井戸まさえ:国民民主党の井戸まさえです。
本日は出入国管理及び難民認定法等の改正案について、過去の施策ではなぜ十分でなかったのか、そして今回の改正の背景、目的、そして懸念事項を整理しながら質問させていただきたいと思っています。
この言葉を私は何度口にしてきたか分かりません。
1980年代末、大学の3年生の秋から卒業まで、私はアメリカ系の航空会社でグランドスタッフとして勤務をいたしておりました。
チェックインカウンターに立ち、日々膨大な数のパスポートを手に取り、搭乗手続きを行ってまいりました。
まず顔写真とご本人の一致、パスポートの有効期限を確認をする。
さらに、渡航国の国によっては、査証、ビザの有無、その種類や有効性まで細かく見る。
搭乗券を発行する以前に、確認するべき項目は数多くあり、また、まさに仕事の半分はこのパスポートチェックであったと言っても過言ではありません。
また、出勤すると、カウンターの横には、その日搭乗する可能性のある国際手配犯などの情報が掲示されており、一人一人の情報が単なる事務作業ではなく、水際での安全確保そのものであるということを、まさに緊張感の中で業務に当たってまいりました。
現在ではチェックインシステムの高度化により、自動チェックインが主流となって、パスポートはスキャナーで読み取られるようになりましたが、出入国管理の最前線がこの水際にあるという本質は今も変わっていないと考えます。
そして今回導入されるジェスターが導入された際のキーとなる部分というのが、まさにこのチェックインカウンターであるということもしっかり見ていかなければいけないと思っています。
海外へ渡航する際、私たちは当然のようにパスポートを持ち、相手国の求める条件を満たすことで、国境を越えてまいります。
それによって、移動の自由を享受いたしますが、その自由は、各国の制度と国際的なルールの下、成り立っているものであります。
私は、こうした現場を経験してきた立場から、出入国の管理というものが、単なる手続きではなくて、人の移動の自由と、国家の責任ある管理と両立させる極めて重要な制度であると認識しております。
その観点から今回の改正案について質問をさせていただきます。
まずこれまでの出入国管理施策の検証と評価についてです。
政府はこれまで出入国管理については、いわゆる円滑化の観点から、2016年には訪日外国人が入国審査を受ける際、待ち時間を使って必要な情報を取得する新たな機器、バイオカート。
さらには2019年からはウォークスルーゲートの整備。
2022年にはデジタル庁が提供する入国手続きの電子サービスで、従来紙によって手続きを行っていたのに代わって、事前にオンラインで必要な情報を入力することで、空港での手続きを大幅に簡素化できるビジットジャパンウェブ。
昨年の2025年には、税関と入管が連携して、旅券情報、顔写真、税関申告情報を一度に提供できる電子端末。
それまで別々に行ってきた入管と税関の手続きを一括で完了できる共同寄付など、出入国管理に関してさまざまな措置を講じてまいりました。
また一方で、航空会社からの事前旅客情報提供制度など、厳格化の施策も進めてきたと承知をしています。
しかしながら現実には、不法滞在者の問題は依然として解消されておらず、入国審査の待ち時間は長いまま、在留資格認定や難民認定の審査期間の長期化も繰り返し指摘をされています。
つまり、円滑化と厳格化の双方について、やってきたが十分な成果が出ていないのではないか、というのが率直な問題意識としてあります。
出入国管理は、この円滑化と厳格化という相反する要請を同時に満たさなければいけない、極めて難しい分野です。
日本はこれまで観光振興、成長戦略を背景に、どちらかといえば円滑化に軸足を置いてきたのではないでしょうか。
昨年導入された共同審査も、入国審査の一部を自動化することで、利便性の向上はあっても、厳格化の強化という点では、設置効果は限定的ではないかという指摘もございます。
今回のJESTAR導入を含む制度改正にあたって、これまでの各施策についてどの程度の効果があったのか、何が機能して何が機能しなかったのか、そうした検証はそもそも行われてきたのか、評価も含めてお聞かせをいただきたいと思います。