中道改革連合の國重徹です。
前回の審査会では、まず私たち中道改革連合の理念と憲法に対する考え方、そして憲法論議に臨む基本姿勢を申し述べました。
具体的には、憲法として立憲主義を政治の土台とし、権力の乱用を防ぎ、個人の尊厳と国民の権利を守ること、これが私たちの基本姿勢であること、そして改憲それ自体を目的とする立場にも、現行憲法を固定的に捉え時代や社会の変化に伴う新たな課題に目を閉ざす立場にも立たないこと。
さらに憲法論議において私たちが何より重んじるのは、個人の尊厳と国民の権利をいかに実効的に保障するのかという点であることを述べました。
先週の審査会では、他の会派からもそれぞれ憲法論議に臨む基本的な理念や考え方が示されました。
その中でチームみらいの古川委員からは、国民投票法など憲法改正の手続に関する論点と個別条項の中身に関する論点を切り分けて議論を積み上げていくべきだ。
また、改正内容の議論に集中できる環境を整えるためにも手続き面の整備が重要であるといった意見が示されました。
重要なご指摘であると受け止めています。
国民投票法は憲法改正を国民に問うための土台です。
投票環境の整備やCM規制などの手続き面の整備が極めて重要であることに異論はありません。
他方で、だからといって手続き面の整備が完了するまで憲法本体の議論に一切入らないというのも現実的ではありません。
憲法論議は本体と手続きの双方がそろって成り立つものであるからです。
審査会としては、憲法本体の議論と手続き法の議論をテーマごとに整理しつつ、車の両輪として並行して進めていくべきと考えます。
その上で、憲法論議を進めるにあたって改めてお願いしたいことがあります。
それは、憲法審査会においてはこれまでの論議の作法に則り、少数会派の意見を尊重しながら議論を進めていっていただきたいということです。
先週の審査会では、緊急時における国会機能の維持について多くの意見が述べられました。
例えば参政党の和田委員からは、感染症の蔓延、パンデミックを含む緊急事態条項の創設には反対するとの意見が示されるなど、新たに審査会に加わった会派からも様々な問題提起がありました。
その一方で、既に論点は整理されている、論点は出尽くした上で、条文起草委員会の設置を求める発言もありました。
確かに、これまでの議論によって、論点はある程度整理されてきたのかもしれません。
しかし、例えば、後方支援要件や長期性要件の具体的な認定基準などについては、必ずしも共通認識が得られていないように思われます。
このような中で、新しい会派や少数会派の意見を置き去りにしたまま、結論ありきで条文化に進むことは、やはり慎重であるべきだと考えます。
私たち中道改革連合も新しい会派です。
憲法論議に臨む基本的な姿勢は先週、そして本日冒頭に述べたとおり明確でありますが、個別の論点については党内議論を重ねて、党としての見解をまとめていきたいと私としては考えております。
これまでの議論の積み重ねを踏まえつつ、新たな視点も取り入れていく。
そうした進め方であってこそ、議論はより厚みを増したものになるはずです。
ぜひ丁寧な議論と粘り強い合意形成をお願いしたいと思います。
また、参議院との関係も意識すべきだと考えます。
二院制のもと、両院はそれぞれ独立して活動を行うのが大原則です。
他方で、憲法改正の発議には衆参両院でそれぞれ総議員の3分の2以上の賛成が必要です。
さらに最終的には国民投票で国民の審判を受けなければなりません。
そうである以上、参議院で争点となり得る点も意識しながら、論点の詰め方や合意形成のあり方を考えていく必要があります。
国会全体として、国民への発議に耐えうるだけの議論の熟度が求められるのではないでしょうか。
個別のテーマについて申し上げます。
まず国会機能の維持という観点からは、臨時会の招集期限も重要なテーマです。
これは前回の審査会でも述べたとおり、行政監視機能を十分に機能させ、国民主権と議会制民主主義を実質化するための重要な憲法上の課題です。
このテーマについては、各党の問題意識も比較的共有されているように思います。
例えば自民党は2012年草案で、憲法53条に「20日以内」と明記することを提案されています。
また、日本維新の会、国民民主党、有志の会の3会派も共同で2023年に、同じく憲法53条に「20日以内」と明記する案を取りまとめ公表されています。
さらに、立憲民主党、日本維新の会、共産党、有志の会、れいわ新選組は、2022年に一定の例外事由に当たる場合を除いて、20日以内の臨時会の招集決定を義務付ける国会法改正案を衆議院に提出されています。
招集期限は何日がよいのか、また乱用防止策をどうするのかなど、なお議論すべき論点はありますが、幅広い合意形成を図りやすい、優先順位の高いテーマと言えるのではないでしょうか。
解散権のあり方も、国会機能の維持の観点、そして国民の選挙権を実効的に保障する観点から、極めて重要なテーマです。
そもそも内閣が解散権を行使するにあたって、事前にその解散総選挙で国民に何を問うのか、その具体的な争点を示すのは当然のことです。
この点は、政治に携わるものであれば誰もが否定できないはずです。
法形式として憲法改正にまで踏み込むのか、それとも法律レベルの対応にとどめるのか、こうした基本的な論点をはじめ、数多くの論点があり、これこそ憲法審査会で大いに議論すべきテーマといえます。
憲法改正手続の整備も重要です。
投票環境向上のためのいわゆる3項目案、放送CMやネットに関する諸問などといった国民投票法の論点、さらに広報協議会規定の整備を議論すべきです。
この点については、後ほど同僚議員から発言する予定です。
最後に、前回も述べましたが、各会派、各委員がしっかりと準備をして議論に臨むことができるよう、今後のテーマや進め方についてある程度の見通しを共有しながら、審査会を運営していくことが必要であると考えます。
これまでの審査会における議論を踏まえ、新たな会派の問題意識も取り入れながら、国民のための充実した憲法論議を行っていく考えを申し述べ、私の発言といたします。