10日ほどで120件以上のメッセージが寄せられました。
声明については資料1、メッセージについては資料2としてお配りしています。
メッセージの中からいくつかご紹介をいたします。
21歳、特定技能、インドネシア。
「現場で働く外国人の声を無視しないでください。
私たちは数字や統計の一部ではありません。
それぞれが生活を築き責任を背負って働いています。
このような決定が続けば、日本で働き続けること自体を見直さざるを得ない人も増えていくはずです」27歳、技術・人文知識・国際業務、ベトナム。
「手数料の引上げ自体は理解できますが、適正な範囲であるべきだと思います。
現在の引上げ額は高すぎて、家賃や光熱費など多くの生活費を負担する外国人、特に家族世帯には大きな負担です。
合理的な金額を望みます」59歳、永住者、フィリピン。
「日本人夫の家庭内暴力で幼い子供たちを連れて逃げないといけなかったフィリピン人母親が、心身がボロボロになっている中で子供たちを育てるために働かなければならない状況で、在留資格の手続の手数料の引き上げにより、どんなに頑張っても貧困になりかねない。
日本で暮らすため、日本国籍の子供たちと離れ離れにならないためには在留資格手続をしないといけない。
この手数料を払うために働かないといけなくなる。
長時間母親が働かないといけなくなる。
ここでネグレクト、ヤングケアラー、虐待等の問題が起きる可能性が高い」56歳、夫が外国籍の日本国籍。
「夫は日本人の嫌ういわゆる3Kの仕事をして、妻の私も働いて、二人の多くはない給料で、夫婦それぞれの親を支えて、真面目に税金、年金を払って、物価の高騰で生活に余裕はありません。
それでこのビザ更新料です。
これを払えなければ、夫は帰国しろ、ということです。
国が夫婦を離婚別居に追い込むのですか。
それとも、そんなに外国人と婚姻生活を続けたいなら、私も日本から出て行け、ということでしょうか」時間の関係上、全てをご紹介することはできませんが、外国籍者に与える具体的な影響や、日本社会にとっての悪影響を及ぼす懸念など、さまざまな声が寄せられていますので、ぜひこのメッセージにお目通しいただければと思います。
ご清聴ありがとうございました。
難民支援協会の生田志織と申します。
本日はこのような機会をいただき誠にありがとうございます。
私たちは日本で暮らす難民申請中の方を支援しているNPO法人です。
1999年の団体設立以来、日本に逃れた難民の方たちを支援してきました。
今日は日々の難民支援の経験から、今回の入管法改正案のうち、手数料の引上げについて、慎重な議論を求める立場から意見を述べたいと思います。
まず強調したいのは、今回の手数料引上げの直接の当事者は、この議場の中に、少なくとも法案を採決する立場のある方の中に一人もいないということです。
出入国や在留管理に関する議論は、こうした当事者不在の中で行われる構図にあります。
だからこそお願いしたいのは、当事者の立場に立って、想像力を働かせることです。
新たに定められる法律や、行われようとしている法改正の内容が、当事者にどのような影響を与えるのか、その当事者が基盤を置く日本社会にどのような影響を与えるのか。
私がお伝えできるのは難民申請中の方という、日本で暮らす外国人の中でも本当に限られたグループの方たちに関することです。
しかし日本社会はそもそもすでに多様です。
皆さんの身近にいる外国にルーツを持つ方の状況を想像しながら、私の話を聞いていただければ幸いです。
まずは、私たちの団体の活動と、日本における難民保護の状況についてお話ししたいと思います。
資料が前後して恐縮ですが、資料の3ページ以降に私たちの団体の報告書を載せております。
右上に通し番号がありまして、そちらの6ページをご覧いただければと思います。
私たちの団体では、昨年度、85カ国出身の1000人以上の方に支援を提供いたしました。
相談者の出身国のうち半数以上をアフリカ地域の出身の方が占めています。
よく「難民の方はどうして日本に来るのでしょうか」という疑問をいただくことがあります。
難民の方が来日する理由は様々ですが、日本をあえて選ぶというよりは、逃げる先をすぐに探さなければならない、そういった状況の中で最初に日本のビザが取得できたという方が多くいらっしゃいます。
世界を見渡すと、難民として他国に逃れている方は3100万人を超えます。
一方で日本で難民支援をする方は年間1万人ほどです。
実は難民の67%は周辺国で暮らしており、いわゆる先進国まで逃れてくる方というのはごくわずかです。
その中のほんの一部の方が、たまたま結果として日本にいらっしゃっているというイメージを持っていただければと思います。
さらに「難民は飛行機に乗れるのでしょうか」という疑問もよくいただきます。
確かに難民と聞いたときに、多くの方が難民キャンプを思い浮かべるかもしれません。
しかし、逃れる手段や経済力の有無は難民かどうかとは関係がありません。
渡航費に困らない人もいれば、何とか資金をかき集めてやっとの思いでやってきたという方もいらっしゃいます。
難民とは経済的に困窮している人ではなく、定義上、迫害の恐れがある方たちです。
資料の中では、私たちの団体で提供している支援のうち、法的支援、生活支援、就労支援の件数を示しています。
法的支援とは、難民認定手続に関する支援です。
私たちの団体にいらっしゃった時点で、日本に来てから数日しか経っておらず、難民申請をこれから行うという方もいらっしゃいます。
難民申請自体は、地方の入管局で行いますが、私たちの方で手続について情報提供を行い、申請書の作成をサポートするなどしています。
難民申請後は、証拠の提出に関するアドバイスや、入管庁の難民調査官とのインタビューに向けたアドバイス、また弁護士の紹介などを行っています。
食料や住居、医療に関する生活支援も行っています。
難民審査には平均約3年を要し、5年以上待たされるということも決して珍しくありません。
しかし、難民申請中の方がアクセスできる公的支援は非常に限られており、私たちのような民間の団体の支援で何とか暮らしているという方もいらっしゃいます。
難民の方の中には、出身国で受けた経験などから、心身に大きな傷を負っている方もいます。
しかし一方で、私たちの想像を絶するような経験を乗り越えて、日本にまで逃れてくる、そんなバイタリティをお持ちの方もいらっしゃいます。
多くの方が支援に頼らず自立して暮らしていきたいと考えている中で、私たちの団体でも難民申請中で就労許可がある方には就労支援も行っています。
こうした私たちの支援の大半は、一般の方や企業などからの寄付金で支えられています。
資料の通し番号8ページに進みます。
日本での難民認定の少なさから、日本に真の難民はいない、日本での難民申請は乱用や誤用が多いのではと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、日本の難民認定制度は非常に厳しく、難民として認定されるべき人が認定されない状況にある、その結果として難民認定の数が少なくなっている、というのが私たちの認識です。
私たちが把握する中でも、紛争や暴力が蔓延する地域の出身の方や、軍によって拘束や暴行を受けた経験を持つ方、監禁され、性暴力を受けた経験を持つ方など、明らかに難民に該当すると思われる方が難民不認定の結果を受け取っています。
本来、慎重に行われるべき難民不認定の判断が形式的に行われているとの懸念が拭えません。
逃れた先で難民として認定されることは、迫害の待つ出身国に送り返されるかもしれないという恐怖からの解放を意味します。
しかし、この国に逃れた多くの方が難民認定の結果を得て、人としての権利を回復したり、新たな日常を立ち上げたりすることができていないというのが実情です。
ここまで私たちが日々お会いしている難民申請中の方の状況をお伝えいたしました。
では、難民申請中の方に今回の法改正の案がどのような影響を与えるのか、懸念点を3つに分けてお話しいたします。
まず、難民申請者は在留資格手数料引上げの影響を特に受けやすいグループであるということです。
資料の表紙1枚目に戻っていただければと思います。
難民申請者の大半は在留資格を有した状態で難民申請を行います。
難民申請と同時に在留資格の変更申請を行い、特定活動と呼ばれる在留資格に変更します。
出身国での迫害や人権侵害から逃れてきた方たちです。
在留資格の安定は、命の保障、安全への権利のために絶対的に必要なもので、何とか手数料を捻出して、こういった形で在留資格を変更します。
さて、難民申請直後に得られる在留資格は、通常2ヶ月と非常に短いものです。
ここからは、難民申請者の多数、約6割を占めるD案件、D案件と呼ばれるカテゴリーについて説明いたします。
D案件に振り分けられた場合は、図に示している通り、2ヶ月の在留資格を更新し、3ヶ月の特定活動が付与されます。
その後に付与されるのも3ヶ月の特定活動。
これを更新して、難民申請から8ヶ月後に初めて6ヶ月の在留資格が付与されます。
この時にやっと就労許可も得ることができます。
すなわち、難民申請から最初の8ヶ月間で、しかも就労が認められていない状況で、在留資格の変更や更新を4回行うこととなります。
現行の金額6,000円であれば、単身世帯の場合は計2万4,000円。
4人家族でもし申請を行えば、その額は9万6,000円にも達します。
その後も、6ヶ月ごとに手数料を支払い、在留資格を更新します。
いつ難民認定といった安定した在留資格を得て半年ごとの更新から抜け出せるのか、それは入管庁の難民審査の状況次第です。
本人たちもいつまでこの手数料の支払いが続くかは分かりません。
ある家族の状況に当てはめて考えてみたいと思います。
また資料が前後してしまい恐縮ですが、資料の4ページ目にある難民の方のストーリーというのを載せています。
エチオピア出身の難民認定を受けた家族のストーリーです。
政治的な弾圧から逃れて、日本で難民申請を行いました。
4人家族でした。
難民申請を行うと同時に在留資格の変更のために、ここで4人分の手数料を支払うこととなります。
この方たちの在留審査にかかった期間は6年間、この間はどんなに長くても半年ごとに在留資格の更新を行います。
手数料が6,000円だとしたら、6,000円×12回、家族4人で28万8,000円。
これだけの手数料を支払った末の難民認定ということになります。
この方たちの事例は決して例外的なものではありません。
私たちが把握するだけでも、難民申請をしてから5年以上待ってやっと認定されたという方は毎年のようにいらっしゃいます。
重要なのは、難民申請者に付与される在留資格の期間は、その活動に要する期間、つまり難民申請の結果が出るまでではなく、案件振り分けといった政策的な判断で、こま切れに定められるものであるという点です。
迫害を恐れて逃れてきた日本で、オーバーステイになるわけにはいきません。
命には変えられないものとして、支払いを続けていくこととなります。
では、難民申請中の方たちは、この手数料をどのように捻出しているのでしょうか。
また、表紙の資料に戻っていただければと思います。
先ほど述べたとおり、難民申請者は原則として、申請から8ヶ月間は就労することが認められません。
この間に、多くの方が所持金が底をつき、衣食住もままならない状態に置かれてしまいます。
私たちの団体にも、「日々住む場所がない」「昨日から何も食べていない」「お金がなくて病院に行けず持病が悪化している」といった相談が寄せられています。
私たちが把握するだけでも、30人以上の難民申請者が野宿状態にある月もありました。
そのような状況で、所持金がないにもかかわらず、「手数料を支払わないとあなたの在留を認められません」と言われる状況を想像していただきたいのです。
「手数料の支払いができない、どうしたらよいでしょうか」といった相談は、実際、私たちのところに毎月寄せられています。
私たちの団体だけでも、月平均約20人の方に対して、数万円から多い月で20万円以上の手数料を支援しています。
知人やコミュニティに頼って何とか支払っているという方もいます。
そして3点目のポイントです。
非正規滞在となる難民申請者が増える恐れについてです。
難民の地位の認定は宣言的性格を有するものです。
難民は難民認定によって難民となるのではなくて、難民であるから認定されるというのが国際社会の了解です。
難民申請者に対する法的地位の付与はそれを具現化するものであり、国際法の理念に沿った重要な取り組みです。
その安定が私力の有無によって損なわれるようなことがあってはなりません。
仮に在留資格の変更や更新の手数料が値上げされた場合、手数料が支払えず、本人の意思に反して非正規滞在となってしまう方が増えることが懸念されます。
非正規滞在となることで本人たちの生活が困難になることは言うまでもありません。
さらにこれは、非正規滞在者を増やさないようにと目指している政府も望まない状況ではないかと考えます。
資料の2ページ目をご覧いただければと思います。
お願い事項を2点にまとめております。
まず一つ目として、経済的に困窮する難民申請者が、現行の6,000円を超える額の手数料の支払いを課されることがないように、ご配慮いただければ幸いです。
ここまでお話ししてきたとおり、現行の6,000円ですら支払いが困難な方がいる中で、さらなる値上げが当事者に与える影響は計り知れません。
仮に引き上げを行う場合であっても、例えば6ヶ月以下は定額とし、1年以上は1万円とするなど、在留資格の更新頻度が高い人に配慮した制度設計をお願いしたいと思います。
法案には上限額のみが書かれており、その幅であればいつでも法改正の必要なく引き上げが可能という点も私たちの不安の要因です。
また、経済的に困窮する難民申請者を減額や免除措置の対象とすることもお願いしたいと思います。
法案には、経済的困難その他特別の理由による減免措置に関する記述があります。
それをどのように判断するのかが今後の問題になってくると思います。
例えば、難民申請中で就労許可がない間は減免措置を必要とする状況にあると言えます。
また、人数は少ない