深作ヘスス君。
深作ヘスス(国民民主党・無所属クラブ)ありがとうございます。
私もあれは前向きな表現であったと思っています。
何かあれば常に電話ができる相手である大臣も、以前、大臣を務めておられたときの韓国とは全く違う状況であるという中で、あのフレーズはある意味で今の日韓関係の状況をよく表していると思いますし、気軽に有事であったり何かがなくとも電話ができる環境であるということが大変重要だと思いますので、私も前向きに捉えているというところであります。
続けて北朝鮮についてお伺いをしていきたいと思います。
1つだけ質問を飛ばさせていただきますが、通告で次のものに行かせていただきますが、北朝鮮の非核化についてお伺いをしたいと思います。
外交問題評議会、アメリカの外交問題評議会が発行する雑誌「Foreign Affairs」という雑誌の中で、ビクター・チャ氏が「North Korea as it is, the case for a cold peace」という論文を掲載をしています。
少しだけこの論文についてご説明をしたいと思いますが、過去30年間、米国が取ってきた北朝鮮政策が間違っていたのではないかということが指摘がされています。
特に非核化政策が失敗をしたと論じているのがこの論文の特徴であり、そしてこれまでの北朝鮮政策を非核化に向けていくのではなく、北朝鮮をある意味で敵国であったり脅威の板上から外していく。
これ、「コールドピース」という形でビクター・チャ氏は説明をしていますが、このシフトをしようということが、この論文の中で言われています。
現在、皆さんもご存知の通り、北朝鮮は50発程度の爆弾を保有をして、さらに40から50、北朝鮮の脅威というのはある意味で高まっているわけであります。
その北朝鮮の核開発に対して歴代のアメリカ政権というものは、経済制裁と段階的な見返りを用いて、完全かつ検証可能で不可逆的な非核化を追求をしてきました。
しかし今申し上げたように、北朝鮮は核の能力を上げているわけですし、これを手放す意思がないということは明らかになっています。
実現のめどが立たない非核化にこだわって交渉を停滞させることが、アメリカにとっては米本土を標的としたミサイル配備であったり核物質の生産といった脅威の拡大を野放しにするというふうに、この論文の中では訴えています。
この状況というのが米国にとって許容できない状況であるというふうにしており、一方で米国は先ほど申し上げたように、中国やロシア、イランをはじめとする多すぎるさまざまな仮想敵国であったり脅威と同時に敵対状況にある軍事的外交リソースがそちらに割かれて極めて著しく圧迫をされている状況であって、米国は戦略的にこのチェスのボードにいる相手を下ろしていって、北朝鮮との間で冷たい平和、コールドピースを築くことで他地域へのリソースを分散していこうという動機があるということを言っています。
皆さん、このビクター・チャ氏についてはよくご存じの方も多いと思いますが、彼自身も所属をするアメリカのシンクタンク、CSISも同じような議論を始めています。
先日の米中首脳会談の中で、ホワイトハウスが、先ほど大臣も質問しましたが、ファクトシートにはアメリカが完全なる非核化を訴えたということが書かれていますので、アメリカが政策方針を変えたというふうには現時点で一切思っていませんが、その間に、ワシントンでは新たな北朝鮮の向き合い方というものが提案され始めているということは事実でありますし、私たちとしては注目せざるを得ないというふうに考えています。
そして専門家の中には、トランプ大統領自身が非核化に強い執着を持っていないと評価をして、自国への脅威を削減するという実利を優先したディールとして、コールドピースに移行していくのではないかと言っている専門家もいます。
このように、アメリカや北朝鮮の非核化に関する政策転換を少しでも考え始めている中で、アメリカというよりは周辺で行われている中で、これが変わっていくということは、我が国の北朝鮮との向き合い方も大きく変わり得るということを、この時点で考えていかなければいけません。
本来であれば、大臣にこれについてどう思うかと聞いてみたいところではありますが、学者の考え方、一機関の考え方に大臣にコメントをいただくということはなかなか私もできませんので、今日はこの中で指摘をされているものに対して、我が国が今どう捉えているのかという視点でご質問をしたいと思います。
そこで政府参考人で結構ですが、現在、北朝鮮の完全なる非核化、これはどこまで進んでいると日本政府は認識をされているんでしょうか。
完全なる非核化の実現までのロードマップをどのように策定をし、具体的にどのように非核化に向けて取り組まれているのか、そして今そのロードマップのどこにいるのか、政府としての見解をお示しください。