法務委員会

衆議院 2026-05-19 質疑

概要

法務委員会において、松井民事局長らが出席し、民法等改正法に伴う成年後見制度および遺言制度の見直しについて答弁しました。成年後見制度では、本人の意向尊重や親族の関与、包括的代理権の廃止による弊害解消、および地域福祉との連携強化について議論されました。遺言制度については、保管証書遺言の導入による紛争予防や、相続登記の促進を通じた空き家・所有者不明土地問題の解決への寄与について言及されました。あわせて、デジタルデバイドへの配慮や地方における相談体制の整備など、制度の実効性を高めるための周知広報についても検討されました。

発言タイムライン

維新自民政府委員長・議長
0分10分20分30分40分三木圭藤沢忠

発言者(3名)

質疑応答(24件)

成年後見制度見直しの経緯
質問
三木圭恵 (日本維新の会)
  • 現行制度を見直すこととした理由
  • 法制審議会に諮問した経緯
答弁
平口洋
  • 高齢化によるニーズ増加の一方で、判断能力が回復しない限り利用を終了できない等の問題があった
  • 第2期成年後見制度利用促進基本計画での検討を踏まえ、令和6年2月に法制審議会へ諮問した
全文
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まず平口大臣にお伺いをいたします。

現行制度を見直すこととしたのはなぜか、見直しについてどのような経緯で法制審議会に諮問したのかお伺いをいたします。

高齢化の進展等に鑑みまして、成年後見制度の利用のニーズが増加しておりますが、現行制度については、判断能力が回復しない限り、その利用を終了できないなどの問題点が指摘されておりました。

そして、令和4年3月に閣議決定されました第2期成年後見制度利用促進基本計画には、そのような問題点が指摘された上で、成年後見制度の見直しの検討が盛り込まれました。

これらを踏まえて、令和6年2月、法制審議会に諮問をしたものでございます。

制度利用の実態調査の有無
質問
三木圭恵 (日本維新の会)

- 利用者や親族に対する実態調査を実施しているか

答弁
松井信一
  • アンケート形式の実態調査は実施していない
  • 専門家会議や法制審議会の部会、パブリックコメントを通じて、障害者や家族、支援団体の意見を反映させている
全文
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制度にいろいろと課題があったと、1回後見人がついたら、それを死ぬまで解約できない。

解約できないということで今回の法制度改正については様々な改正がされていくわけですけれども、まず制度の利用状況や運用の実態を把握するために、政府として利用者やその親族等に対して実態調査は行われているのでしょうか。

成年後見制度を利用しているご本人やその親族に対するアンケート調査のようなものは実施しておりません。

もっとも、成年後見制度の見直しの契機となった第2期成年後見制度利用促進基本計画は、障害を持つ方やそのご家族、支援団体の方も委員として参加している専門家会議の意見を踏まえて策定されたものでございます。

また法制審議会の部会にも、障害を持つ方やそのご家族、支援団体の方が委員として調査審議に参加され、部会で取りまとめられた中間支援のパブリックコメントの手続きには、障害者団体や障害を持つ方の家族の会、支援団体から意見が寄せられております。

今回の成年後見制度の見直しは、これらの方々の声を踏まえたものと考えております。

法制審議会におけるヒアリングと答申への反映
質問
三木圭恵 (日本維新の会)
  • 利用者や親族、支援団体へのヒアリングを行ったか
  • その内容は答申に反映されているか
答弁
松井信一
  • 障害者団体や家族会等から5回のヒアリングを実施した
  • 包括的代理権への反対意見や親族との分離への懸念などを踏まえ、必要な範囲で利用できる制度への変更などを要綱に盛り込んだ
全文
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では法制審議会における審議において、利用者やその親族、支援団体等からヒアリングを行ったということでよろしいんでしょうか。

その内容は答申に反映されているのでしょうか。

法制審議会の部会では5回の会議を利用し、障害者団体、利用者のご家族の会、地方自治体、社会福祉協議会、国連障害者権利委員会元副委員長等からのヒアリングを実施いたしました。

法制審議会の部会におけるヒアリングでは、例えば、本人が事理弁識能力を欠く状況にあることをもって、成年後見人が本人の包括的代理権を有することに反対する旨の意見や、本人と一緒に生活していた親族が、後見開始の審判によって本人と切り離され、本人についての情報を得ることができなくなるとの意見などが述べられました。

法制審議会が答申した要綱は、ヒアリングで述べられた内容も踏まえ、部会で様々な立場から議論がされ、コンセンサスの得られた結果が取りまとめられたものでございます。

要綱にはヒアリングの内容も踏まえ、例えば、後見人が本人の包括的代理権を有する後見の制度を廃止して、本人にとって必要な範囲で利用できるようにすることなどが盛り込まれております。

これによれば、本人と親族が離れる原因となる施設入所契約についても、家庭裁判所が必要性を認めて、補助人にその代理権を付与しない限り、補助人は締結することができないことになり、この点もヒアリングで述べられた意見に対応するものとなっております。

補助人選任における本人・親族の意向反映
質問
三木圭恵 (日本維新の会)

- 補助人の選任において、本人や親族の意向を反映できる仕組みになっているか

答弁
松井信一
  • 本人の意見を考慮要素の冒頭に規定し、原則として本人の陳述を聞くこととした
  • 親族の陳述を必須とはしていないが、基本的には本人のことをよく知る親族に話を聞くことが想定されており、その過程で申立てを知り得ると考えている
全文
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三木圭恵君。

法定後見人が申し立てられた、後見開始の審判が申し立てられた場合について、親族が知らない間に市町村長に申し立てされて後見開始の審判が申し立てられ、後見人が選任される事例があることが問題となっているわけでございますけれども、改正案では、補助開始の審判、補助人の選任の審判において、補助人の選任について、本人や親族の意向を反映させることができる仕組みになっているのか、お伺いいたします。

民法等改正法案では、補助人の選任に本人の意見が重要な要素であることを明確にするために、補助人の選任の際の考慮要素の冒頭に本人の意見を規定いたしました上で、補助人の選任の審判をする場合には、原則として本人の陳述を聞かなければならないこととしております。

他方で、本人と親族との関係は様々でございまして、補助人の選任の審判をする場合に親族の陳述を聞かなければならないこととはしておりませんが、親族に話を聞くことによって本人に害を生じる恐れがある事案は別として、基本的には本人の意向や制度利用による保護の必要性を把握する観点からは、本人のことを最もよく知っていると思われる親族に話を聞くことが想定され、親族はその過程で補助開始の申立てがされることも知ることができると考えております。

親族に意見を聞かないケースの具体例
質問
三木圭恵 (日本維新の会)

- 本人の意思判断能力が不十分な場合に、親族にも意見を聞かないのはどのような事例か

答弁
松井信一

- 親族による本人への虐待の恐れがある事案などが想定される

全文
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今のお答えなんですけれども、本人が認知症になっている場合に法定後見人がつくということがほとんどだと思います。

本人に確認しても意思判断能力がしっかりしていない。

そういう場合に親族にも意見を聞かないというのは、どういう事例が例として挙げられるんでしょうか。

先ほど申し上げたとおり、基本的には本人のことを最もよく知っていると思われる親族に話を聞くことが想定されるものでありますが、例えば親族による本人への虐待の恐れがある事案などにおきましては、そのようなことはしないということも考えられると思っております。

特定補助人選任における本人の拒絶意思の尊重
質問
三木圭恵 (日本維新の会)

- 本人が特定補助人の選任を望まない意思を示していた場合、審判において尊重されるか

答弁
松井信一
  • 保護の必要性の判断において考慮されると考えられる
  • ただし、意向が示された時期や内容などの個別事情によるため、一概に尊重されるとは答えられない
全文
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次に特定補助人の選任に当たって、それ以前に本人から特定補助人の選任を望まない旨の意思があったことが確認されるような場合に、その意思表示は裁判所が特定補助開始の審判をするに当たって尊重されることになりますでしょうか。

特定補助の仕組みを利用しないとの本人の意向は、特定補助人を付する旨の審判の要件とされている、保護の必要があるかどうかの判断において考慮することが考えられます。

もっとも、その意向が尊重されることになるかどうかについては、その意向が示された時期や、その内容などの個別具体的な事情にもよるため、一概にお答えすることは困難でございます。

特定補助人選任の考慮事項の法律明記
質問
三木圭恵 (日本維新の会)

- 「保護する必要があると認めるとき」という要件が広範であるため、考慮事項を法律に明記すべきではないか

答弁
松井信一
  • 精神状況や生活状況など個別の事情を総合的に判断すべきものである
  • 一部の事情のみを明記すると趣旨に誤解を生じさせる恐れがあるため、慎重な検討を要する
全文
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必要があると認めるときという特定補助人を付する旨の審判に当たっての要件は、あまりに広範な裁量を認めるものであって、例えば前述の場合が除外とされる。

必要があると認めるときという特定補助人を付する旨の審判に当たっての要件は、あまりに広範な裁量を認めるものであって、例えば前述の場合が除外とされるということであれば、どのようなことを含め審判に当たっての考慮事項を、どのようなことがあれば審判が始まるのかということの考慮事項を、法律に明記すべきではないでしょうか。

民法等改正法案では、特定補助人を付する旨の審判をするには、これによって本人を保護する必要があると認められることを要件としておりまして、その効果を踏まえますと、この要件は、本人を保護するため、法定の重要な財産行為をいずれも取り消し可能としておくことが必要であるということを意味しているものと解されます。

具体的には、本人が外形的に法律行為と見える行動をとる可能性があり、かつその利害特質を理解し、検討することなく、法定の重要な財産行為に該当する不利益な行為をする危険があることを内容としております。

このような内容は、家庭裁判所において、個別の事案に応じ、本人の精神の状況、生活の状況、周囲の方とのコミュニケーションの状況、これまで本人がした法律行為や、その法律行為をした状況など、種々の具体的な事情を考慮して判断されるものと考えられます。

現時点では、そのうちの一部の事情が代表的なものであるという共通認識があるとまでは言えないと考えられますので、一部の事情のみを考慮要素として法律に明記することにつきましては、規定の趣旨に誤解を生じさせる恐れがあり、慎重な検討を要するものと考えております。

補助人選任における本人の意向重視と親族選任の実績
質問
井上英孝 (法務委員長)

- 本人の意思表示がある場合を含め、選任基準はどうなるか

答弁
松井信一
  • 本人の意見を重視することを明確にし、親族を希望する場合は尊重される
  • 現行法でも候補者に親族が記載された事案の約8割で親族が選任されているが、虐待や紛争がある場合は選任されないこともある
全文
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本人の意思表示があるという場合も含めて、御答弁を再度お願いしたいと思います。

それもケースバイケースだということだとは思うんですけれども、例えば先ほど質問いたしました、もう事前に本人が、自分が認知症にかかった場合、能力が衰えた場合、そういったときに親族のこの方を希望するというようなことが意思表示としてされている場合は、どのようになりますか。

現行法の下では、成年後見人等として誰を選任するかについては、個別の事案における具体的な事情に即した家庭裁判所の判断によるものとされており、この点については、民法等改正法案でも同様でございます。

もっとも、本人が親族を補助人に選任することを希望している場合には、その意向を重視すべきであると考えられますため、民法等改正法案では、補助人の選任の際の考慮要素の冒頭に本人の意見を規定して、本人の意見を重視すべきことを明確にし、親族を補助人に選任することを希望するご本人の意向が尊重されるようにしております。

なお、現行法の下でも、家庭裁判所は、親族が成年後見人等の候補者として記載されている事案では、本人の課題を踏まえ、親族を選任することの適応を判断しているものと承知しておりまして、令和7年において、申立書に親族が成年後見人の候補者として記載されていた事案の約8割の事案で親族が成年後見人等に選任されていると承知しております。

他方で、親族が成年後見人等の候補者として記載されていても、親族間に紛争がある、候補者の親族が高齢であって課題に対応するのが難しい、遺産分割などの法的専門性の高い課題がある、親族が本人を虐待している恐れがある、などの事情により、親族が成年後見人等に選任されていない事案も存在します。

民法等改正法案の下でも、本人の意向を尊重しつつ、さまざまな要素を考慮した上で、個別の事案における具体的な事情に即して、適任の者が補助人に選任されることと考えております。

能力低下後の後見人指定の意思表示
質問
三木圭恵 (日本維新の会)

- 健康な時に、能力低下後の後見人として特定の方を希望する意思表示をした場合はどうなるか

答弁
松井信一
  • 任意後見契約を結ぶことが確実である
  • 契約がない場合でも、裁判所による選任の際の考慮事項の一つとして考えられる
全文
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それもケースバイケースだということだとは思うんですけれども、例えば先ほど質問いたしました、もう事前に本人が、自分が認知症にかかった場合、能力が衰えた場合、そういったときに親族のこの方を希望するというようなことが意思表示としてされている場合は、どのようになりますか。

まずご本人が健康の間に、将来自分の能力が下がった場合に備えて特定の方を後見人にしたいという場合であれば、例えば任意後見契約を結んでいただくということが確実だろうと考えております。

そのようなことをしないという場合におきましては、先ほど申し上げたとおり、裁判所における後見人の選任に当たっての、これをその一つとして考えられるものと考えております。

補助人選任への不服申立てと運用見直し
質問
三木圭恵 (日本維新の会)
  • 補助人の選任について親族は不服申立て(即時抗告)ができるか
  • 却下される事例があるため、裁判所の運用を見直す必要はないか
答弁
松井信一
  • 補助開始の審判に対しては四親等内の親族が不服申立て可能だが、補助人の選任の審判に対しては不服申立てができない
  • 運用の見直しは裁判所の判断事項であり、法務省として回答困難である
全文
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次に補助開始の審判において家庭裁判所が選任した補助人に不満がある場合、親族は不服申立て、即時抗告ができるという理解でよろしいでしょうか。

不服申立てをしても却下されてしまうことが問題となっていることを踏まえて、不服申立てを受けた裁判所における運用を見直す必要がないのかどうかお伺いをいたします。

また補助人選任の審判についても不服申立てが可能な内容になっているのでしょうか。

補助開始の審判に対しては、四親等内の親族は不服申立てをすることができます。

なお、不服申立てを受けた裁判所における運用の見直しに関するお尋ねにつきましては、裁判所の判断事項に関わるものでございまして、法務省としてお答えすることが困難でございます。

他方で、補助を開始する必要がある場合には早期に本人の保護を開始すべきですが、補助人の選任の時点では補助人はまだ事務を行っておらず、その事務が不適切であるなどの評価をすることができないため、民法等改正法案では現行法と同様に、補助人の選任の審判に対しては不服申立てをすることができないこととしております。

任意後見制度と補助制度の優先関係
質問
三木圭恵 (日本維新の会)

- 任意後見が法定後見に優先するという原則は、改正後も維持されるか

答弁
松井信一

- 本人の意思を尊重する観点から、任意後見契約が優先するという原則は変更しない

全文
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次に、任意後見制度と補助制度の並存を認めることにより、任意後見が法定後見に対して優先である原則を廃止することにはならないという理解でよろしいでしょうか。

現行法におきましても、ご本人の意思を尊重する観点から、任意後見契約が優先するという原則をとっておりますが、その点については改正法において変更するものではございません。

補助人の解任申立てと事由の明確化
質問
三木圭恵 (日本維新の会)
  • 補助人が不適切に事務を行った場合、親族は解任を申し立てられるか
  • 「本人の利益のため特に必要があるとき」という解任事由の判断基準を明確にすべきではないか
答弁
松井信一
  • 親族は解任の申立権者であり、本人の利益のため特に必要があるときも解任事由となる
  • 具体例として本人や家族と適切な関係を構築できていない事案などが想定される。事例の周知を拡充して予見可能性を高めることを検討する
全文
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補助人が適切に補助の事務を行っていない場合に、補助人を交代させる手段として、親族等が補助人の解任を申し立てることが可能になっていますか。

補助人の解任事由について、改正案では本人の利益のために特に必要があるときを追加することとしていますけれども、具体的にはどのような場合が該当するのか、家庭裁判所による判断基準を明確に示すべきではないでしょうか。

民法等改正法案では、補助人が不正行為をしたとき等に加えて、本人の利益のため、特に必要があるときに補助人を解任することができることとしております。

親族は補助人の解任の申立権者であり、選任された補助人について解任事由がある場合には、補助人の解任の申立を家庭裁判所にすることができます。

法制審議会の部会の議論を踏まえますと、補助人の新たな解任事由に該当する場合としては、例えば補助人が財産管理を行っているものの、本人に面会しなかったり、本人の家族などの本人を支援するチームと連絡を取らなかったりした結果、本人や関係者と適切な関係を構築することができていない事案などが想定されます。

補助人の解任が望まれる事案の全てを想定して明示的に規定することは困難でありますので、民法等改正法案では補助開始の審判を受けた者の利益のため特に必要があるときと規定することとしたものでございますが、ご指摘のとおり、解任事由について利用者の予見可能性を高めることは重要であると認識をしておりまして、先ほど述べた想定事例を周知するほか、事例の集積を踏まえ、さらに周知を拡充することなどを検討してまいりたいと思っております。

親族の意思に反する施設入所と解任事由
質問
三木圭恵 (日本維新の会)

- 親族の意思に反して不動産を売却し施設に入所させた場合、解任事由に該当するか

答弁
松井信一
  • 単に親族の意思に反しているだけでは解任事由にならない
  • ただし、本人の意向に反し、かつ合理的理由なく家族等から引き離す施設入所契約を締結した場合は、解任事由に該当し得る
全文
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例えば、親族や本人の意思に反して、居住していた不動産を売却して、施設に入所させるというようなケースがございます。

そういったことが、解任事由に該当するのかというのが、次の質問だったんですけれども、それはもう解任事由に該当するということでよろしいんですか。

民法等改正法案では補助人が当然に包括的な代理権や財産管理権を有することはなく、家庭裁判所が本人のために必要な代理権を個別に判断して補助人に付与することとしておりますので、施設入所契約等の代理権についても、その必要性を家庭裁判所が個別に判断して補助人に付与するということが前提となっております。

その上で一般論として申し上げれば、補助の制度は本人のための制度ですので、付与された代理権の行使として補助の事務を行っている限り、補助人がした補助の事務が親族の意思に反しているということのみで、解任事由に該当するものではないと考えられます。

もっとも、例えば、補助人が本人の意向に反し、かつ何ら合理的理由なく、本人をその支援する家族や社会福祉関係者等から引き離すような施設への入所契約を締結した場合には、本人の利益の観点から適切ではないと考えられ、解任事由に該当することがあると考えられます。

親族との面会制限と解任事由
質問
三木圭恵 (日本維新の会)
  • 補助人が親族との面会を制限する権限はあるか
  • 面会を妨害した場合、解任事由に該当するか
答弁
松井信一
  • 補助人に面会を制限する法的権限はなく、改正後も同様である
  • 合理的理由なく面会を制限している場合は、「本人の利益のため特に必要があるとき」という解任事由に該当し得る
全文
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親族が本人との面会を希望しても、後見人に断られたり、妨害されたりする事例が問題となっております。

改正案では補助人にはそのような権限を与えられないという理解でよろしいのでしょうか。

親族等が本人との面会を断られたり妨害されたりした場合は、補助人の解任事由に該当するという理解でよろしいでしょうか。

御指摘のとおり、現行民法上、補助人は本人と親族の面会を制限する法的権限等を付与されておらず、このことは民法等改正法案でも異なりません。

次に補助人の解任事由に該当するかどうかについては、個別の事案において具体的な事情を踏まえて、家庭裁判所が判断するものでございますが、例えば、補助人が本人の意向に反し、かつ何ら合理的な理由なく、本人と親族との面会を制限している場合には、補助開始の審判を受けた者の利益のため、特に必要があるときとの解任事由に該当し得るものと考えられます。

包括的代理権の廃止による弊害の解消
質問
三木圭恵 (日本維新の会)

- 法定後見人が補助に一元化されることで、親族が面会を断たれる等の事態は生じなくなるか

答弁
松井信一

- 施設入所や預貯金取引の代理権を家庭裁判所が個別に判断して付与するため、包括的代理権による裁量での施設入所などは生じないと考えている

全文
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現行制度については、被後見人が弁護士の後見人によって施設に入れられ、通帳も取り上げられて、親族も被後見人と面会を断られる事例があると、先ほどの指摘もございます。

法定後見人が補助に一元化されることで、このような事態というのは生じなくなるというふうに考えて本当によろしいんでしょうか。

先ほども申し上げたとおり、民法等改正法案のもとでは、施設入所契約や預貯金取引の代理権についても、その必要性を家庭裁判所が個別に判断して補助人に付与することとなりますので、現行法のように、包括的な代理権などを有する成年後見人が、必要性について家庭裁判所の審査を受けることなく、裁量によって施設入所契約を締結したり、本人の通帳を管理したりすることは、生じないと考えております。

補助事件記録の閲覧範囲
質問
三木圭恵 (日本維新の会)
  • 親族が補助事件の報告書等の記録を広く閲覧できるようにすべきではないか
  • 実際に閲覧は可能なのか
答弁
松井信一
  • 利害関係を有する第三者として閲覧請求が可能であり、裁判所が相当と認めれば許可される
  • 本人の生活の平穏を害する恐れがある範囲(住所等)を除き、解任申立ての検討に必要な記録全般は閲覧できると考えている
全文
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補助の事務が適切に行われているか、家庭裁判所による監督が適切に行われているかを親族が確認できるように、補助人が家庭裁判所に提出する報告書等の補助事件に関する書類の閲覧を、補助の終了や補助人の解任の申立てに必要な場合以外にも広く認める必要があるのではないかと思います。

また、親族が本人の補助事件記録を閲覧することができるのでしょうか。

次に記録の閲覧についてお尋ねがありましたが、親族が補助事件の記録の閲覧をしようとする場合には、家庭裁判所に対し利害関係を有する第三者として閲覧を請求することが考えられ、家庭裁判所は相当と認めるときは閲覧を許可することができます。

そのため、補助に係る審判の取消しや補助人の解任の申立て権を有する親族は、それらの審判との関係で利害関係を有する第三者に当たり得ると考えられます。

閲覧が許可されるかどうかについては、個々の事案において家庭裁判所が判断するものであるため、一概にお答えすることが困難でございますが、一般論として申し上げると、親族が記録の閲覧により、本人の生活の平穏を害する恐れがあるような事案において、個別具体的な事情を踏まえて、本人の住所や居所など、家庭裁判所が不相当と認める範囲で閲覧が許可されないことはございますけれども、そのような事案は別として、補助開始の審判の取消しの申立てや補助人の解任の申立てをするかどうかの検討に必要な記録全般について今、委員の御指摘のようなことは、親族が記録の閲覧をすることによって、本人の生活の平穏を害する恐れがあるような事案においては、そのような取扱いがされることがあり得ると考えております。

改正後の利用状況調査の実施
質問
三木圭恵 (日本維新の会)
  • 改正後の運用が適切か判断するため、利用者調査を実施すべきではないか
  • 実施する場合の規模や内容はどうなるか
答弁
松井民事局長
  • 本人および親族を対象とした調査の実施が考えられる
  • ただし、親族の範囲や把握方法など課題が多く、現時点で具体的な内容を回答することは困難だが、引き続き検討する
全文
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改正後の運用が適切かを判断するために、利用者の調査を実施するべきではないでしょうか。

調査をするならば、具体的にどのような規模で、どのような調査を実施するのか教えてください。

民法等改正法案による成年後見制度の改正は、現行の制度について利用者の指摘を踏まえて補助の制度に一元化するなどの見直しをしており、改正後の制度の利用状況等を確認し、その結果を踏まえて制度のあり方を検討することが重要でございます。

そのためには、改正後の利用状況等を確認すべく、本人に加えてその親族も対象として調査を実施することが考えられますが、対象とする親族の範囲、親族の把握の方法、調査の内容及び方法など、検討すべき課題が少なくないと認識をしております。

したがって、具体的にどのような調査を実施すべきかについて、現時点でお答えすることは困難ですが、改正後の利用者の状況を適切に把握できるよう、これらの課題について、引き続きしっかりと検討を進めてまいります。

民法等改正法の背景認識
質問
藤沢忠盛 (自由民主党・無所属の会)

- 高齢化や家族形態の変化、地方の人口減少といった現状を踏まえた本改正の背景認識について伺いたい

答弁
松井民事局長
  • 高齢化や単身世帯の増加により、成年後見・遺言制度へのニーズが増加・多様化していると認識している
  • 成年後見制度では有期化や後見人の円滑な交代、遺言制度ではデジタル化への対応が必要との指摘がある
  • これらの社会情勢の変化を踏まえ、制度を利用しやすくするための見直しを進めてきた
全文
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まず、本改正の背景認識についてお伺いいたします。

我が国では高齢化の進展に加え、単身高齢者や身寄りのない高齢者の増加など、家族形態が大きく変化しております。

また、地方では人口減少が進み、地域コミュニティの維持そのものが課題となっております。

所有者不明土地問題へと直結しております。

我が国においては、高齢化の進展や、単身高齢世帯の増加など、家族の在り方の変化を踏まえ、成年後見制度及び遺言制度に対するニーズが増えるとともに、多様化していると認識をしております。

例えば、現行の成年後見制度については、本人にとって適切な時期に、必要な範囲・期間で利用できるようにすべき。

終身ではなく、有期の制度として見直しの機会を付与すべき。

後見人等を円滑に交代できるようにすべき、などの指摘がされております。

また、現行の遺言制度については、近年のデジタル技術の進展・普及、手書きの機会の減少という社会状況に対応したものとする必要があるとの指摘がされています。

法務省としては、成年後見制度及び遺言制度を取り巻くこのような社会情勢の変化等を踏まえ、増加し多様化するニーズに対応し、それぞれの制度をより利用しやすくする必要性が高まっていると認識し、これらの制度に関する民法等の規定の見直しを進めてきたものでございます。

成年後見制度改革による地域社会への影響と運用体制
質問
藤沢忠盛 (自由民主党・無所属の会)
  • 今回の見直しを通じて、地域社会における成年後見制度の利用や支援のあり方がどう変わることを期待しているか
  • 中山間地域など司法・福祉へのアクセスが困難な地域において、制度を機能させるための運用体制をどう整備するか
答弁
松井民事局長
  • 司法と地域福祉の連携を強化し、市町村長等の意見聴取を通じて地域社会から必要な情報を入手できる仕組みを明確にした
  • 専門職(司法書士・弁護士等)の担い手を確保し、関係府省庁や専門職団体と連携して周知広報に努める
  • 厚生労働省として、地域権利保護相談支援センターを法律上に位置づけ、小規模市町村の体制整備を促進する
全文
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次に、成年後見制度改革についてお伺いいたします。

今回の法案では、本人の能力を一律、固定的に制限するのではなく、必要な範囲で支援を行う方向へ制度を見直すこととされております。

私はこの方向性は、地域で暮らし続ける高齢者さんを支える上で、極めて重要であると考えております。

地方では、高齢者の方々が住み慣れた地域で暮らし続けたいという思いを強く持っておられます。

政府として、今回の見直しを通じて、地域社会において、成年後見制度の利用や支援のあり方がどのように変わっていくことを期待しておられるのかお聞かせください。

また、制度の理念を実際に地域で機能させるためには、運用体制の整備が極めて重要であります。

特に中山間地域では、司法・福祉・専門職へのアクセスそのものが難しい地域もあります。

地域包括支援センター、社会福祉協議会、自治体職員など、地域の現場が大きな役割を担っております。

私が地域調査を行う中でも、制度の存在自体が十分に知られていない、あるいは相談先がわからないという声を数多く伺ってまいりました。

高齢者、障害者等に対して必要な権利擁護支援がされるためには、その重要な手段である成年後見制度の利用においても、司法と地域福祉との連携が期待されているものと認識をしております。

民法等改正法案では、制度の利用によって本人を保護する必要がある範囲で補助人に権限等を付与することとしており、また、制度利用による保護の必要がなくなったときは、制度利用を終了することができることとしております。

そして、家庭裁判所が本人を保護する必要があるか、保護の必要がなくなったかを判断するにあたっては、本人及び補助人等の陳述を聴取することに加えて、必要に応じて市町村長等の意見を聴取することとされており、家庭裁判所が地域社会から必要な情報を入手することができることを明確にしております。

このように、民法等改正法案では、司法と地域福祉との連携強化に資する見直しをしているものと認識をしているところです。

また、委員御指摘のとおり、民法等改正法案による改正後も、引き続き、司法書士や弁護士等が専門職である補助人等の重要な担い手となります。

法務省としては、このような改正法の趣旨に沿った運用が適切にされるよう、関係府省庁等とも連携をするとともに、司法書士会や弁護士会等の専門職団体にも協力を依頼するなどし、改正法の趣旨、内容の周知広報に努めてまいりたいと考えております。

成年後見制度の見直しに伴いまして、必要性がなくなれば終わらせることができる制度になりますので、判断能力が不十分な方がより使いやすく、地域において本人の意向を踏まえた権利擁護支援がより一層行われるようになるということが重要と考えております。

この法律案におきましては、判断能力が不十分な方の権利擁護支援に係る市町村の事務を明確化した上で、その中核的な役割を担う機関として、地域権利保護相談支援センターを法律上に位置づけることによりまして、特に整備されていないことが多い、小規模市町村の体制整備を促進するなど、必要な制度的な期待を盛り込んだところでございます。

これらの取り組みも続きまして、厚生労働省といたしましても、青年貢献制度の見直し後におきましても、本人の支援ニーズに対応した支援がより一層行われますよう、市町村における適切な支援体制の構築を促進してまいります。

遺言制度改革と空き家・所有者不明土地問題の関係
質問
藤沢忠盛 (自由民主党・無所属の会)

- 遺言制度の改革が、円滑な相続を促進し、空き家対策や所有者不明土地問題の解決に資するという認識か伺いたい

答弁
松井民事局長
  • 遺言により権利義務関係を早期に確定させることは、相続登記のインセンティブとなり、所有者不明土地や空き家問題の解決に資すると認識している
  • 保管証書遺言の導入により、遺言書の存在が確実に伝わり、改ざんリスクも低減するため、紛争予防に寄与する
  • 遺言による祭祀主宰者の指定も活用しやすくなることで、祭祀財産の承継も円滑になると考えている
全文
質問・答弁の全文を表示

次に遺言制度改革についてお伺いいたします。

私は豊田市、三好市を含む各地域で空き家調査を行う中で、相続未了によって長期間放置された住宅を数多く見てまいりました。

相続人が遠方に住んでいる、親族間で話し合いがまとまらない、祭祀財産の承継が整理できない。

こうした事情が重なり、結果として空き家となり、地域の防災、防犯、景観上の課題へとつながっております。

特に中山間地域では、空き家の増加が地域コミュニティ維持そのものに影響を及ぼしております。

また、その延長線上には、所有者不明土地問題があります。

土地の管理が行われず、公共事業や地域整備にも支障をきたすケースが生じております。

私はこうした問題に対応するためには、相続をめぐるトラブルや手続き停滞を未然に防ぐことが重要であり、その意味でも遺言制度の役割は極めて大きいと考えております。

今回の遺言制度改革は、円滑な相続を促進し、空き家対策や所有者不明土地問題の解決にも資する重要な改正であると考えますが、政府の認識をお伺いいたします。

先ほど申し上げたとおり、遺言制度については、近年のデジタル技術の進展、普及、手書きの機会の減少という社会状況に対応する必要があるなどの指摘がされており、民法等改正法案による遺言制度の見直しは、これらの指摘に応え、制度をより利用しやすくするものでございます。

遺言は、相続人全員による遺産分割協議を経ることなく、祭祀に関する権利の承継も含め、遺産に関する相続人等の権利義務関係を早期に確定させるものであり、遺言により不動産を承継したことは、相続人にとって相続登記を行うインセンティブになると考えられます。

これに加え、本改正法案により導入することとしている保管証書遺言による場合には、法務局において遺言書が保管され、遺言者が死亡した場合には、遺言者があらかじめ指定したものに、また、相続人等の1人が遺言書情報証明書の交付請求等をした場合には、他の相続人等にそれぞれ通知がされることなどから、相続人等が遺言書の存在を確実に知ることができ、また、遺言書の改ざん等のリスクが低く、相続人間の紛争の予防にも資することとなるメリットがございます。

こうしたことから、本改正法案による遺言制度の見直しは、遺言に対する信頼を確保しつつ、国民にとってより利用しやすい制度とするものであるとともに、委員御指摘の所有者不明土地問題や空き家問題の解決にも資するものと認識をしております。

仏壇や墳墓の所有権等の祭祀に関する権利は、祭祀を主宰すべき者が承継するところ、祭祀を主宰すべきものは、第一に被相続人の指定により、第二にその指定がない場合には慣習に従って、第三に慣習が明らかでないときは、家庭裁判所の審判により定まるとされており、遺言により指定することができます。

本改正法案によって、遺言制度がより国民にとって利用しやすいものとなることによって、祭祀を主宰すべきものを指定する遺言も、より活用しやすくなるものと考えております。

保管証書遺言の導入に伴う高齢者・地方への配慮
質問
藤沢忠盛 (自由民主党・無所属の会)

- デジタル機器に不慣れな高齢者や、専門職へのアクセスが限られる中山間地域において、どのように周知や相談体制を整備するのか

答弁
松井民事局長
  • 指定法務局において、高齢者を含め手続きを適切に行えるよう丁寧に案内を行う予定である
  • 自治体と連携し、説明会や出前講座などの周知広報を継続的に実施する
  • デジタルデバイドや地域の実情を考慮し、利用者が適切に利用できる行政サービスを検討していく
全文
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今回創設される保管証書遺言についてお伺いいたします。

パソコン等で作成した遺言データを法務局で保管できる仕組みは、遺言作成の負担軽減や紛失防止に大きく資するものであり、非常に意義のある制度であると考えております。

一方で、地方や高齢者の現場では、デジタル機器に不慣れな方も少なくありません。

特に中山間地域では、家族や専門職へのアクセスが限られている場合もあります。

制度を作るだけでなく、実際に利用していただける環境整備が重要であります。

法務局による相談体制や自治体との連携、さらには高齢者への丁寧な周知をどのように進めていくのか、お伺いをいたします。

新設される保管証書遺言については、現行の自筆証書遺言保管制度と同様に、全国の法務局のうち、法務大臣の指定する法務局が遺言書保管所として、遺言書の保管に関する事務を司ることとしております。

利用者への相談体制については、現在、自筆証書遺言書の保管の申請に際して、制度の一般的な説明や手続きの進め方についての案内を行っているところですが、新設される保管証書遺言についても、遺言者が適切に手続きを行うことができるよう、高齢者の方を含め、引き続き丁寧に案内を行うことを予定しております。

また、現在も各地の法務局において、自治体と連携し、自筆証書遺言書保管制度の説明会や出前講座等を開催しているところでありますが、新設される保管証書遺言の周知広報についても、引き続き緊密に連携を図っていくことを予定しております。

法務省としては、本法案が成立した場合には、全国の法務局と一体となって、新たな遺言書保管制度の円滑な施行に向け、準備を進めるとともに、関係機関と連携して、周知広報にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

昨今、スマートフォンの普及などもございまして、幅広い世代において電子機器を使えるようになってはまいりましたけれども、今なお高齢者の方などデジタルデバイドの問題があるものというふうに認識をしております。

また、日本全国を見ますと、大都市圏、また委員ご指摘のような中山間地域における様々な様子というものも考えなければならないというふうに考えております。

今後、先ほど申し上げたような保管証書遺言の制度を創設し、実施するに当たりましては、そのような方々、また地域の実情を十分に考慮した上で、利用を望む方が適切にそれを使うことができるよう、適切な行政サービスというものを考えてまいりたいと考えております。

法務行政と関係機関の連携による実効性の向上
質問
藤沢忠盛 (自由民主党・無所属の会)

- 空き家対策や地域コミュニティ維持のため、法務省として地方自治体や福祉部局、国土交通行政等の関係機関とどのように連携し、制度の実効性を高めるのか

答弁
松井民事局長
  • 改正内容が地域社会を支える制度として重要であると認識している
  • 関係府省庁や地方自治体等の関係機関と連携し、当事者に適切に理解されるよう十分な周知広報に努める
全文
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藤沢忠盛君、最後に地域社会との関係についてお伺いいたします。

成年後見制度や遺言制度は個人の財産管理にとどまらず、空き家対策、所有者不明土地対策、地域コミュニティ維持など、地方自治体が直面する課題とも深く関わっております。

特に豊田市、三好市のように、都市部と中山間地域の両面を持つ自治体では、課題が複雑化しております。

今後は法務行政だけで完結するのではなく、地方自治体、福祉部局、国土交通行政、地域包括ケア、地域づくり政策などとの連携も重要になってくると考えております。

法務省として、今後、どのように関係機関と連携しながら、地域社会を支える制度として実効性を高めていくのか、お伺いいたします。

民法等改正法案は、高齢化の進展、単身高齢者世帯の増加などの家族の在り方の変化等を踏まえ、増加・多様化するニーズに対応する観点から、成年後見制度に関して本人にとって利用の範囲でその利用を可能とすること、遺言制度に関して電子データ等をもって作成し、法務局において保管するという保管証書遺言の方式を創設することなどを内容とし、成年後見制度及び遺言の制度をより利用しやすくするものでございます。

このような改正の内容については、地域社会を支える制度としても重要であり、実際に制度を利用する当事者に適切に理解される必要があると考えております。

法務省としては、改正法が成立した場合には、新たな制度を利用される方に必要な情報提供がされるよう、関係府省庁や地方自治体等の関係機関と連携しつつ、改正法の趣旨内容の十分な周知広報に努めてまいります。

遺言の促進による社会課題の解決
質問
藤沢忠盛 (自由民主党・無所属の会)

- 仏壇などの思い出の品が整理できず空き家の利活用が進まない現状があるが、これらに対する見解を伺いたい

答弁
松井民事局長
  • 遺言が十分に活用されていないため、遺産分割に多大な労力がかかっている現状がある
  • 遺言を促進し、正しい登記名義を確定させることは、災害復旧や所有者不明土地問題への対応に非常に有用である
  • 保管証書遺言や公正証書遺言を含め、全体として遺言がより利用しやすくなるよう努める
全文
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私は大学教員として、中山間地で多く空き家等の調査を行ってまいりました。

そういったものは人口減少社会と言われる前から研究を開始して、いろんなところに調査に行くと、空き家があって、「いや、先生、今日ここ泊まってくださいよ」と。

しかし、そこにはものすごく大きな仏壇があって、とても気になると。

これ、貸し出しされる予定とかあるんですか?と聞くと、「いや、貸し出したい」。

他の方がそこの空き家を利用するということは少し抵抗があったりするという場合がどうしてもあります。

私もですね、実際にその大きな空き家の中で仏壇の隣に寝ていたりすると、ちょっとどうしても気になって難しいなということがあります。

やっぱり今の日本の空き家の問題なんかは、仏壇のようなものがあったり、家族の思い出がしっかり整理できないというようなことが少し私はやっぱり自分の実際の。

我が国では、まだ遺言が十分に活用されているとは言えないものと考えております。

民法上、遺言という制度があり、遺言をすれば、相続人の間で別途遺産分割協議をすることなく財産、また妻子を相続人の方に適切に円滑に承継させることができるにもかかわらず、遺言がないがために遺産分割に多大な労力費用をかけるというふうな現状があると認識しているためでございます。

このような観点からいたしますと、遺言をより促進していくというのが重要であるということはもう言うまでもございません。

そして今、所有者不明土地問題というものも大きく叫ばれております。

登記を見るだけでは、登記名義人として先々代の名前が書いてあって、実際に誰が今、所有しているのかが分かりにくいと。

そうしますと、災害や地震などがあった場合の復旧復興の観点でも、地権者が誰かという把握が難しく、多大な困難を要しているという現状にございます。

遺言が活性化されることによりまして、その登記名義にも適切に正しい登記名義がされるということになりますと、そのような復旧復興の面、所有者不明土地問題に対する対応としても非常に有用だと考えておりまして、今回創設する保管証書遺言の制度を含め、また公正証書遺言の制度もより利用しやすく、また法務省遺言につきましても、昨年10月からより利用しやすくなる改正をされているところでございますので、そのような全体として遺言がより利用しやすくなるものとなるよう努めてまいりたいと考えております。

土地所有者不明問題への今後の対応
質問
藤沢忠盛 (自由民主党・無所属の会)

- 日本における土地所有者不明問題に対し、今後の方向性や助言を伺いたい

答弁
松井民事局長
  • 法定相続情報証明制度による相続登記の促進や、2024年4月施行の相続登記・住所変更登記の義務化などの取組を進めてきた
  • 引き続き適切な周知広報を図り、関係事業者と連携して積極的に取組を推進していく
全文
質問・答弁の全文を表示

藤沢忠盛お答え大変ありがとうございます。

土地所有者不明問題というのは、我が国にとっても非常に大きな問題であり、一説によると九州ぐらいの土地が誰の土地だかわからないということをお聞きしたことがございます。

そういった問題に関して、何か一言、今後の日本国における土地所有者不明問題ですね。

何かご助言とかご意見があればお伺いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

特に東日本大震災の後の復旧復興の際に、それがなかなか円滑に進まなかったことという反省を受けまして、法務省といたしましては、所有者不明土地問題に対して、さまざまな取組を行ってまいりました。

法定相続情報証明制度というふうな、誰が法定相続人であるかを証明するということを、法務局の方で証明するサービスを作ることによって、相続登記の促進を図ったり、昨今の法改正におきましては、今年の4月1日に施行された、相続登記の義務化、また住所変更登記の義務化、こういうふうな制度を用いまして、登記が正しくされるようにするということを考えてきたものでございます。

まだその道のりは半ばでございまして、私どもとしても適切な周知広報を図り、また関係事業者との連携をもって、このような取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。

発言全文

井上英孝 (法務委員長) 1発言 ▶ 動画
委員長 井上英孝

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三木圭恵 (日本維新の会) 40発言 ▶ 動画
委員長 井上英孝

これより会議を開きます。

民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する。

失礼いたしました。

内閣提出民法等の一部を改正する法律案及び民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して上程といたします。

この際、お諮りいたします。

両案審査のため、本日、政府参考人として、法務省民事局長、松井信一君、及び厚生労働省大臣官房審議官、林俊博君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

御異議なしと認めます。

よって、そのように決しました。

次にお諮りいたします。

本日、最高裁判所事務総局家庭局長、毛泰尚文君から、出席説明の要求がありますので、これを承認するに、ご異議ありませんか。

ご異議なしと認めます。

よって、そのように決しました。

これより、質疑に入ります。

質疑の申出がありますので、順次、これを許します。

三木圭恵君。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵(日本維新の会)でございます。

現行の成年後見制度は、平成11年の民法改正等により導入されました。

制度の導入から25年余りが経過しておりますけれども、これまでの制度について、趣旨と運用実態が乖離しているという指摘がございます。

特に法定後見人がついた場合、親族に知らされない。

で、後見人がついた。

会わせてもらえない。

居場所を教えてもらえない。

家庭裁判所の許可がないと報告書等が見せてもらえず、申請しても見せてもらえなかった等々、親族の悲痛なお声が届いているのも現実でございます。

法改正に向け改善されると期待されておりますが、確認の意味を込めて質疑をさせていただきます。

まず平口大臣にお伺いをいたします。

現行制度を見直すこととしたのはなぜか、見直しについてどのような経緯で法制審議会に諮問したのかお伺いをいたします。

答弁者 平口洋

平口洋法務大臣、はい、お答えをいたします。

高齢化の進展等に鑑みまして、成年後見制度の利用のニーズが増加しておりますが、現行制度については、判断能力が回復しない限り、その利用を終了できないなどの問題点が指摘されておりました。

そして、令和4年3月に閣議決定されました第2期成年後見制度利用促進基本計画には、そのような問題点が指摘された上で、成年後見制度の見直しの検討が盛り込まれました。

これらを踏まえて、令和6年2月、法制審議会に諮問をしたものでございます。

三木圭恵君。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵(日本維新の会)でございます。

制度にいろいろと課題があったと、1回後見人がついたら、それを死ぬまで解約できない。

解約できないということで今回の法制度改正については様々な改正がされていくわけですけれども、まず制度の利用状況や運用の実態を把握するために、政府として利用者やその親族等に対して実態調査は行われているのでしょうか。

政府参考人 松井信一

法務省松井民事局長、お答え申し上げます。

成年後見制度を利用しているご本人やその親族に対するアンケート調査のようなものは実施しておりません。

もっとも、成年後見制度の見直しの契機となった第2期成年後見制度利用促進基本計画は、障害を持つ方やそのご家族、支援団体の方も委員として参加している専門家会議の意見を踏まえて策定されたものでございます。

また法制審議会の部会にも、障害を持つ方やそのご家族、支援団体の方が委員として調査審議に参加され、部会で取りまとめられた中間支援のパブリックコメントの手続きには、障害者団体や障害を持つ方の家族の会、支援団体から意見が寄せられております。

今回の成年後見制度の見直しは、これらの方々の声を踏まえたものと考えております。

三木圭恵君。

質疑者 三木圭恵

はい。

では法制審議会における審議において、利用者やその親族、支援団体等からヒアリングを行ったということでよろしいんでしょうか。

その内容は答申に反映されているのでしょうか。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

法制審議会の部会では5回の会議を利用し、障害者団体、利用者のご家族の会、地方自治体、社会福祉協議会、国連障害者権利委員会元副委員長等からのヒアリングを実施いたしました。

法制審議会の部会におけるヒアリングでは、例えば、本人が事理弁識能力を欠く状況にあることをもって、成年後見人が本人の包括的代理権を有することに反対する旨の意見や、本人と一緒に生活していた親族が、後見開始の審判によって本人と切り離され、本人についての情報を得ることができなくなるとの意見などが述べられました。

法制審議会が答申した要綱は、ヒアリングで述べられた内容も踏まえ、部会で様々な立場から議論がされ、コンセンサスの得られた結果が取りまとめられたものでございます。

要綱にはヒアリングの内容も踏まえ、例えば、後見人が本人の包括的代理権を有する後見の制度を廃止して、本人にとって必要な範囲で利用できるようにすることなどが盛り込まれております。

これによれば、本人と親族が離れる原因となる施設入所契約についても、家庭裁判所が必要性を認めて、補助人にその代理権を付与しない限り、補助人は締結することができないことになり、この点もヒアリングで述べられた意見に対応するものとなっております。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

法定後見人が申し立てられた、後見開始の審判が申し立てられた場合について、親族が知らない間に市町村長に申し立てされて後見開始の審判が申し立てられ、後見人が選任される事例があることが問題となっているわけでございますけれども、改正案では、補助開始の審判、補助人の選任の審判において、補助人の選任について、本人や親族の意向を反映させることができる仕組みになっているのか、お伺いいたします。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

民法等改正法案では、補助人の選任に本人の意見が重要な要素であることを明確にするために、補助人の選任の際の考慮要素の冒頭に本人の意見を規定いたしました上で、補助人の選任の審判をする場合には、原則として本人の陳述を聞かなければならないこととしております。

他方で、本人と親族との関係は様々でございまして、補助人の選任の審判をする場合に親族の陳述を聞かなければならないこととはしておりませんが、親族に話を聞くことによって本人に害を生じる恐れがある事案は別として、基本的には本人の意向や制度利用による保護の必要性を把握する観点からは、本人のことを最もよく知っていると思われる親族に話を聞くことが想定され、親族はその過程で補助開始の申立てがされることも知ることができると考えております。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

今のお答えなんですけれども、本人が認知症になっている場合に法定後見人がつくということがほとんどだと思います。

本人に確認しても意思判断能力がしっかりしていない。

そういう場合に親族にも意見を聞かないというのは、どういう事例が例として挙げられるんでしょうか。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

先ほど申し上げたとおり、基本的には本人のことを最もよく知っていると思われる親族に話を聞くことが想定されるものでありますが、例えば親族による本人への虐待の恐れがある事案などにおきましては、そのようなことはしないということも考えられると思っております。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

虐待の事案というのが一番焦点になってくるかなとは思うんですけれども、それはちょっと後々また質問をさせていただきたいと思います。

次に特定補助人の選任に当たって、それ以前に本人から特定補助人の選任を望まない旨の意思があったことが確認されるような場合に、その意思表示は裁判所が特定補助開始の審判をするに当たって尊重されることになりますでしょうか。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

特定補助の仕組みを利用しないとの本人の意向は、特定補助人を付する旨の審判の要件とされている、保護の必要があるかどうかの判断において考慮することが考えられます。

もっとも、その意向が尊重されることになるかどうかについては、その意向が示された時期や、その内容などの個別具体的な事情にもよるため、一概にお答えすることは困難でございます。

その上であくまで一般論として申し上げれば、本人が

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

必要があると認めるときという特定補助人を付する旨の審判に当たっての要件は、あまりに広範な裁量を認めるものであって、例えば前述の場合が除外とされる。

申し訳ございません。

ちょっと1問飛ばしてしまいました。

特定の、あ、すいません。

あってますね。

ごめんなさい。

必要があると認めるときという特定補助人を付する旨の審判に当たっての要件は、あまりに広範な裁量を認めるものであって、例えば前述の場合が除外とされるということであれば、どのようなことを含め審判に当たっての考慮事項を、どのようなことがあれば審判が始まるのかということの考慮事項を、法律に明記すべきではないでしょうか。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

民法等改正法案では、特定補助人を付する旨の審判をするには、これによって本人を保護する必要があると認められることを要件としておりまして、その効果を踏まえますと、この要件は、本人を保護するため、法定の重要な財産行為をいずれも取り消し可能としておくことが必要であるということを意味しているものと解されます。

具体的には、本人が外形的に法律行為と見える行動をとる可能性があり、かつその利害特質を理解し、検討することなく、法定の重要な財産行為に該当する不利益な行為をする危険があることを内容としております。

このような内容は、家庭裁判所において、個別の事案に応じ、本人の精神の状況、生活の状況、周囲の方とのコミュニケーションの状況、これまで本人がした法律行為や、その法律行為をした状況など、種々の具体的な事情を考慮して判断されるものと考えられます。

現時点では、そのうちの一部の事情が代表的なものであるという共通認識があるとまでは言えないと考えられますので、一部の事情のみを考慮要素として法律に明記することにつきましては、規定の趣旨に誤解を生じさせる恐れがあり、慎重な検討を要するものと考えております。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

はい。

特定の場合ということでケースバイケース

委員長 井上英孝

井上英孝委員長。

本人の意思表示があるという場合も含めて、御答弁を再度お願いしたいと思います。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

現行法の下では、成年後見人等として誰を選任するかについては、個別の事案における具体的な事情に即した家庭裁判所の判断によるものとされており、この点については、民法等改正法案でも同様でございます。

もっとも、本人が親族を補助人に選任することを希望している場合には、その意向を重視すべきであると考えられますため、民法等改正法案では、補助人の選任の際の考慮要素の冒頭に本人の意見を規定して、本人の意見を重視すべきことを明確にし、親族を補助人に選任することを希望するご本人の意向が尊重されるようにしております。

なお、現行法の下でも、家庭裁判所は、親族が成年後見人等の候補者として記載されている事案では、本人の課題を踏まえ、親族を選任することの適応を判断しているものと承知しておりまして、令和7年において、申立書に親族が成年後見人の候補者として記載されていた事案の約8割の事案で親族が成年後見人等に選任されていると承知しております。

他方で、親族が成年後見人等の候補者として記載されていても、親族間に紛争がある、候補者の親族が高齢であって課題に対応するのが難しい、遺産分割などの法的専門性の高い課題がある、親族が本人を虐待している恐れがある、などの事情により、親族が成年後見人等に選任されていない事案も存在します。

民法等改正法案の下でも、本人の意向を尊重しつつ、さまざまな要素を考慮した上で、個別の事案における具体的な事情に即して、適任の者が補助人に選任されることと考えております。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

それもケースバイケースだということだとは思うんですけれども、例えば先ほど質問いたしました、もう事前に本人が、自分が認知症にかかった場合、能力が衰えた場合、そういったときに親族のこの方を希望するというようなことが意思表示としてされている場合は、どのようになりますか。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

まずご本人が健康の間に、将来自分の能力が下がった場合に備えて特定の方を後見人にしたいという場合であれば、例えば任意後見契約を結んでいただくということが確実だろうと考えております。

そのようなことをしないという場合におきましては、先ほど申し上げたとおり、裁判所における後見人の選任に当たっての、これをその一つとして考えられるものと考えております。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

おそらく本人が親族に虐待をされているというようなケースが想定されると思うんですけれども、認知症にかかっている高齢者の方に本当に虐待があったのかどうかというのを確認するのは非常に難しいことだと思います。

さまざまなケース考えられると思うんですけれども、やはり病院に行くのを嫌がったりとか、けがをしているのにお医者さんに見せないとか、徘徊があったりとか、そして親族の方の言葉が乱暴になってしまうというようなことは多々あり得ることだと思いますので、そこら辺の配慮をぜひやっていただきたいなというふうに思っております。

次の質問に移らせていただきますけれども、やはりそこが一番のこの後見人制度の肝になっているんじゃないかなというふうに思われます。

高齢者の方の認知能力が下がっているときに、認知症になられているときに、その御本人が虐待されているか否かというのの判断は非常に難しいと思いますので、そこら辺をよく考慮していただきたいなというふうに思っております。

次に補助開始の審判において家庭裁判所が選任した補助人に不満がある場合、親族は不服申立て、即時抗告ができるという理解でよろしいでしょうか。

不服申立てをしても却下されてしまうことが問題となっていることを踏まえて、不服申立てを受けた裁判所における運用を見直す必要がないのかどうかお伺いをいたします。

また補助人選任の審判についても不服申立てが可能な内容になっているのでしょうか。

お伺いをいたします。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

補助開始の審判に対しては、四親等内の親族は不服申立てをすることができます。

なお、不服申立てを受けた裁判所における運用の見直しに関するお尋ねにつきましては、裁判所の判断事項に関わるものでございまして、法務省としてお答えすることが困難でございます。

他方で、補助を開始する必要がある場合には早期に本人の保護を開始すべきですが、補助人の選任の時点では補助人はまだ事務を行っておらず、その事務が不適切であるなどの評価をすることができないため、民法等改正法案では現行法と同様に、補助人の選任の審判に対しては不服申立てをすることができないこととしております。

もっとも、民法等改正法案では、選任された補助人に不正な行為がなくても、本人の利益のため特に必要があるときは、補助人を解任することができることとしております。

選任された補助人について、このような解任事由があるときは、本人及び親族は、補助人の解任の申立てを家庭裁判所にすることができます。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

運用に関しては裁判所の裁量ということでしたので、また次の機会に裁判所の方にお伺いしてみたいと思います。

次に、任意後見制度と補助制度の並存を認めることにより、任意後見が法定後見に対して優先である原則を廃止することにはならないという理解でよろしいでしょうか。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

現行法におきましても、ご本人の意思を尊重する観点から、任意後見契約が優先するという原則をとっておりますが、その点については改正法において変更するものではございません。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

次の質問に移らせていただきます。

補助人が適切に補助の事務を行っていない場合に、補助人を交代させる手段として、親族等が補助人の解任を申し立てることが可能になっていますか。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

民法等改正法案では、補助人が不正行為をしたとき等に加えて、本人の利益のため、特に必要があるときに補助人を解任することができることとしております。

親族は補助人の解任の申立権者であり、選任された補助人について解任事由がある場合には、補助人の解任の申立を家庭裁判所にすることができます。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

補助人の解任事由について、改正案では本人の利益のために特に必要があるときを追加することとしていますけれども、具体的にはどのような場合が該当するのか、家庭裁判所による判断基準を明確に示すべきではないでしょうか。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

法制審議会の部会の議論を踏まえますと、補助人の新たな解任事由に該当する場合としては、例えば補助人が財産管理を行っているものの、本人に面会しなかったり、本人の家族などの本人を支援するチームと連絡を取らなかったりした結果、本人や関係者と適切な関係を構築することができていない事案などが想定されます。

補助人の解任が望まれる事案の全てを想定して明示的に規定することは困難でありますので、民法等改正法案では補助開始の審判を受けた者の利益のため特に必要があるときと規定することとしたものでございますが、ご指摘のとおり、解任事由について利用者の予見可能性を高めることは重要であると認識をしておりまして、先ほど述べた想定事例を周知するほか、事例の集積を踏まえ、さらに周知を拡充することなどを検討してまいりたいと思っております。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

今ご答弁の中でもいただいたんですけれども、そういった事例があるんですね、実際に。

例えば、親族や本人の意思に反して、居住していた不動産を売却して、施設に入所させるというようなケースがございます。

そういったことが、解任事由に該当するのかというのが、次の質問だったんですけれども、それはもう解任事由に該当するということでよろしいんですか。

政府参考人 松井信一

松井民事局長、お答え申し上げます。

民法等改正法案では補助人が当然に包括的な代理権や財産管理権を有することはなく、家庭裁判所が本人のために必要な代理権を個別に判断して補助人に付与することとしておりますので、施設入所契約等の代理権についても、その必要性を家庭裁判所が個別に判断して補助人に付与するということが前提となっております。

解任事由に該当するかについては個別の事案ごとに補助人に付与された代理権の内容や補助人のした行為の内容等の具体的な事情を踏まえて家庭裁判所が判断するものであり、一概にお答えすることは困難でございます。

その上で一般論として申し上げれば、補助の制度は本人のための制度ですので、付与された代理権の行使として補助の事務を行っている限り、補助人がした補助の事務が親族の意思に反しているということのみで、解任事由に該当するものではないと考えられます。

もっとも、例えば、補助人が本人の意向に反し、かつ何ら合理的理由なく、本人をその支援する家族や社会福祉関係者等から引き離すような施設への入所契約を締結した場合には、本人の利益の観点から適切ではないと考えられ、解任事由に該当することがあると考えられます。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

時間がなくなってきましたので、次の質問に移らせてもらいます。

親族が本人との面会を希望しても、後見人に断られたり、妨害されたりする事例が問題となっております。

改正案では補助人にはそのような権限を与えられないという理解でよろしいのでしょうか。

もちろん今現行法でもそういった権限を与えられていないと思うんですけれども、さまざまそういった事例が報告されています。

親族等が本人との面会を断られたり妨害されたりした場合は、補助人の解任事由に該当するという理解でよろしいでしょうか。

一例として、補助人が施設に入れて親族が本人と死ぬまで会うことができないことがあるというふうに聞いております。

改正後においては、親族と面会は認められることになるのでしょうか。

また、虐待があったという事案に対してでも、時期を見て、ちゃんと補助人が一緒について、施設で面会するというようなケースをきっちりと配慮していただきたいと思うんですけれども、そちらの方いかがでしょうか。

松井民事局長。

政府参考人 松井信一

お答え申し上げます。

御指摘のとおり、現行民法上、補助人は本人と親族の面会を制限する法的権限等を付与されておらず、このことは民法等改正法案でも異なりません。

次に補助人の解任事由に該当するかどうかについては、個別の事案において具体的な事情を踏まえて、家庭裁判所が判断するものでございますが、例えば、補助人が本人の意向に反し、かつ何ら合理的な理由なく、本人と親族との面会を制限している場合には、補助開始の審判を受けた者の利益のため、特に必要があるときとの解任事由に該当し得るものと考えられます。

また、先ほど申し上げたとおり、民法等改正法案では補助人が当然に包括的な代理権や財産管理権を有することがないため、施設入所契約等の代理権についてもその必要性を家庭裁判所が個別に判断して補助人に付与することとなっております。

ですので、現行法のように包括的な代理権や財産管理権を有する成年後見人が、その必要性について家庭裁判所の審査を受けることなく、裁量によって施設入所契約を締結して、施設に入所させるといったようなことは、生じなくなるものと考えております。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長三木圭恵君。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵(日本維新の会)すみません。

ちょっと、さらっとしたいんですけれども、ちょっと時間がないので、次の質問に行かせていただきます。

またの機会に、今の部分というのは、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。

現行制度については、被後見人が弁護士の後見人によって施設に入れられ、通帳も取り上げられて、親族も被後見人と面会を断られる事例があると、先ほどの指摘もございます。

法定後見人が補助に一元化されることで、このような事態というのは生じなくなるというふうに考えて本当によろしいんでしょうか。

補助の事務が適切に行われているか、家庭裁判所による監督が適切に行われているかを親族が確認できるように、補助人が家庭裁判所に提出する報告書等の補助事件に関する書類の閲覧を、補助の終了や補助人の解任の申立てに必要な場合以外にも広く認める必要があるのではないかと思います。

また、親族が本人の補助事件記録を閲覧することができるのでしょうか。

松井民事局長

政府参考人 松井信一

お答え申し上げます。

先ほども申し上げたとおり、民法等改正法案のもとでは、施設入所契約や預貯金取引の代理権についても、その必要性を家庭裁判所が個別に判断して補助人に付与することとなりますので、現行法のように、包括的な代理権などを有する成年後見人が、必要性について家庭裁判所の審査を受けることなく、裁量によって施設入所契約を締結したり、本人の通帳を管理したりすることは、生じないと考えております。

次に記録の閲覧についてお尋ねがありましたが、親族が補助事件の記録の閲覧をしようとする場合には、家庭裁判所に対し利害関係を有する第三者として閲覧を請求することが考えられ、家庭裁判所は相当と認めるときは閲覧を許可することができます。

そのため、補助に係る審判の取消しや補助人の解任の申立て権を有する親族は、それらの審判との関係で利害関係を有する第三者に当たり得ると考えられます。

閲覧が許可されるかどうかについては、個々の事案において家庭裁判所が判断するものであるため、一概にお答えすることが困難でございますが、一般論として申し上げると、親族が記録の閲覧により、本人の生活の平穏を害する恐れがあるような事案において、個別具体的な事情を踏まえて、本人の住所や居所など、家庭裁判所が不相当と認める範囲で閲覧が許可されないことはございますけれども、そのような事案は別として、補助開始の審判の取消しの申立てや補助人の解任の申立てをするかどうかの検討に必要な記録全般について

質疑者 三木圭恵

切断をすることができるものと考えております。

三木圭恵君。

今の答弁ですと、居住しているところなどは伏せて、そのほかの一般的な全般の報告書等は見せていただくことができるというふうに理解をしてよろしいですね。

政府参考人 松井民事局長

松井民事局長。

お答え申し上げます。

今、委員の御指摘のようなことは、親族が記録の閲覧をすることによって、本人の生活の平穏を害する恐れがあるような事案においては、そのような取扱いがされることがあり得ると考えております。

質疑者 三木圭恵

時間がなくなってまいりました。

最後の質問をさせていただきます。

改正後の運用が適切かを判断するために、利用者の調査を実施するべきではないでしょうか。

今、上がってきた声などが、さまざま寄せられております。

調査をするならば、具体的にどのような規模で、どのような調査を実施するのか教えてください。

政府参考人 松井民事局長

松井民事局長。

お答え申し上げます。

民法等改正法案による成年後見制度の改正は、現行の制度について利用者の指摘を踏まえて補助の制度に一元化するなどの見直しをしており、改正後の制度の利用状況等を確認し、その結果を踏まえて制度のあり方を検討することが重要でございます。

そのためには、改正後の利用状況等を確認すべく、本人に加えてその親族も対象として調査を実施することが考えられますが、対象とする親族の範囲、親族の把握の方法、調査の内容及び方法など、検討すべき課題が少なくないと認識をしております。

したがって、具体的にどのような調査を実施すべきかについて、現時点でお答えすることは困難ですが、改正後の利用者の状況を適切に把握できるよう、これらの課題について、引き続きしっかりと検討を進めてまいります。

質疑者 三木圭恵

三木圭恵君。

質疑時間が終了いたしましたので、今回はこれで質疑を終了させていただきますが、また少し課題が残っていると思いますので、次回の質問のときにさらに質問をさせていただきたいと思います。

ありがとうございました。

藤沢忠盛 (自由民主党・無所属の会) 22発言 ▶ 動画
委員長 井上英孝

次に藤沢忠盛君。

藤沢忠盛君。

質疑者 藤沢忠盛

自由民主党の藤沢忠盛でございます。

本日は初めて質問の機会をいただきました。

理事の皆様、そして委員の皆様に心より感謝申し上げます。

私はこれまで大学教員として、都市計画、まちづくり、空き家問題、中山間地域政策などの研究に携わってまいりました。

また、地元、愛知県豊田市、三好市をはじめ、各地域において、空き家調査や地域調査を行ってまいりました。

その現場で強く感じてきたのは、空き家問題というものは、単なる住宅問題ではなく、相続、家族関係、地域コミュニティ、さらには高齢化社会の問題そのものと、深く結びついているということであります。

実際に長年放置された空き家の多くでは、相続手続きが進んでいない、親族間で調整がつかない、財産承継が整理されていない、といった事情が見受けられます。

特に仏壇などが残されたままとなり、家族の思い出が整理できないまま、結果として空き家の除去や利活用が進まないケースを、私は数多く見てまいりました。

豊田市、三好市は世界に誇るものづくりの街である一方、中山間地域も抱えております。

都市部と中山間地域の両方を持つ自治体として、高齢化、人口減少、空き家問題、地域コミュニティの担い手不足など、地方都市共通の課題にも直面しております。

また、単身高齢者の増加、認知症高齢者の増加など、家族の在り方も大きく変化しております。

私自身、母が認知症を患い、現在特別養護老人ホームに入所しておりますが、成年後見制度や遺言制度は、まさに現実の生活と地域社会を支える制度であると実感をしております。

こうした中で、成年後見制度や遺言制度は、単なる法律上の制度ではなく、国民一人一人の尊厳ある生活を支えるとともに、地域社会の持続可能性にも深く関わる重要な社会基盤であると考えております。

本法案は本人の自己決定権を尊重しながら、より柔軟で利用しやすい制度へと見直すものであり、その方向性を高く評価するものであります。

本日は、とりわけ地域社会や地方自治体の現場という観点から、制度の実効性について質問させていただきます。

本日は法務大臣が御不在等とのことでございますので、政府参考人あるいは副大臣に丁寧な御答弁をお願い申し上げます。

まず、本改正の背景認識についてお伺いいたします。

我が国では高齢化の進展に加え、単身高齢者や身寄りのない高齢者の増加など、家族形態が大きく変化しております。

また、地方では人口減少が進み、地域コミュニティの維持そのものが課題となっております。

所有者不明土地問題へと直結しております。

政府参考人 松井民事局長

法務省、松井民事局長。

お答え申し上げます。

我が国においては、高齢化の進展や、単身高齢世帯の増加など、家族の在り方の変化を踏まえ、成年後見制度及び遺言制度に対するニーズが増えるとともに、多様化していると認識をしております。

例えば、現行の成年後見制度については、本人にとって適切な時期に、必要な範囲・期間で利用できるようにすべき。

終身ではなく、有期の制度として見直しの機会を付与すべき。

後見人等を円滑に交代できるようにすべき、などの指摘がされております。

また、現行の遺言制度については、近年のデジタル技術の進展・普及、手書きの機会の減少という社会状況に対応したものとする必要があるとの指摘がされています。

法務省としては、成年後見制度及び遺言制度を取り巻くこのような社会情勢の変化等を踏まえ、増加し多様化するニーズに対応し、それぞれの制度をより利用しやすくする必要性が高まっていると認識し、これらの制度に関する民法等の規定の見直しを進めてきたものでございます。

質疑者 藤沢忠盛

藤沢忠盛君。

はい、ありがとうございます。

次に、成年後見制度改革についてお伺いいたします。

今回の法案では、本人の能力を一律、固定的に制限するのではなく、必要な範囲で支援を行う方向へ制度を見直すこととされております。

私はこの方向性は、地域で暮らし続ける高齢者さんを支える上で、極めて重要であると考えております。

地方では、高齢者の方々が住み慣れた地域で暮らし続けたいという思いを強く持っておられます。

一方で、成年後見制度を、そこでお伺いいたします。

政府として、今回の見直しを通じて、地域社会において、成年後見制度の利用や支援のあり方がどのように変わっていくことを期待しておられるのかお聞かせください。

また、制度の理念を実際に地域で機能させるためには、運用体制の整備が極めて重要であります。

特に中山間地域では、司法・福祉・専門職へのアクセスそのものが難しい地域もあります。

地域包括支援センター、社会福祉協議会、自治体職員など、地域の現場が大きな役割を担っております。

私が地域調査を行う中でも、制度の存在自体が十分に知られていない、あるいは相談先がわからないという声を数多く伺ってまいりました。

また、認知機能の低下がある場合でも、本人の思いや生活歴、

政府参考人 松井民事局長

松井民主局長。

お答え申し上げます。

高齢者、障害者等に対して必要な権利擁護支援がされるためには、その重要な手段である成年後見制度の利用においても、司法と地域福祉との連携が期待されているものと認識をしております。

民法等改正法案では、制度の利用によって本人を保護する必要がある範囲で補助人に権限等を付与することとしており、また、制度利用による保護の必要がなくなったときは、制度利用を終了することができることとしております。

そして、家庭裁判所が本人を保護する必要があるか、保護の必要がなくなったかを判断するにあたっては、本人及び補助人等の陳述を聴取することに加えて、必要に応じて市町村長等の意見を聴取することとされており、家庭裁判所が地域社会から必要な情報を入手することができることを明確にしております。

このように、民法等改正法案では、司法と地域福祉との連携強化に資する見直しをしているものと認識をしているところです。

また、委員御指摘のとおり、民法等改正法案による改正後も、引き続き、司法書士や弁護士等が専門職である補助人等の重要な担い手となります。

法務省としては、このような改正法の趣旨に沿った運用が適切にされるよう、関係府省庁等とも連携をするとともに、司法書士会や弁護士会等の専門職団体にも協力を依頼するなどし、改正法の趣旨、内容の周知広報に努めてまいりたいと考えております。

答弁者 林大臣官房審議官

厚生労働省林大臣官房審議官。

成年後見制度利用促進の観点で厚生労働省の取組をお答え申し上げます。

成年後見制度の見直しに伴いまして、必要性がなくなれば終わらせることができる制度になりますので、判断能力が不十分な方がより使いやすく、地域において本人の意向を踏まえた権利擁護支援がより一層行われるようになるということが重要と考えております。

また制度上、このように成年後見制度の利用を終了される方が出てくることから、地域における権利擁護支援のニーズはさらに多様化、増加することが見込まれ、こうした状況に適切に対応する必要があると考えております。

成年後見制度利用促進法に基づきます基本計画に基づきまして、厚生労働省としては、これまでも成年後見制度を中心とした権利擁護支援策の利用の促進、福祉関係者や司法専門職などによる権利擁護支援の地域連携ネットワークづくりなどについて、地域の連携体制の整備のための支援を行うなど必要な施策の総合的計画的な推進を図ってまいりました。

その上で、こうした取組を制度上にしっかり位置づけ、さらなる促進を図る観点から、今般、社会福祉法等の一部を改正する法律案を国会に提出しております。

この法律案におきましては、判断能力が不十分な方の権利擁護支援に係る市町村の事務を明確化した上で、その中核的な役割を担う機関として、地域権利保護相談支援センターを法律上に位置づけることによりまして、特に整備されていないことが多い、小規模市町村の体制整備を促進するなど、必要な制度的な期待を盛り込んだところでございます。

これらの取り組みも続きまして、厚生労働省といたしましても、青年貢献制度の見直し後におきましても、本人の支援ニーズに対応した支援がより一層行われますよう、市町村における適切な支援体制の構築を促進してまいります。

質疑者 藤沢忠盛

藤沢忠盛君。

お答えありがとうございました。

次に遺言制度改革についてお伺いいたします。

私は豊田市、三好市を含む各地域で空き家調査を行う中で、相続未了によって長期間放置された住宅を数多く見てまいりました。

相続人が遠方に住んでいる、親族間で話し合いがまとまらない、祭祀財産の承継が整理できない。

こうした事情が重なり、結果として空き家となり、地域の防災、防犯、景観上の課題へとつながっております。

特に中山間地域では、空き家の増加が地域コミュニティ維持そのものに影響を及ぼしております。

また、その延長線上には、所有者不明土地問題があります。

土地の管理が行われず、公共事業や地域整備にも支障をきたすケースが生じております。

私はこうした問題に対応するためには、相続をめぐるトラブルや手続き停滞を未然に防ぐことが重要であり、その意味でも遺言制度の役割は極めて大きいと考えております。

今回の遺言制度改革は、円滑な相続を促進し、空き家対策や所有者不明土地問題の解決にも資する重要な改正であると考えますが、政府の認識をお伺いいたします。

政府参考人 松井民事局長

松井民事局長。

お答え申し上げます。

先ほど申し上げたとおり、遺言制度については、近年のデジタル技術の進展、普及、手書きの機会の減少という社会状況に対応する必要があるなどの指摘がされており、民法等改正法案による遺言制度の見直しは、これらの指摘に応え、制度をより利用しやすくするものでございます。

遺言は、相続人全員による遺産分割協議を経ることなく、祭祀に関する権利の承継も含め、遺産に関する相続人等の権利義務関係を早期に確定させるものであり、遺言により不動産を承継したことは、相続人にとって相続登記を行うインセンティブになると考えられます。

これに加え、本改正法案により導入することとしている保管証書遺言による場合には、法務局において遺言書が保管され、遺言者が死亡した場合には、遺言者があらかじめ指定したものに、また、相続人等の1人が遺言書情報証明書の交付請求等をした場合には、他の相続人等にそれぞれ通知がされることなどから、相続人等が遺言書の存在を確実に知ることができ、また、遺言書の改ざん等のリスクが低く、相続人間の紛争の予防にも資することとなるメリットがございます。

こうしたことから、本改正法案による遺言制度の見直しは、遺言に対する信頼を確保しつつ、国民にとってより利用しやすい制度とするものであるとともに、委員御指摘の所有者不明土地問題や空き家問題の解決にも資するものと認識をしております。

さらに、祭祀財産の承継について御研究がございました。

仏壇や墳墓の所有権等の祭祀に関する権利は、祭祀を主宰すべき者が承継するところ、祭祀を主宰すべきものは、第一に被相続人の指定により、第二にその指定がない場合には慣習に従って、第三に慣習が明らかでないときは、家庭裁判所の審判により定まるとされており、遺言により指定することができます。

本改正法案によって、遺言制度がより国民にとって利用しやすいものとなることによって、祭祀を主宰すべきものを指定する遺言も、より活用しやすくなるものと考えております。

質疑者 藤沢忠盛

藤沢忠盛君。

お答えありがとうございました。

今回創設される保管証書遺言についてお伺いいたします。

パソコン等で作成した遺言データを法務局で保管できる仕組みは、遺言作成の負担軽減や紛失防止に大きく資するものであり、非常に意義のある制度であると考えております。

一方で、地方や高齢者の現場では、デジタル機器に不慣れな方も少なくありません。

特に中山間地域では、家族や専門職へのアクセスが限られている場合もあります。

制度を作るだけでなく、実際に利用していただける環境整備が重要であります。

法務局による相談体制や自治体との連携、さらには高齢者への丁寧な周知をどのように進めていくのか、お伺いをいたします。

政府参考人 松井民事局長

松井民事局長。

お答え申し上げます。

新設される保管証書遺言については、現行の自筆証書遺言保管制度と同様に、全国の法務局のうち、法務大臣の指定する法務局が遺言書保管所として、遺言書の保管に関する事務を司ることとしております。

利用者への相談体制については、現在、自筆証書遺言書の保管の申請に際して、制度の一般的な説明や手続きの進め方についての案内を行っているところですが、新設される保管証書遺言についても、遺言者が適切に手続きを行うことができるよう、高齢者の方を含め、引き続き丁寧に案内を行うことを予定しております。

また、現在も各地の法務局において、自治体と連携し、自筆証書遺言書保管制度の説明会や出前講座等を開催しているところでありますが、新設される保管証書遺言の周知広報についても、引き続き緊密に連携を図っていくことを予定しております。

法務省としては、本法案が成立した場合には、全国の法務局と一体となって、新たな遺言書保管制度の円滑な施行に向け、準備を進めるとともに、関係機関と連携して、周知広報にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

質疑者 藤沢忠盛

藤沢忠盛君、最後に地域社会との関係についてお伺いいたします。

成年後見制度や遺言制度は個人の財産管理にとどまらず、空き家対策、所有者不明土地対策、地域コミュニティ維持など、地方自治体が直面する課題とも深く関わっております。

特に豊田市、三好市のように、都市部と中山間地域の両面を持つ自治体では、課題が複雑化しております。

今後は法務行政だけで完結するのではなく、地方自治体、福祉部局、国土交通行政、地域包括ケア、地域づくり政策などとの連携も重要になってくると考えております。

法務省として、今後、どのように関係機関と連携しながら、地域社会を支える制度として実効性を高めていくのか、お伺いいたします。

政府参考人 松井民事局長

松井民事局長。

お答え申し上げます。

民法等改正法案は、高齢化の進展、単身高齢者世帯の増加などの家族の在り方の変化等を踏まえ、増加・多様化するニーズに対応する観点から、成年後見制度に関して本人にとって利用の範囲でその利用を可能とすること、遺言制度に関して電子データ等をもって作成し、法務局において保管するという保管証書遺言の方式を創設することなどを内容とし、成年後見制度及び遺言の制度をより利用しやすくするものでございます。

このような改正の内容については、地域社会を支える制度としても重要であり、実際に制度を利用する当事者に適切に理解される必要があると考えております。

法務省としては、改正法が成立した場合には、新たな制度を利用される方に必要な情報提供がされるよう、関係府省庁や地方自治体等の関係機関と連携しつつ、改正法の趣旨内容の十分な周知広報に努めてまいります。

質疑者 藤沢忠盛

藤沢忠盛君。

はい。

遺言をデジタル化するということに関して、非常に大切なものでございますが、デジタル機器に不慣れな方も多くいらっしゃると思います。

そういった方に関して、一回り何か多くの工夫をされている点がございましたら、何かご説明いただけると大変ありがたく思います。

政府参考人 松井民事局長

松井民事局長。

お答え申し上げます。

昨今、スマートフォンの普及などもございまして、幅広い世代において電子機器を使えるようになってはまいりましたけれども、今なお高齢者の方などデジタルデバイドの問題があるものというふうに認識をしております。

また、日本全国を見ますと、大都市圏、また委員ご指摘のような中山間地域における様々な様子というものも考えなければならないというふうに考えております。

今後、先ほど申し上げたような保管証書遺言の制度を創設し、実施するに当たりましては、そのような方々、また地域の実情を十分に考慮した上で、利用を望む方が適切にそれを使うことができるよう、適切な行政サービスというものを考えてまいりたいと考えております。

質疑者 藤沢忠盛

藤沢忠盛君。

お答え、大変ありがとうございます。

私は大学教員として、中山間地で多く空き家等の調査を行ってまいりました。

そういったものは人口減少社会と言われる前から研究を開始して、いろんなところに調査に行くと、空き家があって、「いや、先生、今日ここ泊まってくださいよ」と。

しかし、そこにはものすごく大きな仏壇があって、とても気になると。

これ、貸し出しされる予定とかあるんですか?と聞くと、「いや、貸し出したい」。

他の方がそこの空き家を利用するということは少し抵抗があったりするという場合がどうしてもあります。

私もですね、実際にその大きな空き家の中で仏壇の隣に寝ていたりすると、ちょっとどうしても気になって難しいなということがあります。

やっぱり今の日本の空き家の問題なんかは、仏壇のようなものがあったり、家族の思い出がしっかり整理できないというようなことが少し私はやっぱり自分の実際の。

政府参考人 松井民事局長

松井民事局長。

お答え申し上げます。

我が国では、まだ遺言が十分に活用されているとは言えないものと考えております。

民法上、遺言という制度があり、遺言をすれば、相続人の間で別途遺産分割協議をすることなく財産、また妻子を相続人の方に適切に円滑に承継させることができるにもかかわらず、遺言がないがために遺産分割に多大な労力費用をかけるというふうな現状があると認識しているためでございます。

このような観点からいたしますと、遺言をより促進していくというのが重要であるということはもう言うまでもございません。

そして今、所有者不明土地問題というものも大きく叫ばれております。

登記を見るだけでは、登記名義人として先々代の名前が書いてあって、実際に誰が今、所有しているのかが分かりにくいと。

そうしますと、災害や地震などがあった場合の復旧復興の観点でも、地権者が誰かという把握が難しく、多大な困難を要しているという現状にございます。

遺言が活性化されることによりまして、その登記名義にも適切に正しい登記名義がされるということになりますと、そのような復旧復興の面、所有者不明土地問題に対する対応としても非常に有用だと考えておりまして、今回創設する保管証書遺言の制度を含め、また公正証書遺言の制度もより利用しやすく、また法務省遺言につきましても、昨年10月からより利用しやすくなる改正をされているところでございますので、そのような全体として遺言がより利用しやすくなるものとなるよう努めてまいりたいと考えております。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長藤沢忠盛君。

質疑者 藤沢忠盛

藤沢忠盛お答え大変ありがとうございます。

土地所有者不明問題というのは、我が国にとっても非常に大きな問題であり、一説によると九州ぐらいの土地が誰の土地だかわからないということをお聞きしたことがございます。

そういった問題に関して、何か一言、今後の日本国における土地所有者不明問題ですね。

何かご助言とかご意見があればお伺いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

政府参考人 松井民事局長

松井民主局長お答え申し上げます。

特に東日本大震災の後の復旧復興の際に、それがなかなか円滑に進まなかったことという反省を受けまして、法務省といたしましては、所有者不明土地問題に対して、さまざまな取組を行ってまいりました。

法定相続情報証明制度というふうな、誰が法定相続人であるかを証明するということを、法務局の方で証明するサービスを作ることによって、相続登記の促進を図ったり、昨今の法改正におきましては、今年の4月1日に施行された、相続登記の義務化、また住所変更登記の義務化、こういうふうな制度を用いまして、登記が正しくされるようにするということを考えてきたものでございます。

まだその道のりは半ばでございまして、私どもとしても適切な周知広報を図り、また関係事業者との連携をもって、このような取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長藤沢忠盛君。

質疑者 藤沢忠盛

藤沢忠盛お答えは大変ありがとうございました。

本法案は、高齢化社会において、国民一人一人の尊厳ある人生を支えるとともに、地域社会の持続可能性にも大きく関わる重要な法改正であると考えております。

特に本人の自己決定権を尊重しながら、必要な支援を柔軟に行う方向性は、今後の我が国社会において極めて重要であります。

また、遺言制度の利用促進は、相続紛争の予防だけでなく、空き家や所有者不明土地問題への対応、さらには地域コミュニティ維持にもつながるものであります。

地元豊田市民をはじめ、全国の地域社会にとって国民にとって使いやすく、信頼される制度となるよう、丁寧な周知と実効性ある運用をお願いを申し上げて、私の質問を終わります。

大変ありがとうございました。

委員長 井上英孝

井上英孝委員長次回は明20日、水曜日午前9時20分理事会、午前9時30分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。