては、令和6年は178件、令和7年は242件であり、令和5年と比べますと、それぞれ94件、158件増加となっております。

刑法犯の検挙件数でございますが、令和6年は84件、令和7年は162件であり、令和5年と比べると、それぞれ24.4ポイント、9.7ポイント低下となっております。

なお、窃盗犯につきましては、令和6年は30.9%、令和7年は51.2%でありまして、令和5年と比べますと、それぞれ29.8ポイント、9.5ポイント低下となっております。

被災地における窃盗対策の取組状況
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 発生件数が増加し検挙率が低下している現状への懸念
  • 発災直後から現在までの窃盗被害に対する具体的な取締状況と取組の提示を要求
答弁
警察庁大臣官房審議官
  • 全国からの応援部隊による警戒警らや避難所訪問、防犯チラシによる啓発を実施
  • 警察庁による防犯カメラの設置を推進
  • 能登治安対策センターを設置し、移動交番車による相談対応や広報啓発を集中的に実施
全文
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これを見てみますと、発生件数に関しては2倍、3倍となっている中で、検挙率はむしろ半分以下に下がっていると思います。

前回も一回質問したことがあるんですけれども、被災地における窃盗というのは、震災の度に問題視されておりまして、窃盗の被害に対しての取締状況、発災直後から現状まで様々なフェーズがあると思いますが、現在での取組をお示しください。

令和6年、能登半島地震に際しましては、発災直後から石川県警察に加えまして、全国警察から派遣された応援部隊によりまして体制を構築し、被災地における犯罪被害の防止や被災された方々の不安の解消を図ってきたところでございます。

具体的に申し上げますと、被災地の安全安心を確保するための活動として、45都道府県から派遣された特別自動車警ら部隊等による被災地域や避難所周辺の警戒警ら、43都府県警察から派遣された女性警察官を中心とした特別生活安全部隊等によります避難所訪問や相談対応、防犯チラシを活用した広報啓発など、被災者の方々に寄り添った活動を実施したほか、警察庁におきまして、石川県内に防犯カメラを設置し、被災地の犯罪抑止を図ったところでございます。

現在におきましても、石川県警察では、被災地域を中心とした、県費による街頭防犯カメラの整備、被災地における24時間体制での警戒・警ら活動、被災地を管轄する警察署への職務質問技能に秀でた警察官の配置による各種街頭活動の強化などの治安対策を推進しております。

また、被災地域におきまして、空き家に対する侵入窃盗等の被害が増加しております現状を踏まえまして、令和8年3月30日、警察本部直轄の組織である能登治安対策センターを設置し、被災地域を中心とした警戒・警ら活動や、移動交番車による相談対応や、犯罪被害防止に関する広報啓発などを集中的に実施しているところでございます。

引き続き被災地における安全安心を確保するための取組を的確に推進し、犯罪被害の防止や被災された方々の不安の解消を図ってまいりたいと考えております。

道路警戒解除後の空き家窃盗対策
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 道路警戒が解除され居住者が戻るタイミングで空き巣被害に遭う事例を指摘
  • 過去の震災時における空き家対策の有無について質問
答弁
服部官房審議官
  • 道路通行可能後の人流増加による空き巣被害の多発を認識している
  • パトカーによるパトロール、空き家への防犯指導、主要通りや商店街への防犯カメラ設置を実施している
全文
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その中で、先ほど空き家を狙った被害ということでありまして、能登半島って半島なので海のイメージがあるかもしれませんが、ほとんど実は山であって平地が少ないんですけども。

徐々にいわゆる「ポツンと一軒家」と言われるようなところに続く道が道路警戒されていく中で、その道路警戒されてお宅まで行けるようになったと連絡が届いた頃には、その居住者が行ったときには大体空き巣に入られているというような話を、私だけで既に3件聞いております。

242分の3かもしれませんけれども、そういうところはやはり、この被災者の心をさらにえぐるようなことになると思いますし、こういう被害をぜひなくしていただきたい。

もちろん同じ方向を向いていると思いますが、これまでの震災時におけるこういった空き家に対する空き巣の対策、こういったものはございましたでしょうか。

委員ご指摘のとおり、住民の方々が避難することで空き家が多くなる地域では、寸断された道路の通行が可能となりますと外部からの人流が増加し、避難中の家屋への空き巣等の窃盗被害が多発しうるものと認識しております。

警察では、被災地におけるこれらの犯罪被害を防止するため、パトカーによる被災地でのパトロール等の警戒や、避難中の空き家に関する防犯指導を実施するとともに、避難で住民の方々が不在となる地域の街頭や、被災地域の主要な通り、商店街等に防犯カメラを設置しているところでございます。

災害時窃盗の量刑加重に関する制度的対応
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 道路警戒解除と同時に重点的な警備強化を提案
  • 災害時の窃盗(火事場泥棒)の悪質性を量刑上の加重事由として明確に位置づけるべきではないかとの提案
  • 政府の認識と今後の制度的対応について質問
答弁
平口洋 (法務大臣)
  • 加重処罰の対象とする行為の切り出しや法定刑の必要性について、多角的な観点から慎重な検討が必要である
  • 悪質と認められる事案については、検察当局が厳正に対処する
全文
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これ、結構毎回同じことを繰り返していてですね、道路警戒してだいたい72時間以内ぐらいに入られると思いますので、この道路警戒と同時に重点的にその期間を警備の強化に当たっていただきたいというふうに、そういった提案もさせていただきます。

そして、この被災地における侵入窃盗、いわゆる「火事場泥棒」とかも言われますけれども、財産犯にとどまらず被災者の生活基盤を直撃し、社会的弱者の立場にある方を極めて悪質な形で追い込むというふうに思います。

こういう犯罪に関しては、行政の体制強化はもとよりですけれども、刑事法の観点からも抑止の方向が重要だというふうに思っておりまして、少なくとも量刑上の加重事由として、その悪質性を明確にして位置づけるということに関しては、検討に値するんじゃないかと考えますが、現行法ではこうした災害時特有の悪質性が必ずしも十分に評価されていないというふうに考えます。

政府としてこういった現状をどのように認識され、今後の被災地のこともありますから、今後の制度的対応をどのように考えているのか、平口大臣の見解を伺います。

(※中略・重複箇所)……を新設することについては、具体的にどのような行為を切り出して加重処罰の対象とするのか、ただいま申し上げた現行法の法定刑では賄えないような状況が生じているのか、さらに引き上げるとしてどの程度の引き上げが必要なのかなど、多角的な観点から、その必要性を含めた慎重な検討が必要であると考えられるところでございます。

いずれにしても、検察当局においては、被災者の方々の救助に及ぶなど、悪質と認められる事案については、厳正に対処するものと承知しております。

全国的な過疎地域の空き家侵入窃盗の推移
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)

- 全国的な過疎地域における居住用空き家および敷地内倉庫への侵入窃盗件数の推移を要求

答弁
服部官房審議官

- 倉庫荒らしを含めた空き家への侵入窃盗認知件数は、令和2年以降5年連続で増加しており、令和7年は1万1958件である

全文
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能登半島もですね、もう2年4ヶ月経ちましたので、この復興のフェーズに入っていく中で、単に被災地の空き巣という意味ではなくて、全国の方に視野を広げてですね、全国的に過疎地域におけるこの空き家の空き巣、正確には居住用空き家への侵入について伺います。

居住用空き家への侵入と敷地内倉庫への侵入、いわゆる「倉庫荒らし」を合計した空き家を対象とした侵入窃盗被害の件数の推移を教えてください。

倉庫荒らしを含めた空き家に対する侵入窃盗の認知件数につきましては、統計を開始した令和2年以降、5年連続で増加しており、令和7年は1万1958件となっております。

過疎地域における今後の防犯対策
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 過疎地域の治安不安が都市部への人口集中を加速させる懸念を指摘
  • 過疎地域におけるハード面およびソフト面での今後の防犯対策について質問
答弁
政府側答弁者
  • ハード面:地方創生交付金等を活用し、自治体へ防犯カメラ設置を要請
  • ソフト面:防犯ボランティアの活性化、住民の防犯意識向上、合同パトロールの実施などの支援を行う
全文
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過去最高を更新し続けているということでございますけれども、犯罪統計資料を見ても、過疎地域だからといって犯罪が少ないとは言い難い状況もありますし、つまり「都会は治安が悪くて田舎は安心」とか、そういうことは決して正しくないと思います。

また、SNSを皆さんもどんな年代でもやられていますので、それぞれがメディアを持つようなこの時代に、人の目が行き届かない方が危険度が高いとすら捉えられるんじゃないかと思います。

そうすればさらに東京一極集中をはじめ、都市部への人口集中が加速すると思いますので、政府が今進めようとしている、例えば地域居住なんかについても、思わぬところで防犯対策みたいなところが……。

足枷となって意外と進まないみたいなことも可能性としてあり得るんじゃないかと思いますけれども、この過疎地域における今後の防犯対策、ハード面とソフト面、両方の取組についてお答えください。

人口減少に伴い過疎化する地域が今後拡大することが想定されておりますところ、警察といたしましても、これら地域の防犯力をいかに高めていくのかが重要な課題であると認識しております。

まずハード面の対策でありますけれども、一般的に過疎地域では防犯カメラの設置が進んでいないところ、例えば空き家の多い住宅街など、犯罪が実行される可能性が高いと考えられる場所に、防犯カメラの設置を働きかけていくことが重要であると認識しております。

警察では防犯カメラの設置が必要な場所を整理し、地方創生の交付金等を活用しつつ、防犯カメラの設置が一層図られるよう、自治体に必要な要請を行っているところであります。

ソフト面の対策といたしましては、防犯ボランティア団体等による地域での自主的な防犯パトロールや、子どもの見守り活動などを活性化するとともに、住民の方々お一人お一人の防犯意識を高めていくことが重要であると認識しております。

警察では、自治体と緊密な連携もしつつ、地域の住民の方々に対し、犯罪発生情報の提供、合同パトロールの実施など、必要な支援を行っているところであります。

警察といたしましては、今後ともハード・ソフトの両面を組み合わせ、過疎地域の防犯力向上のため、必要な取組を行ってまいりたいと考えております。

育成就労制度の目的と永住への想定
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)

- 育成就労制度が、一定期間の技能習得と人材循環を前提としたものか、あるいは将来的な永住を想定した設計なのか、政府の考え方を質問

答弁
出入国在留管理庁内藤次長

- 特定技能1号へのキャリアアップを図るための制度であり、永住許可につなげることを目的とした制度ではない

全文
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来年4月から施行されます育成就労制度についてまず伺います。

本制度は従来の技能実習制度を発展的に解消し、人手不足分野における人材の育成と確保を目的とするものと承知をしております。

外国人が在留資格「育成就労」の下で、就労を通じて技能や日本語能力などを身につける制度であるというふうに理解しておりますが、そこでお尋ねをいたします。

本制度はあくまでも一定期間の技能習得と人材循環を前提とした制度なのか、それとも我が国に定着し将来的な永住につながることを想定した設計となるのか、この政府の基本的な考え方をお示しください。

育成就労制度は、3年間の就労を通じて、特定技能1号の技術水準の人材として育成するための制度であり、段階的に技能等を向上させ、特定技能1号へのキャリアアップを図るものでございます。

このように育成就労制度は、永住許可につなげることを目的とした制度ではございません。

育成就労制度と建設キャリアアップシステム(CCUS)の適用
質問
出入国在留管理庁内藤次長 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 特定技能2号になれば永住申請が可能である点に触れ、永住を前提としない制度に中長期的なキャリアシステム(CCUS)を登録させることの矛盾を指摘
  • 事業者の負担増に見合う成果があるのか見解を要求
答弁
官房審議官
  • 建設分野の特有の事情に鑑み、適切な処遇確保のためCCUSへの登録を義務付けている
  • 育成就労制度においても、受入れ企業にCCUSへの登録を義務付ける方針である
全文
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さらにちょっと精度を細かく言うことになりますが、育成就労から特定技能1号を経て、熟練した技能を有し、我が国の経済社会の活性化に資する専門的技術的分野の外国人である特定技能2号まで移行した場合には、一定の要件を満たせば永住許可申請を行うことも可能になります。

今の説明ですと、最初に2号になる方は永住にもつながっていくというふうに思いますが、永住を前提としていない方を将来にわたって中長期的に日本でキャリアを積んでいくシステムに登録するということが、そもそも制度の目的と合っていないんじゃないかというふうに思いますし、このキャリアアップシステムの来年の変更というところで、育成就労の方も全て適用型ですね。

事業者側からするとお金の負担もかなり増えるわけでありますが、この負担だけを求めて成果がないんじゃないかと思いますが、見解をお願いします。

技能実習制度や特定技能制度における外国人材の受入れに当たり、建設分野では分野特有の事情に鑑みて独自の上乗せ措置を講じることにより、外国人材の適正かつ円滑な受入れを図っております。

具体的には報酬の安定的な支払いなどに加えて、技能経験に応じた適切な処遇を確保する等の観点から、受け入れ企業に対し、技能実習生及び一号特定技能外国人を建設キャリアアップシステムに登録すること等を義務づけているところです。

令和9年7月から開始される育成就労制度でも、本年1月に閣議決定した分野別運用方針において、受入れ企業に対し育成就労外国人を建設キャリアアップシステムに登録すること等を義務付ける方針をお示ししているところです。

こうした取組を通じまして、技能経験に応じた適切な処遇を確保する等の取組を進めてまいりたいと考えております。

「技人国」在留資格による偽装就労の把握状況
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 建設現場等で「技人国」資格者が本来認められていない肉体労働に従事する偽装就労の実態を指摘
  • 入管庁がこの状況をどの程度把握しているか質問
答弁
出入国在留管理庁内藤次長

- 個別の在留審査段階で疑義があれば実態調査を行い、更新不許可とする場合が一定数存在するが、具体的件数の統計は有していない

全文
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続いて、「技人国」ですね。

いわゆる「技人国」の偽装就労についても伺います。

その一方で、「技術・人文知識・国際業務」、いわゆる「技人国」と言われる、本来ホワイトカラー向けの在留資格を取得した外国人が、結果として建設現場で肉体労働をしているというケースが見受けられます。

これ一見すると柔軟な労働配置というか働き方にも思えるかもしれませんが、入管法違反となる偽装就労でありまして、企業・外国人双方に法的な重大なリスクが発生する恐れがございます。

「技人国」は専門的な知識や技術を必要とする業務に外国人が従事するということを想定にした在留資格でありまして、現場作業員とかブルーカラーの就労というのは本来認められておりませんが、建設業界でいうところの設計や施工管理やCADオペレーターなどが想定するところかと思います。

しかし、建設会社の中には、「技人国」の在留資格で外国人を雇用して、本来その資格で認められていない鉄筋工、型枠工、また鳶工だったり、石川県の事情に鑑みて言うと、被災地の解体工事なども現場作業を行わせているというのが実情としてございます。

これ言うまでもなくて、「技人国」の在留資格外の活動でありまして、こういう現場作業は本来特定技能であったり技能実習の在留資格でなければ従事することはできませんが。

質問一つ前後しますけれども、「技人国」の偽装就労についてですね、入管庁はどの程度把握をされているのかお答えください。

出入国在留管理庁においては、一般的に個別の在留審査の段階で、申請人が申請した在留資格に応じた活動を行うことについて疑義が認められれば、実態調査等を行っており、具体的件数は統計として有していないが、その結果として在留期間更新許可申請を不許可とする場合も一定数存在します。

在留資格別の雇用コストと偽装就労の因果関係
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 採用コストの安さが「技人国」による偽装就労の一因であると指摘
  • 特定技能・技能実習と「技人国」における企業側のコストの差を提示するよう要求
答弁
出入国在留管理庁内藤次長
  • 技能実習の管理費(初期約34万円、月2-3万円)や特定技能の支援委託費(月約2.8万円)の平均値を提示
  • 「技人国」の受入れ費用については申告を求めていないため把握しておらず、回答困難である
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「技人国」のいわゆる不法就労、偽装就労が起きる背景としまして、外国人を雇用する際のコスト面において、「技人国」と特定技能、技能実習では違いがありまして、単純に採用コストが安いということがそこにつながっているという一因だと私は考えています。

特定技能や技能実習制度で企業側が払う1人当たりにかかるコストはおよそいくらか、また、「技人国」の場合も同様に企業側のコストが発生するのかお示しください。

外国人の雇用に当たり、企業側が支払う費用は多岐にわたり、一概に申し上げることは困難でありますが、技能実習制度において受入れ機関が技能実習生の受入れに当たり支払う費用としては、実習管理を行う管理団体に対する管理費がございます。

また、特定技能制度につきましては、これらの管理費、支援委託費を定期的に統計数値として把握しておりませんが、過去に行われた調査に基づきましてお答えしますと、令和3年に外国人技能実習機構が実施したアンケート調査によれば、技能実習生1人当たりの管理費の平均は初期費用として約34万円、月額で約2万円から3万円。

令和4年に出入国在留管理庁が実施した調査によれば、特定技能外国人1人当たりの支援委託費の平均は月額で2万8000円となっております。

他方で、恐縮なんですけれども、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の在留申請におきましては、所属機関における就労予定外国人の受入れに係る費用について申告を求めることにはなっておりませんで、当庁として把握しておりませんので、お答えすることが困難でございます。

CCUS等による在留資格のスクリーニング
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)
  • CCUSやグリーンファイルが機能していれば在留資格の不整合を容易にスクリーニングできるはずであると指摘
  • なぜ現状で実施されていないのか、国交省の見解を要求
答弁
官房審議官
  • 在留資格の把握の重要性を認識している
  • 入管庁と協力し、在留資格データをCCUSで確認できるよう準備を進めており、今後改善される見込みである
全文
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ここでちょっと通告しておりませんが、あえてちょっと国交省に質問だけお伺いしたのですが、今現場でですね、すでに取り入れられているCCUSであったり、グリーンファイルが正しく機能していれば、こういった本来認められていない在留資格で働くというこのスクリーニングは容易にできると思いますが、これなんで今やっていないんでしょうか。

国交省としてこの問題を全く知らないとは思えないんですが、お答えをお願いします。

在留資格に基づいてきちんと働いていただくこと、非常に大事なこと、国交省としても認識しております。

現在、入管庁とも協力しまして、在留資格を国土交通省の方でデータとして受け取りまして、それをCCUSの方で確認できるようにするということを、昨年の補正措置で準備をしておりまして、今後その点について改善が進められるものと思っております。

「技人国」偽装就労への対策
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 書類審査中心の現状では実態把握が困難であり、小規模企業での管理の甘さや現場移動の多さが温床になっていると指摘
  • 入管庁に責任ある取り組みを要求
答弁
出入国在留管理庁内藤次長
  • 認められた活動内容に該当しない業務に従事させている事案が存在することを認識している
  • ガイドラインの事例拡充や、特定技能との比較資料の作成・公表などの対策を行う
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この書類だけの審査が中心になってしまうと、なかなか実態まで細かく把握できていないため、いろいろなケースを見逃す温床になっているというのが実情であると思いますし、小さな企業になれば、そういう資格の管理とかも甘くなることも容易に想像できます。

見つからなければ大丈夫というような感覚もあるかもしれませんし、建設現場特有のスポットスポットで現場が移動していくというところも、なかなか実態がつかみにくいところもあるかなというふうに思います。

さまざまなフェーズで省庁横断的になりやすいとは思いますけれども、しっかりと入管庁が責任を持って取り組んでいただきたいというふうに思いますし、今度入管法の改正のときに手数料収入が増えますので、そういったところは実際の入管庁の必要業務に予算を充てていただき、一部報道にもなっておりましたけれども、高校無償化の財源とか、そういった別のところに使うんじゃなくて、やはり困っている現場の方にしっかりと重点的に予算が行き届くように、よろしくお願いしたいと思います。

他方で、外国人を受け入れた企業等において、先生ご指摘のとおり、認められた活動内容に該当しない業務に従事させている事案が存在することは事実だと認識しております。

その背景には、先生ご指摘のとおり外国人の受入れ制度への理解が必ずしも十分ではない受入れ企業等も見受けられることから、出入国在留管理庁といたしましては、例えば在留資格「技術・人文知識・国際業務」に係るガイドラインに掲載する許可事例・不許可事例の拡充、それから在留資格「技術・人文知識・国際業務」と在留資格「特定技能」との活動内容を比較した参考資料の作成・公表、それから共生社会の実現……。

再審制度の見直しと立法事実
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)

- 救済に極めて長い年月を要する事例(袴田事件等)を挙げ、再審制度の見直しに向けた法案提出に至った立法事実について質問

答弁
平口洋 (法務大臣)
  • 手続保障が不十分であるとの指摘や、審理運営上の困難による処理遅延があることを認識している
  • 手続保障の充実と迅速化のため、所要の改正を行う必要があると考えている
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刑事訴訟法の再審規定について伺います。

連日のように報道が変わっていく中で、自民党部会の中で様々議論をされていると思いますが、今回、再審制度の見直しに向けた法案提出に至った立法事実について伺いたいと思います。

再審は無辜の救済という刑事訴訟法の根幹に関わる制度でありながら、現行制度の下では、救済に極めて長い年月を要する事例が相次いでいるところでございます。

例えば、この袴田事件であったり、福井事件なども、本当に長年、半世紀にわたる……。

再審制度に関しましては、現行刑事訴訟法の制定以来、改正が行われていないところ、近時、再審無罪事件等も相まって、再審請求者等の手続保障が必ずしも十分でないといった指摘や、手続規定が不十分であるため、審理運営上の困難が生じており、事件によっては処理が遅延しているといった指摘がなされているものと承知をしております。

こうしたことを踏まえて、法務省としては、再審制度が非常救済手続きとして、より適切に機能するよう、再審請求者等の手続保障の充実を図るとともに、手続きの円滑化、迅速化に資するため、再審制度について所要の改正を行う必要があると考えているところでございます。

再審無罪事件における第三者検証の必要性(福井事件)
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 内部検証では客観性・中立性に限界があるとし、第三者委員会の設置による検証が必要であると主張
  • 福井事件について第三者性を担保した検証を行うべきか質問
答弁
佐藤刑事局長
  • 検察当局内で問題点を検討し教訓としている。福井事件についても厳粛に受け止めている
  • 詳細の公表や第三者の導入については、プライバシーや捜査秘密などの論点があるため、個別の事案に応じて検察当局が判断して対応すべきである
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その上で、次の質問に入りたいと思うんですけれども、福井事件の検証について伺いたいと思います。

本件は長期間にわたり、再審請求が繰り返され、証拠の評価や捜査のあり方について、重大な疑問が次々指摘されてきた事案であります。

再審無罪となった事件については、単に個別の救済にとどまらず、なぜ誤判が生じたのか、その原因を客観的かつ徹底的に検証し、制度に反映させることが不可欠だと考えております。

この点、袴田事件におきましては、最高検察庁内で検証が行われたと承知をしておりますが、しかしながら、公判の一員として、捜査・公判活動のあり方が主に問われているにもかかわらず、当事者である組織が自ら内部限りで検証を行うという現在の枠組みについては、客観的、そして中立性の観点から限界があるというふうに感じております。

金沢弁護士会の再審法改正を求める決議の中でも、その決議の中の3番に、「再審無罪となった事件について、通常審理を経て有罪となった原因を独立して検証するための第三者委員会の設置を求める」というふうにされております。

理由としましては、「通常審に直接関与した裁判官や検察官が自らの誤りを検証することは困難であり、特に検察官については、後に再審無罪判決が確定したとしても、請求人こそが真犯人であるという内心を払拭することができず、十分な省察に至ることができていないというのが現在につながる実態である」というふうに文書をまとめられております。

このことを踏まえて、まさに国民の信頼を得るためには、第三者性を担保した独立した検証体制を構築することが必要でないかと考えます。

そしてその上で、福井事件については検証をすべきと考えますがいかがでしょうか。

検察当局におきましては、無罪判決等があった場合には、当該事件における捜査・公判活動の問題点を検討し、必要に応じて問題意識を共有して、反省すべきは反省し、今後の捜査・公判活動の教訓としているところでありまして、このことはご指摘の事件についても同様でございます。

その上で、検察当局においては、ご指摘の事件で前川昌司さんが相当期間にわたり、福井地裁で無罪となったことについて厳粛に受け止めているというところでございまして、また再審判決の指摘を踏まえて、検察官としては、従前の主張や証拠に誤りがあることが判明したならば速やかにそれを撤回し、必要に応じて裁判所や弁護人に経緯の説明や関係証拠の開示を行うなど、適切な是正措置を行うことがあることなどを、今一度、全国の検察官に向けて周知したところであります。

その上で、今、個別の事件があり、無罪判決等が確定した後に、検察部内の検討の詳細を公表するか否か。

につきましては、まずもって検察当局において、個々の事案に応じて検討した上で、適切に判断して対応すべきものであると考えておりますし、また第三者を入れるかということにつきましては、さまざまな事件がございまして、関係者のプライバシーであるとか、捜査の秘密であるとか、さまざまな論点がございますので、そこも含めてまずもって検察当局において、事案を検証しているという状況にあるということでございます。

再審請求後の審理期間短縮と証拠開示
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)
  • 審理期間を1年に短縮する修正案について、検察側との構造的な証拠格差がある中で、証拠開示のあり方が不透明なままでは救済につながらず、むしろ後退する恐れがあるとの懸念を表明
  • 現状の証拠開示案で十分と考えているか質問
答弁
佐藤刑事局長
  • 改正案では裁判官に開示命令の義務を課し、検察官にも開示義務を課すことで法制度的に担保する
  • 修正案の具体的な内容については、党内手続き中のため回答を差し控える
全文
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本当に一昨日ですかね、再審請求後の審理を1年とするという、こんな修正案が報じられている中身について、まだちょっとクリアになっていない部分もありますので、推察で話してしまう部分もあるかと思いますが。

この検察官による広告を前提としたままですね、この書き方ですと、前提としたまま審理期間だけを短縮しても、この無辜の救済につながるのかというと。

検察に関して、検察だけじゃないというふうに言いましたけれども、圧倒的に多く持っているのは検察側でありまして、弁護側との間には構造的なかなり格差があると言われている点を踏まえると、証拠開示のあり方もクリアにならないと、この今出ている「再審請求後の審理を1年とする」というのは、かえって後退する恐れすらあると思います。

こうした観点から、この修正案が本当に無辜の救済につながるかということを考えると、それでもこの検察官広告であったり、証拠開示のあり方というのは現状案でよろしいというふうに考えてらっしゃるでしょうか。

再審法の改正案におきましては、関連性のある証拠、再審請求理由に関係する証拠、関連のある証拠については、裁判官に証拠の開示命令の義務を課して、それから検察官にも開示する義務を課して、その証拠の開示、事件に再審請求理由に関係する証拠が開示されることを法制度の観点からも担保するものでありまして。

そういう中で、このルールを再審請求にも広げようというのが今回の法案の趣旨であります。

今ご指摘の趣旨は報道などで修正案ということがございましたけれども、今与党の党内手続におきまして、修正を含めた対応の検討を求められていることは事実でありますけれども、その内容、具体的な内容に関しまして、私から今お答えするのは差し控えさせていただきたいと思っているところであります。

再審法改正の進め方(議員立法の優先)
質問
小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ)

- 早期に方向性を示すため、まずは議員立法(議連案)を成立させ、残された論点を審議会で議論する進め方について大臣の見解を質問

答弁
平口洋 (法務大臣)
  • 議員立法への所見は差し控える
  • 刑事裁判実務に大きな影響を及ぼすため、政府の責任において検討すべきであり、法制審議会の答申や与党審査を踏まえ速やかに法案提出できるよう尽力する
全文
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時間がなくなりましたので、最後の問いに行きたいと思いますけれども、まずは、やはり唯一の立法機関である国会において、議員立法、昨年、最新法改正案、議連案を出しましたけれども、まずは、この議員立法を早期に実現させて、速やかに方向性を示すことが重要であると思いますし、法制審自体を全く否定するものではなくて、法案で早く改正案を成立させて、残された論点について審議会の中で審議を尽くしていくという役割分担にした方がいいんじゃないかと思いますが、この進め方、考え方、議連案が中心となってまず進めていくということに関じて、大臣の御見解をお願いします。

まず、議員立法に関わる事柄につきまして、法務大臣としては所見を述べることは差し控えたいと思います。

その上で、最新制度の改正は、基本法である刑事訴訟法の改正に関わるものであり、刑事裁判実務に非常に大きな影響を及ぼすものであることから、まず政府の責任において検討すべきものと考えております。

法務省としては、法制審議会の答申を重く受け止めつつ、与党内審査における議論も踏まえて、できるだけ速やかに法案を提出できるよう、力を尽くしてまいりたいと考えております。

発言全文

井上英孝 (法務委員長) 1発言 ▶ 動画
委員長 井上英孝

これより、会議を開きます。

裁判所の司法行政、法務行政、及び検察行政、国内地や人権擁護に関する件について、調査を進めます。

この際、お諮りいたします。

各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配布いたしておりますとおり、警察庁長官官房総括審議官、土屋昭次君、他19名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

ご異議なしと認めます。

よってそのように決しました。

次にお諮りいたします。

本日お手元に配付いたしておりますとおり、最高裁判所事務総局総務局長、清藤健一君ほか2名から、出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

ご異議なしと認めます。

よって、そのように決しました。

質疑の申出がありますので、順次これを許します。

保岡宏武 (自由民主党・無所属の会) 19発言 ▶ 動画
委員長 井上英孝

井上英孝委員長:保岡宏武君。

質疑者 保岡宏武

保岡宏武:おはようございます。

自由民主党の保岡宏武です。

質問の機会をいただき、ありがとうございます。

外国人の育成就労制度や、妊婦と胎児症、この後和田議員が質問されるというふうに伺っておりますが、についても質問をしたかったのですが、15分と時間も限られておりますので、今春4月1日に改正施行されました、父母の離婚後の養育に関するルール一本に絞って、本日は質問をさせていただければと思います。

これは昨日、尾崎委員や鈴木委員の質疑の中にもありまして、国民の関心も非常に高いテーマの一つだというふうに考えております。

ちなみに、昨年2025年の日本の離婚件数が18.4万人、1日当たり平均504組。

三組に一組のカップルが離婚をしているという計算です。

うち未成年の子がいるケースが全体の5から6割弱、昨年1年で約10万組の夫婦が未成年の子を抱えて離婚をしております。

一組当たり、大体1.5人の子供というふうに仮に計算をしますと、1年で親の離婚の影響を受けている未成年の子供が約15万人。

養育費、親子交流に関するルールを見直しております。

明確化された親の責務は以下の4つです。

子どもの人格の尊重、子どもの扶養、子どもの利益のための親権行使、そして、父母間の人権、人格尊重、協力義務。

ただし、これはDVや虐待から避難するために必要な場合は、その限りではないということも書かれております。

2024年5月の法改正から約2年間、法務省はこのルール改正のアナウンス・周知をどのようにしてこられたかお示しください。

答弁者 法務省民事局長

法務省民事局長:お答え申し上げます。

法務省は令和6年民法等改正法の円滑な施行に向けて、関係府省庁等とも連携し、改正法のパンフレットやQ&A形式の解説資料、動画等を活用して、離婚を検討している方をはじめ、国民や関係機関に対する周知を行ってまいりました。

また、改正法の趣旨、内容を踏まえた適切な運用が行われることが重要であるとの観点から、法務省は自治体や裁判所、各地の弁護士会等での研修に積極的に協力をし、改正法の成立から、本年3月末までの約2年間で合計39回説明会を実施してまいりました。

説明会では改正法の趣旨内容や改正法に関する国会での議論の状況等を説明した上で、法務省における施行準備の状況等についても情報提供を行ってきました。

法務省は、研修等に協力する立場でございまして、その説明会への参加人数を詳細には把握しておりませんけれども、対面での参加のほか、オンラインでの参加や、説明会の録画を視聴していただく方法等により、相当数の方に説明を聞いていただけたものと伺っております。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長:保岡宏武君。

質疑者 保岡宏武

保岡宏武:ありがとうございます。

現在、離婚件数の87%が協議離婚、そして13%が調停や裁判による離婚というふうに聞いております。

今後、単独親権化を決定するなど、調停による離婚が増加する可能性があるというふうに考えますが、その中心的役割を担う家事調停員などに向けては、どのぐらいの研修を行ったのかお示しください。

答弁者 最高裁判所家庭局長

最高裁判所家庭局長:お答えいたします。

調停員に対しましては、各家庭裁判所におきまして、改正法の施行を見据えて、昨年度、令和7年度の年間を通じて研修を実施してきたものと承知しております。

研修をどのように行ったかについて、最高裁として、網羅的に把握しているものではございませんが、一般的には裁判官等の裁判所職員が講師になるなどして、改正法の基本的な知識を付与するための講義を行うほか、その内容も踏まえた形で事例研究を行うなど、実践的な内容の研修も行っているものと承知しております。

また、裁判官等が出席する全国的な協議会等におきましては、調停員に対する研修の重要性や、各家庭裁判所の具体的な取組の内容等の共有が図られておりまして、ただ今申し上げたような各研修は、このように全国的に共有された内容等を踏まえて、各家庭裁判所において実施されているものと考えているところでございます。

最高裁といたしましては、引き続き、調停員に対する充実した研修が円滑に行われるよう、必要な情報提供をしたり、情報共有の場を作ったりするなど、各家庭裁判所に対して様々な支援をしてまいりたいと考えております。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長:保岡宏武君。

質疑者 保岡宏武

保岡宏武:ありがとうございます。

改正施行された4月1日以降、入学式や入園式も多く行われております。

今回のルール改正に際して、市町村レベルや学校レベルの対応がまちまちとなると、「あっちではOKだったことが、ここでは駄目だった」とか、現場から様々な声が上がってきているということも聞いております。

今回のルール改正の周知と対応について、文科省、こども家庭庁は事務連絡を出したというふうに聞いておりますが、これが考え方の紹介や周知にとどまり、学校現場の具体的な運用統一や是正の効力を要する内容になっていないのではないかという指摘もあります。

学校などへの今回のルール改正の周知と対応をどのように準備してきたか、また今後現場の混乱を避けるためにも、学校現場や親からの相談窓口などを設けることも必要というふうに考えますが、見解をお示しください。

文部科学省堀野大臣官房学習基盤審議官。

答弁者 文部科学省堀野大臣官房学習基盤審議官

お答え申し上げます。

共同親権に係る学校での対応の内容につきましては、文部科学省を含む関係府省庁連絡会議において作成されたQ&A形式の解説資料に含まれております。

特に学校行事の参加につきましては、この資料の中でも、子と同居しているか否かに関わらず、親権者が単独で子の参加に関する判断を行うことができるなど、具体的に明記をしております。

文部科学省としては、こうしたことについて、昨年10月1日に事務連絡を発出したことに加えまして、その直後及び本年2月の会議で都道府県教育委員会等に対して周知を図ってまいりました。

来月5月には、かなり大規模な市町村の教育庁、全国都市教育庁協議会ですとか、全国町村教育庁会定期総会、また全国町村教育委員会連合会、これは教育委員さんも。

西村智奈美君。

こういった学校現場に近い市町村の教育庁にしっかりとポイントを絞って説明をして、周知に取り組んでまいりたいと思います。

また、親権者からの相談窓口につきましては、共同親権者間で協議が整わないなどの個別具体的な内容に関しては、弁護士にご相談いただければと思いますけれども、例えば合意が整った協議結果を踏まえた学校行事の参加規模、それに係る相談につきまして、当該学校や設置者である教育委員会にご相談をいただければと考えているところでございます。

委員長。

すみません。

もう一つ、こども家庭庁だった。

すみません。

答弁者 こども家庭庁水田長官官房審議官

こども家庭庁、水田長官官房審議官。

お答えいたします。

保育所等におきましては、日頃より保育所保育指針等に基づき、一人一人の保護者の状況やその意向を理解・受容し、それぞれの親子関係や家庭生活等に配慮しながら、さまざまな機会をとらえ、適切に保護者を援助することとしております。

保育所等が保護者に参加を呼びかけました行事等について、親権者として事前に申し出ている者から参加希望があった際には、保護者や家庭の状況なども考慮しつつ、職員間で連携を図りながら適切に援助をしているものと承知しております。

質疑者 保岡宏武

保岡宏武。

ありがとうございます。

ぜひ現場で混乱が起きないように周知していって、そしてまたきめ細やかな対応をよろしくお願いいたします。

続きまして法改正のアナウンスはこのように非常に大事でございます。

各自治体のホームページなどもそうでございますが、例えば杉並区のように本当に丁寧に作られているものもあれば、残念ながら我が鹿児島市などは一行程度で出しましたというようなレベルで自治体によって濃淡がございます。

また、今後、連れ去りなどに対する警察の対応なども課題になってくると思いますが、ルール改正の周知や対応のアナウンス、これで十分であったのか、また今後どのような点に留意していかれるのか、平口大臣の見解をお示しください。

平口法務大臣。

答弁者 平口法務大臣

お答えをいたします。

法務省は改正法の趣旨内容について説明会を実施したほか、解説動画を公開したり、パンフレットやポスター、Q&A形式の解説資料を作成するなどして、関係府省庁等とも連携して、離婚を検討している方や、関係官に対し、これらを活用した周知広報に取り組んでまいったところでございます。

また、各自治体に対しては、令和8年1月にウェブサイトに改正法の情報を掲載することを依頼する旨の通知を発出しております。

改正法の趣旨内容を含めた適切な運用が行われることは大変重要なことであり、改正法の施行後の状況等も踏まえながら、引き続き関係府省庁等とも連携して周知広報に努めてまいりたいと考えております。

委員長 井上英孝

委員長。

質疑者 保岡宏武

保岡宏武君。

ありがとうございます。

時間の関係で次の質問は飛ばさせていただきます。

今後の課題について伺いたいと思います。

米国の離婚、特に親権面会交流を含む案件では、ドメスティックバイオレンスのスクリーニングというのは、かなり制度化をされていると聞いております。

これは単なる有無の確認だけではなくて、交渉の安全性、自由意思の確保が可能かを判断するプロセスとして行われていると聞いております。

おります。

今回義務化はできませんでしたけれども、本改正の大事なポイントである、多くの父母に子どものための共同養育計画書の作成を目指すためにも、今回このスクリーニングは導入はされておりませんが、この米国型の離婚時DVスクリーニングの視点というのは非常に大事なポイントだというふうに私は考えております。

今後このルール改正をより良いものにする。

三谷副大臣。

答弁者 三谷副大臣

それでは自由にお答えさせていただきます。

まず裁判離婚の手続におきましては、親権者を定める際に改正民法の規定の趣旨に従いまして、当事者双方の主張と証拠に基づきまして、適切な判断がされるものというふうに認識しております。

他方で、協議離婚の際ではございますけれども、これはまさに保岡委員の問題意識で、本当にそのとおりでございまして、DVにより親権者について、真意によらない合意がされることを防ぐことというのは、DV被害者の安全や子どもの利益を確保する観点から非常に重要であると考えております。

DVがある場合には弁護士等の支援を受けたり、家庭裁判所の調停・審判等を利用したりしていただくことが重要であると考えておりまして、法務省作成のパンフレットには、安全安心な話し合いが難しいときは無理に話し合う必要はないことを繰り返し記載して注意喚起しているところでございます。

改正法につきましては、附則19条2項において、政府は改正法の施行後5年を目途として施行の状況等を勘案し、父母の離婚後の子の養育に係る制度及び支援施策のあり方等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされているところでございます。

御案内のとおり、先ほど御指摘いただきましたとおり、我が国では協議離婚というものが圧倒的に多いという、そういった各制度において、それぞれの制度に違いがあるということがありますけれども、先ほど御指摘いただきました問題意識も踏まえまして、施行の状況を適切に把握した上で、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

以上です。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長(または委員長)

質疑者 保岡宏武

保岡宏武君。

ありがとうございます。

子どもの成長は本当に早いです。

親にとっても子どもにとっても未成年の時期の1年1年というのは本当にかけがえのないものでありまして、少しでもこの新しいルールの下で子どもの利益にかなうような社会実装をしていってもらいたいというふうに思います。

また、さまざまな課題についても予算措置がいるのであれば、私を含め多くの議員が法務省を後押ししてくれると思いますので、どうか頑張っていただきたいと思います。

最後に大臣に質問させていただきます。

今回、法改正の周知やスクリーニングなどの課題はあると思いますが、何より改正前に既に離婚をしている方々も多く、今回の改正事項はしっかり適用反映されるのかといった不安を抱いている国民も多いことと思います。

国民の皆さん、それでは、父母・子どもに向かって、分かりやすい今回の法改正に向けたメッセージをお願いいたします。

平口法務大臣。

答弁者 平口法務大臣

お答えをいたします。

改正法施行前に離婚した場合も含め、改正法の趣旨や内容を踏まえた適切な運用が行われるということは重要であると思います。

このような観点から、法務省としましては、引き続き関係府省庁等とも連携し、様々な手段を活用して、周知広報に取り組んでいきたいと考えております。

また、改正法の施行の状況等を踏まえまして、制度の必要な見直しを検討することも重要であるというふうに認識しております。

改正法の附則19条第2項の趣旨も踏まえ、まずは施行の状況を適切に把握した上で、必要な対応を検討してまいりたいというふうに思います。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長保岡宏武君、ありがとうございました。

終わります。

和田政宗 (参政党) 36発言 ▶ 動画
委員長 井上英孝

次に和田政宗君。

質疑者 和田政宗

参政党の和田政宗です。

参政党は子ども子育てを政策の根幹に掲げており、特にお母さんと子どものつながりを大切にし、子どもが幼いときにお母さんがそばにいられる仕組みや社会づくりに取り組んでいます。

安心して子育てができる、家庭を守り、家族を守り、子どもたちが将来に生き生きと希望を持って成長することができる日本とすることが、参政党の政策です。

そうした中、妊婦と胎児をめぐり、法令上の空白があり、法改正すべきではないかという観点で質問をいたします。

昨年5月、愛知県一宮市で妊娠9ヶ月の時谷さやかさんが、散歩中に後方から突っ込んできた車にはねられ、重体となり、緊急帝王切開手術で女の子が生まれました。

時谷さやかさんは事故の2日後に死亡し、生まれた女の子ひなみちゃんは、今も意識不明の重体が続いています。

このような状況にもかかわらず、ひなみちゃんは事故時に胎児であったため、刑法上、交通事故の被害者と認められないという現実があります。

刑法においては、胎児への加害は母体の一部への傷害と見なされ、胎児が人として扱われないためです。

時谷さやかさんの夫であり、ひなみちゃんの父親の雄大さんは、ひなみちゃんも被害者と認めてほしいと訴え、オンライン署名を行い、その数は13万8000筆になりました。

こうした多くの署名や社会における声が後押しをし、現在行われている刑事裁判において、訴因変更が行われ、胎児であったひなみちゃんに、事故により障害が残った事実が追記されました。

しかし依然として刑法上、胎児は人として認められておらず、ひなみちゃんへの加害について、過失運転致傷罪による起訴はなされていません。

あくまで胎児への加害は、母体の一部への傷害とみなされ、胎児が人として扱われない状況は変わっていません。

私は時谷さやかさんの父親であり、ひなみちゃんの祖父である水川敦史さんにお話を伺いました。

ひなみちゃんが困難な状況の中で懸命に生きていること、家族が懸命に支えていること、そうした中でひなみちゃんが交通事故の被害者として扱われず、刑事責任が問われない現状に対し、制度上の空白があると非常に苦しまれています。

法務省に質問をいたします。

刑法上、胎児が人と認められず、交通事故で被害を受けても被害者として扱われないのはなぜかお聞きをします。

答弁者 佐藤刑事局長

佐藤刑事局長、お答えいたします。

一般論として申し上げれば、刑法犯の客体である人とは、後遺者以外の自然人を指し、人の始期は出生であるものと解されているものと承知しているところでございます。

また、刑法上の出生は、これ、大審院の判例上、胎児の一部が母体から露出した時点とされていることから、母体から未だ露出していない胎児については、刑法犯の客体である人には含まれないと解されているものと承知しているところでございます。

委員長 井上英孝

和田政宗君。

質疑者 和田政宗

これは、事実関係を確認しますと、これは刑法ができた当初から、そういうような形であるというふうに思うんですが、後段の方でお話をいたしますが、医学の進歩によって、やはり胎児の人権性であるとか、そういったものというのもかなりわかってきていますので、これはちょっと後段でお聞きをしたいというふうに思います。

交通事故による母体への加害行為が原因で、胎児が出生後に亡くなったり、負傷して誕生した場合、胎児を対象にした自動車運転死傷処罰法の適用は可能かどうか。

困難な場合は、その理由は何かお聞きをします。

答弁者 佐藤刑事局長

佐藤刑事局長、お答えいたします。

犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき、個別に判断されるべき事柄でありますので、法務省当局としてお答えすることが困難であることはご理解いただきたいと思いますが、その上で、いわゆる水俣病に関する最高裁の決定でありますが、胎児の間にメチル水銀の影響で脳の形成に異常をきたし、出生後、水俣病の影響で死亡するに至った被害者に対する業務上過失致死の成否について、争点となったものでありまして、この最高裁決定は、胎児に病変を発生させることは人である母体の一部に対するものとして人に病変を発生させることにほかならず、胎児が出生し人となった後、その病変に起因して死亡するに至った場合は、結局人に病変を発生させて人に死の結果をもたらしたことに帰するとして、業務上過失致死の成立を認めた事例はあるということでありますが、先ほどの当初のお答え通り、やはり犯罪成否は収集された証拠によるということになるかと思います。

委員長 井上英孝

和田政宗君。

質疑者 和田政宗

これは個別の裁判例などを調べますと、このまさに水俣病の判決、関連する判決をもとに、大臣に対しての加害行為を認めている事例も少数ではありますので、これは個別事例について法務省がお答えになれないというのは承知をいたしますけれども、これはしっかりとこの後皆様方にも提起をしていきたいというふうに思います。

刑法の改正というものが私は必要であるというふうに思っています。

民法上のことを聞きます。

民法上、胎児は損害賠償の請求においてどのように扱われるでしょうか。

答弁者 松井民事局長

法務省松井民事局長。

お答え申し上げます。

民法第3条第1項は、私権の享有は出生に始まると規定しており、原則として胎児は権利能力が認められません。

しかし、出生すれば権利能力者となる胎児について、出生前に一切の権利取得を否定するのは不公平であるという趣旨から、民法第721条は、胎児は損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなすと規定をしております。

従いまして、胎児は、胎児であるときに受けた不法行為について、生きて生まれた後は、損害賠償請求をすることができると解されております。

委員長 井上英孝

和田政宗君。

質疑者 和田政宗

これは民法では胎児の権利請求というものを認めているというようなことが、今、民法721条だというふうに認識をしておりますけれども、お聞きします。

胎児に対して憲法上と民法上の違いが生じているというふうに考えるんですが、これはなぜ生じているんでしょうか。

答弁者 佐藤刑事局長

佐藤刑事局長。

お答えいたします。

委員ご指摘のような違いが生じているということでありますが、民法上は先ほど答弁がありましたとおり、原則として胎児は権利能力が認められないが、既に生まれていたこと、胎児の均衡の観点から、胎児による出生後の損害賠償請求等が可能とされているところでございます。

このような違いが生じているのは、刑法においては、どの段階から刑法上の保護を及ぼすのが相当かという問題であるのに対しまして、民法においてはどのような場合に私法上の権利を有する主体として扱うのが適切かという問題であるという視点の違いによるものかと理解しております。

委員長 井上英孝

和田政宗君。

質疑者 和田政宗

事実関係を引き続き整理をしていきますけれども、胎児の出生後に重い障害が残っても、胎児が人として扱われないために、刑事事件上、被害者は母親1人として扱われ、結果の重大さが量刑に反映されない。

これについての問題意識はどのように考えていますか。

答弁者 佐藤刑事局長

佐藤刑事局長。

お答えいたします。

お尋ねは裁判所の判断に関わる事柄でありますので、本当局としてお答えをすることは差し控えますけれども、その上で一般論として申し上げれば、検察当局においては個別の事案ごとに法と証拠に基づいて犯行に至る経緯や犯行態様の悪質性、被害結果の重大性等、量刑に影響を及ぼす各種の事情を総合的に考慮して求刑を決しているところでありまして、ご指摘のような母体に対する行為によって胎児が出生した後に重い障害を負うこととなったという事実に関しては、被害結果の重大性等において考慮されるべきものとして、求刑を決しているものと承知しているところでございます。

委員長 井上英孝

和田政宗君。

質疑者 和田政宗

ここまでお聞きをしていきますと、これは母体保護法なども絡んでくるというか、示されていたりしますけれども、刑法上、どこから人なのか、妊娠何週から人なのかという整理がつけば、私はこれしっかりと胎児を人として扱うことができるのではないかというふうに思っております。

これについてもこの後の質問、法務大臣にもお聞きをして、引き続きこの委員会でも聞いていきたいというふうに思いますが、妊婦が被害者となっている交通事故、これは年間何件か。

また妊婦の死傷者数、胎児の死傷者数はどうなっているのか、警察庁にお聞きをします。

答弁者 安倍長官官房審議官

警察庁、安倍長官官房審議官。

お答えいたします。

お尋ねの数値につきましては、いずれも交通事故統計の項目にないことから把握していないところでございます。

委員長 井上英孝

和田政宗君。

質疑者 和田政宗

ごめんなさい。

これ、なぜ調べていないのかというところをお聞かせください。

答弁者 安倍長官官房審議官

安倍長官官房審議官。

お答えいたします。

交通事故捜査の現場におきまして、外見などから被害者が妊婦であることや、胎児の有無を網羅的に把握することは困難でありますことから、正確性が求められる交通事故統計として、集計していないところでございます。

委員長 井上英孝

和田政宗君。

質疑者 和田政宗

正確性云々というのはあるわけで、という答弁でありますけれども、これは政府全体で少子化対策に取り組んでいるということ、また妊婦の事故というものも、これは各国の統計を見ると、少ないとは決して言えない交通事故の件数の中で、というふうに統計上これはあるわけであります。

ですので、これは法を守る交通安全政策というものも警察庁においてしっかりとやはり立案をしていただきたいというふうに思いますので、これは調査して取り組んでいただきたいというふうに思います。

これ以上質問してもですので、これは要請としてしっかりとお願いをしたいというふうに思います。

そして厚生労働省にお聞きをします。

子ども家庭庁にも併せてお聞きをいたします。

胎児期の負傷により、出生後に障害を負った子どもと家族への医療福祉の支援はどうなっているのか、お答えをお願いします。

答弁者 社会援護局障害保険福祉部長

厚生労働省社会援護局障害保険福祉部長。

はい、お答え申し上げます。

この国は国民皆保険をとっておりますので、生まれた子どもというのは当然国民皆保険の対象になって、医療保険制度の提供による医療サービスが提供されるということになりますが、それに加えまして、胎児期の受傷であるかどうかとかといったこういった原因にかかわらず、障害のあるお子さんに対してはその障害の状態を軽減するための医療、例えば関節拘縮であれば人工関節の置き換え術などといったものが対象になるんですが、こういった障害状態を軽減するための医療について、その医療費の自己負担……。

答弁者 子ども家庭庁大臣官房審議官

子ども家庭庁大臣官房審議官。

お答えいたします。

胎児期の受傷により障害を起きたお子様も含めまして、医療的ケア児とそのご家族に対しては、地域の保健・医療・福祉・教育等の関係機関が連携して切れ目のない支援を行っていくことが重要であります。

子ども家庭庁では、医療的ケア児とそのご家族に対する相談支援などを行う医療的ケア児支援センターを全都道府県に設置し、関係機関との連絡調整や人材育成に取り組むなど、地域の医療的ケア児等支援体制の中核となる医療的ケア児等コーディネーターの配置に財政支援を行うなど、その整備を進めてまいりました。

また、令和6年度の報酬改定においては、家族支援を推進する観点から、児童発達支援などの障害児支援サービスを利用する場合における、預かりニーズへの対応や家族支援に関する加算の創設や見直しを行ったところでございます。

引き続き、医療的ケア児も含め、障害のあるお子さんとそのご家族が安心して地域生活を送ることができるよう、しっかり取り組んでまいります。

委員長 井上英孝

和田政宗君。

質疑者 和田政宗

今、答弁にありましたように、この障害のあるお子さんと家族がしっかりと、国また地域において支援が受けられるな、こういうような、やはりサポートというものが極めて重要でありますので、引き続きお願いをしたいというふうに思います。

法務大臣にお聞きをいたします。

刑法上、胎児への加害、これは母体の一部への障害として現在扱われています。

ただ、この医学の進歩により、私、医学界、さまざまな産婦人科、外科先生方にお聞きをいたしましたけれども、今、胎児を子宮外に一部取り出して治療をしたりですとか、胎児の成長過程での人間性、もう皆さん御存じのとおり、4か月5か月になってくると、もう手の指がしっかり分かれて、そしてお腹の中でも活発に活動するというような状況、こういった成長過程での人間性というものは証明されているわけです。

しかしながら、刑法では胎児が人として扱われないというのは非常におかしいという声が多くあります。

自賠責保険も胎児の負傷を独立した障害として扱っていまして、出生後の障害を胎児期に受けた負傷として認めております。

胎児期に受けた負傷が出生後の障害につながった場合に、胎児期に受けた負傷を人の被害として認めて、加害者に適切な刑事責任を問えるよう、自動車運転死傷行為処罰法における処罰規定、そして刑法の見直しを図るべきと考えますが、法務大臣いかがでしょうか。

法務大臣 平口洋

平口法務大臣。

お答えいたします。

刑法や自動車運転死傷処罰法においては、一般に胎児は人そのものではなく、母体の一部を構成するものと解されており、母体に対する有形力の行使によって胎児に障害結果が生じた場合には、母体に被害が生じたものと捉えられております。

その上で、胎児を刑法等において人そのものとして位置づけるかどうかというのは、人の生命観、倫理観に深く関わる事柄である上、胎児をどの段階から人として扱うべきか、あるいは、現行法の下では不可罰となっている過失により胎児を死亡させる行為等が処罰の対象となり得るのではないかといったような課題があり、慎重かつ丁寧な検討が必要であると考えております。

この問題については幅広い観点からの議論が十分に積み重ねられることが重要であり、その動向を見守っていきたいと考えております。

委員長 井上英孝

和田政宗君。

質疑者 和田政宗

今、大臣の答弁でも、「どの段階から人として扱うのか」というお言葉がありました。

先ほど、刑事局長も同様の答弁をしておりました。

これ、通告していませんので、さらに問うという形でお答えをいただきたいと思うんですけれども、これ、どの段階から人として扱うのかという観点も、これは存在し得るということでよろしいんでしょうか。

答弁者 佐藤刑事局長

佐藤刑事局長。

お答えいたします。

私、すみません、医療の経営のことについて詳しいわけではありませんけれども、胎児といってもいろいろな段階があると思いますので、時間とか度合いがあると思います。

ですので、その議論はやはりこの論点において議論が必要になってくるのではないかと思います。

委員長 井上英孝

和田政宗君。

質疑者 和田政宗

これ、さらに大臣にお聞きをしたいと思うんですけれども、交通事故で被害を受けた胎児ですね。

生まれて、そして成長していくわけでありますが、被害者参加制度の対象とすべきというふうに私は考えますが、これはいかがでしょうか。

法務大臣 平口洋

平口法務大臣。

例えばご指摘のような、胎児の母親が交通事故により亡くなった事案については、現行刑事訴訟法においても、出生した子は過失運転致死罪の被害者である母親の直系の親族として、被害者参加制度を利用し得ると。

胎児を人そのものとして位置づけることについては、先ほど申し上げた課題がございまして、慎重かつ丁寧な検討が必要であると考えております。

委員長 井上英孝

和田政宗君。

質疑者 和田政宗

事前の法務省とのやりとりは、「胎児を人として位置付けた場合に、さまざまな法令が影響を受ける」ということの回答でありました。

かなり釈明的な回答であるなというふうに思ったんですが、その後、今日この質疑があるにあたって、だいぶそこから深掘りをしてくれたのではないかなということを答弁においては感じました。

これはまさに皆さん、私の質疑も聞いていただいて思うと思うんですが、やはり私は不備だというふうに、不備というか、法令上やはり空白になっている部分であるというふうに思うんですよね。

刑法発足当時というのはもう明治期にありますので、そこでの人の位置づけというものはこうだということがあったんだというふうに思います。

ただ、その後の医学の進歩によって、胎児ももう人なんだというようなことがわかってきている中で、これはやはりひなみさんの事例においてはですね、お母さんが妊娠9ヶ月であったということの中で、緊急帝王切開で生まれてですね、人ではない、人として扱わない、刑法上ですね。

これはちょっとやはり、繰り返しになりますけれども、民法も自賠責保険もですね、これはもうまさにそういう権利能力というものを、権利があるということを認めているわけですから。

これはやはり私は、この刑法の改正というものを与野党で考えていかなくてはならない。

政府においてももしっかり考えていただきたい。

このように思います。

なお、3月に愛知県議会で、前回一致で可決になりましたけれども、「交通事故等による被害を受けた胎児に係る法整備についての意見書」、これが前回一致で可決しております。

与野党とともにですね。

ですので、やはりこういった制度の空白の課題というものは、もう今こういう現実上に鑑みても動くべきであるというふうに思います。

ひなみさんのご家族、これはおじいさまの水川さんが中心となっていますけれども、新たな署名活動も開始をしています。

「お腹の赤ちゃんは人ではないのですか。

法務省へ交通事故等による被害を受けた胎児にかかる法整備を求めます」。

こういう署名活動で、もうどんどん署名が積み上がっています。

このひなみちゃんの事例につきましては、各種報道、また先ほど述べた署名活動、こういったことの中で、国民の中、また政治家の皆さんの中でもですね、「これはちょっと何としても改善をしなくてはならない」ということで動き始めています。

自民党におかれても議員連盟の発足の動きがあるというようなことも側聞しておりますし、これは野党の皆さん、そして維新の皆さんにおかれてもですね、これ課題意識を持っていただけるのであればですね、共にやはりこの改正というものをやっていかなくてはならないというふうに思っております。

法務省におかれては、これ刑法上、その人として例えば何週からなのかとかですね、そういう医学的見地もしっかりと踏まえながらということが必要だというようなことのもとですね。

ご答弁いただいているんだと思いますけれども、繰り返しになりますが、昨日までのやり取りからすると、かなり踏み込んで課題意識を持っていただいているというふうに思っております。

そういったことも含めて、実際にこのように苦しんでいらっしゃる方がいらっしゃって、「もう国民にこれはやはり変えるべきだろう」というような共感が広がっている中で、この空白を放置をするということは、私はおかしいというふうに思います。

変えていかなくてはならないというふうに思います。

政治は課題の改善のためにある。

私はそれをもとに行動していきたいというふうに思いますし、これはもう与野党皆さんのお力、そして政府のお力が必要でありますので、繰り返し、引き続きこの質問はやってまいります。

何卒皆様のご協力、ご指導、よろしくお願いをいたします。

以上で終わります。

西村智奈美 (中道改革連合・無所属) 41発言 ▶ 動画
委員長 井上英孝

井上英孝君。

次に西村智奈美君。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美:前回の一般質疑で、私は昨年の3月26日に衆議院の法務委員会で行われました刑事司法に関する参考人質疑、この関連で質問をいたしました。

プレサンス事件と大河原事件、この2つをご紹介し、いずれも長期にわたる拘束、そして保釈が認められないことで、言ってみれば人生そのものに大変大きな損失を受けたということがあって、そのご紹介をさせていただき、大臣からもそれについての見解をいただきました。

今日はその件に関して具体的に伺っていきたいと思っております。

やはり「人質司法」などと言われる状況は、司法に対する信頼を大変大きく揺らがせるものだと思います。

「下を向け」と大声で怒鳴られ、奴隷のような屈辱的な扱いをされました。

私たちの処罰は逮捕の瞬間から始まっていました。

その処罰は有罪判決を受けてから始まるべきだと思います。

無罪の推定はどこに行ったんでしょうか。

こういう形で島田参考人はご自身の経験を語っておられました。

被疑者の段階では、罪が確定していないにもかかわらず、一般人には決して許されない、このような処遇、取扱いですね。

こういったことを実際に行っているのかどうか、行われているのかどうか、警察に伺いたいと思います。

警察庁、土屋長官官房総括審議官。

政府参考人 土屋長官官房総括審議官

土屋長官官房総括審議官:お答えします。

昨年3月26日の本委員会の参考人質疑におきまして、大河原化工機株式会社元取締役の島田参考人から、委員ご指摘のようなご発言があったことは承知しておりますけれども、例えば番号での呼称につきましては、被留置者ご自身のプライバシーへの配慮のために、また手錠等の使用は逃走等の防止のために行っているところでございます。

いずれにせよ、警察におきましては刑事収容施設法に基づき、被留置者の人権を尊重して適正な留置管理業務の推進に取り組んでいるところでございます。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美:今の御答弁は、島田参考人が読み上げたようなこのような処遇を、実際に警察の留置所の中では行われているということでよろしいですか。

他の方々、被疑者の段階の方々に対しても同じような取扱いがされているということでしょうか。

政府参考人 土屋長官官房総括審議官

土屋長官官房総括審議官:繰り返しになりますけれども、警察におきましては、これ一般的な運用でございますけれども、被留置者の氏名が他の被留置者に知られないようにプライバシーに配慮するために番号で呼称したり、また移動時には逃走や自傷、互いの防止などのために、手錠や腰縄を使用したりするなど、必要な措置をとっているところでございます。

また重ねて一般論として申し上げますと、被留置者のプライバシー保護等の観点から、被留置者同士が顔を合わせることのないように、移動の際には下を向くように指導するという運用はあると承知しております。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美:今のお答えは、それはプライバシーの保護といったようなことはあるとしても、「大声で怒鳴られ奴隷のような屈辱的な扱いをされました」というふうに、実際にそのような処遇を受けた参考人がおっしゃっているということです。

実際に一般人に対してはそういったことは決して許されないというふうに思う処遇が実際に行われているという中で、それは例えば今ご説明になられたようなプライバシーの保護、逃亡の恐れ、それから自傷、互いの……。

政府参考人 土屋長官官房総括審議官

土屋長官官房総括審議官:お答え申し上げます。

警察におきましては、番号での呼称、手錠や腰縄の使用、これは必要な措置として行っているところでございます。

ご指摘の憲法第18条の奴隷的拘束ですとか、あるいは人道に反する契機ですとか、これらに当たる処遇は行ってはいないということでございます。

被留置者の人権を尊重することは当然のことでございます。

引き続き適正に留置管理業務を推進してまいります。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美:島田参考人の陳述とあまりにかけ離れている答弁で、私はとても納得できないんですけれども、やはりこういった取扱いに関する、一つの行為に対する評価の違い、認識の違いというのは、やはり私は今の日本の司法制度の中である種欠陥があるというふうに、その原因は思わざるを得ないんですよね。

やはり無罪推定の原則、これを明文化することですとか、それから身体拘束の原則、これを明文化することですとか、やはり被疑者の段階ではそういったことが必要なんじゃないかというふうに私自身は思うんですけれども、これは法務省に対する見解を伺いたいと思います。

政府参考人 佐藤刑事局長

法務省佐藤刑事局長:お答えいたします。

一般論として申し上げますと、被疑者・被告人の身柄拘束につきましては、個別の事案に応じて裁判所または裁判官によって刑事訴訟法に定める要件の有無が判断されているところでございます。

その上で、被疑者・被告人が否認したり黙秘したりしていることのみをもって、あるいは必要性もないのに、長期間身柄拘束されるといったことはあってはならないというふうに考えているところでありまして。

いずれにしても、理由のない長期間の身柄拘束であるとか、自白の強要があってはならないということは当然でございまして、基本に忠実で適正な捜査活動の遂行に努めなければならないものというふうに考えているところでございます。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長西村智奈美君。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美島田参考人は、逮捕されてから保釈されるまで332日間。

332日間、1年近く拘束をされていたというふうにおっしゃっていました。

実際、これまた保釈もなかなか大変なんですよね。

保釈請求は起訴されないと請求ができないということで、ちょっとここから先、島田参考人の陳述を、またこれまた大事なことですので、私の方から読み上げてご紹介をしたいと思います。

「起訴されるとすぐに弁護士さんに保釈請求を出していただきました。

しかし裁判所はこれを却下。

理由は、証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるというものでした。

証拠隠滅の恐れといっても、警察は大河原加工機を強制捜査して、あらゆる資料を押収した上に、1年半、1年半ですね。

1年半にもわたる任意の調べで、たくさんの聴取を作っておりました。

今更、隠滅する証拠など、何もないのです。

裁判所は、社員と会わないという保釈条件をつけることができますし、保釈条件を破れば、保釈を取り消しできます。

条件をつけた上でも、すぐに保釈してほしかったです」ということでありました。

結果として最後は保釈が島田さんは認められたわけなんですけれども、それまでに332日間かかっている。

裁判所は個別の被告人が置かれた状況を精査して保釈の可否を判断しているというのではなくて、ここまで来ますと機械的一律に保釈請求を却下ありきという姿勢で臨んでいるのではないかというふうに見えるんですが、最高裁の見解を伺います。

政府参考人 平木刑事局長

最高裁判所平木刑事局長お答えいたします。

保釈の判断は個々の事件に応じて各裁判体が判断しているものでありますので、事務当局の立場として、その判断姿勢について評価をお答えすることは困難でございます。

その上で、一般論として申し上げれば、裁判官の間では、証拠を隠滅する相当な理由の有無等の保釈の要件につきまして、抽象的ではなく、個々の事件の実情に応じて具体的に丁寧に判断するという判断の基本を改めて徹底すべきであるとの議論がされているものと承知しております。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美委員長。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長西村智奈美君。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美同じ日の昨年3月26日の法務委員会の参考人質疑の中で、元裁判官でいらっしゃった藤井俊明参考人がお越しくださいました。

この藤井参考人は、自ら論文をしたためられていて、そのタイトルが「証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由について」というものでありました。

議論を読んだ論文であるというふうに承知をしておりますけれども、この中で証拠を隠滅する相当の理由について、藤井参考人はこれが広く実務上拡大解釈されているというふうに指摘をしておられます。

すなわち、保釈が認められない場合の「証拠を隠滅する相当の理由」、または「恐れ」というのが広く解釈されていて、保釈すべき原則と、保釈が認められない例外が逆転した運用とも見受けられる状況があるというふうに言っておられました。

その経験に関して、保釈には条件をつけることができること。

証拠隠滅の場合は、偽証教唆の新たな罪に問われ得ること。

そもそも供述聴取と矛盾した証言には、証拠能力が低いものとされること等によって、事実上証拠隠滅が行われる可能性は相当に低い。

つまり、何重にも何重にも、何と言ったらいいんですかね、証拠隠滅の段階ごとにあるわけですけれども、証拠隠滅の恐れというのはそれぞれの段階で低いし、それを最後掛け合わせたときに、その可能性というのは相当低くなるので、原則どおりに保釈を認めても問題ないという、そういう主張の論文だったというふうに紹介をしてくださいました。

これについて、最高裁の見解を述べていただきたいと思います。

政府参考人 平木刑事局長

最高裁判所平木刑事局長お答えいたします。

委員ご指摘のような個別の論文の内容の答否につきましては、事務当局として見解を述べることは差し控えさせていただきます。

もっとも、例えば、今、委員がご指摘されたような、保釈条件に違反した場合には保釈が取り消され得ることなど、もしくは、関係者に偽証を働きかければ偽証教唆罪に問われ得ること、このような事情を踏まえまして、証拠を隠滅すると疑われるに至る相当な理由があるかどうか、またその程度はどうかということを検討すべきである。

このようなことにつきましては、その他の論文や裁判官による研究会でも指摘されているところでありまして、広く共有された見解であると承知しております。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美裁判所の方でいろいろ説明をしたりしていらっしゃるというような答弁だったんですけれども、でも実際にこの大河原加工機事件で見るように、実際にはやはりそうは否っていないですよ。

この事件で拘留をされたのはお三方。

先ほど申し上げましたように、島田さんは332日。

相島元相談役は、本当に保釈請求が認められないまま、亡くなってしまっているということなんです。

こんな人権侵害、私はあってはいけないというふうに思うんですけれども、それでも最高裁はその原則と例外は変わりませんというふうに答弁をされるんでしょうか。

ちょっとは心の痛みを感じませんか。

どうですか。

政府参考人 平木刑事局長

平木刑事局長。

お答えいたします。

保釈の判断は、個々の事件における各裁判体の判断事項であり、事務当局としてその判断の積み重ねである運用の是非、これを前提にしたお答えをすることは差し控えさせていただきます。

もっとも、保釈の判断に関する適切な運用を確保していくためには、各裁判官または裁判官同士が、あるべき姿を追求して議論を重ねていくことが重要であると認識しております。

最高裁といたしましては、そうした議論の場を確保するなどして、適切な運用がなされるよう、引き続き支援をしてまいりたいと考えているところでございます。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美君。

こうやって現に本当に大変な事件があったわけですから、それはちゃんと受け止めてほしいと思うんですね。

その上でなんですけれども、そういうふうに逆転しているというふうに見受けられるような運用が現にあることに対して、やはりこの運用は改めていかなきゃいけない。

さっき最高裁の方からは、適切な運用を確保するために個々の裁判官が話し合いをしたり、自らの研鑽をしたり、そのためには最高裁の方からいろいろ情報提供をしたりということだと思うんですけれども、でもそれで本当に実務における意識が改められるのか。

私はもう少し何か最高裁として取組が必要なんではないかというふうに思うんですよ。

例えば、いや、例えばというか、さっき言われたような裁判官の研修をするというだけで本当に足りるのか。

あるいは藤井参考人が陳述の中でも指摘されておられましたけれども、研修で用いられている基準、これの記載を変えるということが必要なのか。

あるいはそれをやることで十分なのか。

それから裁判所内部の通知などで足りるのか。

もっと言えば、やはり刑事訴訟法の改正が必要なのではないか。

こういったいろいろなことが考えられるんですけれども、最高裁としては今何が求められている、必要だというふうにお考えなんでしょうか。

政府参考人 平木刑事局長

平木刑事局長。

お答えいたします。

今、委員がご指摘いただいたこと、様々あろうかと思いますけれども、最高裁としてできることには一定の限界があるということは、ご理解いただきたいと思います。

その上で、例えばでございますが、本年1月に司法研修所で研究会が開かれたところでございます。

その研究会では、保釈請求事件を含む刑事事件の経験が豊富な弁護士の方や検察官の方に講師としてお越しいただいて、それぞれの立場から見た保釈の実情やご意見を伺いながら、証拠隠滅の恐れの有無、程度、また被告人の健康状態等をどのように正確に把握し、これを保釈の要否についての判断に生かしていくのか、こういったテーマについて焦点を当てつつ、保釈の判断の在り方について議論がされたものと承知しております。

最高裁としては、このような議論の場というのを十分に確保していくよう、今後も引き続き努めていきたいと考えているところでございます。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美君。

4月6日に大河原閣議事件で保釈が認められずに被告のまま亡くなった元顧問の相島静雄さん。

この方のご家族が、保釈請求を退け続けた裁判官37人の判断は違法だということで、東京地裁に提訴されました。

極めて異例の訴訟だというふうに思いますが、ご遺族は「私たちが声を上げなかったら同じことが繰り返される」というふうに述べておられるんです。

やはり改めるべき点は改める必要があるというふうに思うんですけれども、どうですか。

こういった提訴がされても、やはり改めるべきところは改めるというふうなことに、最高裁としては発想を少し変えていくというようなことにはならないんでしょうか。

もう一度伺います。

政府参考人 平木刑事局長

平木刑事局長。

お答えいたします。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美君。

それではそういったご答弁をいただいた上で、ちょっと具体的に伺いたいと思うんですけれども、起訴後の拘留については、当初の2ヶ月間の期間を延長するにあたって、刑事訴訟法第60条2項で「特に継続の必要がある場合においては」という要件が付されております。

先ほど申し上げたように、もう既に起訴されて、しかも2ヶ月を経ていれば、物証なども大体収集されて、証拠隠滅の恐れといったものも、時間の経過とともに低減していくわけですよ。

そんな中、「特に継続の必要がある場合」というのは、原則に対する拘留の例外的な必要性、これについての精査が求められるというふうに私は思います。

これを検察庁、裁判所はどういう基準で判断をしているのか、それぞれ伺いたいと思います。

政府参考人 佐藤刑事局長

佐藤刑事局長、お答えいたします。

御指摘のとおり、被告人の勾留の期間について、刑事訴訟法60条2項は、勾留の期間は勾留の決定があった日から2ヶ月とする。

特に継続の必要がある場合には、具体的にその理由を付した決定で、1ヶ月ごとにこれを更新することができると規定しているところでございます。

この勾留の更新決定あるいは命令は、裁判所あるいは裁判官がもっぱら職権でするものでございまして、お尋ねのその「特に継続の必要がある場合」の判断は、裁判所あるいは裁判官においてされているものというふうに承知しているところでございます。

政府参考人 平木刑事局長

平口刑事局長、お答えいたします。

委員御指摘の点は法律の解釈に当たることでございまして、かつ勾留執行の判断は個々の事件における各裁判体の判断事項ですので、事務当局としてそのあり方等についてお答えすることは差し控えさせていただきます。

もっとも、刑事訴訟法60条2項に言う「特に継続の必要がある場合」とは、文献上、勾留の理由及び必要性がなお継続していることを言うとされておりまして、各裁判体はこのような解釈も参考にしながら判断しているものと理解しております。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美君。

今の答弁は、私が質問した基準、どのような基準ということではなくて、基準はつまりありませんと。

裁判所の裁量、それこそ裁量、それぞれの判断で行われているということなんですけれども、それもまたちょっと、あまりにも漠としすぎやしませんか。

人を勾留するんですよ。

勾留するかどうかという判断のときに漠とした基準しかないというのは、私はちょっと納得できないですよ。

やはりこの「証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」というその場合も含めてなんですけれども、やはりこれ広く解釈されているというのは、日本で他の国や国際人権法と比べても、やはり日本の保釈に関する法制と言ったらいいのか、それがやはりかなり独特の法制であって、それがかなり独特の解釈をされているというふうに、私には見えるんですよね。

それがやはり人質司法と呼ばれる理由の一つではないかということを考えましたときに、やはりきちんと検討していただいて、見直しをする。

法制的な見直しをするということは必要になってくるというふうに思っております。

ここで具体的に、いわゆる保釈率って一体本当にどのくらいなのかというのを提示してもらいたいと思っております。

そもそもどのくらいの人がどのくらいの期間で保釈をされているのか。

過去には6か月以内に保釈をされた方の比率が、答弁で紹介されたこともあったと思うんですけれども、その当時の令和3年の保釈率、そして直近の保釈率、また自白事件と、それから否認事件とで差異があるというふうに思いますけれども、それぞれについてお願いをします。

政府参考人 平口刑事局長

平口刑事局長、お答えをいたします。

地方裁判所の通常第一審における終局人員につきまして、拘留された被告人のうち、保釈された人員の割合、すなわちこれがいわゆる保釈率ということでございますが、6ヶ月以内までに保釈された人員の割合で申し上げますと、令和3年は自白の場合は32.3%、否認の場合は19.6%でございました。

令和6年の数値になりますが、令和6年は自白の場合は33.4%、否認の場合は20.6%でございました。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美君。

自白事件と否認事件で10ポイント以上の開きがあるということは、令和3年と令和6年で共通している傾向だということですね。

このように、否認事件が自白事件よりも保釈率が格段に低いというこういった状況は、やはりここから読み取ることはあるんじゃないか。

つまり、自白をしないと長期間拘束されるというそういった恐怖を与えることで自白、場合によっては虚偽の自白、これも今までもあったわけです。

そういったことを引き出すための手段として、意図的、恣意的に身体拘束が用いられているのではないかというふうに私は考えざるを得ません。

島田参考人はこういうふうにもおっしゃっておられました。

「勾留中に体力、精神力を削られ、早く出るためには罪を認めてしまうのが得策だと悩む日もありました」。

だから虚偽の自白をするかもしれないというギリギリの体力状態、精神状態におられたということなんです。

やはりこういった人質司法というあり方は改めて言ってもらいたいというふうに思うんですけれども、これはやはり制度上の問題でもあると思うんですが、法務省の見解を伺いたいと思います。

答弁者 平口法務大臣

平口法務大臣。

お尋ねの人質司法については、法令上の用語ではございませんが、一般論として申し上げれば、被疑者・被告人の身柄拘束については、個別の事案に応じて、裁判所または裁判官によって刑事訴訟法の定める要件の有無が判断されるものと承知をしております。

その上で、被疑者・被告人が否認し、または黙秘していることのみを理由として、あるいは必要性もないのに、長期間身柄が拘束されるということはないものと承知しております。

いずれにしても、理由のない長時間の身柄拘束や自白の強要があってはならないことは言うまでもなく、検察当局においては、検察の理念を踏まえて、基本に忠実で適正な捜査・公判活動の遂行に努めているものと承知しております。

引き続き、こうした基本に忠実で、適正な捜査・公判遂行に努めていくことが肝要であると考えております。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長西村智奈美君。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美いや、大臣にこんな答弁させて本当にいいんですか。

私は少なくとも昨年3月26日の参考人質疑で島田さんが述べられたこと、これはもうここで陳述してもらったんですから、その中身を聞いていたら、今みたいな答弁を大臣には本当はさせちゃいけないものなんじゃないですか。

それをこんなふうに「不適切な拘束はありません」というふうに大臣に言わせて、本当にこれで。

あえて言いますよ、「人質手法」。

確かに法令上の用語ではありませんけれども、やはり法務省の外から見ていて、そういうふうに見えている状況があるということは、大臣、これ、よく御自身の言葉で考えて答弁をしていただきたいと思うんですけれども。

もう一回何かあったら聞かせてください。

答弁者 平口法務大臣

平口法務大臣基本的に私が先ほど申し上げたとおりでございます。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美いや、大変残念です。

もう残念以外の言葉もありませんし、そうこうしているうちに、また第2、第3の大辛加工期事件、これは行政事件の関わりもありますので、本当に起きちゃいけないわけですけれども、やはり第2、第3の冤罪事件、そして不当な身体拘束、拘留、こういったものが、これからも続くということが、やはりすごく心配です。

これはちょっとまた後で、よく法務省内で検討してもらいたいと思います。

ちょっと時間がなくなってきましたので、最後に昨日、定員法の関係で質問いたしました地域格差、司法サービスの地域格差に関連して伺いたいと思います。

先日だということなんですけれども、新潟県内の簡易裁判所、その開廷日を削減するという連絡が弁護士会の方にあったというふうにお聞きをしました。

この方針、いつ、どこで決まったのか、教えてください。

政府参考人 清藤総務局長

清藤総務局長お答えいたします。

お尋ねの件につきましては、まだ決定しているものではございませんけれども、新潟地方裁判所において、柏崎簡易裁判所の開廷日の日数を見直す方向で準備をしているものと承知しております。

今、「いつ」というお尋ねがあったと思いますけれども、正式にまだ決まっていないと承知しておりますけれども、このような方針をまとめていったのは、遅くとも今年の3月ぐらいまでにはまとめたのではないかと承知しております。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美今、柏崎簡易裁判所の開廷日を削減するということで準備中ということですけれども、ほかの簡易裁判所について開廷日を削減するというようなお話はありませんね。

政府参考人 清藤総務局長

清藤総務局長お答えいたします。

今、柏崎簡易裁判所以外の新潟県内の簡易裁判所で開廷日の削減を行うところがあるかというお尋ねと思います。

一般論としては、各庁で開廷日の増減を含めて、事務処理体制というのは不断に見直しているところではございますけれども、この度確認したところ、新潟県内の簡易裁判所で、柏崎簡易裁判所以外に見直しを具体的に検討しているというところはございません。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美それでは、柏崎簡易裁判所の開廷日が削減されるということについて伺いたいと思うんですけれども、なぜ開廷日の削減といったようなことになるのか、その理由を教えていただきたいと思います。

また併せて、他の地方、地域での簡易裁判所などの同様の削減が検討されている、あるいはこれから実施されようとしているというところがあるのかどうか教えてください。

政府参考人 清藤総務局長

清藤総務局長開廷日の見直しといいますのは、先ほども少し申し上げましたが、各庁の事件数の多寡など、事件動向、それから事件処理状況などを踏まえまして、例えば新潟であれば、新潟県内の適正かつ効率的な事務処理体制を確保するという見地から検討して、各庁の裁判官会議で決定するというものと承知しておりまして、この度の柏崎簡易裁判所についても、近時の事件動向などから見まして、開廷日数を減らしても事件処理には支障がないものと判断して、先ほど述べた方針をとるというものと承知しております。

それからまた、その他の簡易裁判所についてもお尋ねがあったと思います。

全国の各庁でどのような事務処理体制をとるかということについては、適正かつ効率的なものをとるという観点から、常にみ直しをしているというものでございまして、例えば全国の簡易裁判所で、例えば開廷日を見直すなどのところがあるかどうかということについて、お答えすることは困難ではございますので、そこはご理解いただければと思います。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美君。

開廷日を削減しても処理はできるというような判断を裁判官会議でされたということから、削減につながっているということだというふうに理解をいたしますけれども、ただこれはやはりサービスを受ける地域住民の側からしますと、開廷日がどのくらいなのか、週に例えば2日とか、話し合って、そういうふうに調整をしてきたし、これからもそういうふうにしていくというようなことは、確認をさせていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。

政府参考人 清藤総務局長

清藤総務局長、お答えいたします。

各庁での事務処理体制の確保ということにつきましては、裁判事務処理に支障がないようにという観点から、常に見直しを掛け合わせているというところでございますが、このたびの柏崎管区の開廷日の件につきましても、検察庁及び弁護士会に対して3月、4月にはご説明をしたというふうに承知しておりまして、今後につきましても、新潟に限らず事務処理体制の柔軟な見直しはしていくことがあると思いますけれども、その際には各地域の声とかニーズ、そういったようなものにも適切に伺いながら検討してまいりたいと思います。

質疑者 西村智奈美

西村智奈美君。

昨日質問いたしました出張所の件もそうなんですけれども、やはり何かだんだん地方における司法サービスの基盤が、私は削られていっているように見えてならないんですよね。

そうじゃなくて、ちゃんと確保すると。

事務処理能力がこのぐらいだからそこに合わせて日数を減らしますということじゃなくて、やはり人員的体制、これをしっかりととってもらってサービスを。

有田芳生 (中道改革連合・無所属) 73発言 ▶ 動画
委員長 井上英孝

次に有田芳生君。

質疑者 有田芳生

有田芳生です。

前回4月10日のこの委員会で、解散決定された統一教会についてお聞きをしましたけれども、大事な問題が残ったまま、例えば国税庁、あるいは外務省にもお聞きをしなければならない課題が積み残しになっておりますので、その件についてまずお聞きをして、さらに今年はヘイトスピーチ解消法から10年になりますので、その今後の課題についてもお聞きをしたいというふうに思います。

統一教会というのは1954年に韓国ソウルで設立をされて、信者が日本に密入国をしてきて、1958年から西川勝さんという日本名で活動をして、1964年に東京都の認証を経て宗教法人として活動をしてまいりました。

統一教会というのは、この4年間、多くの報道がなされましたけれども、単なる霊感商法や高額献金、あるいは日世の問題だけではなくて、実は日本で活動を始めた頃、多くの真面目な信者の皆さんはリアカーを引いて、そして自分たちの資金を集めているというような、そういう清廉な宗教団体だったんだけれども、1975年の7月に文鮮明教授が日本の教団に対して送金命令、つまりお金を贈れという命令を出してから、特に霊感商法というものが広がっていって社会問題になりました。

それだけではなくて、1970年代、80年代には信者の中核的な人たちがいわゆるスパイ防止法をつくるためにさまざまな研究を行って、1985年には中曽根内閣のときに議員立法としていわゆるスパイ防止法が国会でも議論をなされました。

それだけではなくて、実はこれは信者幹部が証言しているんだけれども、冷戦構造の時代には、クーデター計画を自衛隊と一緒に計画、図っていたということも明らかになりましたし、あるいは、私はこの委員会でも質問しましたけれども、1987年5月3日、憲法記念日に朝日新聞阪神支局が何者かによって襲撃をされて、記者1人が亡くなる、いわゆる石砲体事件についても、捜査当局は統一協会の可能性もあると、その一つの対象として捜査を進めていたことについては、私はこの委員会でも捜査資料に基づいて質問をいたしました。

まず公安調査庁にお聞きをしたいんですけれども、前回もお聞きをしたことですけれども、ある時期に公安調査庁は統一協会について「特異集団」、特異な集団だということを規定されていましたけれども、それで間違いありませんね。

そしてまた、特異集団という意味、その具体的な中身についてお答えをお願いいたします。

政府参考人 下田次長

公安調査庁下田次長。

お答え申し上げます。

私どもで発行しております『内外情勢の概況と展望』におきまして、平成17年及び平成18年に旧統一協会についての記述がございます。

これを特異集団と申しますのは、一般社会通念と相容れない思想等に基づいて活動する集団というふうに我々は認識しております。

委員長 井上英孝

有田芳生君。

質疑者 有田芳生

今、思想と言われましたけれども、具体的な行為において、どういう行為が特異集団というふうに認定されたんでしょうか。

委員長 井上英孝

下田次長。

政府参考人 下田次長

個別具体的な団体についての活動内容については、申し訳ございませんが、答弁を控えさせていただきます。

質疑者 有田芳生

いや、それはおかしい。

だって今おっしゃったように、公安調査庁が公に発行されている『概況と展望』の中に特異集団という項目があって、その下にいろんな特徴ある内容が具体的に書かれているじゃないですか。

そこで何が統一協会を特異集団だと指定されたのか、それを聞いているんです。

委員長 井上英孝

下田次長。

政府参考人 下田次長

お答え申し上げます。

平成17年及び平成18年の『概況と展望』に記載した内容についてでございますけれども、まず平成17年におきましては、我が国におきまして在日韓国・朝鮮人の救護を目的とする新組織を設立し、これら在日関係者を取り込むことで勢力拡大を図る動きを見せた。

この点につきまして、私どもは特異集団ということで記載しております。

また平成18年におきましては、同じく我が国で在日韓国・朝鮮人を救護する新組織への結成を目指し、在日関係者を韓国の大会に参加させるなどして、在日組織との間で圧力を生じさせるといった動きが見られましたので、記載した次第でございます。

委員長 井上英孝

有田芳生君。

質疑者 有田芳生

実際そのとおりで、今もそうなんですけれども、統一協会は民団あるいは朝鮮総連の中にも浸透しているという事実はあるので、そういうことを捉えて特異集団というふうに規定されたのかなというふうに思います。

実は東京新宿の5丁目に聖約ビルというビルがあります。

1階から5階がすべて統一協会関連組織が今も入居しておりますけれども、「聖約」というのは統一協会の特別な用語で、ご存じの方もいらっしゃるでしょうけれども、旧約、新約、そして今は聖約の時代だということで、この聖約ビルの中には、世界平和教授アカデミーであるとか、あるいは国際平和統一家庭連合などのさまざまな団体が入居しているんですが、今も。

その4階に、実は一般財団法人「孝情教育文化財団」というものがあります。

「孝情」というのは、親孝行の「孝」に情けという感情を当てるんですけれども、「孝情」というのは、2016年ぐらいから、統一教会の韓鶴子総裁が言い出した言葉で、真のご父母様、つまり文鮮明ご夫妻に対する愛情という意味があるんですけれども。

この一般財団法人孝情教育文化財団がですね、実は統一教会が、前回も指摘をしましたけれども、3月4日に東京高裁によって解散が決定されたんだけれども、その解散決定の3日後にですね、この財団法人で登記申請が新たに行われて、3月13日に登記されたんですけれども。

どう登記が変わったかというと、一般財団法人孝情教育文化財団の目的の中に、前回まで目的にはですね、「当法人は世界平和統一家庭連合の奉仕する理念に基づき」と、つまり統一教会の理念に基づき、この財団法人というのは活動するということがそもそもの規定だったんだけれども、3月7日に登記申請された中ではですね、目的が新たに加わったんです。

7番目に「宗教界の和合統一と活性化のための支援事業」、8番目に「儀式と教育を伴う宗教活動」。

一般財団法人にそういう目的が加わったんですよ。

そして国税庁にまずお聞きをしたいんですけれども、一般財団法人の中に宗教活動というものが規定された場合、これは税法上の優遇を受けるんでしょうか。

お答えください。

委員長 井上英孝

国税庁高橋課税部長。

政府参考人 高橋課税部長

一般財団法人の法人税法上の課税関係につきましては、一般論といたしまして、非営利型法人に該当しない法人は普通法人といたしまして全ての所得に法人税が課されます。

一方、非営利型法人に該当する法人は公益法人等といたしまして、宗教法人と同様、34種類の収益事業に係る所得に法人税が課されます。

ただし、この非営利型法人の場合には、宗教法人と比べまして基本税率が高く、宗教法人と異なりまして、みなし寄附金の適用がないという違いがございます。

また、この非営利型法人が行う活動が収益事業に当たるかどうかにつきましては、その活動が法令上特定されました34種類の収益事業の内容に該当するかどうか、その収入が通常の利潤を得るための対価であり、収益事業に該当するか、あるいは寄付金、寄附金といった性質の収入かなどにつきまして、個々の活動実態を踏まえて適切に判断することとなります。

委員長 井上英孝

有田芳生君。

質疑者 有田芳生

端的に教えていただきたいんですけれども、宗教目的をもって一般財団法人が活動した場合に、税法上の優遇があるのかないのか。

それを端的に教えていただけませんか。

委員長 井上英孝

高橋課税部長。

政府参考人 高橋課税部長

お答え申し上げます。

先ほど申し上げたことと重複することで恐縮でございますが、非営利型法人の個々の活動に着目をいたしまして、これが課税の対象となります。

収益事業に当たるかどうかにつきましては、その個々の活動が法令上特定をされております34種類の収益事業でございますので、その内容に当たるかどうか、そしてその収入が通常の利潤を得るための対価であって、収益事業に該当するか、あるいは寄付金、寄附金といった性質の収入かなどについて、個々の活動を踏まえて適切に判断することとなるところでございます。

委員長 井上英孝

有田芳生君。

質疑者 有田芳生

つまりどういう活動をするか、その結果によって判断されるという理解でよろしいわけですね。

法務省にお伺いしたいんですけれども、この一般財団法人というのは今日本にどのぐらいあるんでしょうか。

その中に目的として宗教活動を掲げるようなところはあるんでしょうか。

お答えください。

委員長 井上英孝

法務省松井民事局長。

政府参考人 松井民事局長

お答え申し上げます。

一般財団法人について、令和7年12月末時点で、約7,000法人が登記されているものと承知をしております。

そのうち、宗教活動を目的としている一般財団法人の数については、統計上把握しておらず、お答えすることが困難でございます。

委員長 井上英孝

有田芳生君。

質疑者 有田芳生

実際どのぐらいあるかわからないんですけれども、孝情教育文化財団は目的を、登記を変えて宗教活動をやると。

ですから、こういう動きをすることに対して、これだけ社会問題になった団体ですから、公安調査庁の方などでも適切にウォッチしていただきたいなというふうに思います。

それで、法務省に引き続きお聞きをしたいんですけれども、財団法人の解散というのは、どういう法律上の規定になっていますでしょうか。

委員長 井上英孝

松井民事局長。

政府参考人 松井民事局長

お答え申し上げます。

一般財団法人に対する解散命令というふうな規定がございますけれども、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」では、一般財団法人の設立が不法な目的に基づいてされたなどの場合において、公益を確保するため、一般財団法人の存立を許すことができないと認めるときは、裁判所は利害関係人等の申立により、一般財団法人の解散を命ずることができるとされております。

質疑者 有田芳生

有田芳生君つまり、不法な目的で何らかの行為を行って社会問題になるようなことがあれば、解散ということも261条ですか、あり得るという理解なんですけれども。

そういう意味でも、かつては特異集団という規定をした公安調査庁の皆さんには、やはりこの組織についても適切に見ていっていただきたいというふうに思います。

文化庁にお聞きをしますけれども、家庭連合は清算過程に入ったわけですけれども、そのプロセスはどうなっていますでしょうか。

解散のプロセス、清算のプロセスです。

委員長 井上英孝

文化庁梶山審議官

政府参考人 梶山審議官

お答え申し上げます。

お尋ねの旧統一協会の清算については、現在、裁判所の監督の下、その手続きを清算人が行っているものと承知しており、個別の法人の清算手続きについてお答えすることは控えさせていただきます。

なお、宗教法人の清算手続きについて一般論として申し上げれば、宗教法人の清算は損害賠償への対応など、債務の弁済をすべて終えた上で、さらに財産が残る場合には、残余財産として法人規則で定める相手などに帰属させるという手続きをとります。

質疑者 有田芳生

有田芳生君解散決定の中では、家庭連合の資産が1040億円という金額で、それは間違いありませんね。

現在ですけれども。

委員長 井上英孝

梶山審議官

政府参考人 梶山審議官

お答え申し上げます。

おむねそのとおりでございます。

質疑者 有田芳生

有田芳生君注目すべきなのは、統一協会というのは昔から霊感商法とか供養研究をやるときに、信者の皆さんの間で「HG」という言い方をしていたんですよね。

HGというのは何かと思ったら「早く現金」ということなんだけれども、要するにそういう言葉を使う団体なんですけれども、この2年ほどでやはり現金が少なくなっているんですよね。

だからそのお金がどこに行っているのかということも注目しなければいけないんですけれども。

とにかくこれから清算プロセスが始まって、ちゃんとそれが適切になされるかどうかということを、清算人が裁判所とも協力をし合いながら前に進めていくわけですけれども。

前回お聞きをしましたけれども、2009年に申請事件という印鑑販売のいわゆる霊感商法などで警視庁公安部が摘発に入った事件をきっかけに、その直後に北海道大広にある天地教会に残余財産は移すんだということをもう即座に決めた。

ちょっと文化庁に見通しを、もし可能ならばお聞きをしたいんですけれども。

これから1040億円の資金が残っていた。

そして、これから清算が始まっていく。

当然、もう宗教法人ではなくなったわけだから、固定資産税、全国に300ぐらいの教団施設がありますけれども、固定資産税もかかってくる。

そうすると、オウム真理教でも15年、20年、清算までにかかっているんだけれども、おそらく、この統一協会・家庭連合の清算についても、10年単位で時間がかかるというふうに思うと、この天地教会に残余財産を移すだけのゆとりはおそらくなくなるんじゃないかと思っているんですけれども。

文化庁の見通しをもし示すことができるならば教えていただけますか。

委員長 井上英孝

梶山審議官

政府参考人 梶山審議官

繰り返しになって恐縮でございますが、旧統一協会の清算につきましては、現在裁判所の監督の下で、その手続きを清算人が行っているものと承知しております。

個別の法人の清算についてお答えすることは差し控えたいと思っております。

ただ、一般論でございますけれども、先ほど申し上げましたように、宗教法人の清算は、損害賠償の対応などの債務の弁済等を全て終えた上で、さらにその財産が残る場合には、残余財産として法人規則で定める相手に帰属させるという手続きをとります。

従って一般論ですが、仮に損害賠償などの全て支払いを得た後に、財産が残っていなければ、財産の帰属手続きは発生しないものとなります。

質疑者 有田芳生

有田芳生君家庭連合は解散になったとしても、これは皆さん御承知のことですけれども、統一協会というのは様々な組織を持っていて、国際商協連合であったりUPFであったり、様々な周りに企業も含めて持っていますから、単に家庭連合だけの問題として捉えてはいけないという意味において、外務省にお聞きをしたいんですけれども。

日本ではこの4年間、大きく統一協会が報道されましたけれども、経済の問題だけではない、さまざまな問題を海外では起こしてきた。

日本では1958年から活動を始めましたけれども、アメリカでは1959年からさまざまな行動をし始めて、特に外務省にお聞きしたいのは、1970年代に韓国のKCIAを含めて、コリアゲート事件というものが起きました。

端的にこのコリアゲート事件というものは、アメリカで何が起きたんでしょうか。

政界工作ですけれども。

外務省、お答えください。

委員長 井上英孝

外務省山本大臣官房参事官

政府参考人 山本大臣官房参事官

お答えいたします。

ご指摘のいわゆるコリアゲート事件についてでございますけれども、一般的に韓国による米国への工作が疑われた事案として知られているものというふうに承知しております。

質疑者 有田芳生

有田芳生君そこに統一協会はどう関わっていたんですか。

委員長 井上英孝

山本大臣官房参事官。

政府参考人 山本大臣官房参事官

お答えいたします。

1970年代に、連邦議会において、米韓関係の調査を目的として、委員会が、小委員会が設置されました。

同委員会は、委員長のドナルド・フレイザー議員の名にちなんで、フレイザー委員会というふうに呼ばれております。

このフレイザー報告書自身は、米国の立法府により作成されたものであり、日本政府として包括的に説明するという立場にございませんが、その上で申し上げれば、この報告書において統一協会について、例えば次のような記述がございます。

一つ目、その機能と基本的な組織構造においては、現在では多国籍企業に似ており、製造、国際貿易、防衛契約、金融、その他の事業活動に従事している。

しかし、宗教、教育、文化、イデオロギー、政治的な事業も包含している点で、それ以上のものとなっている。

また、2点目として、下級メンバーの訓練と活用においては、純軍事組織に似ているが、その他の点では厳格に記述された国際政党としての特徴も備えている、といった記述があると承知しております。

質疑者 有田芳生

有田芳生君。

つまりフレイザー委員会の報告書では、統一協会について、単なる経済組織ではなく、政治にも関わり、宗教にも当然関わり、多国籍企業的な意味合いも持ち、純軍事組織的な中身も持っている。

一言で言ってムーン・オーガニゼーション、文鮮明機関だと、そういう評価をしているんです。

何が問題かというと、アメリカで例えば信者たちが、アメリカの上院の議員、下院の議員なんかをリクルートしようとした。

ホテルで接待をした。

そして「いつでも韓国に行ってください。

全部保証しますよ」というようなことを言っていた。

だけど、なんで韓国の警視庁も含めてですけれども、宗教団体がアメリカでそういう活動をやっているのかということで、アメリカでは大問題になって、今説明いただいたように、下院ではフレイザー委員会というのはできて、一年半にわたって調査をやって、文鮮明教授のナンバー2であるパク・ヒエという人たちも議会に呼ばれてものすごく分析をやって、700ページを超える報告書が出されたわけですよね。

だから統一協会としては、まずアメリカでいろんな政界工作をしようとしたけど失敗したんですよ。

だけど日本ではうまくいったんですよ。

そして日本でやった手法で韓国でやろうとしたら、ご承知のように今、韓国では刑事事件になってしまって、韓鶴子総裁なども逮捕される、刑事事件になっている。

まだ続いているという。

だから、一言で言うと、アメリカでは失敗。

韓国でも大失敗。

日本では成功してきた。

本来ならば日本でこのフレイザー委員会みたいなものを作らなければいけなかったということなんだけれども、残念ながらそういう状況になっていないということを、やはり多くの議員の方々も含めて知っていただきたいというふうに。

山本一郎君。

今から10年前に参議院の法務委員会で、全会一致で可決をして、そして衆議院でも可決、成立をした、いわゆるヘイトスピーチ解消法なんですけれども、まず人権擁護局にお聞きをしたいのは、この解消法の特徴、そして成立の教訓ということについてお聞きをいたします。

お願いします。

委員長 井上英孝

委員長。

政府参考人 杉浦人権擁護局長

法務省 杉浦人権擁護局長。

お答えいたします。

平成28年に議員立法により成立したいわゆるヘイトスピーチ解消法は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されない旨を宣言し、その解消の必要性について国民の理解を深め、差別的言動のない社会を実現することを理念として定めるとともに、相談体制の整備や国民の理解を深めるために必要な教育及び啓発を行うことを規定するなどにより、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進するための重要な法律であると考えております。

同法は憲法で保障された表現の自由に配慮し、一般的な表現行為に対する萎縮効果を避けるため、いわゆる理念法という形で禁止規定や罰則をあえて設けないこととして制定された経緯があるものと認識しております。

このように同法はいわゆる理念法ではあるものの、同法が本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されないことを宣言し、同法の規定に基づき、国及び地方公共団体が人権教育及び人権啓発を推進してきたことを通じて、国民の間に同法の理念が一定程度周知されたことは、ヘイトスピーチの解消にとって大きな意義があるものと理解しております。

一方で、SNSや電子掲示板等のインターネット上でのヘイトスピーチが後を絶たないことなどに考えますと、ヘイトスピーチの解消に向けた取組をしっかりと継続することが重要であると、改めて認識しているところでございます。

委員長 井上英孝

有田芳生君。

質疑者 有田芳生

あの時は、自民党の皆さんも、公明党の皆さんも、あるいは全国の創価学会の皆さん、そしてみんな組織も挙げて、やはりヘイトスピーチ解消法が必要だということで全会一致で成立に向かったわけですけれども、引き続きお聞きをしたいんですけれども。

当時は単なる理念法だからあまり効果はないんだと言われていたんだけれども、決してそうではない。

まずお聞きをしたいのは、解消法ができて今でも全国に貼られていますけれども、「ヘイトスピーチ許さない」と黄色いポスターが張り巡らされておりますけれども、この啓発のための取り組みというのはどういうことがあったんでしょうか。

政府参考人 杉浦人権擁護局長

杉浦人権擁護局長、お答えいたします。

いわゆるヘイトスピーチをなくすためには、幅広く掲示するなどの取組を行っております。

また、インターネット上のヘイトスピーチに関しましても、インターネット上のヘイトスピーチ解消に焦点を当てた啓発動画を作成するなどして、啓発活動を行っているところでございます。

質疑者 有田芳生

有田芳生君。

さらにお聞きをしたいんですけれども、選挙におけるヘイトスピーチもこの10年間問題になりましたけれども、それに対してはどういう対応をとられたんでしょうか。

政府参考人 杉浦人権擁護局長

杉浦人権擁護局長、お答えいたします。

選挙運動に名を借りたヘイトスピーチに関しましては、選挙運動の自由の保障は民主主義の根幹をなすものであるものの、不当な差別的言動は、それが選挙運動として行われたからといって、直ちにその言動の違法性が否定されるものではないと認識しておりまして、法務省の人権擁護機関におきましては、選挙運動に名を借りた不当な差別的言動により、人権を侵害されたとする被害申告等があった場合には、その言動が選挙運動として行われていることのみをもって、安易に人権侵害性を否定することなく、その内容、態様等を十分吟味して、人権侵害性の有無を総合的かつ適切に判断した上で対応することとしておりまして、またこの考え方を全国の地方公共団体にも周知しているところでございます。

質疑者 有田芳生

有田芳生君。

選管によっては候補者を集めてヘイトスピーチについての内容を指摘されるようなところも出てきたということはあるんですけれども、そういうのはやはりもっと強化しなければいけないというふうに思っております。

警察庁に伺いたいんですけれども、ヘイトスピーチ解消法が10年前にできてから、当時というのは2013年、14年というのはもう毎週のように東京の新宿、大阪の鶴橋、あるいは京都などなどで、岡山もそうでしたかね。

岡山、広島でもそうでしたけれども、ヘイトスピーチを目的としたデモがすごかった時代があった。

だけど解消法ができてから、そのデモの数というのはどう変化したんでしょうか。

教えてください。

委員長 井上英孝

警察庁鈴木官房審議官、お答えを申し上げます。

政府参考人 鈴木官房審議官

デモにつきましては、ヘイトスピーチに該当するような言動があったか否かに関わらず、右派系市民グループによるデモとして警察が把握している件数は、いわゆるヘイトスピーチ解消法が施行された平成28年は約40件、平成29年は約50件、平成30年は約30件となり、令和元年以降は約10件から20件で推移しているところでございます。

集会につきましてはデモとは異なりまして、警察において網羅的に把握しておりませんので、お答えすることは困難でございます。

質疑者 有田芳生

有田芳生君。

細かいことは言いませんけれども、警察庁の把握と民間団体の把握というのはだいぶ違っていて、相当デモの数は減っていると認識しているんですけど、そこはその通りでいいと思います。

もう一つ大事なのは、実はヘイトスピーチ解消法ができて、さまざまな裁判の中で理念法なんだけれどもヘイトスピーチ解消法の第2条が根拠となっていろんな判決が出ている。

そういう把握はされていますよね。

政府参考人 杉浦人権擁護局長

杉浦人権擁護局長、お答えいたします。

裁判につきましても、日頃から注意深く情報を収集しているところでございます。

質疑者 有田芳生

有田芳生君。

単なる理念法だと言われていたヘイトスピーチ解消法なんだけれども、それにもかかわらず各種裁判の中でヘイトスピーチ解消法を根拠として様々な判決が下されているという事実があるということを指摘しておきたいというふうに思います。

同時に人権擁護局に引き続きお聞きをしたいんですけれども、解消法ができてから全国各地で条例ができましたよね。

東京も大阪もそうですけれども、さまざまな条例ができた。

その中で、特徴的で大事なのは、川崎で条例ができた。

その時は、川崎の条例の中には罰則が入っているわけですよね。

だから、そこがものすごく大事だと思うんですけれども、人権擁護局の認識をお聞きいたします。

委員長 井上英孝

杉浦人権擁護局長。

政府参考人 杉浦人権擁護局長

お答えいたします。

いわゆるヘイトスピーチ解消法第4条では、地方公共団体は当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとするとされているところ、現在複数の地方公共団体において、当該地域の実情に応じてヘイトスピーチ解消に向けた条例が制定されているものと承知しております。

その中で、御指摘の川崎市で制定された「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」では、不当な差別のない人権尊重のまちづくりの推進、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進などについて定められているものと承知しておりまして、この条例の中では、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を禁止する規定や、当該規定に違反したものに対する勧告、命令等の措置を講ずることができる旨の規定が置かれているものと承知しておりまして、さらに命令に違反した場合には、一定の場合には罰則を課すことができる旨の規定が置かれているということは認識しております。

ただ、法務省としてこの条例につきましては、地方公共団体が自治権に基づいて制定しているものでございますので、その評価についてコメントすることは差し控えさせていただきます。

質疑者 有田芳生

有田芳生君。

ヘイトスピーチ解消法が成立するプロセスの中で今思い出したんですけれども、特に、公明党の議員の皆さんが当時の菅官房長官に申し入れを行って、その結果、ヘイトスピーチについての調査が行われて、その調査結果が立法事実となって法案成立に向かったんだけれども、あれから10年経って、法務省はもう一度、ヘイトスピーチに関する実態調査を行うというふうに聞いております。

約7,000万円ついたと聞いておりますけれども、どういう調査をこれからなさるんでしょうか。

委員長 井上英孝

杉浦人権擁護局長。

政府参考人 杉浦人権擁護局長

お答えいたします。

法務省では、ヘイトスピーチの解消に向けた取組を推進するため、ヘイトスピーチの実態調査を実施することを予定しておりまして、この実態把握をより適切に行う観点から、有識者検討会を開催し、詳細内容、手法等の検討を重ねてきたところでございます。

今般、有識者検討会におきまして、実態調査の内容、手法等に関する基本的な考え方が示されまして、調査内容としましては4点ございまして、相談機関等が把握する事例の調査、インターネット上のヘイトスピーチの実態に係る調査、国民に対する意識調査、ヘイトスピーチに関するメディアの報道状況の調査を行うことが適切であるとされたところでございます。

法務省としましては、この基本的な考え方を踏まえつつ、さらに検討を進めた上で、実態調査を実施してまいりたいと考えております。

質疑者 有田芳生

有田芳生君。

有識者による検討会というのは、全部で4回なされたそうですけれども、実はこの報告書ができていると聞いているんですけれども、それを公開される予定はありますでしょうか。

委員長 井上英孝

杉浦人権擁護局長。

政府参考人 杉浦人権擁護局長

お答えいたします。

有識者検討会では、実態調査の内容、手法等に関する基本的な考え方を示した報告書を、本年3月に取りまとめたところでございます。

この報告書の内容につきましては、事前に公表しますと、実態調査の実施及び結果に影響を及ぼす恐れがあることから、報告書の公表時期につきましては、実態調査の実施後に、実態調査の結果の公表時期に合わせるなど、適切に判断することとしたいと考えております。

質疑者 有田芳生

有田芳生君。

引き続きお聞きをしますけれども、実態調査というのは、いつぐらいから始めて、いつぐらいに終わるという見通しでいらっしゃるんでしょうか。

委員長 井上英孝

杉浦人権擁護局長。

政府参考人 杉浦人権擁護局長

実態調査の内容も含めまして現在検討中でございますが、本年度中に完了させたいと思っております。

質疑者 有田芳生

有田芳生君。

いくつかの調査をなされる、一番最初に事例調査というふうにあります。

法務局や地方公共団体から事例を収集するんだけれども、やはりこの問題って、被害当事者に話を聞く必要があると思うんですよ。

その法務省、人権擁護局の方針としては、「必要に応じて被害者等への聞き取りを実施」とありますけれども、「必要に応じて」ということではなく、やはり被害当事者の声を集めるということが大事だと思うんですが、いかがでしょうか。

委員長 井上英孝

杉浦人権擁護局長。

政府参考人 杉浦人権擁護局長

実態調査を実施するに当たりましては、被害を受けた方の声を伺うことも非常に重要であると認識しておりまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。

質疑者 有田芳生

有田芳生君。

被害者の声を聞くのはもう基本だと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

もう時間がなくなりましたけれども、最後に法務省にお聞きをしたいんですけれども、当時というのは、2回にわたって人種差別撤廃委員会の日本審査が行われました。

このヘイトスピーチ解消法にも深く関係してくるんですけれども、2018年以降、日本審査が行われていませんけれども、今どういう状況にあるんでしょうか。

法務省、教えてください。

委員長 井上英孝

法務省、貝原大臣官房参事官。

政府参考人 貝原大臣官房参事官

お答え申し上げます。

昨年12月、人種差別撤廃委員会から、次回の我が国の政府報告に関する事前の質問票が送付されました。

政府報告書は、事前質問票の採択後1年以内に提出することが求められており、現在、提出に向けて関係省庁と連携しつつ、鋭意作業を進めているところでございます。

次回対日審査に向け、引き続き関係省庁と連携しつつ、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

質疑者 有田芳生

有田芳生君。

59問、項目にわたる質問内容については、また機会があれば質問したいと思います。

終わります。

原山大亮 (日本維新の会) 12発言 ▶ 動画
委員長 井上英孝

井上英孝委員長:次に原山大亮君。

質疑者 原山大亮

原山大亮:日本維新の会、原山大亮でございます。

本日は特殊詐欺、特に電話詐欺について質疑をさせていただきたいと思います。

時々こんなニュースをお目にします。

「銀行員が機転を利かせ、高齢者の方の振込詐欺を未然に防いだ」。

そして称賛されるその銀行員の判断力と勇気は本当に素晴らしいと思います。

しかし同時にこうも思います。

なぜこの個人のファインプレーに頼らなければならない状況が続いているのか。

愛媛県の80代の方が警察官、検察官を名乗る者に騙され、12億円を失いました。

銀行員個人の判断力や勇気だけに頼って犯罪を防ごうとしているのであれば、制度設計の不備だと思います。

スキルのある銀行員がいれば防げる、いなければ通ってしまう。

それでは国民のことを守ることはできません。

どんな窓口担当者であっても、仕組みと制度が整っていれば防げる社会をつくる。

それが立法府の仕事だと僕は思っています。

令和7年、特殊詐欺とSNS型投資、ロマンス詐欺を合わせた被害額は約3,000億円。

過去最高額を大幅に更新いたしました。

毎年対策が打たれているにもかかわらず、なぜ増え続けるのでしょうか。

私は、口座開設時の本人確認という「入口」には強いが、異常な高額送金を止める「出口」の法的根拠が極めて弱いと考えています。

つまり、入口をいくら防いでも出口が開いたままでは防げないと考えています。

その上で金融庁に伺います。

12億円事案において、銀行員は声をかけたが止められなかった。

これは銀行側の問題なのでしょうか。

それとも制度の問題なのでしょうか。

金融庁としての認識をお聞かせください。

政府参考人 金融庁大木総合政策局次官

金融庁大木総合政策局次官:お答え申し上げます。

個別の事案につきまして金融庁としてコメントすることは差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げますと、金融庁といたしましては特殊詐欺等の深刻な被害情勢を踏まえ、金融機関に対し警察との連携強化や、取引の金額・頻度等に着目した検知、顧客への確認、また必要に応じた出金停止、凍結、解約等の措置を求めているところでございます。

他方におきまして、顧客の意向でありますとか、個々の状況によっては、金融機関が顧客からの送金依頼を拒むことが困難な場合もあるものと承知をしてございます。

質疑者 原山大亮

原山大亮:続いて法務省に伺います。

銀行が詐欺疑い案件として送金を一時保留した場合、民法上の債務不履行に問われるリスクがあると思います。

民法上の善管注意義務の観点から、12億円のような異常な取引について、銀行に高度な調査義務を認める解釈の余地があるのか教えてください。

政府参考人 法務省松井民事局長

法務省松井民事局長:お答え申し上げます。

一般に振込の依頼は、受取人の口座に入金することを委託する準委任の性質を有するなどと解されており、依頼を受けた銀行は準委任契約の受任者として、準委任の本質に従い、善良な管理者の注意をもって受取人の口座に入金するという事務を処理する義務を負うと考えられております。

この事務を処理するにあたり、その善管注意義務等に基づき、銀行側の注意義務の内容・程度については、個別の事案における具体的な事情によって異なり得るため、一概にお答えすることが困難でございます。

質疑者 原山大亮

原山大亮:今起きている詐欺の特徴は、警察官や検察官を名乗ることで成立している点にあり、国民がそれだけ警察や検察を信頼しているということでもあると思います。

しかし、その信頼が犯罪に繰り返し悪用される状況が続けば、本物の警察や検察からの連絡であっても信用されない社会というのは、治安の観点からも健全とは言えません。

そこで法務省に伺います。

一定条件下で送金保留について債務不履行に当たらないという解釈を明確に示すことは、信頼を守るための具体的措置として検討対象にすることはできないのでしょうか。

政府参考人 法務省松井民事局長

松井民事局長:お答え申し上げます。

先ほど申し上げたとおり、振込の依頼を受けた銀行側の注意義務の内容・程度は、個別の事案における具体的な事情によって異なり得ます。

このため、振込の依頼を受けた銀行による送金の留保の可否について、一概に民法上の解釈を示することが困難でございます。

もっとも、お尋ねのような詐欺が繰り返されることによる被害を防止することが重要であるという認識を持っております。

関係省庁において、そのような被害を防止する観点から、送金の留保の可否についての検討がされる場合には、法務省としても、民事基本法を所管する立場から、必要な協力をしてまいります。

質疑者 原山大亮

原山大亮:現行の振込先救済法は、犯人の口座を凍結し、残っていた残高を被害者に分配する仕組みです。

しかし、現実には、犯人グループは送金された直後に引き出してしまう。

口座が凍結された時点でゼロという事態が頻発していると思います。

そこで金融庁に伺います。

振込先口座救済法に基づく被害回収額及び被害回収率について、直近の実績をお示しください。

約3,000億円を超える被害額が出て、一体いくら回収できているのかをお聞かせください。

金融庁、山下総合政策局次官。

政府参考人 金融庁山下総合政策局次官

お答えいたします。

データの制約等がございますので、被害回収額、被害回収率を厳密に計算することは困難であることをご理解いただきたいと存じます。

その上で、仮に計算いたしますと、まず、被害の回収額に相当するものとして、犯罪利用の疑いにより、振込詐欺救済法に基づく執行手続が行われた預貯金の額、いわゆる消滅預金等の再建額でございますが、こちら側の最新の年次公表データが2024年度のものでございまして、こちらが約77億円となっております。

これに対応いたします被害額の方でございますけれども、こちらは警察庁から公表されております、この同じ2024年度のベースの特殊詐欺の被害総額の数字は約906億円となっております。

従いまして、これらの数字を用いて仮に計算をいたしますと、被害回収率の数字というのは約9%というものになります。

質疑者 原山大亮

原山大亮君。

非常に低い数字だということが確認できました。

そこでイギリスが2024年に導入したオーソライズド・プッシュ・ペイメント詐欺保証制度、いわゆるAPP詐欺保証制度でございます。

イギリスの銀行は、詐欺の疑いがあると判断した場合、送金を最大72時間停止し、調査することができます。

この間に警告を発し、警察、受取側の銀行と連携をして、安全を確認することが可能となりました。

また、顧客が騙されて自分の意思で振り込んだ場合でも、銀行は原則として被害額を保証しなければなりません。

保証条件は1件当たり8万5千ポンド、日本円で約1,800万円です。

さらには、犯人口口座を管理する受取側の銀行にも被害額の50%の保証責任を課しています。

責任を負わせるとなると、受取側の銀行も怪しい口座を開設させない、不審な入金をリアルタイムで検知することに注力するようになると思います。

つまり制度設計次第で銀行側の行動を変えることができると思っています。

これはまさに個人のファインプレーに頼らない制度設計の典型だと思います。

そこで金融庁に伺います。

イギリスのこの新しい仕組み、APP詐欺保障制度について金融庁はどのように評価をしているんでしょうか。

山下総合政策局次官。

政府参考人 金融庁山下総合政策局次官

お答えいたします。

委員ご指摘の英国の制度でございますが、私の認識でございますが、金融サービス市場法に基づきまして、決済サービスの提供者に対して、詐欺被害者へ原則全額保障するよう義務づけておりまして、当該保障のうち50%を受取側の銀行等に負担をさせるものと承知をしております。

我が国におきましては、この英国のような銀行による保障の義務化に係る規定はないと認識をしておりますけれども、英国と我が国では、法体系や金融監督制度のあり方にも異なる点が多くございますので、一概に単純比較し評価することは困難である点をご理解いただきたいと存じます。

ただその上で、私ども金融庁といたしましては、本日ご示唆をいただきましたこの英国の制度もしっかり参考にしながら、関連する諸制度とのバランスも考慮しつつ、どのような対応を取り得るか、継続的に検討に努めてまいりたいと思います。

質疑者 原山大亮

原山大亮君。

ありがとうございます。

日本では中小金融機関の負担を懸念する声があることは、僕も承知していますし、イギリスも当初案を修正して、保証上限を設けることで、中小金融機関への配慮を行ったりもしています。

いきなり全てとはいかないとしても、今前向きな答弁いただきましたので、しっかりと研究しながら、段階的にでも導入を検討していただけたらなという思いです。

日本の現状は入口の遮断と口座凍結に重点が置かれていて、騙されて自ら振り込んでしまった被害者を救う制度が決定的に不足していると思っています。

法改正が必要であること、民法上の整理が必要であること、合意形成に時間がかかることは十分理解していますが、できない理由を探すんじゃなくて、どうすれば解決していくのかというのをやはりしっかり研究して追求していってもらいたいと思います。

制度が整って詐欺を防げる社会、そして制度でしっかりと被害者を救済できる社会を目指していただけますよう、少し時間が余ったんですが、私の質問を終わらせていただきます。

ありがとうございました。

小竹凱 (国民民主党・無所属クラブ) 58発言 ▶ 動画
委員長 井上英孝

次に小竹凱君。

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

国民民主党の小竹凱です。

本日もよろしくお願いいたします。

まずは、能登半島地震、被災地の窃盗被害から見える今後の被災地域におけるセキュリティ対策について質問したいと思います。

2024年の元日の能登半島地震の発災以降、能登四市町における窃盗の被害が増えているというふうに聞いております。

昨年の北陸中日新聞、昨年末ですけれども、被災の能登四市町、空き家などを狙った窃盗が急増していると。

中身を見ていきますと、特にこの能登四市町ですね、2市2町が窃盗の刑法犯認知件数が過去最多だった2023年をさらに上回って、2025年は過去最多というふうになっておりますが。

そこによって、この被災地での治安対策が急務になっていると書かれております。

発災以降、地震発生の前年である2023年と比べていただきまして、窃盗犯罪件数と摘発件数、そして摘発率をそれぞれお示しください。

答弁者 警察庁大臣官房審議官

警察庁大臣官房審議官、お答えいたします。

警察庁でまとめている犯罪統計で見ますと、令和6年、能登半島地震発生以後、和島市、珠洲市、穴水町、能登町の被災地域における刑法犯認知件数につきましては、令和6年は229件、令和7年は315件であり、震災前年の令和5年と比べると、それぞれ98件、184件増加となっております。

そのうち、窃盗犯につきましては、令和6年は178件、令和7年は242件であり、令和5年と比べますと、それぞれ94件、158件増加となっております。

刑法犯の検挙件数でございますが、令和6年は84件、令和7年は162件であり、令和5年と比べると、それぞれ24.4ポイント、9.7ポイント低下となっております。

なお、窃盗犯につきましては、令和6年は30.9%、令和7年は51.2%でありまして、令和5年と比べますと、それぞれ29.8ポイント、9.5ポイント低下となっております。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

ありがとうございました。

これを見てみますと、発生件数に関しては2倍、3倍となっている中で、検挙率はむしろ半分以下に下がっていると思います。

前回も一回質問したことがあるんですけれども、被災地における窃盗というのは、震災の度に問題視されておりまして、窃盗の被害に対しての取締状況、発災直後から現状まで様々なフェーズがあると思いますが、現在での取組をお示しください。

答弁者 警察庁大臣官房審議官

警察庁大臣官房審議官、お答えいたします。

令和6年、能登半島地震に際しましては、発災直後から石川県警察に加えまして、全国警察から派遣された応援部隊によりまして体制を構築し、被災地における犯罪被害の防止や被災された方々の不安の解消を図ってきたところでございます。

具体的に申し上げますと、被災地の安全安心を確保するための活動として、45都道府県から派遣された特別自動車警ら部隊等による被災地域や避難所周辺の警戒警ら、43都府県警察から派遣された女性警察官を中心とした特別生活安全部隊等によります避難所訪問や相談対応、防犯チラシを活用した広報啓発など、被災者の方々に寄り添った活動を実施したほか、警察庁におきまして、石川県内に防犯カメラを設置し、被災地の犯罪抑止を図ったところでございます。

現在におきましても、石川県警察では、被災地域を中心とした、県費による街頭防犯カメラの整備、被災地における24時間体制での警戒・警ら活動、被災地を管轄する警察署への職務質問技能に秀でた警察官の配置による各種街頭活動の強化などの治安対策を推進しております。

また、被災地域におきまして、空き家に対する侵入窃盗等の被害が増加しております現状を踏まえまして、令和8年3月30日、警察本部直轄の組織である能登治安対策センターを設置し、被災地域を中心とした警戒・警ら活動や、移動交番車による相談対応や、犯罪被害防止に関する広報啓発などを集中的に実施しているところでございます。

引き続き被災地における安全安心を確保するための取組を的確に推進し、犯罪被害の防止や被災された方々の不安の解消を図ってまいりたいと考えております。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

ありがとうございます。

移動交番車なども存じ上げておりますし、様々取り組んでいただけるというふうに思っております。

その中で、先ほど空き家を狙った被害ということでありまして、能登半島って半島なので海のイメージがあるかもしれませんが、ほとんど実は山であって平地が少ないんですけども。

徐々にいわゆる「ポツンと一軒家」と言われるようなところに続く道が道路警戒されていく中で、その道路警戒されてお宅まで行けるようになったと連絡が届いた頃には、その居住者が行ったときには大体空き巣に入られているというような話を、私だけで既に3件聞いております。

242分の3かもしれませんけれども、そういうところはやはり、この被災者の心をさらにえぐるようなことになると思いますし、こういう被害をぜひなくしていただきたい。

もちろん同じ方向を向いていると思いますが、これまでの震災時におけるこういった空き家に対する空き巣の対策、こういったものはございましたでしょうか。

委員長 井上英孝

委員長。

答弁者 服部官房審議官

服部官房審議官、お答えいたします。

委員ご指摘のとおり、住民の方々が避難することで空き家が多くなる地域では、寸断された道路の通行が可能となりますと外部からの人流が増加し、避難中の家屋への空き巣等の窃盗被害が多発しうるものと認識しております。

警察では、被災地におけるこれらの犯罪被害を防止するため、パトカーによる被災地でのパトロール等の警戒や、避難中の空き家に関する防犯指導を実施するとともに、避難で住民の方々が不在となる地域の街頭や、被災地域の主要な通り、商店街等に防犯カメラを設置しているところでございます。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

ありがとうございます。

これ、結構毎回同じことを繰り返していてですね、道路警戒してだいたい72時間以内ぐらいに入られると思いますので、この道路警戒と同時に重点的にその期間を警備の強化に当たっていただきたいというふうに、そういった提案もさせていただきます。

そして、この被災地における侵入窃盗、いわゆる「火事場泥棒」とかも言われますけれども、財産犯にとどまらず被災者の生活基盤を直撃し、社会的弱者の立場にある方を極めて悪質な形で追い込むというふうに思います。

こういう犯罪に関しては、行政の体制強化はもとよりですけれども、刑事法の観点からも抑止の方向が重要だというふうに思っておりまして、少なくとも量刑上の加重事由として、その悪質性を明確にして位置づけるということに関しては、検討に値するんじゃないかと考えますが、現行法ではこうした災害時特有の悪質性が必ずしも十分に評価されていないというふうに考えます。

政府としてこういった現状をどのように認識され、今後の被災地のこともありますから、今後の制度的対応をどのように考えているのか、平口大臣の見解を伺います。

法務大臣 平口洋

平口法務大臣、お答えいたします。

委員ご指摘のとおり、震災によりさまざまな……。

(※中略・重複箇所)……を新設することについては、具体的にどのような行為を切り出して加重処罰の対象とするのか、ただいま申し上げた現行法の法定刑では賄えないような状況が生じているのか、さらに引き上げるとしてどの程度の引き上げが必要なのかなど、多角的な観点から、その必要性を含めた慎重な検討が必要であると考えられるところでございます。

いずれにしても、検察当局においては、被災者の方々の救助に及ぶなど、悪質と認められる事案については、厳正に対処するものと承知しております。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

能登半島もですね、もう2年4ヶ月経ちましたので、この復興のフェーズに入っていく中で、単に被災地の空き巣という意味ではなくて、全国の方に視野を広げてですね、全国的に過疎地域におけるこの空き家の空き巣、正確には居住用空き家への侵入について伺います。

居住用空き家への侵入と敷地内倉庫への侵入、いわゆる「倉庫荒らし」を合計した空き家を対象とした侵入窃盗被害の件数の推移を教えてください。

答弁者 服部官房審議官

服部官房審議官、お答えいたします。

倉庫荒らしを含めた空き家に対する侵入窃盗の認知件数につきましては、統計を開始した令和2年以降、5年連続で増加しており、令和7年は1万1958件となっております。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

過去最高を更新し続けているということでございますけれども、犯罪統計資料を見ても、過疎地域だからといって犯罪が少ないとは言い難い状況もありますし、つまり「都会は治安が悪くて田舎は安心」とか、そういうことは決して正しくないと思います。

また、SNSを皆さんもどんな年代でもやられていますので、それぞれがメディアを持つようなこの時代に、人の目が行き届かない方が危険度が高いとすら捉えられるんじゃないかと思います。

そうすればさらに東京一極集中をはじめ、都市部への人口集中が加速すると思いますので、政府が今進めようとしている、例えば地域居住なんかについても、思わぬところで防犯対策みたいなところが……。

足枷となって意外と進まないみたいなことも可能性としてあり得るんじゃないかと思いますけれども、この過疎地域における今後の防犯対策、ハード面とソフト面、両方の取組についてお答えください。

答弁者 政府側答弁者

(政府側答弁者)お答えいたします。

人口減少に伴い過疎化する地域が今後拡大することが想定されておりますところ、警察といたしましても、これら地域の防犯力をいかに高めていくのかが重要な課題であると認識しております。

まずハード面の対策でありますけれども、一般的に過疎地域では防犯カメラの設置が進んでいないところ、例えば空き家の多い住宅街など、犯罪が実行される可能性が高いと考えられる場所に、防犯カメラの設置を働きかけていくことが重要であると認識しております。

警察では防犯カメラの設置が必要な場所を整理し、地方創生の交付金等を活用しつつ、防犯カメラの設置が一層図られるよう、自治体に必要な要請を行っているところであります。

ソフト面の対策といたしましては、防犯ボランティア団体等による地域での自主的な防犯パトロールや、子どもの見守り活動などを活性化するとともに、住民の方々お一人お一人の防犯意識を高めていくことが重要であると認識しております。

警察では、自治体と緊密な連携もしつつ、地域の住民の方々に対し、犯罪発生情報の提供、合同パトロールの実施など、必要な支援を行っているところであります。

警察といたしましては、今後ともハード・ソフトの両面を組み合わせ、過疎地域の防犯力向上のため、必要な取組を行ってまいりたいと考えております。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

はい。

過疎地域っていうのがイコールほぼ超高齢地域になりますから、そういう防犯上のリスクの対策は不可欠でありまして、各省庁がまたがる形となると思いますし、さらに自治体との連携も発生すると思いますけれども、防犯対策一体型の地域政策にぜひ努めていただきたいと思います。

次の質問に入ります。

建設現場における外国人労働者の問題について伺います。

来年4月から施行されます育成就労制度についてまず伺います。

本制度は従来の技能実習制度を発展的に解消し、人手不足分野における人材の育成と確保を目的とするものと承知をしております。

外国人が在留資格「育成就労」の下で、就労を通じて技能や日本語能力などを身につける制度であるというふうに理解しておりますが、そこでお尋ねをいたします。

本制度はあくまでも一定期間の技能習得と人材循環を前提とした制度なのか、それとも我が国に定着し将来的な永住につながることを想定した設計となるのか、この政府の基本的な考え方をお示しください。

答弁者 出入国在留管理庁内藤次長

出入国在留管理庁内藤次長。

お答え申し上げます。

育成就労制度は、3年間の就労を通じて、特定技能1号の技術水準の人材として育成するための制度であり、段階的に技能等を向上させ、特定技能1号へのキャリアアップを図るものでございます。

このように育成就労制度は、永住許可につなげることを目的とした制度ではございません。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

前提とした制度ではないということでございますけれども、よろしいですか。

答弁者 出入国在留管理庁内藤次長

内藤次長。

前提という言葉がなかなか難しいものでございます。

さらにちょっと精度を細かく言うことになりますが、育成就労から特定技能1号を経て、熟練した技能を有し、我が国の経済社会の活性化に資する専門的技術的分野の外国人である特定技能2号まで移行した場合には、一定の要件を満たせば永住許可申請を行うことも可能になります。

ただ、この育成就労から特定技能1号に移行するためには、所要の技能試験及び日本語能力試験、(中略)変更されるということで、今簡易型と詳細型と2つある中でどちらかが選べるというような状況になっておりますけれども、それが詳細型に一体化されるというふうに認識しております。

今の説明ですと、最初に2号になる方は永住にもつながっていくというふうに思いますが、永住を前提としていない方を将来にわたって中長期的に日本でキャリアを積んでいくシステムに登録するということが、そもそも制度の目的と合っていないんじゃないかというふうに思いますし、このキャリアアップシステムの来年の変更というところで、育成就労の方も全て適用型ですね。

事業者側からするとお金の負担もかなり増えるわけでありますが、この負担だけを求めて成果がないんじゃないかと思いますが、見解をお願いします。

法務大臣 平口洋

平口大臣。

答弁者 官房審議官

官房審議官、お答えいたします。

技能実習制度や特定技能制度における外国人材の受入れに当たり、建設分野では分野特有の事情に鑑みて独自の上乗せ措置を講じることにより、外国人材の適正かつ円滑な受入れを図っております。

具体的には報酬の安定的な支払いなどに加えて、技能経験に応じた適切な処遇を確保する等の観点から、受け入れ企業に対し、技能実習生及び一号特定技能外国人を建設キャリアアップシステムに登録すること等を義務づけているところです。

お話はありました。

令和9年7月から開始される育成就労制度でも、本年1月に閣議決定した分野別運用方針において、受入れ企業に対し育成就労外国人を建設キャリアアップシステムに登録すること等を義務付ける方針をお示ししているところです。

こうした取組を通じまして、技能経験に応じた適切な処遇を確保する等の取組を進めてまいりたいと考えております。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

取り組みを適切にというか、就労状況も把握することは全然構わないですけれども、このキャリアアップシステムということの目的と、今回この育成就労制度にも適用型を当てはめること自体が、私はそもそもおかしいんじゃないかというふうに思いますし、ちょっとキャリアアップシステムに関しては言いたいこといっぱいあるので、またそれは国交省のところで質問させていただければというふうに思います。

今日はここまでにしておきます。

続いて、「技人国」ですね。

いわゆる「技人国」の偽装就労についても伺います。

これも建設業のことに限って質問させてもらいますけれども。

近年、日本の建設業界では慢性的な人手不足が続いておりまして、外国人労働者の受け入れが加速しております。

その一方で、「技術・人文知識・国際業務」、いわゆる「技人国」と言われる、本来ホワイトカラー向けの在留資格を取得した外国人が、結果として建設現場で肉体労働をしているというケースが見受けられます。

これ一見すると柔軟な労働配置というか働き方にも思えるかもしれませんが、入管法違反となる偽装就労でありまして、企業・外国人双方に法的な重大なリスクが発生する恐れがございます。

「技人国」は専門的な知識や技術を必要とする業務に外国人が従事するということを想定にした在留資格でありまして、現場作業員とかブルーカラーの就労というのは本来認められておりませんが、建設業界でいうところの設計や施工管理やCADオペレーターなどが想定するところかと思います。

しかし、建設会社の中には、「技人国」の在留資格で外国人を雇用して、本来その資格で認められていない鉄筋工、型枠工、また鳶工だったり、石川県の事情に鑑みて言うと、被災地の解体工事なども現場作業を行わせているというのが実情としてございます。

私もまさに建設業界にいた人間ですので、こういうことは常々聞いておりましたし、先日地元の行政書士さんとお話をしておりますと、建設業界だけでなく自動車業界でも似たようなことが起きているというふうに伺っております。

これ言うまでもなくて、「技人国」の在留資格外の活動でありまして、こういう現場作業は本来特定技能であったり技能実習の在留資格でなければ従事することはできませんが。

答弁者 出入国在留管理庁内藤次長

質問一つ前後しますけれども、「技人国」の偽装就労についてですね、入管庁はどの程度把握をされているのかお答えください。

内藤次長。

お答え申し上げます。

出入国在留管理庁においては、一般的に個別の在留審査の段階で、申請人が申請した在留資格に応じた活動を行うことについて疑義が認められれば、実態調査等を行っており、具体的件数は統計として有していないが、その結果として在留期間更新許可申請を不許可とする場合も一定数存在します。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」で在留するものについて、偽りその他不正の手段により許可を取得した場合や、在留資格……。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

「技人国」のいわゆる不法就労、偽装就労が起きる背景としまして、外国人を雇用する際のコスト面において、「技人国」と特定技能、技能実習では違いがありまして、単純に採用コストが安いということがそこにつながっているという一因だと私は考えています。

特定技能や技能実習制度で企業側が払う1人当たりにかかるコストはおよそいくらか、また、「技人国」の場合も同様に企業側のコストが発生するのかお示しください。

答弁者 出入国在留管理庁内藤次長

内藤次長。

お答え申し上げます。

外国人の雇用に当たり、企業側が支払う費用は多岐にわたり、一概に申し上げることは困難でありますが、技能実習制度において受入れ機関が技能実習生の受入れに当たり支払う費用としては、実習管理を行う管理団体に対する管理費がございます。

技能実習法令上、管理費として徴収することができる費用は、職業紹介費、講習費、監査指導費及びその他所経費と規定されており、いずれも実費の範囲内で定めることとしております。

また、特定技能制度につきましては、これらの管理費、支援委託費を定期的に統計数値として把握しておりませんが、過去に行われた調査に基づきましてお答えしますと、令和3年に外国人技能実習機構が実施したアンケート調査によれば、技能実習生1人当たりの管理費の平均は初期費用として約34万円、月額で約2万円から3万円。

令和4年に出入国在留管理庁が実施した調査によれば、特定技能外国人1人当たりの支援委託費の平均は月額で2万8000円となっております。

他方で、恐縮なんですけれども、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の在留申請におきましては、所属機関における就労予定外国人の受入れに係る費用について申告を求めることにはなっておりませんで、当庁として把握しておりませんので、お答えすることが困難でございます。

委員長 井上英孝

小竹凱君

質疑者 小竹凱

ありがとうございます。

特定技能であったり技能実習であればこれだけかかるというのを、「技人国」であればほとんど、ほとんどというかかからないということで、単純にコストが安いということで、こういう偽装就労につながっている一因かなというふうに考えております。

ここでちょっと通告しておりませんが、あえてちょっと国交省に質問だけお伺いしたのですが、今現場でですね、すでに取り入れられているCCUSであったり、グリーンファイルが正しく機能していれば、こういった本来認められていない在留資格で働くというこのスクリーニングは容易にできると思いますが、これなんで今やっていないんでしょうか。

国交省としてこの問題を全く知らないとは思えないんですが、お答えをお願いします。

法務大臣 平口洋

平口大臣(官房審議官)

答弁者 官房審議官

お答えいたします。

在留資格に基づいてきちんと働いていただくこと、非常に大事なこと、国交省としても認識しております。

在留資格がCCUSなどを通じてきちんと把握できるようになれば、そういった問題もだいぶ解消されるんじゃないかというご質問であろうかと思います。

現在、入管庁とも協力しまして、在留資格を国土交通省の方でデータとして受け取りまして、それをCCUSの方で確認できるようにするということを、昨年の補正措置で準備をしておりまして、今後その点について改善が進められるものと思っております。

委員長 井上英孝

小竹凱君

質疑者 小竹凱

ありがとうございます。

正しく正規のルートで受け入れる人の方が、企業の方が負担が大きくて、こういった偽装で進んでいく方が、実は採用コストも含めて安くあってしまうというのが……。

答弁者 出入国在留管理庁内藤次長

内藤次長お答え申し上げます。

お尋ねの在留資格「技術・人文知識・国際業務」をもって在留する外国人は、学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的能力を必要とする業務や、外国の文化に基盤を有する思考または感受性を必要とする業務に従事していただく必要がございます。

他方で、外国人を受け入れた企業等において、先生ご指摘のとおり、認められた活動内容に該当しない業務に従事させている事案が存在することは事実だと認識しております。

その背景には、先生ご指摘のとおり外国人の受入れ制度への理解が必ずしも十分ではない受入れ企業等も見受けられることから、出入国在留管理庁といたしましては、例えば在留資格「技術・人文知識・国際業務」に係るガイドラインに掲載する許可事例・不許可事例の拡充、それから在留資格「技術・人文知識・国際業務」と在留資格「特定技能」との活動内容を比較した参考資料の作成・公表、それから共生社会の実現……。

委員長 井上英孝

小竹凱君

質疑者 小竹凱

この書類だけの審査が中心になってしまうと、なかなか実態まで細かく把握できていないため、いろいろなケースを見逃す温床になっているというのが実情であると思いますし、小さな企業になれば、そういう資格の管理とかも甘くなることも容易に想像できます。

見つからなければ大丈夫というような感覚もあるかもしれませんし、建設現場特有のスポットスポットで現場が移動していくというところも、なかなか実態がつかみにくいところもあるかなというふうに思います。

さまざまなフェーズで省庁横断的になりやすいとは思いますけれども、しっかりと入管庁が責任を持って取り組んでいただきたいというふうに思いますし、今度入管法の改正のときに手数料収入が増えますので、そういったところは実際の入管庁の必要業務に予算を充てていただき、一部報道にもなっておりましたけれども、高校無償化の財源とか、そういった別のところに使うんじゃなくて、やはり困っている現場の方にしっかりと重点的に予算が行き届くように、よろしくお願いしたいと思います。

そして、次の質問に入ります。

刑事訴訟法の再審規定について伺います。

連日のように報道が変わっていく中で、自民党部会の中で様々議論をされていると思いますが、今回、再審制度の見直しに向けた法案提出に至った立法事実について伺いたいと思います。

再審は無辜の救済という刑事訴訟法の根幹に関わる制度でありながら、現行制度の下では、救済に極めて長い年月を要する事例が相次いでいるところでございます。

例えば、この袴田事件であったり、福井事件なども、本当に長年、半世紀にわたる……。

法務大臣 平口洋

平口法務大臣。

再審制度に関しましては、現行刑事訴訟法の制定以来、改正が行われていないところ、近時、再審無罪事件等も相まって、再審請求者等の手続保障が必ずしも十分でないといった指摘や、手続規定が不十分であるため、審理運営上の困難が生じており、事件によっては処理が遅延しているといった指摘がなされているものと承知をしております。

こうしたことを踏まえて、法務省としては、再審制度が非常救済手続きとして、より適切に機能するよう、再審請求者等の手続保障の充実を図るとともに、手続きの円滑化、迅速化に資するため、再審制度について所要の改正を行う必要があると考えているところでございます。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長(または指名者)小竹凱君。

質疑者 小竹凱

小竹凱ちょっとなんかよく争点が、主眼がわからなかったんですけれども、「事件によって」ということでありますけれども、ほとんどの場合ですね、長年にわたっているというふうに思いますし、一番の主眼は、どう考えても、冤罪被害者の早期救済に尽きるというふうに思います。

その上で、次の質問に入りたいと思うんですけれども、福井事件の検証について伺いたいと思います。

本件は長期間にわたり、再審請求が繰り返され、証拠の評価や捜査のあり方について、重大な疑問が次々指摘されてきた事案であります。

再審無罪となった事件については、単に個別の救済にとどまらず、なぜ誤判が生じたのか、その原因を客観的かつ徹底的に検証し、制度に反映させることが不可欠だと考えております。

この点、袴田事件におきましては、最高検察庁内で検証が行われたと承知をしておりますが、しかしながら、公判の一員として、捜査・公判活動のあり方が主に問われているにもかかわらず、当事者である組織が自ら内部限りで検証を行うという現在の枠組みについては、客観的、そして中立性の観点から限界があるというふうに感じております。

金沢弁護士会の再審法改正を求める決議の中でも、その決議の中の3番に、「再審無罪となった事件について、通常審理を経て有罪となった原因を独立して検証するための第三者委員会の設置を求める」というふうにされております。

理由としましては、「通常審に直接関与した裁判官や検察官が自らの誤りを検証することは困難であり、特に検察官については、後に再審無罪判決が確定したとしても、請求人こそが真犯人であるという内心を払拭することができず、十分な省察に至ることができていないというのが現在につながる実態である」というふうに文書をまとめられております。

このことを踏まえて、まさに国民の信頼を得るためには、第三者性を担保した独立した検証体制を構築することが必要でないかと考えます。

そしてその上で、福井事件については検証をすべきと考えますがいかがでしょうか。

法務大臣 平口洋

平口洋法務大臣(または佐藤刑事局長)

答弁者 佐藤刑事局長

法務省佐藤刑事局長、お答えいたします。

検察当局におきましては、無罪判決等があった場合には、当該事件における捜査・公判活動の問題点を検討し、必要に応じて問題意識を共有して、反省すべきは反省し、今後の捜査・公判活動の教訓としているところでありまして、このことはご指摘の事件についても同様でございます。

その上で、検察当局においては、ご指摘の事件で前川昌司さんが相当期間にわたり、福井地裁で無罪となったことについて厳粛に受け止めているというところでございまして、また再審判決の指摘を踏まえて、検察官としては、従前の主張や証拠に誤りがあることが判明したならば速やかにそれを撤回し、必要に応じて裁判所や弁護人に経緯の説明や関係証拠の開示を行うなど、適切な是正措置を行うことがあることなどを、今一度、全国の検察官に向けて周知したところであります。

その上で、今、個別の事件があり、無罪判決等が確定した後に、検察部内の検討の詳細を公表するか否か。

につきましては、まずもって検察当局において、個々の事案に応じて検討した上で、適切に判断して対応すべきものであると考えておりますし、また第三者を入れるかということにつきましては、さまざまな事件がございまして、関係者のプライバシーであるとか、捜査の秘密であるとか、さまざまな論点がございますので、そこも含めてまずもって検察当局において、事案を検証しているという状況にあるということでございます。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

第三者を入れるということについて、まさにもっと強く言ってほしかったんですけれども。

プライバシーとか、もちろん分かりますけれども、半世紀58年ですよ。

無罪判決が出るまでは、また事件は、その期間拘束されることで、そしてまたその検証自体を、捜査に問題があった検察内で内部で行っている方がですね、今後に全く反省が生かされていないというふうに思います。

また、福井事件に関して言うと、第一次再審のときにはですね、証拠が出てこず、第二次に裁判官が相当強くいたときに、ようやく300点ほどいきなり証拠が出てきたということに関して言うと、このことだけでも立法事実に当たるというふうに思いますし、これを反省せずに、また第三者も入れない検証をしても、全く次につながらないと思いますが。

もう一度お願いいたします。

答弁者 佐藤刑事局長

佐藤刑事局長、お答えいたします。

そのご指摘の事件の訴訟の経過、さまざまな事情があるわけでありますが、今の証拠開示の話で申し上げますと、その時系列の話もありまして、昭和16年に刑事訴訟法が改正されて、証拠開示の制度ができ、それ以後そのような運用がなされるようになったというのが一つ。

正に17年施行されております。

加えて、これは捜査の関係の証拠というのは、検察官が持っているものだけではありません。

実は警察にも保管されているわけですけれども、これに関して、昔の最高裁の開示に関するルールでは、検察官の開示証拠なんかが、検察官の手持ち証拠だけだったんですけれども、これが平成19年、20年に警察の保管証拠にも広がるといった形で、さまざまな制度変更のある中で、いろいろな事件について、証拠開示に関する問題が生じてきたというのも事実でありまして、そういったことも踏まえて、個別の事案ごとに検討しているという状況でございます。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

今、証拠開示のところがありましたので、ちょっと質問を飛ばしましてですね。

本当に一昨日ですかね、再審請求後の審理を1年とするという、こんな修正案が報じられている中身について、まだちょっとクリアになっていない部分もありますので、推察で話してしまう部分もあるかと思いますが。

この検察官による広告を前提としたままですね、この書き方ですと、前提としたまま審理期間だけを短縮しても、この無辜の救済につながるのかというと。

懸念しております。

検察に関して、検察だけじゃないというふうに言いましたけれども、圧倒的に多く持っているのは検察側でありまして、弁護側との間には構造的なかなり格差があると言われている点を踏まえると、証拠開示のあり方もクリアにならないと、この今出ている「再審請求後の審理を1年とする」というのは、かえって後退する恐れすらあると思います。

こうした観点から、この修正案が本当に無辜の救済につながるかということを考えると、それでもこの検察官広告であったり、証拠開示のあり方というのは現状案でよろしいというふうに考えてらっしゃるでしょうか。

答弁者 佐藤刑事局長

佐藤局長、今検討いたしております。

再審法の改正案におきましては、関連性のある証拠、再審請求理由に関係する証拠、関連のある証拠については、裁判官に証拠の開示命令の義務を課して、それから検察官にも開示する義務を課して、その証拠の開示、事件に再審請求理由に関係する証拠が開示されることを法制度の観点からも担保するものでありまして。

これ、通常審では今もうすでにさまざまな形で証拠開示のルールができて、現場にも非常に定着しているところでありまして、弁護人によっては検察官の保管している証拠をほぼ開示を受けているということも当然あるわけであります。

そういう中で、このルールを再審請求にも広げようというのが今回の法案の趣旨であります。

その上で、すみません。

今ご指摘の趣旨は報道などで修正案ということがございましたけれども、今与党の党内手続におきまして、修正を含めた対応の検討を求められていることは事実でありますけれども、その内容、具体的な内容に関しまして、私から今お答えするのは差し控えさせていただきたいと思っているところであります。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

時間がなくなりましたので、最後の問いに行きたいと思いますけれども、まずは、やはり唯一の立法機関である国会において、議員立法、昨年、最新法改正案、議連案を出しましたけれども、まずは、この議員立法を早期に実現させて、速やかに方向性を示すことが重要であると思いますし、法制審自体を全く否定するものではなくて、法案で早く改正案を成立させて、残された論点について審議会の中で審議を尽くしていくという役割分担にした方がいいんじゃないかと思いますが、この進め方、考え方、議連案が中心となってまず進めていくということに関じて、大臣の御見解をお願いします。

法務大臣 平口洋

平口法務大臣。

お答えいたします。

まず、議員立法に関わる事柄につきまして、法務大臣としては所見を述べることは差し控えたいと思います。

その上で、最新制度の改正は、基本法である刑事訴訟法の改正に関わるものであり、刑事裁判実務に非常に大きな影響を及ぼすものであることから、まず政府の責任において検討すべきものと考えております。

法務省としては、法制審議会の答申を重く受け止めつつ、与党内審査における議論も踏まえて、できるだけ速やかに法案を提出できるよう、力を尽くしてまいりたいと考えております。

委員長 井上英孝

小竹凱君。

質疑者 小竹凱

答弁が全く進展しないというか、なかなかこっちの理解を進めていただけないということは本当につらく思いますし、やはり一つ一つの事案を見ても、今の新しい改正案でいいのかということは、大臣自身もしっかりと疑っていただいて、一刻も早く最新法が改正されて、そして充実した中身になっていくことを強く求めまして、質問を終わります。

ありがとうございました。

次に、内閣提出出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第2条第5号の旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

平口洋 (法務大臣) 2発言 ▶ 動画
委員長 井上英孝

井上英孝君。

答弁者 平口洋

平口法務大臣。

出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第2条第5号の旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨をご説明いたします。

短期滞在の在留資格に係る新規入国者数は、令和7年に約3846万人と過去最高を更新し、さらなる増加が見込まれます。

このような中、不法残留等を企図する者の入国を防止することにより、厳格な出入国管理を実現するとともに、上陸審査の手続の一層の円滑化を図ることが必要です。

また、在留外国人数も令和7年末時点で、法務大臣として総合的な負担を求める必要があります。

この法律案は、以上に述べた情勢に鑑み、所要の法整備を図るため、出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第2条第5号の旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正するものであります。

この法律案の要点を申し上げます。

第一は、出入国管理の厳格化のための規定の整備であります。

我が国に短期間在留して観光等の活動を行おうとする外国人で、査証を必要としないものや、指定旅客船に乗る外国人で、観光のため我が国に上陸しようとする者は、必要な認証を受けなければ、上陸許可を受けることができないとし、また、乗り継ぎのため我が国に入る外国人の一部の者も、必要な認証を受けなければ、我が国に入ることができないとするものです。

その上で、これらの認証または査証を受けていない外国人は、原則として我が国に入ってはならないとし、船舶等を運航する運送業者等は、出入国在留管理庁長官から、乗船券等の予約者を我が国に入らせることが相当でない旨の通知を受けたときは、その者を我が国に入らせてはならないとするものです。

第二は、上陸審査の手続きの一層の円滑化のための規定の整備であります。

我が国に短期間在留して、観光等の活動を行おうとする外国人で、査証を必要としない者が、認証を受けたときは、上陸許可の証印を省略できるとするものです。

第三は、在留資格の変更及び在留期間の更新の許可の手数料の額の上限額を10万円、永住許可の手数料の額の上限額を30万円に引き上げるとするものでございます。

このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

以上がこの法律案の趣旨であります。

何卒、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いをいたします。

これにて趣旨の説明は終わりました。

次回は広報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。