小島美里ご紹介いただきました、暮らしネット・えん、NPO法人の代表であり、ケア社会をつくる会という任意団体の世話人を務めております小島と申します。
最初に申し上げた暮らしネット・えんは、今から36年前の精神障害者のボランティア活動に始まって、30年前に介護保険前の委託による訪問介護をはじめ、その後ずっと30年にわたって活動を続けてきております。
介護保険の変遷とともに歩んできた、あるいは悪い言い方をしますと振り回されてきた30年だったというふうに申し上げていいかなと思っています。
そしてケア社会をつくる会は新しい会ですが、ウィメンズネットワークの上野千鶴子さんなどからのお声かけで始まった、介護保険に対する懸念を何とか良い方に変えようという思いで始まった会であります。
ご存じのとおり、樋口恵子さんたちは介護保険制度が始まる前に非常にご活躍をされた方々で、現状を大変憂いていらして、そのことから始まった視点からお話をさせていただきたいと思います。
いくつかの参考になる図表を付けさせていただきました。
まず1番目が倒産件数の推移です。
ご覧になってお分かりになるように24年からぐっと上がっております。
しかも訪問介護が非常に多い。
これは訪問介護報酬、基本報酬の減額が最終的なとどめを刺したというふうに言われております。
そして次に賃金の格差の図表を置きました。
全産業と介護職員で比べますと8.2万円の差があります。
処遇改善加算をずっとつけ続けてくださっていますが、一般の職種が上がっていきますから平行線で変わらない。
よほどのことをしない限り、この8万円の差は変わりません。
これを変えない限り介護保険は持続しないと私は思っております。
そしてこの差があるままに収益率が高いからといって基本報酬を下げるようなそういうことをする、それがどのような影響をもたらしているかよくお考えいただきたいと思ってこの表を作りました。
人手不足の表です。
これもご覧いただきたいと思います。
なぜこんなに不人気なのか、言うまでもありません。
仕事の蓄積、そして人手不足の中でこれだけの差があって誰がつきたいでしょうかというふうに申し上げたいです。
そして最後にの図表としましては、赤旗さんが出したスクープと言っていいでしょうか。
訪問介護ゼロから1の自治体が全国の4分の1に上っているというとんでもない、私もこれを拝見して本当に驚きました。
この図表から直接、これから先5つにわたる問題を掲げさせていただきますが、最初の特定地域サービスの創設についてお話をしたいと思います。
要介護者の権利であるサービス給付が市町村の事業になる。
これは介護保険の給付の原則を外す、権利を外す改正です。
すでに要支援1・2では介護、訪問介護、そして通所については行われていますが、この改正はすべての要支援から要介護5まですべての方々に、多くの事業にわたるものです。
こういう大きな改正をするときに、なんかしらっと変わってしまうんだなという、ことを私は非常に疑問に思っています。
社会保険の原則を破壊すると言っていいんじゃないでしょうか。
暮らしている地域によって、いかに地域差が出てくるとは言っても、受けるサービスが違ってくるというのは、全国標準の保険としてはあり得ない、あってはならないというふうに思います。
人員配置基準の緩和がされております。
これは一時的なカンフル剤にはなるかもしれません。
人手不足の事業所にとって今は歓迎されるかもしれません。
だけどその後どうなるでしょうか。
労働環境が悪化します。
今でも3対1基準の施設などで3対1で配置をするときちんと休みが取れない。
労基法通りに運営ができないということで、プラスで加配しています。
それを3以下にしていくということになったら、何が起きるでしょうか。
休みも取れない。
そういう状況が、これはもう起きることが明白です。
しかも訪問介護の事業者、2.5基準ですけれど、条件でそれが下げられたときに、本当に行ききれるのでしょうか。
広い地域になります。
という非常に大きな問題を抱えていると思います。
そしてまた、いわゆる丸め、定額の報酬を選ぶこともできるのですが、この報酬は良いような悪いような。
私ども小規模を持っていますのでよくわかっているんですけれども、多くの小規模多機能事業所が定額であるために、養介護一致なら訪問介護サービスは週に1回、2回というふうな独自の基準を持ってやっている。
結果的に選んだ事業所によって受けるサービスが違ってくる。
これは事業所側からすれば、経営から考えれば当たり前なんです。
低い報酬の中で、そんな十分すぎるサービスが、しかも定められた職員配置でやれるはずがない。
これが全国にわたっていくということは、何が起きるかということをどうぞお考えになっていただきたいと思います。
人口減少地域というふうに言っていますが、よく読んでいるとどうも今後どんどんこの地域が拡大していくのではないか。
これから人口減少に向かっていく日本で、多くの自治体が同じ人口減少になっていく。
私たちは中山間地であろうと考えていましたけれども、そこだけではなく一般市の中にも当然人口減少の地域がある。
そこに適応されていくというふうなことが起こっていけば、介護保険が保険ではなくなっていくというふうに考えていいかと思います。
時間があまりなくなってまいりました。
2番、介護施設の登録施設の創設があります。
これも大きな問題です。
ケアプランの有料化の入り口になります。
そして登録施設というカテゴリーをなぜ作らなければならなかったのか、非常に疑問に思っています。
なぜ今の特定施設にしないのか。
これは今行われているサービス付き高齢者向け住宅などが非常に収益率が高いから、そこから出ることを避けたのではないかと私は邪推しております。
これが邪推であることを願っております。
そしてこれは地域に開かれるところが、根本から軽減されます。
だって二本立てになるんです。
有料のところと、有料ではない今までどおりの人の二通りになっていきます。
そして3番目、ケアマネジメントの問題になります。
更新が廃止になりました。
しかし義務になります。
義務になったとき何が起きるか。
これにペナルティがつくんです。
ほかの医療や看護、医師については義務ではありません。
なぜケアマネだけ。
こういう措置をしておけば拡大する、どこから戻ってくるどころか、今までどおりというふうになるというふうに考えていいかと思います。
4番目、被保険者証の提示という簡単な言葉でありますが、マイナンバーに紐づけられます。
今回、身寄りがない高齢者の話を前のお三方がしてくださいましたけれども、身寄りがない方、今回制度がつくられるとしても、ここにきちんと対応するまでには時間が必要です。