憲法審査会
概要
衆議院憲法審査会において、緊急事態条項に関する集中的な討議が行われました。自民党の新藤筆頭幹事らを中心に、大規模災害やテロ、感染症蔓延などの「選挙困難事態」における議員任期の延長や、緊急政令・緊急財政処分の必要性について議論されました。日本維新の会や国民民主党は、権力の暴走を防ぐための国会による事前承認や期間の限定を重視し、参政党や日本共産党は、人権制限の懸念や憲法9条との関連性から、条項の創設や感染症の包含に反対・慎重な姿勢を示しました。最終的に、次回の審査会に向けて議論を「ピン留め」し、具体的な制度イメージを明らかにする方向で調整されました。
発言タイムライン
発言者(18名)
- (憲法審査会会長) — 10:00 / 1分
- (自由民主党・無所属の会) — 10:01 / 8分
- (中道改革連合・無所属) — 10:09 / 8分
- (日本維新の会) — 10:17 / 7分
- (国民民主党・無所属クラブ) — 10:24 / 7分
- (参政党) — 10:31 / 7分
- (チームみらい) — 10:38 / 7分
- (日本共産党) — 10:45 / 5分
- (憲法審査会会長) — 10:50 / 2分
- (自由民主党・無所属の会) — 10:52 / 4分
- (中道改革連合・無所属) — 10:56 / 5分
- (日本維新の会) — 11:01 / 2分
- (衆議院法制局特別参与) — 11:03 / 3分
- (日本維新の会) — 11:06 / 1分
- (国民民主党・無所属クラブ) — 11:07 / 3分
- (自由民主党・無所属の会) — 11:10 / 5分
- (参政党) — 11:15 / 3分
- (自由民主党・無所属の会) — 11:18 / 6分
質疑応答(0件)
質疑応答は行われませんでした(所信表明・趣旨説明等のセッション)。
議事内容
憲法審査会長)�憲法審査会長(憲法審査会長(憲法審査会長)�
これより会議を開きます。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。
本日は緊急事態条項に関する集中的な討議を行います。
この討議につきましては、幹事会の協議に基づき、まず1会派1名ずつ、大会派順に発言をしていただき、その後、各委員が自由に発言を行うことといたします。
それではまず、各会派1名ずつによる発言に入ります。
発言時間は7分以内といたします。
質問を行う場合、発言時間は答弁時間を含めて7分以内といたしますので、ご留意をお願いします。
発言時間の経過につきまして、おおむね7分経過時にブザーを鳴らしてお知らせします。
発言は自席から着席のままで結構です。
発言の申出がありますので、順次これを許します。
新藤義孝君。
自由民主党の新藤義孝でございます。
本日は、テロ・内乱、感染症蔓延、国家有事・安全保障、この4事態と、これらに匹敵する事態、これを掲げております。
参政党の和田委員からは、感染症蔓延は人為的な発生の可能性もあり、これを含めた緊急事態条項には反対だというご意見もございました。
この5つの事態はですね、緊急事態の例示を示してあります。
大事なのはこれらの事態の発生によって、国政選挙の適正な執行が困難になる。
こういうこと、これがすなわち選挙困難事態の発生でございます。
したがって、感染症蔓延が例示に挙げられていても、あらゆる感染症蔓延が自動的に緊急事態になるわけではないというふうに考えているわけです。
参政党の皆さんとは、選挙困難事態における議員任期延長の必要性については認識を共有できる、このように思えますので、今後、具体的な制度設計の議論を通して共通の理解を得られるように努力していきたい、このように思っております。
次に選挙困難事態の認定の判断の要素です。
これはまず国政選挙の一体性が害されるほどの広範な地域という広範性の要件と、参議院の緊急集会での対応がどうしても難しいほどの長期性の要件という2つがあります。
まず広範性でございますが、そのポイントは通常全国で一斉に行われるべき国政選挙の一体性とは何かに帰着をするわけです。
国政選挙の一体性の根本にあるのは公平公正な選挙です。
これは憲法15条4項の投票の秘密や14条1項と44条の平等選挙の背後にあるいわば不文の原則であります。
この公平公正な選挙の原則に照らすと、国政投票により、投開票がバラバラに行われた場合、それが広範なエリアになればなるほど、またそれが長期に渡れば渡るほど、後々の投票行動に影響を与えていくこと、これが予想されます。
公平さ、公正さが失われていくことになってしまうわけであります。
加えて、この憲法43条1項では、国会議員は全国民の代表と位置づけられております。
この国政選挙が全国つうららの全国民の多様な民意を同じ時点で一斉に反映させることによって地域的な偏差がなく、そして平等、公正に国会に反映させることができるというふうに考えるわけであります。
以上のように選挙の一体性は個々の国民の選挙権行使の大前提にあるものであり、選挙制度を支える重要な原則と理解をする。
長期間にわたる選挙困難事態を想定し、具体化していかなければいけない重要な要件だというふうに思うわけであります。
参議院の緊急集会は、まず条文の表現上は、解散の場合に限定されています。
また、内閣による要求があった場合にしか開かれず、権限にも一定の制約がある。
このように解釈されているわけであります。
この参議院の緊急集会の法的位置づけを明確にしつつ、例えば、衆議院の任期満了の場合にも適用するか。
また具体的な日数、期間を明文化するか、こうしたことが今後具体化する際のポイントになると考えています。
続いて選挙困難事態の認定に係る国会承認の議決要件については、過半数か3分の2以上の特別多数かという論点がございます。
現行憲法上ですね、国会の議決要件は過半数で行うこと、これが原則であり、3分の2以上の特別多数を定めているのは、衆議院による法律案の再議決、懲罰事犯の除名などの場合であります。
いわゆる一院の議決に関する3分の2以上の特別多数であって、両院ともに3分の2以上の特別多数が要求されるのは、唯一、憲法改正発議の場合だけなんです。
ですから、選挙困難事態はですね、まさに両院の議決で判断するものであり、これのみを3分の2以上の特別多数とすることは、憲法の議決要件に関する考え方。
と異なることになってしまうわけであります。
重要な判断ですから、より慎重な議決要件とすべきという主張もあると思われますが、そもそも国会の任意で議決すること自体が重い判断であることを踏まえ、引き続き議論を深めたい。
このように考えます。
また、選挙困難事態の認定に対する裁判所の関与については、憲法裁判所や最高裁判所のチェックを主張するご意見もございます。
しかし、これらはいずれもそれ自体がまた別個の憲法改正項目となるものであって、引き続きの検討が必要だろうとこのように思います。
私自身はこの選挙困難事態の認定とそれに伴う議員任期の延長については、緊急事態が解除された後の国政選挙によって最終的に国民が判断する仕組みになっています。
内閣と国会による選挙困難事態の認定は、選挙という民主主義の最大の手続きによって担保されるものというふうに考えておるわけであります。
さらに任期の延長期間につきましては、半年あるいは1年を上限とすべきとの意見が出されております。
東日本大震災の当時、地方議員の任期が最大で8ヶ月程度延長されていること、また南海トラフや首都直下地震も想定すると、やはり1年程度は必要ではないか。
国家は民主的統治を前提に運営されていかなければなりません。
しかし、あらゆる努力をしても国会機能がどうしても維持できなくなった場合、そしてそういった状況、この備えとして緊急政令と緊急財政処分の制度を整備しておくことは、各国の憲法においても多く採用されています。
国と国民を守るための究極の備えとして、より具体的な議論を深めるべきと強く考えています。
以上、私なりの整理をさせていただきましたが、緊急事態条項については、本日の集中的な討議により、各会派よりさらに具体的な御意見が出されるものと思います。
私としては、ここまで議論が、論点が含められたことに関し、現時点における緊急事態条項の議論をピン留めする意味でも、次回の審査会において、何らかの具体的なイメージを明らかにしてはどうか、このように提案をさせていただきます。
その内容につきましては、本日の討議を踏まえ、また今後、筆頭間で協議をさせていただきたいと思います。
ぜひ各会派からも次回の審査会で何らかの具体的なイメージを明らかにする、このことにつきまして御意見を頂戴したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
古屋圭司君國重徹(中道改革連合・無所属)
中道改革連合の國重徹です。
緊急時における国会機能の維持は統治機構の根幹に関わる重要なテーマである一方、要件や制度設計に関して詰めるべき論点も少なくありません。
私自身、前々回の憲法審査会において、この点を今後、議論を深めるべきテーマの1つとして挙げました。
また、前回の審査会においても、これを含む緊急事態条項について、多くの意見が表明されました。
こうした点を踏まえ、まずは緊急事態条項について、集中的に議論を深めていくことには賛同いたします。
緊急時においても国会機能を維持することは極めて重要です。
それは単に立法機能を維持するためだけではありません。
緊急時には政府に権限が集中しがちであるからこそ、その行使が適切な限度にとどまるよう、国民の代表機関である国会が行政監視機能を果たすことが必要であるからです。
そして緊急時でさえそのような国会機能の維持が求められる以上、国民生活に広く関わる通常時において、国会が本来有する立法機能や行政監視機能を十分に発揮することは、なおさら重要です。
だからこそ、国会機能の維持という共通の問題意識のもと、臨時会の招集期限や解散権行使のあり方、その制限についても、併せて議論する必要があるのではないかと考えます。
私たち中道改革連合は、憲法施行時には十分に想定されていなかった課題が明らかとなり、その対応のために、憲法改正が必要と認められる時には、改正の内容を真摯に検討していく立場です。
これは1947年の施行以来、約80年に及ぶ日本国憲法の運用の経験を踏まえ、維持すべきものは維持し、改めるべきものは改めるという姿勢にほかなりません。
その観点からすれば、臨時会の招集や解散権の行使といった日本国憲法に直接規定されている事項については、これまでの運用に照らして大きな課題があるのではないでしょうか。
こうした課題の存在は、2023年に日本維新の会や国民民主党などが臨時会の招集期限を明確化するため、憲法53条に20日以内と明記する改憲案を取りまとめたこと、また自民党も2012年草案で同様の改憲案を示したことなどからも明らかです。
その上で、後ほど我が党の委員が述べる緊急政令や緊急財政処分については、党内でおおむね意見の一致が見られる一方、緊急時における国会機能の維持については、議論を重ねているところです。
まず対象とする事態について、自民、維新、国民の3会派は、大規模自然災害、テロ内乱、感染症まん延、国会有事安全保障の4つの事態と、その他これらに匹敵する事態を挙げています。
この点について、参政党から感染症まん延を対象とすることへの反対意見が示されています。
また、チームみらいからは、事態ごとに選挙の実施や国会機能の維持に生じる課題を具体的に整理すべきだとの意見がありました。
もっとも、これらの事態は、「その他これに匹敵する事態」という包括条項が設けられていることからも明らかなように、通常時の統治機構では対処できない事態の例示です。
とすると重要なのは、その例示された事態そのものではなく、選挙困難事態、つまり選挙の適正な実施ができなくなる事態の具体的要件、いわゆる広範性要件と長期性要件をどう定めるかという点です。
したがって、この2つの要件をどのような内容にするかが、合意形成のポイントになると考えます。
その際、選挙権の保障の重要性を踏まえつつ、バランスをとるのかという視点で丁寧に議論を深めていくことが必要です。
まず広範性要件については、これまで「選挙の一体性が害されるほどの広範な地域」といった抽象的な基準が示されてきました。
しかし、その具体化は十分でなく、共通認識も形成されていません。
選挙権という極めて重要な憲法上の権利の保障に関わるものである以上、どの程度の地域的広がりがあれば、選挙の適正な実施が困難であると言えるのか、さらなる議論が必要です。
また、長期制要件についても、参議院の緊急集会での対応がどうしても難しいほどの長期であるとか、70日間であるとか、さまざまな見解が示されてきましたが、具体的な基準は定まっておりません。
そしてこの論点は、参議院の緊急集会の射程、つまりその活動期間や権限、対象案件をどう考えるかと密接に関わります。
この点、昨年6月12日の党審査会における自民会派の意見として、当時の船田筆頭幹事は、「長期性の要件については、従前は70日間としていたが、参議院での議論も踏まえ、緊急集会の活動期間を厳格に限定するものではないことを明確にするため、相当程度長期間と改めた。
70日程度が目安と考えているが、必ずしもそれに縛られるものではない。
また、参議院の緊急集会の機能拡充等については、参議院との調整も必要になることは言うまでもない」などと述べられています。
したがって、前回申し上げたとおり、この問題については、参議院との関係も十分に意識しながら、議論を進めていくことが重要と考えます。
さらに、これらの要件について、実際の被害や被害想定を踏まえて、具体的に検討することも重要です。
加えて、後半性要件、長期性要件のいずれについても、緊急事態発生の時点における予見可能性が論点になります。
すなわち、その時点で、事態がどの範囲にまで及ぶのか、いつ選挙を。
だからこそ制度設計に当たっては要件の抽象性ゆえに運用が広がりすぎることのないよう慎重な検討が必要です。
以上申し上げた点は決して議論を遅らせるためのものではありません。
むしろこの問題を真摯に検討するのであれば、こうした課題を具体的に整理し、代表的な論点として共有しておく必要があるとの趣旨で申し上げたものであります。
参議院も含めた幅広い合意形成に向けて着実に検討を重ねていくべきであること。
また我が党としてもそのための議論に真摯に取り組んでいく決意を申し述べ、私の発言といたします。
古屋圭司会長西田薫君。
西田薫(日本維新の会)日本維新の会の西田薫でございます。
前回の審査会で進路筆頭幹事も述べられましたが、私からもある程度テーマを絞って具体的に議論をピン留めしながら進んでいく運営が不可欠だと申し上げました。
そして今回の審査会では緊急事態条項に関する集中審議ということで開催されましたことは、少し前進したものだと思います。
そこでこの緊急事態条項を中心に発言いたします。
まず現行憲法の問題点を端的に申し上げます。
第一に申し上げたいのは、現在の憲法には、戦争や大規模災害、感染症の蔓延など、国民生活と国民経済に甚大な影響が生じる事態において、どのように国会機能を維持し、政治の空白を防ぐかという統治の根幹に関わるルールが十分に書き込まれていないという点であります。
衆議院の任期が満了するタイミングと、選挙の実施が極めて困難となる事態が重なった場合、現行制度のままでは、国権の最高機関である国会が、まさに参議院しか存在しないという事態が起こり得ます。
参議院の緊急集会という制度はありますが、それは本来、暫定的かつ限定的な制度であり、長期にわたる国政運営を担うことを予定しておりません。
2023年に国民民主党や衆議院会派、有志の会とともに緊急事態における議員任期の延長等について具体的な条文案を取りまとめてまいりました。
そしてさらに2年前の2024年の通常国会においては、当時の自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党、有志の会の5会派で選挙困難事態における国会機能の維持条項についての合意にも至っております。
そこで私たちが重視しているポイントは3つです。
1つ目は、対象となる緊急事態を、武力攻撃、深刻なテロ、内乱、甚大な自然災害、感染症の蔓延。
この感染症の蔓延につきましては、先ほど振動筆頭副幹事も、参政党の和田先生のご発言に触れられて、その思いに述べられておりましたが、その振動筆頭副幹事の思いと、全く我々も一緒、全く同じであります。
そういった中、国政選挙が広範かつ長期間実施困難な事態として、国民生活と国民経済に重大な影響が生じる場合に限定し、政治の都合による乱用を厳しく防ぐことです。
2つ目は、内閣の判断だけで白紙委任を与えるのではなく、国会の事前承認を原則とし、閉会や解散を禁止することで、議会の関与を強めるという設計にすることです。
緊急事態だからこそ、行政権力の肥大化ではなく、立法府の監視とチェックを一層働かせる必要があります。
3つ目は、議員任期の延長や選挙期日の特例は、あくまで国会機能を維持するための時間的にも内容的にも限定された措置とし、事態が収束した後には、速やかに選挙を実施し、通常の状態に復帰することとして、強い歯止めを明記することです。
緊急事態条項に対する懸念を払拭する観点から、その乱用を防止するための考え方になります。
緊急事態条項というと、直ちに内閣の独裁や人権制限の一般条項を想起し、全面的に否定されるご意見があることも承知をしております。
しかし、私たちが目指しているのは、国民の権利や自由を包括的に制限する条項ではなく、むしろどのような場合に何ができ、何ができないのかを明記することで、権力の暴走に事前の枠をはめるという考え方です。
だからこそ、緊急事態の要件の限定、国会の事前事後の関与、期間の明確化が必要です。
我が党は、時代や安全保障環境の変化に応じて必要な改正は過段に行うべきだと以前より主張しておりました。
すでに自民党との連立合意に基づき、憲法改正条文基礎協議会が設置をされ、具体条文の検討も始まっております。
一方で、この憲法審査会では、前回でも申し上げましたが、抽象的な議論にとどまっているように思われます。
そこで、前に進めるためにも、憲法改正に向けた具体的なスケジュールについても申し上げます。
政府及び与党は、憲法改正を今任期中に実現したいと繰り返し表明してきましたが、国民から見れば、いつ、どの条文について、どのようなスケジュールで議論し、発議し、国民投票に付すのかが依然として不透明です。
賛成なのか、もしくは反対なのか、単に時期総称とするのではなく、いつならば設置し得るのか、その議論の結論を得る必要があると思います。
その上で、国民の皆様にとっても分かりやすい形で、いつまでに何をどう変えるのかというロードマップを示すことが、国会の責任であるというふうに考えております。
そこで、憲法審査会においても、具体的なスケジュール協議を加速していくことを強く求めます。
そして先ほど進路筆頭副幹事から今までの議論をピン止めして緊急事態条項に関する具体的なイメージを作ってはどうかという趣旨のご提案がありましたが、私たち日本維新の会も深く賛同するものであります。
そういった中、次回は緊急事態状況に関するこれまでの議論の取りまとめを行っていただくよう切に要望し、私の発言を終わります。
古屋圭司君次に玉木雄一郎君。
はい、国民民主党の玉木雄一郎です。
冒頭、今後の運営について2点提案したいと思います。
まず、この衆議院の憲法審査会に基礎委員会を設置して、これまでの議論を経て、概ね意見の集約が図れた、選挙困難事態における国会機能維持を可能とする憲法改正について、条文案づくりに着手することを提案します。
その際は、いわゆる誤解法案をベースとしていただきたいこと。
よって次回、我が党からもこの誤解法案をベースとしたイメージを提出したいと思います。
次に広く国民に議論していただくためにNHK中継をぜひお願いしたいと思います。
以上2点、会長及び幹事の皆様にお願いをしたいと思います。
その上で、先ほどもありました、選挙困難事態の長期性、後半性についても、具体的な条文案をイメージにして、議論した方が国民にも分かりやすく伝わると思います。
というのも、各種のメディアのアンケートを見ても、いつも解像度が低くて、この審査会で全く議論が深まっていない論点について賛否を問うものも多いです。
これまで衆参の憲法審査会でそれなりに議論の積み上げがあると言えるのは、衆議院では今申し上げた選挙困難事態における議員任期の延長、参議院では合区の解消ぐらいだと思います。
ちなみに選挙のためにメディアから憲法改正に賛成ですか反対ですかという政策アンケートが届きますが、これはよく考えるとおかしな話です。
例えば、法律改正に賛成ですか反対ですかと聞かれたら、多くの国民はまずどの法律ですかと問い返すはずです。
憲法改正についてはどの条文をどのように変えるのかということに問うレベルまで解像度を高める必要がまずあると思います。
それが無用な不安を払拭することにもつながると思いますので、メディアの協力も求めたいと思います。
特に大規模災害の発生などで選挙実施が困難になったときに、選挙期日を延長し議員任期を延長することについての手続きを定めることについては、多くの国民が理解を示してくれると思います。
参議院で議論が行われている合区の解消についても、理解が得やすいと思います。
大規模災害時に議員任期を延長したり、合区を解消したりといった、いわば民主主義の基盤をなす、選挙制度に関わる論点については、イデオロギーを排して、合意が得やすい分野の一つだと考えます。
故に衆参の憲法審査会で集中的優先的に議論すべきだと考えます。
特に高市総理がおっしゃるように、来年の自民党党大会までに発議の目処を立てるのであれば、秋の臨時国会で国会法に基づく憲法改正原案の国会提出をしておかないと間に合わないと思います。
与党の中でさえ意見の分かれる9条改憲ではなくて、議員任期の延長や合区の解消といった民主主義の基盤を整える憲法改正に、テーマを絞るべきだと考えます。
なお緊急政令について、前回も自民党から提起ありましたけれども、これも何度も議論されてきた論点であります。
それを踏まえて、旧5回半は作られています。
もし来年発議に持っていきたいのであれば、この5回半から論点を広げるべきではないと考えます。
参議院の緊急集会の射程や、オンライン国会をどこまで認めるのかで、対となる緊急政令の必要性も規定されてきます。
いついかなるときも国会が機能する体制を整えていれば、緊急政令は不要となります。
そして、議員任期の延長など、民主主義の基盤に関するテーマに関して、国民の理解を得るためには、野党第一党である中道改革連合の果たす役割が大きいと考えます。
というのも、各国の例を見ても、与野党が合意できた改憲案には、国民も安心して国民投票で賛成の意を示すことができるからです。
中道改革連合の皆さんの中にも、与党として2011年の東日本大震災を経験した方が多いと思います。
あの時、3月11日に発災して、翌4月の統一自治体選挙はできませんでした。
なぜなら、選管の職員の方、家族の方にも被災して亡くなられた方が多数いたからです。
地方議会と首長の任期は法律で決まっているので、法改正して任期を延長することができました。
ただ、あのときも1回では足らず、2回延長しました。
これ、泉さんも当時、政務官か何かで覚えておられると思います。
また、2023年の2月22日に、立憲民主党の泉代表時代の次の内閣で了承された中間報告を見ても、
当時の立憲民主党も選挙混乱事態は否定していません。
また、緊急集会の位置づけやその射程について、必要であれば憲法に明記することも検討すると明記されていました。
他方、当時の憲法審査会の立憲の筆頭幹事だった大阪幹事や立憲の参議院の議員の先生からはですね、参議院の緊急集会で基本的に何でもできると、私のスーパー緊急集会を認めるような考え方が示されましたけれども、この点について前回もお伺いしましたが、中道改革連合としてどうお考えになっているのか。
具体的に言うと、参議院の緊急集会は70日きっちりでなくていいんですが、70日を大幅に超える期間も対応が可能だと考えているのか。
そして憲法上は衆議院の優越が認められる本予算の当初予算の審議なども取り扱えると考えているのか、この点についての考えをまた教えていただければと思います。
私たちは、参議院の緊急集会の射程はあくまで一時的、限定的、暫定的であって、解釈によってこの緊急集会の権限や射程を拡大するのは、一部のリベラルの皆さんが恐れている解釈による権力の乱用につながる可能性があるので、反対であります。
必要なことは憲法に明記すべきではないかと思います。
70日を大幅に超えて長期に選挙実施が困難な場合には、やはり憲法の求める衆参同時活動の原則に戻り、選挙期日を延期し、議員任期を延長する憲法改正を行う方が立憲主義的であると考えます。
もう1点、議論を整理するために中道改革連合の皆さんに伺いたいのは、2022年に党審査会に参考人としてお越しいただいた長谷部康夫先生が主張する、大規模災害が発生した場合には、選挙が可能となった地域から順次、繰り延べ投票を行って当選者を決めていけばいい。
そしてそれが3分の1以上の議員に達して選出されたら、定数を満たすという考えに同意するのかどうか。
ご併せてお伺いしたいと思います。
例えば、南海トラフ地震が発生して四国、近畿、東海、九州ブロックの各府県で選挙はできないけれども、他の地域ではできる場合に、その選挙結果が全国民を代表する選挙としての正当性があるのか。
私はとても選挙の一体性が確保されているとは思いませんので、この繰延投票についての中道改革連合の御意見を伺いたいと思います。
以上です。
今、玉木委員からいくつか具体的なご質問ございましたけれども、既に時間が経過しておりますので、改めてその場をつくるということで対応したいと思います。
和田政宗君。
はい、参政党の和田政宗です。
緊急事態条項について、参政党の意見を申し述べます。
まず、緊急事態が発生して適正な選挙執行が行えなくなった場合に選挙期日を延期し、それに伴って議員任期も延長することについて、先週の憲法審査会において自民党筆頭幹事から、自民党を含め五会派から賛同を得られているとお話がありました。
さらに適正な選挙実施が困難な状態についての判断要素として、まず日本全国で一斉に行われるべき国政選挙の一体性が害されるほどの広範な地域で選挙の適正実施が困難であるという広範性の要件、そして参議院の緊急集会での対応がどうしても難しいほどの長期性の要件を挙げられました。
これについて参政党の意見を申し述べます。
議員任期の延長を規定する憲法改正については、有事や大災害等に国家としてしっかりと対応できる憲法とする本質論の憲法改正でなく、憲法を改正することを目的に「これならやれる」というところから入っているのではないかとの疑問を持っています。
衆議院解散後の大災害や、参議院議員選挙も同日に行われる衆参同日選を控えた中での大災害により選挙の実施が困難であっても、参議院議員の半数124人は国会議員として存在し、緊急集会も開くことができます。
緊急集会でどこまで決めることができるのかの整理を含め、議員任期の延長が必要なのかどうかについては、憲法全体を見直す中で、その必要性を議論すべきではないでしょうか。
このような議員任期の延長といった各論では、つけ焼き場的改正であり、真に有事や大災害等に国家として対応できる憲法とはならないのではないかと考えます。
次に緊急政令と緊急財政処分についてですが、自民党筆頭幹事は、国会議員の任期延長などの措置を講じても、なお国会機能が維持できない事態、すなわち国会を開くことができない、議員が参集できないといった事態において、一時的に法律や予算と同様の効力を有する緊急政令の制定権や緊急財政処分の権限を内閣に付与するものと定義しました。
国会を開くことができない、参集できないといった事態について考えます。
これらの論は、過去の大日本帝国憲法下の関東大震災時のような状況を想定していると考えますが、関東大震災時は、帝国議会が開会されたのは震災の発災から3ヶ月後で、その間、大日本帝国憲法に基づき、緊急勅令が発せられ、緊急財政処分も行われました。
しかし、国会を開くことができるか、参集できるかどうかについては、国会のバックアップ機能や代替機能を、東京とは別の場所に置くことで解決できます。
歴史上、南海トラフ巨大地震と首都直下地震が近接して起きたことがあり、これは起きたしかありませんが、もし起きた場合には、東京に大きな被害が出て、国会議事堂に参集することが困難な事態は起きる可能性があります。
しかし、別の都市で国会を開会できるようにしておけば、そちら。
大臣、やはり、憲法9条を含め、いついかなる時も、国家、国民を守ることができる、根本的な憲法改正の議論を行うべきです。
また、大日本帝国憲法において、緊急勅令や緊急財政処分は、条文に規定されていましたが、GHQ草案をもとにした現行憲法では、条文に規定されていません。
これは、大陸法的憲法であった大日本帝国憲法が、GHQ占領下において、英米法的憲法に変えられてしまったからです。
このような状況からも、憲法の根本改正、日本国民の手で憲法を一から作り直す、創憲が必要であり、真に国家国民を守るための憲法とする中で、緊急政令や緊急財政処分については議論をすべきです。
そして、これら緊急事態条項の範囲について、自民党筆頭幹事より、大規模自然災害に加え、テロ内乱、感染症まん延、国家有事、安全保障を含めた4つの事態と、その他これらに匹敵する事態と述べられました。
緊急事態条項の範囲については、参政党として繰り返し意見を申し述べておりますが、感染症のまん延、パンデミックが含まれる緊急事態条項の創設に反対します。
感染症のまん延の定義自体が曖昧であり、国際機関が世界全体でパンデミックであると指定した場合、それを受け緊急事態条項に基づいた行動を内閣は取ろうとするのでしょうか。
これも繰り返し述べてきましたが、昨年、米国ホワイトハウスは新型コロナウイルスの起源について、武漢の研究所からの漏洩が最も可能性が高いとの見解を公表しました。
もし人工でウイルスが作られ、PCR検査で陽性者を増やすということで、パンデミックによる緊急事態が演出できるとなれば、人為的に国民の権利を制限することが可能になってしまいます。
ですから、参政党は、感染症の蔓延が含まれる緊急事態条項の創設に反対をいたします。
これら参政党の考えについて、自民党筆頭幹事より、考えの提起がありました。
これにつきましては、党内で整理をして、改めて意見表明をいたします。
参政党は、真に国家国民を守る憲法とするための根本的な議論の中で、緊急事態条項についても議論がなされるべきと考えています。
以上です。
古屋圭司(憲法審査会会長)古川あおい君。
古川あおい(チームみらい)チームみらいの古川あおいです。
本日も発言の機会をいただき、ありがとうございます。
本日は大きく3点申し上げたいと思います。
まず1点目、緊急事態条項の議論の進め方についてでございます。
前回4月16日の審査会におきまして、複数の会派から、具体的に論点を絞って集中的な討議を行うべきだとのご提案があり、本日は集中的な討議という形で開催がされました。
このように論点を絞って議論を行うということについては、チームみらいも賛成しております。
また、前回の審査会におきまして、玉木委員からは、衆議院の法制局からこれまでの各党の議論を論点ごとに説明していただいてはどうかという提案もございました。
これまでの議論を共有することは、会派の枠を超えて目線を合わせるために有効な進め方であり、チームみらいといたしましても賛同いたします。
その上で1点申し添えます。
前回ご整理いただいたいくつかの論点、例えば裁判所の関与の在り方や任期延長期間の上限、改選後の議員の身分の復活、といった諸論点は、いずれも極めて重要な論点ではございますが、これらはいずれも制度設計の各論に関わる論点だと認識しております。
チームみらいといたしましては、こうした制度設計の各論について議論するにあたり、そもそも、国会延期投票や参議院の緊急集会では対応できず、議員任期延長のための憲法改正が必要となる事態について、その整理を丁寧に行うべきではないかと考えるところでございます。
この点に関しまして、前回、玉木委員から、緊急集会の機能について、参議院で整理が進んでいる、緊急集会は案件や期間ともに限定されないという考え方と、衆議院側の各会派合意、議員任期延長の憲法改正が必要とされてきた経緯との間の齟齬について、自民党全体としてどのような整理になっているのか、との質問がございました。
また、中道改革連合に対しては、国会延期投票で対応できると考えるのか、それとも議員任期延長の憲法改正が必要と考えるのか、現時点での立場を問うご質問がございました。
これらはいずれも、まさにこの立法事実レベルの整理そのものに関わる論点であると、私どもとしては受け止めております。
制度設計の各論に入る前提として、こういった論点の整理がまず必要であるという認識を改めてこの場で共有させていただきたいと思います。
2点目といたしまして、本日の議論の範囲について申し上げます。
本日のテーマは、幹事会におきまして、緊急事態条項に関する集中的な討議と整理されたものでございます。
しかしながら、前回4月16日の議論を改めて振り返ってみますと、緊急事態条項の中でも、どの論点に絞って討議を進めるかにおきまして、改憲に前向きな会派の間におきましても、一定の温度差があったように見受けられます。
具体的に申し上げますと、国民民主党の玉木委員、麻生委員からは、選挙困難事態における国会議員の任期延長条項に論点を絞って集中討議を行うべきだとのご提案であったのに対し、自由民主党の委員からは、緊急政令、緊急財産処分も含めた緊急事態条項全般についての集中討議という形での提案でございました。
また、日本維新の会からは、緊急事態条項と9条という2項目について、
それぞれ集中定義を行うべきだとのご提案もございました。
このように論点の絞り方に差がある中で、本日緊急事態条項の全般に関わる括りで議論を始めますと、任期延長、緊急政令、緊急財産処分といった各論点が並列的に語られることになり、結局どの論点もピン留めされないまま時間が経過してしまう懸念がございます。
チームみらいといたしましては、まずは選挙困難事態における国会機能の維持に論点を絞って議論を始めるのが現実的な進め方ではないかと考えております。
この論点につきましては、前回触れられましたとおり、各会派において概ね方向性が一致し、骨子案となる検討課題が示されるところまで議論が積み上げられてきたと承知をしております。
そうした過去の蓄積がある論点であるからこそ、まずはここに焦点を絞り、立法事実の整理から、段階を踏んで議論を進めていくことが、結果として議論を着実に前進させることにつながるのではないかと考えるところでございます。
3点目として、国民投票法についても簡潔に申し上げたいと思います。
前回も申し上げましたとおり、チームみらいとしては、国民投票法の議論についても、この審査会において一定の時間を確保していただきたいと考えております。
前回の審査会におきましても、泉委員からは、公職選挙法において既に改正されている投票環境の向上に関わるいわゆる3項目の改正について、各会派で合意を形成することに加え、放送CM、ネットCMに関わる議論について、積み残すことなく一定の結論を得る旨が同時に何らかの形で担保されることを条件に、議論を前に進めたいとの提案がございました。
また、国民民主党の浅野委員からは、令和3年改正時の附則に定められた検討事項、すなわち、有料広告の制限、国民投票運動に係る資金規制、インターネット利用の適正化について、いつまでも検討中のままで良いはずがないとして、早急に一定の方向性を定め、法改正に進むべきだとの意見もございました。
チームみらいとしましても、両委員の御指摘に賛同いたします。
投票環境向上に係る3項目の改正と、附則第4条に係る実質的な検討などを、国民投票法の議論も進めていくということを改めて提案させていただきたいと思います。
以上3点申し上げてまいりました。
立法事実の整理というものは会派を超えて共有し得る議論の土台となるものと考えております。
選挙困難事態における国会機能の維持をめぐる議論につきましても、国民投票法をめぐる議論につきましても、共通の議論の土台づくりから丁寧に進めていくことで、建設的な議論に貢献してまいりたいと思います。
ありがとうございました。
畑野君枝(日本共産党)緊急事態条項について意見を述べます。
前回の審査会で、自民党の委員から、緊急政令や緊急財政処分の規定が必要だという主張がありました。
その内容は、内閣が戦争や大規模災害などを理由に緊急事態だと宣言すれば、法律と同一の効力を有する政令を制定し、予算を執行できるというものです。
日本国憲法は、国会を唯一の立法機関と定め、財政の処分は国会の議決を得ることを義務付けています。
緊急事態条項は、国会の権能を奪って、内閣に権力を集中させ、国民の基本的人権の制限を可能にする、まさに憲法停止条項です。
こうした規定は、歴史の教訓に逆行するものです。
戦前、大日本帝国憲法は、いわゆる緊急事態条項である緊急勅令、戒厳令、そして緊急財政処分などを規定し、行政に強大な権限を認めていました。
その下で、100本以上の緊急勅令が出され、国民の運動を弾圧し、議会が否決した法律を通すために乱用されました。
例えば、治安維持法の最高刑に死刑を導入する法案を、議会が廃案にしたにもかかわらず、緊急勅令によって強行したのです。
こうして、戦争に反対する人々を弾圧し、戦争へと突き進んだのです。
この痛恨の反省から、日本国憲法に緊急事態条項を盛り込まなかったのです。
1946年衆議院の帝国憲法改正案委員会で、当時の金森徳次郎国務大臣は、民主政治を徹底させて国民の権利を十分に擁護するためには、政府の一存で行う処置は極力防止しなければならない。
非常という道を残せば、国民の権利を制限し破壊する口実を政府に与えてしまう危険があるということを述べています。
当時の内閣が国民に向けて発行した新憲法の解説でも、緊急勅令、緊急財政処分等の制度は乱用されやすく、議会及び国民の意思を無視して国政が行われる危険が多分にあったとして、新憲法はあくまでも
民主正義の本義に徹し、国会中心主義の建前から臨時の必要が起これば、必ずその都度国会の臨時会を招集し、または参議院の緊急集会を求めて、立憲的に万事を措置するの方針をとっていると説明しています。
日本国憲法はいついかなる場合でも、国民主権に基づく議会制民主主義の徹底を要請し、政府の独裁を排除しているのです。
衆議院の解散や、任期満了時に大規模の災害や感染症の蔓延が起きたらどうするのだ、という意見も出ていますが、憲法の規定に基づき、参議院の緊急集会で対応すべき問題です。
そもそも、これまで戦後80年以上、東日本大震災でも、コロナの蔓延でも、
高校がなければ対応できなかったという事態は起きていません。
これまでの審査会の議事録を読みましたが、参考人からも想定外の上に想定外を重ねて議論すること自体が極めて危険だという指摘が出ています。
例えば、高橋和幸東京大学名誉教授は、「極端な事例を出せば出すほど、権限をどこかに大幅に移譲する以外に、解決の方法はなくなっていく。
極端な事例を出して議論をやると、間違う危険が強い」と鋭く指摘しています。
極めて重要な指摘だと思います。
それにもかかわらず、なぜ今、自民党は緊急事態条項の創設を主張するのでしょうか。
それは、これが戦争する国づくりと一体のものだからにほかなりません。
これまでの審査会でも、ロシアのウクライナ侵略などを挙げ、戦争を想定して緊急事態条項が必要だという主張がされています。
さらに今、自民党などは憲法9条改憲を強硬に主張しています。
憲法の平和主義を踏みにじり、戦争を遂行する体制づくりの改憲は、絶対に認められません。
今、国民からは「改憲反対、9条を守れ」の声が大きく上がっています。
4月19日にも全国160か所以上で改憲に反対するアクションが行われました。
国会前には3万6千人もの市民が集まり、回を重ねるごとにその数は増えています。
この声に向き合うべきです。
私たち国会議員に求められているのは、改憲のための議論ではなく、憲法を政治に生かすための議論だ、ということを繰り返し主張して、発言を終わります。
次に、委員各君による発言に入ります。
発言を希望される委員は、お手元にある名札をお立ていただいて、会長の指名を受けた後にご発言をください。
発言は自席から着席のままで結構です。
なお、発言の際には所属会及び氏名をお述べいただくようお願いをいたします。
発言が終わりましたら、名札を戻していただくようお願いいたします。
また、幹事会の協議に基づきまして、発言時間は5分以内といたします。
質問を行う場合、発言時間は答弁時間を含めて5分以内といたしますので、ご留意ください。
発言時間の経過につきましては、おおむね5分経過時にブザーを鳴らしてお知らせします。
それでは、発言を希望される委員は、名札をお立てください。
鈴木英敬君。
はい。
自由民主党・無所属の会の鈴木英敬です。
本日は、これまでの審査会において議論が深められてきた緊急事態条項について、諸外国の制度やその状況をご紹介いたします。
ケネス・森・マッケルウェイン教授の諸外国憲法の統計的な分析によれば、緊急事態条項を規定している憲法は、1950年代から増加をし、2020年時点では、世界の憲法の91%に上るとされています。
また、西治虫小泉大学名誉教授の調査によれば、諸外国において緊急事態条項が設けられている憲法は、189カ国中184カ国、97.4%であり、さらに1990年2月から2020年11月までに新しく制定された105カ国の憲法には、すべて緊急事態条項が設けられているとされています。
このように、ほとんどの諸外国憲法には、緊急事態条項が設けられています。
諸外国の事例は、我が国とは歴史的経緯や、国の政治体制、国柄が異なる場合もあり、直ちにそのまま取り入れられるものではありませんが、しかし制度の検討に当たり参考となるものもあるのではないでしょうか。
まず、議員任期延長などの議会機能維持の事例について述べます。
安倍内閣総理大臣。
連邦議会の解散の禁止が規定されています。
このような諸外国における議会機能維持の制度の詳細については、後の我が党の同僚議員からの発言に譲りたいと思います。
続いて緊急政令のように、緊急時に国会の立法機能を内閣に代行させる仕組みも多くの国にあります。
例えば、先ほどの国会図書館の資料によれば、宣言型の緊急事態条項がある23カ国のうち、7カ国に緊急命令に関する規定があるとされています。
こうした緊急命令を定める国は、議会の承認等を得られない場合の執行規定や、議会による廃止も定めるなど、民主的統制が担保されている例が多いとされています。
続いて、諸外国における実際に緊急事態条項を発動した事例を述べます。
まずイタリアでは、憲法に緊急の必要がある非常の場合には、政府がその責任において、法律の効力を有する暫定措置をとることができる旨の規定が置かれています。
コロナ禍においては感染拡大を受け、この規定に基づき罰則付きの移動制限を含む国民等の活動制限や家庭等に対する支援、医療体制の強化を内容とする緊急法律命令が制定されました。
次にフランスでは憲法上の緊急事態条項として大統領の非常措置権と改憲が規定されています。
このうち大統領の非常措置権は1961年のアルジェリア独立戦争の際に、これに対処するために発動されましたが、これが憲法上の緊急事態条項の唯一の発動事例です。
なお、2015年パリ同時テロなどの緊急事態においては、法律上の緊急事態条項によって対応が行われております。
以上、諸外国憲法における緊急事態条項について紹介しました。
なお、欧州協議会の諮問機関であるベニス委員会が2020年に公表した報告書においては、緊急事態では憲法の基本原則に制約を加えることが通例であることから、緊急事態に関する基本的な規定は憲法に盛り込まれるべきであるとされています。
こうした諸外国の知見に学ぶところも多いのではないでしょうか。
本日の各会派からの御意見からもわかるように、緊急事態条項についての議論は、既に大いに深まっております。
新藤筆頭幹事が冒頭の発言の最後におっしゃった、緊急事態条項に関する議論のピン留めとして、何らかの具体的なイメージを、次回の審査会で明らかにするとの御提案に賛同いたします。
ぜひ筆頭幹事・幹事間で詰めていただくようお願い申し上げまして、私の発言を終わります。
河西宏一君。
中道改革連合・無所属の河西宏一です。
本日は緊急政令・緊急財政処分に関して意見を申し上げます。
まず前提となる概念整理について、私が令和六年五月九日の党審査会で申し上げた点を改めて確認をさせていただきます。
近年の学説では、緊急事態の概念について精緻な議論が行われており、早稲田大学の愛甲弘教授は、平時の統治機構をもってしては対処できない程度のものを非常事態と分類する一方、緊急事態は平時の法制度、法運用とは異なる対応を必要とする概念を広く含むと整理をされております。
特別な立法や法運用が行われても、平時の統治機構の下で立憲的統制が十分に機能するのであれば、それは緊急事態ではあっても非常事態ではないとの御指摘であります。
また東北大学の奥村浩介教授は、非常事態を戦争・内乱・強行・大規模自然災害など、平時の統治機構をもっては対処できない事態、緊急事態をテロの多発や感染症の蔓延など、平時の統治機構をもって対処できる事態と整理されております。
両先生に若干の差はあるものの、いずれも平時の統治機構による対処が可能か否かを基準に両者を区別しておられます。
この整理に照らせば、当審査会で議論してきた選挙困難事態は、平時の統治機構をもって対処可能であり、立憲的な憲法秩序を維持しながら対応すべき緊急事態の一つとして位置づけられます。
したがって議員任期延長は、行政監視機能を確保し、人権保障と権力分立、すなわち立憲的憲法秩序の維持に資するものと整理できます。
他方、緊急政令や緊急財政処分は、議員任期を延長してもなお、国会の立法機能維持が困難で、平時の統治機構では対処不可能な、いわゆる非常事態を念頭に議論されるべき事柄であります。
論点の次元が異なる以上、やはり議員任期延長とは区別して発議すべきであります。
国会法六十八条の三、及び憲法改正・国民投票法四十七条の趣旨、すなわち個別発議の原則にも合致する考え方であります。
この点について、緊急政令や
緊急財政処分も、一旦憲法上に位置づけてしまえば、緊急事態条項であるという整理も可能ですが、たとえ実定法に位置づけたとしても、十分な民主的統制が確保されないままであれば、乱用の可能性は残るのであって、その実質においては、非常事態的なものと言うべきです。
その上で、緊急政令、緊急財政処分そのものに関する基本的見解を5点申し上げます。
第一に、憲法で内閣に白紙委任的な緊急政令制定権、緊急財政処分権を認めることは、国の唯一の立法機関とある国会の責任放棄につながりかねず、認めるべきではありません。
憲法41条の国の唯一の立法機関との規定及び83条以下の財政民主主義規定は、国民主権の理念を体現するものであり、その例外を設けるには極めて慎重でなければなりません。
第二に、我が国の危機管理法制は相当程度整備されております。
109条の2では、生活必需品の譲渡制限、価格統制、金銭債務支払い延期、海外支援の受入れについて、緊急政令規定が整備されています。
さらに災害救助法7条、8条の指示命令等をはじめ、新型インフルエンザ等対策特別措置法、武力攻撃事態等対処法、国民保護法、自衛隊法、警察法等において、各事態における危機管理のために必要な規定が設けられています。
第三に、対応の基軸は、個別法による具体的政令委任の整備、充実及び予備費の活用に置くべきであります。
1962年の災害対策基本法改正時の参考人質において、東京大学の小林直樹先生や、一橋大学の田上上司先生は、要件及び委任事項の限定、国会の事後承認という暫定性を理由に、当該規定が憲法41条に反しないと述べておられます。
テロ等事態の性質が多様である以上、政令委任事項を憲法であらかじめ限定列挙することは困難で、個別法を
法制での対応こそが現実的かつ立憲的であります。
第四に、仮に憲法に規定するとしても、四十一条の例外規定ではなく、内閣はあらかじめ法律の定めるところにより、当該法律で定める事項に係る政令を制定し、または財政上の支出その他処分を行うことができる旨の確認規定にとどめるべきであります。
第五に、繰り返しですが、緊急政令、緊急財政処分は、議員任期延長とは異なる次元の論点であり、個別発議の原則に照らして、別個に検討を発議されるべきであります。
以上を踏まえまして、我が党においては、選挙困難事態を想定した議員任期延長に加え、臨時国会の招集期限、解散権の制約といった、いずれも国会機能維持を目的とした包括的テーマに沿って、建設的な議論に努めてまいりたいと思います。
以上でございます。
阿部圭史君。
はい、会長ありがとうございます。
日本維新の会の阿部圭史です。
前回の私の発言で、緊急事態条項について集中討議を行うべきことを申し述べました。
まさにそのような形になりましたことにつきまして、古屋会長と幹事の皆様に改めて感謝を申し上げたいと思います。
本日の憲法審査会の冒頭の御発言で、与党筆頭幹事から、今までの議論をピン留めし、緊急事態条項に関する具体的なイメージをつくってはどうかという趣旨の御提案がございました。
御提案に深く賛同するものであります。
与党筆頭幹事からの憲法改正に向けた具体的なアクションにつながる御発言は、非常に心強く心から歓迎をいたします。
政治家の仕事は決めることです。
議論をピン留めし、一定の結論を出し、社会を前に進める、これこそが真の政治家だと思います。
本審査会のこれまでの議論において、約6割の議論が緊急事態条項で占められており、論点は出尽くしました。
いよいよ取りまとめるときがきました。
古屋会長と与党筆頭幹事へのお願いでございます。
本日の集中討議をまとめ、衆議院憲法審査会が到達した現時点版として、具体的な形にして次回共有していただきたいと思います。
次回以降に緊急事態条項に関する取りまとめ作業を行うことを私からも提案したいと思います。
またNHK中継について私からも提案したいと思います。
これはかつては議席を有していた立憲民主党議員からも賛同する旨の発言がございまして、我々も含めて主要会派はみな賛同しております。
NHK中継について、幹事会にはNHKからの返答があったと理解しておりますが、この平場でも
今、衆議院法制局、または憲法審査会事務局より共有していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
次に、緊急事態条項の最後に。
阿部君。
今、質問でよろしいですか。
質問です。
今、答えていただけましょうか。
では、一旦、質問を止めていただいて、答弁いただきます。
衆議院法制局、橘特別参与。
阿部先生、御質問ありがとうございます。
運営に係る事項ですので、吉澤憲法審査会事務局長のお許しをいただいて、私の方から御答弁申し上げます。
NHKによる国会中継に関する直近の検討の経緯と結果についてでございますけれども、令和6年12月13日、幹事会において馬場幹事よりNHKに中継を申し入れるべきとの御発言があり、
憲法審査会事務局がNHKからヒアリングをいたしました。
翌年1月、憲法審査会事務局がNHKの担当者から、国会中継の基本的な考え方について、次のようなご協議をいただきました。
NHKとして国会中継に関する明確な基準は設けていないが、現在まで国会中継、国会審議の類型として、おおむね4つの類型がある。
1つ、施政方針演説や所信表明演説、及びそれらに対する代表質問。
二つ、予算委員会の基本的質疑一巡目。
三つ、予算委員会の集中審議で、特に国民の関心が高いもの。
例えば、総理出席、各会派一巡の質疑を行うなど。
これら三つの類型以外に、その他として、国民の関心が高いテーマであり、かつ、理事会等から全会一致での要請があることなどを総合的に勘案するということでございました。
我が憲法審査会に連なるこの本調査会特別委員会でも、憲法調査特別委員会当時、平成18年10月26日の憲法改正国民投票法の趣旨説明と質疑、これが総理出席などなくして中継されているところでございます。
そのようなことを踏まえてNHKとしては、当時現状では憲法審査会に対する国民の関心は通常の番組編成を変更して国会中継を行うほど高くない。
そのようなご認識が表明されたものと伺っております。
それが幹事懇談会に報告され、当時の枝野会長より、国民の関心が高まりよう、憲法審査会で議論を重ねよう、NHKへの中継要請は改めて幹事会で協議することとしたいという形で収まったものと承知しております。
以上です。
ありがとうございます。
残余の時間についてはほとんど時間ありませんが、阿部委員からお願いします。
ありがとうございます。
NHKの認識も今やもう変わったものだというふうに認識をしております。
まさにこの国会においては憲法改正が焦点を渡ってきているということでございますので、ぜひまた幹事会でも御議論いただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
先ほど中道改革連合の委員から御説明がございましたとおり、緊急事態条項に関する5会派の方々の主張について、緊急事態と非常事態の違い、この混同について指摘をしたいと思います。
まさに緊急事態と非常事態とは全く異なる概念でございまして、緊急事態条項とは緊急事態に際して用いられるものである一方、非常事態に対しては国家緊急権という不文の法理に関する概念が用いられます。
そこの概念の違いについてしっかりとご認識をいただいた上で、緊急事態条項についてしっかりと進めていきたいと、そのように思っている次第でございます。
私からは以上です。
次に玉木雄一郎君。
先ほど冒頭発言ございましたが、特例として発言を認めます。
はい、ありがとうございます。
発言の機会をいただきましてありがとうございます。
今日の議論も聞いていても、例えば、先ほど鈴木英敬委員からもありましたけれども、ケネス・マッケルウェン先生の話は、2022年のこの答申委員会で、私からも紹介しています。
議会を開く意図がないときには書くという、これもずっと行われてきた議論です。
その結果を踏まえて、各派の一定の結論に至っているので、その議論の重複を避けるためにも前回提案しましたが、橘法制局特別参与に、これまでの各党の議論、これ古川委員からも賛同いただきましたけれども、それをまず御説明いただいてですね。
これまでどういう議論を各党が言って、その結果どうまとまってきたのかということをきちんと共有した上で、その先の議論をした方が非常に建設的で生産的かなと思いますので、改めてこのことを提案をいたしたいと思います。
その上で改めて問いますけれども、これも以前やってますが、オンライン国会、憲法56条の出席の概念をこの憲法審査会に整理して議長に申し入れをしました。
ただ、議運でまだその対応が十分になされていないのは残念なんですけれども、ただ物理的に開けないということに対しては、出席の概念を変えることによって一定程度対応できるんじゃないかとなっています。
緊急集会の参議院の半数いる方がどこまでやるのかということは幅がありますけれども、一定程度できるということになった際に、真に緊急政令で必要な事態というのは一体どういう時なのか。
オンライン国会も開けないというような時というのは一体どういう時なのかという、先ほどの憲法事実、立法事実を詰めて考える必要があると思うので、ここは反対論が多いので、緊急政令というと全体が駄目になって進まなくなるということを恐れるんです。
だから自民党で緊急政令というのであれば、それはどういう場合なのか。
オンライン国会が認められてなおできない事態というのは、立法府が機能せずに行政権だけに委ねるとはどういう時なのかということを、具体的に御説明いただければ、プラスの生産的な議論につながると思うんですが、そこをもしお答えがあれば、聞かせていただきたいと思います。
いくつかの具体的な質問や提案もございましたので、幹事会で協議の上、改めて対応を決定させていただきます。
よろしくお願いします。
あとNHKの中継はぜひ進めるように改めてお願いします。
以上です。
その提案もございましたので、そこも含めという意味でございます。
よろしいでしょうか。
次は、棚橋泰文君。
ありがとうございます。
自由民主党・無所属の会の棚橋泰文でございます。
本日は緊急事態条項、特に私自身が非常にある意味では、当時非常に深く悩んだ緊急財政処分について申し上げたいと思います。
COVID-19、新型コロナ感染症は、あれだけの被害を世界、そして日本に及ぼし、日本において本当に多くの方の医療関係者あるいは多くの方のいろんな自粛等で苦労しながらも抑えていただき、また残念なことに亡くなられた方もいらっしゃれば、まだ後遺症に残ってらっしゃる方もいらっしゃいますので、それぞれお悔やみとお見舞いを申し上げます。
このお話をしているのは、私2020年、西暦で言いますと令和2年、ないし令和2年度、2020年から2020年度、衆議院の予算委員長を務めさせていただきまして、この通常国会では、1月に前年度の補正予算、その後、本予算。
そして一時補正で、いわゆるワクチンの簡単に言うと、手付け金に充てる新型コロナウイルス感染症に係る感染拡大防止策に要する経費、その他の同感染症に係る緊急を要する経費以外には使用しないということではありましたが、10兆円の予備費を組んだ補正予算でございまして、これが緊急性を持つということは、ある意味では与野党ともに理解が得られていたと思っておりまして、衆議院のこの
この補正予算の審議は衆議院では8時間で終わらせていただき、参議院に送付をいたしました。
このときに皆が思っていたのは、スピードが遅れれば遅れるほど、国民の生命に関わるということです。
しかし一方で、今でも100兆を少し上回る予算で、当時10兆円の予備費というのは、これは財政民主主義という観点から、議会が決めていいと、また憲法にはこの点についての制約もないけれども、10兆円、今申し上げた目的とはいえ、政府が使える予算を組んでいいのかというのは、これはどこも悩んだことではないかと、財政民主主義の観点から。
私もそうでしたが、それらを乗り切って、そういう形で進めたわけでございます。
この点については、衆議院が解散総選挙となっておりませんでしたので、審議ができ、また審議も8時間、そして基本的質疑においては、前大臣出席のところを関係大臣のみ出席、最初から最後まで、ということに与野党で協力していただいて進めましたが、もしあのとき衆議院が解散総選挙になっていたらどうなるかと思うと、今でも背筋が寒い思いでございます。
緊急集会で参議院における憲法上の、できるのかもしれませんが、というのは、私の浅い読み方では、そもそも衆議院に議決権がある予算を緊急集会ではどのようにしていくのか。
また、その後、衆議院が選ばれた中で、反対が多い場合、これが無効となると。
そして、そのような予算の10兆円で、当時残念なことは日本国内ではワクチン、そして、それから治療薬がございませんでしたが、海外から買わざるを得ない中で、率直に言って奪い合いでございました。
その中において、いかなるお金を出せるかというのが大きいわけですが、海外の企業がこの条項を読んだときに、参議院で緊急集会でプラスされてもOKと出しても、衆議院で否決された場合、このお金が取り消しになるのではないかという疑念を持たれれば、日本には来ないわけでして、やはりこういった部分において、先ほどまさに玉木代表が、民主主義の基盤を整えるという部分と、それから国民の生命財産、これを守るという観点から、ここは残念なことにまだ欠けている部分、ぜひこの部分を速やかに詰めて進めていただきたい。
以上でございます。
和田政宗君
和田政宗君。
特例として認めていただいたことに感謝を申し上げます。
発言を求めましたのは、各会派より今後の議論の進め方について意見がございましたので、参政党として改めて意見を述べさせていただきたいというふうに思っております。
参政党はこの憲法改正の議論につきましては、やはり真に国家、国民を守るための根本改正ということでありますので、緊急事態の議論と9条の議論、これはセットでないとですね、国家、国民を守る憲法の改正ということにならないのではないか。
こういったことを改めて提起をしたいというふうに思っております。
2018年に私、憲法の根本改正について本を書きました。
そのときに国立国会図書館の協力を得て、全世界の全憲法を調べました。
先ほど鈴木英敬委員から緊急事態条項が無い国がいくつなのかというようなこと、そういったことのお話がありましたけれども、私が調べた上では、いざというときに国を守る組織も手段も憲法に記されていない国というのは日本を含めて4カ国という認識です。
なお非武装のコスタリカやパナマのことをよく論議で挙げられる場合がありますけれども、コスタリカは国防のため軍隊を組織できると憲法に規定されておりますし、パナマは国家の独立及び国の領土を守るために武器を取ることが求められる。
すなわち侵略等が起きた場合には、このように憲法の規定で対応できるようになっています。
一方、いざというときに国を守る組織も手段も憲法に明記をされていない国々を述べますと、まずツバル。
これは南太平洋の島からなる国でありまして、人口約2000人。
次はクック諸島。
これも南太平洋の島々からなる国で人口が2万人。
そしてモナコですね。
ヨーロッパの国でありますけれども、人口約4万人弱という国であります。
次は日本になります。
すなわち一定の人口と国土面積を持つ国で、いざというときに国を守る組織も、手段も憲法に明記されていないというのは、これ日本だけなんですね。
ですので我々は根本的に真に国家、国民を守るための憲法とすべき、その議論を行うべきだというふうに考えております。
ですので、緊急事態条項と9条をセット、そしてそれを含めてですね、憲法の根本改正について議論すべきであるというふうに考えております。
この点申し述べたいというふうに思います。
また、NHKのテレビ中継については、参政党としてもしっかり求めたいというふうに思います。
以上です。
盛山正仁君。
自由民主党の盛山正仁です。
御指名いただきありがとうございます。
本日、集中討議が行われております緊急事態条項について発言をいたします。
先ほど鈴木委員が御発言されたように、ドイツ基本法では、防衛事態のもとにおける連邦議会議員の任期の延長や、連邦議会の解散の禁止が規定されています。
スウェーデン、ポーランドでも緊急時において議員の任期を延長するとともに議会の解散を制限する規定があります。
カナダでは任期は原則5年ですが、戦争、侵略、反乱の場合に3分の1を超える会員議員の反対がなければ、上下両院の議決により会員は5年を超えて継続できる旨の規定があります。
フィンランドの基本法におきましては、日本と同様に議員任期は4年と明確に規定されていますが、次の選挙が実施されるまで、現在の議員の任期が継続する旨の規定がございます。
このように新たな議員が選出されるまで、任期が継続する旨の規定は、イタリア、デンマーク等比較的多くの国に存在しています。
このような任期の定め方をすれば、議員が不在となることはなく、緊急時でも議会を機能させることができるということになります。
ギリシャの憲法では、戦争時の議会活動の継続規定があるほか、議会が解散されている場合には、選挙の実施は戦争の終結まで延期され、それまでの間、解散された議会が当然に再招集されるという規定があります。
この規定は、解散時でも緊急事態が生じれば、議会活動を再開できることを規定しており、これまで本審査会で議論がなされた前議員の身分復活の制度と趣旨を同じくするものではないかと資料いたします。
憲法等の規定に基づき、実際に議員任期が延長されている例がございます。
私は超党派の日本ウクライナ議連の幹事長として、ウクライナと御縁がございますが、ウクライナ憲法では議員任期は5年と規定されていますが、同時に戒厳令終了後の選挙で構成される議会の開会時まで、会期が延長され、その間は議員任期も延長される旨の規定があります。
ご案内のとおり、令和4年2月24日にロシアがウクライナに侵略を開始し、ウクライナは直ちに戒厳令を布告しております。
本来であれば最高会議、これは国会のことです。
この議員選挙は翌2023年10月に実施される予定でありましたが、先ほど述べた憲法等の規定により、現在に至るまで選挙は延期され、議員任期も延長されています。
このようにウクライナでは侵略後も安定的に本会議、委員会等を開催し、必要な予算、法律を制定する等、戦時であっても厳然と議会の機能を維持し続けております。
議会政治の母国であるイギリスは我が国と同様に議員内閣制を採用しておりますが、会員議員の任期が延長されております。
これは第一次世界大戦の際、1914年から18年にかけて、4回任期が延長され、本来5年の任期が最終的には7年6ヶ月となりました。
第二次世界大戦の際には1940年から44年にかけて5回任期が延長され、最終的には任期が10年に及んでおります。
以上、諸外国憲法における議会機能維持のための制度や議員任期が延長された事例についてご紹介いたしました。
多くの国において議員任期の延長や、次の選挙の実施までの現在の議員の任期の継続、緊急時における解散禁止、選挙延期といった制度が整備されております。
いかなる場合であっても議会の機能や活動を維持する規定を設けること、これは当然のことではないかと考えます。
私の選挙区である神戸では31年前に阪神大震災が発生し、交通通信がまひし大変な大災害となりました。
当時は知事からの要請なく自衛隊を出動できるという規定がなかったこと等、緊急時対応に遅れが生じました。
そのような経験を踏まえ、その後、道路の警戒等も含め、諸々の法制度の手当がなされております。
問題点について認識されていないのであれば、仕方がないことかもしれませんが、緊急時に何をなすべきか、ここにおられる議員を含め、明確に問題が認識されていると考えます。
緊急時において超法規的な対応をとらざるを得ないということがないように、可能な限り速やかに憲法に必要な規定を設けることが私たちの責務ではないでしょうか。
会議は踊る、されど進まずということでは、私たち立法府が問題を認識しながら不作為を行っているという責めを負うものであると考えます。
本日の冒頭で新藤筆頭幹事からご提案があったように、緊急事態条項に関する議論をピン留めして、何らかの具体的なイメージを明らかにすることが最低限必要であり、我々の責務であることを述べ、新藤筆頭幹事のご提案に賛成の意を表明いたしまして、私の発言といたします。
ありがとうございました。
古屋圭司(憲法審査会会長)これにて討議は終了いたしました。
次回は後ほどお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。