平井伸治はい、2点私の方にお尋ねをいただきました。
小選挙区比例代表並立制、これは第8次選挙制度審議会、政府の審議会で答申がなされたものに基づきまして、当時、国会で大議論の中、成立をしたわけでございます。
その枠組みの議論自体は、2つのやはり大きな選挙制度の世界の潮流を考えた上で、審議会の委員の皆様が議論をまとめられたわけでございます。
おそらくアングロサクソン系の小選挙区制、これは1人の議員を1票で選ぶ、これは1つの典型的な例であって、それが二大政党制の中では機能が非常にうまくいって、政権選択になるんじゃないかということがあります。
それが当時アメリカとかイギリスをモデルにして語られたという事実があったと思います。
ただ他方で少数政党、少数の者の意見というものをちゃんと反映をさせるという意味で比例代表制にも注目をしたわけであります。
その比例代表制というのは、ヨーロッパ大陸で発達をした制度でございますが、そのプロポーショナル・リプレゼンテーションというやり方が定着をしてきていて、これによって民意に割と投影するような形でできるということがありました。
ただ、選択をする国民の意思で政治を選ぶという機能は、その後の連立工作などが活発に行われるわけでありまして、例えば選挙終わってすぐに政権が誕生するわけではないという実情もあり、こういう中で、やはり一定程度政権を選べる、政権交代が起きる仕組みを作ろうというのが当時の議論の中心だったと思います。
ただ少数意見というものに十分配慮をするという意味で比例代表を加味した小選挙区制、その意味での小選挙区比例代表並立制というものが構想されたというふうに思います。
これが今でもある意味機能してきているわけでありますが、当時構想されたような、というか希望されたといいますか、夢見られたような二大政党制には結局ならずに、その多党が分立して出てくるという実態は、その後、一定程度収束した後も、また多党化していくということになっていったのもまた事実であろうかと思います。
そういう中、小選挙区についてアダムズ方式を導入したのは、伊吹文明議長、それから大島忠盛議長の下で、衆議院の選挙制度の調査会が開催をされまして、私もその議論に当時参画をいたしました。
その頃、伊吹議長、大島議長のご方針だと思いますが、各党のご意見というのは一切審議の中には出てくるわけではなくて、全く有識者に任された議論になる、非常にある意味見識のある運営をされたと思います。
そこで悩ましく皆さんが考えておられたのは、選挙のたびに訴訟が起こされて、それで不安定な選挙制度になっているということであります。
小選挙区制において一票の格差の問題などが特に参議院以上に最高裁では議論として厳しく見られたことがありました。
そういう意味で比例的に配分をするということで、当時もともと1を奇数として各都道府県に割り振った上で、その上にさらに比例的に載せるという、その議席配分方式を見直す中で、アダムズ方式、いわばその端数を切り上げることでの、そういう配分方式でございますが、これが採用されることになったわけであります。
これは他国においても、フランスの国民議会の選挙で、デパルトマン、県への割り付けをする際にも使われる指標でございますし、またカナダにおいても各州に定数を割り付ける際にアダムズ方式が採用をされています。
世界的に見てもこういうやり方が一つのあり方であって、それに対してサンラグやあるいはドント方式のところもございますが、このアダムズ方式はどちらかというと地方部にも一定程度配慮した比例配分の方式でありまして、これによって安定的な制度設計を望んだのが当時の考え方でありました。
10年に一度の大調査の際に本格的に定数の是正を図っていくということでございましたけれども、これが国会において誠実にその後継承されていることに大変深い敬意を表させていただきたいと思います。
ある意味うまくいっているように見えるわけでありますが、ただ当時多分想定していなかったかもしれないのは、調査のたびにやはり定数をやり直すわけでありますけれども、一旦下げてまたすぐ上げるとか、制度の安定性からして選挙区によっては本当にギリギリのところで定数が1が2になったり、例えば配分が5になったのが6になったり5になったり、この境目のところみたいなところに張り付いたところは結局上行ったり下行ったりします。
そのたびに区割りをやり直さなきゃいけない。
で、議員数も変わるということがありまして、一定程度、そこのところ安定性という点でどうかなというのは、個人的にその後の総括的な見方をすると、まだ改善の余地はひょっとするとあるかもしれないなと思います。
基本選としては、多分多くの方々に受け入れていただき定着したことは大切にしていただければいいのではないかなというふうに、委員の一人として思っております。
それと併せまして比例代表についてでございますが、比例代表については復活当選というのは、最後に様々な議論の中で妥協的に出てきたのではないかなという感じがいたしております。
これ自体は、中選挙区制から移行するときに、中選挙区制と違って小選挙区の場合は黒か白かはっきりします。
したがいまして、落ちたら落ちっぱなしになってしまうということなんですが、中選挙区の場合は何人かの議員が同じ選挙区を分け合うわけでありまして、それが少し動く程度なわけですね。
ですから、ある程度の安定性を考えた上で、そういう復活当選というのを認める余地というのは十分あったかもしれないということだと思います。
ただ、確かに先ほども市長会等でお話もございましたが、復活当選というのはブロック単位で考える仕組みになっていまして、かなり遠いところから復活してくるわけですね。
ですから、そこの選挙区でかなり低い得票数であっても、復活が事実上できてしまうということもあります。
この辺まで精査した上で立案したものではないかもしれません。
いろんな意味で改善すべきところがあれば、それは改善していただくこともあろうかと思いますが、そうした様々な考慮の中で選挙制度が構想されたというふうにご理解をいただければと思います。
はい、ありがとうございました。