本会議

衆議院 2026-05-12 趣旨説明・採決等

概要

衆議院環境委員会において、主要食料の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について審議が行われました。鈴木憲和農林水産大臣は、米の安定供給に向けた流通実態の把握強化、民間備蓄制度の創設、需要に応じた生産の推進という改正案の趣旨を説明しました。質疑では、角田秀穂議員や村岡敏英議員から、生産者の所得保障やコスト指標を活用したセーフティーネットの構築、担い手不足への対策、および「令和の米騒動」の検証について求められました。大臣は、食料システム法に基づく価格形成の促進や、収入保険による経営安定、輸出拡大による需要創出などを通じて、食料安全保障と地方再生に取り組む方針を答えました。

発言タイムライン

中道改革国民政府委員長・議長
0分10分20分30分40分宮路拓鈴木憲角田秀村岡敏

発言者(5名)

質疑応答(0件)

質疑応答は行われませんでした(所信表明・趣旨説明等のセッション)。

議事内容

森英介 (衆議院議長) ▶ 動画

ご視聴ありがとうございました。

宮路拓馬 (環境委員長) ▶ 動画

ご視聴ありがとうございました。

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環境委員長、宮司拓馬君。

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鈴木憲和 (農林水産大臣) ▶ 動画
宮路拓馬

ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

本案は、2030年代後半以降の太陽電池の大量廃棄に備え、太陽電池の廃棄の抑制及び太陽電池廃棄物の再資源化等の推進を図るため、事業用太陽電池廃棄者が取り組むべき措置に関し、本案は、さる4月16日、本委員会に付託され、翌17日、石原環境大臣から趣旨の説明を聴取した後、21日から質疑に入りました。

24日、参考人から意見を聴取し、28日に質疑を終局いたしました。

質疑終局後、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって、原案のとおり、可決すべきものと決した次第であります。

なお、本案に対し、不賛成議決がされましたことを申し添えます。

以上、ご報告申し上げます。

採決いたします。

本案の委員長の報告は可決であります。

本案を委員長報告のとおり決するに、賛成の諸君の起立を求めます。

起立多数、よって本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

この際、内閣提出、主要食料の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。

鈴木憲和君。

鈴木憲和

主要食料の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨をご説明申し上げます。

米については、令和6年8月、南海トラフ地震臨時情報などを受けた需要の急増による小売店での品薄などに起因して価格が上昇し、令和7年3月には前年の約2倍にまで価格が上昇し、

角田秀穂 (中道改革連合・無所属) ▶ 動画
鈴木憲和

課題が明らかになりました。

これらの課題に対応し、消費者への米の供給を安定的に行うため、この法律案を提出した次第であります。

次に、この法律案の主要な内容につきまして、ご説明申し上げます。

第1に、多様化する流通実態の把握強化であります。

まず、届出の対象に、米の出荷または販売事業者に加え、米を原材料とする飲食料品の加工・製造または調整事業者を追加することとしております。

次に、地域の米供給の相当部分を占める事業者は、在庫数量、出荷販売数量などの定期報告をしなければならないこととしております。

さらに、定期報告違反に対する罰則を新設するとともに、報告徴収違反、変更及び廃止の届出違反に対する罰則を引き上げることとしております。

第二に、備蓄制度の見直しであります。

まず、備蓄の目的を見直し、生産量の減少に加え、需要量の増加による供給不足にも備えて保有できることとしております。

次に、民間備蓄の創設であります。

米の備蓄の機動的な運営を図るため、大規模な米の出荷または販売事業者は、基準保有量の米を常時保有しなければならないこととしております。

農林水産大臣は、供給不足であって、民間備蓄を政府備蓄よりも迅速に譲り渡すことができると認めるときは、基準保有量を減少し、さらに不足の状況に応じて、民間備蓄事業者に対し、米の譲り渡しに係る勧告命令などをできることとしております。

第三に、生産調整方針の大臣認定制度などを廃止する一方で、米の生産者は、主体的に需要に応じた生産を行うよう努める旨を規定するとともに、政府は需要に応じた生産が可能となるよう、米の新たな需要の開拓、輸出の促進、生産性の向上に関する施策などを講ずることとしております。

以上がこの法律案の趣旨でございます。

宮路拓馬

ただいまの趣旨の説明に対して、質疑の通告があります。

順次これを許します。

角田秀穂君。

角田秀穂

中道改革連合・無所属の角田秀穂です。

ただいま議題となりました、主要食料の受給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問をいたします。

質問に入る前に、イラン情勢の影響は、ガソリン、軽油など燃料の高騰にとどまらず、海上運賃の高騰や円安による肥料、飼料、生産資材価格の高騰、供給不足により、農業にも深刻な影響が及んでいます。

政府は生産者を守り、国民の暮らしを守るため、私たちは現場に足を運び、1万2千件に及ぶ現場の声を受け止め、政府に対して緊急要望を行いました。

物価高騰、原材料の調達難、実質賃金の低下による家計の圧迫、調査によって浮き彫りとなった多くの国民が直面する困難、先を見通せない不安を解消するため、政府においては早急に経済対策を取りまとめ、補正予算を編成することを強く求めます。

食料法改正案について質問いたします。

我が国の農業生産の現場は、基幹的農業従事者の高齢化が急速に進行しており、平均年齢は2024年時点で69.2歳。

稲作単一経営では半数以上が70歳を超えております。

国民の主食である米の安定供給を将来にわたって確保するためには、何よりも次代を担う人材の確保と育成が急務であり、若い人々が将来に希望を持って農業に挑戦したいと思える環境づくり、そのための政策の推進が強く求められます。

中道改革連合では、米政策の抜本的見直しを掲げ、米価格が急落する恐れが生じた場合には、トリガーを発動する主食用米直接支払いの創設などを訴えています。

食料法改正案では目的に需要に応じた生産の推進を規定していますが、需要に応じた生産は従来からの農政の基本としてきた方針であり、その方針の下で令和の米騒動と言われる混乱が生じました。

米騒動を機に政府は従来の方針を転換して増産に舵を切るのかと思えば、再び従来の需要に応じた生産だと言われることで、生産者からは需要が減れば、再び生産調整を強いられることになるのではないか、それでは将来を見据えた営農ができないといった今後に対する不安の声も聞かれます。

生産者が安心して米作りに取り組めるようにするためには、まず作付けを判断する際の拠り所となる政府の主食用米等の需要見通しが信頼に足るものでなければなりません。

費用を考慮した価格形成を進めることを目指した食料システム法が施行され、米をはじめ主要な品目についてコスト指標の作成が進みつつあります。

生産の現場からはコスト指標を活用した再生産可能な価格の形成に期待する声が聞かれますが、肥料や燃料など生産資材を海外からの輸入に大きく依存しているため、国際指標や円安の影響を受けやすい構造ゆえに、現在も中東情勢によるコスト上昇分を直ちに転嫁できず、コスト割れに陥るリスクが高まっています。

収入保険など現行の経営安定対策は収入の減少を補うもので、コスト上昇による採算割れにはセーフティーネットとして機能しません。

食料安全保障を担う生産者が安心して営農するためには、コスト指標も活用して、コストに着目したセーフティーネットを構築すべきと考えますが、見解を伺います。

米価格の高騰で、消費者の米離れによる需要の減少が懸念されます。

実際に、2025年度の1人1か月当たりの精米消費量が、前年度から6.1%減となったとの、米国機構の調査結果も出ています。

食料・農業・農村基本計画では、米の生産量を2023年の791万トンから2030年には27万トン増の818万トンに引き上げる目標を掲げています。

このうち輸出を2023年実績の8倍近い35万トンへと大幅に引き上げるとしていますが、生産量目標の達成に向けて国内の米離れをいかに防ぎ、輸出の大幅拡大をどのように図っていくのか。

今後の道筋を具体的に示してください。

流通実態の把握のための新たな届出制度と報告義務化について伺います。

一昨年秋以降の急激な米価格の高騰は、小売に至るまでの流通の目詰まりが大きな要因とされますが、どこで目詰まりを起こしているのか。

集荷業者以外への出荷量が約半分を占めるようになるなど、多様化している流通米の流通の全体像を把握できず、効果的な対策を迅速に講じることができませんでした。

改正案では、届出事業者の対象を拡大して、在庫数量等の定期報告を義務付けることとしていますが、昨年、米の流通自体を把握するために、すべての届出事業者、約7万事業者に緊急に実施した販売在庫量調査への回答率は、わずか19%にとどまり、四分の一は宛先不明で戻ってきてしまいました。

新たに対象となる中食、外食事業者などからは、事務負担の増大を懸念する声も上がっています。

制度の実効性をどう確保するのか。

また、多様化が進んでいる流通実態の把握、需給見通しの精度向上のためには、農家直販やECサイト利用の増加に対応した調査のあり方の見直しも必要と考えますが、見解を伺います。

民間備蓄の創設について伺います。

まず、民間と政府を合わせた備蓄水準の考え方について、改正案では、備蓄の保有目的について、現行の生産量の減少による供給不足とともに、需要量の増加による供給不足への備えを新たに追加し、政府備蓄を補完するものとして、民間備蓄の創設を規定していますが、これまでの備蓄水準100万トンは、凶作や2年続きの不作、すなわち生産量の減少への備えとして適正な水準とされてきたものです。

流通の目詰まりへの対応として行われた昨年の備蓄米の売り渡しでは、短期間のうちに適正水準の3割程度まで減ってしまった事実に照らしても、備蓄目的の追加に対応して、備蓄の水準も引き上げるべきと考えます。

今後の適正な備蓄水準の考え方について伺います。

昨年の政府備蓄米売り渡しでは、対応が後手に回った上に、なかなか消費者の手元に届かない、地域的にも差が生じたという問題が明らかとなりました。

政府備蓄米の売り渡しは、会計法上、国が売買契約を結ぶ場合には、原則として競争入札で行うこととなっており、備蓄米の売り渡しについては、随意契約でできるのだと整理した対応などは、食料法、会計法の規定から見て明確な判断基準もなく、政府の裁量で可能とすることはやはり無理があります。

需給バランスが崩れた際に、迅速に食料が行き渡るようにするため、国だけでなく民間とも連携、連動した仕組みを早急に検討すべきと訴えてきましたが、従来の運用に比べ、機動的な対応が期待できる民間備蓄を創設することは評価いたします。

ただ、供給不足が生じた際に、迅速、確実に必要とされる消費の現場への供給を行うには、消費の現場に至るまでの日常的なきめ細かい流通実態の把握が前提となります。

供給不足の発生をどのように把握するのか、伺います。

民間備蓄米の売り渡しを要請せざるを得ない局面では、供給の不足に伴って価格も上昇していると考えられます。

国産米の価格高騰に伴って、昨年の日本における米の民間輸入量は、前年の約95倍となる約9万7000トンに急増し、2000年以降で過去最大となりました。

唯一自給が可能な米が輸入米に置き換わるような事態は、食料安全保障の観点からも看過できないことであり、国民生活の安定のためには入手しやすい価格での売り渡しが行われるべきです。

売り渡し価格の決定方法について伺います。

昨年の特に入札による備蓄米売り渡しの際には、従前取引のある卸には販売されたが、そうでない卸や小売には備蓄米が行き渡らなかったという指摘もあります。

消費者もどこに行けば米を買うことができるのかわからないまま、何件も探し回らなければならないといった混乱が生じました。

そのような事態を再び招かないよう、売り渡し先についても要請の内容に含めるのか、伺います。

食料安全保障の上からも重要な役割を担うことになる民間備蓄を行う事業者に対する支援について伺います。

既存在庫に加えて供給不足に備えた備蓄米を保有することになる民間事業者が不利益を被ることがないよう、保管費用だけでなく、かかり増し経費や長期保管に伴う経価損も含め、十分な支援を行うことが、制度の円滑な運営のためにも不可欠と考えますが、見解を伺います。

食料システム法が施行され合理的価格形成を進める一方で、その価格では手の届かないという人も含めて、すべての人が食料を入手できる環境の整備が強く求められます。

主食である米については、備蓄米の子ども食堂、フードバンクへの無償提供の拡充が図られていることは評価いたします。

しかしながら、この無償提供は食料法施行例第10条で、主要食料の交付は地方公共団体、その他農林水産大臣が適当と認める者が、主要食料を試験研究、または教育のように供しようとする場合に行うことができるとの規定に則って、教育のうちの食育の一環として提供するものだとの整理で、あくまでも特例的に行われているものです。

国民生活基礎調査によれば、相対的に貧困の状態にある子どもの割合は11.5%となっており、特に一人親世帯の貧困率は44.5%に達しています。

今、求められているのは、食料を入手できない家庭に対する支援です。

食料・農業・農村基本法が基本理念に掲げる食料安全保障は、国民一人一人が良質な食料を入手できる状態と規定しています。

現に食料を買うことができない多くの子ども、家庭に対する支援を通じて、一人一人が食料を入手できる環境整備のためには、政令の規定も見直すべきと考えますが、見解を伺います。

地球規模での気候変動に対して、多収性や高温耐性、病害虫抵抗性などを持った新品種の開発、導入促進の必要性が高まっており、そのためにも国際研究協力にさらに力を入れていかなければなりません。

国際稲作研究所などを傘下に持つ世界最大の農業研究ネットワークである国際農業研究協議グループCGIARの主要ドナー国として、日本は1990年代は拠出金額では第3位でしたが、現在では22位に後退し、一昨年は設立以来保ってきた理事のポストとも失っています。

組織全体の運営を支えるコア拠出を受け持つ外務省の予算削減が大きな要因です。

食料安全保障確保のためにも、国際研究協力の場での日本の発言力を確保する。

そのために、予算を増額し、資金協力を積極的に行っていくことを求めますが、外務大臣の答弁を求めます。

生産者、流通事業者、そして消費者、それぞれが将来に安心を持てる制度となるよう、政府には真摯な答弁と責任ある対応を求め、質問を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

宮路拓馬

鈴木憲和君。

鈴木憲和

角田秀穂議員のご質問にお答えいたします。

精緻な需要予測についてのお尋ねがありました。

需要に応じた生産を推進するためには、生産者が作付けの計画を立てられるよう、精緻な需要見通しを策定することが重要です。

このため、従来の需要のマイナストレンドを前提とした見通しを見直し、今般、直近の一人当たり消費量実績や精米歩留まり、インバウンド需要の動向等を考慮した上で、需要見通しを算定することとしたところであります。

また、今国会に提出している食料法の改正案では、加工・中食・外食の事業者を届出事業者に追加し、流通事業者の需要実態を幅広く把握することなどの措置を盛り込んでいるところであり、引き続き、より精緻な需要見通しの策定に努めてまいります。

次に、コストに着目したセーフティネットの構築についてのお尋ねがありました。

米の価格については、食料システム法に基づくコスト指標の活用を通じて、生産者の再生産・再投資が可能で、消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことを期待しています。

農業収入が減少した場合のセーフティネット対策については、収入保険などがすでに措置されており、引き続きこうした施策を着実に推進してまいります。

今後の米の価格や生産費の動向にも注視しながら、食料システム法に基づく米のコスト指標を踏まえた価格形成の促進と合わせ、まずは収入保険などのセーフティーネット対策による農業経営の安定に努めてまいります。

次に、国内外の米需要の拡大についてのお尋ねがありました。

昨年4月に策定した食料・農業・農村基本計画においては、2030年の米の生産量を2023年の791万トンから818万トンに増大する目標を掲げたところです。

この目標を実現するため、消費者や中食・外食ニーズなどに対応した多様な価格帯の米の供給を支援するほか、日系に加え、現地系のスーパーやレストランなどの新たな販路を開拓するとともに、グルテンフリーの米粉・米加工品など、付加価値を持つ商品のプロモーション強化などにより、新たな米の需要を開拓してまいります。

併せて、農地の大区画化などの基盤整備、多収品種の開発普及、スマート農業の導入など、生産コストの低減を進めていくこととしており、これらの取り組みを通じて米の国内外の需要拡大を図ってまいります。

次に、新たな届出定期報告の実効性確保、流通実態の把握の在り方についてお尋ねがありました。

届出定期報告の実効性確保については、今般の食糧法改正案において、届出事業者に対し適正かつ円滑な流通の確保を図る観点から、国が必要な助言または指導することができる旨の規定を設け、届出定期報告に係る罰則を厳罰化することとしています。

併せて、事業者の届出定期報告の負担軽減を図るため、定期報告の対象者は一定の規模以上の方に限る、そして事業者の業種や規模に応じ、報告回数や内容を変えることとしています。

また、ご指摘の農家直販やECサイトを利用した取引については、これまでも届出の対象としていたところですが、今般の改正案により出荷量などの情報を定期的に報告することを義務づけることとしており、流通実態の適切な把握により一層努めてまいります。

次に、今後の備蓄水準の考え方についてのお尋ねがありました。

備蓄米の適正水準については、食料・農業・農村政策審議会の食料部会にも諮った上で、10年に1度の不作や通常程度の不作が2年連続した事態にも対応可能な水準として、米の基本指針において100万トン程度としています。

今後の適正水準については、100万トンの適正水準と設定した当時から人口が減少しているものの、急激な需要増や災害への対応などを考慮する必要があること、現行の水準でも相当の財政負担が生じていることなどを総合的に考慮し、引き続き100万トンの適正備蓄水準を前提とすることが適切と考えています。

次に、供給不足の把握についてのお尋ねがありました。

今般の食料法改正案では、米の供給不足の状況を迅速に把握し、備蓄米を適時に供給できるようにするため、一定規模以上の米の取扱業者に対し、定期的に在庫数量、出荷数量、販売数量などを報告することを義務付けることとしています。

これらの在庫数量などの情報に加えて、全国や地域別の流通実態について、流通事業者と定期的に意見交換を行うことにより、供給不足の地域や流通段階、不足の程度を適時に把握することで、供給不足が生じた場合には、消費の現場に対して備蓄米の迅速な供給を図ってまいります。

次に、民間備蓄の売り渡し価格の決定方法と売り渡し先についてのお尋ねがありました。

民間備蓄の価格については民間の取引環境の中で決まるものですが、民間備蓄の趣旨を踏まえれば合理的でない価格で民間備蓄が売り渡される事態を防ぐ必要があります。

まずは令和8年度に実施予定の民間備蓄に係る実証事業なども踏まえ、具体的な民間備蓄の売り渡しの状況を

村岡敏英 (国民民主党・無所属クラブ) ▶ 動画
鈴木憲和

次に民間備蓄の支援についてのお尋ねがありました。

民間備蓄に係る事業者の負担については、事業者に対し備蓄米の保有が円滑に行われるよう、政府が必要な財政上の措置等を講ずる旨を改正法案に規定しています。

措置の具体的な内容については、今年度実施予定の民間備蓄に係る実証事業等も踏まえた上で検討してまいります。

次に政府備蓄米の無償交付についてのお尋ねがありました。

政府備蓄米は食料法上、米の供給が不足する事態に備えることを目的としていますが、食育の観点から子ども食堂、フードバンクなどへの無償交付を特例的に実施しており、こうした取組を通じて生活困窮者にもご活用いただいているものと承知をしております。

一方で政府備蓄米の無償交付の範囲を食育以外の目的に拡充することについては、米の供給が不足する事態に備えるという政府備蓄米の目的を踏まえると難しいと考えており、引き続きこの本来の目的が損なわれない範囲で生活困窮者支援を行っている他省庁と連携して適切に取り組んでまいります。

宮路拓馬

茂木敏充君。

角田議員から国際農業研究協議グループCGIARとの連携についてお尋ねがありました。

国際的な農業研究人材育成等を実施するCGIARとの連携は重要です。

我が国は気候条件の厳しい国々での作物の生産性向上、栄養価を高める品種改良をはじめ、特に法人研究者が主導する案件を重点的に支援してきました。

昨今の気候条件の変化により、その成果の中には日本でも利活用できるものが出てきています。

こういった点を踏まえると、御指摘のとおり、我が国のニーズをCGIARの活動に反映することは一層重要です。

CGIARとも緊密に連携しつつ、資金・人材両面において、できる限りの貢献を行っていきたいと考えております。

村岡敏英君。

村岡敏英

国民民主党・無所属クラブの村岡敏英です。

ただいま議題になりました、主要食料の受給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について、農林水産大臣に質問いたします。

食料法は単に米や麦の流通を定める法律ではありません。

国民の命と暮らしを支える主食を、必要な時に必要な量、安心して届けるための国家の根幹です。

一方、生産者は一時的に米価が上がったとはいえ、長く続いた米価低迷に加え、肥料、生産資材、農機などの高騰により、安心して再生産できる状況にありません。

ここに今、米政策の根本的な課題があります。

主食が不足すれば、価格が高騰し、家計だけでなく、学校給食、食品産業、地域経済にも深刻な影響を及ぼします。

だからこそ、主食政策は、地域を守ることは、日本の未来を守ることであります。

大臣に伺います。

政府は令和の米騒動を、一時的な市場の混乱ではなく、主食の安定供給に対する国家責任の問題として、どこまで重く受け止めているのか、政府の基本認識を明確にお示しください。

令和の米騒動は突然起きたというより、前段の兆候を読み取れなかった結果ではないかと考えます。

2023年に農林水産省が秋田県へ米の生産抑制を求めた電話をした件は、これまで米政策の象徴的な出来事と言わざるを得ません。

秋田県は次期を見据え、主食用米の増産の必要性を考えていました。

しかし国からは生産の目安の見直しを強く求められました。

増産に動いた場合の交付金の減額にも言及があったと報道されています。

もし事実ならば、2018年に減反廃止と言いながら、実際の運用にはなお減反的な発想が残っていたのではないかという疑問が生じます。

異常高温などの天候不順で次期が逼迫する予想の中、当時の判断の妥当性は丁寧に検証されるべきです。

ここを曖昧にしたままでは現場の不信感は残ります。

政府として誰がどのように権限と認識で何を求めたのか、交付金の減額を示唆した事実はあるのか、秋田県の対応を含め、令和の米騒動について、第三者の視点を入れた検証を行うべきと考えますが、見解を求めます。

令和の米騒動を受け、石破前政権は米の増産に舵を切りました。

しかし法案に明記された需要に応じた生産とは、米政策は再び減反政策なのかと捉えかねられません。

縮む市場には新たな投資や人は集まりません。

この半世紀を振り返って、需要を十分に拡大できないまま、生産量を減らし続けた結果、地方では離農が進み、担い手が不足し、競争力も生まれず、悪循環を招いてきたのではありませんか。

今回の改正案には、生産者は主体的に需要に応じた生産を行うよう努めるものと書き込まれていますが、生産者の経営判断に委ねるというのであれば、なぜあえて法律に努力義務として書き込むのか。

需要に応じた生産という表現ではなく、むしろ我が国が自給できる唯一の穀物、米の生産力強化のメッセージを出すことの方が重要ではないでしょうか。

政府は需要に応じた生産と言いますが、それは結局形を変えた減反政策ではないか。

政府が責任を持って米の需要拡大に向けた環境整備を行えるのか、それとも生産者や産地だけに主体的な努力を求めるだけなのか。

今回の改正はこれまでの反省を踏まえて、食の安定供給とその価格の安定化に資する実効性のある改正なのか、見解を求めます。

また、令和の米騒動により政府備蓄米が大量に放出されたこと、米の高値長期化による消費者の米離れで、今年3月末の民間在庫は277万トン、前年同月より97万トン多い、在庫率は約40%で過去最高となっています。

生産者は今年の新米は価格が下落するのではないかと心配しています。

政府は米の価格の安定化にどのように対処するのかお答えください。

今回の改正案は流通実態を十分につかめていなかったこと、政府備蓄米の売り上げ手続きに時間がかかり、機動性を欠いていたことも課題としています。

しかし制度の手直しだけで本当に再発防止につながるのか、届出対象を広げても報告の速度、頻度、公表の仕方が実効的でなければ十分に機能しません。

そもそも流通は様々な条件で刻一刻と変動するもので、すべてを正確に把握することは難しいと考えます。

業界の負担を増やして至急の安定が図られるのでしょうか。

備蓄放出についてもいつ、どの程度、不足を持って判断するのか、その基準が明確でなければ、再び判断が遅れる恐れがあります。

さらに今回の改正案では、新たな施策として、民間事業者による備蓄制度が盛り込まれています。

流通実態の把握強化のため、届出事業者の出荷販売事業者に加え、加工、中食、外食の事業者も追加、定期報告の義務化、罰則の措置もあります。

これによる民間の調査コストや事務負担等は誰が負担するのでしょうか。

そして民間に備蓄を義務づけるのであれば、保有により生ずる事業者の経営上の損失に対して、財政上の措置を講ずることが必要であると考えますが、政府の認識はいかがですか。

また、令和の米騒動では、価格高騰対策として、備蓄米の放出を決めたが、今後はどのような基準で放出するのか、明確にお答えください。

国内では、米価の高止まりを背景に、国家貿易枠内、SBSの上限10万トンが全量落札された上に、1kgあたり341円の枠外関税を払ってでも、食用米を輸入する動きが広がっています。

民間輸入はこれまで年600トンから800トンで推移していましたが、2025年度には10万5778トン、実に125倍から160倍へ輸入量が激増しました。

日本米の品質は高い一方、価格面では外国産米と開きが大きく、高市内閣総理大臣、消費者が必要とする価格、数量、品質に応えられるよう、産地と中食、外食、給食事業者との直接契約や複数年契約をどのように広げ、生産者が再生産できる価格を確保しながら、国産米の安定供給体制をどのように構築していくのか、具体的にお示しください。

私は価格を高く保つために生産を抑えるのではなく、生産者を支える方向へ転換すべきだと考えます。

国民の理解と納得の得られる価格で安定すれば、消費者には恩恵があり、需要の回復や自給率向上への土台にもなります。

その一方で、農家が赤字にならないよう、所得を支える政策は不十分です。

再生産できる見通しが立たなければ、担い手は育ちません。

国民民主党は、米等の直接支払い、いわゆる食料安保基礎支払いで生産者を支える提案をしております。

そうすることで生産者には再生産可能な所得を確保し、消費者には手頃な値段で至宝を届ける政策です。

政府は減産で価格を守る発想から転換し、消費者は手頃な値段で、生産者は直接支払いによって再生産できる所得を実現する方向へ舵を切る必要があると考えますが、大臣の見解をお聞かせください。

担い手をどう確保するかということですが、農業の持続可能性を考えるとき、最も深刻なのは担い手の減少です。

この10年間で、基幹的農業従事者は72万人減少し、現在は104万人となっています。

しかもそのうち50歳未満の基幹的農業従事者はわずか約13万人にとどまっています。

また17の都道府県では10年後に後継者が決まっていない農地の割合が5割を超え、全国で見ても、後継者未定の農地は全体の32%に上っています。

この現実を直視すれば、今問われているのは、この国の農地を誰が守り、主食を誰が作るかということです。

また地域計画についても担い手や受け手が伴わず、絵に描いた餅になっていないかが問われています。

政府は日本の食料自給率を向上させるために、今後どの程度の生産者を確保しようとしているのか、また若い世代の新規就農、親元就農、第三者継承をどう増やし、後継者未定の農地の拡大をどう食い止めるのか、さらに政策の方向が短期間で変わることによる生産者の不安や、地域計画が絵に描いた餅になっているのではないかという懸念に、どう対応するのか、明確にお答えください。

中東情勢の影響を受け、肥料の値上げ、生産資材の受注停止、供給制限、納期の遅延などが発生しています。

政府には動向を注視し、農業生産に影響がないよう対処することを求めますが、どのような対策を講じているのか、お答えください。

今回の食糧法改正、そして農業構造転換集中対策期間を単なる制度改正や一時的な予算措置で終わらせてはなりません。

明治維新以来、我が国は東京を中心に世界に冠たる経済大国を築いてきました。

しかしその一方で、地方から都市へ人が流れ、農村では人口減少、若者の流出、担い手不足が進み、農業も田園からの新たな産業革命を起こし、地方再生、そして日本再生への道を切り開くことができると確信しています。

食料安全保障と地方再生をどう考えているのか、大臣にお聞きいたします。

最後に、かつてフランスのドゴール大統領は、食料を自給できない国は主食の安定供給まで不安定になりました。

この悪循環をここで断ち切らなければなりません。

地元で農家の方々から話を伺いました。

米や果樹農家は年に1回しか収入がありません。

価格の変動や天候不順、災害での不足など収入が定まらない農業を、親は子に継がせようとは思いませんよと言われました。

このまま生産者が減り、日本の食料安全保障は守れません。

今こそ国民に主要食料を安定供給できる仕組みをつくることが、我々国会議員に託された役目であることを申し上げ、私の質問を終わります。

鈴木憲和

鈴木憲和君。

村岡敏英議員のご質問にお答えいたします。

主食の安定供給に対する政府の基本認識についてのお尋ねがありました。

国民の主食である米の安定供給は、食料安全保障上の観点から不可欠と考えています。

今般の米の需給及び価格の問題については、国の需給見通しの誤りから米の供給量が不足するとともに、備蓄米の売り渡しも機動性を欠いたことから、米価が高止まりし、消費者の米離れの懸念が発生するなどの事態を招いたところです。

農林水産省としては、今回の事態を大変重く受け止め、需要に応じた生産の推進、多様化する流通実態の把握強化、備蓄制度の見直しなどの措置を盛り込んだ食料法改正案を本国会に提出したところであり、国民の主食である米の需給及び価格の安定をしっかりと図ってまいります。

次に、2023年産米について、農林水産省が秋田県に対し、生産抑制を求めたのではないかとのお尋ねがありました。

当時はコロナ禍であり、米の需要量が初めて700万トンを切るとともに、民間在庫量も200万トンを超えて高い水準にある中で、担当局の幹部や担当者は、秋田県を含め各都道府県と地域の米の需要を考慮した米の生産のあり方について意見交換をしていたものと承知をしております。

また、産地交付金については、当時秋田県を含めた各都道府県に対し、前年度の配分実績や転作作物の作付面積に応じて配分する考え方をご説明していたものと承知をしており、転作作物の作付面積の減少なく減額を示した事実はありません。

さらに今般の米価高騰については、食料・農業・農村政策審議会の食料部会において要因と対応についてご議論をいただき、これを踏まえ、本国会に食料法改正案を提出したところであり、迅速な御審議を賜りたいと考えています。

次に、需要に応じた生産についてのお尋ねがありました。

今般、食料法改正案に需要に応じた生産を規定するにあたっては、需要減少を前提とした生産調整方針を廃止した上で、政府は需要に応じた生産が可能となるよう、需要開拓や輸出促進、生産性向上などにより、生産の持続的な発展を図る旨を規定しており、決して減産を意味するものではありません。

農林水産省としては、昨年4月に閣議決定をした食料・農業・農村基本計画において、2030年の生産目標を2023年の791万トンから818万トンに拡大することとしたところです。

今般の改正案も踏まえ、政府が前面に立って需要を創造しつつ、米の増産をできる環境整備に取り組むことで、米の安定供給とこれを通じた価格の安定化を図ってまいります。

次に米価の安定化についてのお尋ねがありました。

米の価格は需給バランスなど民間の取引環境の中で決まっていくものと認識しています。

本年4月に施行された食料システム法に基づき、米機構から公表された米の需給と指標価格の活用を通じて、民間の取引において生産者の再生産、再投資が可能で、消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことを期待しています。

また、今般の食料法改正案に盛り込んでいる、多様な米の需要を創出した上で増産を図る需要に応じた生産の推進、届出事業者の拡大による流通実態の把握強化、備蓄米の機動的放出を可能にするための民間備蓄制度の創設などの措置により、米の需給の安定を図り、これを通じて、米の価格の安定化を図ってまいります。

次に、流通実態の把握強化、民間備蓄に係る事業者の負担、備蓄米の今後の放出についてのお尋ねがありました。

今般の食料法改正案で措置する届出や定期報告の拡大、民間備蓄の実施にあたっては、事業者の皆様方のご負担を軽減することが重要であるため、対象者を一定規模以上の方に限るとともに、電子申請の導入についても検討してまいります。

また、民間備蓄に係る事業者の負担については、事業者に対し、備蓄米の保有が円滑に行われるよう、政府が必要な財政上の措置等を講ずる旨を改正法案に明確に規定しています。

さらに、備蓄米の放出基準については、価格高騰時ではなく、供給量が不足している場合に売り渡す。

との基本的な考え方に立ち、届出事業者からの在庫量や出荷販売量などの定期報告に基づき、供給量の不足を把握した場合には、機動的に備蓄米を供給してまいります。

次に、米の輸出拡大、業務用米の輸入の増加、国産米の安定供給体制の構築についてのお尋ねがありました。

米の輸出拡大については、日系に加え、現地系のスーパーやレストランなどの新たな販路を開拓するとともに、グルテンフリーの米粉、米加工品など、付加価値を持つ商品のプロモーション強化などにより、米の新たな需要を開拓してまいります。

また併せて、農地の大規格化などの基盤整備、多種品種の開発普及、スマート農業の導入など、生産コストの低減を進めてまいります。

今般の業務用米の輸入の増加については、引き続き、実需者の求める米の安定供給に向けて取り組んでまいります。

次に、生産者の再生産可能な所得の実現についてのお尋ねがありました。

米の価格については、食料システム法に基づくコスト指標の活用を通じて、生産者の再生産再投資が可能で、消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことを期待しております。

その上で、大幅な米価の下落などに伴い、農業収入が減少した場合に備え、収入保険などのセーフティネット対策を着実に推進してまいります。

また、生産者の直接支払い制度につきましては、税金が原資であるため、国民の皆様の御理解を得る必要があるほか、生産性向上に向けた取組に与える影響や、どういった生産者を対象とするのか、支援水準をどのように設定するのかなど、慎重な検討を要するものと考えております。

次に、今後の農業者の確保、受け手不在農地の解消、地域計画の実現についてのお尋ねがありました。

今後の農業者の確保については、少数の農業者がより多くの農業生産を担う農業構造へ転換する必要があるため、昨年4月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画において、49歳以下の担い手数について、2023年現在の水準である4.8万を地域計画の実現を後押しするため、農地バンクによる農地の権利移転とともに、農家負担のない基盤整備、担い手への機械導入の支援などを進めてまいります。

引き続き先を見通せる農政を実現することにより、農業者が将来に希望を持って安定して生産できる環境を整えてまいります。

肥料や生産資材への対策についてのお尋ねがありました。

肥料については、本年の春作業に使用する肥料は昨年設定された価格ですでにほとんどの農業者が調達済みと考えていますが、引き続き価格動向を把握し、農家の皆様の経営に影響が生じないよう緊張感を持って対応してまいります。

また将来の調達に不安の声がある農業用マルチなどの生産資材については、経済産業省と連携をし、ポリエチレンなどの安定供給に向けて原料メーカーへの働きかけを行うとともに、生産資材の製造・流通事業者などに対しても、受発注の平準化などを要請をいたしました。

さらに5月1日にはマレーシアを訪問し、肥料原料の尿素の主要な製造事業者である国営企業より、尿素の安定供給の確約を得てまいりました。

加えて、ナフサ及び原油の我が国への安定供給についても協力を依頼してまいりました。

引き続き、生産資材の安定的な確保に向け、万全の対応を行ってまいります。

次に食料安全保障と地方再生についてのお尋ねがありました。

食料安全保障の確保に向けては、国内の農業生産の増大を図ることを基本として、食料の安定的な供給を行うことが重要です。

そのためには農業経営の収益力を高め、稼げる農業を創出することで、農業の成長産業化を図る必要があると考えております。

このため農業の構造転換への集中投資により生産性の抜本的向上を進めるとともに、品種保護によるブランド化や、きめ細かなマーケティングなどによる付加価値の向上などの取組を進めてまいります。

あわせて、農村の重要な産業である農業を中心として、農村の多様な地域資源を活用した付加価値の創出や、他産業との連携を通じ、農村における所得の向上や雇用の創出、関係人口の拡大を推進してまいります。

こうした取組は、食料安全保障の確保に資するだけではなく、農業や関連産業の発展を通じて、地方に活力を取り戻すことにもつながるものと考えております。

宮路拓馬

これにて質疑は終了いたしました。

本日はこれにて散会いたします。