竹中治堅今日はお招きください。
誠にありがとうございます。
研究者として、また日本国民として、このような貴重な機会をいただき、誠に光栄に感じております。
また衆議院事務局の方々にも大変お世話になり、この場を借りて御礼の気持ちを述べさせていただきたいと思います。
この協議会の要綱やこれまでの議論で、ダブルトラックということがまとめられているということを踏まえて、今日は3つの点についてお話をさせていただきたいと思います。
定数削減の問題について意見を申し上げさせていただきたいと思います。
御異論を持たれる委員の方々もいらっしゃると思いますが、一つの意見として受け止めていただけたらありがたく存じます。
よろしくお願いします。
まず、理想の選挙制度を追求していくという大きな議論について考えを述べますと、これについては既に多くの議論が協議会でなされてきたと思いますが、政治改革当時から改革の結果、政権交代可能な二大政党制が成立するということが予想されていたということが、メディアや研究者の間で広く認識されることとなっております。
しかし実際には当時の予想は分かれておりまして、多党制になるという見方もあったということに留意する必要があると考えております。
これは比例代表制の影響を的確に考慮していた結果、このような予想がなされていたということだと思います。
なぜこのような政権交代の可能性が高い選挙制度が正当に誕生するという認識が広く広がったかというと、それはおそらく政治改革の議論が始まったときに、政権交代の重要性が非常に強調されていたからではないかと思います。
その後の展開は、こちらの図に書いてあるとおりでございます。
政党の変遷図を2枚にご用意しております。
それでですね、最近の選挙制度について、議論を伺っていて気になるのは、一部に昔の中選挙区制に戻すべきであるという主張がなされていることです。
今、中北さんも既にその問題点を指摘されていましたけれども、私から見ると、中選挙区制ですと、やはり選挙区の面積が広がるので、政治にどうしてもよりコストがかかるようになることは必至だと思います。
それから、政党間の競争ではなく、やはり人物間の競争になって、ひどい場合には、大島選挙区のように違反をしてでも選挙に勝とうという候補者が出てくる恐れがあるのではないかと思います。
連記制にしてもですね、有権者が同じ政党の候補者3名なり4名なりに記入するという方がなかなか考えにくいので、結局人物本位の競争というのは残るので、解決策にはならないのではないかと思います。
やはり長期的な改革の考え方としては、初心に戻って政権交代の可能性を高める選挙制度にすべきではないかと。
あとですね、私これは参議院の選挙制度の協議会などにも何度も及ばせていて感じることなんですが、衆議院と参議院の選挙制度の議論が全く別個に行われておりまして、衆議院のミッションと参議院のミッションを合わせて考えて、その上でそれぞれの選挙制度を検討すべきではないかということを考えております。
そこでどういうふうにその任務を分けるかというと、衆議院は政権選択と、参議院は参議院の本質である多様な民意の反映ということと、再考の府ということを考えるべきではないかと。
それを踏まえると、やはり衆議院は単純小選挙区制にして政権選択の府とすると。
そして一方で参議院はブロック別大選挙区制を導入して、今やはり一票の格差の問題が参議院で問題になっておりますけれども、それを解消するとともに地域代表制というものを可能にするということによって、あとそれから選挙区の単位が広いので、多様な民意を反映できるようにするということが大事なのではないかと思っております。
それでそれに対しては反論がいろいろ予想されるんですが、最大の反論はやはり小選挙区制を導入すると死票、あるいは死票が多くなる少数意見の反映をどうするのかという議論が予想されますけれども、それはやはり参議院の方で反映させればいいのではないかと私は考えております。
それから参議院でも場合によっては二大政党制に近い形の政党制が成立して、ねじれになったときの弊害が多いのではないかという指摘も考えられますけれども、それについては国会法を改正して、両院協議会の在り方を見直すことによって、そのねじれの問題はかなり解消できるのではないかと考えております。
あと現行制度の前提とする課題への短期的対応ですけれども、やはりこの協議会の要綱などに、あとそれから付帯決議にも強く示唆されているのは、このまま選挙制度の格差の是正を進めていくと、地方の選挙区の議席がどんどん減っていってしまうのではないかという危機感が示唆されていると私は感じます。
私もこの問題意識は共有します。
これはどうしたらいいかというと、やはりもう他方で一票の価値を平等にするという要請はあるので、これを解決する一番いい点は、やはり定数を増やすべきだと。
定数を仮に試算すると、今465なんですけれども、これを500に増やすとどういうことになるかというと、これ11ページ目をご覧いただきたいんですけれども、この地方の議席が減るということの歯止めになるとともに、一票の価値の平等も保てるということで、一石二鳥の案だと思います。
仮に500まで増やすと、2人区を2件削減可能になるとともに、県間の格差は1.713ですけれども、それを1.596まで縮小することができます。
ということで、あと比例復活については、これはもう世論で不評でございます。
しかし、小選挙区制導入の議論について必ず出てくる死票が多くなるのをどうするんだという話で、この比例復活制度というのは、ある程度死票を救済する制度でもあるわけですね。
なので、何でこういう矛盾する議論が出てくるのかなと考えるんですが、それはやはりあまりにも得票率が低い候補者が当選してしまうということではないかと。
私は今年の選挙で比例復活した候補者を見たところ、ちょっと数を間違えているかもしれないんですけれども、3位と4位で復活している人は27人いるんですよね。
2位は残念賞で当選させてあげますというのはわかるんですけれども、3位、4位は、2位の人が落ちているのに何で3位、4位が入るのかというのは、国民としてもなかなか腑に落ちないところでございまして、これを見直す必要があるのではないかと思います。
復活は2位限定にするとか、というのはやはり必要なのではないかと考えております。
定数削減問題でございます。
これは御案内のように、自民党と日本維新の会が連立合意でこの削減を盛り込んだために政治課題に上がってきたわけで、この協議会でも議論されることになっていると理解しております。
日本維新の会は、身を切る改革といって定数削減を主張されております。
書いてあるとおり、改革の先頭に立つ政治家は、自分たちの身分、特権にこだわらず改革を進めるという姿勢を明確に示すということをおっしゃっています。
実際に世論調査でも、これに賛成する声は多いです。
これの是非について議論するために、まずデータをいろいろ準備してまいりましたので、それをご覧いただきたいと思います。
まず戦後の日本の議員定数を見ると、これはご案内のとおりですが、512議席まで増えた後、現在465まで減らされております。
そして一方、議員の方々は我々国民を代表されているというふうに考えると、議員1人が代表する人口数というのが問題になってくると私は考えております。
この議員1人が代表する人口数というのは増えてきております。
これは1950年だったときには17.7万人を代表していたのが、直近の2024年では25.9万人を代表するということで増えています。
これは戦後人口が増えたことと、1986年以降は定数が削減した結果、こういうことになっております。
あと各国比較をすると、他の民主主義国との比較を行いますと、議員で見た場合、アメリカを除けば日本の議員1人が代表する人口というのは、既に述べたとおり25.9万人と、他の国に比べて非常に多いです。
もし仮に新案が成立した場合には、29万人にまで日本の1人の議員の方々が代表する人口というのは増えてしまいます。
さらに人口3000万人以上の議院内閣制の国で見た場合、これはイタリアですとかスペインですとかドイツとかイギリスとかカナダですけれども、日本の議員数は非常に少ないと言えます。
言い換えると、多くの国が議員1人が10万人から15万人を代表しているのに対して、日本は26万人、繰り返しになりますが、維新案が成立した場合は29万人を代表するということになります。
なので、以上を踏まえて定数削減の議論をさせていただきます。
議員特権、要するにですね、維新が言う「議員は特権階級だ」というこの位置づけには、私は非常に違和感を持っておりまして、議員の方々はですね、国民の意見を国政に伝えるという重要な役割を担っているわけですね、代表制民主主義で。
その議員を削減するということは、国民の意見を国政に伝える経路が減ってしまうと。
議員がこういうことを言うことによってそこに世論があるのではなくて、議員の方々が世論を形成する能力もあるので、そういうことを議員あるいは市長などというかなり上の立場にいらっしゃる方がそういうことを言ってしまうので、世論がそういうふうに思ってしまうということにも注意する必要があります。
そしてさらに踏み込んで言うと、今日は忖度のない意見というふうに鈴木座長からもおっしゃっていただいたので、この手法は議員と国民あるいは市民の間に対立を生んで支持を拡大する一つの政治手法であることに注意するべきがあると、政治研究者としては考えております。
繰り返しになりますけれども、衆議院の議員は歴史的に見ても世界的に見ても少ないです。
なので世界のほかの国から見たら、既に述べたように日本はもともと17.7万人ぐらいで始めてきたのが25.9万人に増えてきているということ。
世界の議院内閣制の国と比べた場合には、他の国が10万人から15万人なのに対して、日本は26万人、維新案だと29万人ということになるので、私は悪循環が起きると思うんですね、議員の数を減らすと。
要は議員の数が既にですね、要は10万人とか15万人に1人の議員がいらっしゃれば、我々国民も接触しやすいわけですね。
これが25万人